JP2606265Y2 - クリップの取付構造 - Google Patents

クリップの取付構造

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JP2606265Y2
JP2606265Y2 JP1992064290U JP6429092U JP2606265Y2 JP 2606265 Y2 JP2606265 Y2 JP 2606265Y2 JP 1992064290 U JP1992064290 U JP 1992064290U JP 6429092 U JP6429092 U JP 6429092U JP 2606265 Y2 JP2606265 Y2 JP 2606265Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、ドアライニング等の成
形品をドアインナーパネル等の被取付体に止着固定する
クリップとして成形品の内面側に設けられる受け座で立
付け保持するクリップの取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車のドアライニングにおいて
は、図8で示すようにクリップ1として所定の間隔を隔
て軸部より側方に張り出す上下の止め鍔10,11を基
部側に有するものを備え、このクリップ1をドアライニ
ングRの内面側に一体成形された受け座2で立付け保持
し、そのクリップ1をドアインナーパネルの嵌込み穴に
嵌着させてドアインアーパネルに止着固定することが行
なわれている。
【0003】そのクリップ1は、図9で示す如く受け座
2の縁部より板面中央寄りに鍵穴状の止め穴3を設け、
この止め穴3の穴口30から連続する所定間隔のガイド
縁31で所定の間隔を保つと共に、板面中央寄りに形成
された円形の軸止め部32にまで止め鍔間の軸部を嵌め
込み、軸止め部32の口縁より受け座2の板厚を上下の
止め鍔10,11で挟み込むことにより受け座2で立付
け保持されている。
【0004】そのクリップ1はドアライニングの製造工
程で取り付けられているが、ドアライニングをドアイン
ナーパネルに対する組付け工程に搬送する途上で、この
クリップ1が止め穴3から外れて脱落してしまうことが
生じ易い。
【0005】その脱落防止を図るには、クリップ1を止
め穴3の軸止め部32に嵌め込んだ後、止め穴3の少な
くとも穴口30を接着部材等で封鎖すればよい。然し、
これでは別部材を取り付ける手間が掛りしかもコストも
掛かるところから好ましくない。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】本考案は、クリップの
脱落を簡単な構造の変更で確実に防止できてコスト高も
招かないクリップの取付構造を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本考案の請求項1に係る
クリップの取付構造においては、所定の間隔を隔て軸部
より側方に張り出す上下の止め鍔を基部側に有するクリ
ップを備え、そのクリップを被取付体に対する成形品の
止着固定用として成形品の内面側に設ける略函形の受け
座で立付け保持するもので、受け座の天板部と側壁部と
の角部縁に位置する穴口より鍵穴形を呈する止め穴を天
板部の板面に設け、その止め穴の穴口より連続させて所
定の距離を該角部縁との間に保つ縦穴部と当該縦穴部の
穴端より両側の直角方向に伸びる横穴部とから略逆T字
状を呈する切欠穴を側壁部の壁面に設け、クリップの上
止め鍔を受け座の天板部と側壁部との角部縁にあてがっ
て上止め鍔の間に位置する軸部から下止め鍔を止め穴の
穴口より略逆T字状の切欠穴で側壁部の内側に圧入し、
その上下の止め鍔の間に位置する軸部を止め穴の穴口か
ら天板部中央寄りの軸止め部に嵌め込むと共に、軸止め
部の口縁より天板部の板厚を上下の止め鍔で挟み込んで
クリップを受け座で立付け保持し、更に、切欠穴の縦穴
部を介して両側の該角部縁より所定の距離を保つ側壁部
の立上り縁により受け座で立付け保持したクリップの下
止め鍔を外止め係止可能に組み立ることにより構成され
ている。
【0008】本考案の請求項2に係るクリップの取付構
造においては、上止め鍔の間に位置する軸部から下止め
鍔を止め穴の穴口より連続する略逆T字状の切欠穴で側
壁部の内側に圧入する逃げ部として、天板部と側壁部と
の角部縁をアール状に面取り成形することにより構成さ
れている。
【0009】本考案の請求項3に係るクリップの取付構
造においては、クリップの嵌込みガイドとして、所定の
間隔を天板部との間に保ち、上端辺を止め穴の穴口から
軸止め部に向って相対位置すると共に、止め穴の穴口よ
り所定長さ外方に延長するガイド板を設けることにより
構成されている。
【0010】
【作用】本考案の請求項1に係るクリップの取付構造で
は、クリップの上止め鍔を受け座の天板部と側壁部との
角部縁にあてがって上止め鍔の間に位置する軸部から下
止め鍔を止め穴の穴口より略逆T字状の切欠穴で側壁部
の内側に圧入し、その上下の止め鍔の間に位置する軸部
を止め穴の穴口から天板部中央寄りの軸止め部に嵌め込
むと共に、軸止め部の口縁より天板部の板厚を上下の止
め鍔で挟み込んでクリップを受け座で立付け保持し、更
に、切欠穴の縦穴部を介して両側の該角部縁より所定の
距離を保つ側壁部の立上り縁により受け座で立付け保持
したクリップの下止め鍔を外止め係止可能に組み立るこ
とにより、クリップが受け座より脱落するのを簡単な構
造で確実に防止することができる。
【0011】本考案の請求項2に係るクリップの取付構
造では、上止め鍔の間に位置する軸部から下止め鍔を止
め穴の穴口より連続する略逆T字状の切欠穴で側壁部の
内側に圧入する逃げ部として、天板部と側壁部との角部
縁をアール状に面取り成形することにより、クリップの
止め鍔を外止め係止可能な立上り縁を側壁部に設けて
も、上止め鍔の間に位置する軸部から下止め鍔を略逆T
字状の切欠穴で側壁部の内側に容易に圧入することがで
きる。
【0012】本考案の請求項3に係るクリップの取付構
造では、ガイド板を止め穴の穴口より所定長さ外方に延
長させることから、その止め穴の外方に位置するガイド
板の上端辺をクリップの嵌込みガイドとしてクリップの
基部側をスライド移動させることにより、クリップを容
易に嵌入することができる。
【0013】
【実施例】以下、図1〜7を参照して説明すると、この
実施例は図8,9で示すと同様に自動車用のドアライニ
ングRをドアインナーパネル(図示せず)に止着固定す
るのに用いられるクリップの取付構造を示す。図中、図
8,9で示すと共通する構造部分については同じ符号で
示し、符号1はクリップ、2は受け座、3は鍵穴状の止
め穴、4は逆T字状の切欠穴、5はガイド板を示す。
【0014】ドアライニングRは、図1で示すようにラ
イニング基材r1 がポリプロピレン等の樹脂で所定の立
体形状を有するよう形成されている。ライニング基材r
1 は表面側がポリ塩化ビニル,ポリエチレン等の混合材
で形成する表装材r2 で被覆され、内面側にはライニン
グ基材r1 と一体に形成することにより受け座2並びに
ガイド板5が設けられている。
【0015】クリップ1は、所定の間隔を隔て軸部1a
より側方に突出する上下の止め鍔10,11を基部1b
に有するもので、各止め鍔10,11は受け座2の後述
する天板部の板厚とほぼ相応する間隔を隔てて形成され
ている。そのクリップ1は全体が硬質な樹脂で形成さ
れ、突端部1cは段付きピン状に形成されている。この
クリップ1の突端部1cは、ドアインナーパネルの嵌込
み穴(図示せず)に嵌着することによりドアライニング
Rをドアインナーパネルに固定できるものであれば如何
る形状のものでもよく、例えばアンカー状に形成された
ものでも用いることができる。
【0016】受け座2は、図2で示す如く天板部2aと
側壁部2b〜2eとから略函形の立体形状でドアライニ
ングRの内面側より立ち上がるよう形成されている。そ
の受け座2は、図3で示す如くドアライニングRの表装
側からみて各コーナー付近に位置させて複数個所に分け
て設ければよい。また、この受け座2をライニング基板
r1 と共に樹脂成形するときには鍵穴状の止め穴3が天
板部2aに、また、切欠穴4が側壁部2bに型成形され
る。
【0017】その止め穴3は、天板部2aと側壁部2b
との角部縁2fに位置する穴口30より所定の間隔を保
って連続するガイド縁31を介し、円形の軸止め部32
を天板部2aの板面中央寄りに位置するよう鍵穴状に形
成されている。この止め穴3においてはクリップ1の嵌
入易さを図るべく、図4で示す如く止め穴3の穴口30
をクリップ1の止め鍔10,11が縁部に多少掛る程度
の広幅に形成すると共に、穴口30より軸止め部32に
向うガイド縁31をクリップ1の軸部と略相応する狭間
なテーパ状になるよう形成されている。
【0018】切欠穴4は、図5,図6で示す如く止め穴
3の穴口30より連続させて所定の距離を天板部2aと
側壁部2bとの角部縁2fとの間に保つ縦穴部40と、
下止め鍔11の径幅に相当する長さで縦穴部40の穴端
より両側の直角方向に伸びる横穴部41とから略逆T字
状を呈するよう側壁部2bの壁面に設けられている。こ
の切欠穴4は、上止め鍔10を天板部2aと側壁部2b
との角部縁2fにあてがって上止め鍔2aの間に位置す
る軸部1aから下止め鍔11を側壁部2bの内側に圧入
可能にするもので、また、縦穴部40を介して両側で角
部縁2fより所定の距離を保つ側壁部2bの立上り縁2
0,21を設けるよう形成されている。
【0019】上述した構成に加えて、天板部2aと側壁
部2bとの角部縁2fは上止め鍔10をあてがって上止
め鍔2aの間に位置する軸部1aから下止め鍔11を側
壁部2bの内側に容易に圧入可能な逃げ部としてアール
状に面取り成形されている。
【0020】ガイド板5は、図7で示すように上端辺5
aが受け座2の天板面2aと所定の間隔を隔てて相対位
置するよう受け座2の内側に設けられている。このガイ
ド板5は止め穴3の穴口30より所定長さ外方に延長
し、クリップ1の軸部1aを止め穴3の穴口30に嵌入
するガイドとして、延長部5bが受け座2の側壁部2b
より外方に突出するよう連続形成されている。
【0021】この受け座2に対し、クリップ1を取り付
けるには上止め鍔10を天板部2aと側壁部2bとの角
部縁2fにあてがって上止め鍔2aの間に位置する軸部
1aから下止め鍔11を止め穴3の穴口30より連続す
る略逆T字状の切欠穴4で側壁部2bの内側に圧入し、
軸部1aを止め穴3の穴口30から天板部2aの中央寄
りに位置する軸止め部32に嵌め込み、軸止め部32の
口縁より天板部2aの板厚を上下の止め鍔10,11で
挟み込むことにより立付け保持するようにできる。
【0022】その圧入の際、受け座2の側壁部2bには
所定寸法で立上がる立上り縁20,21が設けられ、ま
た、止め鍔10,11が天板部2aの板厚にほぼ相応す
る間隔を隔てて設けられていても、天板部2aと側壁部
2bとの角部縁2fが立上り縁20,21の立上り寸法
に応じたアール状に面取り成形されていることから、そ
のアール状の角部縁3fが立上り縁20,21の逃げ部
として作用することにより、立上り縁20,21を止め
鍔10,11の間隔内に受け入れてクリップ1の軸部1
aを止め穴3の穴口30より側壁部2bの内側に容易に
圧入させることができる。
【0023】それと共に、ガイド板5が止め穴3の穴口
30よりも所定長さ外方に延長されていることから、こ
の延長部5bの上端辺5aに下止め鍔11を当てがって
圧入すると、クリップ1の軸部1aを止め穴3の穴口3
0から内部により簡単に嵌入させることができる。
【0024】また、受け座2に対し、クリップ1を取り
付けた状態では切欠穴4の縦穴部40を介して両側で角
部縁2fより所定の距離を保つ側壁部2bの立上り縁2
0,21がクリップ1の下止め鍔11を外止め係止可能
なストッパとなるため、クリップ1が受け座2より脱落
するのを簡単な構造で確実に防止することができる。
【0025】
【考案の効果】以上の如く、本考案に係るクリップの取
付構造に依れば、クリップの止め鍔を係止する立上り縁
を受け座の側壁部に設けるだけで、クリップが止め穴よ
り外れ出すのを確実に防止できる。また、その立上り縁
を受け座の側壁部に設けても、天板部と側壁部との角部
縁がアール状に面取り成形されしかもガイド板が止め穴
の穴口より所定長さ外方に延長させて設けられているこ
とから、天板部の板厚を上下の止め鍔で挟みしかもクリ
ップの軸部を止め穴の穴口より内部に嵌入させるのも容
易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係るクリップの取付構造を成形品の部
分断面で示す説明図である。
【図2】同クリップの取付構造を成形品の内面側で示す
部分斜視図である。
【図3】同クリップの取付構造を適用する成形品を外面
側で示す全体斜視図である。
【図4】同クリップの取付構造を構成する受け座を示す
平面図である。
【図5】同クリップの取付構造を構成する受け座を部分
的に示す斜視図である。
【図6】同クリップの取付構造を成形品の部分拡大断面
で示す説明図である。
【図7】同クリップの取付構造を構成する受け座を部分
的に示す側断面図で示す説明図である。
【図8】従来例に係るクリップの取付構造を成形品の部
分断面で示す説明図である。
【図9】同クリップの取付構造を構成する受け座を示す
平面図である。
【符号の説明】
1 クリップ 1a クリップの軸部 1b クリップの基部側 10,11 上下の止め鍔 2 受け座 2a 天板部 2b 側壁部 2f 角部縁 20,21 側壁部の立上り縁 3 止め穴 30 止め穴の穴口 31 止め穴のガイド縁 32 止め穴の軸止め部 4 切欠穴 40 切欠穴の縦穴 41 切欠穴の横穴 5 ガイド板 5a ガイド板の上端辺 5b ガイド板の延長部 R 成形品

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の間隔を隔て軸部より側方に張り出
    す上下の止め鍔を基部側に有するクリップを備え、その
    クリップを被取付体に対する成形品の止着固定用として
    成形品の内面側に設ける略函形の受け座で立付け保持す
    るクリップの取付構造であって、 受け座の天板部と側壁部との角部縁に位置する穴口より
    鍵穴形を呈する止め穴を天板部の板面に設け、その止め
    穴の穴口より連続させて所定の距離を該角部縁との間に
    保つ縦穴部と当該縦穴部の穴端より両側の直角方向に伸
    びる横穴部とから略逆T字状を呈する切欠穴を側壁部の
    壁面に設け、 クリップの上止め鍔を受け座の天板部と側壁部との角部
    縁にあてがって上止め鍔の間に位置する軸部から下止め
    鍔を止め穴の穴口より連続する略逆T字状の切欠穴で側
    壁部の内側に圧入し、上下の止め鍔の間に位置する軸部
    を止め穴の穴口から天板部中央寄りの軸止め部に嵌め込
    むと共に、軸止め部の口縁より天板部の板厚を上下の止
    め鍔で挟み込んでクリップを受け座で立付け保持し、更
    に、切欠穴の縦穴部を介して両側の該角部縁より所定の
    距離を保つ側壁部の立上り縁により受け座で立付け保持
    したクリップの下止め鍔を外止め係止可能に組み立てた
    ことを特徴とするクリップの取付構造。
  2. 【請求項2】 上記上止め鍔の間に位置する軸部から下
    止め鍔を止め穴の穴口より連続する略逆T字状の切欠穴
    で側壁部の内側に圧入する逃げ部として、天板部と側壁
    部との角部縁をアール状に面取り成形したことを特徴と
    する請求項1に記載のクリップの取付構造。
  3. 【請求項3】 上記クリップの嵌込みガイドとして、所
    定の間隔を天板部との間に保ち、上端辺を止め穴の穴口
    から軸止め部に向って相対位置すると共に、止め穴の穴
    口より所定長さ外方に延長するガイド板を設けたことを
    特徴とする請求項1に記載クリップの取付構造。
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