JP2612586B2 - 塗料組成物および該組成物を塗工してなるキャスコート紙 - Google Patents

塗料組成物および該組成物を塗工してなるキャスコート紙

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はキャストコート紙用塗料組成物および該組成
物を塗工してなるキャストコート紙に関し、特に表面強
度、インク受理性および光沢に於て優れ、しかも高速生
産が可能なリウエットキャスト法用の塗料組成物および
それを用いたキャストコート紙に関するものである。
〔従来の技術〕
キャストコート紙の製法にはウエットキャスト法、ゲ
ル化キャスト法、リウエットキャスト法等がある。ウエ
ットキャスト法とは顔料と接着剤を含む水性塗料を原紙
に塗布後湿潤状態で高温鏡面ドラム(以後キャストドラ
ムと称する)へ密着し乾燥する方法であり、ゲル化キャ
スト法とは水性塗料に凝固剤を添加し原紙に塗布後湿潤
状態でキャストドラム上で密着乾燥する方法もしくは水
性塗料を原紙に塗布後に凝固剤を塗布し湿潤状態でキャ
ストドラム上で密着乾燥する方法である。リウエットキ
ャスト法とは水性塗料を原紙に塗布し一旦乾燥後に再湿
潤してキャストドラムで密着乾燥する方法である。従っ
て、高光沢のアート紙が乾燥状態でスーパーカレンダー
がけされるのに対し、キャストコート紙はいずれの方法
によっても湿潤状態即ち塗工層が可塑性の高い状態で平
滑化されるので、平滑性が高くより高光沢の塗工面が得
られる。
しかしながら、水を多量に含んだ塗工面をキャストド
ラム面へ密着し乾燥させた後、キャストドラム面から塗
工面を抵抗なく離型させることが、高光沢性を有し欠陥
のない塗工面を得る上で重要な要件である。従来、高光
沢性を付与するためのキャストドラムへの密着性の良さ
は逆に離型性が大幅に低下する問題を生じるため、高光
沢を有し且つピンホール等の塗面欠陥の少ないキャスト
コート紙を得るには高度な技術を必要とした。特に、高
速生産のためキャストドラムからの塗工紙面の離型速度
を大きくすると離型抵抗も大きくなり、時としてドラム
に塗膜が付着し部分的にピックアップされ(以後この結
果生じた塗工面の欠陥をピットと称する)、無欠陥で均
一な光沢を有する塗工面は得られなかった。高速生産時
のもう一つの問題点は、キャストドラム上で速やかに水
分を蒸発させることが必要であるが、高速運転するとそ
れだけ塗工紙がドラム上に滞留する時間が短くなり、従
って強い乾燥条件が要求され水蒸気の移動速度を大きく
とる結果として発生する新たな問題である。即ち強い乾
燥条件により、ウエットキャスト法では塗料の沸騰が起
こり塗工層が破壊され、またゲル化キャスト法では塗工
層のゲル化の中で多量の水分を原紙層中に移行させるこ
とが困難となり、均一に面形成が阻害される。特にリウ
エットキャスト法では、一旦塗工層が乾燥されてから再
湿し塗工面の可塑化をはかるので、前記二方法と比較し
て面形成のためキャストドラム上で高い圧力下に置かれ
るが、高速運転時は水がドラム表面と塗膜との間に溜り
を形成することがしばしばあり、更にこの溜りの水分を
塗膜の空隙を通じて十分に除去することが困難であつ
た。その結果、塗膜ピックアップによるピットとは異な
るタイプのピットが形成され、キャストコート紙面上に
欠陥を著しく発生させた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
そこで、キャストコート紙の上記問題を少しでも解決
し塗工面品質を維持しながら高速生産を可能にするた
め、顔料と不飽和カルボン酸をモノマー成分として含有
するラテックスおよびカゼイン等の接着剤を主成分とす
る塗料に亜鉛、アルミニウム、マグネシウム等の硫酸
塩、硝酸塩、蟻酸塩、酢酸塩等を凝固剤として添加する
方法(特公昭60−146097)が提案されている。この方法
は用いている凝固剤の金属イオンが共重合ラテックスの
カルボキシル基に作用し、塗工層が乾燥される時点で凝
固作用を起こし塗工層を多孔質にし、その結果、リウエ
ットキャスト法で再湿潤され加熱ドラムに圧接された際
に発生した蒸気水分の透過を容易にするとしている、し
かしこの方法を用いても得られたキャストコート紙の表
面強度は低く未だその生産速度の向上は不十分なもので
あった。
従って、本発明の目的はキャストコート紙の製法、特
に比較的生産速度の高いリウエット法に於て、従来にな
い高速生産によっても離型性に優れピット発生がなく高
光沢および良好なる表面強度とインク受理性を有するキ
ャストコート紙を得ることが可能な塗料組成物および該
組成物を塗工してなるキャストコート紙を提供すること
にある。
〔問題点を解決するための手段〕
前記問題点を解決するものとして、顔料および接着剤
を主成分として含有してなるキャストコート紙用塗料に
おいて、該顔料100重量部に対して、カゼイン(A)を
2−15重量部、ゴム系ラテックス(B)を固形分で6−
18重量部および二次粒子形成性ラテックス(C)を固形
分で3−12重量部、かつ(A),(B)および(C)の
接着剤を合計18−40重量部含有し、さらにNaCl,Na2SO4,
ZnO,MgOからなる群より選ばれた1種以上の無機物およ
びカルシウム、亜鉛、マグネシウムのギ酸塩あるいは酢
酸塩からなる群より選ばれた1種以上の有機酸塩を含有
してなるキャストコート紙用塗料組成物および該組成物
を塗工してなるキャストコート紙が提供される。
本発明は、接着剤としてゴム系ラテックス(B)と二
次粒子形成能を有するラテックス(C)をカゼインと共
に用い、しかも助剤として凝固力の異なる無機物と有機
酸塩を添加混合したコート紙用塗料組成物を用いて、表
面強度とインク受理性の良好な高光沢のキャストコート
紙を高速生産で得られることを可能にしたものである。
本発明において用いるカゼイン(A)は、通常顔料塗
工紙のバインダーとして使用されているミルクカゼイン
であり、顔料100重量部に対して2重量部未満の使用で
は塗料のキャストコート紙のドラム面からの離型性が不
良で、本発明の目的である高速生産が困難になり、15重
量部を越えると塗工層の通気性が悪化しキャストコート
紙面にピットの発生が多くなる。好ましいカゼイン
(A)量は4−12重量部である。
本発明に於て、顔料100重量部に対してゴム系ラテッ
クス(B)の使用量を6−18重量部と限定した理由は、
ゴム系ラテックス(B)の使用量が6重量部未満では得
られたキャストコート紙の表面強度が低く実用の印刷に
耐えなく、18重量部を越えるとキャストコート紙のドラ
ム面からの剥離性が著しく低下すると共にピットの発生
も多く本発明の目的である高速生産が困難になることに
ある。好ましいゴム系ラテックス(B)の使用量は7−
16重量部である。
また本発明に於て、顔料100重量部に対して二次粒子
形成性ラテックス(C)の使用量を3−12重量部と限定
した理由は以下の通りである。即ち、二次粒子形成性ラ
テックス(C)の使用量が3重量部未満であるとキャス
トコート紙のドラム面への密着性が不良で、光沢が低く
なり、ピットの発生も多くなる。一方、二次粒子形成性
ラテックス(C)の使用量が12重量部を越えると、キャ
ストコート紙塗工面の離型性が低下するとともに、ピッ
トが多く発生する。好ましい二次粒子形成性ラテックス
(C)使用量は4−10重量部である。
本発明に於ては、カゼイン(A)、ゴム系ラテックス
(B)及び二次粒子形成性ラテックス(C)の各各が上
記限定範囲にありながら、しかも(A),(B)及び
(C)の接着剤合計量が顔料100重量部に対して18−40
重量部と限定した理由は、接着剤合計量が18重量部未満
では限られたキャストコート紙の表面強度が不良で実用
の印刷に耐えなく、また全接着剤量が40重量部を越えた
場合キャストコート紙のドラム面からの剥離性が不良で
高速生産が困難になることにある。好ましい全接着剤量
は20−35重量部である。
本発明において用いるゴム系ラテックス(B)とは、
ブタジエンとスチレン或はメチルメタアクリレートを主
成分とし、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル
酸ヒドロキシプロピル、アクリルアミド、N−メチロー
ルアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミ
ド、メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミ
ド、N−メトキシメチメタクリルアミド等の非イオン親
水性単量体およびアクリル酸、イタコン酸、メタクリル
酸等の陰イオン性単量体を合計で2重量%以上、好まし
くは2重量%以上10重量%未満を含むゴム系エマルショ
ンの総称である。ブタジエン以外に或いはブタジエンと
供に、イソプレン、2−クロロブタジエン等のジエン系
単量体も使用できる。ジエン系単量体およびスチレン或
はメチルメタアクリレート以外の共重合体単量体成分と
して、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ジメチル
スチレン等の芳香族アルケニル化合物とアクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
2−エチルヘキシル、アクリル酸グリシジル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エ
チルヘキシル、メタクリル酸グリシジル、フマール酸ア
ルキルエステル、イタコン酸アルキルエステル、アクリ
ロニトリル、メタアクリロニトリル、酢酸ビニル等のモ
ノオレフィン系不飽和化合物を単量体として用いるが、
これら単量体成分は2種以上の組合せで用いることもで
きる。
また本発明に於て用いる二次粒子形成性ラテックス
(C)とは、上記ゴム系ラテックス(B)の成分として
記述した単量体成分からなるが、非イオン親水性単量体
と陰イオン性単量体の合計量は2重量%未満であり、好
ましくは0.5重量%以上2重量%未満である。これらの
非イオン親水性単量体や陰イオン性単量体の量を2重量
%未満、好ましくは0.5重量%以上2重量%未満の範囲
で調節することにより二次粒子の粒径を任意に調節する
ことができる。
本発明に用いられるゴム系ラテックス(B)及び二次
粒子形成性ラテックス(C)の粒子径は通常0.1−0.3μ
mであり、またこれら合成バインダーはポリマーの分子
量および架橋度と関連する乾燥フィルムのトルエン不溶
解分(通常ゲル含有率と称す)をある程度以上含有する
ことが好ましく、本発明の目的である高速生産性を確保
するためには15重量%以上が好ましい。
本発明に於て、添加剤としてNaCl,Na2SO4,ZnO,MgOか
らなる群から選ばれた1種以上の無機物とカルシウム、
亜鉛、マグネシウム等のギ酸塩或は酢酸塩からなる群よ
り選ばれた1種以上の有機酸塩の両者を併用することが
重要である。これらは、顔料、カゼイン(A)、ゴム系
ラテックス(B)および二次粒子形成性ラテックス
(C)を主成分とする塗料の調製の段階で少量添加さ
れ、選択的な凝集および会合作用を起こす。これら無機
物及び有機酸塩の組合せはNaCl,Na2SO4,ZnO,MgOからな
る群から選ばれた1種以上の無機物とカルシウム、亜
鉛、マグネシウム等のギ酸塩或は酢酸塩からなる群から
選ばれた1種以上の有機酸塩を組み合わせることによ
り、得られるコート紙の透気性が良く、高速生産によっ
てもピットのない光沢および表面強度の優れたしかもイ
ンク受理性の良好なるキャストコート面が得られる。好
ましくは、NaCl,Na2SO4からなる群から選択した1種の
無機塩、ZnO,MgOからなる群より選んだ1種の酸化物お
よびカルシウム、亜鉛、マグネシウム等のギ酸塩或は酢
酸塩からなる群より選んだ1種の有機酸塩の3種の組合
せである。これら無機物および有機酸塩の使用量は、二
次粒子形成性ラテックス(C)が選択的に会合しその粒
子径が0.5−1.5μmに増大する量が適当である。通常、
顔料100重量部に対して、無機物の添加量は0.1−7重量
部であり、有機酸塩は0.1−3重量部である。
本発明のラテックス(B)および(C)の製造には、
前記単量体を用い、重合開始触媒として通常の開始剤例
えば過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモ
ニウム等の水溶性の過酸化物或はこれらと重亜硫酸ソー
ダ、亜硫酸ソーダ、チオ硫酸ソーダ等の水溶性の還元剤
との併用も可能である。単量体類の重合温度は通常50−
100℃で、その圧力はゲージ圧で0−10kg/cm2の範囲で
行われる。用いられる全単量体の添加は一括添加、分割
添加または連続添加のいずれかの方法でもできる。また
重合中の粒子の安定化のため例えばアルキルベンゼンス
ルホン酸ソーダ、アルキル硫酸ソーダ、アルキルアルコ
ール硫酸ソーダ等の乳化剤やヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ポリビニールアルコ
ール等の保護コロイド剤を添加することも出来る。この
とき乳化剤の全単量体に対する添加量を多くすると粒子
径が小さくなり、少なくする程粒子径は大きくなる。ま
た分子量の調節剤としてはアルキルメルカプタン、第3
級メルカプタン等のメルカプタン類や四塩化炭素、高級
アルコール等を用いて行うことができる。従って上記の
如き構成および構造方法で本発明に用いる粒子径0.1−
0.3μmのゴム系ラテックス(B)或は二次粒子形成性
ラテックス(C)は自在に調製することができる。
本発明において使用する顔料は、通常塗工紙に使用さ
れるクレー、炭酸カルシウム、チタンホワイト、サチン
ホワイト、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化亜
鉛、酸化マグネシウム等の無機顔料及びプラスチックピ
グメント、白色尿素樹脂顔料等の類の有機顔料は全て使
用することができ、本発明の目的では特に顔料の選択に
制約はない。
また本発明の塗料組成物にステアリン酸マグネシウ
ム、ステアリン酸亜鉛等の公知の離型剤を適宜使用する
ことが出来る。塗料中における二次粒子形成性ラテック
ス(C)の粒子の会合状態を安定に保持するため安定剤
として塗料組成物中ポリビニルアルコール、ヒドロキシ
エチルセルロース等の保護コロイド剤、陰イオン界面活
性剤、非イオン界面活性剤等を添加することも出来る。
本発明のキャストコート紙は原紙にこのようにして得
られた本発明の塗料組成物をエアーナイフコーター、ロ
ールコーター、ブレードコーター等の一般に顔料塗工紙
に使用される公知の塗工装置を用いて塗工され一旦乾燥
した後、湿潤水で再湿潤されて60℃以上に加熱されたキ
ャストドラムに線圧10kg/cm以上の圧力で圧着乾燥する
ことにより得られる。用いられる原紙としては特に限定
はなく、通常顔料塗工紙に使用されるものの何れでもよ
い。
〔作 用〕
前記詳細説明の如く、本発明によって得られた塗料組
成物即ち顔料および接着剤を主成分としたキャストコー
ト紙用塗料ににおいて、顔料100重量部に対してカゼイ
ン(A)2−15重量部、ゴム系ラテックス(B)6−18
重量部および二次粒子形成性ラテックス(C)3−12重
量部を使用し、且つ(A),(B)および(C)の接着
剤合計量が18−40重量部からなる塗料の調製過程でNaC
l,Na2SO4,ZnO,MgOからなる群より選ばれた1種以上の無
機物とカルシウム、亜鉛、マグネシウム等のギ酸塩ある
いは酢酸塩からなる群より選ばれた1種以上有機酸塩と
を添加混合することを特徴とする塗料組成物を公知の方
法で塗工しキャストドラムで密着乾燥することにより得
られたキャストコート紙は、表面強度および光沢が優れ
ピットのない均一な面品質を有しかつインク受理性に優
れ、しかも透気性および離型性が優れているので高速生
産も可能である。尚本発明の塗料組成物はリウエットキ
ャスト法以外のウェットキャスト法およびゲル化キャス
ト法によるキャストコート紙用塗料としても有用であ
る。
以下実施例及び比較例等をあげ更に詳細に説明する
が、本発明はこれら実施例により何等限定をうけるもの
ではない。尚これらに於ける部、%は特記のない限り重
量基準である。
実施例1 先ず本実施例において用いるゴム系ラテックス(B)
および二次粒子形成性ラテックス(C)の製造例を示
し、次いで塗料の調製例について示す。
<ゴム系ラテックス(B)の製造例> 窒素置換したオートクレーブ中に脱イオン水120部、
ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.2部、過硫酸カリ
ウム0.8部、ターシャリドデシルメルカプタン0.6部と単
量体組成としてブタジエン40部、スチレン45部、メチル
メタクリレート8部および官能基モノマーとしてアクリ
ル酸2部、アクリルアミド2部とヒドロキシエチルメタ
クリレート3部の合計100部を仕込み70℃に重合を行い
重合開始後15時間で重合率が98%を越えたので反応を停
止し冷却後、水酸化ナトリウムにてpHを7に調整しゴム
系ラテックス(B)を得た。尚粒子径は0.15μmであっ
た。
<二次粒子形成性ラテックス(C)の製造例> 窒素置換したオートクレーブ中に脱イオン水120部、
ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.1部、過硫酸アン
モニウム0.8部とターシャリドデシルメカプタン0.4部と
単量体成分としてブタジエン25部、スチレン64部、メチ
ルメタクリレート7部、メタクリル酸3部、メチロール
メタクリルアミド1部の合計100部を仕込み70℃にて重
合を行い重合開始後13時間で重合率が97%を越えたので
反応を停止し冷却後アンモニア水溶液にてpHを7に調整
し二次粒子形成性ラテックス(C)を得た。尚、粒子径
は0.19μmであった。
<塗料の調製> 28%のアンモニア水0.9部、ミルクカゼイン9部およ
び水50.1部を用い、加熱溶解して得たカゼイン水溶液60
部(固形分換算で9部に相当)と水100部をカウレスミ
キサー中に投入し撹拌下に炭酸カルシウム(奥多摩工業
製:TP−222HS)40部およびカオリン(EMC製:UW−90)60
部を加え混合分散した後ゴム系ラテックス(B)を固形
分で12部と二次粒子形成性ラテックス(C)を固形分で
7部加えた。次いで塩化ナトリウムを0.3部、酸化亜鉛
を3部、酢酸カルシウムを0.7部をそれぞれ添加し、最
後にアンモニアでpH8.0に調整し塗料固形分を40%に調
整して本願発明のキャストコート紙用塗料組成物−1を
得た。尚塗料粘度はブルックフィールド粘度系で25℃、
60r.p.mの条件で測定した結果は45cpsであった。これら
塗料組成物−1の原料配合割合及び物性等を表−1に示
した。
実施例2−10 実施例−1に於て用いたカゼイン量、ゴム系ラテック
ス(B)と二次粒子形成性ラテックス(C)の添加量お
よび併用割合更に塩化ナトリウム、酸化亜鉛および酢酸
カルシウムの添加量を表−1に示したように変更した以
外は実施例−1と全く同一要領および条件にて塗料組成
物−2から塗料組成物−10までの各々の塗料組成物を得
た。これらの組成物の固形分濃度およびブルックフィー
ルド粘度を実施例−1と同一方法にて測定して、その結
果も表−1に示した。
比較例1−9 実施例−1に於て、塩化ナトリウム、酸化亜鉛、およ
び酢酸カルシウムの使用量を変更し、用いたカゼイン
量、ゴム系ラテックス(B)および二次粒子形成性ラテ
ックス(C)の使用量と合計量が表−1に示すように本
発明の範囲外である他は実施例−1と全く同一要領およ
び条件にて比較塗料組成物−1から比較塗料組成物−8
までの各々の比較塗料組成物を得た。尚比較例−9は実
施例−1に於いて添加剤として無機物を併用せず単に酢
酸カルシウムを使用した以外は実施例−1と全く同一要
領および条件にて比較塗料組成物−9を得た。これら塗
料の固形分濃度およびブルックフィールド粘度も表−1
に示した。
比較例10および11 本比較例ではゴム系ラテックス(B)と二次粒子形成
性ラテックス(C)との合成バインダーの併用の有用性
を一層明確にするため、ラテックス(B)と(C)をそ
れぞれ単独で用いた場合を例示する。即ち表−1に示す
ように、実施例−1において酢酸カルシウムの使用量を
変え、用いたラテックス(B)と(C)をそれぞれ単独
で合計量の同一量用いる以外は実施例−1と同一要領及
び条件にて比較塗料組成物−10および比較塗料組成物−
11を得た。これらの塗料固形分濃度、ブルックフィール
ド粘度も表−1に示した。
応用例 上記実施例及び比較例で得られた塗料組成物を坪量6
4.0g/m2の原紙を用いて、エアーナイフコーターにおい
て各々の塗料組成物を乾燥重量で25g/m2になるように塗
工し乾燥後再湿液を与えてキャストドラムに通した。キ
ャストティングは径1200mm、プレス線圧50kg/cm、表面
温度95−100℃のドラムを用いて、離型性が良くコート
紙面にピットの認められないキャスティング最大速度を
求めた。またキャスト前の塗工紙の透気度を測定し、更
に得られたキャストコート紙について光沢度、表面強度
およびインク受理性の評価を行い、これらの結果を表−
2および3に示した。尚透気度は王研式透気度試験機に
て測定し、光沢度はJISのP−8148に準じて測定した。
表面強度はRI印刷試験機(明製作所製)により印刷を行
い、表面のピッキング状態の目視観察により10段階評価
(10は表面にピッキング無しで最も良好、1は表面全体
にピッキングが発生し最も不良とし、この間を10水準に
分割して評価した)した。インク受理性は上記RI印刷試
験機により印刷を行った後の印刷面のインク受理濃度を
マクベス式インク濃度計(東京電色製)により測定し
た。
〔発明の効果〕 表−2の数値が示すように、本発明の限定範囲にある
実施例の塗料組成物は高速生産にも拘らず、これによっ
たキャストコート紙は光沢、インク受理性、表面強度及
び透気度においてバランスの取れた優れた品質を有す
る。このことから本発明がキャスコート紙の塗料組成物
として従来にない非常に有用な塗料組成物であることは
明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日向寺 昭夫 神奈川県横浜市栄区庄戸3―14―14 (72)発明者 田中 顕雄 神奈川県横浜市栄区上之町21―12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】顔料および接着剤を主成分として含有して
    なるキャストコート紙用塗料において、該顔料100重量
    部に対して、カゼイン(A)を2−15重量部、ゴム系ラ
    テックス(B)を固形分で6−18重量部および二次粒子
    形成性ラテックス(C)を固形分で3−12重量部、かつ
    (A),(B)および(C)の接着剤を合計18−40重量
    部含有し、さらにNaCl,Na2SO4,ZnO,MgOからなる群より
    選ばれた1種以上の無機物およびカルシウム、亜鉛、マ
    グネシウムのギ酸塩あるいは酢酸塩からなる群より選ば
    れた1種以上の有機酸塩を含有してなるキャストコート
    紙用塗料組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の組成物を塗工してなるキャ
    ストコート紙。
JP4749988A 1988-03-02 1988-03-02 塗料組成物および該組成物を塗工してなるキャスコート紙 Expired - Fee Related JP2612586B2 (ja)

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