JP2621496B2 - 塗料用ポリエステル樹脂組成物及びこれを用いてなる塗料 - Google Patents

塗料用ポリエステル樹脂組成物及びこれを用いてなる塗料

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,顔料分散性に優れ,鉄,非鉄金属等の表面
に硬度及び加工性が良好でかつ耐溶剤性及び耐薬品性に
優れた塗膜を形成しうる塗料用ポリエステル樹脂組成物
及びこれを用いてなる塗料に関する。
(従来の技術) 従来,家電製品等の塗装は,鋼板を加工,成形した
後,箱型形状で行われていたが,塗装ラインの合理化,
生産性の向上,公害防止,作業環境改善等の諸問題を解
決するために,平鋼板を塗装した後に加工,成形を行う
プレコート塗装方式に移りつつある。この方式に使用さ
れるプレコート鋼板は,塗装後,複雑な形状に加工され
るため,高い加工性が要求される。一方,家電製品の中
でも冷蔵庫,洗濯機等には,塗膜硬度,耐汚染性及び耐
薬品性に高い性能が要求される。
従来,これらの家電製品の塗装には,主として熱硬化
型アクリル樹脂が用いられてきた。これはアクリル樹脂
塗料が塗膜硬度及び耐汚染性に優れているためである。
しかし,アクリル樹脂塗料はプレコート塗装に用いるに
は,加工性が不足しており,加工性を満足させるために
は,アクリル樹脂の組成を軟質化する必要があり,実用
に耐え得るような塗膜硬度,耐汚染性を示すことは困難
である。
また,熱硬化型ポリエステル樹脂は,カラートタン等
のコイルコーテイングに用いられてきたが,やはり,加
工性と塗膜硬度及び耐汚染性のバランスがとれないとい
う欠点があつた。しかし,ポリエステル樹脂を減圧下に
縮重合させて得られる高分子量ポリエステル樹脂は,通
常のポリエステル樹脂に比較して加工性に優れ,冷蔵
庫,洗濯機等の家電製品の塗装にも実用化されている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら,これらの高分子量ポリエステル樹脂
は,通常のポリエステル樹脂に比べて,分子量分布が狭
く,低分子量部分が少ないため,顔料分散性に劣るとい
う問題点がある。また,このような高分子量直鎖ポリエ
ステル樹脂をエーテル化アミノ樹脂等の硬化剤とともに
硬化させた場合,塗膜の架橋密度は低く,架橋構造も不
均一であるため,架橋密度が高く,網目構造となる分岐
ポリエステル樹脂の場合と異なり,加工性が良好とな
る。しかし,逆に,架橋密度が低く,不均一構造のた
め,耐溶剤性及び耐薬品性には劣つている。
顔料分散性,耐溶剤性及び耐薬品性を向上させるため
に,ポリエステル樹脂の分岐度を上げると,上記の理由
で,加工性が著しく低下し,硬度と加工性のバランスを
取ることができない。
本発明は,顔料分散性に優れ,かつ硬度と加工性が良
好で,耐溶剤性及び耐薬品性にも優れた塗膜を形成しう
る鋼板塗装用に適したポリエステル樹脂組成物及びこれ
を用いてなる塗料を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明は,特定の直鎖ポリエステル樹脂と特定の分岐
ポリエステル樹脂とを組み合わせることによつて上記の
目的を達成したものである。
すなわち,本発明は,(A)全酸成分に対して,芳香
族ジカルボン酸成分100〜40モル%及び脂肪族ジカルボ
ン酸成分0〜60モル%を酸成分とし,脂肪族ジアルコー
ルを主たるアルコール成分として合成された数平均分子
量10000以上の直鎖ポリエステル樹脂98〜70重量%及び
(B)ジメチロールプロピオン酸を一成分として合成さ
れた数平均分子量が2000以上で,水酸基価と酸価の合計
が20以上の分岐ポリエステル樹脂2〜30重量%の混合物
を含有してなる塗料用ポリエステル樹脂組成物及びこれ
を用いてなる塗料に関する。
本発明になるポリエステル樹脂組成物は,前記のよう
に(A)成分である直鎖ポリエステル樹脂と(B)成分
である分岐ポリエステル樹脂を含有して成る。
この(A)成分のポリエステル樹脂に用いられる芳香
族ジカルボン酸成分としては,テレフタル酸,イソフタ
ル酸,フタル酸,ナフタリンジカルボン酸等或いはそれ
らの低級アルキルエステル,酸無水物等が挙げられ,こ
れらの1種以上を使用することができる。
脂肪族ジカルボン酸成分としては,アジピン酸,セバ
シン酸,アゼライン酸,コハク酸,フマル酸,マレイン
酸,ハイミツク酸等があり,これらの低級アルキルエス
テル,酸無水物等を用いても良く,これらの1種以上を
使用することができる。
脂肪族ジアルコールとしては,エチレングリコール,
1,2−プロパンジオール,1,3−プロパンジオール,2,2−
ジエチル−1,3−プロパンジオール,2−n−ブチル−2
−エチル−1,3−プロパンジオール,1,3−ブタンジオー
ル,1,4−ブタンジオール,1,5−ペンタンジオール,1,6−
ヘキサンジオール,ジエチレングリコール,ネオペンチ
ルアルコール,1,4−シクロヘキサノンジメタノール,3−
メチルペンタン−1,5−ジオール,1,4−ジシクロヘキサ
ンジメタノールなどが挙げられ,これらの1種以上を使
用することができる。アルコール成分としては,上記の
ような脂肪族アルコールを主成分とすることが必要であ
るが,この他に,キシレングリコール,水添ビスフエノ
ールA,ビスフエノールAのエチレンオキシド付加物ある
いはプロピレンオキシド付加物等の芳香族ジアルコール
の1種以上をその特性をそこなわない程度に併用するこ
とができる。
(A)成分に用いられるジカルボン酸成分は,全酸成
分に対して,芳香族ジカルボン酸及び脂肪族ジカルボン
酸が,それぞれ100〜40モル%及び0〜60モル%の範囲
の配合割合で使用されるが,芳香族ジカルボン酸成分が
前記の範囲より少なすぎたり,脂肪族ジカルボン酸成分
が前記の範囲より多すぎたりすると,得られる樹脂が軟
質化し,塗膜の硬化が低下する。好ましい範囲は,加工
性と硬度,耐汚染性のバランスの点から,芳香族ジカル
ボン酸成分90〜60モル%及び芳香族ジカルボン酸成分10
〜40モル%である。
酸成分とアルコール成分は,適宜の当量比で使用され
るが,酸成分1当量に対してアルコール成分1〜1.3当
量使用するのが好ましい。
なお,(A)成分の一部を,ε−カプロラクトン,ポ
リカプロラクトン等の軟質成分により変性することも可
能である。その際には,(A)成分のガラス転移温度を
著しく低下しない量を選択する必要がある。
(B)成分は,ジメチロールプロピオン酸を一成分と
することが必須要件であるが,この他に,ジカルボン酸
成分及びジアルコール成分として,(A)成分の説明に
て例示したものと同様のジカルボン酸成分及びジアルコ
ール成分が使用できる。
また,(B)成分の分岐ポリエステル樹脂の水酸基価
と酸価の合計は20以上,好ましくは30〜100程度とされ
る。水酸基価と酸価の合計が20未満の場合,顔料分散
性,耐溶剤性及び耐薬品性が不充分となる。一方,この
値が大きすぎると,加工性が低下する傾向にある。
(B)成分を構成する酸成分とアルコール成分は,適
宜の当量比で使用されるが,酸成分1当量に対してアル
コール成分1.1〜1.5当量使用するのが好ましい。
本発明に使用する(A)成分及び(B)成分のポリエ
ステル樹脂は,必要に応じて,ジブチル錫オキシド,酢
酸亜鉛,酢酸カルシウム,N−ブチルチタネート等の触媒
を用いて,酸成分及びアルコール成分を常圧又は加圧下
に160〜260℃でエステル交換反応及び/又はエステル化
反応に付して酸価を好ましくは3以下にしたポリエステ
ル樹脂中間体を得た後,必要に応じて,三酸化アンチモ
ン,酸化ゲルマニウム,N−ブチルチタネートのような触
媒の存在下に10mmHg以下,好ましくは1mmHg以下減圧で2
00〜300℃,好ましくは230〜280℃で縮重合を行つて,
数平均分子量が目的の範囲内のポリエステル樹脂を調製
することができる。数平均分子量が目的の範囲内になつ
たか否かは,例えば攪拌動力あるいは攪拌トルクを指標
として決定することができる。また,ゲルパーミエーシ
ヨンクロマトグラフイー測定によつて確認することもで
きる。
(B)成分を調製する際,ジメチロールプロピオン酸
を多く配合した場合,上記調製法では,ゲル化反応を起
こして,目的の分岐ポリエステル樹脂は得られない。そ
の場合には別法として,ジメチロールプロピオン酸の全
部又は一部を除いた配合で数平均分子量10000〜30000の
ポリエステル樹脂を,上記と同様の方法で合成した後,
ジメチルプロピオン酸の全部又は残部を配合し,200〜28
0℃で加熱して解重合に付し,目的の分岐ポリエステル
樹脂を得ることができる。
(A)成分の直鎖ポリエステル樹脂の数平均分子量は
10000以上とされる。数平均分子量が10000未満である場
合には,塗膜硬度や耐汚染性が劣る。また,(B)成分
の分岐ポリエステル樹脂の数平均分子量は2000以上とさ
れる。数平均分子量が2000未満である場合,塗装時にピ
ンホール等の塗膜欠陥が生じやすく,また,塗料安定性
も低下する。
なお,本発明において「数平均分子量」とは,ゲルパ
ーミエーシヨンクロマトグラフイーを利用し,標準ポリ
スチレンの検量線を使用して測定したものである。
上記のようにして得られた(A)成分98〜70重合%及
び(B)成分2〜30重量%を混合することにより,目的
の塗料用ポリエステル樹脂組成物が得られる。(B)成
分が2重量%未満である場合,塗膜の耐溶剤性及び耐薬
品性の改善の効果がみられない。また,(B)成分が30
重量%を超えた場合,塗膜の加工性が著しく低下する。
本発明になる塗料用ポリエステル樹脂組成物は,必要
に応じて,その他のポリエステル樹脂を本発明の効果を
そこなわない程度混合したり,芳香族炭化水素,脂肪族
炭化水素,エステル類,ケトン類等の溶剤で希釈するこ
とができる。
本発明になる塗料用ポリエステル樹脂組成物は,メラ
ミン,尿素,ベンゾグアナミン等のアミノ化合物とホル
ムアルデヒドとを反応させて得られるアミノ樹脂,該ア
ミノ樹脂をメタノール,エタノール,プロパノール,ブ
タノール等の低級アルコールでエーテル化して得られる
エーテル化アミノ樹脂等のアミノ系樹脂等と組合せて,
熱硬化性塗料として使用することができる。
この場合,本発明になる塗料用ポリエステル樹脂組成
物とアミノ系樹脂とは,固形分重量比で前者/後者が90
/10〜55/45の割合に配合されるのが好ましい。85/15〜7
0/30の割合に配合されるのがより好ましい。また,必要
に応じて顔料,可塑剤,着色剤及びp−トルエンスルホ
ン酸,ドデシルベンゼンスルホン酸等の酸触媒を添加す
ることもできる。
このようにして得られた塗料は,鉄,非鉄金属等の表
面にスプレー塗装,ロール塗装等の公知の方法によつて
塗装することができる。
(実施例) 次に,実施例によつて本発明を説明するが,本発明は
これらに限定されるものではない。
以下,数平均分子量は,日立635型高速液体クロマト
グラフ装置((株)日立製作所製)及びカラムとしてゲ
ルパツク(GELPACK)R440,R450及びR400M(いずれも日
立化成工業株式会社の商品名)を直列に連結して使用
し,溶離剤としてテトラヒドロフランを使用し,クロマ
トグラムを得た後,標準ポリスチレンを基準にして算出
した。
〔直鎖ポリエステル樹脂の合成例(A-1)〕 テレフタル酸299重量部(1.8モル),イソフタル酸75
重量部(0.45モル),アゼライン酸141重量部(0.75モ
ル),エチレングルコール124重量部(2.0モル),ネオ
ペンチルアルコール125重量部(1.2モル)及びジブチル
錫ジオキシド0.1重量部を,不活性ガス加圧下,250℃で
エテル化反応に付し,生成する水を除去し,酸価1.0の
ポリエステル樹脂中間体を得た。
ここで得たポリエステル樹脂中間体500重量部に三酸
化アンチモン0.1重量部,トリエチルホスフエート0.2重
量部を加えて,0.8mmHgの減圧下に280℃で重縮合反応を
行い,数平均分子量21000の高分子量直鎖ポリエステル
樹脂(A-1)を得た。
〔直鎖ポリエステル樹脂の合成例(A-2)〕 テレフタル酸75重量部(0.45モル),イソフタル酸75
重量部(0.45モル),アゼライン酸395重量部(2.1モ
ル),エチレングルコール124重量部(2.0モル),ネオ
ペンチルアルコール125重量部(1.2モル)及びジブチル
錫ジオキシド0.1重量部を不活性ガス加圧下,250℃でエ
テル化反応に付し,生成する水を除去し,酸価1.0のポ
リエステル樹脂中間体を得た。
ここで得たポリエステル樹脂中間体500重量部に,三
酸化アンチモン0.1重量部,トリエチルホスフエート0.2
重量部を加えて10.8mmHgの減圧下に280℃で重縮合反応
を行い,数平均分子量20,000の高分子量直鎖ポリエステ
ル樹脂(A-2)を得た。
〔分岐ポリエステル樹脂の合成例(B-1)〕 合成例(A-1)により得られた高分子量直鎖ポリエス
テル樹脂(A-1)500重量部を230℃,常圧下でジメチロ
ールプロピオン酸10重量部で解重合反応を行い,水酸基
価24,酸価9,数平均分子量8000の分岐ポリエステル樹脂
(B-1)を得た。
〔分岐ポリエステル樹脂の合成例(B-2)〕 合成例(A-1)により得られた高分子量直鎖ポリエス
テル樹脂(A-1)500重量部を230℃,常圧下でジメチロ
ールプロピオン酸20重量部で解重合反応を行い,水酸基
価40,酸価18,数平均分子量3000の分岐ポリエステル樹脂
(B-2)を得た。
〔分岐ポリエステル樹脂の合成例(B-3)〕 合成例(A-1)により得られた高分子量直鎖ポリエス
テル樹脂(A-1)500重量部を230℃,常圧下でトリメチ
ロールプロパン15重量部で解重合反応を行い,水酸基価
45,酸価1.0,数平均分子量3000の分岐ポリエステル樹脂
(B-3)を得た。
〔分岐ポリエステル樹脂の合成例(B-4)〕 合成例(A-1)により得られた高分子量長鎖ポリエス
テル樹脂(A-1)500重量部を230℃,常圧下でジメチロ
ールプロピオン酸3重量部で解重合を行い,水酸基価1
1,酸価4,数平均分子量10,000の分岐ポリエステル樹脂
(B-4)を得た。
実施例1〜5 上記の合成例で得られた直鎖ポリエステル樹脂(A-
1)と分岐ポリエステル樹脂(B-1),(B-2)を第1表
に示す比率(重量比)で配合し,ポリエステル樹脂組成
物を得た。
比較例1〜5 上記の合成例で得られた直鎖ポリエステル樹脂(A-
1),(A-2)と分岐ポリエステル樹脂(B-1),(B-
2),(B-3),(B-4)を単独又は第1表に示す比率で
配合し、ポリエステル樹脂組成物を得た。
各実施例及び比較例に得られたポリエステル樹脂組成
物をそれぞれソルベツソ150(シエル化学社の商品名)
/シクロヘキサン=1/1(重量比)により,加熱残分40
重量%の樹脂組成物液に調製した。
こうして得た樹脂液を下記の配合により塗料化し,試
験を行つた。
(1)白エナメル塗料配合 実施例又は比較例のポリエステル樹脂組成物液(加熱残
分40重量%) 300重量部 メラン523(日立化成工業(株)製メチルエーテル化メ
ラミン樹脂の商品名) 30重量部 チタン白(ルチル型) 100重量部 p−トルエンスルホン酸 1重量部 シンナー(ソルベツソ150/シクロヘキサン) 69重量部 (2)グレイエナメル塗料配合 実施例又は比較例のポリエステル樹脂組成物液(加熱残
分40重量%) 300重量部 メラン523(日立化成工業(株)製メチルエーテル化メ
ラミン樹脂の商品名) 30重量部 チタン白(ルチル型) 100重量部 カーボンブラツク 5重量部 p−トルエンスルホン酸 1重量部 シンナー(ソルベツソ150/シクロヘキサン) 69重量部 (3)試験板作成条件 基材:ボンデライト#144処理鋼板(日本テストパネル
社製,厚さ0.5mm) 塗装:アプリケータ(乾燥膜厚20μm) 焼付け:280℃,120秒 (4)試験方法 光沢:JIS K 5400に従い,入射角60°で測定した。
鉛筆硬さ:JIS K 5400に従い,三菱ユニを用いて測定し
た。
加工性:70×40mmの試験片を縦方向に中心部から180°折
曲げ,プレスした。
評価5…クラツクなし 4…クラツク少々あり 3…1/3クラツク 2…2/3クラツク 1…全面クラツク 耐汚染性:試験片上のマジツクインキ跡を24時間後,キ
シロールで抜きとり,目視判定した。
評価5…インキ跡なし 4…5と3の中間 3…インキ跡わずかに残る 2…3と1の中間 1…インキ跡明らかに残る 耐溶剤性:キシロール及びメチルエチルケトンを用いて
ラビング試験を100回,往復行つた。
耐薬品性:5%NaOH水溶液及び5%HzSO4水溶液に試験片
を24時間浸漬後の光沢保持率を測定した。
塗料安定性:(1)及び(2)で作成したエナメル塗料
を金属缶中に入れ,50℃で2週間放置した後,塗料の外
観,塗膜の光沢,色分かれ性を評価した。
評価i)塗料の外観 ◎…分離,顔料の沈降が全くない ○…わずかにクリーミングを起こすが,顔料の沈降
がない △…わずかにクリーミング及び顔料の沈降を起こす
が,攪拌することで元に戻る ×…クリーミング,顔料沈降激しく,元に戻らない ii)塗膜の光沢 ◎…初期塗料の塗膜光沢値に比べて,同等の光沢 ○…初期塗料の塗膜光沢値に比べて,光沢の低下が
5%以内 △…初期塗料の塗膜光沢値に比べて,光沢の低下が
5%より大きく15%以内 ×…初期塗料の塗膜光沢値に比べて,光沢の低下が
15%を超える iii)色分かれ性 ◎…初期塗料の塗膜との色差ΔEが0.2以内 ○…初期塗料の塗膜との色差ΔEが0.5以下,0.2よ
り大きい △…初期塗料の塗膜との色差ΔEが1.0以下,0.5よ
り大きい ×…初期塗料の塗膜との色差ΔEが1.0より大きい 上記の試験結果を第1表に示す。
第1表からも明らかなように,本発明になるポリエス
テル樹脂組成物(実施例1〜5)は,鋼板塗装用塗料の
樹脂として優れ,塗膜硬度,加工性及び耐汚染性に優れ
ていると同時に,耐溶剤性及び耐薬品性に優れている。
これに対して比較例1は,分岐ポリエステル樹脂
(B)を配合していない場合であるが,耐溶剤性,耐薬
品性及び塗料安定性に劣つている。比較例2及び3は,
分岐ポリエステル樹脂(B)を本発明の範囲より多く配
合した場合であるが,耐溶剤性,耐薬品性,塗膜硬度及
び塗料安定性に優れているが,加工性が著しく劣り,実
用には不適当である。比較例4は,分岐ポリエステル樹
脂(B)として,ジメチロールプロピオン酸を一成分と
して含まないポリエステルを使用した例であり,耐溶剤
性及び耐薬品性は向上しているが,塗料安定性,特にカ
ンーボンを使用した場合の塗料安定性に劣る。また,比
較例5は,実施例3及び4で使用した分岐ポリエステル
樹脂(B)を単独で使用した場合であるが,加工性が著
しく劣り,単独では実用に不適当である。比較例6は分
岐ポリエステル樹脂(B)の水酸基価と酸価の合計が20
未満のものであるが,塗料安定性及び耐溶剤性に劣る。
比較例7は直鎖ポリエステル樹脂(A)の成分の脂肪族
カルボン酸が60モル%を超えるものであるが,鉛筆硬
さ,耐汚染性等に劣るものである。
(発明の効果) 本発明になる塗料用ポリエステル樹脂組成物は,高分
子量の直鎖ポリエステル樹脂に,ジメチロールプロピオ
ン酸を一成分として合成された分岐ポリエステル樹脂を
配合しているので,硬度及び加工性が良好で,かつ耐溶
剤性及び耐薬品性に優れた塗膜を生じると同様に,塗料
安定性に優れた塗料を与える。
従つて,本発明の塗料用ポリエステル樹脂組成物を用
いてなる塗料は,鉄,非鉄金属等の表面を塗装するのに
好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C08L 67/02 67:00)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)全酸成分に対して,芳香族ジカルボ
    ン酸成分100〜40モル%及び脂肪族ジカルボン酸成分0
    〜60モル%を酸成分とし,脂肪族ジアルコールを主たる
    アルコール成分として合成された数平均分子量10000以
    上の直鎖ポリエステル樹脂98〜70重量%及び (B)ジメチロールプロピオン酸を一成分として合成さ
    れた数平均分子量が2000以上で,水酸基価と酸価の合計
    が20以上の分岐ポリエステル樹脂2〜30重量%の混合物
    を含有してなる塗料用ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の塗料用ポリエステル樹脂組
    成物を用いてなる塗料。
  3. 【請求項3】さらにアミノ系樹脂を含有してなる請求項
    2記載の塗料。
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