JPWO2018151222A1 - Ni基耐熱合金およびその製造方法 - Google Patents

Ni基耐熱合金およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

本願発明のNi基耐熱合金は、C、Si、Mn、P、S、N、O、Ni、Co、Cr、Mo、W、B、Al、Ti、Nb、REM、Mg、Caを所定量含有し、残部がFe及び不純物であり、[0.1≦Mo+W≦12.0]、[1.0≦4×Al+2×Ti+Nb≦12.0]、[P+0.2×Cr×B<0.035]を満足し、合金部材の長手方向と垂直な断面において中心部から外面部までの最短距離が40mm以上であり、外面部におけるオーステナイト結晶粒度番号が−2.0−4.0であり、抽出残渣分析によって得られる析出物として存在するAl、Ti及びNbの合計含有量が[(Al+Ti+Nb)PB/(Al+Ti+Nb)PS≦10.0]を満足し、常温で[YSS/YSB≦1.5]及び[TSS/TSB≦1.2]を満足するものである。

Description

本発明は、Ni基耐熱合金およびその製造方法に関する。
近年、高効率化のために、蒸気の温度および圧力を高めた超々臨界圧ボイラの新設が世界中で進められている。これらの超々臨界圧ボイラは、従来600℃前後であった蒸気温度を650℃以上、さらには700℃以上にまで高めることも計画されており、国内外で技術開発が進められている。
これは、省エネルギーと資源の有効活用、および環境保全のためのCOガス排出量削減がエネルギー問題の解決課題の一つとなっており、重要な産業政策となっていることに基づいている。そして、化石燃料を燃焼させる発電用ボイラおよび化学工業用の反応炉等の場合には、効率の高い、超々臨界圧ボイラおよび反応炉が有利なためである。
蒸気の高温高圧化は、実稼動時における、ボイラの過熱器管および化学工業用の反応炉管、ならびに耐熱耐圧部材としての厚板および鍛造品などの温度を700℃以上に上昇させる。そのため、このような過酷な環境において長期間使用される合金には、高温強度および高温耐食性のみならず、長期にわたる金属組織の安定性、クリープ破断延性および耐クリープ疲労特性が良好なことが要求される。
上記の厳しい要求に対しては、オーステナイトステンレス鋼などのFe基合金では、クリープ破断強度が不足する。このため、γ´相などの析出を活用したNi基合金の使用が必須となる。さらにボイラ・化学工業用プラント鋼管としては溶接が不可避であるため優れた溶接性を有することも求められる。
上記の厳しい要求に対して、例えば、特許文献1には、HAZの耐溶接割れ性と靱性との双方に優れ、さらに高温でのクリープ強度にも優れたオーステナイト系耐熱合金が開示されている。
特許第4697357号公報
ところで、ボイラおよび化学プラント等の装置用材料のような大型の構造部材は、熱間圧延または熱間鍛造後、冷間加工を施さずに最終熱処理を実施して使用されるため、結晶粒径が比較的大きい。そのため、通常、材料の仕様として規定される常温における0.2%耐力および引張強さが、冷間加工後に最終熱処理を施したものより低くなるという問題がある。
加えて、大型の構造部材では、熱処理時の冷却速度が部位により大きく異なるため、高温での使用時に析出物として強化に寄与する固溶元素の量が部位により異なる。そのことに起因して、クリープ破断強度のばらつきが生じるといった問題もある。そのため、特許文献1に記載の合金を、大型の構造部材に適用するのは困難である。
本発明は上記の問題を解決し、大型の構造部材として十分な常温での0.2%耐力および引張強さ、ならびに、高温でのクリープ破断強度を発現するNi基耐熱合金およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、下記のNi基耐熱合金およびその製造方法を要旨とする。
(1)合金の化学組成が、質量%で、
C:0.005〜0.15%、
Si:2.0%以下、
Mn:3.0%以下、
P:0.030%以下、
S:0.010%以下、
N:0.030%以下、
O:0.030%以下、
Ni:40.0〜60.0%、
Co:0.01〜25.0%、
Cr:15.0%以上28.0%未満、
Mo:12.0%以下、
W:4.0%未満、
B:0.0005〜0.006%、
Al:0〜3.0%、
Ti:0〜3.0%、
Nb:0〜3.0%、
REM:0〜0.1%、
Mg:0〜0.02%、
Ca:0〜0.02%、
残部:Feおよび不純物であり、
下記(i)〜(iii)式を満足し、
前記合金の長手方向と垂直な断面において、中心部から外面部までの最短距離が40mm以上であり、
前記外面部におけるオーステナイト結晶粒度番号が−2.0〜4.0であり、
抽出残渣分析によって得られる析出物として存在するAl、TiおよびNbの合計含有量が下記(iv)式を満足し、
常温での機械的特性が下記(v)式および(vi)式を満足する、
Ni基耐熱合金。
0.1≦Mo+W≦12.0 ・・・(i)
1.0≦4×Al+2×Ti+Nb≦12.0 ・・・(ii)
P+0.2×Cr×B<0.035 ・・・(iii)
(Al+Ti+Nb)PB/(Al+Ti+Nb)PS≦10.0 ・・・(iv)
YS/YS≦1.5 ・・・(v)
TS/TS≦1.2 ・・・(vi)
但し、上記(i)〜(iii)式中の元素記号は各元素の含有量(質量%)を表し、上記(iv)〜(vi)式中の各記号の意味は以下のとおりである。
(Al+Ti+Nb)PB:中心部において抽出残渣分析によって得られる析出物として存在するAl、TiおよびNbの合計含有量
(Al+Ti+Nb)PS:外面部において抽出残渣分析によって得られる析出物として存在するAl、TiおよびNbの合計含有量
YS:中心部における0.2%耐力
YS:外面部における0.2%耐力
TS:中心部における引張強さ
TS:外面部における引張強さ
(2)前記化学組成が、質量%で、
Mg:0.0001〜0.02%、および、
Ca:0.0001〜0.02%、
から選択される1種または2種を含有する、
上記(1)に記載のNi基耐熱合金。
(3)前記中心部における前記長手方向の700℃における10,000時間クリープ破断強度が150MPa以上である、
上記(1)または(2)に記載のNi基耐熱合金。
(4)上記(1)または(2)に記載の化学組成を有する鋼塊または鋳片に、熱間加工を施す工程と、
その後、1070〜1220℃の範囲の熱処理温度T(℃)まで加熱し、1150D/T〜1500D/T(min)保持した後、水冷する熱処理を施す工程とを備える、
Ni基耐熱合金の製造方法。
但し、Dは、合金の長手方向と垂直な断面における、当該断面の外縁上の任意の点と該外縁上の他の任意の点との直線距離の最大値(mm)である。
(5)前記熱間加工を施す工程において、熱間加工の長手方向と略垂直な方向に熱間加工を1回以上施す、
上記(4)に記載のNi基耐熱合金の製造方法。
本発明のNi基耐熱合金は、部位による機械的性質のばらつきが少なく、また、高温でのクリープ破断強度に優れる。
以下、本発明の各要件について詳しく説明する。
1.化学組成
各元素の限定理由は下記のとおりである。なお、以下の説明において含有量についての「%」は、「質量%」を意味する。
C:0.005〜0.15%
Cは、オーステナイト組織を安定にするとともに粒界に微細な炭化物を形成し、高温でのクリープ強度を向上させる。そのため、C含有量は0.005%以上とする必要がある。しかしながら、その含有量が過剰になった場合には、炭化物が粗大となり、かつ多量に析出し、粒界の延性を低下させ、靱性およびクリープ強度の低下を招く。したがって、C含有量は0.15%以下とする。C含有量は0.01%以上であるのが好ましい。また、C含有量は0.12%以下であるのが好ましく、0.10%以下であるのがより好ましい。
Si:2.0%以下
Siは、脱酸元素として含有される。また、Siは、高温での耐食性および耐酸化性の向上に有効な元素である。しかしながら、Si含有量が2.0%を超えると、オーステナイト相の安定性が低下して、靱性およびクリープ強度の低下を招く。したがって、Si含有量は2.0%以下とする。Si含有量は1.5%以下であるのが好ましく、1.0%以下であるのがより好ましい。なお、Si含有量について特に下限を設ける必要はないが、極端な低減は、脱酸効果が十分に得られず合金の清浄性を劣化させるとともに、製造コストの上昇を招く。そのため、Si含有量は0.02%以上であるのが好ましく、0.10%以上であるのがより好ましい。
Mn:3.0%以下
Mnは、Siと同様に脱酸作用を有するとともに、オーステナイトの安定化にも寄与する元素である。しかしながら、Mn含有量が3.0%を超えると、脆化を招き、靱性およびクリープ延性の低下をきたす。したがって、Mn含有量は3.0%以下とする。Mn含有量は2.5%以下であるのが好ましく、2.0%以下であるのがより好ましく、1.5%以下であるのがさらに好ましい。なお、Mn含有量について下限を設ける必要はないが、極端な低下は、脱酸効果が十分に得られず合金の清浄性を劣化させるとともに、製造コストの上昇を招く。そのため、Mn含有量は0.02%以上であるのが好ましく、0.10%以上であるのがより好ましく、0.15%以上であるのがさらに好ましい。
P:0.030%以下
Pは、不純物として合金中に含まれるが、溶接中にHAZの結晶粒界に偏析し、液化割れ感受性を高めるとともに長時間使用後の靱性にも悪影響を及ぼす元素である。そのため、可能な限り低減することが好ましいが、極度の低減は製鋼コストの増大を招く。そのため、P含有量は0.030%以下とし、0.020%以下であるのが好ましい。
S:0.010%以下
Sは、不純物として合金中に含まれるが、溶接中にHAZの結晶粒界に偏析し、液化割れ感受性を高めるとともに長時間使用後の靱性にも悪影響を及ぼす元素である。そのため、可能な限り低減することが好ましいが、極度の低減は製鋼コストの増大を招く。そのため、S含有量は0.010%以下とし、0.005%以下であるのが好ましい。
N:0.030%以下
Nは、オーステナイト相を安定にするのに有効な元素であるが、本発明のCr含有量の範囲では、過剰に含まれると高温での使用中に多量の微細窒化物を粒内に析出させ、クリープ延性または靱性の低下を招く。そのため、N含有量0.030%以下とし、0.020%以下であるのが好ましく、0.015%以下であるのがより好ましい。なお、N含有量について特に下限を設ける必要はないが、極端な低減は、製造コストの上昇を招く。そのため、N含有量は0.0005%以上であるのが好ましく、0.001%以上であるのがより好ましく、0.005%以上であるのがさらに好ましい。
O:0.030%以下
Oは、不純物として合金中に含まれるが、過剰に含まれると熱間加工性の低下、靱性および延性の劣化を招く。そのため、O含有量は0.030%以下とし、0.020%以下であるのが好ましく、0.010%以下であるのがより好ましく、0.005%以下であるのがさらに好ましい。なお、Oの含有量について特に下限を設ける必要はないが、極端な低下は、製造コストの上昇を招く。そのため、O含有量は0.001%以上であるのが好ましい。
Ni:40.0〜60.0%
Niは、オーステナイト組織を得るために有効な元素であり、長時間使用後の組織安定性を確保するために必須の元素である。さらに、Niは、Al、TiおよびNbと結合して、微細な金属間化合物相を形成し、クリープ強度を高める作用も有する。本発明のCr含有量の範囲で上記のNiの効果を十分に得るためには、Ni含有量を40.0%以上とする必要がある。しかしながら、Niは高価な元素であるため、その含有量が60.0%を超えるとコストの増大を招く。したがって、Ni含有量は40.0〜60.0%とする。Ni含有量は42.0%以上であるのが好ましく、45.0%以上であるのがより好ましく、48.0%以上であるのがさらに好ましく、58.0%以下であるのが好ましい。
Co:0.01〜25.0%
Coは、Niと同様オーステナイト生成元素であり、オーステナイト相の安定性を高めてクリープ強度の向上に寄与する。この効果を得るためには、Co含有量は0.01%以上とする必要がある。しかしながら、Coは極めて高価な元素であるため、その含有量が25.0%を超えると大幅なコスト増を招く。そのため、Co含有量は0.01〜25.0%とする。Co含有量は0.1%以上であるのが好ましく、2.0%以上であるのがより好ましく、8.0%以上であるのがさらに好ましい。また、Co含有量は23.0%以下であるのが好ましく、21.0%以下であるのがより好ましい。
Cr:15.0%以上28.0%未満
Crは、高温での耐酸化性および耐食性の確保のために必須の元素である。本発明のNi含有量の範囲で上記のCrの効果を得るためには、Cr含有量を15.0%以上とする必要がある。しかしながら、Cr含有量が28.0%以上になると、高温でのオーステナイト相の安定性が劣化して、クリープ強度の低下を招く。したがって、Cr含有量は15.0%以上28.0%未満とする。Cr含有量は17.0%以上であるのが好ましく、19.0%以上であるのがより好ましい。また、Cr含有量は26.0%以下であるのが好ましく、24.0%以下であるのがより好ましい。
Mo:12.0%以下
W:4.0%未満
MoおよびWは、いずれもマトリックスであるオーステナイト組織に固溶して高温でのクリープ強度の向上に寄与する元素である。この効果を得るためには、MoおよびWの一方または両方を含有させる必要がある。しかしながら、これらの元素の含有量が過剰になると、逆にオーステナイト相の安定性が低下してクリープ強度の低下を招く。したがって、Mo含有量は12.0%以下とする。Mo含有量は10.0%以下であるのが好ましい。
また、WはMoに比べて原子量が大きいため、Moと同等の効果を得るためにはより多量に含有させる必要があり、コストおよび相安定性確保の観点から不利である。このため、W含有量は4.0%未満とする。MoおよびWは複合して含有させる必要はない。MoまたはWを単独で含有させる場合には、その含有量はそれぞれ0.1%以上であるのが好ましい。
B:0.0005〜0.006%
Bは、使用中の粒界に偏析して粒界を強化するとともに粒界炭化物を微細分散させることにより、クリープ強度を向上させるのに必要な元素である。加えて、粒界に偏析して固着力を向上させ、靱性改善にも寄与する効果を有する。これらの効果を得るためには、B含有量を0.0005%以上とする必要がある。しかしながら、B含有量が多くなって特に0.006%を超えると、溶接中の溶接熱サイクルにより、溶融境界近傍の高温HAZにおいて多量に偏析し、Pと重畳して粒界の融点を低下させ、HAZの液化割れ感受性を高める。したがって、B含有量は0.0005〜0.006%とする。B含有量は0.001%以上であるのが好ましく、0.005%以下であるのが好ましい。
Al:0〜3.0%
Ti:0〜3.0%
Nb:0〜3.0%
Al、TiおよびNbは、いずれもNiと結合し金属間化合物として微細に粒内析出することで、高温でのクリープ強度を向上させる元素である。しかしながら、その含有量が多くなりすぎて、いずれの元素についても3.0%を超えると、上記の効果が飽和するとともに、クリープ延性および長時間加熱後の靱性を低下させる。そのため、Al、Ti、Nbのそれぞれの含有量を3.0%以下とする。これらの元素の含有量は、2.8%以下であるのが好ましく、2.5%以下であるのがより好ましい。
REM:0〜0.1%
希土類元素(REM)は、Pと親和力が強く、融点が高く高温まで安定なPとの化合物を形成することで、Pを固定し、HAZの液化割れおよび靱性に対するPの悪影響を取り除く作用を有する。また、炭化物として析出し、高温強度の向上にも寄与する元素である。そのため必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、REMの含有量が過剰になり、0.1%を超えると、Pの悪影響を軽減する効果が飽和することに加え、炭化物として多量に析出し、かえって靱性の低下を招く。そのため、REM含有量は0.1%以下とする。REM含有量は0.08%以下であるのが好ましく、0.06%以下であるのがより好ましい。上記の効果を得るためには、REM含有量は0.001%以上であるのが好ましく、0.005%以上であるのがより好ましく、0.01%以上であるのがさらに好ましい。
なお、REMは、Sc、Yおよびランタノイドの合計17元素を指し、前記REMの含有量はこれらの元素の合計含有量を意味する。
Mg:0〜0.02%
Mgは、Sとの親和力が強く、熱間加工性を高める作用を有し、また、Sに起因した、HAZの液化割れの発生および靱性低下の双方を軽減する作用を有する。そのため必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Mgの過剰な添加は酸素との結合による清浄性の低下を招き、特に、その含有量が0.02%を超えると清浄性の低下が著しくなり、かえって熱間加工性を劣化させる。したがって、Mg含有量は0.02%以下とする。Mg含有量は0.01%以下であるのが好ましい。一方、上記の効果を得るためには、Mg含有量は0.0001%以上であるのが好ましく、0.0005%以上であるのがより好ましく、0.001%以上であるのがさらに好ましい。
Ca:0〜0.02%
Caは、Sとの親和力が強く、熱間加工性を高める作用を有し、また、Sに起因した、HAZの液化割れの発生および靱性低下の双方を軽減する作用を有する。そのため必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Caの過剰な添加は酸素との結合による清浄性の低下を招き、特に、その含有量が0.02%を超えると清浄性の低下が著しくなり、かえって熱間加工性を劣化させる。したがって、Ca含有量は0.02%以下とする。Ca含有量は0.01%以下であるのが好ましい。一方、上記の効果を得るためには、Ca含有量は0.0001%以上であるのが好ましく、0.0005%以上であるのがより好ましく、0.001%以上であるのがさらに好ましい。
本発明に係る合金は各元素の含有量が上記の範囲となることに加えて、下記(i)〜(iii)式を満足する必要がある。なお、下記(i)〜(iii)式中の元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す。
0.1≦Mo+W≦12.0 ・・・(i)
上述のように、MoおよびWは、いずれもマトリックスであるオーステナイト組織に固溶して高温でのクリープ強度の向上に寄与する元素であるが、一方、これらの元素の含有量が過剰になると、逆にオーステナイト相の安定性が低下してクリープ強度の低下を招く。そのため、MoおよびWの合計含有量が上記(i)式を満足する必要がある。上記(i)式の中辺値は1.0以上であるのが好ましく、10.0以下であるのが好ましい。
1.0≦4×Al+2×Ti+Nb≦12.0 ・・・(ii)
Niと結合した金属間化合物を微細に粒内析出させることによって、良好な、高温でのクリープ強度および長時間加熱後の靱性を確保するためには、Al、TiおよびNbから選択される1種以上を含有させるとともに、その含有量が上記(ii)式を満足する必要がある。上記(ii)式の中辺値は3.0以上であるのが好ましく、11.0以下であるのが好ましい。
P+0.2×Cr×B<0.035 ・・・(iii)
PおよびBは、溶接中に熱サイクルにより溶融境界近傍のHAZの粒界に偏析して、融点を低下させHAZの液化割れ感受性を高める元素である。一方、長時間使用中においては、粒界に偏析したPは粒界の固着力を低下させるのに対し、Bは逆に粒界を強化するので、Pは靱性に悪影響を及ぼし、Bは逆に靱性低下を軽減する。さらに、CrはPとBの粒界偏析挙動に影響を及ぼし、これらの性能に間接的に影響する元素である。すなわち、HAZの液化割れに及ぼすBの影響度合いはCr含有量が多いほど顕著になる。また、長時間使用後のHAZの靱性については、Pの悪影響が大きいが、ほぼ等しい量のP、Bを含有する場合、Cr含有量が少ないほど靱性の低下が大きい傾向がある。
HAZでのPおよびBの粒界偏析を制御し、優れた耐液化割れ性と長時間加熱後の靱性低下の軽減のためには、上記(iii)式を満足する必要がある。上記(iii)式左辺値は0.030以下であるのが好ましい。なお、上記(iii)式左辺値の下限は特に限定しないが、不純物としてのPの含有量が極めて低く、Cr:15.0%、B:0.0005%である場合の0.0015に近い値でもよい。
本発明のNi基耐熱合金の化学組成において、残部はFeおよび不純物である。ここで「不純物」とは、合金を工業的に製造する際に、鉱石、スクラップ等の原料、製造工程の種々の要因によって混入する成分であって、本発明に悪影響を与えない範囲で許容されるものを意味する。
2.結晶粒度
外面部におけるオーステナイト結晶粒度番号:−2.0〜4.0
外面部におけるオーステナイト結晶粒度が粗すぎると、常温での0.2%耐力および引張強さが低くなり、一方、細かすぎると、高温における高いクリープ破断強度を保持することができなくなる。したがって、外面部におけるオーステナイト結晶粒度番号は−2.0〜4.0とする。
本発明においては、結晶粒度番号はJIS G 0551(2013)に規定される交差線分(粒径)により判定する。なお、Ni基合金の製造工程において、熱間加工後の熱処理温度および保持時間ならびに冷却方法を適切に調整することで、最終熱処理後の外面部の結晶粒度番号を上記の範囲とすることができる。
3.寸法
中心部から外面部までの最短距離:40mm以上
上述のように、大型の構造部材では、常温における0.2%耐力および引張強さが低くなることに加えて、部位によってクリープ破断強度のばらつきが生じるという問題もある。しかしながら、本発明に係るNi基耐熱合金は、大型の構造部材として十分な常温での0.2%耐力および引張強さ、ならびに、高温でのクリープ破断強度を発現する。すなわち、本発明の効果は、厚肉の部材に対して顕著に発揮される。
したがって、本発明のNi基耐熱合金においては、長手方向と垂直な断面において、中心部から外面部までの最短距離を40mm以上とする。本発明による効果をより顕著に得るためには、中心部から外面部までの最短距離は80mm以上であるのが好ましく、100mm以上であるのがより好ましい。ここで、中心部から外面部までの最短距離は、例えば、合金が円柱状である場合、断面の半径(mm)となり、四角柱状である場合、断面の短辺の半分の長さ(mm)となる。
なお、本発明に係る耐熱合金は、後述するように、例えば、鋼塊、または連続鋳造等によって得られた鋳片に、熱間鍛造または熱間圧延等の熱間加工を施すことによって得られる。そして、耐熱合金の長手方向は概して、鋼塊を用いる場合は、鋼塊のトップ部とボトム部とを結ぶ方向となり、鋳片を用いる場合は、長さ方向となる。
4.抽出残渣分析によって得られるγ´相の析出量
(Al+Ti+Nb)PB/(Al+Ti+Nb)PS≦10.0 ・・・(iv)
但し、(iv)式中の各記号の意味は以下のとおりである。
(Al+Ti+Nb)PB:中心部において抽出残渣分析によって得られる析出物として存在するAl、TiおよびNbの合計含有量
(Al+Ti+Nb)PS:外面部において抽出残渣分析によって得られる析出物として存在するAl、TiおよびNbの合計含有量
合金の製造工程において、熱間加工後の熱処理を施した後の主として粒内には未固溶のγ´相(Ni(Al,Ti,Nb))が生じる。特に、合金の中心部では外面部と比べて冷却速度が遅くなるため、未固溶のγ´相の量が増す傾向にある。そのため、合金の外面部に対して中心部でのγ´として析出するAl、TiおよびNbの析出量が多くなり、(Al+Ti+Nb)PB/(Al+Ti+Nb)PSの値が10.0を超えると高温における高いクリープ破断強度を保持することができなくなる。一方、(Al+Ti+Nb)PB/(Al+Ti+Nb)PSの下限値は定める必要はないが、中心部が外面部よりも析出物の量が増す傾向にあることから1.0以上とすることが好ましい。
なお、抽出残渣分析によって得られる析出物は、合金中に含まれる未固溶のγ´相である。抽出残渣分析は以下の手順により行うものをする。まず合金試料の長手方向と垂直な断面における中心部および外面部から、γ´相を測定するための試験片を採取する。上記の試験片の表面積を求めた上で、それぞれ1%酒石酸−1%硫酸アンモニウム水溶液中において20mA/cmの電解条件で耐熱合金の母材のみを完全に電解する。そして電解後の溶液を0.2μmフィルターでろ過し、析出物を残渣として抽出する。その後、抽出残渣を酸分解してからICP−AES測定することによって未固溶のγ´相として含まれるAl、TiおよびNbの含有量(質量%)を測定し、その測定値に基づき(Al+Ti+Nb)PB/(Al+Ti+Nb)PSの値を求める。
5.機械的性質
YS/YS≦1.5 ・・・(v)
TS/TS≦1.2 ・・・(vi)
但し、上記式中の各記号の意味は以下のとおりである。
YS:中心部における0.2%耐力
YS:外面部における0.2%耐力
TS:中心部における引張強さ
TS:外面部における引張強さ
大型の構造部材では、熱処理時の冷却速度が部位により異なることに起因して、部位ごとの機械的性質に大きなばらつきが生じる傾向にある。大型構造部材において、その中心部と外面部とで、常温での0.2%耐力および引張強さが大きく異なると、部位によって仕様を満たさないという問題が生じる。したがって、本発明に係るNi基耐熱合金は、常温での機械的特性が上記の(v)式および(vi)式を満足するものとする。なお、それぞれ下限値は定める必要はないが、中心部の機械特性の方が外面部の機械特性よりも劣る傾向にあることから、(v)式および(vi)式ともに1.0以上とすることが好ましい。
0.2%耐力および引張強さは、合金の中心部および外面部から、長手方向に平行に、平行部の長さが40mmの丸棒引張試験片を機械加工により切り出し、室温において引張試験を実施することで求める。また、引張試験はJIS Z 2241(2011)に準拠して行うこととする。
6.クリープ破断強度
本発明のNi基耐熱合金は、高温環境下で使用するため、高い高温強度、特に、高いクリープ破断強度が求められる。そのため、本発明の合金は、その中心部において、長手方向の700℃における10,000時間クリープ破断強度が150MPa以上である必要がある。
クリープ破断強度は、以下の方法により求める。まず、合金の中心部から、長手方向に平行に、JIS Z 2241(2011)に記載される直径6mm、標点距離30mmの丸棒クリープ破断試験片を機械加工により切り出す。そして、700℃、750℃、800℃の大気中においてクリープ破断試験を実施し、Larson-Millerパラメータ法を用いて700℃、10,000時間のクリープ破断強度を求める。また、クリープ破断試験は、JIS Z 2271(2010)に準拠して行うこととする。
7.製造方法
本発明のNi基耐熱合金は、上述の化学組成を有する鋼塊または鋳片に、熱間加工を施すことによって製造される。なお、上記の熱間加工工程においては、合金の最終形状における長手方向が、素材となる鋼塊または鋳片の長手方向と一致するように処理が施される。熱間加工は、長手方向のみに行ってもよいが、より高い加工度を与えて、より均質な組織とするため、上記長手方向と略垂直な方向に対して、熱間加工を1回以上施してもよい。また、当該熱間加工の後に、必要に応じて熱間押出等の異なる方法の熱間加工をさらに施してもよい。
本発明のNi基耐熱合金を製造するに際しては、上記の工程の後、部位ごとの金属組織および機械的性質のばらつきを抑制し、高いクリープ破断強度を保持するために、以下に説明する最終熱処理を施す。
まず、熱間加工後の合金を、1070〜1220℃の範囲の熱処理温度T(℃)まで加熱し、その範囲内において、1150D/T〜1500D/T(min)保持する。ここで、Dは、例えば、合金が円柱状である場合、合金の直径(mm)となり、四角柱状である場合、対角の距離(mm)となる。すなわちDは、合金の長手方向と垂直な断面における、当該断面の外縁上の任意の点と該外縁上の他の任意の点との直線距離の最大値(mm)である。
上記の熱処理温度が1070℃未満であると、未固溶のγ´相が増大しクリープ破断強度が低下する。一方、1220℃を超えると、粒界が溶融したり著しく結晶粒が粗大化したりすることによって延性が低下する。熱処理温度は1100℃以上とするのがより望ましく、1200℃以下とするのがより好ましい。また、上記保持時間が1150D/T(min)未満では、中心部のγ´相が増大し、(Al+Ti+Nb)PB/(Al+Ti+Nb)PSが本発明で規定する範囲外となる。一方、1500D/T(min)を超えると外面部の結晶粒が粗大化し、オーステナイト結晶粒度番号が本発明で規定する範囲外となる。
加熱保持後は、合金を直ちに水冷する。冷却速度が遅くなると、特に合金の中心部において主として粒内に未固溶γ´相が多量に生じ、上記の(iv)式を満足しなくなるおそれがあるためである。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に示す化学組成を有する合金を高周波真空溶解炉で溶製し、外径が550mm、重量が3tの鋼塊とした。
Figure 2018151222
得られた鋼塊を、熱間鍛造によって外径200〜480mmの円柱状に加工し、表2に示す条件で最終熱処理を施し、合金部材試料を得た。なお、合金1、2、3および5については長手方向の熱間鍛造の後、最終熱処理の前に、長手方向と略垂直な方向に鍛造を行い、その後さらに長手方向に最終の熱間鍛造を行った。
Figure 2018151222
各試料について、外面部から組織観察用の試験片を採取し、長手方向の断面をエメリーペーパーとバフで研磨後、混酸で腐食して光学顕微鏡観察を行った。観察面の結晶粒度番号はJIS G 0551(2013)に規定される交差線分(粒径)による判定方法に従って求めた。
次に、各試料の長手方向と垂直な断面における中心部および外面部から、γ´相を測定するための試験片を採取した。上記の試験片の表面積を求めた上で、それぞれ1%酒石酸−1%硫酸アンモニウム水溶液中において20mA/cmの電解条件で耐熱合金の母材のみを完全に電解した。そして電解後の溶液を0.2μmフィルターでろ過し、析出物を残渣として抽出した。その後、抽出残渣を酸分解してからICP−AES測定することによって未固溶のγ´相として含まれるAl、TiおよびNbの含有量(質量%)を測定し、その測定値に基づき(Al+Ti+Nb)PB/(Al+Ti+Nb)PSの値を求めた。
また、各試料の中心部および外面部から、長手方向に平行に、平行部の長さが40mmの引張試験片を機械加工により切り出し、室温において引張試験を実施し、0.2%耐力および引張強さを求めた。さらに、各試料の中心部から、長手方向に平行に、JIS Z 2241(2011)に記載される直径6mm、標点距離30mmの丸棒クリープ破断試験片を機械加工により切り出した。そして、700℃、750℃、800℃の大気中においてクリープ破断試験を実施し、Larson-Millerパラメータ法を用いて700℃、10,000時間のクリープ破断強度を求めた。それらの結果を表3にまとめて示す。
それらの結果を表3にまとめて示す。
Figure 2018151222
合金1〜8は、本発明例であり、合金組成、結晶粒度番号、(Al+Ti+Nb)PB/(Al+Ti+Nb)PS、YS/YS、TS/TS、およびクリープ破断強度が本発明で規定する範囲内となり、機械特性のばらつきも小さく、クリープ破断強度も良好であった。
一方で、合金AおよびBは、合金1と化学組成がほぼ同等であり、熱間鍛造によって同一の最終形状としたものである。しかしながら、熱処理時の保持時間が本発明で規定する製造条件の範囲外である。そのことに起因にして、合金Aについては外面部の結晶粒度番号が本発明の規定範囲外となり、YS/YSおよびTS/TSの値が本発明の規定範囲外となっており、部位により機械特性のばらつきが大きくなる結果となった。また、合金Bについては、(Al+Ti+Nb)PB/(Al+Ti+Nb)PSの値が本発明の規定範囲外となり、クリープ破断強度が合金1と比較して著しく低い結果となった。
合金C、DおよびEは、合金2と化学組成がほぼ同等であり、熱間鍛造によって同一の最終形状としたものである。合金Cは熱処理温度が本発明の規定範囲より低いために、(Al+Ti+Nb)PB/(Al+Ti+Nb)PSの値と、外面部の結晶粒度番号とが本発明で規定する範囲外となっており、合金2と比較してクリープ破断強度が著しく低い結果となった。合金Dは熱処理温度が本発明の規定範囲より高いために、外面部の結晶粒度番号と、YS/YSおよびTS/TSの値とが本発明の規定範囲外となっており、合金2と比較してクリープ破断強度が著しく低い結果となった。また、合金Eは最終熱処理時の冷却方法が水冷ではなく空冷であり、冷却速度が著しく遅かったことに起因して、(Al+Ti+Nb)PB/(Al+Ti+Nb)PSの値が本発明の規定範囲外となり、その結果、合金3と比較してクリープ破断強度が著しく低くなった。
合金F、G、Hは、化学組成が本発明の規定から外れる比較例である。具体的には、合金FはW含有量が高く、合金Gは(i)式中辺値が高く、合金Hは(ii)式中辺値が低い例である。そのため、これらの例では、クリープ破断強度が低くなる結果となった。
本発明に係るNi基耐熱合金は、部位による機械的性質のばらつきが少なく、また、高温でのクリープ破断強度に優れる。そのため、本発明のNi耐熱合金は、高温環境下で使用されるボイラおよび化学プラント等の大型構造部材として好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 合金の化学組成が、質量%で、
    C:0.005〜0.15%、
    Si:2.0%以下、
    Mn:3.0%以下、
    P:0.030%以下、
    S:0.010%以下、
    N:0.030%以下、
    O:0.030%以下、
    Ni:40.0〜60.0%、
    Co:0.01〜25.0%、
    Cr:15.0%以上28.0%未満、
    Mo:12.0%以下、
    W:4.0%未満、
    B:0.0005〜0.006%、
    Al:0〜3.0%、
    Ti:0〜3.0%、
    Nb:0〜3.0%、
    REM:0〜0.1%、
    Mg:0〜0.02%、
    Ca:0〜0.02%、
    残部:Feおよび不純物であり、
    下記(i)〜(iii)式を満足し、
    前記合金の長手方向と垂直な断面において、中心部から外面部までの最短距離が40mm以上であり、
    前記外面部におけるオーステナイト結晶粒度番号が−2.0〜4.0であり、
    抽出残渣分析によって得られる析出物として存在するAl、TiおよびNbの合計含有量が下記(iv)式を満足し、
    常温での機械的特性が下記(v)式および(vi)式を満足する、
    Ni基耐熱合金。
    0.1≦Mo+W≦12.0 ・・・(i)
    1.0≦4×Al+2×Ti+Nb≦12.0 ・・・(ii)
    P+0.2×Cr×B<0.035 ・・・(iii)
    (Al+Ti+Nb)PB/(Al+Ti+Nb)PS≦10.0 ・・・(iv)
    YS/YS≦1.5 ・・・(v)
    TS/TS≦1.2 ・・・(vi)
    但し、上記(i)〜(iii)式中の元素記号は各元素の含有量(質量%)を表し、上記(iv)〜(vi)式中の各記号の意味は以下のとおりである。
    (Al+Ti+Nb)PB:中心部において抽出残渣分析によって得られる析出物として存在するAl、TiおよびNbの合計含有量
    (Al+Ti+Nb)PS:外面部において抽出残渣分析によって得られる析出物として存在するAl、TiおよびNbの合計含有量
    YS:中心部における0.2%耐力
    YS:外面部における0.2%耐力
    TS:中心部における引張強さ
    TS:外面部における引張強さ
  2. 前記化学組成が、質量%で、
    Mg:0.0001〜0.02%、および、
    Ca:0.0001〜0.02%、
    から選択される1種または2種を含有する、
    請求項1に記載のNi基耐熱合金。
  3. 前記中心部における前記長手方向の700℃における10,000時間クリープ破断強度が150MPa以上である、
    請求項1または請求項2に記載のNi基耐熱合金。
  4. 請求項1または請求項2に記載の化学組成を有する鋼塊または鋳片に、熱間加工を施す工程と、
    その後、1070〜1220℃の範囲の熱処理温度T(℃)まで加熱し、1150D/T〜1500D/T(min)保持した後、水冷する熱処理を施す工程とを備える、
    Ni基耐熱合金の製造方法。
    但し、Dは、合金の長手方向と垂直な断面における、当該断面の外縁上の任意の点と該外縁上の他の任意の点との直線距離の最大値(mm)である。
  5. 前記熱間加工を施す工程において、熱間加工の長手方向と略垂直な方向に熱間加工を1回以上施す、
    請求項4に記載のNi基耐熱合金の製造方法。

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