JP2624224B2 - 蒸気タービン - Google Patents

蒸気タービン

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JP2624224B2
JP2624224B2 JP30712195A JP30712195A JP2624224B2 JP 2624224 B2 JP2624224 B2 JP 2624224B2 JP 30712195 A JP30712195 A JP 30712195A JP 30712195 A JP30712195 A JP 30712195A JP 2624224 B2 JP2624224 B2 JP 2624224B2
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正男 志賀
光男 栗山
武彦 ▲吉▼田
孝徳 室星
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な耐熱鋼を用い
た大型火力発電の蒸気タービン用ケーシング本体,主蒸
気主塞止弁及び加減弁を有する蒸気タービンに関する。
【0002】
【従来の技術】現在の火力発電用蒸気タービンは蒸気温
度最大538℃,蒸気圧力最大246気圧である。その
ケーシング等にはCr−Mo−V鋳鋼が使用されてい
る。
【0003】近年、石油,石炭などの化石燃料の枯渇及
び省資源の問題から発電プラントの発電効率の向上が重
要な課題となっている。発電効率を上げるには蒸気温度
又は蒸気圧力を上げること、大型化することが有効であ
る。これらの蒸気温度,圧力を高めた場合、大型化した
場合の蒸気タービン用ケーシング等に使用される材料と
して前述の現用のCr−Mo−V鋳鋼では高温強度が不
足なため、更に高温強度の高い材料が必要である。
【0004】発明者らは蒸気温度及び圧力を高めた場
合、大型化した場合に使用する材料としてCr−Mo−
V鋼を基本組成とし、微量のBを添加した鋼を検討し
た。微量のBを含有せしめることによって鋼の焼入性を
増し、高温強度を顕著に高めるが、溶接性を低め、特に
溶接後の応力焼鈍で溶接熱影響部に割れ生じる割れ感受
性(SR割れ感受性)を高める欠点がある。火力発電用
蒸気タービンのケーシング,主蒸気主塞止弁及び加減弁
は互いに溶接によって接合され、溶接後応力除去焼鈍さ
れるので、前述のようにSR割れが生じないものでなけ
ればならない。
【0005】特開昭55−41962 号公報にはCr−Mo−
B鋼が示されているが、この鋼にはVが含有されておら
ず、高温強度、特にクリープ破断強度が低く、蒸気温度
593℃には適さない。また、この公報には溶接性につ
いては全く示されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、溶接
後のSR割れ率が小さく高温強度の高い耐熱鋼からなる
蒸気タービンを提供するにある。
【0007】本発明の他の目的はき裂進展速度の小さい
耐熱鋼からなる蒸気タービンを提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、蒸気タービン
用ケーシング本体,加減弁及び主塞止弁の少なくとも1
つが重量で、C0.05〜0.2%,Si0.15〜0.
75%,Mn2%以下,Cr0.5〜2.0%,Mo0.
5〜2.0%,V0.05〜0.5%,Ni0.5%以下,
Al0.002〜0.07%,Ti0.045〜0.15
%,B0.0002〜0.0030% 及び不可避の不純
物を含み、残部がFeである鋼からなることを特徴とす
る蒸気タービン。
【0009】本発明は、不可避の不純物のうちP,S
b,Sn及びAsの含有量及び前記Alの含有量をppm
で表わし、以下に示すXが2650以下、更にXとxA
lとを加えた値が2920以下が好ましい。
【0010】 X=10P+5Sb+4Sn+As xAl(xは図4より求められる係数である) 更に、本発明は、蒸気タービン用内外部ケーシング本
体、加減弁及び主塞止弁の少なくとも1つが、600
℃,105時間クリープ破断強度が9kg/mm2以上及び板
厚30mm,JIS規格Z3158の規定による斜めY形
溶接割れ試験における厚さ5mmlパス溶接後の応力除去
焼鈍による割れ率が20%以下である全焼戻しベーナイ
ト組織を有するCr−Mo−V低合金鋼によって構成さ
れることが好ましい。
【0011】また、前述の低合金鋼は、室温の引張伸び
率が15%以上及び室温の引張絞り率が50%以上を有
するもの鋼が好ましい。
【0012】本発明は、重量でC0.08〜0.15%,
Cr0.9〜1.7%,Mo0.8〜1.3%,V0.1〜
0.35%,Si0.15〜0.75%,Mn0.2〜0.
6%,Ni0.1〜0.3%,Al0.002〜0.07
%、Ti0.045〜0.15%,B0.0005〜0.0
020%及び不可避の不純物を含み、残部がFeであ
り、全焼戻ベーナイト組織を有する鋼が好ましい。
【0013】本発明は鋳物又は鍛鋼のいずれでも用いら
れる。特に、鋳物において大きな効果が発揮される。
【0014】本発明はMg0.1%以下,Zr0.2%以
下,Nb0.2%以下,W0.2%以下の少なくとも1種
を更に含み、これらの合計量で0.2% 以下含有する。
【0015】本発明は、不可避の不純物のうちP,S
b,Sn及びAsの含有量、前記Al及びSiの含有量
をppm で表わし、以下に示すXとxAlとを加えた値が
2920以下及びXとSi/yとを加えた値が3200以下
であるのが好ましい。
【0016】Si/y(yは図17より求められる係数
である) 本発明に係る鋼は特に蒸気温度538℃,593℃及び
650℃で蒸気圧力316気圧の蒸気条件を有する蒸気
タービンとして鋳物からなるケーシング本体、鋳物又は
鍛造によって構成される主塞止弁及び加減弁に好適でケ
ーシングは焼入れ又は焼ならし処理後焼戻し処理が施さ
れ、全焼戻ベーナイト組織を有するのが好ましい。本発
明に係る鋼を使用したケーシングは550℃のき裂進展
速度が20×10-3(mm/h)以下が好ましい。
【0017】(成分限定理由)Cは高温強度を高めるた
めに必要な元素であり、0.05% 以上の含有量が必要
である。その含有量が0.25% を越えると高温で長時
間さらされた場合には炭化物等の過剰析出による脆化が
生じ、長時間側のクリープ破断強度を低下させ、更に溶
接における溶接部の割れ感受性を高めるので、0.25
% 以下に限定される。特に、高い強度,靭性を得るに
は0.05〜0.20%が好ましく、更に0.08〜0.1
5%が望ましい。
【0018】Si及びMnは一般に脱酸剤として添加さ
れる。Si及びMnは各々0.15〜0.75 及び2%
以下含有される。Mnは0.2〜0.6%が好ましい。こ
れらの元素は焼入性を増す元素であるが、逆に前述した
含有量より多い過剰な含有量では焼もどし脆化感受性を
高める。更に、Siはき裂進展速度を高めるので、0.
35% 以下が好ましい。
【0019】Niは靭性を高めるのに有効な元素であ
り、0.5% 以下含有させることができる。0.5% を
越える含有はクリープ破断強度を低下させる。特に、高
い強度,靭性を得るには0.1〜0.5%が好ましく、更
に0.1〜0.3%が望ましい。Crは炭化物形成元素で
あり、高温強度を高め、更に耐酸化性を高める元素であ
り、高温材料として欠くことのできないものである。そ
のため0.5% 以上含有させる必要がある。逆に2.0
% を越える含有は高温長時間加熱によって析出物の粗
大化が生じ、クリープ破断強度を低める。特に、高いク
リープ破断強度を得るには0.9〜1.7%が好ましい。
【0020】Moは固溶強化及び析出硬化作用によって
クリープ破断強度を高め、更に焼戻し脆化を防止する元
素である。0.5% 未満の含有量では十分な強度が得ら
れない。更に、2%を越える含有量ではそれ以上の大き
な効果が得られない。特に、高いクリープ破断強度を得
るには0.8〜1.3%が好ましい。
【0021】VはCと結合して炭化物を形成し、クリー
プ破断強度を高める。0.05% 未満では十分な強度を
得ることができず、逆に0.5% を越えると溶接後の応
力除去焼鈍で割れ感受性を高めるので避けるべきであ
る。特に、高いクリープ破断強度,延性を得るには0.
10〜0.35%が好ましく、更に0.2〜0.35%が
望ましい。
【0022】Bは焼入性を向上させ、顕著にクリープ破
断強度を向上させる。その含有量が0.0003% 未満
では十分な高温強度が得られない。逆に0.0030%
を越える含有量では溶接後の応力除去焼鈍で割れ感受性
を著しく高めるので避けるべきである。特に、高いクリ
ープ破断強度を有し、低い応力除去焼鈍での割れ感受性
を得るには0.0005〜0.0020%が好ましい。
【0023】Alは鋼中のNを固定し、BとNとの結合
を防止してBの強化作用を有効に働かせるものであり、
0.002% 未満の含有量では十分な高温強度が得られ
ない。逆に、0.07 を越える含有量では高温強度を急
激に低めるので避けるべきである。特に、応力除去焼鈍
における割れ感受性を低め、高い高温強度を得るには
0.005〜0.07%が好ましく、更に鋼中の不純物量
に関係なく顕著に応力除去焼鈍における割れ感受性を低
め高強度を得るには0.005〜0.020%が望まし
い。
【0024】TiはAlと同様にNを固定し、B含有に
よる強化作用を有効に働かせるものであり、0.15%
以下含有させる。逆に、0.15% を越える含有量で
は、その効果が飽和する。特に、高い強度を得るには
0.045〜0.15%が好ましく、更に0.05〜0.1
2%が望ましい。
【0025】高い高温強度を得るには、AlとTiとの
複合添加が好ましく、その合計の含有量は0.06〜0.
15%が好ましく、更に0.07〜0.13%が望まし
い。
【0026】(X及びXとxAlとの関係)P,Sb,
Sn及びAsなどの鋼の製造上不可避の不純物元素は高
温での加熱によって結晶粒界に偏析し、結晶粒界を脆化
させる。これらの多量の含有は溶接後の応力除去焼鈍で
の割れ(SR割れ)感受性を顕著に高める。更に多量の
含有は焼戻し脆化及び高温での使用中脆化を生じさせ
る。特に、これらの不純物元素はBを含む鋼においてS
R割れ感受性に敏感に影響を及ぼすので、Xの値を2650
以下にコントロールすることが好ましい。更に、Alの
含有は同様にSR割れ感受性を高める元素であるので、
XとxAlとの相関関係によってそれらの含有量を29
20以下にするのが好ましい。
【0027】xAlはその含有量によってSR割れ率に
及ぼす効果が異なるので、その含有量によって異なった
係数がとられる。xは係数であり例えば、Al量が0.01
5%以下では零である。Al含有量が0.015% 以下
ではSR割れ率に対しほとんど影響を及ぼさないことを
意味する。その他、Al量が0.016% では係数は
4.4,0.02%では4.0,0.025%では3.5,
0.03% では3.1,0.04%では2.7,0.05%
では2.4,0.06%では2.1,0.07%では1.
8,0.08%では1.55,0.09% では1.3及び
0.1%では1.0である。
【0028】Al含有量が0.015% 以下のときはX
の値は2920以下となる。
【0029】Xをこの値以下にすればSR割れ率を20
%以下とすることができ、多層盛溶接においてSR割れ
を防止することができる。更にXはAl含有量が0.0
16%のとき2210以下,0.02%のとき2130
以下,0.03%のとき1990以下,0.04%のとき18
40以下,0.05%のとき1720以下,0.06%の
とき1660以下,0.07%のとき1640以下,0.
08%のとき1680以下,0.09%のとき1770
以下,0.10%のとき1920以下にすることによっ
てSR割れ率を20%以下にできる。
【0030】(AlとTiとの相関関係)AlとTiと
は強化に対して相互作用を及ぼすので、それらの添加量
には相関関係がある。これの含有量は0.06〜0.15
%のとき高い高温強度が得られ、更に0.07〜0.13
%で大きな効果を有する。
【0031】Ti/Alの比が高温強度に影響を及ぼ
す。この比率は0.8 〜14のとき高いクリープ破断強
度が得られ、更に0.9〜9.5で大きな効果が得られ
る。
【0032】Al/Tiの比も同様に高温強度に影響を
及ぼす。この比率は0.07〜1.25が好ましく、更に0.1
05〜1.15が望ましい。
【0033】(XとSi/yとの関係)Si及びXはと
もにき裂進展速度を高めるので、Si量及びXで計算さ
れるP,Sb,Sn及びAs量を低めるべきである。そ
のため前述の式で計算されるSi/yとXとを加えた値
を3200以下にするのが好ましい。
【0034】XとSi/yとを加えた値を3200以下
にすることによりき裂進展速度を20×10-3mm/h以
下にすることができる。更に2900以下では10×10
-3mm/h,2700以下で5×10-3mm/h以下及び2
600以下で2.5×10-3mm/h以下にすることができ
る。
【0035】(その他の元素)Zr及びNbはAl及び
Tiと同様にNと結合してB窒化物の形成を防止し、ク
リープ破断強度を高める。
【0036】また、ZrはSを固定化する作用を有する
ので、溶接熱影響部の結晶粒界へのSの偏析を抑制す
る。したがって、Sなどの不純物元素の結晶粒界の偏析
が原因で発生するSR割れ発生防止にも効果がある。Z
rは0.2% 以下の微量で効果が発揮されるが、それを
越えると靭性を低下させる。したがってZrは0.2%
以下とすべきである。
【0037】Wは炭化物生成元素で0.2% 以下で高温
強度を高めるのに効果があり、それ以上含有すると逆に
高温延性を低下させる。したがってWは0.2% 以下
する。 Mgは強力な脱酸剤であり、その含有は鋼中の酸
素量を低め、強度を高める効果を有する。しかし、0.
1% を越える含有は延性を低めるので好ましくなく、
従って0.1% 以下とすべきである。
【0038】(熱処理)本発明に係る鋼は鍛鋼及び鋳鋼
いずれでも適用できる。特に鋳鋼において鋼中に不純物
元素が偏析したままで使用される場合に効果が発揮され
る。
【0039】熱処理として少なくとも焼入れ又は焼なら
し及び焼戻し処理が施される。焼入れ又は焼ならしは温
度9000〜1100℃で2時間以上保持され、強制冷
却することが好ましい。焼戻しは温度680〜730℃
で2時間以上保持され、徐冷することが好ましい。焼戻
し処理を2回以上繰返すことによって靭性が向上する。
更に前記の焼入れ焼もどしの工程を2回繰返すことが好
ましい。
【0040】本発明に係る鋼は全焼戻ベーナイト組織と
することが好ましく、それによって高温強度の高いもの
が得られる。
【0041】本発明に係る鋼の硬さはブリネル硬さ(H
B )で170〜260が好ましい。この硬さを有する本
発明鋼は高い高温強度を有し、SR割れ感受性の低いも
のが得られる。
【0042】(溶接)本発明に係る鋼の溶接継手及び補
修の溶接施工条件は予熱温度250℃以上で溶接し、溶
接後冷却過程の150℃以上でSRを開始することが望
ましい。SR処理は670〜730℃で2時間以上保持
することが望ましい。また、SR処理を繰返すと溶接熱
影響部の切欠靭性が向上し、更に溶接部の残留応力が低
下する。
【0043】溶接棒はCr−Mo系の溶接棒が望まし
い。また、溶接後焼入れ,焼もどし処理が必要な場合に
は、クリープ破断強度の点から、Cr−Mo−V系溶接
棒が望ましい。
【0044】溶接法は被覆アーク溶接,半自動MIG溶
接,半自動複合ワイヤ溶接及びサブマージアーク溶接法
などが適用される。
【0045】
【発明の実施の形態】
(実施例1)高周波誘導溶解炉によって溶解し、砂型に
鋳込み,鋳塊を作製した。形状は厚さ130mm,長さ4
00mm,幅400mmである。
【0046】熱処理としていずれの試料も1050℃で
15時間保持後、400℃/hで冷却する焼ならし処理
を施し、その後730℃で15時間保持後炉冷の焼もど
し処理を施した。
【0047】表1に試験に用いた供試材の化学組成(重
量%)を示す。試験材の組織はいずれも均一な全焼もど
しベーナイト組織である。
【0048】No.1はB含有量が0.0003% の本発
明に係る鋼の下限値を有するもので、他の成分は現用の
蒸気タービンケーシング材のCr−Mo−V鋳鋼の化学
組成範囲のものである。
【0049】No.2〜9はAl及びTiの影響、No.1
0〜12はP,Sb,Sn,Asなどの不純物元素の影
響、No.13〜15はSi量の影響、No.16はZr及
びNo.17はMg添加の影響を検討するものである。
【0050】No.1,3,7及び10,14,15が比
較材、No.2,4〜6,8,9及び13,16〜19が
本発明に係る鋼である。
【0051】
【表1】
【0052】SR割れ試験を、JIS Z3158 に準じ、図1
に示す斜めY形溶接割れ試験片(板厚30mm)を用いて
行った。以下に示す溶接条件によって厚さ約5mmの1パ
ス溶接を行った。溶接には市販のCr−Mo鋼用被覆ア
ーク溶接棒(棒直径4mm)を用い、表3の条件で溶接し
た。
【0053】図2は溶接開先形状を示す図1のA−A′
断面図、図3は溶接金属とSR割れとの関係を示す図1
のA−A′断面図である。
【0054】SR割れ率(%)は以下の式で求められ
る。
【0055】
【数1】
【0056】SR割れ率は溶接開先部を5分割し、5個
の平均値を求めた。3は割れである。
【0057】表2は溶接金属の化学組成(重量%)であ
る。残部はFeである。
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】クリープ破断試験を、平行部の直径が10
mm,平行部の長さ50mmの形状のクリープ試験片を用
い、試験温度を±1℃以内に保って行った。
【0061】衝撃試験を、JIS Z2202 5号試験片に加工
した試験片を用いて行った。
【0062】表4は、表1に示す合金のX、600℃,
105 時間クリープ破断強度、SR割れ率及び(X+x
Al)を示すものである。Xは前述の計算式によって求
めたものである。xAlは、前述のようにAl含有量を
ppm で表わし、その含有量に図4に示す縦軸の値(x)
を積算して求めた。例えば、Al0.02%(200pp
m)のとき縦軸のSR割れ増倍係数(x)は4.0であ
り、xAlは800である。No.3の合金は、Xが18
80であり、Al0.083%(830ppm)における増
倍係数が1.5 であり、そのxAlは1245である。
従って、(X+xAl)は、3125である。以上のよ
うにして(X+xAl)の値が求められる。
【0063】
【表4】
【0064】図5は、鋼中のAl含有量が0.014%
以下の鋼についてXとSR割れ率との関係を示す線図で
ある。図に示す如く、Xが2500を越えるとSR割れ
率が急激に増加することが分る。
【0065】図6はX1560〜2140及びSi量
0.26〜0.52%を有する鋼についてAl量とSR割
れ率との関係を示す線図である。図に示す如くAl0.
015%以上で急激にSR割れ率が増加する。割れ率が
20%ではAl0.04% 以下,10%では0.028
%以下,5%では0.019%以下が好ましい。
【0066】図7は、(X+xAl)とSR割れ率との
関係を示す線図である。図に示す如く、(X+xAl)
の値が2500を越えると急激にSR割れ率が増加し、
3250ではほぼ100%のSR割れ率を有する。SR割れ
率を20%以下にするには(X+xAl)の値を292
0以下にするのが好ましい。
【0067】図8はSR割れ率に及ぼすXとAl含有量
との相互作用の効果を示す線図である。図中の斜線部が
SR割れ率20%以下の領域を示すものである。この領
域は図7より(X+xAl)の値を2920以下とする
ものである。図に示すように、Xを下げればSR割れを
生じることなく含有できるAl量を高めることができ
る。X2920以下でAl含有量0.015%以下、同
様に2210以下で0.016%以下,2130以下で0.0
2%以下,1990以下で0.03%以下,1840以下で
0.04%以下,1720以下で0.06%以下,164
0以下で0.07 %以下,1680以下で0.08%,
1770以下で0.09%以下,1920以下で0.10
% 以下とそれぞれXを調整すればAl量が多くてもS
R割れ率を20%以下にすることができる。
【0068】更に図に示す如くSR割れ率を0%,5
%,10%の場合についても同様である。(X+xA
l)は0%の場合2500,5%の場合2700及び1
0%の場合2800である。
【0069】図9はTi量0.09〜0.115%,Al
量0.014% 以下を有する鋼の600℃,105 時間
クリープ破断強度とXとの関係を示す線図である。クリ
ープ破断強度は不純物量によって影響を受ける。不純物
量が多くなると強度が低下するが、2700以下のXで
9kg/mm2 以上の高強度が得られる。
【0070】図10はTi量0.059〜0.071%,
X1640〜1880を有する鋼の600℃,105
間クリープ破断強度とAl量との関係を示す線図であ
る。Al量の過剰なる含有は強度を急激に低下させる。
Al量が0.002〜0.07%で8kg/mm2以上の強度
が得られ、更に0.005〜0.065%では9kg/mm2
以上の強度が得られる。
【0071】図11はAl量0.012〜0.018%,
X1560〜2290を有する鋼の600℃,105
間クリープ破断強度とTi量との関係を示す線図であ
る。Tiの添加は顕著にクリープ破断強度を高める。特
に、Ti量0.04〜0.16%で7kg/mm2以上の強度
が得られ、更に0.045〜0.14%では8kg/mm2
上,0.05〜0.12%で9kg/mm2 以上の強度が得ら
れる。これらのTi量に対し、Al量を0.01〜0.0
65%にしたときにより強度の高いものが得られる。し
かし、Al量を高くしたときは前述のようにXを所望の
値にすべきである。
【0072】図12はAl量0.025% 以下、X15
60〜2290を有する鋼の600℃,105 時間クリ
ープ破断強度と(Al+Ti)量との関係に示す線図で
ある。AlとTiとの複合添加によって強度が顕著に向
上する。(Al+Ti)量が0.06〜0.15%で8kg
/mm2以上,0.09〜0.13%で9kg/mm2以上の強度
が得られる。0.056%以上で7kg/mm2 以上の強度
を有する。
【0073】図13は(Al+Ti)量0.073〜0.
143%,X1560〜2290を有する鋼の600
℃,105 時間クリープ破断強度と(Ti/Al)比と
の関係を示す線図である。クリープ破断強度は(Ti/
Al)比によって顕著な影響を受ける。(Ti/Al)
比を0.8〜14とすれば8kg/mm2以上の強度が得ら
れ、更に0.9〜9.5で9kg/mm2 以上の強度が得られ
る。
【0074】図14は(Al+Ti)量0.073〜0.
143%,X1560〜2290を有する鋼の600
℃,105 時間クリープ破断強度と(Al+Ti)比と
の関係を示す線図である。(Al/Ti)比は、顕著に
クリープ破断強度に影響を及ぼす。(Al/Ti)比を
0.07〜1.25にすれば8kg/mm2 以上,0.10〜
1.15で9kg/mm2以上の強度が得られる。
【0075】図15は600℃,105 時間クリープ破
断強度に及ぼすAl及びTi量との関係を示す線図であ
る。図10〜図14の関係からAl量とTi量との点線
で囲まれた範囲にすれば、8kg/mm2 以上の強度を得る
ことができ、更に一点鎖線で囲まれた範囲にすれば9kg
/mm2 以上の強度を得ることができる。前者は、(Ti
0.056%,Al0.004%),(Ti0.026%,
Al0.034%),(Ti0.058%,Al0.07
2%),(Ti0.074%,Al0.072%)及び
(Ti0.14%,Al0.01%)の各点で囲まれた範
囲である。後者は、(Ti0.063%,Al0.007
%),(Ti0.032%,Al0.038%),(Ti0.
056%,Al0.065%),(Ti0.065%,Al
0.065%)及び(Ti0.117%,Al0.012
%)の各点で囲まれた範囲である。これらの範囲で(T
i/Al)比を0.8 〜14より0.9〜9.5にすれば
より強度の高い鋼が得られる。
【0076】現在の火力発電用蒸気タービンケーシング
は538℃で105 時間クリープ破断強度が9kg/mm2
以上であるものが要求される。従って、より高温化され
た場合でもその蒸気温度に応じて9kg/mm2 以上の強度
にすればよい。
【0077】図16はSi含有量とΔFATTとの関係
を示す線図である。ΔFATTは衝撃試験より測定した
値から以下の式によって求められる。各試料について5
00℃で3000時間加熱した後、−20〜150℃で
衝撃試験を行い、試料の破面よりΔFATTを求めた。
【0078】
【数2】 ΔFATT=T0−Tt …(数2) T0 =加熱前の50%脆性破面遷移温度(℃) Tt =加熱脆化材の50%脆性破面遷移温度(℃) 図に示す如く、ΔFATTはSi含有量の減少に伴って
低下する。例えばSi含有量が0.06% ではΔFAT
T量が15℃程度であり、顕著に脆化量が少なくなるこ
とが明らかである。したがって、本発明材のSi含有量
は製造上可能であればできる限り低くすることが好まし
い。
【0079】Zr及びMgを含むNo.16及びNo.17
はいずれもこれらの強力な脱酸作用により、鋼塊内部に
ブロホールなどの欠陥が認められず、健全な鋼塊が得ら
れ、また、SR割れも全く認められなかった。更に、い
ずれも9kg/mm2 以上の高いクリープ破断強度を有す
る。
【0080】表に示す鋼のいくつかのものについて室温
の引張試験を行った結果、いずれも56kg/mm2 以上の
引張強さ、15%以上の伸び及び50%以上の絞り率を
有していた。
【0081】(実験例)実施例1と同様に同じ大きさの
鋳物を製造した。表5は試料の化学組成(重量%)であ
る。
【0082】これらの鋼塊の製造法は以下のとおりであ
る。
【0083】原料をアーク電気炉によって大気中で精錬
したのち、取鍋に出した。鋼塊No.21,22はそのま
ま真空鋳造を行い、No.23〜29は取鍋底よりArガ
スを吹込みながら1以下に減圧して脱ガス及び鋼中の酸
化物を浮上させる処理を行い、次いで取鍋底より再びA
rガスを吹込みながらアークによって溶湯を加熱し、N
o.21,22と同様に真空鋳造を行った。
【0084】
【表5】
【0085】鋼塊の熱処理として1050°で9時間保
持後約400℃/hの冷却速度で焼入れを行った。焼入
れ後710℃で15時間保持後空冷の焼もどし処理を行
った。
【0086】クリープき裂進展試験は側面に切欠を付し
た試験片を用いて行った。試験片形状は厚さ14mm,幅
30mm,長さ140mmである。切欠きは深さ6mm,幅1
mm,切欠先端の角度45°の機械切削によって形成さ
せ、更に曲げ振動疲労試験によって約1mmの深さのき裂
を形成させた。両溝のものは共に深さ2mm角度60°の
形状である。
【0087】クリープき裂進展試験は温度550℃一定
で行った。き裂長さはき裂進展に伴う試験片の電気抵抗
増加現象を利用した電位法により測定した。
【0088】き裂進展速度は以下の式によって求められ
【0089】
【数3】
【0090】における値のときの値を試験時間とき裂の
長さとの関係を示す線図によって求めたものである。
【0091】
【数4】
【0092】P:荷重(Kg) B:試験片の幅(mm) W:試験片の厚さ(mm) a:き裂の深さ(mm) 上述の式より示されるようにKIはき裂の深さによって
変化する。荷重は2900〜3250kgの範囲で試験片の組
成によって変えた。
【0093】No.21,25及び26が比較材であり、
No.22〜24及びNo.27〜29が本発明材である。
【0094】表6にX,X+Si/y,き裂進展速度及
びクリープ破断強度を示す。Xは前述と同様に計算され
る。
【0095】図17はSi含有量とき裂進展速度に及ぼ
すSi量の増倍係数yを示すものであり、yはこれより
求めることができる。
【0096】係数(y)はSi含有量によって変り、そ
れぞれSi量が0.01%で6.5,0.1%で5.62,
0.2%で4.75,0.3%で3.8,0.4%で2.9,
0.5%で2.0及び0.6%以上では1である。
【0097】
【表6】
【0098】図18はSi0.07〜0.08%を有する
鋼のき裂進展速度とXとの関係を示す線図である。Si
量0.07〜0.08%の限られた範囲でき裂進展速度を
20×10-3(mm/h)以下にするにはXは3100以
下にしなければならない。更に10mm/h以下にするに
は2850以下,5mm/h以下にするには2500以下
にするのが好ましい。
【0099】図19はXが1740〜2040のものの
き裂進展速度とSi量との関係を示す線図である。き裂
進展速度20×10-3(mm/h)以下にするにはSi量
を0.37%以下,10×10-3(mm/h)以下にする
には0.30%以下,5×10-3(mm/h)以下にする
には0.27%以下及び2.5×10-3(mm/h)以下に
するには0.25% 以下にするのがよい。
【0100】図20はき裂進展速度と(X+Si/y)
との関係を示す線図である。(X+Si/y)の値が2
600を越えると急激にき裂進展速度が増加する。き裂
進展速度を20×10-3(mm/h)以下にするには(X
+Si/y)を3200以下、以下同様に10×10-3
(mm/h)以下にするには2900以下,5×10
-3(mm/h)以下にするには2700以下及び2.5×
10-3(mm/h)以下にするには2600以下が好まし
い。
【0101】図21はき裂進展速度に及ぼすXとSi量
との関係を示す線図である。
【0102】き裂進展速度はX及びSiとも増加するこ
とによって増加するのは、それらは反比例関係にある。
図中の数字はき裂進展速度(×10-3mm/h)である。
【0103】図中の点線は各々2.5×10-3(mm/
h),10×10-3(mm/h)及び20×10-3(mm/
h)以下のき裂進展速度を得る上限のX及びSi量を示
す線図である。
【0104】(実施例2)図22は火力発電用蒸気ター
ビンケーシング本体5の断面図である。図23は同じく
蒸気タービンの加減弁ケーシング4及び主塞止弁ケーシ
ング7の構成図である。ケーシング本体5は鋳物で構成
され、加減弁4及び主塞止弁ケーシング7は鋳物又は鍛
造のいずれでも構成することができる。
【0105】このようなケーシング材として、本発明の
係る鋼が適用されるが、一例として表7に示す組成(重
量%)の鋼について検討された。主塞止弁,加減弁及び
内部ケーシング本体にB入り鋼及び外部ケーシング本体
にB入り又はBなし鋼がそれぞれ検討された。主塞止弁
及び加減弁として鍛造品が検討された。
【0106】
【表7】
【0107】表8に表7の鋼のX,(X+xAl),
(X+Si/y),(Al+Ti)及び(Ti/Al)
の各値をそれぞれ示す。本鋼種によれば、B入り鋼では
SR割れ率が約5%であり、更にBなし鋼ではき裂進展
速度が約2.5×10-3(mm/h)のものが得られる。
【0108】
【表8】
【0109】溶接は図23に示す個所6について行われ
る。
【0110】図24は図23の溶接を行う場合の予熱温
度、溶接後のSR処理(690〜710℃×8hr)の工
程を示す線図である。この溶接には表2と同様の溶接金
属が検討された。予熱温度は350℃であり、SR処理
における加熱開始温度は350℃である。SR処理後は
炉冷される。
【0111】図25は補修溶接の工程を示す線図であ
る。350℃で予熱し、溶接後、110℃/hの速度で加
熱し、1025〜1075℃×8h保持後、400℃/
hで冷却し、200℃で焼戻(680〜730℃×8h
r)の処理を施される。補修の場合には、一例として表
9の組成(重量%)の溶探金属が検討された。残部はF
eである。
【0112】
【表9】
【0113】以上の溶接においていずれの場合もSR割
れは全く生じないことが明らかである。
【0114】本発明によれば、溶接後の応力除去焼鈍に
おいてSR割れ率が小さく、高強度を有し、更にき裂進
展速度の小さい鋼を用いた538℃以上の蒸気タービン
が達成される。
【0115】
【発明の効果】 【図面の簡単な説明】
【図1】溶接後の応力除去焼鈍割れ試験に用いた試験片
の平面図。
【図2】図1のA−A′断面図。
【図3】図1のA−A′断面の溶接後の断面図。
【図4】SR割れ率に及ぼすAlの増倍係数とAl量と
の関係を示す線図。
【図5】SR割れ率とXとの関係を示す線図。
【図6】Al量とSR割れ率との関係を示す線図。
【図7】(X+xAl)とSR割れ率との関係を示す線
図。
【図8】SR割れ率に及ぼすXとAlとの関係を示す線
図。
【図9】クリープ破断強度とXとの関係を示す線図。
【図10】Al量とクリープ破断強度との関係を示す線
図。
【図11】Ti量とクリープ破断強度との関係を示す線
図。
【図12】(Al+Ti)量とクリープ破断強度との関
係を示す線図。
【図13】(Ti/Al)比とクリープ破断強度との関
係を示す線図。
【図14】(Al/Ti)比とクリープ破断強度との関
係を示す線図。
【図15】クリープ破断強度に及ぼすTi量とAl量と
の関係を示す線図。
【図16】ΔFATTとSi量との関係を示す線図。
【図17】き裂進展に及ぼすSiの増倍係数(y)とS
i量との関係を示す線図。
【図18】き裂進展速度とXとの関係を示す線図。
【図19】き裂進展速度とSi量との関係を示す線図。
【図20】き裂進展速度と(X+Si)との関係を示す
線図。
【図21】き裂進展速度に及ぼすXとSi量との関係を
示す線図。
【図22】火力発電蒸気タービン用ケーシング本体の断
面図。
【図23】同じく加減弁ケーシング及び主塞止弁ケーシ
ングの平面図。
【図24】溶接及び溶接後の処理を示す工程図。
【図25】補修溶接施工図。
【符号の説明】
4…加減弁ケーシング、5…ケーシング本体、6…溶接
部、7…主塞止弁ケーシング。
フロントページの続き (72)発明者 栗山 光男 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 ▲吉▼田 武彦 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 室星 孝徳 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (56)参考文献 特開 昭57−143466(JP,A) 特開 昭57−143467(JP,A)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蒸気タービン用ケーシング本体、加減弁及
    び主塞止弁の少なくとも1つが重量で、C0.05〜0.
    25%,Si0.15〜0.75%,Mn2%以下、Cr
    0.5〜2.0%,Mo0.5〜2.0%,V0.05〜0.
    5%,Ni0.5%以下,Al0.002〜0.07%,
    Ti0.045〜0.15%,B0.0003〜0.0030%及び不
    可避の不純物を含み、残部がFeである鋼からなること
    を特徴とする蒸気タービン。
  2. 【請求項2】前記鋼が、重量で、C0.08〜0.15
    %,Si0.15〜0.75%,Mn0.2〜0.6%,C
    r0.9〜1.7%,Mo0.8〜1.3%,V0.1〜0.
    35%,Ni0.1〜0.3%,Ti0.045〜0.15
    %,Al0.002〜0.07%,B0.0005〜0.0
    020%及び不可避の不純物を含み、残部がFeである
    請求項2に記載の蒸気タービン。
  3. 【請求項3】前記蒸気タービン用ケーシング本体が鋳鋼
    であり、前記加減弁及び主塞止弁が鋳鋼又は鍛鋼からな
    る請求項1又は2に記載の蒸気タービン。
  4. 【請求項4】蒸気タービン用ケーシング本体、加減弁及
    び主塞止弁の少なくとも1つが、重量で、C0.05〜
    0.25%,Si0.15〜0.75%,Mn2%以下、
    Cr0.5〜2.0%,Mo0.5〜2.0%,V0.05
    〜0.5%,Ni0.5%以下,Ti0.045〜0.15
    ,Al0.002〜0.07%及びB0.0003〜0.
    0030%と、Zr0.2%以下,Nb0.2%以下及び
    W0.2%以下の少なくとも1種でこれらの合計量0.2
    % 以下と、不可避の不純物とを含み、残部がFeであ
    る鋼からなることを特徴とする蒸気タービン。
  5. 【請求項5】前記鋼が、重量で、C0.08〜0.15
    %,Si0.15〜0.75%,Mn0.2〜0.6%,C
    r0.9〜1.7%,Mo0.8〜1.3%,V0.1〜0.
    35%,Ni0.1〜0.3%,Ti0.045〜0.15
    %,Al0.002〜0.07%、及びB0.0005〜
    0.0020%と、Zr0.2%以下,Nb0.2%以下
    及びW0.2%以下の少なくとも1種でこれらの合計量
    0.2%以下及び不可避の不純物を含み、残部がFeで
    ある請求項4に記載の蒸気タービン。
  6. 【請求項6】前記蒸気タービン用ケーシング本体が鋳鋼
    であり、前記加減弁及び主塞止弁が鋳鋼又は鍛鋼からな
    る請求項4又は5に記載の蒸気タービン。
  7. 【請求項7】蒸気タービン用ケーシング本体、加減弁及
    び主塞止弁の少なくとも1つが、重量で、C0.05〜
    0.25%,Si0.15〜0.75%,Mn2%以下、
    Cr0.5〜2.0%,Mo0.5〜2.0%,V0.05
    〜0.5%,Ni0.5%以下,Ti0.045〜0.15
    %,Al0.002〜0.07%B0.0003〜0.0030%,
    Mg0.1%以下及び不可避の不純物とを含み、残部が
    Feである鋼からなることを特徴とする蒸気タービン。
  8. 【請求項8】前記鋼が、重量で、C0.08〜0.15
    %,Si0.15〜0.75%,Mn0.2〜0.6%,C
    r0.9〜1.7%,Mo0.8〜1.3%,V0.1〜0.
    35%,Ni0.1〜0.3%,Ti0.045〜0.15
    %,Al0.002〜0.07%,B0.0005〜0.0
    020%,Mg0.1% 以下及び不可避の不純物を含
    み、残部がFeである請求項7に記載の蒸気タービン。
  9. 【請求項9】前記蒸気タービン用ケーシング本体が鋳鋼
    であり、前記加減弁及び主塞止弁が鋳鋼又は鍛鋼からな
    る請求項7又は8に記載の蒸気タービン。
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