JP2608370B2 - 練り製品の串刺し加熱装置 - Google Patents

練り製品の串刺し加熱装置

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JP2608370B2 JP4289928A JP28992892A JP2608370B2 JP 2608370 B2 JP2608370 B2 JP 2608370B2 JP 4289928 A JP4289928 A JP 4289928A JP 28992892 A JP28992892 A JP 28992892A JP 2608370 B2 JP2608370 B2 JP 2608370B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は魚肉等を素材とした練り
製品を、串に刺して支持した状態で加熱するようにした
練り製品の加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】代表的な魚肉練り製品である蒲鉾類の1
つとしては、笹の葉の形状を模した扁平の蒲鉾つまり笹
蒲鉾がある。このような笹蒲鉾は、魚肉等を調味料と共
にすり潰して形成したペースト状の練り製品を、串に刺
し込んだ状態で加熱するのが通常である。多量の笹蒲鉾
を効率良く加熱する場合には、前記ペースト状の練り製
品を成形機により順次、笹の葉の形状に成形する。この
成形時には、金属製の串を形成機の型内に順次挿入し
て、その串の周囲に練り製品を成形し、串が刺し込まれ
た状態の練り製品が得られるようにする。
【0003】次いで、その成形機から串に刺し込まれた
状態の練り製品を順次取り出し、そのまま串に刺し込ま
れた状態で加熱装置に連続的に搬送する。加熱装置は搬
送装置を有しており、この搬送装置は、通常、チェーン
コンベアにより構成されている。チェーンコンベアには
所定間隔毎にホルダが取付けられており、このホルダに
串の下端部を刺し込むことにより、串刺しされた状態の
練り製品は、コンベアにより加熱装置に搬送される。加
熱装置としては、従来、ガスや電気ヒータ等が使用され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のように、串刺し
された練り製品をガスや電気ヒータ等を用いた加熱装置
により加熱する場合には、練り製品の内部、特に、金属
製の串が刺し込まれた部分を充分に加熱することが困難
であった。この理由は、練り製品に金属等の熱伝導率が
大きい串が刺し込まれていると、練り製品に加えられた
熱がこの串の部分から外部に放熱されることになるため
である。
【0005】一方、近年にあっては、板蒲鉾等を加熱す
るために、ジュール熱を利用した加熱装置が開発されて
いる。この加熱装置は、練り製品にその両側から一対の
電極を接触させ、電極間に電圧を加えて練り製品に通電
し、練り製品自体に発生するジュール熱により内部から
加熱する加熱方式となっている。この加熱方式を、前述
のような笹蒲鉾の製造に適用すれば、ガスや電気ヒータ
等を用いた場合とは異なり、練り製品の内部、特に導電
性の串が刺し込まれた部分付近をも早期に充分に加熱す
ることができる。
【0006】しかしながら、本発明者が実際に前述した
ようなジュール加熱を笹蒲鉾の製造に適用した場合に
は、次のような問題点があるとことが判明した。つま
り、例えばステンレス等の金属からなる串が刺し込まれ
た練り製品をその両側から一対の電極で挾んで通電した
場合には、練り製品の内部の串の表面で電気分解等が生
じ、その生成物によって串の表面が汚れたり、これによ
って練り製品自体の串の表面に接していた部分が黄変、
褐変してしまい、商品価値を損なってしまうという問題
点があった。
【0007】本発明は串刺しされた練り製品をジュール
熱を利用して加熱する加熱装置において、高品質の練り
製品を加熱し得るようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、相互に所定の間隔を隔てて配置され対をな
す2つの金属製の第1ローラに、ループ状の金属製材料
よりなる第1電極ベルトを掛け渡すと共に、相互に所定
の間隔を隔てて配置され対をなす2つの金属製の第2ロ
ーラに、ループ状の金属製材料よりなる第2電極ベルト
を掛け渡し、前記第1電極ベルトと前記第2電極ベルト
の通電用外周面を相互に対向させて隣接配置する一方、
前記第1電極ベルトと前記第2電極ベルトの通電用外周
面間に、それぞれ串が刺し込まれた練り製品を前記串の
部分で支持して搬送する搬送手段を設け、前記第1電極
ベルトと前記第2電極ベルトの通電用外周面との間に前
記練り製品を挟持する所定の間隔を形成し、周波数が5
00〜20KHzである高周波電圧を供給する電源に接
続された第1給電部材と第2給電部材をそれぞれ第1ロ
ーラおよび第2ローラに摺動自在に接触させ、前記第1
電極ベルトと前記第2電極ベルトで挟持された練り製品
を前記第1ローラと前記第2ローラとを介して通電加熱
するようにしたことを特徴とする練り製品の串刺し加熱
装置である。また、それぞれループ状となった第1搬送
体と第2搬送体とを相互に隣接して配置する一方、前記
第1搬送体と前記第2搬送体との間に第3搬送体を配置
し、前記第1搬送体に搬送方向に所定の間隔毎に第1電
極板を設けると共に前記第2搬送体に搬送方向に所定の
間隔毎に第2電極板を設け、また前記第3搬送体にはそ
れぞれ串が刺し込まれた練り製品を前記串の部分で支持
する支持部材を所定の間隔毎に設け、前記第1電極板の
通電用外表面と前記第2電極板との間に前記練り製品を
挟持する所定の間隔を形成し、複数の前記第1電極板の
前記通電用外表面に対して反対側の内面に接触する第1
給電部材を、前記第1搬送体に沿って伸ばして配置し、
前記複数の第2電極板の通電用外表面に対して反対側の
内面に接触する第2給電部材を、前記第2搬送体に沿っ
て伸ばして配置し、前記第1給電部材と第2給電部材の
それぞれに周波数が500〜20KHzの高周波電圧を
供給する電源を接続し、それぞれの前記第1電極板と第
2電極板との間に配置された練り製品を通電加熱するよ
うにしたことを特徴とする練り製品の串刺し加熱装置で
ある。
【0009】
【作用】練り製品は第1電極ベルトと第2電極ベルトと
の間に挟持されて搬送されながら通電される。したがっ
て、電極ベルトは搬送時に変位ないし変形することな
く、全ての練り製品を所望の寸法を維持しながら搬送加
熱することになる。 また、このとき、それぞれの電極ベ
ルトに対しては、電極ベルトが掛け渡された第1ローラ
と第2ローラとを介して、電源から500〜20KHz
という周波数の高周波電流が供給されることになるの
で、練り製品に刺し込まれた串に接触する練り製品の部
分には、黄変等が発生することなく、高品質の練り製品
を低コストで加熱することが可能となった。 また、それ
ぞれループ状となった第1搬送体と第2搬送体とに電極
板を取付けるようにした加熱装置にあっては、それぞれ
の電極板の内面に接触する通電部材から電流が供給され
る。これにより、電極板が搬送体によって搬送される位
置が通電部材により規制されることになり、電極板の通
電用外表面相互の間隔が所定の間隔に維持される。 この
とき、それぞれの搬送体の電極板には、電源から500
〜20KHzという周波数の高周波電流が供給されるこ
とになるので、練り製品に刺し込まれた串に接触する練
り製品の部分には、黄変等が発生することなく、高品質
の練り製品を低コストで加熱することが可能となった。
【0010】
【実施例】ジュール熱を利用して、笹蒲鉾等の練り製品
を加熱する場合には、一対の電極の間に練り製品を配置
し、電極の間に電圧を供給するようにしている。電極に
加えられる電圧は交流が用いられており、本発明者は電
極に加えられる電圧の周波数を種々の条件で実験したと
ころ、周波数500HZ 以上の高周波とすると、練り製
品における上述した黄変等が発生しないという事実を知
見するに至った。この理由は充分に解明されてないが、
練り製品と共に串の部分に高周波電流を流がすと、金属
製の串には電気分解等が発生しないのであると推測され
る。
【0011】このような知見に基づいて完成された本発
明について、以下、図示する実施例を参照して説明す
る。図1〜図3は本発明の一実施例に係る練り製品の加
熱装置の基本構造を示す図であり、図1に示されるよう
に、練り製品Pは図示しない成形機により所定の形状に
成形され、その成形時に練り製品Pには串10が刺し込
まれた状態となる。加熱装置は、図2及び図3に示され
るように、練り製品Pを連続的に搬送するための搬送手
段としてまたは第3搬送体としてのチェーンコンベア1
1を有しており、このチェーンコンベア11はエンドレ
スとなっており、図1の左右方向に設けられたスプロケ
ット(図示省略)に掛け渡されて、水平方向に搬送され
るようになっている。
【0012】このチェーンコンベア11には樹脂等の絶
縁性の部材からなる支持手段としてのホルダー12が所
定の間隔毎に取付けられており、それぞれのホルダー1
2は、串10をその下端部で支持するための穴を有して
いる。
【0013】チェーンコンベア11に隣接して、2つの
第1ローラ21、22がそれぞれ垂直方向に支持された
支持軸23、24により所定の間隔を隔てて回転自在に
配置されており、これらの第1ローラ21、22にはル
ープ状となった第1電極ベルト25が掛け渡されてい
る。
【0014】第1ローラ21、22に対応して、チェー
ンコンベア11の反対側には、2つの第2ローラ21
a、22aがそれぞれ垂直方向に支持された支持軸23
a、24aにより、所定の間隔を隔てて回転自在に配置
されており、これらの第2ローラ21a、22aにはル
ープ状となった第2電極ベルト25aが掛け渡されてい
る。そして、これらの第1及び第2電極ベルト25、2
5aの間には、チェーンコンベア11により搬送される
練り製品Pが通過する隙間26が形成され、練り製品P
は第1電極ベルト21と第2電極ベルト21aとにより
挟持された状態で搬送される。これらの電極ベルトの搬
送速度は、チェーンコンベア11の搬送速度と同期した
速度となっている。
【0015】それぞれのローラ21、22、21a、2
2aと支持軸23、24、23a、24aとの間は図示
しない絶縁部材により絶縁されており、それぞれの電極
ベルト25、25aに電圧を供給するために、それぞれ
のローラの端面には給電部材27が摺動自在に接触して
おり、それぞれの給電部材27はケーブル28を介して
電源に接続されている。
【0016】したがって、串10が刺し込まれた状態と
なった練り製品Pは、ホルダー12を介してチェーンコ
ンベア11に支持された状態で搬送されると、両電極ベ
ルト25、25aの間の隙間26に入り込み、チェーン
コンベア11に支持されながら、両電極ベルト25、2
5aにより挟持された状態で下流側に向けて搬送され
る。この搬送過程で、両電極ベルト25、25aに電圧
を供給することにより、それぞれの練り製品Pには電流
が流れて、ジュール熱が発生する。これにより、練り製
品Pは加熱されることになる。
【0017】本発明にあっては、図4に示されるよう
に、給電部材27…には、それぞれ高周波電源30が接
続されており、この高周波電源30により給電部材27
…を介して電極ベルト25、25aに供給される電圧の
周波数HZ は、500〜20KHZ の値に設定されてい
る。実験によれば、供給される電圧の周波数を例えば、
50〜60HZ 程度の比較的低い周波数に設定すると、
ステンレス等の金属製の串10の部分で電気分解等が生
じ、串10の表面が汚れたり、串10に接する練り製品
Pの部分の黄変が知見されたが、周波数を上述した範囲
の高周波に設定すると、串10の表面汚れや、練り製品
の黄変が発生しなかった。
【0018】図5は他のタイプの加熱装置を示す図であ
り、前記実施例と同様に、ホルダー12を有するチェー
ンコンベア10に隣接して、2つのスプロケット41、
42が所定の間隔を隔てて、それぞれ垂直方向を向いて
配置されており、これらのスプロケット41、42には
ループ状のチェーン43が掛け渡され、第1搬送体44
が形成されている。そして、チェーン43には所定の間
隔毎に多数の第1電極板45が、図示省略した絶縁部材
を介して取付けられている。同様にスプロケット42に
対応して配置されたスプロケット42aと、スプロケッ
ト41に対応して配置されたスプロケット(図示省略)
には、同様にループ状のチェーン43aが掛け渡され
て、第2搬送体44aが形成されている。この第2搬送
体44aには、所定の間隔毎に多数の第2電極板45a
が絶縁部材を介して取付けられている。第1電極板45
と第2電極板45aの外表面の間に、練り製品を挟持す
る隙間が形成されている。
【0019】第1搬送体44に取付けられた第1電極板
45の外表面に対して反対側の内表面には、給電部材と
して導電性の部材54が搬送方向に沿って伸びて配置さ
れている。同様に、第2電極板54aの外表面に対して
反対側の内面に接触する導電性の部材54aが、給電部
材として搬送方向に沿って伸びて配置されている。それ
ぞれの給電部材には、前記実施例と同様に所定の高周波
電圧が供給される。
【0020】尚、本発明にあっては、前記実施例のみに
限定されることなく、笹蒲鉾等の練り製品を導電性の串
10を用いて支持した状態で対をなす電極によりジュー
ル熱により加熱するタイプの加熱装置であれば、何れに
対しても適用することができる。例えば、対をなす電極
板を相互に接近離反するように配置し、これらの電極板
の間で串10を用いて練り製品を支持するようにしたタ
イプの加熱装置に対しても適用することができる。その
場合には、連続加熱式ではなく、いわゆるバッチ式の加
熱装置となる。
【0021】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明に
よれば、電極ベルトが掛け渡されたローラに給電部材を
接触させて、ローラと電極ベルトを介して練り製品に高
周波電流を供給するようにしたので、給電部材によって
電極ベルトが変形することなく、高品質の練り製品を製
造することができると共に、給電部材と電極ベルトとの
接触により摩耗粉が発生しても、それを容易に除去する
ことができ、さらに、500〜20KHzの高周波電圧
を練り製品に供給するようにした結果、串に接触する練
り製品の部分には黄変等が発生することなく、高品質の
練り製品を低コストの装置により迅速に加熱することが
可能となった。 また、請求項2に記載の発明によれば、
搬送体に電極板を取付けて、その電極板に給電部材を接
触させるようにしたので、給電部材が電極の位置決め部
材としても機能することになり、所望の形状の練り製品
を製造することができる。さらに、500〜20KHz
の高周波電圧を練り製品に供給するようにした結果、串
に接触する練り製品の部分には黄変等が発生することな
く、高品質の練り製品を低コストの装置により迅速に加
熱することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】は練り製品がチェーンコンベアのホルダーに支
持された状態を示す斜視図、
【図2】は本発明の一実施例に係る練り製品の串刺し加
熱装置の基本構造を示す平面図、
【図3】は図2の平面図、
【図4】は練り製品の加熱装置の電源回路を示すブロッ
ク図、
【図5】は本発明の他の実施例に係る練り製品の串刺し
加熱装置の基本構造を示す一部省略斜視図である。
【符号の説明】
10…串、11…チエーンコンベア、12…ホルダー
(支持部材)、25…電極ベルト(第1電極)、25a
…電極ベルト(第2電極)、27…給電部材、30…高
周波電源、45…電極板(第1電極)、45a…電極板
(第2電極)、P…練り製品。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相互に所定の間隔を隔てて配置され対を
    なす2つの金属製の第1ローラに、ループ状の金属製材
    料よりなる第1電極ベルトを掛け渡すと共に、相互に所
    定の間隔を隔てて配置され対をなす2つの金属製の第2
    ローラに、ループ状の金属製材料よりなる第2電極ベル
    トを掛け渡し、前記第1電極ベルトと前記第2電極ベル
    トの通電用外周面を相互に対向させて隣接配置する一
    方、前記第1電極ベルトと前記第2電極ベルトの通電用
    外周面間に、それぞれ串が刺し込まれた練り製品を前記
    串の部分で支持して搬送する搬送手段を設け、前記第1
    電極ベルトと前記第2電極ベルトの通電用外周面との間
    に前記練り製品を挟持する所定の間隔を形成し、周波数
    が500〜20KHzである高周波電圧を供給する電源
    に接続された第1給電部材と第2給電部材をそれぞれ第
    1ローラおよび第2ローラに摺動自在に接触させ、前記
    第1電極ベルトと前記第2電極ベルトで挟持された練り
    製品を前記第1ローラと前記第2ローラとを介して通電
    加熱するようにしたことを特徴とする練り製品の串刺し
    加熱装置。
  2. 【請求項2】 それぞれループ状となった第1搬送体と
    第2搬送体とを相互に隣接して配置する一方、前記第1
    搬送体と前記第2搬送体との間に第3搬送体を配置し、
    前記第1搬送体に搬送方向に所定の間隔毎に第1電極板
    を設けると共に前記第2搬送体に搬送方向に所定の間隔
    毎に第2電極板を設け、また前記第3搬送体にはそれぞ
    れ串が刺し込まれた練り製品を前記串の部分で支持する
    支持部材を所定の間隔毎に設け、前記第1電極板の通電
    用外表面と前記第2電極板との間に前記練り製品を挟持
    する所定の間隔を形成し、複数の前記第1電極板の前記
    通電用外表面に対して反対側の内面に接触する第1給電
    部材を、前記第1搬送体に沿って伸ばして配置し、前記
    複数の第2電極板の通電用外表面に対して反対側の内面
    に接触する第2給電部材を、前記第2搬送体に沿って伸
    ばして配置し、前記第1給電部材と第2給電部材のそれ
    ぞれに周波数が500〜20KHzの高周波電圧を供給
    する電源を接続し、それぞれの前記第1電極板と第2電
    極板との間に配置された練り製品を通電加熱するように
    したことを特徴とする練り製品の串刺し加熱装置。
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