JP2609560B2 - 磁性粉の結合剤、磁性塗料および磁気記録媒体 - Google Patents

磁性粉の結合剤、磁性塗料および磁気記録媒体

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JP2609560B2 JP2323235A JP32323590A JP2609560B2 JP 2609560 B2 JP2609560 B2 JP 2609560B2 JP 2323235 A JP2323235 A JP 2323235A JP 32323590 A JP32323590 A JP 32323590A JP 2609560 B2 JP2609560 B2 JP 2609560B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、磁性粉を含んだ磁性層が非磁性基体上に設
けられてなる磁気テープ等の磁気記録媒体に関する。
(従来の技術) 近年、磁気記録媒体の高記録密度化が要求されてお
り、例えば磁気テープにおいても、高飽和磁束密度Bm
高角型比Rs(残留磁束密度Br/飽和磁束密度Bm)で表面
粗度が小さく、しかも柔軟性や耐摩耗性に優れたものが
要求されている。高S/N比の要求から、比表面積が30m2/
g〜70m2/gの微細な磁性粉を使用し、これを均一に分散
させて強固に結合させるためには、結合剤に優れた分散
性能と、強靱な結合力を併せ持つことが求められる。
しかしながら、上記結合剤として従来より、ポリエス
テル樹脂、繊維素系樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノー
ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂あるいは塩化ビ
ニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル
酸エステル、(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリ
ル、ブタジエン、スチレン、ビニルエステルなどの重合
体または共重合体などが汎用されているが、いずれも上
記磁性粉末の分散性と磁性層の耐摩耗性の両面で十分な
特性を得ることができなかった。
これらの結合剤の中でもポリウレタン樹脂は耐摩耗性
の良さから広く使用されてきているが、この樹脂は磁性
粉末に対する吸着能が低く、該粉末の分散能に劣る欠点
があった。
そこで、上記通常のポリウレタン樹脂による欠点を克
服するために、分子鎖中にスルホン酸塩基やカルボキシ
ル基を導入することが提案されている(特公昭58−4156
5、特開昭57−92422)。しかし、これらの分散性は改良
されるもののポリウレタン樹脂の耐摩耗性の良さを損な
う欠点があった。
一方、結合剤の強度を高めるためには、結合剤の分子
量を大きくすることが有効であるが、分子量を大きくす
ると磁性粉を分散させた塗料の粘度が高くなって分散性
が低下してしまう。磁性粉が微細化すればするほど塗料
の粘度は上りやすくなるため、分子量の増大によらない
強度の改良方法が求められるが、その方法の一つとし
て、ポリイソシアネート化合物による結合剤の架橋が広
く利用されている。そして、このポリイソシアネート化
合物による架橋を可能にするため、結合剤中にイソシア
ネート基と反応しうる水酸基に代表される活性水素を有
する基を導入することがおこなわれてきた。
きころが、結合剤に多量の水酸基を導入すると、脂肪
酸はそのエステルに代表される滑剤などを配合した磁性
塗料は磁性粉の分散安定性が低下してしまい、良好な特
性を有する磁気記録媒体を安定して製造することができ
なくなってしまう。一方、水酸基の量が少ないと架橋が
不十分となって、強度改良の目的を果たせないうえ、イ
ソシアネート化合物のイソシアネート基が結合剤の水酸
基に対して余ってしまい、余ったイソシアネート化合物
は空気中の水分と反応してしまい、結果的に磁性層を脆
くしてしまう。
余ったイソシアネート化合物が空気中の水分と反応し
ても脆くならないためには、両末端にイソシアネート基
を有するウレタンプレポリマーや湿気硬化性ポリウレタ
ンを用いることが提案されている(特公昭48−42486、
特公昭52−35525)。しかし、これらは十分な耐久性が
得られず、かつ反応未了による粘着とポットライフの調
整に困難を生ずる。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明者らは、以上のような磁気記録媒体の高記録密
度化、高耐久性化の要求に対する従来の諸問題について
鋭意検討した結果、特定のポリウレタン樹脂を磁性粉の
結合剤として使用することにより、微細な磁性粉が安定
して分散された低粘度の磁性塗料が得られること、そし
て、この塗料を非磁性基体上に塗布して得られた磁気記
録媒体は優れた磁気特性と耐久性と走行性を広い環境条
件下に安定して発揮しうることを確認して本発明を完成
するに到った。
(問題点を解決するための手段) かくして本第1発明によればジイソシアネートと3個
以上の水酸基を有するポリオール類の単独または線状の
末端水酸基を有するジオールとの混合物との反応により
生成するウレタン結合を持つ樹脂であって1分子内に平
均2.3〜3.6個のイソシアネート基をもち、数平均分子量
が2,000〜5,100であり、かつ分子量1,000以下の成分が2
0%未満であるポリウレタン樹脂による磁性粉の結合剤
が、また本第2発明によりこの結合剤を用いる磁性塗料
が、さらに本第3発明によりこの磁性塗料を用いる磁気
記録媒体がそれぞれ提供される。
また、本第4発明により、第3発明におけるポリウレ
タン樹脂がイソシアネート基のほかに、分子内に活性水
素原子を持たない極性を有するものであることを特徴と
する磁気記録媒体が提供される。
本発明に用いられるポリウレタン樹脂の分子量の測定
はゲルパーミェーションクロマトグラフィー(以下GPC
と略称する)により行った。分子量分布は分子量既知の
ポリスチレンを標準として用い換算した。
本発明に用いられるポリウレタン樹脂のごとくイソシ
アネート基を持つものについては、メタノールを室温に
て反応させたのちGPCの測定を行った。
本発明に用いられるポリウレタン樹脂の分子量は数平
均分子量で2,000〜5,100の範囲であることを要する。数
平均分子量が2,000未満だと、強度が低く良い結合剤と
なり得ず、5,100を越えると磁性粉を分散させた塗料の
粘度が高くなって分散性の低下をきたす。
本発明に用いられるポリウレタン樹脂において、分子
量が1,000以下の成分量が20%未満であることを要する
(この値はGPCにより分子量分布を測定し、分子量が1,0
00以下の成分量を算出した)。分子量が1,000以下の成
分量がこれより多いと走行性の低下をきたす。これは粘
着性の物質が磁性層表面に析出するためと考えられる。
本発明に用いられるポリウレタン樹脂のイソシアネー
ト基の数は、1分子当たり平均2.3〜3.6個を要する。平
均2.3個より少ない場合は、ポリウレタン樹脂の結合が
十分な網目構造を取り得ず、満足な機械的性質、耐摩耗
性が得られない。
本発明に用いられる1分子当たり平均2.3〜3.6個のイ
ソシアネート基を有する数平均分子量が2,000〜5,100で
ありかつ分子量が1,000以下の成分が20%未満であるよ
うなポリウレタン樹脂は、有機ジイソシアネートと3個
以上の水酸基を有するポリオール類の単独または線状の
末端水酸基を有するジオールとの混合物から得られる。
有機ジイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイ
ソシアネート(以下2,4−TDIと略す)、2,6−トリレン
ジイソシアネート(以下2,6−TDIと略す)、及びこれら
の混合物、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート
(以下MDIと略す)、p−フェニレンジイソシアネー
ト、m−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフチレ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネー
ト、キシレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソ
シアネート、水添MDIなど及びこれらの混合物が挙げら
れる。これらのうち、MDI、2,4−TDI及びこれらの混合
物が好適である。
線状の末端水酸基を有するジオールとしては、例えば
末端が水酸基の分子量500〜3000のポリエーテルポリオ
ール、ポリエステルポリオール及び低分子量グリコール
が挙げられる。ポリエーテルポリオールとしては、エチ
レングリコール、1,2−プロピレングリコール、2,3−ブ
チレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2,2−ジ
メチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコー
ル、1,5−ペンタメチレングリコール、1,6−ヘキサメチ
レングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ル、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン
−1,4−メタノールなどのグリコール類の単独あるいは
これらの混合物とコハク酸、マレイン酸、アジピン酸、
グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、
セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、
ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸
などの二酸基酸、及びこれらの酸エステル、酸ハライド
と重縮合することによって得られるものが挙げられる。
さらに、ε−カプロラクトンなどの上記グリコール類の
存在下で開環付加重合したポリカプロラクトンジオール
類が挙げられる。低分子量グリコールとしては、前記ポ
リエステル類の製造に際して使用される上記グリコール
類の単独及び混合物を用いることができる。さらに、ハ
イドロキノンにエチレンオキサイド、プロピレンオキサ
イド、ブチレンオキサイドなどを2〜4モル付加したジ
オール類が挙げられる。
分子中3個以上の水酸基を持つポリオールとしては、
例えばトリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリエタノー
ルアミンなどの低分子量のトリ及びテトラオール、前記
末端水酸基の分子量500〜3000のポリエーテルポリオー
ルにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、また
はブチレンオキサイドを付加したポリエチレンエーテル
ポリオール、ポリプロピレンエーテルポリオール、ポリ
ブチレンエーテルポリオールなどのポリエーテルポリオ
ール類、上記低分子量トリオールと前記低分子量グリコ
ールとの混和系で前記二塩基酸及びこれらの酸エステ
ル、酸ハライドと重縮合することによって得られるポリ
エステルポリオール類、ε−カプロラクトン等のラクト
ンを該トリオール及びグリコールとの混和物の存在下で
開環付加重合したポリカプロラクトンポリオール類が挙
げられる。
本発明で使用されるポリウレタン樹脂を製造するに際
し、有機ジイソシアネートとポリオールのNCO/OHモル比
は1.2/1〜2/1であり、この範囲をはずれると本発明で求
められている優れた諸性能が得られない。
また、本第4発明におけるポリウレタン樹脂に導入さ
れる分子内に活性水素原子を持たない極性基としては、
−SO3M,−SO4M,−COOM, (Mはアルカリ金属を表し、M′はアルカリ金属または
炭化水素基を表し、Rはアルキル基、アリル基、アルケ
ニル基またはアルコキシル基等の有機残基を表す)など
が挙げられる。
本第4発明におけるポリウレタン樹脂に上記分子内に
活性水素原子を持たない極性基を導入する方法として
は、1分子中にこれら活性水素原子を持たない極性基と
イソシアネート基に対して反応し得る活性水素原子を1
個以上有する化合物をポリウレタン樹脂の合成時に反応
させることにより得られる。このような化合物の例とし
ては、フェノールスルホン酸ナトリウム、4−ソジウム
スルホベンジルアルコール、イセチオン酸ナトリウム、
4−ソジウムスルホフェニル酢酸、4−ソジウムスルホ
フェニルプロピオン酸、4−ソジウムスルホアニリン、
4−ソジウムスルホベンズアミド、サリチル酸ナトリウ
ム、グリコール酸ナトリウム、p−マミノ安息香酸ナト
リウムなどの分子中に1個の活性水素基を持つ化合物、
ヒドロキノンスルホン酸ナトリウム、5−ソジウムスル
ホサリチル酸ナトリウム、2−ソジウムスルホ−1,4−
ブタンジオール、5−ソジウムスルホイソフタル酸ナト
リウム、2,4−ジオキシ安息香酸ナトリウム、ジメチロ
ールプロピオン酸ナトリウム、4,4−ビスヒドロキシフ
ェニル酪酸ナトリウムなどの分子中に2個の活性水素基
を持つ化合物などが挙げられる。
また、前記ポリウレタン樹脂の製造に際して使用され
る直鎖ポリオール類に、予めこれらの活性水素原子を持
たない極性基を公知の方法にて導入し、ポリウレタン樹
脂の製造に際して用いる方法によっても得られる。
本第4発明におけるポリウレタン樹脂中の活性水素原
子を持たない極性基の量は、ポリウレタン樹脂1分子当
たり平均0.2〜5個であり、好ましくは0.5〜3個であ
る。0.2個より少ないと本発明の効果が顕れないし、5
個より多いと磁気記録媒体の耐湿性が低下する。
本発明で使用されるポリウレタン樹脂を製造するに際
し、必要に応じて触媒として有機金属化合物、例えば、
ジブチル錫ジラウレート、あるいは3級アミン例えば、
N−メチルモルフォリン、トリエチルアミン等を添加し
てもよい。また、樹脂の安定性等を増すために、酸化防
止剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤等を添加してもよ
い。
また、本発明で用いられるポリウレタン樹脂を製造す
るにあたっては、従来の公知の方法をとることができ、
所望により触媒の存在下で反応剤を十分に混合後、反応
混合物を押出機へ注入する方法及びジメチルホルムアミ
ド、トルエン、キシレン、ベンゼン、ジオキサン、シク
ロヘキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチルなど
の単独または混合溶剤系の有機溶媒中で反応させる溶液
反応法の通常の製造方法を用いることができる。
本発明のポリウレタン樹脂は、イソシアネート基をフ
ェノール等の公知のブロック剤でブロックした後、結合
剤として用いることもできる。本発明のポリウレタン樹
脂のイソシアネート基をブロックイソシアネート化する
ことにより、貯蔵安定性に優れ、磁性塗料の状態で安定
であり、塗布後の加熱、乾燥により良好な磁気記録層が
得られるものである。
本発明の磁気記録媒体の磁性粉の結合剤として上記ポ
リウレタン脂肪を単独で使用することもできるが、通常
は他の結合剤と混合して使用する。他の結合剤と混合し
て使用する場合、全結合剤の10〜90重量%の範囲で該ポ
リウレタン樹脂を使用することが好ましい。
上記ポリウレタン樹脂と混合して使用する他の結合剤
に特に制限はない。他の結合剤の例としては、本発明以
外のポリウレタン樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合
体、塩化ビニル酢酸ビニルおよびマレイン酸および/ま
たは(メタ)アクリル酸との共重合体、塩化ビニルプロ
ピオン酸ビニル共重合体、および以上の塩化ビニルカル
ボン酸ビニルエステル系共重合体のケン化物、塩化ビニ
ル塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニルアクリロニトリ
ル共重合体、(メタ)アクリル酸エステルアクリロニト
リル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル塩化ビニリ
デン共重合体、(メタ)アクリル酸エステルスチレン共
重合体、ナイロン−シリコン系樹脂、ニトロセルロース
−ポリアミド樹脂、ポリフッ化ビニル、塩化ビニリデン
アクリロニトリル共重合体、ブタジエンアクリロニトリ
ル共重合体、スチレンブタジエン共重合体、スチレンブ
タジエンアクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、
ポリビニルブチラール、セルロース誘導体(セルロース
アセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオ
ネート、セルロースダイアセテート、セルローストリア
セテート、ニトロセルロース等)ポリエステル樹脂、ク
ロロビニルエーテルアクリル酸エステル共重合体、各種
の合成ゴム等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、フェノ
キシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、
シリコン樹脂、アクリル系反応樹脂、エポキシ−ポリア
ミド樹脂、ニトロセルロースメラミン樹脂、等の熱硬化
性樹脂が挙げられる。
本発明のポリウレタン樹脂と混合して使用する本発明
以外のポリウレタン樹脂としては、数平均分子量が50,0
00以下であって分子中に2ケ以上の水酸基を有するもの
が特に好ましく、磁性粉の分散性及び耐久性に優れた磁
気記録層が得られる。
更にこれらの結合剤は、それ自体公知のその他の官能
基を有していてもよく、それらの官能基の中で特に、−
SO4M,−SO3M,−SO2M,−COOM,−NH2,−N+R3,−OH,
リン酸基、リン酸エステル基からなる群から選ばれたす
くなくとも一種の官能基(但し、Mは水素原子又はアル
カリ金属原子を示し、Rはアルキル基、アリル基、アル
ケニル基またはアルコキシル基等の有機残基を示す)を
有しているものが好ましい。これらの官能基の量は樹脂
1g当たり1×10-6〜1×10-2当量含まれていることが好
ましい。
本発明の磁気記録媒体の磁性層中の全結合剤の含有量
は、通常は強磁性粉末100重量部に対して10〜100重量部
であり、好ましくは15〜40重量部である。
本発明の磁気記録媒体は上記結合剤と、磁性粉、潤滑
剤、研磨剤、帯電防止剤、更に必要により分散剤などの
公知の材料とともにケトン類を主体とする溶剤と混合し
て、分散処理を行って磁性塗料を得、これをポリエステ
ルフィルムに代表される非磁性フィルム上に塗布、配向
処理、表面形成処置を行った後、用途によって架橋のた
めの熱処理や表面研磨を行って裁断、組み込みなどの工
程を経て、本発明の磁気記録媒体を得る。
本発明のポリウレタン樹脂を用いての分散処理におけ
る添加の時期については特に制約はないが、本発明のポ
リウレタン樹脂を除く樹脂および配合剤で分散処理を行
った後、本発明のポリウレタン樹脂を添加してさらに分
散処理を行うことは磁性塗料の安定性の点で特に好まし
い。
本発明で使用される強磁性粉末としては、特に微細な
ものが好適で、γ−Fe2O3、Fe3O4、γ−FeOx(1.33<x
<1.5)などの強磁性酸化鉄粉末、Coドープの強磁性酸
化鉄粉末、強磁性二酸化クロム粉末、強磁性金属粉末、
バリウムフェライト、Fe5C2などの炭化鉄粉末、窒化鉄
粉末などが挙げられる。
強磁性金属粉末は、鉄、コバルトあるいはニッケルを
含む強磁性金属粉末であって、例としては、強磁性金属
微粉末中の金属分が75重量%以上であり、そして金属分
の80重量%以上が少なくとも一種類の強磁性金属あるい
は合金(例、Al、Fe、Co、Ni、Fe−Co、Fe−Ni、Co−N
i、Co−Ni−Fe)であり、該金属分の20重量%以下の範
囲内で他の成分(例、Al、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、M
n、Cu、Zn、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、T
a、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、B、
P)を含むことのある合金を挙げることができる。
これらの強磁性粉末の製造方法は既に公知であり、本
発明で用いる強磁性粉末についてもこれら公知の方法に
従って製造することができる。
強磁性粉末の形状に特に制限はないが、通常は針状、
粒状、サイコロ状、米粒状および板状のものなどが使用
できる。
本発明で使用できる潤滑剤の例としては、炭素数8〜
18の脂肪酸、高級アルコール、アミド、脂肪酸エステル
などが使用可能であり、例えば、カプリル酸、カプリン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノ
レン酸、ステアロール酸、ステアリルアルコール、パル
ミチルアルコール、ラウリルアミド、ジメチルステアリ
ルアミド、ブチルラウリルアミド、ブチルステアレー
ト、オクチルステアレート、ソルビタンオレエートなど
が挙げられる。また、シリコンオイルやポリパーフルオ
ロアルキレンオキサイド、パーフルオロアルカンなどの
フッ素系油、パラフィンワックス、酸化ポリエチレンな
ども使用可能である。さらにカーボンブラック、グラフ
ァイト、二硫化モリブデン、二硫化タングステンなどの
固体の潤滑剤も使用できる。これらの潤滑剤は、磁粉10
0部に対し、1部から6部の範囲で使用される。
また研磨剤としては、TiO2、TiO、ZnO、CaO、SnO2、S
iO2、α−Fe2O3、Cr2O3、α−Al、ZnS、MoS2、Ba
SO4、CaSO4、MgCO3、BN、SiC等を挙げることができる。
これらの無機質充填材は単独で使用してもよく、あるい
は二種以上を混合して用いてもよい。
さらに帯電防止剤としては、カーボンブラック、カー
ボンブラックグラフトポリマーなどの導電性微粉末;サ
ポニンなどの天然界面活性剤;アルキレンオキサイド
系、グリセリン系およびグリシドール系などのノニオン
性界面活性剤;高級アルキルアミン類、第四級アンモニ
ウム塩類、ピリジンその他の複素環化合物の塩類、ホス
ホニウムまたはスルホニウム類などのカチオン性界面活
性剤;カルボン酸、スルホン酸、燐酸、硫酸エステル
基、燐酸エステル基等の酸性基を含むアニオン性界面活
性剤;アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコ
ールの硫酸または燐酸エステル類等の両性活性剤などを
挙げることができる。
本発明の磁気記録媒体には必要に応じて分散剤を使用
することができる。本発明で使用できる分散剤の例とし
ては、炭素数10〜22の脂肪酸(例、カプリル酸、カプリ
ン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リ
ノレン酸、ステアロール酸)、上記脂肪酸とアルカリ金
属(例、リチウム、ナトリウム、カリウム)またはアル
カリ土類金属(例、マグネシウム、カルシウム、バリウ
ム)とからなる金属石鹸、上記の脂肪酸のエステル及び
その化合物の水素の一部あるいは全部をフッ素原子で置
換した化合物、上記の脂肪酸のアミド、脂肪族アミン、
高級アルコール、ポリアルキレンオキサイドアルキルリ
ン酸エステル、アルキルリン酸エステル、アルキルホウ
酸エステル、サルコシネート類、アルキルエーテルエス
テル類、トリアルキルポリオレフィンオキシ第四級アン
モニウム塩及びレシチン等の公知の分散剤を挙げること
ができる。
(発明の効果) かくして本発明によれば微細な磁性粉が安定に分散さ
れた低粘度の塗料が得られ、そしてその塗料を用いて得
られる磁気記録媒体は塗膜の表面平滑性及び耐久性が良
好で、走行性、磁気特性の優れたものとなる。
(実施例) 以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明す
る。なお、実施例、比較例中の部及び%は特に断りのな
いかぎり重量基準である。
ポリウレタン合成例1 撹拌用プロペラ、温度計及びコンデンサーを設置した
温度調節可能な容量5lの反応器内にメチルエチルケトン
566.2g、分子両1000のポリブチレンアジペート1000g
(1.00モル)、24−TDI 208.8g(1.20g)、NDI 225.0
g(0.90モル)、を仕込んで80℃で3時間反応させた
後、トリメチロールプロパンの3%メチルエチルケトン
溶液500gを(トリメチロールプロパンとして0.11モル)
を加えてさらに6時間反応させて、試料(B)を得た。
同様に操作して、添加するトリメチロールプロパンのメ
チルエチルケトン溶液を各々0,1000,1500及び1800とし
た試料(A)(C)(D)及び(E)を得た。
ポリウレタン各試料の組成は(表−1)の通りであ
る。
ポリウレタン合成例2 直鎖ポリオール、ジイソシアネート化合物、短鎖ポリ
オールを(表−2)の様に変えて、同様の操作法にて試
料(F),(G),(J),(K),(L)および
(M)を合成した。(K)については合成後にClCH2COO
Naで処理してOH基の半分量を−OCH2COONa基で置換し
た。
また、合成例1と同様の操作法にてポリブチレンアジ
ペートとMDI、TDI′を反応させた後、(表−2)に示す
極性基含有化合物をトリメチロールプロパンに溶融混合
させたものを加えて反応させて、試料(H)(I)を得
た。これらのポリウレタン各試料の組成を市販のウレタ
ンプレポリマー(N)、湿気硬化性ポリウレタン(O)
とともに(表−2)に示した。
これらの試料を使用して、樹脂溶液、極性塗料、磁気
テープを作り次に記す方法で評価を行った。その結果を
(表−3)及び(表−4)に示す。評価方法中のポリウ
レタン樹脂及びそれ以外の樹脂の内訳は(表−3)及び
(表−4)の通りである。(表−3)中比較例3及び
(表−4)中比較例6,7,8,9および10については、樹脂
溶液に更にポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業
(株)製、コロネートL)を15部添加して評価を行っ
た。
1)ポットライフ ポリウレタン樹脂とそれ以外の樹脂あわせて100部
を、メチルエチルケトン400部に室温で1時間撹拌溶解
させて得た溶液を23℃で保存し、容器を逆さにしても溶
液が流動しなくなるまでの日数をポットライフとした。
2)反応性 ポットライフ試験に用いた溶液をガラス板状にキャス
トして得たシートを60℃で24時間処理する。このシート
0.5gを精秤し50gのテトラヒドロフランとともに24時間
混合した後、不溶解分を濾過洗滌し、乾燥して、精秤す
る。
ゲル分率=不溶解分の重量/試料重量(%) ゲル分率の数値が大きいほど塩化ビニル系重合体とポ
リウレタンの両結合剤の架橋反応性が大きいことを意味
する。
3)光沢性 コバルト被着磁性酸化鉄粉末400部(比表面積40m2/
g)、ポリウレタン以外の樹脂50部(実施例10,11につい
てはポリウレタン樹脂を表−4にある量を加えた)、メ
チルエチルケトン49部、トルエン49部、シクロヘキサノ
ン32部、カーボンブラック2部、アルミナ4部、ミリス
チン酸2部、ブチルステアレート1部よりなる混合物を
90分間高速剪断分散した後、ポリウレタン樹脂を表−3
および表−4にある量とメチルエチルケトン30部、トル
エン30部、シクロヘキサノン20部を加え30分間分散さ
せ、更に上記混合溶剤を合計50部、比較例3および6,7,
8,9,10については15部のポリイソシアネート(日本ポリ
ウレタン(株)製コロネートL)を加えた後更に10分間
分散させて磁性塗料とした。得られた磁性塗料をポリエ
ステルフィルム上に塗膜厚5μmとなるように塗布し磁
場配向処理した後乾燥した。その磁性塗膜を光沢計を用
いて60°反射角の反射率を測定した。
4)分散安定性 光学性の評価に使用した塗料を1時間静置した後、ポ
リエステルフィルム上に塗膜厚5μmとなるように塗布
し、磁場配向処理した後乾燥し、その磁性塗膜を光沢計
を用いて60°反射角の反射率を測定した。
5)角型比 光沢性の評価に使用した磁性塗膜を6mm×6mmに切出し
て、磁気特性測定機により測定した。
6)耐久性 光沢性評価に用いた磁性塗膜をカレンダーロールで平
滑化処理してから65℃で65時間加熱処理した後、荷重10
0gをかけ、研磨紙を張付けた回転ドラムに接触させて、
150rpmで回転させ、磁性塗料が研磨紙に付着した程度を
目視して○(汚れなし)、△(汚れ少しあり)、×(汚
れが多い)の3段階で測定した。
7)走行性 耐久性評価と同じ方法で塗膜と回転ドラム間に発生す
る力を65℃、相対湿度80%の雰囲気でUゲージにより測
定し、走行抵抗が少ない順に、○(低い)、△(中位
い)、×(高い)の3段階で判定した。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジイソシアネートと3個以上の水酸基を有
    するポリオール類の単独または線状の末端水酸基を有す
    るジオールとの混合物との反応により生成するウレタン
    結合を有する樹脂であって、1分子内に平均2.3〜3.6個
    のイソシアネート基をもち、数平均分子量が2,000〜5,1
    00であり、かつ分子量1,000以下の成分が20%未満であ
    るポリウレタン樹脂による磁性粉の結合剤。
  2. 【請求項2】ジイソシアネートと3個以上の水酸基を有
    するポリオール類の単独または線状の末端水酸基を有す
    るジオールとの混合物との反応により生成するウレタン
    結合を有する樹脂であって、1分子内に平均2.3〜3.6個
    のイソシアネート基をもち、数平均分子量が2,000〜5,1
    00であり、かつ分子量1,000以下の成分が20%未満であ
    るポリウレタン樹脂を磁性粉の結合剤とすることを特徴
    とする磁性塗料。
  3. 【請求項3】ジイソシアネートと3個以上の水酸基を有
    するポリオール類の単独または線状の末端水酸基を有す
    るジオールとの混合物との反応により生成するウレタン
    結合を有する樹脂であって、1分子内に平均2.3〜3.6個
    のイソシアネート基をもち、数平均分子量が2,000〜5,1
    00であり、かつ分子量1,000以下の成分が20%未満であ
    るポリウレタン樹脂を磁性粉の結合剤とする磁性塗料を
    用いることを特徴とする磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】ポリウレタン樹脂が分子内に活性水素原子
    を持たない極性基を有するものである特許請求の範囲第
    3項記載の磁気記録媒体。
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