JP2613163B2 - 茶飲料及びその製造方法 - Google Patents

茶飲料及びその製造方法

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tea
tea beverage
tannic acid
extract
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置 洋 司 玉
本 兼 史 山
田 伸 豊 野
川 徹 也 小
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株式会社ポッカコーポレーション
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、茶を原料とし、混濁や
沈澱等が発生することなく長期保存可能な清澄な茶飲
料、及び、その製造方法に関するものである。
【0002】本発明に係る茶飲料は、長期保存しても風
味や色調が変化しないだけでなく、沈澱やオリが発生す
ることなく清澄性を長期間維持することができるので、
ビンや缶等容器入りの茶飲料としてきわめて好適であ
る。
【0003】
【従来の技術】従来、茶飲料は、茶葉を温水で抽出し、
金属網・布等を用いて茶殻を取り除き、また遠心分離等
により微細な茶粒子の除去を行なった後、缶等の容器に
詰め、殺菌処理をし、製造されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の茶製造方法では
茶原料からアミノ酸、糖類、カテキン、カフェイン、タ
ンパク質、その他高分子化合物等が溶出しており、これ
らが結合して析出し、製造後から経時的に混濁・沈澱が
発生するという欠点があった。混濁・沈澱は瓶等の透明
容器に詰められている場合、外観上好ましくない上、沈
澱物は凝集し、風香味の劣化にもつながる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、容器入り茶飲
料の需要増にともない、上記課題を解決して、風味や色
調は変化させることなく清澄な茶飲料を長期間保存する
目的でなされたものである。
【0006】そして各方面から検討した結果、茶葉抽出
液をケイソウ土濾過処理することにより、風味や色調を
変化させることなく、そしてまた混濁や沈澱も発生させ
ることなく長期間に亘って茶飲料を保存維持することに
成功した。そして更に研究の結果、タンニン酸添加や遠
心分離を有機的に結合することにより、工業的に更にす
ぐれた効果が奏されることを確認し、それらの新知見を
基礎として本発明は完成されたのである。
【0007】本発明を実施するには、茶を抽出して抽出
液を調製する。茶としては、茶葉を使用するが、茎や小
枝が混入しても差しつかえはない。抽出は冷水でも温水
でも可能である。
【0008】温水抽出液の場合は冷却した後、また冷水
抽出液の場合は冷却することなくそのまま、タンニン酸
処理を行う。タンニン酸処理は、タンニン酸と抽出液と
を接触させる処理をすべて指し、例えば、抽出液にタン
ニン酸を添加したり、タンニン酸を固定したカラムに抽
出液を流下せしめたり、タンニン酸を充填したカラムに
抽出液を流したりする処理が包含される。
【0009】タンニン酸としては、精製品のほか粗製品
やタンニン酸含有物も適宜使用することができる。その
使用量は、風香味の維持と清澄化処理の負担という両立
困難な両面を満足し得る範囲として、使用する茶量に対
して重量%で、0.01〜1.4%、好適には0.05
〜1%である。
【0010】タンニン酸処理をした後、しばらく静置す
ると、各種の高分子化合物等を取り込んで濁り、オリ、
沈澱等の混濁物が生成してくる。そこでこれを分離、除
去する。それには、遠心分離、濾紙や濾布による濾過、
デカンテーション等常用される分離手段が適宜利用され
る。
【0011】そして更に本発明においては、ケイソウ土
濾過処理を行う。これは、上記処理液に残存している混
濁、沈澱の原因物質を除去するために必要であって、そ
の結果、前記各処理とも相まって、長期間保存しても混
濁、沈澱の発生がなく、清澄な茶抽出液が維持できるこ
とになるのである。
【0012】しかる後、常法によって殺菌処理等を行
い、そしてビン、缶等の容器に充填して製品とする。こ
のようにして得られた茶飲料製品は、経時的に混濁、沈
澱を発生しないので、自動販売機で販売するのに好適で
あるし、商品のシェルフライフも大幅に延長され、しか
も透明な容器に充填することが可能となり、商品価値が
更に高まるものである。
【0013】本発明において、茶ないし茶飲料とは、緑
茶といった発酵工程を伴わない茶のほか、ウーロン茶等
の半発酵茶のように発酵工程はあるものの完全発酵では
ない茶が広く包含されるし、これらをベースとした健康
茶等にも本発明は適用することができる。
【0014】以下、本発明の実施例について述べる。
【0015】
【実施例1】緑茶10gを70℃の温水1リットルで3
分間抽出した後、茶殻を除去し、850mlの緑茶抽出
液を得た。次のこの抽出液をケイソウ土を8g使用して
ケイソウ土濾過処理し、透明ビンに充填したうえで12
1℃、4分の殺菌を行い、そして37℃に4週間維持
し、混濁、沈澱の発生状況をみた。なお、対照として、
ケイソウ土処理を行わない未処理の緑茶抽出液について
も同じ調査を行い、下記する表1の結果を得た。
【0016】
【表1】
【0017】
【実施例2】緑茶10gを70℃の温水1リットルで3
分間抽出した後、茶殻を除去し、下記する表2の条件で
タンニン酸添加を行った。なお表中におけるタンニン酸
添加量は、抽出に使用した茶葉量に対する重量%であ
る。タンニン酸処理した後、静置し、次いで遠心分離を
行い(5000G)、ケイソウ土を8g添加してケイソ
ウ土濾過を行った。得られた濾液を透明なビンに充填し
たうえで、121℃、4分の殺菌を行い、そして37℃
に4週間維持し、混濁、沈澱の発生状況及び風香味の確
認を行った。結果を下記の表2に示す。
【0018】
【表2】
【0019】上記結果から明らかなように、タンニン酸
を添加しない場合には、ケイソウ土濾過負担が大きくな
り、製造上問題が出てくる。またこれとは逆に、タンニ
ン酸の添加量が多過ぎると、茶本来の味覚成分も落とし
過ぎることになり、お茶らしさに欠けてくる。これらの
点を総合すると、タンニン酸の添加量は、抽出に使用し
た茶葉量に対して、重量%で0.01〜1.4%とする
のが好適であり、更に好適には0.05〜1%であるこ
とが判る。
【0020】
【発明の効果】本発明にしたがってタンニン酸を使用す
ることにより、茶本来の風味、色調はいささかも損うこ
となく、混濁や沈澱の発生を長期間に亘って防止するこ
とが可能となった。
【0021】このように、長期保存性を有する清澄な茶
飲料となったので、透明な容器の使用が可能となり、ま
た製品のシェルフライフが大幅に延長され、自動販売機
での販売にも好適なものとなった。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発酵工程を伴わない茶及び/又は発酵工
    程はあるものの完全発酵ではない茶の抽出液をタンニン
    酸で処理することを特徴とする長期保存性を有する茶飲
    料の製造方法。
  2. 【請求項2】 発酵工程を伴わない茶及び/又は発酵工
    程はあるものの完全発酵ではない茶を温水抽出し、得ら
    れた抽出液を冷却した後、タンニン酸を添加して静置
    し、次いで遠心分離等によって微細な茶粒子等の混濁物
    を除去し、更にこの抽出液をケイソウ土濾過によって清
    澄化させること、を特徴とする請求項1に記載の長期保
    存性を有する茶飲料の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記茶が緑茶であることを特徴とする請
    求項1又は請求項2に記載の茶飲料の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記タンニン酸を茶葉量に対して0.0
    1〜1.4重量%使用することを特徴とする請求項1又
    は請求項2に記載の茶飲料の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記
    載の方法で製造してなる長期保存性を有する茶飲料。
  6. 【請求項6】 前記茶飲料が長期保存性を有する容器入
    り茶飲料である請求項5に記載の茶飲料。
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JPH06269246A JPH06269246A (ja) 1994-09-27
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JP3626462B2 (ja) 2002-02-20 2005-03-09 株式会社 伊藤園 茶飲料の製造方法
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