JP2623275B2 - 固体潤滑剤埋込型摺動部材の製造方法 - Google Patents

固体潤滑剤埋込型摺動部材の製造方法

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【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、固体潤滑剤埋込型摺動部材における固体潤
滑剤と金属基体に形成された孔または凹溝との接着工程
を改良した固体潤滑剤埋込型摺動部材の製造方法に関す
るものである。本発明において摺動部材とは、円筒状ブ
ッシュ、すべり板を含むものである。
<従来の技術> 従来、銅系あるいは鉄系合金からなる金属基体に孔ま
たは凹溝を形成し、該孔または凹溝に固体潤滑剤を埋込
んだ、所謂固体潤滑剤埋込型摺動部材は各種機械部品と
して使用されている。該固体潤滑剤埋込型摺動部材の製
造方法としては、外周面に螺旋状の凸条部を備えた黒
鉛丸棒を鋳型の中子とし、該鋳型に溶湯金属を鋳造して
形成する方法、溶湯金属の鋳造時に燃焼消失する紙、
フィルムに固体潤滑剤を接着し、これをシェル砂型から
なる心棒に接着してこれを鋳型の中子とするか、もしく
はシェル砂型からなる心棒に固体潤滑剤を接着してこれ
を鋳型の中子とし、該鋳型に溶湯金属を鋳造して形成す
る方法、摺動部材としての母材表面に凹所を設け、該
凹所に金属または熱硬化性合成樹脂を溶融状態で注入
し、この状態を保ってここに減摩体を挿入し、次いで該
金属または熱硬化性合成樹脂を減摩体の包囲体として固
化させて、該減摩体を凹所に保持させる方法、金属基
体に孔または凹溝を形成し、該孔または凹溝に接着剤を
塗布した固体潤滑剤を挿入する方法、などがある。
<発明が解決しようとする問題点> 上述した従来の製造方法において、の方法は熱伝導
性のよい黒鉛をそのまま中子として使用するため、鋳造
時に溶湯金属が十分に行きわたりにくいという欠点があ
るとともに摺動部材の形状が限定されること、またの
方法は鋳造時に固体潤滑剤がはげ落ちたり、ずれたり
し、固体潤滑剤が規制正しく配列された摺動部材が得ら
れ難いという欠点があること、さらにの方法は、
(イ)包囲体としての金属または熱硬化性合成樹脂が必
要以上に摺動面に存在することが避けられないので、包
囲体そのものの摺動特性をも加味して、十分に材料選定
をする必要があること、(ロ)とくに包囲体として金属
を用い、減摩体として焼結カーボンを用いる場合におい
ては、両者の比重が大きく異なることから、製造時に浮
力による減摩体の浮き上がりを防止するための保持具の
使用が不可欠であり、したがって作業性に問題があるこ
と、(ハ)さらには、凹所が行き止まり凹所ではなく、
貫通孔などの場合では、製造時において溶融状態にある
包囲体をそこに保持させるのに特別の工夫を必要とし、
したがって作業性のみならず材料歩留り等にも問題があ
ること、などから上記の方法が一般に使用されてい
る。
しかしながら、固体潤滑剤を金属基体の孔または凹溝
に挿入する作業は、自動化が難しく手作業となる。その
ため液状接着剤を塗布した固体潤滑剤の挿入は、接着剤
がベト付いて作業性が悪いという欠点がある。また、液
状接着剤は作業者にカブレなどの思わぬ事故を誘発する
ことから、接着作業においてはゴム手袋の着用が必要と
され、上述した作業性を一層悪くする原因ともなってい
る。
本発明は上記の方法の改良に係わるもので、上述し
た欠点を解決した固体潤滑剤埋込型摺動部材の製造方法
を得ることを目的とするものである。
<問題点を解決するための手段> 上述した目的を達成するべく本発明は、つぎの構成
(技術的手段)を採る。
すなわち、金属基体に形成した孔または凹溝に固体潤
滑剤を埋込んだ固体潤滑剤埋込型摺動部材の製造方法に
おいて、銅系あるいは鉄系合金からなる金属基体に孔
または凹溝を形成する工程と、黒鉛を主体とする棒状
固体潤滑剤を加熱するとともに該棒状固体潤滑剤の表面
にエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂から選択され
た熱硬化性合成樹脂粉末を散布して該樹脂粉末を溶融付
着せしめたのち、該樹脂の軟化点以下の温度に冷却して
表面に該樹脂の薄膜を形成する工程と、該薄膜が形成
された該棒状固体潤滑剤を前記金属基体の孔または凹溝
に嵌合挿入する工程と、該棒状固体潤滑剤を嵌合した
金属基体を加熱し、該熱硬化性合成樹脂を硬化させて該
金属基体の孔または凹溝に固体潤滑剤を接着する工程
と、からなる固体潤滑剤埋込型摺動部材の製造方法であ
る。
上述した構成において、エポキシ樹脂、不飽和ポリエ
ステル樹脂から選択される粉末状の熱硬化性合成樹脂は
加熱することにより一度ゲル化し、この状態を保つと完
全固化し、接着力を発揮する。また、ゲル化途中もしく
はゲル化後短時間のうちに該樹脂の軟化点以下の温度に
冷却すると、該樹脂は再びゲル化する能力を残し固化す
る性質を有している。
本発明では樹脂のこのような性質を利用し、棒状固体
潤滑剤表面に接着剤としての樹脂の薄膜を形成する段階
では、該樹脂を固体潤滑剤表面において一度ゲル化して
薄膜を形成させ、ゲル化途中またはゲル化後短時間のう
ちに該樹脂の軟化点以下の温度に冷却する。このように
樹脂薄膜が形成された固体循環剤を金属基体の孔または
凹溝に嵌合挿入する。この工程においては樹脂薄膜は乾
燥(固化)した状態である。なお、嵌合挿入工程におい
て、金属基体を予め加温しておき、樹脂薄膜を軟化させ
ることにより該固体潤滑剤の挿入力を低減させることが
できる。嵌合挿入した後、加熱して樹脂薄膜を再びゲル
化して、この状態を保持して完全固化させ、固体潤滑剤
を上記孔または凹溝に接着させるのである。
金属基体は円筒体あるいは板が使用され、該金属基体
に形成された孔または凹溝に嵌合挿入される棒状固体潤
滑剤はその横断面が円形あるいは方形のものが使用され
る。
そして、粉末状の熱硬化性合成樹脂を固体循環剤の表
面に一様な薄い被膜に形成する方法としては、流動浸漬
法、スプレー法などが使用される。これらの方法におけ
る被膜形成工程においては、溶融状態の樹脂を直接手な
どで触れることがないので、作業者に与えるカブレなど
の影響は殆どない。
<作用・効果> 本発明は上述した構成からなるもので、以下の特有の
作用・効果を有する。
金属基体の孔または凹溝に固体潤滑剤を嵌合挿入する
工程において、接着剤を熱硬化性合成樹脂の乾燥薄膜と
して形成せしめた固体潤滑剤を使用するので、ベト付く
ことがなく作業性が著しく向上する。
接着剤を熱硬化性合成樹脂の乾燥薄膜として形成せし
めた固体潤滑剤を使用するので、接着作業時にゴム手袋
を着用しなくても、作業者のカブレなどの事故は起こら
ず、一層作業効率を向上することができる。
<実施例> 以下、本発明をその実施例を示す添付図面により詳細
に説明する。
(第一工程) 金属基体として青銅鋳物(BC3:JIS−H5111)を使用
し、内径60mm、外形80mm、長さ80mmの円筒体1を作成し
た。
ついで、該円筒体1に直径10.1mmの孔2を該円筒体1
の円周方向に互いに重畳するように54個形成した(第1
図)。
(第二工程) 固体潤滑剤として直径10mm、長さ700mmの黒鉛丸棒3
を用意した。
別途流動浸漬装置を用意し、該装置の浸漬槽中に熱硬
化性合成樹脂粉末としてエポキシ樹脂粉末を入れ、該粉
末を流動させるとともに予め150℃の温度に加熱した前
期黒鉛丸棒を浸漬させ、該粉末を黒鉛丸棒3の表面に融
着(ゲル化)させたのち、これを冷却して表面に厚さ0.
05mmのエポキシ樹脂被膜4が形成された黒鉛丸棒を作成
した(第2図)。
(第三工程) 前記第二工程で得たエポキシ樹脂被膜4が形成された
黒鉛丸棒を長さ12mmのペレットに切断し、該ペレットを
54個作成した。
(第四工程) 該ペレットを前記第一工程で得た円筒体1の孔2に嵌
合挿入した後、これを200℃の温度に加熱された加熱炉
内に10分間放置し、該エポキシ樹脂に硬化させた。その
後、炉から取り出して常温(20℃)まで冷却し、黒鉛ペ
レット(固体潤滑剤)が孔2に強固に接着した円筒体を
得た。
(第五工程) 前記第四工程で得た円筒体に切削加工を施し、固体潤
滑剤が規則正しく埋込まれた銅合金軸受を得た(第3
図)。
【図面の簡単な説明】
第1図は孔を形成した円筒体を示す縦断面図、第2図は
表面に熱硬化性合成樹脂被膜が形成された固体潤滑剤を
示す斜視図、第3図は固体潤滑剤が埋込まれた円筒軸受
を示す縦断面図である。 1:円筒体、2:孔、3:黒鉛丸棒、4:エポキシ樹脂被膜

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属基体に形成した孔または凹溝に固体潤
    滑剤を埋込んだ固体潤滑剤埋込型摺動部材の製造方法に
    おいて、 銅系あるいは鉄系合金からなる金属基体に孔または凹
    溝を形成する工程と、 黒鉛を主体とする棒状固体潤滑剤を加熱するとともに
    該棒状固体潤滑剤の表面にエポキシ樹脂、不飽和ポリエ
    ステル樹脂から選択された熱硬化性合成樹脂粉末を散布
    して該樹脂粉末を溶融付着せしめたのち、該樹脂の軟化
    点以下の温度に冷却して表面に該樹脂の薄膜を形成する
    工程と、 該薄膜が形成された該棒状固体潤滑剤を前記金属基体
    の孔または凹溝に嵌合挿入する工程と、 該棒状固体潤滑剤を嵌合した金属基体を加熱し、該熱
    硬化性合成樹脂を硬化させて該金属基体の孔または凹溝
    に固体潤滑剤を接着する工程と、 からなることを特徴とする固体潤滑剤埋込型摺動部材の
    製造方法。
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