JP2020026744A - 動翼の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
Cは、焼入れ性を確保するために必要な成分であるとともに、析出強化に寄与する炭窒化物を構成する構成元素として不可欠な成分である。Mo、W、Nbを含有する鋼(M1),(M3)の場合には、Cの含有率が、上記範囲の下限値未満である場合には、上述した効果が認められず、上記範囲の上限値を超える場合には、炭化物の凝集が促進されると共に、鋳造時に偏析しやすくなる。このため、鋼(M1),(M3)では、Cの含有率が上記範囲に設定されている。Mo、W、Nbを含有しない鋼(M2)、および、Nbを含有しない鋼(M4)では、鋼(M1),(M3)の場合とは異なる範囲で上記の効果および影響が生ずるので、Cの含有率が鋼(M1),(M3)の場合と異なる範囲に設定されている。
Siは、脱酸剤として有用な成分である。鋼(M1)〜(M4)において、Siの含有率が上記範囲の下限値未満である場合、脱酸剤として十分に機能しない。これに対して、鋼(M1)〜(M4)において、Siの含有率が上記範囲の上限値を超える場合、靭性の低下および脆化が著しく促進される。このため、鋼(M1)〜(M4)では、Siの含有率が上記範囲に設定されている。
Mnは、脱硫剤として有用な成分である。鋼(M1)〜(M4)において、Mnの含有率が上記範囲の下限値未満である場合、脱硫剤として十分に機能しない。Mnの含有率が上記範囲の上限値を超える場合、非金属介在物の生成量が増加して、靱性の低下、および、クリープ破断強度の低下が生ずる場合がある。このため、鋼(M1)〜(M4)では、Mnの含有率が上記範囲に設定されている。
Niは、焼入れ性および靭性を向上させる成分であるとともに、フェライトの生成を抑制する効果を有する成分である。
鋼(M1)〜(M4)では、Niの含有率を上記範囲の下限値以上にすることで、上記した機能および効果を十分に発揮可能である。また、鋼(M1)〜(M4)では、Niの含有率を上記範囲の上限値を超えた場合、クリープ強度が低下する。このため、鋼(M1)〜(M4)では、Niの含有率が上記範囲に設定されている。
Crは、耐酸化性および耐食性の向上に有効な成分であるとともに、析出強化に寄与する炭窒化物の構成元素として不可欠な成分である。鋼(M1)〜(M4)では、Crの含有率を上記範囲の下限値以上にすることで、上記した機能および効果を十分に発揮可能である。また、鋼(M1)〜(M4)では、Crの含有率を上記範囲の上限値を超えた場合、デルタフェライト生成量が増加すると共に、長時間クリープ強度の低下が生ずる。このため、鋼(M1)〜(M4)では、Crの含有率が上記範囲に設定されている。なお、鋼(M1)〜(M4)のそれぞれにおいては、成分バランスのために、Crの含有率が調整されている。
Moは、固溶強化に寄与する成分であると共に、炭窒化物の構成元素であって析出強化に寄与する成分である。Moは、高温環境において長時間の加熱処理が行われるときに母相から析出物に移動する元素である。鋼(M1),(M3),(M4)において、Moの含有率が上記範囲の下限値以上である場合、固溶強化に寄与するMoの量を長時間にわたって高く維持することが可能になる。鋼(M1),(M3),(M4)において、Moの含有率が上記範囲の上限値を超える場合、靭性が低下すると共に、フェライトの生成が促進される。このため、実施形態の鋼(M1),(M3),(M4)では、Moの含有率を上記範囲にした。なお、実施形態の鋼(M2)は、Moを含有していないため、Moに起因する効果がないので、鋼(M1),(M3),(M4)よりも、高温用途では好適に用いることができない。
Vは、固溶強化に寄与する成分であると共に、微細な炭窒化物の形成に寄与する成分である。鋼(M1),(M3),(M4)において、Vの含有率が上記範囲の下限値未満である場合、上述した作用および効果が十分に発揮されない。Vの含有率が上記範囲の上限値を超える場合、靭性の低下が生ずる。このため、実施形態の鋼(M1),(M3),(M4)では、Vの含有率を上記範囲にした。
Wは、固溶強化に寄与する成分であると共に、炭窒化物の構成元素であって析出強化に寄与する成分である。Wは、特にMoと共に複合的に添加された場合には、析出物の高温安定性を著しく高めることができる。Wは、高温環境において長時間の加熱処理が行われるときに、母相から析出物へ移動する。鋼(M3),(M4)において、Wの含有率が上記範囲の下限値以上である場合、固溶強化に寄与するWの量を長時間にわたって高く維持することができる。Wの含有率が上記範囲の上限値を超える場合、靭性が低下すると共に、フェライトの生成が促進される。このため、実施形態の鋼(M3),(M4)では、Wの含有率を上記範囲にした。
Nbは、固溶強化に寄与する成分であると共に、微細な炭窒化物の形成に寄与する成分である。鋼(M1),(M3)において、Nbの含有率が上記範囲の下限値未満である場合、上述した作用および効果が十分でない。鋼(M1),(M3)において、Nbの含有率が上記範囲の上限値を超える場合、粗大なNb炭窒化物の生成量が増加する。このため、実施形態の鋼(M1),(M3)では、Nbの含有率を上記範囲にしている。
Nは、窒化物あるいは炭窒化物を形成することによって析出強化に寄与する成分である。さらに、母相に残存するNは、固溶強化にも寄与する。鋼(M1),(M3)において、Nの含有率が上記範囲の下限値未満である場合、調質熱処理の実施によって生成される炭窒化物の生成量が少なくなり、十分でなくなる。鋼(M1),(M3)において、Nの含有率が上記範囲の上限値を超える場合、粗大な炭窒化物が多量に形成される。このため、実施形態の鋼(M1),(M3)では、Nの含有率を上記範囲にした。
以下より、上記した鋼(M1)〜(M4)の実施例および比較例に関して説明する。
(磁粉探傷試験)
表3は、素材形状を角材にした場合とリング素材にした場合とに関して、磁粉探傷試験を行った結果を示す。表3においては、表1に示した各例のうち偏析傾向が大きいと想定される例P1の鋼および例P6の鋼について、上記試験を行った結果を示している。
表4は、素材形状を角材にした場合とリング素材にした場合とに関して、引張延性および衝撃値を測定した結果を示す。表4においては、表1に示した各例のうち、例P1の鋼、例P3の鋼、および、例P6の鋼の結果を示している。
Claims (8)
- 蒸気タービンに用いられる動翼の製造方法であって、
リング形状に形成されたリング素材を準備する準備工程と、
前記リング素材について加工を行うことによって前記動翼を成形する成形工程と
を有する、
動翼の製造方法。 - 前記準備工程において、前記リング素材は、リング鍛造によって作製されている、
請求項1に記載の動翼の製造方法。 - 前記成形工程では、前記加工として、旋盤加工を行う、
請求項1または2に記載の動翼の製造方法。 - 前記成形工程では、前記リング素材から前記動翼を複数形成する、
請求項1から3のいずれかに記載の動翼の製造方法。 - 前記リング素材は、
重量%で、
C:0.15〜0.20、
Si:0.10〜0.50、
Mn:0.20〜0.60、
Ni:0.20〜0.80、
Cr:10.0〜11.5、
Mo:0.80〜1.10、
Nb:0.25〜0.45、
V:0.15〜0.30、
N:0.04〜0.08
を含有し、
残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼で形成されている、
請求項1から4のいずれかに記載の動翼の製造方法。 - 前記リング素材は、
重量%で、
C:0.06〜0.15、
Si:0.10〜0.50、
Mn:0.20〜0.60、
Ni:0.20〜0.80、
Cr:11.25〜13.0
を含有し、
残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼で形成されている、
請求項1から4のいずれかに記載の動翼の製造方法。 - 前記リング素材は、
重量%で、
C:0.15〜0.20、
Si:0.10〜0.50、
Mn:0.20〜0.60、
Ni:0.20〜0.80、
Cr:10.0〜11.5、
Mo:0.80〜1.10、
V:0.15〜0.30、
Nb:0.10〜0.25、
W:0.80〜1.20、
N:0.04〜0.08
を含有し、
残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼で形成されている、
請求項1から4のいずれかに記載の動翼の製造方法。 - 前記リング素材は、
重量%で、
C:0.20〜0.25、
Si:0.10〜0.50、
Mn:0.20〜0.60、
Ni:0.20〜0.80、
Cr:11.0〜12.5、
Mo:0.80〜1.10、
V:0.15〜0.30、
W:0.80〜1.20
を含有し、
残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼で形成されている、
請求項1から4のいずれかに記載の動翼の製造方法。
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JP2018150392A JP2020026744A (ja) | 2018-08-09 | 2018-08-09 | 動翼の製造方法 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021129756A (ja) * | 2020-02-20 | 2021-09-09 | 株式会社大一商会 | 遊技機 |
JP2021129754A (ja) * | 2020-02-20 | 2021-09-09 | 株式会社大一商会 | 遊技機 |
JP2021129753A (ja) * | 2020-02-20 | 2021-09-09 | 株式会社大一商会 | 遊技機 |
FR3137007A1 (fr) * | 2022-06-22 | 2023-12-29 | Safran Aircraft Engines | Procede de fabrication d’aubes de turbomachine |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010242221A (ja) * | 2010-05-24 | 2010-10-28 | Toshiba Corp | 耐熱鋼部材およびその製造方法 |
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2018
- 2018-08-09 JP JP2018150392A patent/JP2020026744A/ja active Pending
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