JP2621307B2 - アルケニルエーテル−無水マレイン酸共重合体 - Google Patents

アルケニルエーテル−無水マレイン酸共重合体

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JP2621307B2
JP2621307B2 JP63054906A JP5490688A JP2621307B2 JP 2621307 B2 JP2621307 B2 JP 2621307B2 JP 63054906 A JP63054906 A JP 63054906A JP 5490688 A JP5490688 A JP 5490688A JP 2621307 B2 JP2621307 B2 JP 2621307B2
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進 本多
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はポリオキシアルキレンポリオールモノアルケ
ニルエーテルと無水マレイン酸との新規な共重合体に関
する。
〔従来の技術〕
オリオキシアルキレングリコールモノアリルエーテル
とマレイン酸系単量体との共重合体は、特開昭59−1763
12号公報等に開示され、スケール防止剤、キレート剤、
分散剤などとして使用される。
〔発明が解決しようとする問題点〕
前記の公報に開示された共重合体は、ポリオキシアル
キレングリコールモノアリルエーテルとマレイン酸また
は無水マレイン酸とを水溶液中で共重合させて得られる
もので、その実施例によると数平均分子量は950〜1250
と低い。
本発明は特定のポリオキシアルキレングリコールモノ
アルケニルエーテル(以下、単にアルケニルエーテルと
いう)と無水マレイン酸との共重合体を目的とするもの
で、比較的高分子量の共重合体が得られる。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、一般式(I)で示されるアルケニルエーテ
ルと無水マレイン酸との共重合体で、必要によりさらに
他の単量体との共重合体であり、アルケニルエーテルと
無水マレイン酸と他の単量体とのモル比が5〜60:40〜7
0:0〜40である共重合体である。
R1O(AO)nR2 ……(I) (ただし、AOは炭素数2〜18のオキシアルキレン基の1
種または2種以上の混合物で、2種以上のときはブロツ
ク状に付加していてもランダム状に付加していてもよ
く、R1は炭素数4〜5のアルケニル基、R2は炭素数1〜
3のアルキル基または飽和アシル基、nはオキシアルキ
レン基の平均付加モル数で1〜1000である。) この場合、アルケニルエーテルと他の単量体の合計モ
ル数と無水マレイン酸のモル数との比は、30〜60:70〜4
0である。
一般式(I)において、R1で示される炭素数4〜5の
アルケニル基としては、メタリル基、1,1−ジメチル−
2−プロペニル基、3−メチル−3−ブテニル基等があ
る。
AOで示される炭素数2〜18のオキシアルキレン基とし
ては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシ
ブチレン基、オキシテトラメチレン基、オキシスチレン
基、オキシドデシレン基、オキシテトラデシレン基、オ
キシヘキサデシレン基、オキシオクタデシレン基などが
ある。
R2で示される炭素数1〜3のアルキル基としてはメチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基があり、
また飽和アシル基としては、酢酸、プロピオン酸などに
由来するアシル基がある。
本発明で用いる一般式(I)のアルケニルエーテルは
種々の方法で製造することができるが、そのいくつかを
つぎに示す。
(a) 炭素数4〜5のアルケニルアルコールに炭素数
2〜18のアルキレンオキシドを付加反応させる。つぎに
R2をアルキル基または飽和アシル基とするハロゲン化ア
ルキル、カルボン酸、カルボン酸ハライド等を反応させ
る。
(b) R2をアルキル基または飽和アシル基とするアル
コールまたはカルボン酸に炭素数2〜18のアルキレンオ
キシドを付加反応させ、ついで炭素数4〜5のハロゲン
化アルケニルを反応させる。
他の単量体は一般式(I)のアルケニルエーテルおよ
び無水マレイン酸と共重合しうるビニル型単量体であ
り、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン
酸、マレイン酸、これらの一価または二価の金属塩、ア
ンモニウム塩、有機アミン塩、炭素数1〜24のアルコー
ルとのエステル、さらにはスチレン、メチルスチレンな
どの芳香族ビニル化合物、塩化ビニル、塩化ビニリデン
などのハロゲン化ビニル化合物、イソブチレン、ジイソ
ブチレンなどのオレフイン類、酢酸ビニル、アクリロニ
トリル、アクリルアミドなどがある。
本発明の共重合体は、一般式(I)のアルケニルエー
テルと無水マレイン酸とを、必要により他の単量体を加
え、重合開始剤の存在下に塊状重合、溶液重合などの方
法により、共重合させて得られる。
重合開始剤としては、ベンゾイルペルオキシド、ラウ
ロイルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシドなど
の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリルなどのア
ゾ化合物等がある。
溶液重合に用いる溶媒としては、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素、n−ヘキサン、シ
クロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、アセトン、メチル
エチルケトンなどのケトン、ジメチルエーテル、ジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエ
ーテル、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化炭
化水素等がある。
本発明の共重合体の重量平均分子量は限定されない
が、500以上、とくに1000以上である。
本発明の共重合体は、一般式(I)のアルケニルエー
テルの選定、重合反応における溶剤の選定などにより、
液状、ゲル状または固体状の、あるいは親水性または疎
水性の、種々の性状のものになり得る。
〔発明の効果〕
本発明は、一般式(I)のアルケニルエーテルと無水
マレイン酸を必須成分としたことにより、比較的高分子
量で、液状、ゲル状、固体状あるいは親水性、疎水性の
いかなる性状のものでも自由に得ることができる。この
ため、今までスケール防止剤等のごく限られた利用範囲
しかなかつたアルケニルエーテル−マレイン酸共重合体
を吸水性高分子組成物あるいは反応性被覆材等へ利用す
ることが可能である。
〔実施例〕
以下にアルケニルエーテルの製造例、実施例および比
較例により説明する。
製造例1 加圧反応器に3−メチル−3−ブテニルアルコール86
gと水酸化カリウム11gをとり、窒素ガス雰囲気下、100
〜110℃、圧力0.5〜4kg/cm2(ゲージ圧)でプロピレン
オキシド1276gを徐々に圧入しながら付加反応を行なつ
た。反応終了後、ナトリウムメチラート65gを加えて115
〜125℃、10〜30mmHgで4時間処理した。つぎに窒素ガ
スにより圧力0.5kg/cm2(ゲージ圧)とし、メチルクロ
リド70gを115〜125℃、0.5〜4kg/cm2(ゲージ圧)で反
応させたところ、4時間で反応混合物のアルカリ度が減
少してほぼ一定の値になつたので塩酸で中和し、副生し
た塩を濾別してアルケニルエーテルを得た。
製造例2 加圧反応器にメタノール32gとナトリウムメチラート
1.1gをとり、窒素ガス雰囲気下、130〜140℃、0.5〜3kg
/cm2(ゲージ圧)でエチレンオキシド396gを付加反応さ
せた。反応終了後、水酸化ナトリウム75gを加え、110〜
120℃、10〜30mmHgで脱水した。つぎに1kg/cm2(ゲージ
圧)に窒素ガスで加圧したのち、110〜120℃でメタリル
クロリド120gを徐々に加えて反応を行なつたところ、4
時間で反応混合物のアルカリ度が減少してほぼ一定の値
になつたので塩酸で中和し、副生した塩を濾別してアル
ケニルエーテルを得た。
製造例3 加圧反応器にn−プロパノール60g、三フツ化ホウ素
−エーテル錯体5gおよびテトラヒドロフラン441gをと
り、窒素ガス雰囲気下、45〜50℃、圧力0.5〜3kg/cm
2(ゲージ圧)でエチレンオキシド269gを徐々に圧入し
て付加反応を行なつた。反応終了後、触媒の三フツ化ホ
ウ素を炭酸ナトリウムで中和し、副生した塩を濾過によ
つて除いた。得られた生成物720gに水酸化ナトリウム70
gを加え、115〜125℃、10〜30mmHgで脱水した。つぎ
に、0.5kg/cm2(ゲージ圧)に窒素ガスで加圧したの
ち、115〜125℃でメタリルクロリド120gを徐々に加えて
反応を行なつたところ、4時間で反応混合物のアルカリ
度が減少してほぼ一定の値になつたので塩酸で中和し、
副生した塩を濾別してアルケニルエーテルを得た。
製造例4 加圧反応器にメタリルアルコール72gと水酸化カリウ
ム5.6gをとり、窒素ガス雰囲気下、100〜110℃、圧力0.
5〜3kg/cm2(ゲージ圧)でエチレンオキシド325gを徐々
に圧入して付加反応を行なつた。ついで、プロピレンオ
キシド464gを同様に付加反応させた。反応終了後、水酸
化カリウムを塩酸で中和し、副生した塩化カリウムを濾
過によつて除いた。つぎに得られた生成物800gと無水酢
酸204gを四つ口フラスコ中窒素ガス気流中で100〜110℃
に加熱して4時間反応させた。反応終了後、副生した酢
酸を水洗して除き、100〜110℃、10〜30mmHgで減圧脱水
してアルケニルエーテルを得た。
製造例5 加圧反応器にエタノール46gをとり、金属ナトリウム
7.6gを少量ずつ加えて溶解させた。つぎに窒素ガス雰囲
気下、140±10℃、圧力0.5〜5kg/cm2(ゲージ圧)でエ
チレンオキシド7590gを徐々に圧入して付加反応を行な
つた。反応終了後、水酸化カリウム80gを加え、窒素ガ
ス雰囲気下、110±10℃、圧力0.5〜5kg/cm2(ゲージ
圧)でメタリルクロリド110gを圧入して反応させ、4時
間後に反応混合物中のアルカリ度がほぼ一定の値になつ
たので塩酸で中和し、副生した塩を濾別してアルケニル
エーテルを得た。
製造例1〜5で得たアルケニルエーテルの構造と分析
結果を表1に示す。
実施例1 製造例2のアルケニルエーテル 482g(1モル) 無水マレイン酸 98g(1モル) ベンゾイルペルオキシド 6g (単量体の1重量%) トルエン 580g (単量体と同重量) 上記の成分を冷却管、窒素ガス吹き込み管、温度計お
よび撹拌装置を備えた四つ口フラスコにとり、窒素ガス
雰囲気下、80℃に昇温して共重合反応をおこなつた。混
合液は昇温後約5分でゲル状になつた。撹拌を止めて80
℃で3時間保持したのち、トルエンを減圧下に100℃で
留去して498gの共重合体を得た。
得られた共重合体は透明弾性ゲル状で、各種の溶媒に
溶解しなかった。
元素分析値 C:55.83% (計算値55.85%) H: 8.33% (計算値 8.33%) ケン化価 190.3 共重合体の赤外線吸収スペクトルを図1に示す。
比較例1 CH2=CHCH2(OC2H49OH 454g(1モル) マレイン酸 116g(1モル) ベンゾイルペルオキシド 6g (単量体の1重量%) トルエン 570g (単量体と同重量) 上記の成分を、冷却管、窒素ガス吹き込み管、温度計
および撹拌装置をつけた四つ口フラスコにとり、窒素ガ
ス雰囲気下、80℃に昇温して4時間共重合反応をおこな
つた。ついでトルエンを減圧下に100℃で留去して525g
の共重合体を得た。
得られた共重合体は粘性液体であつた。
元素分析値 C:52.57% (計算値52.62%) H: 8.13% (計算値 8.12%) ケン化価 198.4 動粘度(100℃) 35.7cst 重量平均分子量(ゲルパーミユエーシヨンクロマトグラ
フイー) 1800 実施例1と比較例1から、本発明のアルケニルエーテ
ル−無水マレイン酸共重合体はアルケニルエーテル−マ
レイン酸共重合体よりも分子量が大きいことがわかる。
実施例2〜9 実施例1と同様の方法で、表2の単量体と重合条件に
より表3に示す本発明の共重合体を得た。なお、溶媒を
使用する場合は単量体の合計量と同じ重量を用いた。
また、重合開始剤の使用量は単量体の合計量に対する
重量%で表わした。実施例2、4および8は最初に重合
開始剤の半量を加えて所定の温度で2時間反応を行つた
のち、室温に冷却して重合開始剤の残りの半量を加えた
のち所定の温度でさらに3時間反応を続けた。他の実施
例は実施例1と同様に最初から重合開始剤の全量を添加
した。
表3の結果から、本発明のアルケニルエーテル−無水
マレイン酸共重合体は、親水性、疎水性、液体、ゲル、
固体のいかなる性状のものにもなり得ることがわかる。
【図面の簡単な説明】
図1は実施例1で得られたアルケニルエーテル−無水マ
レイン酸共重合体の赤外線吸収スペクトル図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 155/00 PGZ C09D 155/00 PGZ (C08F 222/06 216:14)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I)で示されるアルケニルエーテ
    ルと無水マレイン酸との共重合体で、必要によりさらに
    他の単量体との共重合体であり、アルケニルエーテルと
    無水マレイン酸と他の単量体とのモル比が5〜60:40〜7
    0:0〜40である共重合体。 R1O(AO)nR2 ……(I) (ただし、AOは炭素数2〜18のオキシアルキレン基の1
    種または2種以上の混合物で、2種以上のときはブロツ
    ク状に付加していてもランダム状に付加していてもよ
    く、R1は炭素数4〜5のアルケニル基、R2は炭素数1〜
    3のアルキル基または飽和アシル基、nはオキシアルキ
    レン基の平均付加モル数で1〜1000である。)
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