JP5248549B2 - 耐熱鋼部材およびその製造方法 - Google Patents
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Description
(M2)C:0.06〜0.18%、Si:0.05〜0.6%、Mn:0.2〜0.8%、Cr:11.25〜13%、Ni:0.1〜1%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる耐熱鋼。
(M3)C:0.06〜0.18%、Si:0.05〜0.6%、Mn:0.2〜0.8%、Cr:13〜14%、Ni:0.1〜1%、Nb:0.2〜0.5%、N:0.03〜0.08%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる耐熱鋼。
(M4)C:0.06〜0.18%、Si:0.05〜0.6%、Mn:0.2〜0.8%、Cr:11.5〜13.5%、Ni:0.1〜1%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる耐熱鋼。
(M5)C:0.15〜0.25%、Si:0.05〜0.6%、Mn:0.2〜0.8%、Cr:9〜12.5%、Ni:0.1〜1%、Mo:0.8〜1.3%、V:0.07〜0.3%、W:0.8〜1.3%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる耐熱鋼。
(M6)C:0.06〜0.18%、Si:0.05〜0.6%、Mn:0.2〜0.8%、Cr:11.5〜12.5%、Ni:0.1〜1%、Nb:0.05〜0.5%、V:0.07〜0.3%、N:0.03〜0.08%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる耐熱鋼。
(M7)C:0.06〜0.18%、Si:0.05〜0.6%、Mn:0.2〜0.8%、Cr:9〜11.5%、Ni:0.1〜1%、Mo:0.8〜1.3%、Nb:0.05〜0.5%、V:0.07〜0.3%、N:0.03〜0.08%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる耐熱鋼。
(M8)C:0.06〜0.18%、Si:0.05〜0.6%、Mn:0.2〜0.8%、Cr:9〜11.5%、Ni:0.1〜1%、Mo:0.8〜1.3%、Nb:0.05〜0.5%、V:0.07〜0.3%、N:0.03〜0.08%、W:0.8〜1.3%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる耐熱鋼。
Cは、焼入れ性の確保とともに、析出強化に寄与する炭化物の構成元素として不可欠である。上記した(M1)および(M5)の耐熱鋼では、含有率が0.15%未満では、上記した効果が小さく、0.25%を超えると、高温環境下における炭化物の凝集および粗大化を促進して析出強化能を低下させる。そのため、(M1)および(M5)の耐熱鋼においては、Cの含有率を0.15〜0.25%とした。
Siは、脱酸剤として有用であり、耐水蒸気酸化性も向上させる。また、鋳造時の溶湯の流動性を向上させる作用も併せ持つ。しかし、その含有量が高い場合は、靭性の低下および経年的な脆化を促進するため、この観点からは含有量は可能な限り抑制されることが望ましい。本発明に係る耐熱鋼においては、その含有率が0.05%未満では、上記した効果が発揮できず、0.6%を超えると、上記した効果が著しく低下する。そのため、Siの含有率を0.05〜0.6%とした。また、Siのより好適な含有率は、0.05〜0.3%である。
Mnは、脱硫剤として有用な元素であり、この観点からは0.2%以上の添加が必要である。一方、含有量が多くなると硫化物の生成量が増加するとともに、クリープ強度を低下させるため、Mn含有率の上限を0.8%とし、Mnの含有率を0.2〜0.8%とした。また、Mnのより好適な含有率は、0.3〜0.6%である。
Crは、耐酸化性、耐食性に有効であるとともに、析出強化に寄与する炭窒化物の構成元素としても不可欠な元素である。その含有率が9%を下回ると、これらの効果が認められなくなる。一方、14%を上回ると、他の添加元素量とのバランスによってはフェライトの生成量が増加し、高温強度や靭性を低下させる。また、上記した(M1)〜(M8)の各耐熱鋼毎に、他の添加元素量とのバランスが異なり、また所望の機械的特性も異なる。これらを考慮して、Crの含有率を9〜14%とした。また、Crのより好適な含有率は、10〜13.5%であり、この範囲で各耐熱鋼毎に制限範囲を変化させることが好ましい。
Moは、固溶強化および炭窒化物の構成元素となり析出強化に寄与し、また、焼入れ性の向上にも寄与する。本発明に係る耐熱鋼においては、意図的にMoを添加する耐熱鋼については、0.8%以上の添加により上記効果が発揮されるが、1.3%を超えると、靭性が低下するとともに、特に鋳造時の成分偏析傾向が増大する。そのため、Moの含有率を0.8〜1.3%とした。また、Moのより好適な含有率は、0.9〜1.1%である。なお、上記した(M2)および(M6)の耐熱鋼については、不可避不純物として原料から混入する場合に限り0.2%以下を許容し、可能な限りその残存含有率を0%に近づけることが望ましい。
Niは、焼入れ性および靭性の向上に寄与する。Niを添加する耐熱鋼においては、0.1%以上の添加で、上記効果を発揮するが、1%を超えると、クリープ強度が低下するため、Niの含有率を0.1〜1%とした。また、Niのより好適な含有率は、0.1〜0.6%である。
Nbは、微細な炭窒化物の形成に寄与する。Nbを添加する耐熱鋼については、0.05%以上の添加で、微細析出物が十分に析出し、母相の回復を抑制するが、0.5%を超えると、未固溶のNb炭窒化物の生成量が著しく、靭性が低下する。さらに、CあるいはNの添加量とのバランスを考慮して、Nbの含有率を0.05〜0.5%とした。また、上記した(M1)および(M3)の耐熱鋼において、Nbのより好適な含有率は、0.35〜0.45%であり、(M6)〜(M8)の耐熱鋼において、Nbのより好適な含有率は、0.07〜0.1%である。
Vは、固溶強化および微細な炭窒化物の形成に寄与する。Vを添加する耐熱鋼については、0.07%以上の添加で、微細析出物が十分に析出し母相の回復を抑制するが、0.3%を超えると、靭性の低下を招く。さらに、添加される他の元素量とのバランスおよび所望の機械的特性を考慮して、Vの含有率を0.07〜0.3%とした。また、上記した(M1)、(M5)、(M7)および(M8)の耐熱鋼において、Vのより好適な含有率は、0.15〜0.25%であり、(M6)の耐熱鋼において、Vのより好適な含有率は、0.07〜0.1%である。
Wは、固溶強化および炭窒化物の構成元素となり析出強化に寄与する。Wを添加する耐熱鋼については、0.8%以上の添加により、上記効果が発揮されるが、1.3%を超えると、靭性が低下するとともに、特に鋳造時の成分偏析傾向が増大する。そのため、Wの含有率を0.8〜1.3%とした。また、Wのより好適な含有率は、0.9〜1.1%である。なお、上記した(M1)の耐熱鋼については、不可避不純物として原料から混入する場合に限り0.25%以下を許容し、可能な限りその残存含有率を0%に近づけることが望ましい。
Nは、微細な窒化物の形成に寄与する。Nを添加する耐熱鋼については、0.03%以上の添加で、微細析出物が十分に析出し母相の回復を抑制するが、0.08%を超えると、粗大な窒化物の生成量が増加するとともに、高温での析出物の凝集および粗大化が進行する。さらに、C、VあるいはNbの添加量とのバランスを考慮して、Nbの含有率を0.03〜0.08%とした。また、Nのより好適な含有率は、0.04〜0.07%である。
P、S、Co、Al、Ti、SnおよびCuは、本発明に係る耐熱鋼においては、不可避的不純物に分類されるものであり、これらは靭性低下や加熱による運転中の脆化を促進する。そのため、可能な限りその残存含有率を0%に近づけることが望ましい。また、個別の元素の残存含有率は、Pは0.03%以下、好ましくは0.02%以下、Sは0.03%以下、好ましくは0.015%以下、Coは0.25%以下、AlおよびTiは0.05%以下、好ましくは0.02%以下、Snは0.05%以下、好ましくは0.04%以下、Cuは0.25%以下である。
次に、上記した耐熱鋼部材の製造方法について説明する。
第1の実施例では、本発明の化学組成範囲にある耐熱鋼部材が、リング形状に製作された場合の効果について、図を参照して説明する。
第2の実施例では、リング状耐熱鋼部材の製作に際し、本発明の化学組成範囲が好適な理由について説明する。
Claims (3)
- 重量%で、C:0.06〜0.18%、Si:0.05〜0.6%、Mn:0.2〜0.8%、Cr:9〜11.5%、Ni:0.1〜1%、Mo:0.8〜1.3%、Nb:0.05〜0.5%、V:0.07〜0.3%、N:0.03〜0.08%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、遠心鋳造で円筒形状に成形されたことを特徴とする耐熱鋼部材。
- 前記不可避的不純物が、重量%で、P:0.03%以下、S:0.03%以下、Co:0.25%以下、Al:0.05%以下、Ti:0.05%以下、Sn:0.04%以下、Cu:0.25%以下に抑制されていることを特徴とする請求項1記載の耐熱鋼部材。
- 請求項1または2記載の組成成分を有する耐熱鋼部材を製造する方法であって、
前記耐熱鋼部材を構成する組成成分を溶解する溶解工程と、
前記溶解された溶湯を、回転する所定の形状の鋳型に流し込み、円筒形状の鋳物を形成する遠心鋳造工程と、
前記鋳物に対して、焼入れおよび焼戻しの熱処理を行う熱処理工程と
を具備することを特徴とする耐熱鋼部材の製造方法。
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