JP3572152B2 - 高温強度と溶接性に優れた低Crフェライト鋳鋼 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は高温強度が高く、溶接性、耐酸化性および高温耐食性に優れ、ボイラ、原子力、化学工業などの分野で、特に450℃以上の高温環境下で使用される鋳造用材料として好適な低Crフェライト鋳鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】
ボイラ、原子力、化学工業などの各種の機器で高温耐熱耐圧部品に使用される材料としては、オーステナイト鋼、9〜12%Cr系高Crフェライト鋼、2・1/4Cr−1Mo鋼を含む3.5%以下の低Crフェライト鋼、炭素鋼が用いられている。これらは対象部材の使用温度、圧力使用雰囲気などに応じて、かつ経済性を考慮して適宜、選択されている。なかでも、9〜12%Crおよび3.5%Cr以下の低Crフェライト鋼に関しては、さまざまな微量元素を添加した成分系が研究され、その結果、フェライト鋼においてもオーステナイト鋼と同等以上の高温強度をもつ材料も開発されてきた。しかし、多くのものは、鍛造圧廷など、加工を施して使用することが前提にされており、鋳鋼のように鍛造圧廷なしに使用する鋼に関するものは非常に少ない。それは、高温強度、溶接性、衝撃特性、経済性など、トータルに性能を兼ね備えた材料の開発が困難であったためだと思われる。
【0003】
鋳鋼には鍛鋼と比較して、鍛造工程なしに、複雑な形状のものを容易に成形でき、そのため加工費が安くなるという大きな利点を有している。近年の鋳造技術の進歩により従来危惧されていた鋳鋼の信頼性は著しく向上しており、安価で高温強度と溶接性に優れた鋳鋼が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように既存の添加Crフェライト鋳鋼の問題点としては、▲1▼低Crフェライト鋳鋼においては、特に厚肉材においてポロシテイや高温割れの発生による材料劣化を生ずる。▲2▼450℃以上での高温クリープ強度が低い。▲3▼衝撃特性が劣っている。▲4▼溶接時には予熱を必要とするという問題点を有している。
そこで、本発明は厚肉鋳鋼でも鋳造欠陥がなく、450℃以上の温度における高温強度、特に高温クリープ強度を従来の鋳鋼に比べ大幅に改善すると共に、靱性、溶接性においても既存の鍛鋼と同等以上の性能を有する経済性に優れた低Crフェライト鋳鋼を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは▲1▼厚肉の鋳鋼でも内部欠陥を抑えること、▲2▼VとNbによる析出効果と、W,Mo,Cuによる固溶強化により450℃以上のクリープ強度を高めること及び▲3▼C,MnおよびBの添加量の制御により溶接性を改善させることの基本的な考え方で上記課題を解決することに取り組み、つぎの知見を得た。
【0006】
低Crフェライト鋳鋼においては、Sのマクロ偏析が最も生じ易く、その傾向は大鋳塊・弱脱酸材程顕著になる。また、十分に脱酸を行っても、Sのマクロ偏析部にポロシティが集中し易いので、ポロシティによる材料劣化を抑えるためにも、Sのマクロ偏析を抑制する必要がある。また、Sのミクロ偏析が生じると、つぎの問題を引き起こす。(1)溶接時等での高温割れの促進(2)Cr2 O3 皮膜の不安定化による耐酸化性・高温耐食性の低下(3)粒界強度の低下
【0007】
したがって、低Crフェライト鋳鋼において、Sの偏析を抑制する方法を検討した結果、以下の解決法を見い出した。
Alで十分に脱酸を行なうと共に、Sに対する親和力の強いMgを添加することにより、Sを安定化させることができるので、Sのマクロ偏析・ミクロ偏析を飛躍的に抑制することができる。その結果として、Sの偏析が原因となって生じた内部欠陥や溶接時の高温割れを軽減させることができる。
【0008】
Sを安定化させる元素としては、Mgの他に、Caや希土類がある。しかしながら、高温で使用される本発明の低Crフェライト鋳鋼においては、高温でのスケールの安定性を確保することも重要である。MgはCr2 O3 などのスケールを安定化させる作用もあるので、Sを安定化させるためにはMgの添加が望ましい。Mgを添加した場合の効果は、S量・O量およびAl量とのバランスに支配され、つぎの式を満たす必要がある。
Mg>(24/32)S+(24/16)〔O−(32/81)Al〕すなわち、Mgは、MgSとしてSを安定化させる効果に加え、Mg単独であってもスケールを安定化させる効果も有するのである。
【0009】
本発明者らは、上述のようにSの偏析を抑制する対策とその他の合金元素の適正化との相乗効果によって、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本特発明は下記(1)〜(4)の構成を有する低Crフェライト鋳鋼である。
(1) 重量%で、C:0.03〜0.12%、Si:0.03〜0.7%、Mn:0.02〜1%、Co:0.3%以下、P:0.025%以下、S:0.015%以下、Cr:0.8〜3%、Ni:0.01〜1%、V:0.01〜0.5%、W:0.1〜3%、Nb:0.01〜0.2%、Al:0.005〜0.05%、B:0.0001〜0.02%、N:0.001〜0.05%、O:0.03%以下、Mg:0.0005〜0.05%の範囲で、かつMg>(24/32)S+(24/16)〔O−(32/81)Al〕式を満足する量を含み残部は鉄および不可避的不純物からなる溶接性に優れ、高温強度を飛躍的に向上させてなることを特徴とする低Crフェライト鋳鋼。
【0011】
(2) 上記(1)記載の成分に加えて、さらに重量%で0.01〜0.2%のCa,Ti,Zr,Y,La,Ce及びTaよりなる群から選ばれた1種または2種以上の元素を含有する溶接性に優れ、高温強度を飛躍的に向上させてなることを特徴とする低Crフェライト鋳鋼。
【0012】
(3) 上記(1)または(2)記載の成分に加えて、さらに重量%でMo:0.01〜3%を含有する溶接性に優れ、高温強度を飛躍的に向上させてなることを特徴とする低Crフェライト鋳鋼。
【0013】
(4) 上記(1)、(2)および(3)のいずれかに記載の成分に加えて、さらにCuを0.1〜2.5%を含有する溶接性に優れ、高温強度を飛躍的に向上させてなることを特徴とする低Crフェライト鋳鋼。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に各成分の作用とその含有量の選定理由を説明する。説明中、%は重量%を示す。
【0015】
CはCr,Fe,W,V,Nbおよび必要に応じて添加されるMoならびにCuと結合して炭化物を形成し、高温強度に寄与するとともに、それ自身がオーステナイト安定化元素として組織を安定化する。0.03%未満では炭化物析出が不十分で十分な高温強度が得られず、また、0.12%を超える場合は炭化物が過剰析出して鋼が著しく硬化する。即ち、Cの適正含有量は0.03〜0.12%である。
【0016】
Siは脱酸剤として働き、また耐水蒸気酸化特性を高める元素であるが、0.7%を超えると靱性が著しく低下しクリープ強度に対しても有害である。また、0.03%未満とすると鋳造時の湯流れ性が悪化することから、Siの含有量は0.03〜0.7%とする。
【0017】
Mnは脱硫および脱酸の効果があり、組織の安定化に有効である。0.02%未満では十分な効果が得られず、1%を超えると鋼を硬化させるとともに焼戻し脆化感受性を高める。また、Sが特に低い場合はMn添加量を少なくすることができる。よってMnの含有量は0.02〜1%とする。
【0018】
Coは溶解の履歴によっては鋼中不純物として0.3%以下を含有する場合もあるが、0.3%以下では特に有害な影響を与えないため、不可避な含有量として0.3%以下とする。したがって、成分調整時にはCoは積極的に添加する必要はない。
【0019】
P,Sはいずれも靱性に有害な元素で、Sが極微量であっても粒界やCr2 O3 スケール皮膜を不安定にし、高温強度、靱性劣化の原因となるから、上記の許容範囲内でもできるだけ少ないほうがよい。不可避な含有量として、Pは0.025%以下、Sは0.015%以下とした。
【0020】
Crは低合金鋼の耐酸化性、高温腐食性の点から不可欠な元素であり、その含有量が0.8%未満では十分な耐酸化性、高温腐食性が得られない。一方、3%を超えて添加すると強度と靱性を損う。従って、Crの含有量は0.8〜3%とする。
【0021】
Niはオーステナイト安定化元素であり、かつ靱性改善に寄与するが、0.0.1%未満では十分な効果が得られず、その含有量が1%を超えると高温クリープ強度を損う。また経済性を鑑みても大量添加は不利である。従ってNiの含有量は0.001〜1%とする。
【0022】
VはC,Nと結合してV(C,N)等の微細析出物を形成する。この析出物は高温での長時間クリープ強度の向上に大きく寄与するが、0.01%未満では十分な効果が得られず、0.5%を超える場合にはV(C,N)の析出量が過剰となり、かえってクリープ強度および靱性を損う。よって、Vの適正含有量は0.01〜0.5%である。
【0023】
Wは固溶強化および微細炭化物析出強化元素としてクリープ強度の向上に有効である。Moも同様の効果があるが、Fe中での拡散速度の遅いWの方がクリープ強度に寄与する微細炭化物の高温安定性に優れている。また、Moと複合添加された場合は、単独添加以上に強度が向上し、特に高温クリープ強度が改善される。0.1%未満では効果がなく、3%を超えると鋼を硬化させ靱性を損うため0.1〜3%の範囲とする。
【0024】
NbはVと同様C,Nと結合してNb(C,N)を形成しクリープ強度に寄与する。特に600℃以下の比較的低温では著しい強度改善を示す。0.01%未満では上記の効果が得られず、また0.2%を超える場合は鋼を著しく硬化させ靱性、溶接性を損う。したがってNb含有量は0.01%〜0.2%が適当である。
【0025】
Alは脱酸素元素として必須であり、炭窒化物を形成する。また、組織を微細化する効果もある。含有量として0.001%以下では効果がなく、0.05%を超える場合はクリープ強度と加工性を損うため、Alの含有量は0.005〜0.05%とする。
【0026】
Bは極微量の添加により炭化物を分散、安定化させる効果があり、長時間クリープ強度の改善に寄与する。0.0001%未満ではその効果が小さく、0.02%を超えると加工性を損うから、Bの添加はその含有量を0.0001〜0.02%の範囲にするのがよい。この範囲においてもBの添加は焼入れ性向上にも効果があるため、組織制御の観点から必要に応じて添加量は調整する必要がある。
【0027】
NはV,Nbとの炭窒化物形成に必要で、0.001%未満ではその効果がない。しかしながらN量が高くなると固溶状態のNが増加し、また窒化物が粗大化するためクリープ強度を損う。さらに、0.05%を超えると、鋳込み時にブローホールを形成する要因ともなる。よってNの含有量は、0.001〜0.05%とする。
【0028】
Oはパイプ、気泡など鋳造欠陥を増加させ、さらに靱性、熱間加工性にも悪影響を及ぼすので、0.03%とする。好ましくは0.02%以下である。
【0029】
MgはSを安定化し、鋳造時のSの偏析に起因するポロシテイの抑制、溶接欠陥の抑制、粒界強化に有効な元素である。また、Cr2 O3 皮膜、また後述するCu添加の場合にはCu−O皮膜を安定化する重要な元素である。しかしながら、その含有量が、0.0005%以下か、もしくはMg>(24/32)S+(24/16)〔O−(32/81)Al〕を満たさない場合には所定の効果が得られない。また、0.05%を超えて含有させても効果は飽和する。したがって、Mgの含有量は0.0005〜0.05%で、かつMg>(24/32)S+(24/16)〔O−(32/81)Al〕式を満足する範囲とする。ここで上式はSおよびOで固定されない単独で固溶するMg量を確保することを意味する。
【0030】
Ca,Ti,Zr,Y,La,Ce,Taは不純物であるP,O,Sと結合し、それらの析出物(介在物)の形態制御を目的として1種または2種以上で微量添加される。それぞれを0.01%以上添加することによって、不純物であるP,O,Sを清浄化し、強度と靱性を改善できる。特にクリープ強度に対しても有効である。しかし、0.2%を超えると介在物が増加し、かえって靱性を損うことからその添加量をそれぞれ0.01〜0.2%の範囲とした。
【0031】
MoはWと同様にクリープ強度の向上に有効であるが、Wを多量添加する本発明鋼では必ずしも添加する必要はない。しかし、Wと複合添加された場合は強度向上の効果があり、かつ少量であれば靱性改善にも有効である。Moの含有量が0.01%未満では上記の効果が得られず、3%を超えると高温で金属間化合物が析出し、靱性が低下するだけでなく強度に対しても効果がなくなる。従って、Moを添加する場合には含有量は0.01〜3%とする。
【0032】
Cuは固溶強化と析出効果により鋼の強度を改善するとともに耐酸化性向上にも寄与する。また、組織をマルテンサイトあるいはベイナイトとし、靱性の改善にも有効である。ただし、過剰のCuの添加は著しく鋼を硬化するため、鍛造あるいは圧廷などの加工を施す必要がない本発明鋼では、Cuを添加する場合には添加量は最大2.5%とし下限は0.1%とする。
【0033】
【実施例】
表1に示す化学成分の鋼を30kg真空溶解炉で溶解して、Y型試験片の形状に鋳込みを行い、その後徐冷した。A鋼およびB鋼は既存の代表的な鋳鋼材であり、それぞれJISのSCPH21、SCPH32に相当する成分である。C鋼及びD鋼はボイラ等で使用される小径管用耐熱鋼の成分である。E鋼〜M鋼は合金成分を本発明範囲外に変化させた比較鋼である。そして、1〜24鋼が本発明鋼である。
【0034】
A鋼〜D鋼は通常の熱処理として950℃×2h・ACの焼きならし後、730℃×2h・ACの焼き戻し、E鋼〜M鋼および本発明鋼1〜24鋼は1050℃×2h・ACの焼きならし後、770℃×1.5h・ACの焼き戻しを行った。
【0035】
鋳塊の厚さ1/4及び1/2の断面において、ダイチェックを行い内部欠陥の発生状況を観察した。Mgの含有量が本発明の範囲外である比較例Nにおいては、鋳塊の厚さ1/4及び1/2のいずれの断面においても欠陥が認められ、クリープ特性、溶接性のいずれも不十分であった。一方、本発明の鋳鋼においては内部欠陥は全く認められなかった。
【0036】
機械的性質を比較するため、比較鋼および本発明鋼に対して、常温引張試験、シャルピー衝撃試験、クリープ破断試験を実施した。また、溶接性について評価するため、y型溶接割れ試験を行った。常温引張試験およびクリープ破断試験はY型試験片の底部より凝固方向に対して垂直に直径6mm×標点間距離30mmの試験片を採取した。引張試験は室温にて、クリープ試験は500℃、550℃、600℃、650℃において最長10000h程度の長時間破断試験を行い600℃×10000hクリープ破断強度を求めた。シャルピー衝撃試験はJISZ2202に準拠して、4号試験片にて、0℃で各3回ずつ試験を行い、衝撃値の平均値を求めた。また、y型溶接割れ試験ではJIS Z3158に準拠して、板厚を20mmとし、予熱なし(20℃)で試験を行った。溶接性は樹断面割れ率により評価した。
【0037】
表2に試験結果を示す。本発明鋼は引張試験において、引張強さが600〜700MPaの範囲であり、伸びも20%以上であった。高温強度を示す600℃×10000hクリープ破断強度は既存鋼を含む比較鋼では最大でも84MPaであるのに対し、本発明鋼では130MPa以上となり、高温での強度が1.5倍以上と大幅に向上していることがわかる。その中でも、Moを添加した4,5鋼は1鋼〜3鋼よりクリープ破断強度が高く、さらにCuを添加した11鋼ではさらにクリープ破断強度が増している。16鋼〜24鋼にはCa,Ti,Zr,Y,La,Ce,TaならびにMgを1種または2種以上添加しており、不純部であるPやSが比較的多い場合においても、クリープ破断強度は低下せず、高温強度に優れている。
【0038】
比較鋼のなかでもっとも衝撃特性に優れたものにおいても、衝撃値は126J/cm2 以下であるのに対し、本発明鋼は176J/cm2 以上の衝撃値を示しており、低温での靱性に富んでいるといえる。
y型溶接割れ試験から、いずれの比較鋼においても、全面割れまたは一部割れの発生がみられたのに対し、本発明鋼は20℃でも割れの発生がまったくみられないことから、非常に優れた溶接性を有し、溶接時の予熱を省略できることがわかる。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【発明の効果】
本発明は従来の低Crフェライト鋳鋼の高温強度を大幅に改善し、優れた衝撃特性および溶接性を兼ね備えた材料である。よって、従来、鍛鋼が使用されていた箇所に対して、優れた特性を有する本発明鋼に代替することが可能であり、より安価でかつ信頼性を増すことができる。本発明鋼はボイラ、化学工業、原子力などの産業分野で使用される耐熱耐圧部材として、さまざまな形状の鋳鋼品などに広く適用できるものである。
Claims (4)
- 重量%で、C:0.03〜0.12%、Si:0.03〜0.7%、Mn:0.02〜1%、Co:0.3%以下、P:0.025%以下、S:0.015%以下、Cr:0.8〜3%、Ni:0.01〜1%、V:0.01〜0.5%、W:0.1〜3%、Nb:0.01〜0.2%、Al:0.005〜0.05%、B:0.0001〜0.02%、N:0.001〜0.05%、O:0.03%以下、Mg:0.0005〜0.05%の範囲で、かつMg>(24/32)S+(24/16)〔O−(32/81)Al〕式を満足する量を含み残部は鉄および不可避的不純物からなる溶接性に優れ、高温強度を飛躍的に向上させてなることを特徴とする低Crフェライト鋳鋼。
- 請求項1記載の成分に加えて、さらに重量%で0.01〜0.2%のCa,Ti,Zr,Y,La,Ce及びTaよりなる群から選ばれた1種または2種以上の元素を含有する溶接性に優れ、高温強度を飛躍的に向上させてなることを特徴とする低Crフェライト鋳鋼。
- 請求項1または2記載の成分に加えて、さらに重量%でMo:0.01〜3%を含有する溶接性に優れ、高温強度を飛躍的に向上させてなることを特徴とする低Crフェライト鋳鋼。
- 請求項1、2および3のいずれかに記載の成分に加えて、さらにCuを0.1〜2.5%を含有する溶接性に優れ、高温強度を飛躍的に向上させてなることを特徴とする低Crフェライト鋳鋼。
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