JP2005295831A - ポリフェノール含有乾燥果物およびその製法 - Google Patents
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Abstract
【効果】本発明によれば、ポリフェノールを多く含有し、サプリメントとしても手軽に摂取できる、乾燥果物およびその好適な製造方法を提供することができる。本発明に係るポリフェノール含有乾燥果物は、水分量が少ないため、生の果物よりも手軽に食物繊維などの果物成分を所望量摂取することができ、しかも動脈硬化などを防ぐ効果を有するポリフェノールを手軽に充分量摂取することができる。
【選択図】 なし
Description
ラル類を豊富に含有し、さらに少量のポリフェノールを含有している。このため、果物類の毎日の摂取が望ましいとされている。果物には、健康状態を改善する作用を有しているものも多く、たとえばカリウムの多いリンゴでは、血圧降下などに有効であることが知られている。非特許文献2の第10〜11頁には、2週間にわたりリンゴを1日6個摂取したグループでは、血圧が有意に降下したという実験結果が記載されている。
本発明者は、このような状況に鑑みて鋭意研究した結果、赤ワインや茶などのポリフェノールを含む液体成分を、果物に含浸させて乾燥させた食品は、含浸した液体成分由来のポリフェノールと、果物が本来有するポリフェノールとを兼ね備えて有しており、生果物を食する場合よりも手軽に多量の果物成分を摂取でき、しかも、液体成分がアルコール分を含む場合にも、乾燥によりアルコールが実質的に除去された食品となり、アルコールの弊害を受けることなくポリフェノールを多く含有する食品として手軽に摂取できることを見出した。
用いて浸透圧を上げる必要があるが、糖度が高い液体成分を用いると、基材である果物が収縮あるいは軟化を生じやすく、また乾燥させた際に糖が析出し、外観、食感あるいは風味が損なわれるという問題がある。
このような本発明のポリフェノール含有乾燥果物は、ブドウポリフェノールを可食部100g中に100mg以上含有することが好ましく、ブドウポリフェノールが、赤ワイン由来であることがより好ましい。
本発明のポリフェノール含有乾燥果物は、比重が0.07〜0.3g/cm3であるこ
とが好ましい。
本発明のポリフェノール含有果物の製造方法は、生果物可食部にポリフェノールを含有する液体成分を含浸させ、次いで凍結乾燥することを特徴としている。
本発明のポリフェノール含有乾燥果物の製造方法では、果物が、リンゴ、ナシ、イチゴ、柑橘類よりなる群から選ばれる果物であることが好ましい。
本発明のポリフェノール含有乾燥果物の製造方法では、水分含有量が20重量%以下であり、ポリフェノールを可食部100g中に200mg以上含有するポリフェノール含有乾燥果物を製造することが好ましい。
ルを手軽に充分量摂取することができる。特に、本発明に係るポリフェノール含有乾燥果物が赤ワイン由来のポリフェノールを含有する場合、すなわち本発明に係るポリフェノール含有乾燥果物の製造において、赤ワインを含有する液体を用いた場合においては、動脈硬化の発症を抑制する作用があるといわれる赤ワインポリフェノールを、アルコールの弊害なしに手軽に摂取することができる。また、特に果物がリンゴである場合には、ポリフェノールによる動脈硬化防止などの作用が期待できるとともに、食物繊維およびカリウムが多いというリンゴの特性により、高血圧や便秘・大腸がんなどの予防効果も期待できる。
<ポリフェノール含有乾燥果物>
本発明のポリフェノール含有乾燥果物は、水分含有量が20%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは1〜7%程度であり、ポリフェノールを可食部100g中に200mg以上、好ましくは300mg以上含有する。ここで、ポリフェノール含有果物中のポリフェノール量は、基材である果物由来のポリフェノールと、製造時に添加されたポリフェノールの量の合計を表す。
ましくは0.6g/cm3以下、より好ましくは0.07〜0.3g/cm3であるのが望ましい。
本発明のポリフェノール含有乾燥果物の製造方法は、生果物の可食部にポリフェノール
を含有する液体成分を含浸させる工程と、凍結乾燥する工程とを有している。
合わせたものであってもよく、また、他の可食成分を含有していることも好ましい。
本発明の製造方法で用いるポリフェノールを含有する液体成分が含有することのできる可食成分としては、特に限定されるものではないが、たとえば、水、エタノール;オリーブ油、サラダ油、マーガリン、バターなどの食用油または油脂;醤油、味噌などの発酵調味料;コーヒー、だし汁などの食品抽出成分;ブランデー、ラム酒、コニャック、キュラソーなどの酒類、ジュース、牛乳、ココアなどの飲料;食塩などの無機塩類;蔗糖、果糖、ブドウ糖、水あめ、蜂蜜、メープルシロップ、乳糖、カラメルシロップ、その他糖類、天然甘味料および人口甘味料などの甘味料;コンデンスミルク、ヨーグルト、生クリームなどの乳製品;卵白、卵黄、全卵などの卵液;バタークリーム、ピーナツバタークリーム、カスタードクリーム、チョコレートスプレッド、各種ジャムなどのクリームあるいはジ
ャム類;各種食酢、酢酸、リン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、グルコン酸などの酸味料;苦味成分;シナモン、クローブ、胡椒、生姜などの香辛料または香辛料抽出成分;バニラエッセンスなどの香料;チョコレートなどの油性成分;グリセリンなどの保湿剤;ソルビン酸、安息香酸塩などの保存剤;殺菌剤、抗菌剤、静菌剤;木酢液、燻油などの燻製成分;天然および合成の色素および着色剤;発色剤;寒天、こんにゃく液などの食物繊維成分;にかわ、ゼラチンなどのゼラチン質;カテキン、エリソルビン酸などの酸化防止剤;ヨウ素などの必須無機元素;ビタミンCなどのビタミン類、アミノ酸、CoQ10、
コラーゲン、プロポリス、DHA、漢方抽出物などの栄養剤、生薬、薬効成分および医療用薬剤;ポリリン酸塩などの品質改良剤;その他の食品添加物等が挙げられる。これらの成分のうち、本発明では、液体成分が、糖類、栄養成分または薬効を有する成分を含有することが好ましい。
数回の含浸工程および凍結乾燥工程で得られるポリフェノール含有乾果物が、ポリフェノールを可食部100g中に200mg以上含有させることができる濃度あるいは含浸量を調整することが好ましく、たとえば、100ml中にポリフェノールを100mg以上、好ましくは200mg以上含有する液体成分を好適に用いることができる。
と接触し、次いで昇圧して行ってもよく、また、生果物を液体成分と接触し、減圧処理し、次いで昇圧して行ってもよい。
本発明において、凍結乾燥は、公知の方法を適宜採用して行うことができ、たとえば、液体成分を含浸させた生果物を、個々が付着しない条件で−20〜−40℃程度に冷却して凍結させ、次いで、完全に凍結した該生果物を減圧条件下で乾燥させることができる。乾燥は、たとえば、完全に凍結した、液体成分を含浸させた生果実を、10kPa程度の減圧条件下で、30〜50℃程度の加温状態において、所望の乾燥状態となるまで、たとえば12〜48時間程度静置することにより行うことができる。
m3であるのが望ましい。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
赤ワイン(サッポロワイン(株)製)をポリタンクに入れ、真空加圧含浸装置((株)エフコム製)内に設置し、2000Pa以下まで減圧して減圧状態を1時間保持し、空気にて復圧して脱気済み赤ワインを得た。得られた脱気済み赤ワインのアルコール濃度は1.0重量%以下であった。
<液体成分の含浸>
200ppm次亜塩素酸ナトリウム水溶液に10分間浸漬させてから流水でよく洗浄することにより殺菌洗浄し、皮を剥き、芯を除去して1/4に切断し、さらに厚さ10mmに扇状にスライスしたリンゴ(品種:ふじ)5,440gを、ステンレス製のバスケットに入れ、リンゴの浮遊を防止するためにポリエチレン製ネットをかぶせて該ネットを針金で固定した。このリンゴを入れたバスケットを,ステンレス製内タンクに入れ,内タンクを真空加圧含浸装置((株)エフコム製)に設置した。
<凍結乾燥>
得られた含浸リンゴを、それぞれが付着しないようにアルミトレイに並べ、−40℃の冷凍庫内に10時間静置して、完全に凍結させた。これをトレイごと、ホットプレートを具備した(株)エフコム製の真空加圧含浸装置内に設置し、真空加圧含浸装置内を10Pa以下になるように真空排気し、凍結したリンゴの設置位置温度が40℃となるように調製しながら48時間排気を継続して減圧を保持し、その後エアパージして装置から取り出して、凍結乾燥リンゴ1を得た。得られた凍結乾燥リンゴ1は、充分に乾燥し、全体が均一に赤ワインの色で着色された状態であり、形状はほとんど変化しておらず、目視では膨張や収縮は見受けられなかった。得られた凍結乾燥リンゴ1の重量は810gであり、比重は約0.12g/cm3であり、含水率は2.1重量%であり、ポリフェノール含有量
(日本食品分析センターにより測定したポリフェノール(タンニン酸)量)は740mg/100gであった。
200ppm次亜塩素酸ナトリウム水溶液に10分間浸漬させてから流水でよく洗浄することにより殺菌洗浄し、皮を剥き、芯を除去して1/4に切断し、さらに厚さ10mm
にスライスしたリンゴ(品種:ふじ)677.4gを、実施例1の凍結乾燥工程と同様にして凍結乾燥し、凍結乾燥リンゴ2を得た。得られた凍結乾燥リンゴ2の重量は74.8gであり、比重は約0.098g/cm3であり、含水率は1.8重量%であり、ポリフ
ェノール含有量(日本食品分析センターにより測定したポリフェノール(タンニン酸)量)は530mg/100gであった。
また、得られた凍結乾燥リンゴ2(10切れ)を、16℃の水に浮かべたところ、水面上に浮遊しながらゆっくりと吸水し、185秒後にほぼ全体に吸水したが水中に沈むことはなかった。これより、凍結乾燥リンゴ2は、実施例1で得た凍結乾燥リンゴ1と比較して濡れ性が低く、水戻りしにくいことが確認された。
Claims (13)
- 水分含有量が20重量%以下であり、ポリフェノールを可食部100g中に200mg以上含有することを特徴とするポリフェノール含有乾燥果物。
- ブドウポリフェノールを可食部100g中に100mg以上含有することを特徴とする請求項1に記載のポリフェノール含有乾燥果物。
- ブドウポリフェノールが、赤ワイン由来であることを特徴とする請求項2に記載のポリフェノール含有乾燥果物。
- 果物が、リンゴ、ナシ、イチゴ、柑橘類よりなる群から選ばれる果物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリフェノール含有乾燥果物。
- 比重が0.07〜0.3g/cm3であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに
記載のポリフェノール含有乾燥果物。 - 平均粒径が5mm以下の粒状または粉状であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリフェノール含有乾燥果物。
- 生果物可食部にポリフェノールを含有する液体成分を含浸させ、次いで凍結乾燥することを特徴とするポリフェノール含有乾燥果物の製造方法。
- 液体成分が赤ワインを含有することを特徴とする請求項7に記載のポリフェノール含有乾燥果物の製造方法。
- 液体成分が糖類を含有することを特徴とする請求項7または8に記載のポリフェノール含有乾燥果物の製造方法。
- 果物が、リンゴ、ナシ、イチゴ、柑橘類よりなる群から選ばれる果物であることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載のポリフェノール含有乾燥果物の製造方法。
- 液体成分の含浸を、生果物と液体成分とを減圧下で接触させて行うことを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載のポリフェノール含有乾燥果物の製造方法。
- 水分含有量が20重量%以下であり、ポリフェノールを可食部100g中に200mg以上含有するポリフェノール含有乾燥果物を製造することを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載のポリフェノール含有乾燥果物の製造方法。
- 請求項7〜12のいずれかの製造方法により得られるポリフェノール含有乾燥果物。
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- 2004-04-07 JP JP2004113538A patent/JP2005295831A/ja active Pending
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