JP2610937B2 - 高耐久性低水素過電圧陰極 - Google Patents

高耐久性低水素過電圧陰極

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は高耐久性低水素過電圧陰極、特には酸化性環
境下においても特性の劣化が極めて小さい低水素過電圧
陰極に関する。
(従来の技術) 低水素過電圧陰極、特にハロゲン化アルカリ水溶液電
解用の陰極として各種のものが提案されている。これら
の中で、本出願人が既に提案した特開昭54−112785号公
報で開示されている電極は、それまでに知られた電極に
比べて低水素過電圧化及びその耐久性に関し、大きな効
果を持つものであるが、本発明者等は、更に検討を加え
た結果、上記公報で開示される電極もある場合には、必
ずしも耐久性が充分でない場合のあることを見出した、
この解決のため鋭意努力した結果本発明を見出すに至っ
たものである。
ハロゲン化アルカリ水溶液電解槽で電解により陽極室
からはハロゲンガス、陰極室からは苛性アルカリ水溶液
と水素ガスを製造することは既によく知られた工業的な
塩素及び苛性アルカリの製造法である。この電解槽の陰
極としては低水素過電圧の上述の如き陰極が好ましく用
いられるが、上記電解槽は運転の途中、種々の理由によ
り運転を停止することがあり、この場合、運転を再開す
ると水素過電圧の上昇することが認められた。本発明者
等はこの現象について深く追求した結果、電解槽の停止
時に陽極と陰極をブスバーで短絡して停止する停止方法
の場合には、短絡時に発生する逆電流により陰極が酸化
され、ニッケルやコバルトを活性成分とした陰極の場合
はそれらが水酸化物に変質することにより電極活性が低
下し、運転再開後も元の活性状態に戻らない(即ち水素
過電圧が上昇する)ことをみいだした。
また、陽極と陰極を短絡せずに通電を停止する停止方
法においても、高温高濃度NaOH中に陰極が長時間浸漬さ
れると、陰極活性成分がニッケル又はコバルトの場合に
はそれらが腐食電位に突入して水酸化物に変質して(こ
の反応も一種の電気化学的酸化反応である)電極活性が
低下することをみいだした。
(発明の解決をしようとする課題) 本発明は、上記使用条件下でも電極活性の低下しない
陽極を提供するものである。
(課題を解決するための手段) そこでこの現象を防止するために鋭意検討した結果、
電気化学的に水素の吸蔵、放出を行い、かつ水素過電圧
の低い水素吸蔵金属を電極活性成分の5〜90wt%に用い
れば、前記の様な電槽の停止においては、水素吸蔵金属
中に吸蔵された多量の水素が電気化学的に酸化されるこ
とで電極活性成分の酸化を効果的に防止できること、即
ち活性を長期に維持できることを見出し、本発明を完成
したもので、本発明は電極活性金属粒子の一部が電極芯
体上に設けた層の表面に露出してなる電極において、該
電極活性粒子の5〜90%が電気化学的に水素の吸蔵及び
放出のできる水素吸蔵金属である高耐久性低水素過電圧
陰極を要旨とするものである。
ここで電気化学的に水素を吸蔵及び放出できる水素吸
蔵金属とはアルカリ性水溶液中で次の様な電極反応を行
うものを言う。即ち還元反応では水を還元して生成した
水素原子を金属中に吸蔵し、酸化反応では吸蔵水素を金
属表面で水酸イオン反応させて水にする反応を行うもの
をいう。反応式を以下に示す。
Mは水素吸蔵金属でありMHxはそれの水素化物を示
す。この水素吸蔵金属を電極活性粒子の5〜90wt%とし
た陰極を用いて、例えばイオン膜法による食塩電解を行
った場合、通電初期には反応式(1)の右向き反応によ
り水素吸蔵金属中に水素が吸蔵され、やがて水素の吸蔵
が飽和に達すると以下に示す反応(2)により、水素吸
蔵金属の表面で水素が発生し、本来の陰極上における電
極反応が進行する。
H2O+e→1/2H2+OH-(2) 一方、電槽の短絡などによる停止時には、水素吸蔵金
属中に大量に吸蔵された水素が電気化学的に反応式
(1)の左向きの反応より水素を放出し、即ち電気化学
的に水素を酸化して酸化電極を負担することにより電極
活性粒子自体の酸化を効果的に防止することができる。
この様に本発明に使用しうる水素吸蔵金属は上述の如
く、電気化学的に水素を吸蔵呼び放出できるものであ
り、具体的にはMmzMi5-(x+y)AlxMy(Mm:ミッシュメタ
ル、MはMn,Cu,Cr,Co,Ti,Nb,Zr及びSiから選ばれる1種
または2種以上の元素であり、かつ、0.7≦z≦1,0<x
<3,0<y<3,0<x+y≦3である。)で表わされるミ
ッシュメタルニッケル多元系合金である。z>1では、
水素吸蔵金属の苛性アルカリ溶液中での耐食性に問題が
あり、長時間の使用に耐えない。x=y=0では水素吸
蔵金属の平衡圧が高く、上述のような電極性粒子の酸化
を防止する効果が小さく、またz<0.7,x+y>3の場
合は水素吸蔵金属に吸蔵しうる水素量が減少し、本発明
の効果が不十分となってしまう。したがって、0.7≦z
≦1,0<x<3,0<y<3,0<x+y≦3であることが必
要であり、好ましくは0.8≦z≦0.95,0.25≦x+y≦2.
5である。
本発明に用いられる電極活性金属粒子は、上述のよう
な水素吸蔵金属と、水素過電圧の低いラネーニッケル及
び/又はラネーコバルトからなる。所記の目的を達する
ためには、該水素吸蔵金属を電極活性金属中で5〜90wt
%、特には10〜80wt%存在せしめることが好ましい。な
ぜなら、水素吸蔵金属の割合が5wt%未満では短絡時に
放出される水素の量が少ないために短絡によってニッケ
ルやコバルトの活性成分が酸化されて電極活性が低下
し、水素過電圧が大きくなってしまい、また90wt%を超
えると水素過電圧の低いラネーニッケル及び/ラネーコ
バルトの割合が小さくなるので、水素過電圧が高くなる
ためである。
またこれらの水素吸蔵金属は水素の吸蔵、放出により
脆性破壊をおこし微粉化していくことが知られているた
め、この微粉化による脱落等を防ぐために、あらかじめ
機械的な粉砕や気相中で水素ガスの吸蔵放出をくり返す
ことにより微粉化した金属を用いたり、こ脱落を防止す
るためマトリックス材としても前記ラネーニッケルやラ
ネーコバルトの外に、金属粒子、例えばニッケル粉末や
バインダーとしてポリマー粉末等を用いてもよい。
上述の水素吸蔵金属粒子の平均粒径は、電極表面の多
孔性度及び後述する電極製造の際の粒子の分散性にも関
係するが、0.1μ〜100μであれば充分である。
上記範囲中、電極表面の多孔性等の点から、好ましく
は0.9μ〜50μ、更に好ましくは1μ〜30μである。
更に本発明に用いる粒子は、電極のより低い水素過電
圧を達成するため、表面多孔性であることが好ましい。
この表面多孔性は、粒子の全表面が多孔性であること
のみを意味するものでなく、前述した金属から成る層よ
り露出した部分のみが多孔性になっておれば充分であ
る。
多孔性の程度は、その程度がかなり大きい程好ましい
が、適度に多孔性にすると電極芯体上に設けられた層の
機械的強度が低下する為多孔度(porosity)が20〜90%
にすることが好ましい。上記範囲中更に好ましくは35〜
85%、特に好ましくは50〜80%である。
尚、上記多孔度とは、公知の水銀圧入法或いは水置換
法によって測定される値である。
上術の電極活性金属粒子が金属基体上に強固に設けら
れるための層は、該粒子を構成する成分の一部と同じ金
属であることが好ましい。
かくして、本発明の陰極の電極表面には、多数の上述
の粒子が付着しており、巨視的に見ると、陰極表面は微
多孔性になっている。
このように本発明の陰極は、それ自体低い水素過電圧
を有する粒子が電極表面に多数存在し、且つ前述した通
り、電極表面が微多孔性になっているため、それだけ電
極活性面が大きくなり、これらの相乗効果によって、効
果的に水素過電圧の低減を計ることができる。
しかも本発明に用いられる粒子は、上記金属からなる
層によって、電極表面に強固に付着しているので、劣化
しにくく、上記低水素過電圧の持続性を飛躍的にのばす
ことができる。
本発明の電極芯体はその材質として任意の適当な導電
性金属、例えばTi,Zr,Fe,Ni,V,Mo,Cu,Ag,Mn,白金族金
属,黒鉛,Crから選ばれた金属又はこれらの金属から選
ばれた合金が採用し得る。この内Fe,Fe合金(Fe−Ni合
金,Fe−Cr合金,Fe−Ni−Cr合金など)、Ni,Ni合金(Ni
−Cu合金,Ni−Cr合金)など、Cu,Cu合金などを採用する
ことが好ましい。特に好ましい電極芯体の材質はFe,Cu,
Ni,Fe−Ni合金,Fe−Ni−Cr合金である。
電極芯体の構造は、使用する電極の構造に合わせて任
意適宜な形状寸法にすることができる。その形状は、例
えば板状、多孔状、網状(例えばエクスバンドメタルな
ど)、すだれ状等が採用でき、これらを平板状、曲板
状、筒状にしてもよい。
本発明の層の厚みは、採用する粒子の粒径にもよる
が、20μ〜2mmであれば充分で、更に好ましくは25μ〜1
mmである。これは本発明では、前述した粒子の一部が電
極芯体上の金属から成る層に埋没した状態で、付着せし
めるからである。本発明の電極表面をその断面で見る
と、電極芯体上に金属からなる層が設けられ、該層に電
極活性金属粒子の一部が、その層の表面から露出する様
に含まれている。なお、該層中の粒子の割合は5〜80wt
%であることが好ましく、更に好ましくは10〜60wt%で
ある。かかる状態の外、電極芯体と本発明の粒子を含む
層との間に、Ni,Co,Ag,Cuから選ばれた金属から成る中
間層を設けることによって、更に本発明の電極の耐久性
を向上させることができる。かかる中間層は上記層の金
属と同種又は異種であっても差しつかえないが、かかる
中間層を前述した層との付着性の点からこれらの中間層
及び層の金属は同種のものであることが好ましい。中間
層の厚みは、機械的強度等の点から5〜100μであれば
充分であり、更に好ましくは20〜80μ、特に好ましくは
30〜50μである。
電極表面層の具体的な付着手段としては、種種の手法
が採用され、例えば複合メッキ法、溶融塗付法、焼付
法、加圧形成焼結法などが採用される。この内、特に複
合メッキ法が、良好に電極活性金属粒子を付着し得るの
で好ましい。
複合メッキ法とは、金属層を形成する金属イオンを含
む水溶液に、一例としてニッケルを該合金成分の一部と
する粒子を分散せしめた浴で、電極芯体を陰極としてメ
ッキを行い、電極芯体上に、上記金属と粒子を共電着せ
しめるものである。尚、更に詳しく述べれば、浴中で粒
子は電場の影響によってバイポーラーとなり、陰極表面
近傍に接近したときメッキの局部的電流密度を増大さ
せ、陰極に接触したとき通常の金属イオンの還元による
金属メッキにより芯体に共電着するものと考えられる。
例えば、金属層としてニッケル層を採用する場合、全
塩化ニッケル浴、高塩化ニッケル浴、塩化ニッケル−酢
酸ニッケル浴、ワット浴、スルファミン酸Ni浴など種々
のニッケルメッキ浴が採用しうる。
この様な粒子の浴中での割合は、1g/〜200g/にし
ておくことが電極表面に粒子の付着状態を良好にする意
味から好ましい。又分散メッキ作業時の温度条件は20〜
80℃6、電流密度は1A/dm2〜20A/dm2であることが好ま
しい。
尚、メッキ浴には、歪減少用の添加材、共電着を助長
する添加剤等を適宜加えてよいことはもちろんである。
また粒子の密着強度をさらに向上させるために、複合
メッキ終了時に、粒子を完全には被覆しない程度に普通
のメッキ又は無電解メッキを行ったり、不活性又は還元
性雰囲気中で加熱焼成等を適宜行ってもよい。
この外前述した様に、電極芯体と粒子を含む金属層と
の間に中間層を設ける場合は、電極芯体をまずNiメッ
キ、Coメッキ又はCuメッキし、その後前述した分散メッ
キ法、溶融噴霧法の手段でその上に粒子を含む金属層を
形成する。
かかる場合のメッキ浴としては上述した種々のメッキ
浴が採用で、Cuメッキについても公知のメッキ浴が採用
できる。
この様にして、電極芯体上に金属層を介して水素吸蔵
金属を含む電極活性金属粒子が付着した電極が得られ
る。
次に、本発明の陰極を製造する別の方法について説明
する。
本発明の陰極は溶融塗布法あるいは焼付法によっても
製造されうる。即ち、水素吸蔵金属粉末と他の低水素過
電圧金属粉末との混合粉末(例えば、溶融粉砕法によっ
て得られる)を所定粒度に調整し、プラズマ、酸素/ア
セチレン炎等により溶融吹付けし、電極芯体上にこれら
粒子の部分に露出した被覆層を得たり、あるいはこれら
の粒子の分散液ないしスラリーを電極芯体上に塗布し、
焼成により焼付け、所望の被覆層を得るものである。
また、本発明の陰極は水素吸蔵金属を含む電極シート
を予め製作しておき、これを電極芯体上に取付けること
によっても得られる。この場合、該シートは、水素吸蔵
金属の粒子と他の金属粒子(例えば低水素過電圧特性を
示すラネー合金等)を有機ポリマー粒子と混合して成形
し、又は成形後焼成してシートとなす方法が好ましい。
勿論、この場合該シートの表面から電極活性粒子が露出
している。かくして得られる該シートは電極芯体上に圧
着し、加熱して電極芯体上に固着される。
本発明の電極はイオン交換膜法塩化アルカリ水溶液電
解用の電極、特に陰極として採用できることはもちろん
であるが、この外、多孔性融膜(例えばアスベスト融
膜)を用いた塩化アルカリ水溶液電解用の電極としても
採用し得る。
塩化アルカリ電解用電極として用いる場合、電解槽材
料から陰極液中に溶出する鉄分が陰極上に電析し、電解
活性を低下せしめることがあり、これを防止するため
に、本発明の陰極上に、特開昭57−143482号公報で開示
されるような非電子電導性物質を付着せしめることは、
有効な方法である。
(発明を実施するための最良の形態) 実施例1〜13 表1に示したミッシュメタル多元系水素吸蔵合金を25
μm以下に粉砕し、この粉末を塩化ニッケル浴(NiCl2
・6H2O 300g/,H3BO3 38g/)中に0.75g/の割合で
投入し、さらに市販のラネーニッケル合金粉末(日興リ
カ製、Ni 50wt%、Al 50wt%、500メッシュパス)を前
記メッシュ液に4.5g/の割合で投入し、これをよく撹
拌しながらNi製エキスパンドメタルを陰極とし、Ni板を
陽極として複合メッキを行った。温度は40℃、pHは2.
5、電流密度は3A/dm2とした。この結果いずれも、ミッ
シュメタルニッケル多元系水素吸蔵合金の共析量が0.7g
/dm2、ラネーニッケル合金の共析量が2.8g/dm2、すなわ
ち、共析した電極活性金属粒子中の水素吸蔵金属の割合
が20wt%、ラネーニッケル合金が80wt%のミッシュメタ
ルニッケル多元系水素吸蔵合金とラネーニッケル合金の
共存する複合メッキ層が得られた。このメッキ層の厚み
は約150u、多孔率は約70%であった。この試料を90℃の
25%NaOH溶液に2時間浸漬してラネーニッケル合金のAl
を展開した後、これらの電極を、陽極をRuO2−TiO2
し、含フッ素系陽イオン交換膜(旭硝子(株)製CF2=C
F2とCF2=CFO(OF23COOCH3との共重合体、イオン交換
容量1.45meq/g樹脂)をイオン交換膜とする食塩電解槽
用陰極として用い、短絡に対する抵抗性試験を行った。
陽極液は3N NaCl溶液、陰極液を35%NaOHとし90℃で電
流密度30A/dm2として電解開始後200日目につぎの短絡試
験を実施した。
まず電解中の陽極と陰極を銅線により短絡して電解を
停止し、そのまま約5時間放置した。この間陰極から陽
極へ流れる電流を観測した。なお陰極液の温度は90℃に
保持した。その後この銅線をとりはずして1日間電解を
行った。この操作を5回くり返した。
試験終了後さらに30日間電解を続けた後、電極を取り
出して35%NaOH,90℃、電流密度30A/dm2で各電極の水素
過電圧を測定し、試験前の値とともに表1に示した。い
ずれも試験前とほとんど変わらなかった。
比較例1〜3 実施例1のMmNi4.7Al0.2Mn0.1をMmNi5,Mm1.1Ni2.5Al
0.5Co2.0またはMm0.6Ni2.5Al0.5Co2.0に変えた以外は実
施例1と同様に電極を製造し、同時に試験した結果を表
1に示した。試験後に30〜100mVの水素過電圧の上昇が
認められた。
実施例14 実施例4の塩化ニッケル浴への金属粉末の投入量をMm
Ni2.5Al0.5Co2は5g/、ラネーニッケル合金粉末も5g/
の割合に変えた以外は実施例4と同様にして複合メッ
キを行った。この結果MmNi2.5Al0.5Co2の共析量が5g/dm
2、ラネーニッケル合金の共析量が2g/dm2すなわちMmNi
2.5Al0.5Co2の割合が71%、ラネーニッケル合金の割合
が29%のMmNi2.5Al0.5Co2とラネーニッケル合金が共存
する複合メッキ層が得られた。このメッキ層の厚みは約
280μm、多孔率は約65%であった。
この電極を用いて実施例4と同じ短絡試験を行った。
試験終了後水素過電圧を測定した結果75mVでまったく変
化していなかった。
実施例15 MmNi4.8Al0.1Ti0.1粉末(30μ以下)と市販の安定化
ラネーニッケル粉末(川研ファインケミカル製、商品名
“ドライラネーニッケル”とを高塩化ニッケル浴(NiSO
4・6H2O 200g/,NiCl2・6H2O 175g/,H3BO3 40g/)
中にそれぞれ10g/ずつ投入し、これをよく撹拌しなが
らNi製パンチングメタルを陰極とし、Ni板を陽極として
複合メッキを行った。温度は50℃、pHは3.0、電流密度
は4A/dm2とした。この結果、MmNi4.8Al0.1Ti0.1と安定
化ラネーニッケルを含む複合メッキ層が得られ、この中
のMmNi4.8Al0.1Ti0.1の共析量は5g/dm2、安定化ラネー
ニッケルの共析量は2g/dm2、すなわち、共析した電極活
性金属粒子中のMmNi4.8Al0.1Ti0.1の割合が71%、ラネ
ーニッケル合金の割合が29%のLaNi5とラネーニッケル
合金の共存する複合メッキ層が得られた。また、このメ
ッキ層の厚みは約250μ、多孔率は約60%であった。こ
れを用いて実施例1と同じ短絡試験を行った。試験終了
後水素過電圧を測定した結果70mVであり試験前とほとん
ど変らなかった。
実施例16 実施例4のラネーニッケル合金粉末を展開済ラネーニ
ッケルに変えた以外は同じ条件で複合メッキを行った。
その結果MmNi2.5Al0.5Co2.0と展開ラネーニッケルを含
む複合メッキ層が得られ、MmNi2.5Al0.5Co2.0の共析量
は5g/dm2、展開ラネーニッケルの共析量は3g/dm2であっ
た。すなわち、共析した電極活性金属粒子中のMmNi2.5A
l0.5Co2.0の割合が63%、ラネーニッケル合金の割合が3
7%のMmNi2.5Al0.5Co2.0とラネーニッケル合金の共存す
る複合メッキ層が得られた。このメッキ層の厚みは約40
0μ、多孔率は約70%であった。これを実施例1と同様
に短絡試験を行った。試験終了後の水素過電圧は80mVで
あり試験前と変らなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−211543(JP,A) 特開 昭63−69776(JP,A) 特公 昭61−12032(JP,B2) 大角泰章「金属水素化物その物性と応 用」(昭58−12−25)化学工業社 P. 129−158

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電極活性金属粒子が電極芯体上に設けられ
    てなる電極において、該電極活性金属粒子の5〜90wt%
    が電気化学的に水素を吸蔵及び放出できる水素吸蔵金属
    であり、その水素吸蔵金属が次式 MmzMi5-(x+y)AlxMy (ただし、Mmはミッシュメタル,MはMn,Cu,Cr,Co,Ti,Nb,
    Zr及びSiから選ばれる1種または2種以上の元素であ
    り、かつ、0.7≦z≦1,0<x<3,0<y<3,0<x+y≦
    3である。) で表わされる高耐久性低水素過電圧陰極。
  2. 【請求項2】電極活性金属粒子の一部が、ラネーニッケ
    ル及び/又はラネーコバルトからなる粒子である請求項
    1の高耐久性低水素過電圧陰極。
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