JP2610297B2 - 果実加工品及びその製造方法 - Google Patents
果実加工品及びその製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、複数の果実の風味を合わせ持つ新規な果実
加工品及びその製造方法に関するものである。
加工品及びその製造方法に関するものである。
近年、各種食品分野においては、消費者の嗜好の多様
化に伴って、これに対応するべく様々な新製品が開発さ
れている。
化に伴って、これに対応するべく様々な新製品が開発さ
れている。
果実を原料とする加工食品の場合も例外ではなく、単
一果実の果汁飲料や缶詰ばかりでなく、ミックスジュー
スと称される複数果汁の混合飲料や複数種類の糖果を混
合した缶詰等も出回っている。さらには、これらの果実
をゲル状食品(いわゆるゼリー)中に混入せしめたフル
ーツゼリー等も既に知られるところである。
一果実の果汁飲料や缶詰ばかりでなく、ミックスジュー
スと称される複数果汁の混合飲料や複数種類の糖果を混
合した缶詰等も出回っている。さらには、これらの果実
をゲル状食品(いわゆるゼリー)中に混入せしめたフル
ーツゼリー等も既に知られるところである。
上述のように、従来より複数の果実を複合した果実加
工品は広く知られるところであるが、これらはいずれも
異種の果肉を単に混合したり、ゼリー中にそのまま入れ
たものであり、味,芳香,風味等の点で不満を残してい
る。
工品は広く知られるところであるが、これらはいずれも
異種の果肉を単に混合したり、ゼリー中にそのまま入れ
たものであり、味,芳香,風味等の点で不満を残してい
る。
例えば、桃,ミカン,リンゴ,パインアップル等の果
肉が混合された缶詰を食した場合、桃はやはり桃の味,
香りを呈するのみで、他の果肉も同様である。したがっ
て、かかる缶詰では複数の果実を交互に食することにな
るに過ぎず、これら果実の風味を同時に味わうことは難
しい。フルーツゼリー等においても同様である。
肉が混合された缶詰を食した場合、桃はやはり桃の味,
香りを呈するのみで、他の果肉も同様である。したがっ
て、かかる缶詰では複数の果実を交互に食することにな
るに過ぎず、これら果実の風味を同時に味わうことは難
しい。フルーツゼリー等においても同様である。
そこで本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案
されたものであって、複数種類の果実の風味を同時に味
わうことのできる新規な果実加工品を提供することを目
的とするものであり、さらにその製造方法を提供するこ
とを目的とするものである。
されたものであって、複数種類の果実の風味を同時に味
わうことのできる新規な果実加工品を提供することを目
的とするものであり、さらにその製造方法を提供するこ
とを目的とするものである。
本発明者は、前述の目的を達成すべく検討を重ねた結
果、糖液置換の技術を応用し、所定の果実の果肉組織中
の水分,気孔等を多種果実の果汁により置換すること
で、他種果実の風味を合わせ持つこれまでにない果実加
工品が得られるとの知見を得るに至った。
果、糖液置換の技術を応用し、所定の果実の果肉組織中
の水分,気孔等を多種果実の果汁により置換すること
で、他種果実の風味を合わせ持つこれまでにない果実加
工品が得られるとの知見を得るに至った。
本発明はかかる知見に基づいて完成されたものであっ
て、溶液浸透性を有する第1の果実の果肉組織中の水
分,気孔の少なくとも一部が他種果実である第2の果実
の果汁を含む糖液により置換されていることを特徴とす
るものである。
て、溶液浸透性を有する第1の果実の果肉組織中の水
分,気孔の少なくとも一部が他種果実である第2の果実
の果汁を含む糖液により置換されていることを特徴とす
るものである。
ここで、第1の果実は溶液浸透性,細胞質構造性,水
分含有性を有する果実であることが好ましく、これら性
質を持たない果実では果肉組織内を他種果実の果汁で置
換することが難しい。具体的には、リング,ナシ,桃,
パインアップル,マルメロ,プラム等である。
分含有性を有する果実であることが好ましく、これら性
質を持たない果実では果肉組織内を他種果実の果汁で置
換することが難しい。具体的には、リング,ナシ,桃,
パインアップル,マルメロ,プラム等である。
第2の果実としては、前記第1の果実と異なる種類の
果実であればいずれも使用可能で、具体的に例示すれ
ば、ミカン,グレープフルーツ,オレンジ等の柑橘類
や、ブドウ,黒スグリ,ブルーベリー,イチゴ,キウ
イ,メロン,梅等である。勿論、前記第1の果実と異な
る果実を選択すればリンゴ,ナシ,桃,パインアップ
ル,マルメロ,プラム等であってもよい。
果実であればいずれも使用可能で、具体的に例示すれ
ば、ミカン,グレープフルーツ,オレンジ等の柑橘類
や、ブドウ,黒スグリ,ブルーベリー,イチゴ,キウ
イ,メロン,梅等である。勿論、前記第1の果実と異な
る果実を選択すればリンゴ,ナシ,桃,パインアップ
ル,マルメロ,プラム等であってもよい。
これら果実をそれぞれ第1の果実,第2の果実として
組み合わせれば良いが、この場合なるべく風味の異なる
果実同士の組み合わせが好ましく、特に栄養価の面や歯
ざわり等の観点から第1の果実としてリンゴを選択した
組み合わせが好適である。例えば、リンゴとミカン,リ
ンゴとグレープフルーツ,リンゴとブドウ,リンゴと黒
スグリ,リンゴと梅等の組み合わせである。
組み合わせれば良いが、この場合なるべく風味の異なる
果実同士の組み合わせが好ましく、特に栄養価の面や歯
ざわり等の観点から第1の果実としてリンゴを選択した
組み合わせが好適である。例えば、リンゴとミカン,リ
ンゴとグレープフルーツ,リンゴとブドウ,リンゴと黒
スグリ,リンゴと梅等の組み合わせである。
なお、前記第1の果実は第2の果実の果汁を含んだ糖
液により置換されるものであるが、この場合第2の果実
の果汁を含んだ糖液とは第2の果実の果汁単独である場
合も含むものとする。糖を加える場合に使用可能な糖の
種類としては、通常の糖果に使用されるものであれば如
何なるものであってもよく、双目糖,車糖,グラニュー
糖,黒糖等に代表されるショ糖や、ブドウ糖、麦芽糖、
果糖、酸糖化もしくは酵素糖化水飴、異性化糖、糖アル
コール等の澱粉等、天然甘味料、人工甘味料等が挙げら
れる。また、前記糖液中には、栄養面,味覚面等から,
あるいは変色防止等の目的から、例えばL−アスコルビ
ン酸,塩化ナトリウム,クエン酸等や各種食品添加料が
加えられていてもよい。
液により置換されるものであるが、この場合第2の果実
の果汁を含んだ糖液とは第2の果実の果汁単独である場
合も含むものとする。糖を加える場合に使用可能な糖の
種類としては、通常の糖果に使用されるものであれば如
何なるものであってもよく、双目糖,車糖,グラニュー
糖,黒糖等に代表されるショ糖や、ブドウ糖、麦芽糖、
果糖、酸糖化もしくは酵素糖化水飴、異性化糖、糖アル
コール等の澱粉等、天然甘味料、人工甘味料等が挙げら
れる。また、前記糖液中には、栄養面,味覚面等から,
あるいは変色防止等の目的から、例えばL−アスコルビ
ン酸,塩化ナトリウム,クエン酸等や各種食品添加料が
加えられていてもよい。
さらに、置換された第1の果実における第2の果実の
果汁を含む糖液の割合であるが、所望の風味,味覚等に
応じて適宜設定すればよい。ただし、両者の風味を充分
に引き出すためには、10〜30容量%(第1の果実中の水
分に対する割合)程度とすることが好ましい。
果汁を含む糖液の割合であるが、所望の風味,味覚等に
応じて適宜設定すればよい。ただし、両者の風味を充分
に引き出すためには、10〜30容量%(第1の果実中の水
分に対する割合)程度とすることが好ましい。
一方、第1の果実の果肉組織中の水分,気孔等を第2
の果実の果汁を含む糖液で置換するには、従来より知ら
れる糖液置換の技術がいずれも採用可能である。例え
ば、浸透圧により浸漬方法,加熱による方法等である。
特に、第2の果実の果汁の無駄を抑え、第1の果実の原
形,風味等をなるべく損なわないという目的からは、真
空脱気による方法やマイクロ波加熱による方法等が好ま
しい。
の果実の果汁を含む糖液で置換するには、従来より知ら
れる糖液置換の技術がいずれも採用可能である。例え
ば、浸透圧により浸漬方法,加熱による方法等である。
特に、第2の果実の果汁の無駄を抑え、第1の果実の原
形,風味等をなるべく損なわないという目的からは、真
空脱気による方法やマイクロ波加熱による方法等が好ま
しい。
真空脱気による方法は、減圧状態で第1の果実中の水
分,気泡を追い出し、しかる後に糖液を注入し圧を解放
して常圧下で当該果実の組織間中に糖液を浸透・置換せ
しめるか、もしくは第2の果実を含む糖液中で減圧し、
減圧状態で第1の果実中の水分,気泡を追い出し、圧を
解放して常圧中で当該果実の組織間中に糖液を浸透・置
換せしめるというものである。具体的には、例えば次の
ような手法に従えばよい。
分,気泡を追い出し、しかる後に糖液を注入し圧を解放
して常圧下で当該果実の組織間中に糖液を浸透・置換せ
しめるか、もしくは第2の果実を含む糖液中で減圧し、
減圧状態で第1の果実中の水分,気泡を追い出し、圧を
解放して常圧中で当該果実の組織間中に糖液を浸透・置
換せしめるというものである。具体的には、例えば次の
ような手法に従えばよい。
先ず、第1の果実を水洗,皮むき、芯抜きした後、果
実の変色の防止を目的としてL−アスコルビン酸(ビタ
ミンC)0.1〜1.0%,好ましくは0.5%、塩化ナトリウ
ム(精製塩)0.1〜1.0%,好ましくは0.5%、クエン酸
等の有機酸0.5〜2.0%,好ましくは1.0%の水溶液に浸
漬する。次に、真空タンク内に上記処理果実を格納し、
密封し減圧を開始する。減圧の条件は1気圧を760mmHg
とすると、1〜60mmHg程度で、減圧時間は10〜60分,好
ましくは15〜30分とする。
実の変色の防止を目的としてL−アスコルビン酸(ビタ
ミンC)0.1〜1.0%,好ましくは0.5%、塩化ナトリウ
ム(精製塩)0.1〜1.0%,好ましくは0.5%、クエン酸
等の有機酸0.5〜2.0%,好ましくは1.0%の水溶液に浸
漬する。次に、真空タンク内に上記処理果実を格納し、
密封し減圧を開始する。減圧の条件は1気圧を760mmHg
とすると、1〜60mmHg程度で、減圧時間は10〜60分,好
ましくは15〜30分とする。
所定の減圧時間経過後、真空タンク中で減圧のままバ
イプ等を通じて第2の果実の果汁を含む糖液を第1の果
実が完全にかくれる程度に注入し、注入が完了した時点
で常圧に戻し10〜60分、好ましくは20〜30分間静置し、
果実内に糖液が浸透する条件を物理的に整える。この間
の液温は10〜30℃とする。
イプ等を通じて第2の果実の果汁を含む糖液を第1の果
実が完全にかくれる程度に注入し、注入が完了した時点
で常圧に戻し10〜60分、好ましくは20〜30分間静置し、
果実内に糖液が浸透する条件を物理的に整える。この間
の液温は10〜30℃とする。
もしくは、真空タンク内に上記処理果実を格納し、パ
イプ等を通じて第2の果実の果汁を含む糖液を第1の果
実が完全にかくれる程度まで注入し、密封し減圧を開始
する。減圧の条件は前記と同様とする。所定の減圧時間
経過後、常圧に戻し10〜60分、好ましくは20〜30分間静
置し、果実内に糖液が浸透する条件を物理的に整える。
この間の液温は10〜30℃とする。
イプ等を通じて第2の果実の果汁を含む糖液を第1の果
実が完全にかくれる程度まで注入し、密封し減圧を開始
する。減圧の条件は前記と同様とする。所定の減圧時間
経過後、常圧に戻し10〜60分、好ましくは20〜30分間静
置し、果実内に糖液が浸透する条件を物理的に整える。
この間の液温は10〜30℃とする。
前述のいずれかの方法により第1の果実の果肉組織中
に第2の果実の果汁を含む糖液を浸透・置換せしめた
後、真空タンクより第2の果実の果汁で置換された第1
の果実を取り出し、酵素等による変色を防止するととも
に、一層の保存性を向上する目的で、加熱処理を行う。
加熱処理法は糖液,第2の果実の果汁,もしくは第2の
果汁を含む糖液等に浸漬した状態でのボイル、蒸気によ
る蒸煮、マイクロ波加熱等のいずれの方法でも良い。
に第2の果実の果汁を含む糖液を浸透・置換せしめた
後、真空タンクより第2の果実の果汁で置換された第1
の果実を取り出し、酵素等による変色を防止するととも
に、一層の保存性を向上する目的で、加熱処理を行う。
加熱処理法は糖液,第2の果実の果汁,もしくは第2の
果汁を含む糖液等に浸漬した状態でのボイル、蒸気によ
る蒸煮、マイクロ波加熱等のいずれの方法でも良い。
次に、ガス遮断性・保香性を有するフィルム製包装紙
に充填・シール化し、80〜90℃、好ましくは85℃で5〜
30分間、好ましくは15分間加熱殺菌を行い製品化する。
勿論、充填する際に第2の果実の果肉や果汁と混合して
もよいし、何らかの容器(例えばラミネートカップ等)
内に収納し密封してもよい。
に充填・シール化し、80〜90℃、好ましくは85℃で5〜
30分間、好ましくは15分間加熱殺菌を行い製品化する。
勿論、充填する際に第2の果実の果肉や果汁と混合して
もよいし、何らかの容器(例えばラミネートカップ等)
内に収納し密封してもよい。
また、マイクロ波加熱による方法は、高周波誘導加熱
により第1の果実を内部から均一に急速に加熱し、果肉
内部の気泡,水分を速やかに追い出して第2の果実の果
汁を含む糖液で置換するというもので、その手法はいた
って簡単である。
により第1の果実を内部から均一に急速に加熱し、果肉
内部の気泡,水分を速やかに追い出して第2の果実の果
汁を含む糖液で置換するというもので、その手法はいた
って簡単である。
すなわち、前述の真空脱気による方法と同様に変色防
止のための処理を行った第1の果実を、前記第2の果実
の果汁を含む糖液中に浸漬し、マイクロ波加熱を施すだ
けでよい。
止のための処理を行った第1の果実を、前記第2の果実
の果汁を含む糖液中に浸漬し、マイクロ波加熱を施すだ
けでよい。
マイクロ波加熱は、波長が1m〜1cm(周波数300MHz〜3
0GHz)程度の電波を利用し食品を構成する有機性分子が
電場に配向しようとして激しい振動ないし回転運動を行
い、その結果内部から発熱することを利用した加熱方法
であり、通常は915MHzあるいは2450MHzのマイクロ波が
用いられる。このマイクロ波加熱による処理時間として
は、10分間以内に抑えることが好ましく、特に糖液が沸
騰するまでの時間は3〜5分間程度に抑えることが好ま
しい。処理時間が長すぎると第1の果実の果肉の組織構
造が変わってしまう虞れがある。
0GHz)程度の電波を利用し食品を構成する有機性分子が
電場に配向しようとして激しい振動ないし回転運動を行
い、その結果内部から発熱することを利用した加熱方法
であり、通常は915MHzあるいは2450MHzのマイクロ波が
用いられる。このマイクロ波加熱による処理時間として
は、10分間以内に抑えることが好ましく、特に糖液が沸
騰するまでの時間は3〜5分間程度に抑えることが好ま
しい。処理時間が長すぎると第1の果実の果肉の組織構
造が変わってしまう虞れがある。
マイクロ波加熱終了後は、しばらく(10〜30分程度)
糖液中に静置し、糖液中から取り出して製品化するのは
先の真空脱気による方法と同様であるが、糖液置換後の
加熱処理は省略される。また、前記マイクロ波加熱によ
る方法に従った場合、浸漬した糖液を最終工程まで使用
することができ、計算的に製品の糖濃度を設定すること
が容易であり、糖液のロスも少なくなる。
糖液中に静置し、糖液中から取り出して製品化するのは
先の真空脱気による方法と同様であるが、糖液置換後の
加熱処理は省略される。また、前記マイクロ波加熱によ
る方法に従った場合、浸漬した糖液を最終工程まで使用
することができ、計算的に製品の糖濃度を設定すること
が容易であり、糖液のロスも少なくなる。
前述の他種果実の果汁で置換された第1の果実は、そ
のままで食用に供してもよいし、当該他種果実(第2の
果実)の果肉,果汁,あるいはこれら両者と共に食用に
供するようにしてもよい。
のままで食用に供してもよいし、当該他種果実(第2の
果実)の果肉,果汁,あるいはこれら両者と共に食用に
供するようにしてもよい。
さらには、ゼラチン,寒天,ペクチン,カラギナン糖
を主体とするゲル状食品中に混入するようにしてもよ
く、この場合特にゲル状食品中にも第2の果実の果汁を
混ぜ、前記第1の果実及び第2の果実の果肉をその中に
入れるようにすれば、著しく風味の優れた果実加工品を
得ることができる。
を主体とするゲル状食品中に混入するようにしてもよ
く、この場合特にゲル状食品中にも第2の果実の果汁を
混ぜ、前記第1の果実及び第2の果実の果肉をその中に
入れるようにすれば、著しく風味の優れた果実加工品を
得ることができる。
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。
実施例1 本例は真空脱気法により製造した果実加工品の例であ
る。
る。
第1の果実としてはリンゴを選び、また第2の果実と
してはブドウを選んだ。
してはブドウを選んだ。
先ず、リンゴ(フジ)を水洗し、剥皮、除芯した後、
1/4にカットし、L−アスコルビン酸0.5%、塩化ナトリ
ウム0.5%、クエン酸1.0%を含む水溶液中に浸漬した。
1/4にカットし、L−アスコルビン酸0.5%、塩化ナトリ
ウム0.5%、クエン酸1.0%を含む水溶液中に浸漬した。
一方、果実から搾汁した果汁にショ糖を加え、果汁を
含むブリックス20の糖液を調製した。
含むブリックス20の糖液を調製した。
次に、真空タンクに先の処理を施したリングを入れ、
真空タンクに付設した真空ゲージの読みが10mmHgとなる
まで減圧し、20分間その状態を維持した。
真空タンクに付設した真空ゲージの読みが10mmHgとなる
まで減圧し、20分間その状態を維持した。
続いて、真空タンクの減圧を保ったまま、タンク内に
パイプを通じて先に調製した果汁含有の糖液を果肉が完
全に浸る程度まで注入し、注入が完了した時点で常圧に
戻し、そのまま20分間静置した。このときの液温は20℃
であった。
パイプを通じて先に調製した果汁含有の糖液を果肉が完
全に浸る程度まで注入し、注入が完了した時点で常圧に
戻し、そのまま20分間静置した。このときの液温は20℃
であった。
次いで、タンク内から果肉を取り出し、同様の果汁を
含む糖液でボイルし、10分間沸騰させた後、酸素バリア
ー性の高いラミネート袋に充填し、同時に糖液(最終果
肉糖度を設定し、糖液糖度を調整)を充填した後、袋を
シールして85℃で15分間殺菌した後、水で常温まで冷却
した。
含む糖液でボイルし、10分間沸騰させた後、酸素バリア
ー性の高いラミネート袋に充填し、同時に糖液(最終果
肉糖度を設定し、糖液糖度を調整)を充填した後、袋を
シールして85℃で15分間殺菌した後、水で常温まで冷却
した。
得られたリンゴ加工品は、リンゴの味,香りとともに
ブドウの味,香りを有し、当該リンゴ加工品を食すると
これら両者が同時に口中に広がり、これまでにない独特
の優れた風味を呈した。
ブドウの味,香りを有し、当該リンゴ加工品を食すると
これら両者が同時に口中に広がり、これまでにない独特
の優れた風味を呈した。
また、ブドウ果汁の代わりにオレンジ果汁,グレープ
フレーツ果汁,梅果汁,黒スグリ果汁を用いて同様の手
法によりリンゴ加工品を製造したところ、それぞれ独特
の優れた風味を呈した。
フレーツ果汁,梅果汁,黒スグリ果汁を用いて同様の手
法によりリンゴ加工品を製造したところ、それぞれ独特
の優れた風味を呈した。
実施例2 本例はマイクロ波加熱法により製造した果実加工品の
例である。
例である。
ここでも第1の果実としてはリンゴを選び、第2の果
実としてブドウを選んだ。
実としてブドウを選んだ。
先ず、実施例1と同様の手法によりリンゴに前処理を
施し、またブドウ果汁を含有する糖液を調製した。
施し、またブドウ果汁を含有する糖液を調製した。
次いで、リンゴが完全に浸る2倍量の果汁含有糖液
(処理後の果肉糖度を設定し、使用糖液の糖度を決定)
中に完全に浸漬し、マイクロ波加熱により沸騰させた。
(処理後の果肉糖度を設定し、使用糖液の糖度を決定)
中に完全に浸漬し、マイクロ波加熱により沸騰させた。
なお、このマイクロ波加熱は、沸騰するまでの時間が
5分程度、全加熱時間が10分で終了するように出力を調
整した。使用したマイクロ波の周波数は2450MHzであ
る。
5分程度、全加熱時間が10分で終了するように出力を調
整した。使用したマイクロ波の周波数は2450MHzであ
る。
マイクロ波加熱終了後、20分間そのまま静置し、外液
を果肉中に充分に浸透・置換させた。果肉を取り出した
後の工程は実施例1と同様に行った。ただし、充填に使
用した糖液は、マイクロ波加熱に使用した糖液をそのま
ま使用した。
を果肉中に充分に浸透・置換させた。果肉を取り出した
後の工程は実施例1と同様に行った。ただし、充填に使
用した糖液は、マイクロ波加熱に使用した糖液をそのま
ま使用した。
得られたリンゴ加工品は、先の実施例1の同様にリン
ゴとブドウの両者の味,香りを有し、独特の優れた風味
を呈した。
ゴとブドウの両者の味,香りを有し、独特の優れた風味
を呈した。
また、ここでもブドウ果汁の代わりに各種果汁を用い
て同様の操作によりリンゴ加工品を作成したが、いずれ
も味覚,風味等に優れたものであった。
て同様の操作によりリンゴ加工品を作成したが、いずれ
も味覚,風味等に優れたものであった。
実施例3 本例は、実施例1、実施例2によって調製した果実果
肉を使用した果実加工品(菓子)の例である。
肉を使用した果実加工品(菓子)の例である。
ここでも第1の果実としてリンゴを、第2の果実とし
てブドウを選んだ。
てブドウを選んだ。
先ず、実施例1または実施例2の手法により第1の果
実をリンゴ、第2の果実をブドウとした果実果肉を調製
した。
実をリンゴ、第2の果実をブドウとした果実果肉を調製
した。
次いで、果肉を酸素バリアー静,保香性の高いポリラ
ミネートカップ(ポリエチレンに塩化ビニリデン、ポリ
プロピレンをラミネートしたフィルムから成形した容
器)に充填し、加熱溶解したゼリー液(第2の果実の果
汁を含む)を容器いっぱいに充填して上部に酸素バリア
ー性,保香性の高いポリラミネートフィルムをかぶせて
密着シールした。なお、ゼリー液の組成は次表に示す通
りである。
ミネートカップ(ポリエチレンに塩化ビニリデン、ポリ
プロピレンをラミネートしたフィルムから成形した容
器)に充填し、加熱溶解したゼリー液(第2の果実の果
汁を含む)を容器いっぱいに充填して上部に酸素バリア
ー性,保香性の高いポリラミネートフィルムをかぶせて
密着シールした。なお、ゼリー液の組成は次表に示す通
りである。
これを90℃の蒸気殺菌機で15分間後、水冷にて品温20
℃まで冷却した。
℃まで冷却した。
得られたゼリー製品(フルーツゼリー)は通常使用さ
れるシラップ漬けのリンゴ果肉を使用したものと比較し
て味,香りともに2種の果実が調和した独特の優れた風
味を呈した。
れるシラップ漬けのリンゴ果肉を使用したものと比較し
て味,香りともに2種の果実が調和した独特の優れた風
味を呈した。
他の果汁、オレンジ、グレープフルーツ、梅、黒スグ
リ等を使用したものでも同様の結果を得た。
リ等を使用したものでも同様の結果を得た。
以上の説明からも明らかなように、本発明の果実加工
品は所定果実の果肉組織中の水分,気孔の一部を他種果
実の果汁で置き換えたものであるので、複数種類の果実
の味,香り等を同時に味わうことができ、これまでにな
い調和のとれた独特な風味を呈する優れた果実加工品を
提供することが可能である。
品は所定果実の果肉組織中の水分,気孔の一部を他種果
実の果汁で置き換えたものであるので、複数種類の果実
の味,香り等を同時に味わうことができ、これまでにな
い調和のとれた独特な風味を呈する優れた果実加工品を
提供することが可能である。
本発明の果実加工品は、さらに対応する果汁とともに
食したり、ゲル状食品中に使用することで、従来より優
れた第1の果実の芳香を維持し、他果実と調和のとれた
加工食品を提供することができる。
食したり、ゲル状食品中に使用することで、従来より優
れた第1の果実の芳香を維持し、他果実と調和のとれた
加工食品を提供することができる。
また、本発明方法によれば、第1の果実の香りを逃が
すことがなく、果肉の崩れ等を惹起することもなく、第
1の果実の芳香性を良く保った果実加工品を製造するこ
とができる。
すことがなく、果肉の崩れ等を惹起することもなく、第
1の果実の芳香性を良く保った果実加工品を製造するこ
とができる。
Claims (8)
- 【請求項1】溶液浸透性を有する第1の果実の果肉組織
中の水分,気孔の少なくとも一部が他種果実である第2
の果実の果汁を含む糖液により置換されていることを特
徴とする果実加工品。 - 【請求項2】請求項1記載の果実加工品が第2の果実の
果汁及び/又は果肉とともに容器内に収納され密封され
ていることを特徴とする果実加工品。 - 【請求項3】請求項1記載の果実加工品が第2の果実の
果肉とともにゲル状食品中に混在され、容器内に収納さ
れ密封されたことを特徴とする果実加工品。 - 【請求項4】ゲル状食品中に第2の果実の果汁が添加さ
れていることを特徴とする請求項3記載の果実加工品。 - 【請求項5】第1の果実がリンゴであることを特徴とす
る請求項1乃至4記載の果実加工品。 - 【請求項6】溶液浸透性の第1の果実を真空タンク内に
入れて1〜60mmHgの減圧下で減圧処理を行った後、減圧
状態のままで他種果実である第2の果実の果汁を含む糖
液を前記真空タンク内に注入し、注入が完了した時点で
常圧に戻し、そのままの状態で放置することにより第1
の果実の果肉組織中の水分,気孔を前記第2の果実の果
汁を含む糖液で浸透・置換することを特徴とする果実加
工品の製造方法。 - 【請求項7】溶液浸透性の第1の果実を他種果実である
第2の果実の果汁を含む糖液とともに真空タンク内に入
れて1〜60mmHgまで減圧し、所定の減圧時間経過後常圧
に戻し、そのままの状態で放置することにより第1の果
実の果肉組織中の水分,気孔を前記第2の果実の果汁を
含む糖液で浸透・置換することを特徴とする果実加工品
の製造方法。 - 【請求項8】溶液浸透性の第1の果実を他種果実である
第2の果実の果汁を含む糖液中に浸漬し、マイクロ波加
熱した後、糖液へ鵜の浸漬状態を保持することにより第
1の果実の果肉組織中の水分,気孔を前記第2の果実の
果汁を含む糖液で浸透・置換することを特徴とする果実
加工品の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP9324588A JP2610297B2 (ja) | 1988-04-15 | 1988-04-15 | 果実加工品及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9324588A JP2610297B2 (ja) | 1988-04-15 | 1988-04-15 | 果実加工品及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01265861A JPH01265861A (ja) | 1989-10-23 |
JP2610297B2 true JP2610297B2 (ja) | 1997-05-14 |
Family
ID=14077124
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9324588A Expired - Lifetime JP2610297B2 (ja) | 1988-04-15 | 1988-04-15 | 果実加工品及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2610297B2 (ja) |
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JP5007760B2 (ja) * | 2010-07-12 | 2012-08-22 | 有限会社上ボシ武内製飴所 | 蜜りんごの製造方法 |
JP2017195789A (ja) * | 2016-04-26 | 2017-11-02 | 菊一 西 | オリーブオイル果物食品の製造方法。 |
CN107372800A (zh) * | 2017-07-31 | 2017-11-24 | 何家平 | 一种橘子罐头及其制备方法 |
CN110959729A (zh) * | 2019-11-05 | 2020-04-07 | 广东省农业科学院蚕业与农产品加工研究所 | 脉冲型果肉蜜饯物料渗透系统 |
-
1988
- 1988-04-15 JP JP9324588A patent/JP2610297B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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