JP2610546B2 - 車輌用前照灯の反射鏡 - Google Patents

車輌用前照灯の反射鏡

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JP2610546B2
JP2610546B2 JP3023830A JP2383091A JP2610546B2 JP 2610546 B2 JP2610546 B2 JP 2610546B2 JP 3023830 A JP3023830 A JP 3023830A JP 2383091 A JP2383091 A JP 2383091A JP 2610546 B2 JP2610546 B2 JP 2610546B2
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F21LIGHTING
    • F21SNON-PORTABLE LIGHTING DEVICES; SYSTEMS THEREOF; VEHICLE LIGHTING DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR VEHICLE EXTERIORS
    • F21S41/00Illuminating devices specially adapted for vehicle exteriors, e.g. headlamps
    • F21S41/30Illuminating devices specially adapted for vehicle exteriors, e.g. headlamps characterised by reflectors
    • F21S41/32Optical layout thereof
    • F21S41/33Multi-surface reflectors, e.g. reflectors with facets or reflectors with portions of different curvature
    • F21S41/334Multi-surface reflectors, e.g. reflectors with facets or reflectors with portions of different curvature the reflector consisting of patch like sectors

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明車輌用前照灯の反射鏡は配
光制御機能を備えた反射鏡であって、光源の近くに遮光
部材を設けることなく反射面の全面を有効に使ってすれ
違いビームに特有のカットラインを有する配光パターン
を形成することができるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用前照灯において、規格に適合す
るすれ違いビーム配光を得る上で最も基本的な構成は、
図57に示すように回転放物面状をした反射鏡aの焦点
bの近傍にコイル状のフィラメントcをその中心軸が反
射鏡aの光軸(これをx軸に選び、水平軸をy軸、鉛直
軸をz軸に選ぶ。)に沿うような配置(所謂C8タイプ
のフィラメント配置)にすると共に、反射鏡aの前方に
配光制御用のアウターレンズdを配置することである。
【0003】尚、図57ではフィラメントcが円筒状を
なし、その前端が平坦でその後端(焦点b側)が円錐形
状をした鉛筆形状に描かれているが、これはフィラメン
トcの投影像に関する向きを明確化するために採用した
便宜上の表記法である。
【0004】eはカットラインを形成するためのシェー
ドであり、フィラメントcの下方に位置されており、図
58に斜線で示すように反射鏡aの略下半面aLへの照
射光をカットする働きを有している。
【0005】しかして、反射鏡aによるフィラメント像
は図59に示すようになり、また、アウターレンズdに
よって最終的に配光制御になされたパターンは図60に
示すような形状となる。
【0006】尚、図59は反射鏡aの前方に所定の距離
をおいて配置されたスクリーン上に映し出されるフィラ
メントcの投影像を概略的に示すもので、「H−H」は
水平線、「V−V」は鉛直線をそれぞれ表わしており、
点「HV」は両者の交点である。
【0007】図59から判るように、アウターレンズd
が存在しない場合にはシェードeによって反射面への照
射光の一部が遮られることになるので、カットラインを
除くH−H線より上の部分(図59に破線で示す。)が
とり除かれた扇状(中心角=180 °+カットラインの角
度)となる。そして、これがアウターレンズdによって
水平方向に拡散されて図60に示すような配光パターン
が得られることになる。
【0008】ところで、自動車の空力学的見地(つま
り、空気抵抗係数の低減)から車体の流線形化が求めら
れるようになり、所謂スラント・ノーズ化が進むと、こ
れに適用するようにアウターレンズが鉛直軸に対してか
なり傾斜されたタイプの前照灯が用いられる。
【0009】そして、アウターレンズが鉛直軸に関して
なす角、所謂スラント角が大きくなってくると、アウタ
ーレンズの配光制御機能に頼る訳にはいかなくなり、ア
ウターレンズに形成される広拡散レンズステップによる
光の垂れ現象(配光パターンの左右両端部が垂れる現
象)が顕著になる。
【0010】そこで、これを解決するために今までアウ
ターレンズに課せられた配光制御機能を反射鏡に転嫁さ
せるという傾向が近時強くなっている。
【0011】配光制御機能を有する反射鏡が好ましいと
されることについては、低ボンネット化への対応という
観点からも支持される。即ち、バンパーからボンネット
先端迄の高さがあまり高くない車体形状に対しては、上
下幅の狭い前照灯が好ましいが、この場合、光束の利用
率が問題となる。つまり、シェードによってカットライ
ンを形成する方法では、シェードによって光が遮られる
という点で光束を有効に利用することができず、よっ
て、このためにはシェードを用いることなくカットライ
ンを形成する必要が生じてくる。そこで、反射鏡の全反
射面を用いて、しかも反射鏡の形状のみによりカットラ
インを形成するという考え方が生まれてくるが、これは
結局のところ反射鏡が配光制御機能をもつようにするこ
とに他ならない。
【0012】上記したような配光制御機能を有する反射
鏡に関してはその形状や焦点位置等に工夫を凝らすこと
によって様々なものが提案されている。
【0013】例えば、反射面を複数の反射領域に分割す
ると共に、各反射領域の有する焦点位置を一致させず
に、これらを反射鏡の主光軸上においてずらす方法が知
られており、一例としては、米国特許4,772,98
8号公報にて開示されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、配光制御機
能をもつ従来の反射鏡にあっては、反射鏡の下側部分に
おける反射領域による配光パターンに関して一定の限界
があり、水平線H−Hの直下における光量が相対的に低
くなる傾向があり、光度分布に問題がある。
【0015】この点を明確にするために図57に示した
ような回転放物面状の反射面を上下に2分割すると共に
各焦点位置を光軸上において前後にずらすか、又は各々
の領域に対して相異なる焦点距離を有するようにしたモ
デルを想定する。即ち、反射鏡の上半面の焦点をフィラ
メントの後端近傍に位置させ、反射鏡の下半面の焦点を
フィラメントの前端近傍に位置させる。
【0016】図61はシェードeを用いないときの反射
鏡aによるパターンfを示しており、上半面と下半面と
は対称形ではなくカットラインを形成する部分が上半面
側に含まれているため、上半面によるパターンgと下半
面によるパターンhとはH−H線に関して非対称となっ
ている。
【0017】図62は焦点位置を異にする反射鏡によっ
て得られるパターンiを示しており、上半面によるパタ
ーンjは図61のパターンgと同形状で、同じ配置とな
り、また、下半面によるパターンkは、図61のパター
ンhと同形状ではあるが点HVの回りに180°だけ回
転させた配置となり、水平線H−Hより下方に位置して
いる。
【0018】図から判るように、水平カットライン直下
の領域Aではパターンjとkとが重なる領域Bに比べ光
量が相対的に低くなるため、カットラインに近づくにつ
れて明るさの変化が緩慢になり、鮮明なカットラインを
形成することが困難となる。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した課題
を解決するために、すれ違いビームの配光パターンに関
して水平線より下方に位置するパターン像の形成に関係
する反射面の形状を、仮想的な回転放物面をこれに対し
てある関係を有する仮想平面で切ったときの交線の集合
体として形成するものである。
【0020】即ち、仮想的な回転放物面は、基準放物線
の焦点からある距離をおいて偏位した基準点(頂点から
の距離は基準放物線の焦点距離より長い。)を焦点と
し、該焦点から光が発したと仮定したときに基準放物線
上のある点で反射した光の光線ベクトルに平行な光軸を
有し、かつ、反射点を含むような放物面と想定される。
【0021】また、仮想平面は、上記反射点を通り、反
射光の光線ベクトルを含んで、しかも鉛直線に平行な平
面と想定される。
【0022】そして、これらの仮想的な放物面や平面は
基準放物線上の任意の点ごとに存在し、両者の交線の集
まりが本発明に係る反射面を形成する。
【0023】
【作用】本発明において、基準放物線の焦点と、それか
ら偏位した基準点との間において、両点を通る軸に沿っ
て光源体を配置し、基準放物線上の点毎に想定される仮
想的な回転放物面と仮想平面との交線上の任意の点によ
る光源体の投影像を遠方のスクリーン上に映し出したと
すると、投影像は交線に応じた水平線上の点(但し、基
準放物線の頂点に対応するスクリーン上の点は除く)を
回転中心とし、水平線の下方で、かつ、水平線に近接し
た配置となる。これは、反射面の全面が回転放物面状に
形成されている場合に、該回転放物面を鉛直軸に平行な
面で切ったときの交線上の点によって焦点近くに位置さ
れた光源体を遠方のスクリーン上に投影したときの投影
像が、常に基準放物線の頂点に対応したスクリーン上の
点を回転中心として水平線の上下に亘って均等な方位を
もって配置されるのとは対称的である。
【0024】つまり、本発明の反射面を反射面を反射鏡
の下半面に用いると、下半面による光源体の投影像は水
平線の下方に位置し、その光度分布に関しては水平線の
近い部分に明るさのピークが存在する。
【0025】従って、本発明によれば、シェード等を用
いることなく反射面の全面を有効に使い、その配光制御
機能により規定のすれ違いビームのパターンを得ると共
に、鮮明なカットラインを形成することができ、また、
光度分布の中心が水平線からだいぶ下方にずれたところ
に位置してしまうといったような不都合もない。
【0026】
【実施例】以下に、本発明車輌用前照灯の反射鏡の詳細
を図示した実施例に従って説明する。
【0027】反射面の形状について説明する前にその概
要について説明する。
【0028】先ず、本発明における基本的な考え方を説
明するために、反射面上の場所の変化に対するフィラメ
ントの投影の変化が従来の回転放物面状をした反射面の
場合とどのように相違するかを両者の対比により明らか
にする。
【0029】図1は反射面1を光軸(これをx軸に選ぶ
と、このx軸は紙面に垂直な方向に延びている。)方向
から眺めたときの概略的な正面図であり、x軸に直交し
かつ水平方向に延びる軸がy軸に選ばれ、x軸に垂直で
かつ鉛直方向に延びる軸がz軸として選ばれている。そ
して、この直交座標系の原点Oが電球取付孔2の中心に
位置している。
【0030】図において、線分OC及びx軸を含む平面
とy軸との間になす角θはカットラインの角度に相当し
ており、この平面(但し、y<0)とx−y平面(但
し、y>0)とによって反射面1が上下に2つの反射領
域3、4に分けられる。
【0031】そして、上側の反射領域3は図2に示す点
F(原点Oからx軸の正方向に距離fだけ離れた点)を
焦点とする回転放物面の一部をなす形状とされている。
【0032】また、下側の反射領域4は本発明に係る反
射鏡においてさらに2つの領域4L、4Rに区分けされ
ている。尚、回転放物面鏡の場合にはこの反射領域4は
点Fを焦点とする回転放物面の一部をなす形状をしてい
ることは勿論である。
【0033】先ず、回転放物面鏡に関するフィラメント
5の投影像の変化について説明する。
【0034】この場合、フィラメント5は図2に示すよ
うに点Fと点D(点Fからx軸の正方向に距離dだけ偏
位した点)との間に位置されており、フィラメント5の
方位を便宜上明確にするためにフィラメント5の端部の
うち点F側の端部を円錐状に尖った形状とし、点D側の
端部を平坦面とする約束を採用する。
【0035】そして、図1において1点鎖線で示す四角
形状の領域6を考え、その右側(つまり、y>0)の領
域4Rにおいて原点O寄りに位置するy座標が一定の面
と反射面1との交線7上の5つの代表点や、右端近辺に
おいてy座標が一定の面と反射面1との交線8上の5つ
の代表点によるフィラメント像が反射面1の遠方に配置
されたスクリーン上にどのように映し出されるかについ
て説明する。
【0036】尚、交線7上の代表点については、z座標
の大きいものから順に点A7、B7、C7、D7、E7
とし、点A7と点B7が領域3に属し、点C7がy軸上
に位置し点D7と点E7が領域4Rに属するものとし、
点A7と点E7、点B7と点D7はそのz座標の絶対値
が互いに等しいものとする。また、交8上の代表点に
ついてはz座標の大きいものから順に点A8、B8、C
8、D8、E8とし、点A8と点B8が領域3に属し、
点C8がy軸上に位置し、点D8と点E8が領域4Rに
属しており、点A8と点E8、点B8と点D8とはその
z座標の絶対値が互いに等しいものとする。
【0037】図3及び図4は反射面1が回転放物面状に
形成されている場合のフィラメント像の配置を概略的に
示しており、図3は交線7上の各代表点によるフィラメ
ント像を示し、図4は交線8上の各代表点によるフィラ
メント像を示している。
【0038】図におけるI(X)は( )内に示す代表
点Xによるフィラメント像を示しており、図3と図4に
おいて、フィラメント像の大きさに違いはあっても、い
ずれの場合も水平線H−Hと鉛直線V−Vとの交点HV
を回転中心としてフィラメント像が配置される傾向がみ
られる。つまり、図に代表点が上からA7(8)→B7
(8)→C7(8)→D7(8)→E7(8)と変化す
るにつれてフィラメント像の方は矢印Cに示すようにそ
の尖った方の端部が常に点HVの方を向いた状態で水平
線H−Hの下方から点HVを中心に反時計回りに回転し
て行く。
【0039】図5及び図6は、反射面1が、回転放物面
を半截した形状の反射領域3と、本発明に係る反射領域
4とから構成されている場合のフィラメント像の配置を
概略的に示しており、図5が交線7上の各代表点による
フィラメント像を示し、図6は交線8上の各代表点によ
るフィラメント像を示している。
【0040】図において、J(X)は( )内に示す各
代表点Xに対応するフィラメント像の配置を示してお
り、代表点A7(8)、B7(8)、C7(8)による
フィラメント像は領域3が半截した回転放物面状をして
いることから明らかなように、点HVを中心とした回転
の変化をみせるが、代表点D7、E7によるフィラメン
ト像は水平線H−H上において点HVからある距離だけ
離れた点RC7を回転中心とし、また、点D8、点E8
によるフィラメント像は水平線H−H上において点HV
からある距離だけ離れた点RC8(点HVからの距離は
点RC7より近い)を回転中心とする。
【0041】図5と図6においてフィラメント像の変化
の様子はほぼ同じであるので、フィラメント像の大きい
図5について説明すると、代表点が上からA7→B7→
C7と移るにつれて、フィラメント像の方は水平線H−
Hの下方から点HVを中心として反時計回りに回転した
後水平線H−H上に位置し、その後代表点がD7→E7
と下ると矢印Mに示すように点RC7を中心にして反時
計回りで、しかも水平線H−Hの下側で回転するという
変化をみせ、フィラメント像の平坦な端部が常に点RC
7の方を向くようにして水平線H−Hの直下に位置す
る。
【0042】尚、この例では2つの交線7、8を特定し
た上で反射領域4に属する各代表点によってフィラメン
ト像が点RC7や点RC8をそれぞれ回転中心として変
化する様子を説明したが、別の交線を選べば、該交線に
対応する水平線H−H上の別の回転中心が存在し、この
ように回転中心が各交線に応じて水平線H−H上に無数
に存在することは勿論である。
【0043】領域4が回転放物面状をなすか、本発明に
係る反射面状をなすかによって上記したようなフィラメ
ント像の変化に違いが生じる理由を定性的に示したもの
が図7及び図8である。
【0044】図7は反射面1が回転放物面状をなしてい
る場合において下側の反射領域4Rの代表点C8及びD
8によるフィラメント5の投影像を示す光路図である。
【0045】図から分かるように点C8はx−y平面上
における放物線9上に位置しており、代表点C8による
フィラメント像は遠方に配置されたスクリーンSCN上
に像I(C8)として映し出されるが、その途中におけ
る仮想的な像10が破線によって示されている。
【0046】また、代表点D8は放物線状の交線8上に
おいて代表点C8より下方に位置しており、代表点D8
によるフィラメント像I(D8)がスクリーンSCN上
に映し出される途中での仮想的な像11が破線によって
示されている。
【0047】図7において放物線状の交線8はx軸に平
行な光軸を有しているため、点Fから発した後代表点C
8で反射した光12と、点Fから発した後代表点D8で
反射した光13とは平行になる。
【0048】代表点C8によるフィラメント像I(C
8)はその長手方向の中心軸が水平線に平行となるよう
に投影され、また代表点D8によるフィラメント像I
(D8)はその長手方向の中心軸が水平線に対してある
角度をもって傾斜した状態で投影されることになるが、
像10、11の尖った方の端部に関する光は常に平行で
あり、これが遠方で一致するため、フィラメント像が点
HVを回転中心とした変化が現われることになる。
【0049】これに対して、下側の反射領域4が本発明
に係る反射面形状を有する場合には図8に示すような状
況となる。即ち、スクリーンSCN上にフィラメント像
が映し出される途中段階における像(破線で示す)に関
しては、代表点C8による像14が水平線に対して平行
になり、代表点D8による像15が水平線に対してある
角度をなすという点では前記した場合と同じであるが、
点Dから発した後代表点C8で反射した光16と、点D
から発した後代表点D8で反射した光17とが平行にな
るという点で差異がある。つまり、今度はフィラメント
像14、15の平坦な端部に関する光が平行となるよう
に交線8の形状が規定されているため、これらの平行光
が遠方で一致する点RC8を回転中心としたフィラメン
ト像の変化が現われることになる。
【0050】しかして、反射面1が回転放物面状をして
いる場合には反射面上の位置に応じてフィラメント像が
図7に示すように常に点HVを回転中心として移動する
ため、反射領域4からのフィラメント像はすれ違いビー
ムの配光上用いることができないのに対し、反射領域4
が本発明に係る反射面形状とされている場合には図5や
図6に示したように反射領域4によるフィラメント像は
水平線H−H上に位置する点(但し、点HVを除く)を
回転中心として常に水平線H−Hの直下に集まって分布
することになる。
【0051】次に、本発明に係る反射面を数式によって
定量的に表現する作業に移るが、理解を容易にするため
に先ず、すれ違いビームに特有のカットラインについて
は考慮の対象外に置き、反射面1が半截の回転放物面状
をした反射領域3と、これから求めようとする下側の反
射領域4の2つの領域から構成されている場合について
説明する。
【0052】この場合、反射領域4に用いられる反射面
の形状については次の2つの条件a)、b)が課せられ
る。
【0053】a)連続性の条件・・・反射領域3との境
界(つまり、x−y平面での断面)における形状が一致
すること。
【0054】b)フィラメント像の配置条件・・・反射
領域4によるフィラメント像が水平線H−H以下で、か
つできる限り水平線H−Hの近傍に配置されること。
【0055】即ち、連続性の条件a)は反射領域3と反
射領域4との間に不連続性があると、これに起因してグ
レアが発生するのを防止するために必要な条件であり、
また、フィラメント像の配置条件b)は反射領域4から
の反射光をカットすることなく配光パターン上に寄与す
る光として有効に利用するために必要な条件である。
【0056】ところで、条件b)については図8で説明
した状況をもう少し分析してみると次のように換言する
ことができる。即ち、水平線H−H上において点HV以
外の点を回転中心としてフィラメント像が配置するとい
うことは、点Dからの光が交線8上の点で反射した光1
6、17が常に平行であること、そして、この関係が任
意の交線毎に成り立っているということと等価である。
【0057】この事情をより詳細に示すと図9及び図1
0のようになる。
【0058】図中の点Pはx−y平面内の放物線18
(つまり、反射領域3と4との境界線)上に位置する任
意の点を示しており、点Fから発した光が点Pにおいて
反射したとすると反射光19はx軸に平行に進むことに
なる(進行方向をベクトルPSで示す)。
【0059】また、点Dから発した後点Pにおいて反射
した光20は反射の法則に従って光19よりは小さな反
射角で反射し、光19に対してある角度(これを「α」
と記す)をもって直進する(進行方向をベクトルPMで
示す。)。
【0060】ところで、今、点Dを焦点とし、点Pを通
り光線ベクトルPMに平行な光軸を有する仮想的な回転
放物面21(2点鎖線で示す)を考え、光線ベクトルP
Mを含み、かつ、z軸に平行な平面(これを「π1」と
記す。)で放物面21を切ったときの断面形状(つま
り、放物面21と平面π1との交線22)について考え
てみる。この断面形状が放物線状をしていることは勿論
であるが、点Dから発した後、この放物線22上の任意
の点で反射した光が互いに平行であるという関係が成立
するという事情に関して図8で示した状況に合致してい
る。つまり、このことは放物線18上の別の点P°に関
しても言えることであり、その場合、点Dを焦点とし該
焦点Dから発して点P°で反射した光に平行な光軸を有
する仮想放物面21´と、該仮想放物面21´の光軸に
平行で、かつ点P°を通りz軸に平行な平面との交線が
求める反射面の一部を構成する(尚、点Fから発した後
点P°で反射した光と、点Dから発した後点P°で反射
した光との間になす角α´は先の場合の角度αとは異な
ることに注意を要する。)。
【0061】このように放物線18上の任意の点P毎に
対応した仮想放物面と、該仮想放物面の光軸に平行で、
しかも点Pを通るz軸に平行な面との交線の集合が求め
る反射面となる。
【0062】以下では、反射領域4(つまり、x>0、
z<0)の反斜面の式を[表1]に示すパラメータを用
いた媒介変数表示により求める。
【0063】
【表1】
【0064】図11はz=0で切断したx−y平面であ
り、放物線18上の任意の点Pはパラメータqを用いて
P(q2/f、−2q、0)で表わすことができる(x
=q2/fとy=−2qの2式からqを消去すればy2
4fxという放物線の式が得られる)。尚、図11乃至
図13における各座標点の定義を[表2]に示す。
【0065】
【表2】
【0066】図12、図13は求める反射面の式を得る
上での幾何学的関係を説明するための概略的な斜視図で
あり、図12及び図13における「線」や「面」の定義
を[表3]に示す。
【0067】
【表3】
【0068】さて、反斜面の式を導出するためには光線
ベクトルPMに平行なベクトルEPを求め、点Pにおけ
る前述した仮想放物面21と平面π1との交線上の点B
の座標をそのz座標がパラメータhで表わされる場合に
ついて求めれば良い。
【0069】図11において点Fから発した後点Pで反
射した光についての反射角をφ(つまり点Pでの法線方
向をnとすると∠FPnに等しい)とすると、直線JP
がx軸に平行であること、点Nが線分JFの中点である
こと、そして、直線F′Jが放物線の準線であり、線分
FPの長さと線分JPの長さとが等しいという放物線の
幾何学的性質に着目すると、菱形PFP′は線分FJ
と線分PP′によって4つの合同な三角形ΔNFP、Δ
NJP、ΔNJP′、ΔNFP′に分割されることが判
る。
【0070】点Pにおける放物線18の接線PN(ある
いはPP´)に関して点Dに対称な点Eを求めることに
よって光線ベクトルPMに平行なベクトルEPが求めら
れる。
【0071】点Eの座標は点Jと点P´を通る直線23
と、点Dを通りベクトルNFに平行な直線24との交点
の座標として求めることができる。
【0072】直線23の式
【0073】
【数1】
【0074】直線24の式
【0075】
【数2】
【0076】従って、[数1]式と[数2]式とを連立
させて解くことによって点Eのx座標やy座標が[数
3]式に示すように求められる(尚、z=0は点Eがx
−y平面上の点であることから明らかである。)。
【0077】
【数3】
【0078】こうして、点P及び点Eの座標からベクト
ルEPが求まり、これを点の座標と区別するために列ベ
クトル表示で[数4]式に示す。
【0079】
【数4】
【0080】次に、ベクトルEPに平行な光軸をもつ仮
想放物面21と平面π1との交線22上の点Bの座標を
求める作業に移るが、ここでは仮想放物面21の表現式
を直接求めることなく(仮想放物面はあくまで思考過程
において利用する面であり、その形状を具体的に式で表
現することにはあまり意味がない。)、点Bの座標値を
算出する。
【0081】今、図12に示すように点Eからz軸に平
行な方向にhだけ偏位した点Hを考え、点Hと放物線2
2上の点B(zb=h)を通る直線25について考え
る。放物線22は仮想放物面21を平面π1で切ったと
きの交線であり、よって点Bから準線EHに垂した垂線
の足H迄の距離と、点Bと仮想放物面21の焦点Dとの
距離は等しいはずである(これは回転放物面の幾何学的
性質による)。
【0082】即ち、線分HBの長さと線分BDの長さが
等しい二等辺三角形HBD上の頂点が求める点Bである
から、図13に示すように点Bの座標を求めるためには
線分HBの中点FCを通りベクトルHDに垂直な平面π
3と、直線25との交点の座標を計算すれば良いことに
なる。
【0083】点FCは線分HDの中点であることから
[数5]式に示すように直ちに求められる。
【0084】
【数5】
【0085】そして、ベクトルHDは点H及び点Dの座
標に基づいて[数6]式に示すように求まる。
【0086】
【数6】
【0087】よって、平面π3は点FCを通り、ベクト
ルHDを法線ベクトルとする平面の表現式[数7]式に
よって表わされる。
【0088】
【数7】
【0089】また、直線25は点Pからz軸に平行な方
向にhだけ離れた点UPを通りベクトルEPを方向ベク
トルとする直線の式[数8]によって現われる。
【0090】
【数8】
【0091】しかして、[数7]式及び[数8]式とを
連立させてx、yについて解き、パラメータQへの置き
換えを行なって整理すると最終的に点Bの座標が[数
9]式に示すように求められる。
【0092】
【数9】
【0093】この[数9]式が望んでいた反射面の式で
あるが、この式において、試みにd=0とおいてみる
と、xb=q2/f+h2/4f、yb=−2qが直ちに得
られ、h→z、xb→x、yb→yという置き換えを行な
うと共にパラメータqを消去すると、結局回転放物面の
表現式[数10]式が得られる。
【0094】
【数10】
【0095】即ち、[数9]式は回転放物面をd=0と
いう特殊な場合として含んでいることが判る。よって、
反射領域3を形成する回転放物面と反射領域4を形成す
る反射面とを一つの表現形式として与えることが可能で
あり、[数9]式においてh>0、d=0とすれば反射
領域3の形状(半截回転放物面)を表現でき、h<0、
d≠0とすれば反射領域4の形状を表現できる。尚、前
述した連続性の条件a)が満たされていることは[数
9]式においてh=0とおけば放物線18の式に一致す
ることから容易に確かめることができる。
【0096】しかして、点Fと点Dとの間であってその
中心がややz軸の正方向に偏位した状態にフィラメント
5を配置したときの配光パターンは図14に示すような
形状になる。図14においてH−H線の下側に位置する
半円状のパターン26は反射領域3によるパターンを示
し、お椀形のパターン27は反射領域4によるパターン
を示している。尚、後者のパターン27については、図
15に示すように反射領域4をy>0とy<0の部分に
分けて考えると、y>0の反射領域4Rによる右側のパ
ターン27Rと、y<0の反射領域4Lによる左側のパ
ターン27Lとから構成されていること、そして、これ
らのパターン27Rと27LとはV−V線に関して対称
であることが判る。
【0097】ところで、これ迄の議論ではカットライン
の形成についてはこれに触れることなく説明を行なって
きたが、以下ではすれ違いビームに特有のカットライン
を考慮した反射面について具体的な設計指針を与えるこ
とにする。
【0098】最初に容易に思いつくのは、図16に示す
ように反射面1を3つの領域に分けて考えることであ
る。即ち、x軸を中心としてy軸における正の軸を起点
とし、x軸の正方向から負方向に向って眺めたときに反
時計回りに増加する角度法(y軸との間になす角を
「β」と記す。)を用いて、反射面1を3つの領域
1、41、42に分けて考える。
【0099】カットラインの角度θが15°の場合に
は、領域31はβ=0°〜195 °の範囲を占める焦点F
の回転放物面であり、β=195 °〜277.5 °の範囲を占
める領域41は、前述した反射領域4Lのうちのβ=180
°から+82.5°分を反時計回りに15°回転させて傾
斜させた形状をなし、また、β=277.5 °〜360 °の範
囲を占める領域42は、前述した反射領域4Rのうちβ
=270 °〜277.5 °分を除いた形状をしている。
【0100】図17は上記した反射面による配光パター
ンを概略的に示すものであり、領域31によるパターン
28の左上縁にはH−H線に対して15°の角度をなす
カットライン29が形成されている。
【0101】パターン30は領域41によるもので、そ
の上縁はカットラインにほぼ一致している。また、パタ
ーン31は領域42によるもので、その上縁はH−H線
にほぼ一致している。
【0102】ところで、上記した配光パターンには2つ
の点で問題がある。その一つはカットライン29とH−
H線との間に囲まれた部分32の明るさが他の部分に比
べて相対的に明るすぎることであり、もう一つの点はパ
ターン30と31との間の隙間部分33(中心角度にし
て約30°分に相当し、図では斜線で示す。)において
相対的に光量が不足するということである。そして、後
者については反射鏡の前面に設けられるアウターレンズ
の水平方向への拡散作用によっても除去しえず、配光パ
ターン上の暗い部分として現われてしまうことになる。
【0103】そこで、カットラインの形成に伴なって上
記した不都合が生じないような反射領域(β=195 °〜
360 °)の形状設計が必要となる。
【0104】図18は適正なすれ違いビームを得るため
の反射面形状として新たに考え出された構成であり、反
射面1は3つの反射領域31、4R、4L´からなって
いる。即ち、領域31や4Rについては前述した通りで
あり、領域4L´はβ=195 °〜270 °の範囲を占め、
その形状はこれから求めようとするものである。
【0105】上記の構成を有する反射面によって得られ
る配光パターンを概略的に示したものが図19及び図2
0であり、領域31、4Rによるパターンは前述したパ
ターン28や27Rと同じであるが、領域4L´による
パターン34は水平線H−H以下の範囲において鉛直線
V−Vを挟んでパターン27Rの左側に位置し、その上
縁はH−H線の少し下方に位置している。
【0106】以下では、反射領域4L´の形状を表わす
式を導出することになるが、この場合下記に示す条件が
課せられる。
【0107】a´)連続性の条件・・・領域31と4L
´とがその境界において段差なく滑らかにつながるこ
と。
【0108】b´)フィラメント像の配置条件・・・領
域4L´によるフィラメント像は、水平線H−Hより上
方に出ることなく、できる限り水平線H−Hの近傍に位
置すること。
【0109】c)境界におけるフィラメント像の変化に
対する条件・・・境界線OCは変曲点の集合としての性
質、つまり、境界線OCの上下の近傍ではフィラメント
像の大きな移動があること。
【0110】上記した条件のうちa´)、b´)につい
ては前述した条件a)、b)と同様の条件であるからそ
の説明は省略し、条件c)について図21乃至図23を
用いて説明する。図21は上記した反射面とy=一定の
平面との交線35上の代表点を示すものであり、上から
順に点A35、B35、D35、D´35、E35、F
35とすると、点A35、B35、D35は領域31
属し、点D´35、E35、F35は領域4L´に属し
ている。そして、点D35と点D´35に関しては図2
2に示すように境界線OCを挟んで直ぐ近傍に位置して
いる。
【0111】図23はこれらの代表点によるフィラメン
ト像の配置を概略的に示したものであり、J(X)は代
表点Xによるフィラメント像を表わしている。代表点が
A35→B35→D35と下がるにつれてそのフィラメ
ント像は点HVを回転中心にして時計回りに移動し、フ
ィラメント像J(D35)はカットライン29を部分的
に形成する。そして、境界線OCを超えて点D´35に
移動するとそのフィラメント像J(D´35)はJ(D
35)にほぼ平行の状態で急に下がり水平線H−Hの直
下に位置する。その後の代表点E35、F35によるフ
ィラメント像J(E35)、J(F35)は水平線H−
H上の回転中心RC35を中心に移動することになる。
このように境界線OCを境にしてフィラメント像が大き
く移動することによって反射領域4L´による配光パタ
ーン34の上縁が水平線H−Hの近傍に位置するように
なる。
【0112】以上の条件を考慮しながら領域4L´にお
ける反射面の式を求める。
【0113】図24及び図25は反射面の表現式を求め
る作業段階での説明図であり、図中の点F、D、F´の
意味については[表2]で説明した通りである。また、
平面π0はx軸を含みx−y平面に対してカットライン
角θだけ傾いた平面であり、該平面π0上において点F
を焦点とする放物線36上の点が点P*である。
【0114】そして、平面π0上においてy軸に対して
θの角度をなす軸をΘ軸に選び、Θ軸上の点N*と原点
Oとの距離がパラメータqに選ばれている点が図11と
の相違点である。つまり、図11ではx−y平面上の放
物線18を基準としたのに対し、図24では平面π0上
の放物線36をx−y平面に正射影したものを基準とし
ている。よって[表2]に示した各点のうち考えている
平面の違いを除いて同様の意味をもつものについてはこ
れを表わす記号の右上に「 *」を付して用いることにす
る。
【0115】各点の定義を[表4]にまとめて示す。
【0116】
【表4】
【0117】反射面の式は平面π0上の各点をx−y平
面上に正射影した点に基づいて、前に[数9]式を求め
た手順と同様の手順で求めることができる。つまり焦点
Dを有し点P を通りベクトルE に平行な
光線を有す仮想的な回転放物面を、ベクトルE
を含むz軸に平行な平面π1で切ったときの断面形
状、即ち放物線状をした交線37上の点B*の座標を、
回転放物面に関する幾何学的性質を利用して直線H
と平面π3(点F においてベクトルHDを法
線ベクトルとする平面)との交点として求めれば良い。
【0118】その場合、点N * Uと原点Oとの距離をr
とするとr=qcos θとなること、また、直線F´J*
が放物線36の準線であり、放物線の幾何学的性質から
線分FP*の長さと線分J**の長さが等しいことに注
意し、直線P**に関して点Dと対称な点E*の座標を
求めると[数11]式のようになる。
【0119】
【数11】
【0120】よって、点E * Uや点H*の座標が判かり、
線分H*Dの中点F * Cの座標が[数12]式に示すよう
求められる。
【0121】
【数12】
【0122】平面π3*は点F * CにおいてベクトルH*
Dを法線ベクトルとする平面であるからパラメータQを
用いて整理すると[数13]式で表わされる。
【0123】
【数13】
【0124】また、直線H**は点Uにおいてベクトル
* U * Uを方向ベクトルとする直線の式[数14]で
表わされる。
【0125】
【数14】
【0126】従って、[数13]式と[数14]式とを
連立させて解き(計算の詳細については割愛する)、x
* b→x、y * b→y、z * b→zへの置き換えを行なっ
て整理すると最終的に反射面の式[数15]が求められ
る。
【0127】
【数15】
【0128】尚、この[数15]式が図18に示した反
射面の形状のすべてを表現する一般性を有することは次
のようにして示すことができる。[数15]式において
θ=0°を代入すると直ちに[数9]式が得られるの
で、y>0、z<0の条件の下にθ=0°とを指定すれ
ば領域4Rの形状が表現され、[数15]式においてθ
=0°、d=0とおけば回転放物面の式[数10]が得
られ、これによって領域31の形状が表現される。そし
て、[数15]式においてd≠0、θ=15°とすれば
領域4L´の形状が表現されることになる。以上をまと
めて[表5]に示す。
【0129】
【表5】
【0130】[数15]式において連続性の条件a´)
を確かめるにはy=0における断面形状が領域4L´と
4Rとで一致すること、同様にz=0における断面形状
が領域31と4Rとで一致すること、そして、z=ytan
15°の面で切った断面形状が領域4L´と4Rとで
一致することを調べてみれば良い。また、条件b´)に
ついては反射面の式の導出過程から明らかであり、条件
c)については境界線OC上における微係数を領域31
と4L´とでそれぞれ求めれば境界線OC上の点が変曲
点となっていることを確かめることができる。
【0131】反射面1によるフィラメント像の配置をコ
ンピュータ・シュミレーションによって表わした結果が
図28、図30、図32、図34である。この例では、
焦点距離f=25.0(mm)、d=7.6 (mm);カットライ
ン角θ=15°に選ばれており、フィラメント5は図2
6に示すように直径1.0 mm、長さ5mmの円柱状をなし、
その中心位置が(29.0、0 、0.5 )と仮定されている。
【0132】図27は反射面1の正面図であり、図28
は図27の1点鎖線の円上に位置する幾つかの代表点、
つまり、原点Oからの距離が一定とされる幾つかの代表
点によって投影されるフィラメント像の配置を示してい
る。
【0133】図29は反射領域4L´の正面図である。
図29において1点鎖線で示す交線上に位置する幾つか
の代表点(つまり、y座標が一定とされた点)と境界
(y=0)上での代表点によって投影されるフィラメン
ト像を図示したものが図30である。図30中実線で示
すフィラメント像は原点から遠い方の交線上の代表点に
よる投影像を示し、1点鎖線で示すフィラメント像は原
点に近い方の交線上の代表点による投影像を示し、2点
鎖線で示すフィラメント像は境界(y=0)上での代表
点による投影像を示している。これらの投影像が数多く
集まることによって、図19で説明したパターン34が
形成される。予定したように各フィラメント像の上端部
が水平線H−Hの直下に位置している。
【0134】図31は反射領域4Rの正面図である。図
31において1点鎖線で示す2つの交線や境界(y=
0)上に位置する幾つかの代表点によって投影されるフ
ィラメント像を図示すると図32のようになる。図32
においては原点Oから遠い方の交線上の代表点によるフ
ィラメント像を実線で示し、原点Oに近い方の交線上の
代表点によるフィラメント像を1点鎖線で示し、境界
(y=0)上の代表点によるフィラメント像を2点鎖線
で示している。そして、これらのフィラメント像が多数
集って、図19で示したパターン27Rが形成される。
【0135】図33は反射領域31の正面図である。図
33の1点鎖線で示す円弧上において一定の間隔で位置
された幾つかの代表点によって投影されるフィラメント
像を図示すると図34のようになり、これは図19に示
したパターン28に対応し、従来からよく知られたパタ
ーンである。
【0136】図35乃至図38は実際に試作した反射鏡
による配光パターンの光度分布を等カンデラ線によって
表現したものである。
【0137】図35は全体の配光パターン38を示して
おり、その光度分布に関しては、最も明るい2つのゾー
ン39(左側)、39´(右側)が鉛直線V−Vを挟ん
で水平線H−Hのやや下方に位置しており、これらのゾ
ーン39、39´から周辺部へと遠ざかるにつれて暗く
なっていく傾向がみられる。
【0138】図36は領域4L´による配光パターン3
4に関する光度分布を示しており、水平線H−Hの直下
においてパターンの左上寄りに位置するゾーン40が最
も明るく、これから周辺に行くについて暗くなって行く
傾向をもっている。
【0139】図37は領域4Rによる配光パターン27
Rに関する光度分布を示しており、水平線H−Hの直下
においてパターンの右上寄りに位置するゾーン41が最
も明るく、これから周辺に行くにつれて暗くなって行く
傾向をもっている。
【0140】図38は領域31による配光パターン28
に関する光度分布を示しており、水平線H−Hと鉛直線
V−Vとの交点HVより少し下方に最も明るいゾーン4
2が位置している。
【0141】これらの3つのパターンが合成されて図3
5に示すような配光パターンが得られることになる。
【0142】ところで、反射鏡の前方に設けられるアウ
ターレンズの傾きが著しいスラント型の前照灯において
は、アウターレンズに対して水平拡散作用の大きなレン
ズステップを形成することができないので、このような
拡散作用を反射鏡に転嫁する必要性が生じてくる。
【0143】以下では[数15]式で示した反射面を基
本面とし、この反射面に対して拡散作用を高め、かつ、
グレアが発生しにくい反射面について説明する。
【0144】反射鏡に光の拡散作用をもたせるための一
つの方法としては反射鏡の表面をボールエンドミル等に
より一定の深さで彫り刻み、図39に示すように凹面状
の凹部43、43、・・・を形成することが知られてい
る。しかし、隣接する凹部と凹部との境界43eが鋭く
尖ったエッジ部(あるいは曲率の非常に小さな曲面)と
なってしまうため、反射面を形成するための蒸着時にお
いて反射層の厚さが均一化せず乱れた分布となってしま
い、これによりグレアが発生してしまう。
【0145】このため図示するように凹部43の深さを
該凹部の形成場所に応じて変化させて凹部による迷光の
発生を低減する方法が採られるが、一定の曲率をもった
凹面では拡散光の広がり度合を思いのままに精緻に制御
することが困難であり、配光の設計がやりにくいという
問題がある。
【0146】そこで、反射面に光の拡散作用をもたせる
上で、グレアの発生を抑えつつ、設計の容易な反射面を
形成するために次のような手法を採用する。
【0147】先ず、[数16]式に示すような、パラメ
ータX、Wを用いた正規分布型関数Aten(X,W)
を考える。
【0148】
【数16】
【0149】ここで、パラメータWは減衰の度合を規定
するもので、X=±Wで関数Atenの値はexp (−
4)≒0.018 程度の小さな値となる。パラメータYを用
いた関数Y=Aten(X,W)の形を図40に示す。
【0150】次に、[数17]式に示すようなパラメー
タ、Freqを用いた周期関数WAVE(X,Freq)を考え
る。
【0151】
【数17】
【0152】この場合のパラメータFreqは余弦波の周
期、つまり、波の間隔を表わしており、関数Y=WAV
E(X,Freq)の形を図41に示す。尚、この例では、
周期関数WAVEとしてcos 関数を用いているが、必要
に応じて各種の周期関数を用いても良い。
【0153】さて、[数16]式におけるパラメータW
をW=Freq・Timesとおき、[数16]式と
[数17]式とを掛け合わせた関数をDmp(X,F
req,Times)と定義し、[数18]式に示す。
【0154】
【数18】
【0155】関数Y=Dmp(X,Freq,Tim
es)は図42に示すようにX=0を中心として減衰す
る周期関数である。
【0156】これから考えようとする反射面は、基本面
の表現式に基づき、これに上記したような減衰周期関数
を加え合わせることによって反射面に拡散作用をもたせ
るようにし、これによって、反射面の中心部に近い部分
による反射光は水平方向に拡散し、中心部から遠い部分
による反射光は配光パターンにおいて最も明るいホット
ゾーンの形成に寄与するように配光制御を行なおうとす
るものである。
【0157】さて、[数15]式に示した反射面の表現
式は、パラメータq、hを用いた媒介変数表示により
[数19]式のような一般形で表わすことができる。
【0158】
【数19】
【0159】今、この反射面に対して拡散作用を付与す
るための関数をSeiki(y,z)とし、これを用い
て[数20]式にすような反射面を考える。
【0160】
【数20】
【0161】この拡散作用の付与に係る関数Seiki
(y,z)は、例えば、図43に示すように前述した反
射面1を5つの領域3RU(β=0°〜90°)、3L
U(β=90°〜180 °)、4L´C(β=180 °〜19
5 °)、4L´D(β=195 ° 〜270 °)、4R(β
=270 °〜360 °)に分けると(尚、括弧内は領域の占
める範囲を前述したパラメータβで表わしたもの)、各
領域に対応する関数Seikiは[表6」のように表わ
される。
【0162】
【表6】
【0163】尚、[表6]に示す関数中に使用されてい
るパラメータの定義については[表7]に示す。
【0164】
【表7】
【0165】但し、表中のパラメータにおける「_L」
は反射鏡の正面から、つまり、x軸の正の方向から負の
方向に向って見たときの「左側」を意味し、「_R」は
「右側」を意味する。
【0166】図44は関数x=Seiki(y,z)の
形状を概念的に示す図であり、グラフ曲線44がz=0
での断面形状を表わし、グラフ曲線45が領域4L´D
においてz=一定の面での断面形状を表わしている。
【0167】しかして、[数15]式で示した反射面に
対して関数Seiki(y,z)による拡散作用を付与
すると、その結果をコンピュータ・グラフィックにより
フィラメント像の集合体の輪部を示すパターン像は図4
6、図48、図50、図52のようになる。
【0168】図45は[数15]式及び[表5]により
表わされる基本反射面についてのパターン全体像46を
示し、図46は関数Seikiとして[表6]で示した
ものを[数20]式により基本面に加え合わせた結果得
られる凹凸状の反射面によるのパターンの全体像47を
示している。図を見ると水平線(H−H)に沿う方向に
おいてかなりの拡散効果が認められ、反射面によってカ
ットラインを含む配光パターンの大半が作り出されてい
ることが判る。
【0169】図47は基本反射面の領域31によるパタ
ーン像48を示し、関数Seikiにより拡散作用を付
与された後のパターン像49は図48に示すような水平
線下の部分が水平方向に拡がったパターン像となる。
【0170】図49は基本反射面の領域4L´によるパ
ターン像50を示し、拡散作用の付与の後には図50に
示すようなパターン像51となり、また、図51は基本
反射面の領域4Rによるパターン像52を示し、拡散作
用の付与の後には図52に示すようなパターン像53と
なる。いずれの場合にも水平方向における拡散の効果が
著しいが、パターン像51の方が特に際立っている。
【0171】図53乃至図56は実際に試作された反射
鏡による配光パターンの光度分布を等カンデラ曲線を用
いて示したものである。
【0172】図53は全体の配光パターン54を示し、
水平線H−Hの直下で、鉛直線V−Vより左側にやや寄
った位置に最も明るいゾーンが位置している。
【0173】図54は領域31に対応する配光パターン
55を示し、最も明るいゾーンは水平線H−Hの直下で
鉛直線V−Vのすぐ左脇に位置しているが、明るさの分
布は水平線H−Hの下方において全体的な拡がりを有し
ている。
【0174】図55は領域4L´に対応する配光パター
ン56を示し、水平線H−Hの下方で、鉛直線V−Vの
左側に偏った傾向の分布が認められる。
【0175】図56は領域4Rに対応する配光パターン
57を示しており、図56とは逆に、鉛直線V−Vの右
側に偏った傾向の分布が認められる。
【0176】尚、上記した例では領域4L´Cを除いて
正規分布状の波の形状が、平面波的、つまり、波の山が
y軸方向に沿って変化して行くような形状であったが、
これを楕円状(円形を含む)の波にする場合には[表
8]に示すような関数x=Seiki*(y,z)を用
いれば良い。
【0177】
【表8】
【0178】但し、上表中に用いられている新たなパラ
メータの定義は[表9]に示す通りである。
【0179】
【表9】
【0180】尚、パラメータ「wave_U」と「wa
ve_D」についてはその値が1の場合には円形状の
波、1より大きい場合にはz軸方向に長い楕円状の波、
1より小さい場合にはy軸方向に長い楕円状の波とな
る。
【0181】
【発明の効果】以上に記載したところから明らかなよう
に、[請求項1]に記載した発明にあっては、すれ違い
ビームの配光パターンにおいて水平線以下に位置するパ
ターン像を形成するための反射領域の面形状に関して、
その反射面上の鉛直軸方向における代表点により光源体
の投影像を反射面の遠方に置かれたスクリーン上に映し
出した場合に各投影像が水平線上であって反射面の主光
軸の延長上にない点を回転中心として水平線の直下に近
接して配置されるため、光源体を部分的に覆うための遮
光部材を用いることなく、反射鏡の全面を利用してこれ
に配光制御機能を付与することができ、しかも、水平線
以下のできるだけ水平線に近いところに光度分布の中心
を位置させることができる。
【0182】また、[請求項2]に記載した発明は、反
射面を回転放物面状をしたほぼ上半面を占める第1の領
域と、ほぼ下半面を占める第2、第3の領域とから構成
し、第1の領域のうち第2の領域との境界付近による反
射光がカットラインの形成に寄与し、第2の領域は第1
の領域との境界線を水平面内に正射影した放物線を基準
放物面とする[請求項1]の反射面形状を有し、第3の
領域は水平線に平行な面内における放物線を第1の領域
との境界線とし、これを基準放物線とする[請求項1]
の反射面形状を有しており、これによって、すれ違いビ
ーム特有のカットラインを反射面の配光制御機能だけ
で、あるいは、アウターレンズの助けをあまり借りるこ
となく鮮明に作り出すことができる。
【0183】そして、[請求項3]に記載した発明は、
[請求項1]や[請求項2]に示した反射面に対して水
平方向の拡散作用を付与する手段として、反射面の表現
式に対して正規分布型関数と周期関数との積によって与
えられる関数を加え合わせることによって反射面の全面
に凹凸を形成し、正規分布型関数の値が最大となる反射
面の中心部での面の高低差を大きくすることによってそ
の拡散作用を高め、周辺部に行くほど拡散作用が弱めら
れるように重み付けを行なうようにしたものであり、前
面レンズのレンズステップによる拡散機能があまり期待
できないスラント型の前照灯にとって特に効果的であ
り、しかも、グレアの発生が抑えられ、反射鏡設計が従
来における曲面上の凹面形成に比して容易であるという
利点を有する。
【0184】尚、前記した実施例では、正面形状が円形
をした反射鏡について主に説明したが、角形の反射鏡に
適用することができることは勿論であり、また、本発明
に係る反射面形状を多数の反射領域からなる多重反射鏡
の一部の領域に適用する等、本発明の趣旨を逸脱しない
限りにおける実施の態様はすべて本発明の技術的範囲の
中に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】反射面の概略的な正面図である。
【図2】フィラメントの配置を示す略線図である。
【図3】反射面が回転放物面状をなす場合において、図
1の交線7上の代表点によって投影されるフィラメント
像の配置を示す図である。
【図4】図3とは別の交線8上の代表点によって投影さ
れるフィラメント像の配置を示す図である。
【図5】反射面の上半面が回転放物面状をなし、下半面
が本発明に係る面形状を有する場合において、図1の交
線7上の代表点によって投影されるフィラメント像の配
置を示す図である。
【図6】図5とは別の交線8上の代表点によって投影さ
れるフィラメント像の配置を示す図である。
【図7】回転放物面状の反射面に関する光路図である。
【図8】本発明に係る反射面に関する光路図である。
【図9】本発明に係る反射面について説明するための概
略的な平面図である。
【図10】本発明に係る反射面について説明するための
概略的な斜視図である。
【図11】本発明に係る反射面の表現式を求める上で必
要なx−y平面図である。
【図12】本発明に係る反射面の表現式を求める上で必
要な概略斜視図である。
【図13】二等辺三角形ΔHBDと平面π3、π1との
幾何学的関係を示す概略斜視図である。
【図14】[数9]式に係る反射面によって得られるパ
ターン像を示す図である。
【図15】反射領域について説明するための反射面の正
面図である。
【図16】カットラインの形成が可能な反射面について
その思考過程で容易に考えられる反射面の構成を示す正
面図である。
【図17】図16の反射面によって得られるパターン像
を示す図である。
【図18】適正なすれ違いビームを得ることができる反
射面の構成を示す正面図である。
【図19】図18の反射面によって得られるパターン像
を示す図である。
【図20】反射面の各領域と図19のパターン像との対
応関係を示す概念図である。
【図21】図18の反射面における代表点を示す図であ
る。
【図22】境界線近傍の代表点を概略的に示す斜視図で
ある。
【図23】図21に示した各代表点によるフィラメント
像の配置を示す図である。
【図24】本発明に係る反射面の表現式を求める作業段
階での説明図(π0面から水平面への正射影を主に示
す。)である。
【図25】本発明に係る反射面の表現式を求める作業段
階での説明図(水平面への正射影に基づく反射面上の点
*の求め方を主に示す。)である。
【図26】フィラメントの位置を示す概略図である。
【図27】本発明に係る反射面の正面図である。
【図28】図27の反射面において原点からの距離が一
定の代表点によるフィラメント像の配置を示す図であ
る。
【図29】左側反射領域4L´の正面図である。
【図30】反射領域4L´についてのフィラメント像の
配置を示す図である。
【図31】右側反射領域4Rの正面図である。
【図32】反射領域4Rについてのフィラメント像の配
置を示す図である。
【図33】上側反射領域31の正面図である。
【図34】反射領域31についてのフィラメント像の配
置を示す図である。
【図35】本発明に係る全体的な配光パターンを示す図
である。
【図36】反射領域4L´による配光パターンを示す図
である。
【図37】反射領域4Rによる配光パターンを示す図で
ある。
【図38】反射領域31による配光パターンを示す図で
ある。
【図39】反射面に曲面状の凹部を形成することによっ
て拡散作用をもたせた例を示す概略図である。
【図40】正規分布型関数Aten(X,W)を概略的
に示すグラフ図である。
【図41】周期関数WAVE(X,Freq)を概略的に示
すグラフ図である。
【図42】減衰周期関数Dmp(X,Freq,Ti
mes)を概略的に示すグラフ図である。
【図43】関数Seiki(y,z)に関して反射領域
の区分けを説明するための反射面の正面図である。
【図44】関数Seiki(y,z)の形状を概念的に
示すグラフ図である。
【図45】[数15]式及び[表5]により表わされる
基本反射面に関する全体的なパターン像を示す図であ
る。
【図46】[表6]の関数Seikiを加え合わせるこ
とによって得られる反射面に関する全体的なパターン像
を示す図である。
【図47】基本反射面の領域31に関するパターン像を
示す図である。
【図48】関数Seikiにより拡散作用を付与された
後の領域31についてのパターン像を示す図である。
【図49】基本反射面の領域4L´によって得られるパ
ターン像を示す図である。
【図50】関数Seikiにより拡散作用を付与された
後の領域4L´についてのパターン像を示す図である。
【図51】基本反射面の領域4Rによって得られるパタ
ーン像を示す図である。
【図52】関数Seikiにより拡散作用を付与された
後の領域4Rによって得られるパターン像を示す図であ
る。
【図53】拡散作用をもつ試作の反射鏡によって得られ
る全体的な反射パターンを示す図である。
【図54】図53のうち領域31による配光パターンを
示す図である。
【図55】図53のうち領域4L´による配光パターン
を示す図である。
【図56】図53のうち領域4Rによる配光パターンを
示す図である。
【図57】回転放物面状の反射鏡を備えた前照灯の構成
を示す略線図である。
【図58】回転放物面状の反射鏡の正面図である。
【図59】図58の反射鏡によるフィラメント像を概略
的に示す図である。
【図60】図58の反射鏡を備えた前照灯に関する配光
パターン図である。
【図61】シェードを用いないときの回転放物面反射鏡
によるパターン像を示す図である。
【図62】問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
1 反射面 4 反射領域 5 光源体 18 基準放物線 O 頂点 F 焦点 f 焦点距離 D 基準点 P 反射点 PM 光線ベクトル 20 反射光 21 仮想的な回転放物面 π1 平面 22 交線 31 第1の領域 4L´ 第2の領域 OC (31と4L´の)境界線 4R 第3の領域

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 すれ違いビームに係る配光パターンの形
    成にあたって水平線以下に位置するパターン像の形成に
    寄与する反射領域の面形状が、(イ)基準放物線を有
    し、該基準放物線の頂点と焦点とを通る軸上であって頂
    点に関して焦点と同じ側で、かつ、頂点からの距離が焦
    点距離より大きくされた点を基準点とし、該基準点と焦
    点との間において軸に沿って延びる光源体が配置される
    こと、(ロ)基準点から発したと仮定した光が基準放物
    線上の任意の点で反射されたときの反射光の光線ベクト
    ルに平行な光軸を有し、該反射点を通り基準点を焦点と
    する仮想的な回転放物面を、上記光線ベクトルを含み鉛
    直軸に平行な平面で切った交線の集合体として反射面が
    形成されていること、を特徴とする車輌用前照灯の反射
  2. 【請求項2】 反射面が3つの領域から構成され、
    (イ)ほぼ上半部を占める第1の領域は、放物線をその
    頂点と焦点を通る軸の回りに回転させて得られる回転放
    物面状に形成されると共に、回転放物面の回転軸を含み
    水平線に対してカットラインの角度分傾斜した平面で回
    転放物面を切ったときの放物線状の交線が第2の領域と
    の境界線とされ、その近傍における反射光が配光パター
    ン上のカットラインの形成に寄与すること、(ロ)第2
    の領域は、第1の領域との境界線を水平面に正射影した
    放物線を基準放物線とすると共に、第1の領域の回転放
    物面の回転軸上であって頂点に関して焦点と同じ側で、
    かつ、頂点からの距離が焦点距離より大きくされた点を
    基準点とする請求項1の反射面形状を有すること、
    (ハ)第3の領域は、第1の領域を形成する回転放物面
    の回転軸を含み水平線に平行な平面内に位置する第1の
    領域との境界での放物線を基準放物線とし、かつ、その
    基準点が第2の領域に関する基準点と同一にされた請求
    項1の反射面形状を有すること、を特徴とする車輌用前
    照灯の反射鏡
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載した反射面
    の表現式に対して正規分布型関数と周期関数の積からな
    る関数を加え合わせることによって、反射面の光軸に平
    行な方向から見たときに反射面の中心部に近いところ程
    起伏の差が大きく水平方向への光の拡散作用が高められ
    た凹凸の波状に反射面が形成されたことを特徴とする車
    輌用前照灯の反射鏡
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