JP2617393B2 - パネル - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、透明又は半透明な基板
面上に不透明層により、多数の細分された領域を形成し
且つデザインを施したパネルに関する。

【０００２】本明細書において透明なパネルというとき
は、透明な材料のシート、透明な材料の積層板又は透明
な材料の組合せを意味するものとし、透明な材料として
は、ガラス又はアクリルシート若しくはポリカーボネー
トシートの如きプラスチツクの他、ポリエステルフイル
ム若しくはポリ塩化ビニールフイルムの如き可撓性材料
を含み、更にぼかしや曲がつた像を生じる透明なパネル
をも含むものとする。同様に半透明パネルというとき
は、半透明な材料のシート、ガラス又はアクリルシート
若しくはポリカーボネートシートの如きプラスチツクな
どの半透明材料の積層されたものの他、ポリエステルフ
イルム、ポリ塩化ビニールフイルム、紙、繊維若しくは
これらと同様の材料等をも含むものとする。

【０００３】

【従来の技術】一方向からの透視を可能にするために、
透明なパネルの表面又は内部に不透明なパターンを設け
ることは、透明な壁を有するスカツシユ（squash）コー
トの構築技術において知られている。これらのパネル
は、多数の細分された領域からなる単一色の不透明パタ
ーンを含んでいる。あるいはこれらのパネルは、パネル
の一方の側が他方の側より強く照明されたときに一方向
からのみ見えるという効果（一方向ビジヨン効果）を強
調するために、パネルの一方の側からはある色に見え、
他方の側からは他の色に見えるパターンを伴う。単一色
のパターンは、通常白又は明るい色であり、二色のパタ
ーンはパネルの一方の側が白又は明るい色であり他方の
側がこれに正確に又はほぼ正確に一致して付設された黒
又は暗い色である。これにより、該他方の側から前記一
方の側への透視の明晰性を強められている。このような
パネル材料を使用することにより、プレーヤが一方の側
から該パネル材料を通して他方の側を見ることができな
いにも拘らず、見物人又はテレビカメラは該他方の側か
らスカツシユコートを透視することができる。このよう
なパネルのパターンは通常小さな点で描かれている。描
かれている点は、パネルからある距離にいる観衆の見物
人の目にはパターンのエレメントの各々を識別できない
ような点とされている。即ちエレメントである点は、目
の分解能を越えた小さなものとなつている。

【０００４】簡単な一方向透視性パネルは１．４mm四方
の正方形を構成する格子の中央に直径１mmのドツトを配
置して形成された不透明なパターンを備え、該パターン
は一方の側からは白に見え、他方の側からは黒に見え、
該他方の側は前記一方の側よりも弱く照明される。白い
ドツトに照明された光は反射され散乱せしめられる。こ
れにより一方の側から他方の側への透視は妨げられる。
しかしながら他方の側からパネルを通した前記一方の側
への透視はほぼ明瞭に得られる。ただし像の光の強さは
不透明の程度に応じて減少し、彩色された透明パネルと
異なり像の色調の低下又はトーンダウン（tone down ）
を生じる。

【０００５】また、この種のパネルとして実開昭５７−
１４１０１号公報には、透明な基板面の一方を暗色に
し、他方を明色にし、明色側を複数の明色で塗り分けた
ものが開示されているが、このパネルも、明色側からの
透視を妨げることを目的とし、その効果を明色の塗り分
けで強めたものに過ぎなかった。

【０００６】

【発明の概要】本発明は、これら従来のパネルと異な
り、細分パターンにより基板を通して透視が可能であ
り、表裏各々から見たときに異なる模様を呈し、透視性
と相俟って、多様な表現が可能であり見る者に意外性に
富む印象を与えることができるパネルを提供することを
目的とする。

【０００７】本発明の前記目的は、光透過性材料の面を
多数の不透明領域及び／又は多数の透明若しくは半透明
の領域に細分するパターンを、不透明な層で形成したパ
ネルであって、前記光透過性材料上に単一色の層で前記
パターンを構成しているベース部と、該ベース部の上及
び該ベース部と前記光透過性材料との間において前記ベ
ース部とは異なる１又は２以上の色彩の層により該ベー
ス部を背景とし或いは該ベース部と協働して形成された
デザイン部とを備えており、前記デザイン部の層におけ
る前記透明若しくは半透明の領域との境界は、前記ベー
ス部における前記透明若しくは半透明の領域との境界と
一致していることを特徴とするパネルにより達成され
る。

【０００８】該パネルにおいて、前記層を印刷層として
形成し、前記デザイン部の印刷層における前記透明若し
くは半透明の領域に臨む境界は、前記ベース部における
前記透明若しくは半透明の領域との境界よりも内側に形
成されることができる。

【０００９】本発明の前記目的はまた、光透過性材料に
設けられた多数の貫通孔を透明領域 とし、該貫通孔以外
の領域を不透明領域としたパネルであって、前記不透明
領域が光透過性材料上の単一色の印刷層でベース部とし
て形成されており、該ベース部の上及び該ベース部と前
記光透過性材料との間において前記ベース部とは異なる
１又は２以上の色彩の印刷層で該ベース部を背景とし或
いは該ベース部と協働して形成されたデザイン部が設け
られていることを特徴とするパネルによっても達成され
る。

【００１０】このような範囲内の種々のパネルにより、
数々の異なつたビジヨン効果が得られる。即ち、パネル
全体において他方の側から一方の側への明瞭な透視を可
能にしつつ、デザインにより覆われた部分を除き、パネ
ルの一方の側から他方の側への明瞭な透視を維持するこ
とができる。また、他方の側から一方の側へのパネル全
体における透視を可能にしながら、一方の側から他方の
側への透視を全体的にさえぎることができる。言いかえ
れば、一方向の透視効果（一方向ビジヨン効果）を得る
ことができる。他方の側から一方の側への透視を全体的
に又は部分的にさえぎりながら、デザインされた部分を
除き、一方の側から他方の側への明瞭な透視を可能にす
ることができる。両側からの透視を全体的にさえぎるこ
とができる。パネルの向こう側からパネルを通して知覚
される照明光の強さが、パネルのこちら側において反射
される照明光より十分に強いときは、いずれの場合にお
いても、パネルの各々の側からの透視が可能となる。

【００１１】すなわち、本発明によれば、パネルの一方
の側から見ることができ他方の側からは見ることができ
ない第１のデザインと、他方の側からは見ることができ
一方の側からは見ることができない第２のデザインとを
備え、各デザインはシルエツトパターン（以下に説明）
の上に重ねて形成され又はシルエツトパターンの一部を
形成する透明又は半透明のパネル材料が提供される。

【００１２】本発明パネルから得られる視覚的効果の例
としては、第１のデザインに覆われた部分を除き一方の
側から他方の側への明瞭な透視が可能であり、第２のデ
ザインにより覆われた部分を除き他方の側から一方の側
への明瞭な透視が可能となるものがある。パネルの透視
についての他の効果としては、一方の側から他方の側へ
の透視が全体的に又は部分的にさえぎられ、他方の側か
ら一方の側への透視が全体的に又は部分的にさえぎられ
るというものがある。パネルの透視についての更に他の
効果の例としては、一方の側から他方の側への透視が全
体的に又は部分的にさえぎられ、第２のデザインにより
覆われた部分を除いて他方の側から一方の側への明瞭な
透視が得られるというものがある。パネルの向こう側か
らパネルを通して知覚される照明光の強さが、パネルの
こちら側において反射される照明光より強いときは、い
ずれの場合においてもパネルの各々の側からの透視が可
能となる。

【００１３】本発明に係るパネル及び／又は該パネル上
に設けられたデザインは照明を受けることにより、視覚
がパネル上のデザインに集中し又はパネルを通してパネ
ルの向こうの対象に集中するようにされることができ
る。パネルの向こう側からパネルを通して知覚される照
明光が、パネルのこちら側において反射される照明光よ
りも十分に強いときは、いずれの場合においてもデザイ
ンやシルエツトパターンの色彩を知覚することなくパネ
ル各々の側からの透視が可能となる。デザイン及び／又
はシルエツトパターンが通常見える側において、パネル
の向こう側からパネルを通して到達する照明光のレベル
が増加すると、前記デザイン及び／又はシルエツトパタ
ーンは知覚しがたくなるという点も本発明に係るパネル
の特徴である。パネルの一方又は両方の側におけるデザ
インは装飾及び／又は情報のためのものとすることがで
き、更に他の目的のためのものとすることができる。本
発明に係るパネルは、外側への透視性に過度の影響を与
えることなく、例えばビルデイング、乗物その他の収容
物又はシエルターにおいて太陽熱、眩しい光又は紫外線
の透過を制御することを可能にする。

【００１４】本発明によれば、相互に一方の側から他方
の側への天然の又は人工的な照明をすることができる。
例えば、ビルデイングの前方に本発明パネルによる広告
板を置いた場合にも、若干弱まりはするが日光を窓から
受入れることができ、且つビルデイングの外を見ること
ができる。

【００１５】本発明に係るパネル上のデザインは不透明
なエレメントによるパターンを形成し又はパターン上に
重ねられる。このパターンを以下において、シルエツト
パターン又は単にパターンと称する。以下において使用
する「シルエツトパターン」又は「パターン」の語は、
パネルを複数の不透明部分及び／又は複数の透明又は半
透明部分に分割するように不透明材料がパネル上に配置
されたもの全てを意味する。シルエツトパターンは多く
の形態をとることができる。例えば一定の幾何学的エレ
メントが規則的に配置されたもの、一定の幾何学的エレ
メントが不規則に配置されたもの、任意の形状のエレメ
ントが規則的に配置されたもの、任意の形状のエレメン
トが不規則に配置されたもの又は一定のエレメント及び
任意の形状のエレメントが規則的に及び／又は不規則的
に配置されたものの組合せとすることができる。連続的
な透明部分に多数の相互に分離したエレメントを設ける
代わりに、ネツト、格子又はメツシユパターンのよう
に、相互に分離した透明エレメント部分と連続した不透
明エレメント部分とを形成するようにシルエツトパター
ンを設けてもよい。シルエツトパターンは更に、必要に
より、連続的な不透明エレメント部分と相互に分離した
エレメント部分との結合とすることもできる。前述の全
てのシルエツトパターンは広い領域を形成する単一のパ
ネル上で繰返し設けられてもよく、タイルの如く小さな
パネルの集合により大きなパネルを形成する際の各々の
小パネルに設けられてもよい。

【００１６】シルエツトパターンを形成するエレメント
は、通常ドツト状の小さなものであり印刷業界において
「ハーフトーン」と称される、規則的な格子状に配置さ
れた等しい大きさのものであるのが望ましい。場合によ
り、特に透視性が要求される場合に分離したエレメント
により構成されるシルエツトパターンは、ネツト、格子
又はメツシユ状に配置された連続した又は相互に結合さ
れた不透明部分として形成されたシルエツトパターンよ
り望ましい。視覚的にはドツト又はデイスク状の相互に
分離した不透明エレメントが規則的に配置された部分を
通して見るほうが、格子状の不透明エレメントにより囲
まれて形成された透明部分を通して見る場合より透視性
に優れていると思われる。この場合において両方の不透
明部分の総面積は等しい。これは、不透明なドツト又は
デイスクにおいて光を前方に散乱させる断面が、グリツ
ドを形成する連続的な糸又は線状の不透明部分の同様の
断面より大きいからであると思われる。光は不透明な障
害物の周辺で回折を生じるが、該障害物がデイスク状で
ある場合はその周辺において均一な光路長が得られ、該
光路長の均一性は糸又は線状のエツジ周辺における光の
回折におけるよりも優れており、より鮮明な又はコヒー
レントな像を知覚せしめる。シルエツトパターンの視覚
的効果は、回折格子におけるのとほぼ同じ方法により計
算され又は評価され得る。

【００１７】細かいパターン構成要素をある距離離れた
位置から見るときの目の分解能に関する問題、及び線又
は格子状の形状に対する認識がドツトのような分離した
エレメントの認識よりも容易であるという認識能力の問
題という生理学上の問題がある。パターンの認識が容易
なほどそのパターンを通して対象物を知覚することは困
難となる。

【００１８】シルエツトパターンが格子又はその他の連
続した線状のもので形成されて認識されやすい場合は、
ドツトのように分離したエレメントのシルエツトパター
ンより心理学的に不快な印象を受ける。グリツトその他
のパターンが抑留又は拘束を伴うからであると思われ
る。

【００１９】二つの不透明材料を重ねて相互に分離した
エレメントからなるシルエツトパターンを形成するの
は、二つの不透明材料を重ねた格子を形成するよりも容
易である。

【００２０】シルエツトパターンのエレメントは、文
字、数字又はこれらのグループを覆いかくすように形成
されてもよく、ドツトマトリツクスの文字又は数字のよ
うに印刷上の構成要素としてのデザイン又はその一部を
形成することができる。これによりかなり小さく書かれ
た又は数字に関する情報が一方の側から見え、他方の側
からは均一な又は不規則なデザインが見えることとな
る。各々のエレメントのサイズを減少し及び／又は各エ
レメント間の距離を増加させることにより、パターンは
次第に変化し又はトーンダウンせしめられる。これは、
例えば、ビルデイング又は自動車において太陽光の眩し
さ又は太陽光の受入れの制限を変化させたい場合などに
有益である。この種の変化は、パネルの両側に於て明確
に設けられてもよく、パネルの一方の側において設けら
れてもよい。例えば、パネルの外側の白いドツトを、外
側から見て均一又はほぼ均一に見えるように同じ大きさ
のものとし、その裏側にある内側の黒いより大きなドツ
トを同じ格子状配置としてそのサイズを変化させること
ができる。これは、例えば自動車のウインドスクリーン
において太陽光の眩しさに対し漸増的な保護を成すため
に、前記黒いドツトをウインドスクリーンの下方部分よ
り上方部分の方を大きくするというように利用される。
これとは逆に、パネルの下部においてより大きな黒いド
ツトを設ける場合は、冬の低い太陽からの光をより多く
パネルの上部から取入れるのに役立つ。夏の高い太陽か
らの光をさえぎるために外部に日除けを設けることがで
きる。

【００２１】パネル外側の明るい色又は反射性材料のパ
ターンは一方向への透視性を主目的として設けられる
が、該パターンに重ねるようにパネル内側に暗い色のパ
ターンを設けることにより、太陽からの熱を吸収すると
いう効果を得ることができる。シルエツトパターンは、
パネルへの上塗り物又は複数の面を持つ積層板のような
他のパネルとのアツセンブリの２以上の面に設けること
ができ、これにより、パネルを経た透視性をよりよく制
御し、及び／又は太陽熱の透過、眩しさ又は紫外線の減
少をよりよく制御することができる。重ねて形成された
パターンによる特別の視覚的効果を得るために、結合さ
れた２以上のシルエツトパターンを設けることができ
る。例えば、シルエツトパターンが、相互に離反した二
つの平行な面に設けられた水平な線のパターンである場
合には、二つのパターンを通して見る透視性はこれらの
パターンに対する視線の角度に依存して変化する。二つ
のシルエツトパターンが等しく、且つある方向からの良
好な透視性が得られるように配置されている場合、例え
ば水平方向に延びたシルエツトパターンにほぼ一致して
窓の外側にシルエツトパターンが形成された場合は、水
平方向より上側から入射する太陽光の熱、眩しさ及び紫
外線を適切に遮蔽し、水平方向における透視性には重大
な影響を及ぼさない。この配置の特に有効な使用は、通
常傾斜せしめられる自動車のリヤウインドにおける場合
である。二つの面における線状のシルエツトパターン
が、水平方向に且つドライバーの頭の高さにほぼ一致し
て若しくはバツクミラーの位置にほぼ一致して設けられ
ている場合は、同様のパターンが一つの面にのみ設けら
れている場合に比べて、極めて大きな日除け効果を奏す
る。この他、パターンを相対的に調節可能に設けること
ができる。例えば一枚のパネルを該パネルの面に沿つて
摺動可能とすることができ、これによりパネルアツセン
ブリの両側からの透視性を任意の視角について制御可能
とすることができる。

【００２２】シルエツトパターンは１以上の方向に相対
的に調節可能とすることができる。例えば、パネルアツ
センブリが複数のパネルを備え各パネルがシルエツトパ
ターンを有している場合に、一枚のパネルは、該パネル
の面に沿う移動及び他のパネルに垂直な方向への移動を
することができる。これにより、アツセンブリの透視性
を維持しつつアツセンブリを通過する太陽光線の全体的
な遮蔽に至るまでの幅広い太陽光の制御、及び任意の視
角においてアツセンブリの両側からの透視をほぼ完全に
さえぎることを含む幅広い透視性の制御が可能となる。
パターンを有した２以上のパネルにより得られる太陽光
の遮蔽の度合いは、手動又は自動装置により制御され得
る。自動制御は、温度に応答するもの又は太陽光線に依
存するものとすることができる。

【００２３】２以上の面に形成されたパターンは、視
角、アツセンブリの外側若しくは内側における光の強さ
の変化に応じて変化し、又は１若しくは２以上のパター
ンを他のパターンに対して移動することにより変化する
という、デザイン上の効果を得るために使用され得る。
例えば、単一パネルの両側、又は２枚のパネルアツセン
ブリにおける各一方の側の垂直方向の線によるシルエツ
トパターンは、アツセンブリ両側からの透視を可能にす
る。しかし、２つのシルエツトパターンは着色により観
者の視覚に依存して視覚的効果を変化させるデザインと
することができる。シルエツトパターンを備えた２以上
のパネルが外部及び内部の照明を伴う場合は、照明の相
対的な強さを変化させることにより視覚的効果を変化せ
しめられることができる。例えば、手前側のパネルが明
るく照明され向こう側のパネルが相対的に暗くされてい
る場合は、手前側のパネルのデザインのみが知覚され
る。しかし手前側のパネルのある側が暗くされ、パネル
の中間のスペースが明るく照明される場合には、手前側
のパネルのデザインは明瞭には見えず向こう側のパネル
のデザイン及びパネル中間にある物が明瞭に見える。

【００２４】干渉をするパターンのような様々な効果を
伴うパターンが、２つのシルエツトパターンを重ねて形
成することにより得られ、１つのパターンを他のパター
ンに対して、例えばカムにより移動させることにより、
変化する干渉パターンを得ることができる。

【００２５】この他、変化する干渉パターンは、固定さ
れたパターン及びデザインに対し移動する観者によつて
知覚されることができ、現実の使用及び装飾その他の視
覚的演出において効果を奏する。例えば、本発明パネル
は、走行案内用の現在使用中の干渉パターンシステムに
おいて、該システムの視覚的機能又は情報提供機能を強
調するために使用され得る。本発明による新しいシステ
ムにおいては、現在必要とされている後方における照明
が、周囲からの照明又は観者により向けられる照明の使
用により、不要となる。ある種の実施例においては、シ
ルエツトパターンを有した単一のパネルが必要とされ、
後方のパネルは全体的に不透明であり、デザインを伴い
又は伴わず、一部又は全体が鏡若しくはその他の反射性
仕上げ面とされたものとされる。

【００２６】透明な物体における透明な部分は、２以上
の異なる色彩を有することができ、これにより付加的な
デザイン効果が得られる。しかしながらこれらの効果は
通常、シルエツトパターン上に重ねて形成されパネル両
側で違ったものとされ得るデザインと異なり、パネルの
一方の側と他方の側とで同一デザインを表裏から見るこ
とになる。

【００２７】広い領域においてこのようなシルエツトパ
ターンを形成し、パターンの各エレメントを異なる色彩
としてできるかぎり正確に一致させて重ねることは困難
である。しかしこれに使用し得る方法は、イギリス国特
許出願第２０３２４１７Ａ及び第２１１８０９６Ａに開
示されている。他の方法として次の工程を備えているも
のがある。

【００２８】（ａ）インクをはじく性質を有したステン
シルパターンが、例えば適宜の印刷技術、転写又は類似
の方法により基材に設けられる。異なる色彩のインク又
は他のマーキング用液体の２つの層が連続的に設けられ
る。カラーインクはステンシル材料により排斥され、ス
テンシル材料間の基材上にとどまる。ステンシル材料は
その後溶剤、熱又はその他の手段により取除かれる。

【００２９】（ｂ）印刷又はその他の技術により色彩の
必要なパターンが設けられ、感光性材料が、透明な基材
の反対側からの露光及びこれに伴う現像に伴つて、オリ
ジナルパターンに正確に重ねられた対照的な色彩を付与
する。

【００３０】（ｃ）必要なパターンは単一色を以てプリ
ント又はその他の手段により基材に形成される。感光性
材料は透明なパネルの向こう側からの露光により現像さ
れて、オリジナルパターンのエレメント間の領域にステ
ンシルを形成する。対照的な色彩のインク又はその他の
マーキング用流体が基材及びステンシル全体に塗布され
る。ステンシルは、その後水、熱又はその他の手段によ
り取除かれ、これに伴つて第２の色彩も除去される。し
かし必要なパターン上には２種類の色彩が重ね合わさつ
た状態で残される。

【００３１】（ｄ）必要なパターンの電気メツキによる
遮蔽が、プリント、フオトステンシル又はその他の手段
により基材に設けられる。パネルはその後、対照的な色
彩の２つの材料でメツキされる。ステンシルは溶剤、熱
又はその他の手段により取除かれ、前記遮蔽により形成
されたパターンにおいて重ね合わされた２つの色彩の材
料が残される。

【００３２】（ｅ）例えば穿孔されたポリエステルフイ
ルムに自己接着性を付与したもののような、自己接着型
ステンシルが基材に接着される。異なる色彩を有したイ
ンク又はその他のマーキング用流体の２つの層が、基材
全体に連続的に形成される。自己接着型ステンシルはそ
の後基材から引き剥がされて、必要なパターンが２つの
色彩を以て残される。各色彩は相互に正確に重ね合わさ
れている。自己接着型ステンシルは２以上の層を形成し
てもよく、これにより、インク又は色付きの他のマーキ
ング用流体の層を形成した後ステンシル材料の一層を剥
がすようにすることができる。

【００３３】（ｆ）必要なパターンは、一つの色彩を以
てプリント又はその他の手段により基材上に形成され
る。その後、既に形成された第１の色彩の材料にはよく
付着し基材には付着し難い、他の色彩の第２のインク又
はその他のマーキング用流体が塗布される。必要に応
じ、所定のパターンの範囲内の部分において、削り取
り、自己接着型フイルムの貼りつけ及び引剥がし、又は
その他の手段により材料を取除き、該部分を遮蔽の無い
透明な状態とし、必要なシルエツトパターンについては
２つの色彩を重ね合わせた状態とすることができる。

【００３４】（ｇ）基材に対する接着性があまり強くな
いステンシル材料を用いてプリント又はその他の手段に
よりステンシルパターンをパネル上に形成する。基材及
び相互間において強い接着性を有するインク又はその他
のマーキング用流体の２つの層を、パネル全体に連続し
て設ける。ステンシル材料及び該材料上のインク又は他
のマーキング用流体は、削り取り、自己接着性フイルム
の接着及び引剥がし又はその他の手段により取除かれ、
ステンシルにより予め覆われた領域は遮蔽のない透明な
状態とされ、基材上の他の領域は２つの色彩が重ねられ
た状態となる。

【００３５】（ｈ）シルエツトパターンはキヤリアペー
パー上に形成され、パターンのエレメントは通常プリン
ト又は「キス−ダイ−カツト」（kiss die cut）によ
り形成され、パターンは乾式の転写によりパネルに移さ
れる。シルエツトパターンは、中程度の粘性を有した接
着剤によりキヤリアペーパーに接着される。シルエツト
パターンは異なる色彩を付与するように、インク、積層
された２枚のフイルムシート、又はプリントされた１枚
のシートにより形成することができる。フイルム材料が
使用される場合は、必要なシルエツトパターンは「キス
−ダイ−カツト」で形成され材料における不必要な部分
は取除かれる。パターンにおけるキヤリアペーパーとは
反対側の面の接着剤は、透明なパネルに対しかなり高い
粘性を伴つた接着性を有している。かなり低い粘着性を
有した接着面保護用離型紙を剥がした後、パターンは透
明な基材に対して押付けられる。キヤリアペーパーはそ
の後取除かれ、パターンは基材に接着された状態で残り
パターンにおけるエレメント間の領域は遮蔽のない透明
な状態とされる。

【００３６】（ｉ）例えばポリ塩化ビニールのような、
自己接着性又は静的な付着性を有した（static cling）
フイルムを、前述のいずれかの手段によりプリントし、
透明なシート又は可撓性材料に付着させることができ
る。

【００３７】これらの各々の手段は、以下に述べるよう
に繰返し又はマスキングその他の手段を伴つて適用され
ることにより、一方に設けられたデザインが該一方から
見られたときに、他方に設けられたデザインとは異なつ
て見え、且つ他方からは見られたときに見えないように
該一方の側にデザインを形成することができる。このよ
うに形成されたものを「異視デザイン」又は「デイフア
レンシヤル（differential) デザイン」と称することと
する。

【００３８】「デイフアレンシヤルデザイン」を制作す
るには、前述の２つの色彩に関する手段として、次の方
法が使用される。

【００３９】Ｉ ２以上の色彩を各層ができるかぎり正
確に一致するようにしてシルエツトパターンの全体又は
一部に亘つて、スクリーン、リト又はその他のプリント
方法でプリントすることにより、デザインを形成する。
パターンのドツト、線その他のエレメントは、ある色彩
については他の色彩よりも広くプリントし、一致が不正
確となつた場合にも反対側から特定の色彩が見えないよ
うにすることができる。

【００４０】II 転写又はラフレ画法（decal ）によ
り、必要なデザイン及びプリントされたパターンを、前
記Ｉ又はその他の方法で形成する。必要に応じ、これら
のうちの２以上を、必要な領域を構築するために並列的
に並べることができる。可撓性材料上のかなり小さな領
域において、より正確な一致が通常得られる。このよう
な転写又はガラスに対するセラミツクインクを使用する
ラフレ画法の適用により、キヤリングメンブレンは強化
用炉内で焼失し、セラミツクインクは強化されたガラス
の表面内に溶け込む。転写は、乾式転写、水を用いたス
ライド転写及びパターンをキヤリングメンブレン上に又
はキヤリングメンブレンから移動させるその他の方法を
含む。

【００４１】III スクリーン、リト又はその他のプリ
ント方法を使用し、シルエツトパターンの１つの層を１
又は２以上の色彩で形成してパターン及び、デザインが
必要な場合は該デザインを形成し（これらは一方の側か
ら見えるようになる）、基材に対し比較的強く接着する
インク又はその他のマーキング用材料を使用する。ある
いはシルエツトパターンは、基材に対し比較的強く接着
するクリアインク又はその他のマーキング材料を使用し
てプリントすることができる。黒、クリア又はその他の
シルエツトパターンが形成された一部加工済みの基材を
大量生産し、残りの工程を個々の必要に応じて行なうよ
うにすることができる。残りのシルエツトパターン及び
／又はデザインは既に形成されたシルエツトパターン上
に形成されるが、これには、既に形成された第１の色彩
のインク又はマーキング用材料に強く接着し基材である
ベース材料には強く接着しないインク、パウダーその他
の材料が使用される。シルエツトパターンを印刷する以
外の領域は連続した被覆層を形成する印刷（「ブロツク
アウト」）の状態とされる。必要な場合は、所定のパタ
ーンの範囲内において削り取り、自己接着性フイルムの
貼りつけ及び引剥がし又はその他の手段により材料を取
除くことができ、これによりその部分を遮蔽の無い透明
な状態とし、必要なシルエツトパターンについては必要
な色彩を重ねたデザインとすることができる。

【００４２】この方法の一実施例によると、ポリカーボ
ネートシートがまず、ＰＶＣインクによる必要なシルエ
ツトパターンを形成するように、一方の側に必要なデザ
インをスクリーン印刷される。乾燥後これに必要な色彩
の領域を各々「ブロツクアウト」しつつ被覆を施すよう
にプリントを行なう。「ブロツクアウト」は、通常セル
ロースを基材とするインクを使用して連続的な層を形成
することにより行なわれる。被覆状プリントが乾燥する
と、シルエツトパターンのエレメント間の不必要な領域
は、高い粘着性を有する自己接着性フイルムを貼りつけ
不必要な領域のインクをそこに付着させ、該フイルムを
取除くことにより除去される。自己接着性フイルムの貼
りつけは、ラミネート用装置を使用することにより広い
領域に対してより経済的に行なうことができる。また該
フイルムは引き剥がしを容易にするために予め細長く切
断しておくことができる。自己接着性フイルムはまたリ
ールから引出されて再びリールに巻きとられるまでに、
基材と共にニツプロールの間に通過せしめられることに
より、剛性の高い又は可撓性の基材に対し貼りつけられ
及び引き剥がされることができる。基材は必要に応じて
リールに巻きとられたもの又はシート状のものとするこ
とができる。あるいはまた、自己接着性フルイムは、保
護層として接着した状態に保たれ使用される直前に取除
かれるようにすることもできる。接着剤は、保護フイル
ムが取除かれた後にインク上に残留するようなものとす
ることができる。これにより、例えばポリエステルフイ
ルムを光沢性アツセンブリに接着するというように、製
品を他のものの表面に接着するのが容易となる。

【００４３】IV 必要なシルエツトパターンを形成する
ためのステンシルが基材に設けられる。必要なデザイン
は、プリント、スプレイ又は他の手段により連続した層
としてインク又はその他のマーキング用材料で以て形成
される。必要なシルエツトパターン以外の領域は「ブロ
ツクアウト」される。ステンシルはその後、その面上の
インク又は他のマーキング用流体と共に取除かれ、必要
なシルエツトパターン及びデザインについては、必要な
色彩が重ねられた状態で残留する。

【００４４】必要なステンシル及び必要により１又は２
層のマーキング用流体を該ステンシル上に形成した、一
部加工済み基材を大量生産し、残りの工程を個々の製品
としての必要に適合するように行なうようにしてもよ
い。

【００４５】様々なステンシル材料を使用することが可
能であり、各々の材料に関して、該ステンシル上の不必
要なインク又は他のマーキング用材料と共に該ステンシ
ルを取除くための１又は２以上の方法がある。ステンシ
ルは、穴明きフイルム、印刷されたフイルム又は感光ス
テンシル、その他ステンシルパターンを形成する技術に
より予め形成することができる。感光ステンシルは、感
光性層に対しアートワークを通した光をあてることによ
り、必要なステンシルパターンを現像するというように
して得られる。

【００４６】穿孔された自己接着性のＰＶＣまたはポリ
エステルフイルムのように、十分な強度を備えたステン
シルは、基材から簡単に引き剥がされることができる。

【００４７】あるいは、ステンシルは基材に対し比較的
低い付着性を有するインク又は他のマーキング用材料で
構成することができる。必要なデザインは、基材に対し
比較的強い付着性を有するインク又は他のマーキング用
材料により形成される。ステンシル及び該ステンシル上
のインクは、削り取り、自己接着性フイルムの貼りつけ
及び引き剥がし又は他の手段により取除かれることがで
き、これによりステンシルのあつた領域を遮蔽のない透
明な状態とし、必要なシルエツトパターン及びデザイン
については必要な色彩が重ねられた状態とすることがで
きる。接着剤は、ステンシルの取除き後に残留するよう
なものとしてもよく、これにより製品は他のものの表面
に接着されることができる。

【００４８】必要なステンシルパターンは、有機溶剤を
基剤とするプリント用インクをアクリルシートにプリン
トしたものとすることができる。乾燥後、デザインは、
必要な領域に「ブロツクアウト」の連続層を設け、ＰＶ
Ｃインクを使用してスクリーン印刷により形成され得
る。必要なシルエツトパターンは、前記方法III に述べ
たいずれかの方法に基づき自己接着性フイルムの貼りつ
け及び引き剥がしによりステンシル及び該ステンシル上
のインクを取除けば得られる。

【００４９】ステンシルはある状態において極めて伸展
性のよい材料で形成することができ、これによりステン
シル上のインク又は他のマーキング材料は割裂し基材に
直接接着しているインクから分離する。残つたステンシ
ル及びその上のインクは、削り取り溶剤又は他の手段に
より取除くことができ、ステンシルのあつた領域は遮蔽
のない透明な状態とされる。一例として、ステンシルは
水により膨脹する感光性ステンシルとし、インクは水浸
透性インクとすることができる。他の例としてステンシ
ルは温度上昇と共に延びる熱膨脹性のものとすることが
できる。

【００５０】ステンシルは、例えばワツクスのように水
を弾く性質のあるものとしてもよい。ワツクスは水を基
剤とするインクを弾き、後に融解、研削、水の噴射、溶
剤、又はこれらの結合をインク又はマーキング用材料が
付着せめしられた後に適用することにより取除かれ得
る。

【００５１】ステンシルは、圧縮性を有したものとし且
つ／又はインクを適切に保存若しくは回復させないもの
とすることができ、あるいは基材を通して照射される紫
外線又は他の光線により衰弱するものとすることができ
る。これにより削り取り又は高圧を伴う噴射によつて、
ステンシル及び該ステンシル上のインク又は他のマーキ
ング用材料を取除くことができ、必要なシルエツトパタ
ーン及びデザインについては必要な色彩を重ねた状態と
することができる。

【００５２】ステンシルは、インク又は他のマーキング
用の材料が非溶性を示す溶剤により溶解される材料によ
り構成することができる。インク又は他のマーキング用
材料は、ステンシル間のギヤツプを覆うようにわずかに
はみだしてプリントされる。但しステンシルは溶剤によ
り除去され得るように十分な部分が露出して残される。
従つて、必要なシルエツトパターン及びデザインにおい
て重ね合わされる必要な色彩の一致が正確に得られる。
ステンシルは、酸に対する耐腐蝕性を有し、炭酸ナトリ
ウム又は水酸化ナトリウムのような希釈されたアルカリ
溶剤により除去され得るものとすることができる。

【００５３】V シルエツトパターンが、必要とされる
デザインの一部又は全体としてプリントされる「レジス
ト（resist）」技術の適用。これは連続的な層としてプ
リントされた「ブロツクアウト」である。低いレベルの
インクを付与される領域は、透明となることが要求さ
れ、溶剤によ腐蝕され除去される。この溶剤は「レジス
ト」エレメントには影響しない。

【００５４】シルエツトパターンの一方の側に単一の色
彩が要求される場合は、「レジスト」はその色彩とさ
れ、シルエツトパターンの他方の側において必要とされ
るデザインを形成される色彩部分の上に付与される。こ
れに代えて、「レジスト」は、透明とされることによ
り、以後の除去の必要性をなくし、２以上の工程におい
て施される細かいシルエツトパターンの一致の問題を解
決することができる。あるいは「レジスト」は、後に溶
剤又は他の手段により取除かれるものとすることもで
き、この場合は適宜の色彩とすることができる。

【００５５】一例としてベース材料をアクリルシートと
したものを挙げることができる。デザインの色彩は、耐
酸腐蝕性のインクにより「ブロツクアウト」されること
ができる。シルエツトパターン及びデザインは、アルカ
リに溶解しないクリアーインクでプリントすることがで
きる。シルエツトパターン及びデザインのエレメント間
の不必要なインクは、炭酸ナトリウム又は水酸化ナトリ
ウムのような希釈されたアルカリのエツチングにより取
除かれ得る。

【００５６】他の例として、シルエツトパターン及びデ
ザインの色彩が、事実上ベース材料に適合した任意のイ
ンクにより「ブロツクアウト」されるものを挙げること
ができる。シルエツトパターンは、發水性フオトレジス
ト技術により形成され得る。不要インクは、ベース材料
を浸食しない非水性溶剤により腐蝕除去される。レジス
トは、その後水により散らされる（dispersed ）。

【００５７】VI シルエツトパターンは、ベース材料の
表面に凹所を設けて形成することができる。これにより
必要なパターンの色彩は、「ブロツクアウト」された領
域に付与することができる。例えばステンシルを通して
表面上にインクを適宜スプレーすることにより付与し得
る。シルエツトパターンのエレメン間の領域は、透明で
あることが要求されるが、該領域は、インク塗布の間又
は全てのインクが塗布された後に除去清浄化されること
ができ、又はこれらの領域はインク塗布の間シルエツト
パターンのステンシルにより保護されることができる。
必要な色彩の付与の後、ステンシルは、前述の方法IVに
おけるいずれかの方法により不要なインクと共に取除か
れる。

【００５８】凹設されたシルエツトパターン及びデザイ
ンは例えばアクリルシート材料に対して、鋳込み、彫
刻、ミリング、ドリリング、サンドブラスト、レーザー
エツチング、ケミカルエツチング、加熱されたフオイル
による転写又はその他の手段により形成され得る。

【００５９】VII シルエツトパターンは、「ブロツク
アウト」された領域に必要なデザイン及び色彩を施した
後、機械的にインク又は他のマーキング用材料を除去す
ることにより形成され得る。一例によれば、均一な又は
幅の変化する明確な線が研削ホイールにより削りとら
れ、線状の又は格子縞状のシルエツトパターン及びデザ
インが形成される。

【００６０】VIII シルエツトパターン及びデザイン
は、通常キヤリア層からシート基材に自己接着性により
移されるカツトフイルムにより形成することができる。
必要なパターン及びデザインは、ダイカツテイング及び
透明化を要求される領域における取除きに先立つて、フ
イルム状に「ブロツクアウト」としてプリントされるこ
とにより、又は同様の効果を生じるように切断された層
形成物の積層を備えることにより形成され得る。フイル
ム材料はリールへの巻取り及び切断が可能であり、通常
は連続的な直線状又は曲線状ラインのシルエツトパター
ンにより形成される不要な領域を、リールからリールへ
の間において機械的に取除かれる。あるいは、適切な品
質のシート又はフイルム材料が、パンチ、燃焼、レーザ
ーカツト又はその他のカツトを施され、格子状、網状又
は線条細工状のシルエツトパターンを備えた穴明きメン
ブレンが得られる。形状のいかんに拘らず穴部分は、透
明な領域を形成する。穴は、プリントの後又は必要なデ
ザインの「ブロツクアウト」付与の後に形成され得る。
あるいは必要なデザインは、穴が形成された後に付与さ
れ得る。これは、例えば適切なステンシルを用いたスプ
レー、又は形成する領域のコントロールのためのマスキ
ングにより行なうことができる。

【００６１】このようなパターンの穴明けをされたシー
ト又はメンブレンは、透明なシート又はフイルム材料に
対し、一体のもの、結合されたもの、又は独立のものと
することができる。

【００６２】以上述べた各方法において、「ブロツクア
ウト」は、例えば４又は５色の複数の色彩のプリント方
法の適用すべてを含む意味で用いられ、この適用により
デザインにおいてほとんど無限に近い可能な色彩の組合
せを得ることができる。最終製品において必要とされる
シルエツトパターン及びデザインの範囲内で色彩の積重
ねを種々変化させるという技術の適用が可能である。半
透明又はくもり面による効果を得るために、必要なデザ
イン及びシルエツトパターン形成の任意の方法を、半透
明な又はくもり面を有するシートに適用することができ
る。あるいは又本発明に係るパネルにラツカー又はフイ
ルムを付着してこの効果を得ることができる。これらの
場合にもシルエツトパターン及びデザインは、最終製品
において、見える状態にある。

【００６３】パネルの片側又は両側におけるパターンを
保護するのが望ましい。このための適切な方法及び適切
なアツセンブリの例は次の通りである。

【００６４】（ｉ） パターン及びデザインは鋳込みな
どによる成型又はその他のパネルの製造工程においてプ
ラスチツクシート内にカプセル状に収めることができ
る。該プラスチツクシートは、パネル表面に設けること
ができ、あるいはパネルの面の間に配置することもでき
る。

【００６５】（ii）パターン及びデザインは、通常適宜
の方法で一緒に保持され又は積層される２以上の透明な
シート材料に形成されることができる。例えば、化学的
な損傷の防止及び／又は接着のためにシートはバリヤー
層を伴つて又は伴うことなく、樹脂又はＰＶＢフイルム
と積層されることができる。周囲をシールされた２以上
のシートは真空により一体的に保持され得る。プリント
されたドツトのような、シルエツトパターンのエレメン
トは、シート間に連続的な真空にされたスペースを形成
するためのスペーサの役目を成す。

【００６６】（iii ）パターン及びデザインはパネルに
積層される薄いフイルムと該パネルとの間に配置される
ことができる。このパターンはフイルム又はパネルと別
個独立のものとすることができ、あるいはフイルム又は
パネルに形成されたものとすることができる。

【００６７】（iv）パターン及びデザインは２以上の層
からなる上塗り又は多重アツセンブリの中に配置するこ
とができる。例えば、２層から成る上塗り又は多重アツ
センブリの１層の内側にプリントして配置し、あるいは
２層の上塗り又は多重アツセンブリが設けられるシート
又はフイルム上にプリントされることもできる。これら
のシート又はフイルムは２層の上塗り又は多重アツセン
ブリの１層又は２層に対して独立のもの又は結合された
ものとすることができる。

【００６８】広い領域に亘つて不透明なパターン及びデ
ザインを設けることが困難であり又は不経済である場合
は、適切な精度に仕上げられたエツジ又は適切な形状の
縁部を有する小さな「タイル」を相互に結合して全体と
して必要十分な外観を呈するようにすることができる。
このような「タイル」は任意の適当なデザインのものと
することができるが、特にタイルが個々に文字又は数字
をその面に有するものとして特殊なメツセージや広告等
を構成するようにすることができる。「タイル」は、例
えば密着性フイルム又は接着剤により、透明なベースに
結合されてもよく、保護用のカバー層を付与されてもよ
い。「タイル」は、２層の上塗り又は多重アツセンブリ
の内側のようにラミネート又は同様のアツセンブリの内
部に包含されてもよい。

【００６９】パネルのシルエツトパターンの１又は２以
上の部分をクリアーな状態とすることができる。パネル
の異なる側から見られたときに異なるデザインが見える
ように各々の側に異なる色彩を以て形成されたシルエツ
トパターンの不透明エレメントは連続的なパターンとす
る必要がなく、任意の形状の１又は２以上の個々のエレ
メントと、他のエレメントとに対し任意のスペースを設
けることができる。

【００７０】本発明が適用される透明なベース材料は、
シート、フイルム又はその他の透明な材料とすることが
でき、また透明色（water clear ）、焼付け等による着
色、又は薄い色を施されたものとすることもできる。例
えば、本発明はＩＣＩ ＰＬＣ製の「メリネツクス（Ｍ
elinex）」のような透明なポリエステルフイルムに適用
することができる。フイルムは特に支持されない状態、
フレーム内で引張られた状態、適当なおもりをつけて吊
された状態、又は透明なシート材料に接着された状態と
することができる。例えば、密着性ＰＶＣフイルム又は
自己接着性ＰＶＣフイルムの細長い片は、自動車のウイ
ンドスクリーンの上部に接着されることができる。自動
車の内部においては前記フイルムは単一色のパターンを
有し、該パターンは変化する太陽の眩しさからの保護の
ためにグレードつけされることができる。しかし該フイ
ルムは車の外側に面する側においては、例えば自動車の
所有者の名前を伴つたデザインとすることができる。

【００７１】一方の面にデイフアレンシヤルデザインを
備えた本発明に係る透明なシート又はフイルムは、他方
の面に銀色又は他の反射性を付与され、あるいは該他方
の面から一定距離離れた場合に知覚される静的若しくは
動的な鏡面を設けることができる。これにより観者は、
通常一方の側から反対側のデザインを見ることはできな
いが、観者が向こう側のデザインからの反射光を受取る
適切な位置にいるときにのみ前記一方の側からのみ両方
のデザインを見ることができる。シルエツトパターンの
両側の照明を交互に行なうことにより、知覚されるイメ
ージを代えることができる。鏡の存する面を動かすと、
後方のイメージは動くように見える。

【００７２】不透明なシルエツトパターンは、他の有益
な目的に使用することができる。例えば該シルエツトパ
ターンは、乗物のウインドスクリーン、ビルデイングの
窓、スクリーン又は各壁に、一体とされ又は結合された
ヒイーテイングエレメントを備え、あるいは該ヒイーテ
イングエレメントに組込まれ得る。該ヒイーテイングエ
レメントは、必要な視覚的効果を備え、各面に異なる色
彩を施されることが可能であり、一方又は両方の側に着
色されたデザインを有する。同様に、安全用格子窓、補
強用メツシユ、安全のための警告用テープ、ラジオ若し
くはテレビのアンテナ、太陽電池用エレメント、その他
透明なアツセンブリの内部若しくは近傍エレメントは、
本発明に係るシルエツトパターンとして作用し一方又は
両方の側が適切に着色されたものとして形成することが
できる。

【００７３】一方向ビジヨン効果が必要とされる場合に
おける本発明の一実施態様によれば、従来技術の種々の
変形からは得られない効果を得ることができる。即ち従
来技術の変形においては一方向ミラーと称される、部分
的にメタライズされた透明材料があるが、これでは組合
され広告のような複数の色彩のデザインを伴うことがで
きるという効果を得ることができない。例えば、宣伝用
乗物においてリヤウインドに本発明を適用して一方向ビ
ジヨン効果を付与すると、乗物の内部から通常の状態で
外を見ることができる一方、外側からは乗物内部を見る
ことができない。窓の外側のデザインは、例えば会社又
は製品の名前のような、広告の形態とすることができ、
他の道路通行者又は歩行者に見えることとなる。警官又
は他の安全機関が乗物の内部を見ることを望む場合はこ
の窓は一方向ミラーの場合と異なり近い距離から内部を
見ることができる。一方向ミラーの窓はこれが不可能な
ため乗物の窓に使用されると警官の嫌うところとなる。

【００７４】本発明に係るパネルにおいて、知覚される
デザインのイメージ及びその強さ並びにパネルを経る透
視性は、パネル両側の照明状態、透明材料の光透過性及
び表面の反射性、シルエツトパターン又は重ねられたデ
ザインに使用されている色彩の反射性及びコントラス
ト、デザインの識別性、透明部分に対する不透明部分の
割合、並びにシルエツトパターンの形状を含む多くのフ
アクターに依存している。デザインが窓アツセンブリ又
はその近くに設けられている場合は、通常の昼間の光は
ビルデイング又は乗物の外側からデザインを明瞭に見え
るようにするのに十分である。屋内の環境においては、
例えば適切な面にスポツトライトを直接照射するという
ように、必要なデザインイメージを強調するために人口
の光を使用することができる。知覚されるイメージは、
通常光源からの光の反射角の方向から見られた場合によ
り明るくなる。例えば、ビルデイングの階上の窓に設け
られたデザインのイメージは、地上から見られた場合
に、地上階の窓に設けられた同じデザインのイメージよ
り明るく認識される。これは前者が空からの光を反射
し、後者は観者に達する太陽光の反射が少ないからであ
る。乗物における傾斜した窓のイメージは垂直な窓にお
けるイメージより明るくなる。

【００７５】条件により、観者はデザインを見、あるい
はパターン付透明材料を経て透視することができる。即
ち、とりわけ観者が注視する焦点に依存し、また観者の
パネルに対する接近の度合、及びその他前述したデザイ
ンイメージの知覚に影響を及ぼすフアクターに依存す
る。本発明に基づくサインとしてのデザインが、例えば
透明なドアに設けられている場合は、該サインを読むこ
とができ、且つドアの向こうにおいて該ドアに接近する
人等のイメージを認識することもできる。従つて本発明
によれば、ガラスのある危険な領域を、透視性を損うこ
となく認識可能とすることにより安全を確保し、ドアの
向こう側への加害を生じ得る透視の制限を生じることな
くデザイン又はメツセージをドアに付与することができ
るという効果が得られる。

【００７６】パネル両側の照明を変化させることによ
り、パネル及びパネル向こう側の空間の視覚による認識
を変化させることができる。照明が、一方の側で比較的
明るく他方の側で比較的暗い状態から、他方の側で比較
的明るく一方の側で比較的暗い状態へ変化させられる
と、適切なパターン及びデザインを施されたパネルの両
側から見る視覚による認識に変化が生じる。前記一方の
側から見る場合は、認識される主たるイメージは前記一
方の側におけるデザインから前記他方の側の空間へと変
化する。他方の側から見る場合は、認識される主たるイ
メージは、前記一方の側の空間から前記他方の側のデザ
インへと変化する。例えば店舗において目に対し交互に
変化するデイスプレイを知覚させるのと同様に、この効
果は安全性を伴つて他の現実的な応用に供することがで
きる。例えば、パネルに危険を知らせる警告を印し、透
視可能に変化したときにパネル向こう側にその危険な状
態の内容を見えるようにすることができる。

【００７７】１又は２以上のデザインにおいて異なる色
彩を付与し、且つ異なる色彩に変化する光源を用いて照
明をすることにより、一つの面又は複数の組合された面
の間に動きのあるイメージを認識させることができる。
デザインのある部分は、特定の光源による照明において
のみ見えることとなる。例えば、紫外線に対する感光性
を有する染料を白色のインクに結合し、紫外線照射下に
おいて見ることができ他の照射条件下においては見るこ
とができないようにし、しかもバツクグラウンドにおけ
る通常の白色インクと区別できないようにすることがで
きる。

【００７８】変化するイメージは、本発明における動き
を伴うことができる実施態様、例えば平面又は複合面に
おける回転するサインにより得ることができる。該サイ
ンを比較的強く一方向から照明することにより、照明さ
れた方向から２以上の異なるイメージが認識され得る。
このときサインは、他の方向から見られた場合に透明に
見える。

【００７９】本発明に係るパネルが、例えばエクステリ
ア用デザインを備えたランプシエードのような、光源の
全部又は一部を包囲するために用いられた場合は、該光
源の点滅に応じてランプシエードのデザインが変化して
見える。光源が消灯された場合は、外部の光がシエード
の外側のデザインを照明する。光源が点灯された場合
は、シエードを通過する光の強さがシエードの外面で反
射される光の強さを越え、シエードの外側のデザインは
容易には認識できなくなる。シエードの内側にデザイン
がある場合は、該デザインは光源が点灯された際に見
え、消灯された際には容易に認識できなくなる。この効
果は、包囲されて照明されるサインにとつて現実に大き
な価値を有し、例えば、ほぼ均一な背後からの照明を得
るために、従来のサインボツクスにおける配列された光
源に劣ることのない使用を可能にする。また周囲からの
照明により指示（indicia ）を見えなくし、あるいは周
囲からの照明によりことなりサインが見えるようにする
ことができる。

【００８０】ベイヤー（Ｂayer）製の「リサ（Ｌisa
）」のような集光材料を、認識されるデザインを強調
するために使用することができる。例えば、適切にパタ
ーンを付与された集光性を有する窓のシート又はフイル
ムは、あるデザインをビルデイングの外で見えるように
しビルデイングの内側においては他のイメージを強調的
に見えるようにする。これは、専ら又は主として外側か
ら受入れられる光が、内側へ反射されフイルムシートの
外側の面に配置された内側のデザインにより散乱される
に至り、内側の面から放射されることによる。シルエツ
トパターンは、プリントされ、又はエツチング、ミリン
グ、キヤステイング若しくはその他の手段により凹所と
して形成され、又はパンチ、ドリル若しくはその他の切
欠き加工により、材料に形成される。一実施態様によれ
ば、一つのシルエツトパターンが、透明な材料上に印刷
又は他の方法により付与される。集光材料は、パンチ加
工をされ、又は凹所、穴若しくは裂かれたエツジを形成
するための加工を施され、これら加工された部分は残さ
れた部分より見えやすくなる。加工されたパターンは、
透明材料と並べて配置されたときに、該透明材料上のシ
ルエツトパターンの全体又は一部に一致するようにする
ことができ、これによりサイン等のデザインが一方の側
から明瞭に見え、他方の側からは前記シルエツトパター
ンによりマスクされることとなる。このようなアツセン
ブリの一方又は両方の側からの透視を可能にするように
照明を配設することができる。紫外線により、集光材料
の面上又は内部に付与されたデザインの視覚性が更に強
調され得る。

【００８１】本発明に係るパネルのエツジにおける照明
はアツセンブリの一方又は両方の側における認識イメー
ジを強調するために使用される。光は透明材料の１又は
２以上のエツジから入射せしめられることができ、該光
は内部で反射し一方の面におけるシルエツトパターンの
内側のデザインにより散乱せしめられ、他方の面から放
出され、パターンをより見えやすくする。集光又はエツ
ジからの照明を伴うパネル製品は、後方へ順次配置され
てもよい。この配置は通常はシルエツトパターンが一致
するように行なわれ、必要により中間の不透明なシルエ
ツトパターンが他の透明材料部分の位置にくるようにさ
れる。これは、照明されたサインが一方の側と他方の側
とで異なつて見えるという効果を得るためであり、必要
な場合は、固定的な又は変化する適切な照明の強さによ
り一方の側又は他方の側から透明に見えるようにするた
めである。

【００８２】スライド写真を経た光のような色彩を伴つ
た光又はイメージは、本発明に係るパネル材料の表面、
好ましくはシルエツトパターンの一方の側における白又
は明るい色の部分に投影される。このときパネルの他方
の側からの透視性は維持される。これは例えば、劇場、
テレビ若しくはフイルムスタジオ又は展覧会場で使用す
ることができる。不透明なパターンを形成するインク又
は他の材料は、発光性、蛍光性、玉虫色、燐光性、金属
光沢、反射性又は他の光を強調する性質若しくは目を引
くような性質を有するものとして認識されるイメージを
強めることができる。このような強調は、通常の照明状
態、特別な照明状態又は電流による励起状態その他の技
術による状態において明確に現れるものとすることがで
きる。パターンのエレメントは、視覚性を強調するため
に多面状とし、又はパネル若しくはアツセンブリの内部
若しくは外側に設けることができる。

【００８３】パターンのエレメント自体を光源とするこ
とができる。例えば小さな電球を配列してシルエツトパ
ターンによりマスキングすることができる。またこれは
シルエツトパターンの片側若しくは両側に設けることが
できる。適切な回路構成及びスイツチングにより、照明
されたパターンは、一方の側から見ることができ他方の
側からは見えないようにし、且つ／又は前記他方の側か
ら見ることができ前記一方の側からは見えないように
し、また両方のパターンが変化するようにすることがで
きる。必要とあれば、一方の側又は両方の側からの透視
を可能にすることもできる。

【００８４】蛍光灯又は適切に照明された集光性チユー
ブ又はドツトのような他の明るさを伴う材料を配列し、
デザインにおける不用な部分をペイント又はフイルム材
料によりマスキングすることにより、本発明の一実施態
様を構成することができる。前記ペイント又はフイルム
材料は、通常黒色とされる。

【００８５】以上、本発明を主として透明な材料につい
て説明した。しかしながら、本発明は半透明な材料につ
いても適用することができる。この場合は、半透明な材
料は、例えば日本国における通常の間仕切りに使用され
るような、光を一部通すことができるものであり、この
半透明材料は一方の側からのイメージが他方の側からの
イメージと異なるようにすることを必要とされる。

【００８６】

【実施例】以下に、本発明の実施例を添附図面を参照し
つつ説明する。以下の実施例において、同じ構成要素は
同じ番号で示す。

【００８７】第１図に示すパネルは、透明無色のシート
（１０）の片面に不透明インクが規則的パターンで設け
られたものである。すなわち、シート（１０）上に、単
一色のダークインクのパターン（２６）、及びこれに重
ねられた単一色のライトカラー（光反射性）のインクの
パターン（２５）が設けられ、次に述べるデザインのベ
ース部をなしている。ダークインクのパターン（２６）
の一部とシート（１０）との間にはライトカラーインク
のデザイン（３０）が介在され、ライトカラーインク
（２５）の上に別のライトカラーのインクでデザイン
（２８）が形成されている。これらのデザイン（３０）
及び（２８）は、各々パターン（２６）及び（２５）を
背景とし或いはこれらと協働して一定のデザインを表出
するデザイン 部をなしている。デザイン部におけるシー
ト（１０）との境界は、前記ベース部におけるシート
（１０）との境界と一致している。

【００８８】そのためこのパネルは、前面から見た場合
はデザイン（２８）が見え、背後から見た場合は見え
ず、デザイン（３０）は背後から見た場合は見えるが前
面から見た場合は見えない。更にこのパネルは一方向ビ
ジヨン効果（one way vision effect ）を備えており、
前面から見た場合はライトカラーのパターンにより透視
が遮られ、背後から見た場合は、デザイン（３０）を除
いて、反射性の低いダークカラーのパターン（２６）が
パネルの透視を容易にする。パネルの前面の照明が背後
の照明より強い場合は、この視覚における一方向効果は
さらに強化される。

【００８９】第２図は、パネル上にパターンを形成する
エレメントの色々な構成例を示す。第２図Ａは、同一色
エレメント（２５）を示し、本発明は第２図Ｆに相当す
る。このエレメントを白その他のライトカラーとし、適
当な間隔でパネル全体に被着すれば、適当な照明によつ
て単純な一方向効果を確保することができる。第２図Ｂ
は２層式エレメントを示す、一方の面が黒その他のダー
クカラー（２６）であり、他方の面が白その他のライト
カラー（２５）である。第２図Ａに比べて一方向ビジヨ
ン効果の高いパネルであり、一方の面から他方の面への
ビジヨンが向上している。第２図Ｃは別の２層式エレメ
ントを示し、一方の面が１つの色（２７）であり、他方
の面が別の色（２８）である。このタイプのエレメント
を用いれば、両側の色が異なるパネルを形成できる。第
２図Ｄの２層式エレメントは、両面の色（２７）が同じ
であり、第１色部分（２８）と、別の色の第２色部分
（２９）がある。このエレメントは、パネルの片面の有
色デザインを形成する線によつて２等分される。第２図
Ｅの２層式エレメントは一方の層に１つの色の部分（２
７）、（３０）があり、他方の層に別の色の部分（２
８）、（３０）がある。これらに対し、第２図Ｆのエレ
メントは、第２図Ｃのエレメントと同種の２層式エレメ
ントであり、その片面の一部に異なる色（２９）、（３
９）のもう１つの層が着せられている。第２図Ｆのエレ
メントの外観は第２図Ｅのエレメントの外観と同じであ
る。

【００９０】前述のごとく、パネルに施すパターンとデ
ザインは色々な方法で保護することができる。例えば第
３図に示すごとく、接着剤（１６）でシート（１０）に
透明シート（１２）を接着してパターン（１４）を覆う
ことができる。第４図では、パターン（１４）を嵌める
リセス（１８）を設けたシート（１２）を直接接着して
パターンを被覆している。第５図では、パターン（１
４）は無色シート（１２）のリセスに嵌められている。
第６図のパネルのパターン（１４）は、接着剤（１６）
でシート（１０）に接着した薄い保護被覆層（２２）で
保護してある。第７図のパネルでは、シート（１０）の
内面にパターン（１４）があり、シート（１０）は、シ
ート（１０）から離間し、エヤギヤツプ（２４）を形成
している第２シート（１２）を備えている二重ガラス
（double glazing）またはこれに類するアツセンブリ
の一部である。

【００９１】第８図のパネルでは、接着剤（１６）でシ
ート（１２）に接着した薄膜（２２）の内面にパターン
（１４）があり、シート（１２）は、シート（１０）か
ら離間し、エヤギヤツプ（２４）を形成している第２シ
ート（１０）を備えている二重ガラス又はこれに類する
アツセンブリの一部である。エヤギヤツプ（２４）はな
くてもよく、また薄膜（２２）は、接着剤（１６）を使
用せずに、シート（１０）、（１２）の間に保持するこ
ともできる。

【００９２】第９図の二重ガラスアツセンブリは、シー
ト（１２）の内面にも第２パターン（３３）があること
以外は第７図のアツセンブリと同じである。この例で
は、矢印（３２）で示す水平方向ビジヨンが可能であ
る。ただし、パターン（１４）はアツセンブリに当る太
陽光線を通さない上に、シート（１２）のパターン（３
３）もアツセンブリに当る太陽光線を通さず、線（３
６）で示すごとき太陽光線の通過を阻止する太陽光線
（３６）はパターン（３３）がなければシート（１０）
のパターン（１４）間の透明部分（２０）を通過しう
る。

【００９３】第１０図は、２つのパネルの隣接面に１つ
の色の水平線をなすパターン（１４）、（３３）を印刷
した２つのシート（１０）、（１２）の横断面図であ
る。

【００９４】この２つのパターンを整合し、接触ないし
ほぼ接触させると任意の角度の透視が可能になる。一方
のシート（１０）をその面内で動かすと、２つのシート
は接触を維持するが、線（１４）が線（３３）間のギヤ
ツプをブロツクし、線（３３）が線（１４）間のギヤツ
プをブロツク（第１１図）し、透視が阻止される。シー
ト（１０）をその面に対して垂直に動かすと、線（１
４）、（３３）は水平方向の整合を維持し（第１２図参
照）、この線が太陽光線をさらに又は完全に遮蔽する。
パネルの運動による線状のパターンの摩耗を防止するた
めに、パターンをパネル凹所に嵌めるか又は、垂直方向
に延びるテフロンストリツプその他これに類する細い滑
り易い支持材料で隔てる。或いは若干離間させてもよ
い。

【００９５】通常の日光照射状態では、外側のシート
（１２）及び内側のシート（１０）は、第１０図に示す
配置状態にあり、本発明による色又はデザインのシルエ
ツトパターン線（３３）によつて内部のプライバシが確
保される。必要性に応じ、シート（１０）をシート（１
２）から遠ざければ太陽遮蔽効果を高くし、また第１２
図に示すような太陽光線遮蔽効果を確保できる。夜間の
場合や、外部に比べて内部人工照明の方が明るい場合な
どは、アツセンブリの透明度を下げるようにシート（１
０）を移動してプライバシを確保し、また必要性がある
場合は第１１図に示す状態にして透視を完全に阻止する
ことができる。

【００９６】シート（１０）をシート（１２）の内側に
位置させ、二重ガラスアツセンブリのギヤツプにおいて
シート（１２）を外側に位置させることができる。

【００９７】例えば線（１４）、（３３）の一方あるい
は両方を加熱エレメントとしてシート（１０）、（１
２）の一方あるいは両方を加熱し、線（１４）、（３
３）の２つのパターンの整合に対するシートの異なる熱
膨脹による悪影響を防止することができる。

【００９８】第１３図の自動車用窓は、シート（１
０）、（１２）の間に介在させた第１パターン（１４）
と、自動車窓内側のシート（１２）の表面上の第２パタ
ーン（３３）とを備えている。パターン（１４）、（３
３）は、矢印（４０）で示すとおり車内からの水平ビジ
ヨンが可能であり、パターン（１４）又は（３３）だけ
を設けた場合に比べて上方からの車内への太陽光線の入
射が少なくなるような配置関係になつている。

【００９９】先述のごとく、パネルにはいく通りかの制
作方法がある。第１４図は、オーバープリントによるデ
イフアレンシヤルデザイン（differential design ）の
第１製法の工程を示す。第１４図Ａは基材（１０）を示
す。第１４図Ｂは、ベース又は基材（１０）にプリント
した一方の面から見えるデザイン（４２）を示す。第１
４図Ｃは、デザイン（４２）の上に重ねた、一方の面か
ら見えるバツクグラウンドカラー（４４）を示す。第１
４図Ｄは、バツクグラウンドカラー（４４）の上に重ね
た、完成パネルの他方の面から見えるバツクグラウンド
カラー（４６）を示す。第１４図Ｅは、カラー（４６）
に重ねた、他方の面から見えるデザイン（４８）を示
す。デザイン（４２）、（４８）は、色を複数にし、層
を複数にし、面上の任意の位置とすることができる。他
の色の上に黒などのダークカラーをオーバラツプさせ
て、デザイン（４２）のカラーが前記他方の側から見え
なくしたり、あるいはまたデザイン（４８）のカラーが
前記一方の側から見えなくするようにするのが普通であ
る。このように、バックグラウンドカラー（４４）及び
（４６）が各々単一色でパターンを形成するベース部を
なし、デザイン（４２）及び（４８）がバックグラウン
ドカラー（４４）及び（４６）を各々背景とし或いはこ
れらと協働して一定のデザインを表出するデザイン部を
なしている。シルエツトパターンは、透明部分（２０）
の内側または外側の個々のエレメントの境界によつて形
成する。

【０１００】第１５図は、転写又はラフレ画法（decal
）によるデイフアレンシヤルデザインの第２製法を示
す。第１５図Ａは、前述の製法（製法１）その他の方法
によつて担持メンブレン（carrying membrane ）（５
０）にパターンならびにデイフアレンシヤルデザインを
プリントする転写（デカル）を示す。番号（４２）、
（４４）、（４６）、（４８）は第４図と同じ構成要素
を示す。第１５図Ｂは、水スライド（water slide ）、
感圧接着剤などによつて基材（１０）に付着させた転写
を示す。担持メンブレン（５０）は図示のとおりとする
こともできるしまた、パターン、デザイン、基材（１
０）の間に入れることもできる。担持メンブレン（５
０）は、透明とすることができ、パターンとデザインは
基材の表面に残したまま、乾式転写法（dry transfer t
echnique）で剥がすことができまた、ガラス強化炉（gl
ass toughning furnace ）で焼き落すこともできる。

【０１０１】第１６図は、基材（１０）に対する付着性
のよい１つのインクでシルエツトパターンを最初に貼着
するデイフアレンシヤルデザインの第３製法を示す。シ
ルエツトパターンの一方の面の色を一色にする場合は、
直接被着する（第１６図Ｄ、４４）。一方の面にデザイ
ンを必要とする場合は、第１６図Ｂに示すごとく透明イ
ンク（５２）でシルエツトパターンを最初に被着する。
続いて一方の面のデザイン、所望部分のシルエツトパタ
ーンの上ならびに間で「ブロツクアウト（block out
）」する。続いて、第１６図ＤＤに示すごとく、バツ
クグラウンドから色（４４）を全体に亘つて「ブロツク
アウト」する。

【０１０２】その後の工程は、第１６図Ｄ、第１６図Ｄ
Ｄの部分完成パネルの製造工程と同じである。続いて、
第１６図Ｅに示すごとく、パネル全体に亘つてバツクグ
ラウンドカラー（４６）を「ブロツクアウト」する。第
１６図Ｆにおいて、他方の面から見えるデザイン（４
８）を所望部分で「ブロツクアウト」する。第１６図Ｇ
に示すごとく、高い自己付着性を有する膜（５４）を全
体に被着する。第１６図Ｈは、第１６図Ｂあるいは第１
６図Ｄでプリントしたシルエツトパターン間の部分に被
着したインクと一緒に自己付着性膜を剥がした状態のパ
ネルを示す（このインクは、シルエツトパターンを形成
するインクにはよく付着するが、基材には付着しな
い）。

【０１０３】第１７図は、まず所望のシルエツトパター
ンのステンシル材料（５６）を第１７図Ａ、第１７図Ｂ
に示すごとく被着するデイフアレンシヤルデザインの第
４製法を示す。第１７図Ｃにおいて、一方の面から見え
るデザイン（４２）を、所望部分で「ブロツクアウト」
して被着する。第１７図Ｄにおいて、バツクグラウンド
カラー（４４）を全体に亘つて「ブロツクアウト」す
る。第１７図Ｅにおいて、バツクグラウンドカラー（４
６）を全体に亘つて「ブロツクアウト」する。第１７図
Ｆにおいて、他方の面から見えるデザイン（４８）を、
所望部分で「ブロツクアウト」して被着する。第１７図
Ｇにおいて、ステンシル材料（５６）を剥がし、所望の
シルエツトパターンとデザインを正確に合致させて残
す。ステンシルを剥がす１つの方法として、第１７図Ｆ
の工程の後で自己接着性膜（５４）を貼着する方法を第
１７図ＦＦに示す。膜（５４）を剥がせば、それと一緒
に、基材に対する付着性の弱いステンシル材と、ステン
シル上のインクが一緒に剥がれる。

【０１０４】第１８図は、「レジスト」法によるデイフ
アレンシヤルデザインの第５製法を示す。第１８図Ａ
は、一方の面から見えるデザイン（４２）を第１８図Ｂ
に示すごとく所望の部分で「ブロツクアウト」して被着
した基材を示す。第１８図Ｃにおいて、バツクグラウン
ドカラー（４４）を全体に亘つて「ブロツクアウト」す
る。第１８図Ｄにおいて、バツクグラウンドカラー（４
６）を全体に亘つて「ブロツクアウト」する。第１８図
Ｅにおいて、他方の面から見えるデザイン（４８）を所
望の部分で「ブロツクアウト」して被着する。第１８図
Ｆにおいて、透明インクなどの材料（５８）をシルエツ
トパターンに被着する。第１８図Ｇにおいて、インク
（４２）、（４４）、（４６）、（４８）のソルベント
（材料（５８）はこのソルベントに反応しない）によつ
て不要のインクを落し、所望のシルエツトパターンとデ
ザインを正確に合致させて残す。

【０１０５】第１９図は、シルエツトパターンを基材の
表面に嵌めるデイフアレンシヤルデザインの第６製法を
示す。第１９図Ａは、自己接着性膜などのオプシヨン保
護材料（６０）を被着した基材（１０）を示す。第１９
図Ｂに示す如く、例えばレーザエツチング法によつてシ
ルエツトパターンに凹所を形成する。第１９図Ｃに示す
如くステンシル（６２）を当てて、一方の面に必要とさ
れるデザイン（４２）を凹所付きシルエツトパターンの
中へのスプレーにより形成する。続いて不要のインクを
膜（６０）から落し、次のインクを被着する。第１９図
Ｄ、第１９図Ｅに示す如く、バツクグラウンドカラー
（４４）、（４６）を全体に吹付ける。第１９図Ｆに示
す如く、ステンシル（６４）を当てて、他方の面に必要
とされるデザイン（４８）を、所望の部分に吹付ける。
第１９図Ｇに示す如く、保護膜（６０）を剥がし、所望
の凹所付きシルエツトパターン内に所望のデザインを残
す。

【０１０６】第２０図に、インクその他の材料を機械的
に落すデイフアレンシヤルデザインの第７製法を示す。
第２０図Ａの状態は、前記第５製法における第１８図Ａ
からＥに示す工程と同じ工程を経て得られる。第２０図
Ｂに示す如く透明となるべき部分は切り取り、削り取り
その他の方法で除去され、必要なシルエツトパターン及
びデザインは正確な一致性をもつて残留せしめられる。

【０１０７】第２１図に、ダイ カツトフイルムによる
デイフアレンシエル デザインの第８製法を示す。一般
に自己接着性ＰＶＣインデイシア（indicia ）があるダ
イカツト（die cut ）フイルム材料は、グラフイツクデ
イスプレイによく用いられる。第２１図Ａは膜（４４）
を示す。第２１図Ｂは、異なる色（４６）で印刷又は吹
付けした膜（４４）、又は積層された膜（４４）と膜
（４６）を示す。第２１図Ｃ及びＤは、印刷、ステンシ
ルを通す吹付、ダイ カツト膜積層などの方法によつて
必要なデザイン（４２）、（４８）を付与した状態を示
す。第２１図Ｅに示す如く、保護膜（６８）を透明接着
剤（７４）でアツセンブリの一方の面に被着する。第２
１図Ｆに示す如く、透明にすべき部分（７０）をダイ
カツト（細分パターンの型で膜を押圧することによりド
ット状に膜を切断すること）又はリール カツト（reel
cut）（周方向に延びる平行刃を備えたローラにより線
状に膜を切断すること）して剥がす。第２１図Ｇに示す
如く、自己接着性メンブレン（７２）を他方の面に貼着
する。第２１図Ｈに、剥がした保護膜（６８）と、基材
（１０）にしつかり被着させた製品を示す。第２１図Ｉ
に示す如く、担持メンブレンを剥がし、所望のシルエツ
トパターンとデザインを正確に合致させて残す。デザイ
ン（４２）が不要の場合は、保護膜（６８）と接着剤
（７４）を、自己接着性貼着用ダイカツトインデイシア
の量産に倣つて、印刷の前に膜（４４）に接着する。

【０１０８】第２２図Ｉ〜VII は、基本ビジヨン（visi
on characteristics）が異なるいくつかの例を示す。第
２２図Ｉ〜IVは片面にのみデザインを施した従来のパネ
ルであり、第２２図V〜VIIは両面にデザインを施した本
発明に係るパネルである。各図とも、（２）はパネルを
示し、（４）はパネル（２）を通るビジヨンを示し、
（８）はパネルの先の物体を示し、（６）はパネル上に
見えるデザインのビジヨンを示す。

【０１０９】第２２図Ｉにおいて、左側の観察者にはデ
ザイン（６）が見え、またパネルを通して物体（８）も
見える。右側の観察者は、パネルを通して見ることがで
きるが、デザインは見えない。

【０１１０】第２２図IIにおいて、パネルの左側の観察
者は、デザインは見えるが、パネルを通しては見えな
い。右側観察者は、パネルを通して見ることができる。

【０１１１】第２２図III において、左側の観察者は、
デザインが見え、パネルを通して見ることができ、右側
の観察者は、パネルを通して見ることはできない。

【０１１２】第２２図IVにおいて、左側においても右側
においてもパネルを通して見ることはできないが、左側
からはデザインが見える。

【０１１３】第２２図V は、両面にデザインがあるパネ
ルを示す。左側からデザイン（６）が見えるが、パネル
を通して見ることはできない。右側からはデザイン
（６′）が見えるが、パネルを通して見ることはできな
い。

【０１１４】第２２図VIにおいて、右側からも左側から
もパネルを通して見ることはできないが、左側からはデ
ザイン（６）が見え、右側からはデザイン（６′）が見
える。

【０１１５】第２２図VII において、左側からデザイン
（６）が見えるが、パネルを通して見ることはできな
い。右側からはデザイン（６′）が見えるが、パネルを
通して見ることはできない。

【０１１６】第２３図はダークカラーのドツト又はその
一部がデザインであり、白のドツト又はその一部がデザ
インにおける、シルエツトパターンで形成されたバツク
グラウンドであり、ドツト間のグレイ部分がパネルの透
明部分である、パネルの片面を示す。

【０１１７】第２４図は、グレイドツト又はその一部、
黒ドツトのバツクグラウンド又はその一部が第２３図の
パネルと違つている本発明のパネルの片面を示す。ドツ
ト面の白部分がパネルの透明部分である。

【０１１８】第２５図Ａは、本発明のパネル（１００）
の平面図であり、パネルの面（９８）側に物体（８６）
があり、面（９２）側に物体（８８）がある。

【０１１９】第２５図Ｂは、面（９２）側から見た斜視
図であり、物体（８８）とパネルの面（９２）が見え、
白ドツト（８２）が形成するバツクグラウンド上のダー
クドツトのデザイン（８０）が物体（８６）を見えなく
している。

【０１２０】第２５図Ｃは、面（９８）側から見た斜視
図であり、面（９８）側の物体（８６）が見え、デザイ
ン（９６）はグレイドツトを通して見え、物体（８８）
は黒のバツクグラウンドドツトを通して見えるが、デザ
イン（９６）で遮蔽される。

【０１２１】第２６図は、色々なビジヨンコントロール
効果を概略的に示す。各図とも、（２）はパネルを示
し、（４）はパネル（２）を通すビジヨンを示し、
（８）はパネルの先の物体を示す。但し場合によりパネ
ル（２）で透視は阻止される。点線は、観察者の意志に
応じて、デザイン（６）又は物体（８）に選択的に集中
させることのできるビジヨンを示す。（６）はパネルの
左側におけるデザインのビジヨンを示し、（６′）は、
パネルの右側における別のデザインのビジヨンを示す。
以下の説明において、各例は縦横の座標によつて特定す
るものとし、例えば図の左上の例は「／１／１」、とい
うように特定するものとする。

【０１２２】第２６図／１〜４／１〜６は、片側にのみ
デザインが設けられた従来のパネルを示し、第２６図／
５〜７／１〜６は、両側にデザインが設けられた本発明
に係るパネルを示す。第２６図／１〜７／１は、第２２
図Ｉ〜VII と同じ効果を示す。第２６図／１〜７／２、
３、４は第２６図／１〜７／１の左側の座標番号（縦軸
座標）を同じくするパネルと同種のパネルを示し、各パ
ネルのシルエツトパターンとデザインは相互に異なるビ
ジヨンを可能にするものとなつている。従つて第２６図
／１〜７／１、２、３、４は、全く異なるタイプのパネ
ルを示す。第２６図／１〜７／５、６は、別のタイプの
パネルを示すものではないが、第２６図／１〜７、／
１、２、３、４の左側の座標番号（縦軸座標）を同じく
するパネルの照明条件が異なり、変換可能なビジヨンコ
ントロール効果（convertible vision control effect
）を備えている。第２６図／１〜７／５は左側に比べ
て右側の方がはるかに明るく、第２６図／３〜７／６
は、右側に比べて左側の方がはるかに明るい。

【０１２３】本発明の実施例として、パネルの暗い側に
デザインを設ける（例えば外部ドアのパネルの内側に
「exit」を表示するものが挙げられる。本発明のパネル
は、プライバシー保護用として一方向効果を備えてお
り、外側から中を見えなくする。この場合は、ドアの外
側（日光が当る側）のパターン（例えばドツト）を白そ
の他のライトカラーとし、ドアの内側のパターン（例え
ばドツト）を黒その他のダークカラーとし、「exit」な
どの文字のパターン部分は、ドツト又はその一部を目立
つ色にする。

【０１２４】パネル両側に異なるデザインを設けること
が望ましい場合が数多くある。例えば透明ガラスドアの
一方の面に「push」を表示し、他方の面の同じ位置又は
異なる位置に「pull」を表示し、どちらの表示も反対側
からは見えず、表示部分ドアの透明性を維持することが
できる。

【０１２５】本発明を適用することによつて、他の方法
では不可能な広告を可能にできる場合が数多くある。例
えばバス停の時刻盤の正面の透明パネルに広告を表示
し、広告を通して時刻が見えるようにすることができ
る。別の応用例として、地下鉄の窓に内側と外側の両方
に面している広告を入れることができる。内向きの広告
は、トンネル通過時や、夜間に見え、照明の明るい駅や
昼では透視が可能であり、列車の外側からは外側に面し
ている広告が見え、車内の状態もある程度見ることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】１つのシルエツトパターンを有し、パターンの
両面にデザインがあるパネルの横断面図

【図２】シルエツトパターンを形成するために使用する
様々なエレメントの両面ならびに断面を示す図

【図３】シルエツトパターン及びデザインに保護を施し
たパネルまたはその途中の状態を示す断面図

【図４】シルエツトパターン及びデザインに保護を施し
たパネルまたはその途中の状態を示す断面図

【図５】シルエツトパターン及びデザインに保護を施し
たパネルまたはその途中の状態を示す断面図

【図６】シルエツトパターン及びデザインに保護を施し
たパネルまたはその途中の状態を示す断面図

【図７】シルエツトパターン及びデザインに保護を施し
たパネルまたはその途中の状態を示す断面図

【図８】シルエツトパターン及びデザインに保護を施し
たパネルまたはその途中の状態を示す断面図

【図９】離間された２つのパネルの横断面図

【図１０】様々な位置に第８図のパネルを配置した状態
を示す横断面図

【図１１】様々な位置に第８図のパネルを配置した状態
を示す横断面図

【図１２】様々な位置に第８図のパネルを配置した状態
を示す横断面図

【図１３】自動車用窓を形成しているパネルの横断面図

【図１４】第１図のパネルの製作工程図（スケールは合
つていない）

【図１５】第１図のパネルの製作工程図（スケールは合
つていない）

【図１６】第１図のパネルの製作工程図（スケールは合
つていない）

【図１７】第１図のパネルの製作工程図（スケールは合
つていない）

【図１８】第１図のパネルの製作工程図（スケールは合
つていない）

【図１９】第１図のパネルの製作工程図（スケールは合
つていない）

【図２０】第１図のパネルの製作工程図（スケールは合
つていない）

【図２１】第１図のパネルの製作工程図（スケールは合
つていない）

【図２２】本発明によつて得られる様々なビジヨン特性
の７つの例を示す説明図

【図２３】デザイン付きのパネルの片面を示す正面図

【図２４】様々なデザイン付きパネルの片面を示す正面
図

【図２５】両面にデザインがあるパネルのデイフアレン
シヤルビジヨン効果の説明図

【図２６】本発明実施例のパネルによつて得られる３６
種類のビジヨンコントロール効果を示す説明図

【符号の説明】

（２）パネル、（４）パネルを通過するビジヨン、
（６），（６′）パネル上に見えるデザインのビジヨ
ン、（８）パネルの先の物体、（１０），（１２）シー
ト、（１４）規則パターン、（１６）接着剤、（１８）
リセス、（２２）薄膜、（２４）エアギヤツプ、（２
５）ライトカラーのパターン、（２６）ダークカラーの
パターン、（２８），（３０）デザイン、（４２）デザ
イン、（４４），（４６）カラー、（４８）デザイン、
（５０）担持（キヤリング）メンブレン、（５２）透明
インク、（５４）自己付着性を有する膜、（５６）ステ
ンシル材料、（６０）保護材料、（６２），（６４）ス
テンシル、（６８）保護膜、（７２）担持（キヤリン
グ）メンブレン、（７４）透明接着剤、（８０）ダーク
ドツトのデザイン、（８２）白ドツト、（８６），（８
８）物体、（９６）デザイン、（１００）パネル。

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−150703（ＪＰ，Ａ) 特開 昭53−33723（ＪＰ，Ａ) 実開 昭57−14101（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭57−782（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭57−192505（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭59−112201（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭57−205184（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭51−14057（ＪＰ，Ｂ２) 米国特許4321778（ＵＳ，Ａ) 米国特許3451877（ＵＳ，Ａ) 米国特許3085474（ＵＳ，Ａ) 英国特許2118096（ＧＢ，Ａ)

Claims (9)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】光透過性材料の面を多数の不透明領域及び
   ／又は多数の透明若しくは半透明の領域に細分するパタ
   ーンを、不透明な層で形成したパネルであって、 前記光透過性材料上に単一色の層で前記パターンを構成
   しているベース部と、該ベース部の上及び該ベース部と
   前記光透過性材料との間において前記ベース部とは異な
   る１又は２以上の色彩の層により該ベース部を背景とし
   或いは該ベース部と協働して形成されたデザイン部とを
   備えており、 前記デザイン部の層における前記透明若しくは半透明の
   領域との境界は、前記ベース部における前記透明若しく
   は半透明の領域との境界と一致していることを特徴とす
   るパネル。
2. 【請求項２】前記ベース部が単一の前記単一色層で形成
   されている請求項１に記載のパネル。
3. 【請求項３】前記ベース部が各々単一色の複数の層で形
   成されており、各層は前記透明若しくは半透明の領域と
   の境界を相互に一致させていることを特徴とする請求項
   １に記載のパネル。
4. 【請求項４】光透過性材料の面を多数の不透明領域及び
   ／又は多数の透明若しくは半透明の領域に細分するパタ
   ーンを、不透明な印刷層で形成したパネルであって、 前記光透過性材料上に単一色の印刷層で前記パターンを
   構成しているベース部と、該ベース部の上及び該ベース
   部と前記光透過性材料との間において前記ベース部とは
   異なる１又は２以上の色彩の印刷層で形成されたデザイ
   ン部とを備えており、 前記デザイン部の印刷層における前記透明若しくは半透
   明の領域に臨む境界は、前記ベース部における前記透明
   若しくは半透明の領域との境界よりも内側に形成されて
   いることを特徴とするパネル。
5. 【請求項５】前記ベース部が単一の前記単一色印刷層で
   形成されている請求項４に記載のパネル。
6. 【請求項６】前記ベース部が各々単一色の複数の印刷層
   で形成されており、各印刷層は前記透明若しくは半透明
   の領域との境界を相互に一致させていることを特徴とす
   る請求項４に記載のパネル。
7. 【請求項７】光透過性材料に設けられた多数の貫通孔を
   透明領域とし、該貫通孔以外の領域を不透明領域とした
   パネルであって、 前記不透明領域が光透過性材料上の単一色の印刷層でベ
   ース部として形成されており、該ベース部の上及び該ベ
   ース部と前記光透過性材料との間において前記ベース部
   とは異なる１又は２以上の色彩の印刷層で該ベース部を
   背景とし或いは該ベース部と協働して形成されたデザイ
   ン部が設けられていることを特徴とするパネル。
8. 【請求項８】前記ベース部が単一の前記単一色印刷層で
   形成されている請求項７に記載のパネル。
9. 【請求項９】前記ベース部が各々単一色の複数の印刷層
   で形成されており、各印刷層は前記透明領域との境界を
   相互に一致させていることを特徴とする請求項７に記載
   のパネル。