JP2623866B2 - 自動車用トランク - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、自動車用トランク、とりわけ荷物の出入
れが容易な自動車用トランクに関するものである。

従来の技術 自動車トランクには第８図に示すようなセダン型車の
ように、車体後部1a上面のトランクリッド１を開いてト
ランクルーム1b内の荷物の出し入れを行うタイプのも
の、あるいは第９図に示すようなワゴン型車のようにガ
ラスハッチドア２を上方へ開くと共にトランクリッド３
を下方に開いてラゲッジルーム2a内の荷物の出し入れを
行うものがある。

自動車用トランクとしては例えば昭和55年（株）山海
堂発行自動車工学全書第13巻第148頁に示されている。

発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記従来の自動車用トランクにあって
は、トランクルーム1bやラゲッジルーム2aの奥側の荷物
を降ろしたり、奥側へ荷物を積み込んだりする場合に車
体後端部1cやトランクリッド３が邪魔になり、荷物の取
り出し作業あるいは積み込み作業が行い難いという問題
がある。

とりわけ車体後端部1cが汚れているような場合には作
業者は身体が車体後端部1cに接触しないように注意して
作業を行わなければならず、作業性が悪いという問題が
生ずる場合もある。

そこで、この発明はトランクルームの奥側の荷物であ
っても、その積み降ろしが容易に行える自動車用トラン
クを提供するものである。

課題を解決するための手段 車体の後側部あるいは前側部に開口部が形成され、こ
の開口部を閉塞するトランクリッドが開口部の下方で車
体に開閉可能に支持され、トランクリッドには、トラン
ク収納部の底壁部と奥壁部とを有し、トランクリッドの
開操作によってトランクリッドの開方向に移動する収納
体が設けられている。

作用 トランクリッドを開くと、これに追従して収納体がト
ランクリッドの開方向に移動し、作業者の近傍へトラン
ク収納部の底壁部や奥壁部が近づく。

実施例 以下、この発明の実施例を図面と共に説明する。

第１〜４図はこの発明の一実施例を示し、セダンタイ
プの自動車に適用したものである。

車体４の後側部（前側部でも良い）には開口部５が形
成され、この開口部５を開閉するトランクリッド６が開
口部５の下方で車体４に開閉可能に支持されている。

具体的にはトランクリッド６は、扇状に形成された一
対の側板７の後縁に取り付けられ、これら側板７の下端
枢支部８が車体４に回動可能に支持されている。尚、Ａ
はトランクリッド６の全開位置における側板７の枢支部
８の位置、Ｂはトランクリッド６の全開位置における側
板７の枢支部８の位置を示す。

一方、トランクルーム９内には、上記側板７に挟まれ
る部位に側面から見てＬ字形状の収納体としてトランク
フロア10が配置されている。

上記トランクフロア10はその内面、具体的にはトラン
ク収納部の底壁部を構成する底板10aの上面とトランク
収納部の奥壁部を構成する縦板10bの後面にフロアカー
ペット11が敷設されたものであり、底板10aの下側には
車体４に配置されたレール12上を転動するローラ13が取
り付けられている。尚、ローラ13の替わりにスライドレ
ールを設けるようにしても良い。

また、トランクリッド６の各側板７の内側にはトラン
クリッド６の下部寄りに長孔状のガイド部14が形成さ
れ、このガイド部14間に、ガイド14に沿って上下動可能
な支持バー15が取り付けられている。尚、Ｓはシール
材,Rはロック装置を示す。

そして、この支持バー15に前記トランクフロア10の前
端部が取り付けられている。

したがって、トランクフロア10の前端部は、支持バー
15及びガイド部14によって側板７に対し相対的に回動可
能に支持されることになり、ガイド部14は、トランクリ
ッド６の全閉時には、支持バー15がガイド部14の下端に
位置し、トランクリッド６の全開時には支持バー15がガ
イド部14の上端に位置して開度規制するように設定され
ている。

尚、上記トランクルーム９の側部には第４図に示すよ
うに取り外し可能なリッド16が取り付けられており、こ
のリッド16内には燃料の給油口17が配置され、トランク
リッド６でリッド16を覆うので給油口17のフィラーリッ
ドがトランクリッド６を開成しないかぎり見えないこと
になり、車体外観品質の向上を図ると共に燃料の盗難防
止を図っている。

上記実施例構造によれば、トランクリッド６を開く
と、トランクリッド６の側板７のガイド部14に支持され
たトランクフロア10がトランクリッド６の開操作に追従
して鎖線位置から後方へ移動してくる。

そして、ガイド部14に対して支持バー15が移動規制さ
れ、トランクリッド６が全開位置となると、トランクフ
ロア10は手前側に引き出された状態となるため、トラン
クフロア10の奥側から荷物を降ろしたり、奥側に荷物を
積み込んだりする場合の作業が行い易いものとなる。

更に、トランクリッド６の外面が汚れているような場
合でも、荷物の積み降ろしの際にはトランクリッド６の
外面全体が作業者に触れることもなく、また側方から荷
物の積み降ろしを行えば、作業者の衣類が汚れるような
こともない。

尚、この発明は上記実施例に限られるものではなく例
えば、第5,6図に示すように、トランクリッド６と収納
体としての収納ボックス18とを一体に形成したものでも
良い。

即ち、トランクリッ６の裏面には、トランク収納部の
底壁部18aと奥壁部18bとを有する収納ボックス18が一体
的に固定されており、トランクリッド６の下縁が車体４
に開閉可能に支持されている。

したがって、この実施例においても、トランクリッド
６を開くと、収納ボックス18が手前側に移動してくるた
め、作業者は容易に荷物の積み降ろしを行うことができ
るのである。

また、第７図は更に他の実施例で、トランクリッド６
を開成しても閉じたままのカバー19により、給油時等に
トランクルーム９内の荷物が露出するのを防止したもの
で、ロック20でカバー19の位置を保持するようにしてい
る。

発明の効果 以上説明してきたようにこの発明によれば、トランク
リッドを開くと、これに追従して収納体がトランクリッ
ドの開方向側（手前側）に移動してくるため、作業者が
奥側へ荷物を積み込んだり、奥側の荷物を降ろしたりす
る作業が行い易いという効果がある。

したがって、従来のように例えば、奥側へ荷物を積み
込むために作業者の体が車体の後面全体に触れ、衣類が
汚れるようなことがないという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１〜７図はこの発明の実施例を示し、第１図は側面説
明図、第２図はトランクリッド開時の斜視図、第３図は
トランクリッドの斜視図、第４図は部分後面図、第5,6
図は各々他の実施例のトランクリッド閉状態と開状態と
を示す側面説明図、第７図に更に他の実施例の斜視図、
第8,9図は各々従来技術の斜視図である。 ４……車体、５……開口部、６……トランクリッド、10
……トランクフロア（収納体）、18……収納ボックス
（収納体）。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】車体の後側部あるいは前側部に開口部が形
   成され、この開口部を閉塞するトランクリッドが開口部
   の下方で車体に開閉可能に支持され、トランクリッドに
   は、トランク収納部の底壁部と奥壁部とを有し、トラン
   クリッドの開操作によってトランクリッドの開方向に移
   動する収納体が設けられていることを特徴とする自動車
   用トランク。