JP2603027B2 - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JP2603027B2
JP2603027B2 JP4124568A JP12456892A JP2603027B2 JP 2603027 B2 JP2603027 B2 JP 2603027B2 JP 4124568 A JP4124568 A JP 4124568A JP 12456892 A JP12456892 A JP 12456892A JP 2603027 B2 JP2603027 B2 JP 2603027B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、情報の記録再生に用
いられる光磁気記録媒体、特に初期化層によって光変調
ダイレクト・オーバーライト機能を付与した光磁気記録
媒体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図12は、例えばJournal of Applied P
hysics vol. 67 No.9(1.May.'90),PP. 4415〜4416
に示された従来の光磁気記録媒体の構成図である。図1
2において、1は半導体レーザ等により出射されレンズ
により集光された光ビーム、2はHbの磁界を発生させ
る外部磁界発生装置、3はガラスまたはプラスチックの
透明基板、4〜7は互いに交換結合した4層の磁性層で
あり、第1磁性層4、第2磁性層5、第3磁性層6、第
4磁性層7で構成されている。
【0003】次に、ダイレクト・オーバーライトのメカ
ニズムについて説明する。図13は、ある温度での遷移
金属副格子磁化の方向を示し、図14に記録時
(PHIGH,PLOW )と再生時(PREAD)の3値変調され
る光ビームの光強度を示している。図14のPREADは非
常に小さなパワーのため、磁化状態(記録状態)は変化
しないが、PLOW ,PHIGHでは記録膜の温度が上昇し、
その最高到達温度はTLOW ,THIGHとなり、以後冷却時
の磁化状態の変化により「0」または「1」の記録が行
われ、それぞれ「低パワー・プロセス」と「高パワー・
プロセス」と呼び、この二つについて図13により説明
する。
【0004】「低パワー・プロセス」においては、第2
磁性層5と第4磁性層7はその遷移金属副格子磁化の方
向に変化なく上向きであり、その後の冷却時に第1磁性
層4は第2磁性層5からの交換力により遷移金属副格子
磁化の方向は揃い、上向きとなり、「0」が記録され
る。
【0005】また、「高いパワー・プロセス」において
は、媒体温度がTHIGHまで、つまり、第2磁性層5のキ
ュリー温度TC2近傍まで上昇するため、第4磁性層7の
みが遷移金属副格子磁化の方向が上向きとなっている。
その後の冷却時に外部磁界発生装置2による磁界Hbに
より、第2磁性層5の遷移金属副格子磁化の方向が下向
きとなり、次に第1磁性層4が「低パワー・プロセス」
同様に第2磁性層5からの交換力により下向きになる。
【0006】室温近傍において、第2磁性層5が第3磁
性層6からの交換力により上向きに戻す初期化過程が起
こるが、第1磁性層4はこの時点では交換力による磁化
の反転はなく、下向きを保ち「1」が記録される。以上
のようにして、光変調によるダイレクト・オーバーライ
トが実現される。
【0007】次に、第2磁性層5を初期状態である上向
きに戻す初期化過程についてさらに詳細に述べる。高パ
ワー・プロセスからの冷却過程において、まず第3磁性
層6の磁化の方向が交換結合力によって、第4磁性層7
の磁化の方向に揃い、遷移金属副格子磁化は上向きとな
る。
【0008】次に、第2磁性層5の磁化の方向が交換結
合力によって第3磁性層6の磁化の方向に揃い、遷移金
属副格子磁化が上向きになって初期状態に戻され、初期
化過程が完了する。第4磁性層7は第2磁性層5の磁化
の方向を次の記録に備えて常に上向きに初期化する働き
を持つので、第4磁性層7は「初期化層」と呼ばれる。
後述するこの発明においても、第4磁性層7を初期化層
7として以後記載する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
ダイレクトオーバーライトを実現するには、初期化層7
の磁化の方向は常に一方向に保持される必要があり、高
パワー・プロセスを含め、全ての記録再生の過程におい
て、磁化反転を起こしてはならない。しかしながら、高
パワー・プロセスにおける光パワーPHIGHが過大の場合
には、初期化層7の磁化の方向が反転する場合もあるこ
とが判った。
【0010】図15は再生信号の搬送波対雑音(C/
N)比の記録光ビームのパワーPHIGHに対する依存性で
ある。ここでPHIGHが10mWを超えると、急激にC/N
比が低下しており、この時、初期化層7を偏光顕微鏡に
よって観察したところ、記録領域の初期化層の一部が磁
化反転していることが確かめられた。これは、PHIGH
過剰のために、磁性層の温度が初期化層のキュリー温度
付近まで上昇し、初期化層の磁化が反転したものであ
る。
【0011】また、図16は繰り返し記録再生を行なっ
たときの再生信号のビットエラーレートの繰り返し記録
再生回数に対する依存性である。繰り返し記録回数が1
×104 回を越える付近から、ビットエラーレートの増
大が見られる。エラーが増大した光磁気記録媒体の初期
化層7の磁化が反転していることが確かめられた。この
場合は、1回の記録再生では問題にならない初期化層の
磁化方向の反転またはゆらぎが繰り返し記録再生によっ
て拡大され、エラーの増加につながる程の初期化層7の
磁化反転を引き起こしたものと考えられる。
【0012】以上述べたように、図12に示した光磁気
記録媒体においては、光変調ダイレクト・オーバーライ
ト光磁気記録媒体に特有の初期化層7の磁化反転の問題
があるために、記録ビームの光パワーの上限が低く制限
され、また繰り返し記録再生可能回数が制限される場合
があることが判明した。
【0013】この発明は、上記のような問題点を解消す
るためになされたものであり、初期化層によって光変調
ダイレクト・オーバーライトの機能を付与した光磁気記
録媒体において、高い記録パワーに対しても信号の劣化
がなく、また優れた耐繰り返し記録再生特性を有する光
磁気記録媒体を得ることを目的としており、また、樹脂
層を形成するのに必要な樹脂の量を低減でき、極めて安
定した樹脂層厚、初期化層過熱を抑制でき、樹脂層形
状、安定な外観品質を有し、さらに、製品歩留りを向上
させることができる光磁気記録媒体の製造方法を得るこ
とを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明に係る光磁気記
録媒体は、透明基板上に第1磁性層から第3磁性層まで
の3層が積層されてなる記録膜と、この記録膜に対し前
記透明板と逆側に密着して形成された第4磁性層であ
る初期化層と、この初期化層の表面に形成された0.3
μm以上の厚さの樹脂層とを備えており、それぞれ隣接
する磁性層は互いに交換結合されてなることを特徴とす
【0015】また、この発明に係る光磁気記録媒体の製
造方法は、明基板上に第1磁性層から第3磁性層およ
び初期化層の4層を順次積層して記録膜を形成する工程
と、初期化層の記録再生領域以外を金属製のマスクで覆
って記録再生領域に樹脂を塗布して紫外線の照射により
硬化させて第1樹脂層を形成する工程を導入したもので
ある。
【0016】また、この発明に係る光磁気記録媒体の製
造方法は、第1樹脂層形成後さらに樹脂を塗布して硬化
させることにより第2樹脂層を形成する工程を導入した
ものである。
【0017】さらに、この発明に係る光磁気記録媒体は
初期化層の表面に形成された誘電体層と、この誘電体層
上に形成された金属薄膜層と、この金属薄膜層上に形成
された0.3μm以上の厚さの樹脂層とをさらに備えて
なることを特徴とする
【0018】この発明に係る光磁気記録媒体は、2枚の
光磁気記録媒体の樹脂層を互いに向かい合わせて接着層
により接合する工程を導入したものである。
【0019】さらに、この発明に係る光磁気記録媒体
は、2枚の光磁気記録媒体の樹脂層を互いに向かい合わ
せて、接着層を内周領域と外周領域に形成して接合する
工程を導入したものである。
【0020】また、この発明に係る光磁気記録媒体の製
造方法は、2枚の光磁気記録媒体の両方の樹脂層同志を
向かい合わせるか、または一方の光磁気記録媒体の樹脂
層と初期化層とを向かい合わせて、樹脂層を硬化する前
に圧接する工程を導入したものである。
【0021】さらに、この発明に係る光磁気記録媒体の
製造方法は、初期化層上に誘電体層を介して金属薄膜層
を形成した2枚の光磁気記録媒体の金属薄膜層を互いに
向かい合わせて、その間に樹脂層を介在させて接合する
工程を導入したものである。
【0022】
【作用】この発明における光磁気記録媒体においては、
初期化層を含む記録膜に接して基板と逆側に樹脂層を設
けたことによって記録時の集光ビームによる初期化層の
熱が樹脂層に吸収され初期化層の過熱が抑制され、初
期化層の磁化反転を防止することができ、その結果とし
て、高い記録パワーまで信号の劣化を引き起こすことな
く、記録再生が行え、また繰り返し記録再生可能回数の
飛躍的な増大がもたらされる。
【0023】また、この発明の光磁気記録媒体の製造方
法においては、初期化層形成後に金属製マスクで覆って
記録再生領域のみに樹脂層を形成することから、必要な
樹脂量のみでよく、安定した樹脂膜厚と樹脂層を形成す
る。
【0024】この発明の光磁気記録媒体の製造方法にお
いては、第1樹脂層形成後第2樹脂層を形成することに
より、第1樹脂層の塗布むら、塗り残しむらを解消する
とともに、初期化層の過熱を抑制することになり、製品
歩留まりを向上させる。
【0025】この発明の光磁気記録媒体においては、初
期化層と樹脂層との間に誘電体層と金属薄膜を形成する
ことにより、記録時に初期化層に付与された熱エネルギ
を誘電体層を介して金属薄膜に迅速に伝達し、金属薄膜
に蓄積されることなく、樹脂層に伝達され、初期化層の
過熱を抑制する。
【0026】さらに、この発明の光磁気記録媒体の製造
方法においては、2枚の光磁気記録媒体の樹脂層を互い
に向かい合わせて接着層で接合することにより、両面光
磁気記録媒体が得られる。
【0027】また、この発明の光磁気記録媒体の製造方
法においては、2枚の光磁気記録媒体の第2樹脂層を互
いに向かい合わせて、内周領域と外周領域を接着層で接
合するから、接着層を必要量に削減することになる。
【0028】また、この発明の光磁気記録媒体の製造方
法においては、2枚の光磁気記録媒体の樹脂層共有と
し、樹脂層の硬化前に両光磁気記録媒体を圧接すること
により、両面光磁気記録媒体が得られる。
【0029】さらに、この発明の光磁気記録媒体は2枚
の光磁気記録媒体の樹脂層を共有として2枚を接合する
から、両光磁気記録媒体が得られ、2枚の光磁気記録媒
体にそれぞれ誘電体層と金属薄膜を有するから、両初期
化層に熱エネルギが付与されたとき、それぞれ誘電体層
と金属薄膜を介して両方の樹脂層に伝達され、初期化層
の過熱を抑制する。
【0030】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の実施例を図を用いて説明す
る。図1はこの発明の光磁気記録媒体の一実施例の断面
図を示す。図1における13はガラスまたはプラスチッ
クの透明基板、14〜17は互いに交換結合した4層の
磁性層であり、第1磁性層14、第2磁性層15、第3
磁性層16、初期化層17(第4磁性層)、樹脂層18
となっている。以下に各層の諸元を記す。 透明基板13:外周半径65mm、中心孔半径7.5mm、
厚み1.2mm、記録再生領域が半径30mmから60mmの
範囲の案内溝付きポリカーボネート基板、 第1磁性層14:Tb24Fe72Co4 3元系非晶質合金
薄膜、 第2磁性層15:Dy25Fe45Co303元系非晶質合金
薄膜、 第3磁性層16:Tb18Fe842元系非晶質合金薄膜、 初期化層17:Tb30Co702元系非晶質合金薄膜、 樹脂層18:紫外線硬化型樹脂、 この実施例1の光記録媒体は透明基板13上の半径25
mmから半径62mmの同心円領域に、第1磁性層14、第
2磁性層15、第3磁性層16、初期化層17の4層か
らなる記録膜を順次マグネトロンスパッタ法により成膜
し、その後初期化層17に接して樹脂層18をスピンコ
ーティング塗布した後、紫外線を照射して樹脂層18を
硬化させることによって作製した。
【0031】図2は、実施例1の光磁気記録媒体の再生
信号のC/N比の記録光ビームのパワーPHIGHに対する
依存性である。ここで樹脂層18がない場合には、P
HIGHが10mWを超えると急激にC/N比が低下したのに
対し、樹脂層18を付与したこの実施例では、PHIGH
12.5mWを超えるまでC/N比が低下しない。
【0032】これは記録光ビームの加熱による初期化層
17の熱が樹脂層18へ伝達吸収され、初期化層17の
温度上昇が抑制され、より大きなPHIGHまで初期化層の
磁化反転による特性劣化が抑えられたものである。
【0033】また、図3は実施例1の光磁気記録媒体に
繰り返し記録再生を行なったときの再生信号ビットエラ
ーレートの繰り返し記録再生回数に対する依存性であ
る。ここで樹脂層18がない場合には、繰り返し記録回
数が1×104 回を超える付近からビットエラーレート
の増大が見られたのに対し、樹脂層18を付与したこの
実施例1では、1×107 回の繰り返し記録再生に対し
ても、エラーの増加は見られない。
【0034】この媒体の初期化層を偏光顕微鏡で観察し
たところ繰り返し記録再生領域の初期化層17の磁化は
一方向を向いており、繰り返し記録再生によるエラーの
増加につながる初期化層17の磁化反転は起こっていな
い。なお、樹脂層18の厚みとしては、0.3μm以上
であれば、初期化層17の過熱を抑制することによって
得られるこの発明の効果が認められ、これよりも厚い樹
脂層18を設けることによって、より確実にこの発明の
効果が発揮される。
【0035】実施例2.図4はこの発明の実施例2を説
明する断面図である。この実施例2は実施例1の光磁気
記録媒体において記録再生を行なう領域(記録再生領
域)である半径30mmから半径60mmの同心円領域を包
含するように、図5に示すように半径29.5mmから半
径60.5mmの同心円領域以外を金属製のマスク19に
よって覆い、半径29.5mmから半径60.5mmの同心
円領域に樹脂層18を塗布、硬化させ形成したものであ
る。
【0036】この実施例2の製造方法によって、実施例
1で述べたようなこの発明の効果を損なうことなく、樹
脂層18を形成するのに必要な樹脂の量を低減でき、極
めて安定な樹脂層厚、樹脂層18の形状、および安定な
外観品質を有する光磁気記録媒体を製造することができ
る。
【0037】実施例3.図6はこの発明の実施例3によ
る光磁気記録媒体の製造方法により製造された光磁気記
録媒体の断面図である。この実施例3は実施例2中にて
述べた光磁気記録媒体の製造方法により樹脂層18を設
けた後に、樹脂層を再塗布し硬化させることによって、
さらに第2の樹脂層を1層付加したものである。この発
明の効果を得るには、記録再生領域の初期化層17と樹
脂層18が密接して完全に覆われる必要があるが、例え
ば、実施例2の光磁気記録媒体の製造方法の工程におい
て、樹脂層18の塗布むら、塗り残し等により、樹脂層
18が完全に記録再生領域を覆っていない不具合が生じ
た場合、この実施例3の工程により、塗り残し部分にも
第2の樹脂層18aを形成することができ、この発明の
光磁気記録媒体の生産工程における製品歩留まりを向上
させる効果がある。
【0038】また、この実施例3の工程によって作成さ
れた光磁気記録媒体は記録再生領域の樹脂層厚が他の領
域の樹脂層厚より厚くなり、初期化層17の過熱を抑制
することによって得られるこの発明の効果がより確実に
得られるという効果がある。
【0039】実施例4.図7はこの発明の実施例4の断
面図である。この実施例4における記録層は、樹脂層1
8に接する側からAu、Ag、Al、Cu、Niなどの
金属または合金からなる金属薄膜層20、Ta2 5
SiN、AlN、AlSiN、SiAlON、SiO、
SiO2 、GeNなどからなる誘電体層21を設けたも
のである。
【0040】この実施例4の構成の光磁気記録媒体で
は、記録時に初期化層17に付与された熱エネルギは、
誘電体層21を介して金属薄膜層20に迅速に伝達さ
れ、しかも熱エネルギが金属薄膜層20に蓄積されるこ
となく樹脂層18に伝達される。これによって、初期化
層17の過熱を抑制することによって得られるこの発明
の効果がより確実に得られるという効果が有る。
【0041】実施例5.図8はこの発明の実施例5の断
面図である。この実施例5は初期化層を有する両面光磁
気記録媒体において、この発明の光磁気記録媒体の構成
を適用したものである。この実施例5の光磁気記録媒体
を作成する方法を以下に述べる。まず、実施例2の光磁
気記録媒体2枚を作成する。次に、この両媒体の樹脂層
18を互いに向かい合わせ、ホットメルト接着剤や粘着
性テープなどの接着層22によって接合したものであ
る。
【0042】この実施例5の構成によって両面光磁気記
録媒体であっても、この発明の効果を得ることができ
る。また、接着層22は樹脂層18の未塗布部分である
内周部と外周部のみに設けることによって、接着層の必
要量を削減することもでき、この場合でも、この発明の
効果は変わらない。
【0043】実施例6.図9はこの発明の実施例6の断
面図である。この実施例6は実施例3に示した光磁気記
録媒体2枚をこの両媒体の樹脂層18aを互いに向かい
合わせ、ホットメルト接着剤や粘着性テープなどの接着
層22を内周領域と外周領域に設けて接合したものであ
る。
【0044】実施例7.図10はこの発明の実施例7の
断面図である。この実施例7は実施例5において両面の
光磁気記録媒体2枚にそれぞれ設けていた樹脂層18
を、両面で一つの樹脂層18を共有するようにしたもの
である。この実施例7の構成の光磁気記録媒体の作成方
法は以下の通りである。
【0045】まず、実施例2で述べた方法によって2枚
の光磁気記録媒体の内1枚にエポキシ樹脂層18を塗布
する。この時、樹脂層18の塗布厚、あるいは塗布厚の
合計が0.3μm以上となるように塗布樹脂量を調節し
た。次に、この樹脂層18が硬化する以前に両光磁気記
録媒体の記録層を互いに向かい合わせて、互いに押しつ
けるような圧力を印加した。
【0046】この際、接着強度の必要に応じた量のホッ
トメルト接着剤や粘着性テープなどの接着層22を設け
た。この実施例7の構成によっても、実施例5と同様
に、この発明の効果を得ることができる。
【0047】実施例8.図11はこの発明の実施例8の
断面図である。この実施例8は実施例7における光磁気
記録媒体の両面の各記録層として、それぞれ樹脂層18
に接する側から、Au、Ag、Al、Cu、Niなどの
金属または合金からなる金属薄膜層20、Ta2 5
SiN、AlN、AlSiN、SiAlON、SiO、
SiO2、GeNなどからなる誘電体層21を設けたも
のである。
【0048】上記各実施例では、樹脂層18、第2樹脂
層18aとして紫外線硬化型樹脂や、エポキシ系樹脂を
用いたが、この他のゴム系樹脂、ウレタン系樹脂、アク
リル系樹脂の場合においても、樹脂層を記録膜上に密着
するよう設けた場合には、同様の効果が得られた。
【0049】また、上記実施例では、記録膜が磁性層の
みからなるもの、磁性層に接して誘電体層21と金属薄
膜層20を有するものについて説明したが、記録膜とし
て磁性層と基板の間、あるいは磁性層と樹脂層18との
間、金属薄膜20と樹脂層18との間に誘電体などから
なる保護層を設けた光磁気記録媒体についても、この発
明の効果は変わらなかった。
【0050】さらに、実施例5のような両面構造の場合
には、樹脂層18として接着性の特に良好な材料を選択
して用いれば、樹脂層18と接着層22を兼用しても良
い。
【0051】
【発明の効果】この発明の光磁気記録媒体は、以上説明
したように構成されているので、以下に記載されるよう
な効果を奏する。
【0052】初期化層を含む記録膜を有する光磁気記録
媒体において記録膜と接し、初期化層の熱を伝達吸収す
ることで初期化層の過熱を防止するような樹脂層を設け
たので、初期化層の磁化反転が抑制され、より高い記録
パワーに対しても信号の劣化を起こすことがなく、広い
範囲の記録パワーで高品質の再生信号を得ることができ
る。
【0053】また、同様の理由によって、記録再生を多
数回繰り返しても初期化層の磁化反転が抑制されエラー
の増加を招くことがなく、繰り返し記録再生可能回数が
飛躍的に向上する。
【0054】さらに、良好な再生信号品質を保証する記
録パワー幅が広がり、磁性膜の組成、膜厚の製造ばらつ
きに対するマージンが広がり、製造コスト低減の効果が
ある。
【0055】また、この発明の光磁気記録媒体の製造方
法においては、初期化層を含む記録膜の形成後に記録再
生領域以外を金属製のマスクで覆い、記録再生領域に樹
脂層を形成するようにしたので、樹脂層を形成するのに
必要な樹脂の量が少なくて済むとともに、樹脂層の厚さ
およびその形状が安定した外観品質が得られる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1による光磁気記録媒体の断
面図である。
【図2】この発明の実施例1による光磁気記録媒体のC
/N比の記録パワーPHIGHに対する依存性を示す説明図
である。
【図3】この発明の実施例1による光磁気記録媒体のビ
ットエラーレートの繰り返し記録再生回数に対する依存
性を示す説明図である。
【図4】この発明の実施例2による光磁気記録媒体の製
造方法を説明するための断面図である。
【図5】この発明の実施例2による光磁気記録媒体の製
造方法における樹脂層を形成する工程を説明するための
断面図である。
【図6】この発明の実施例3による光磁気記録媒体の製
造方法を説明するための断面図である。
【図7】この発明の実施例4による光磁気記録媒体の断
面図である。
【図8】この発明の実施例5による光磁気記録媒体の製
造方法を説明するための断面図である。
【図9】この発明の実施例6による光磁気記録媒体の製
造方法を説明するための断面図である。
【図10】この発明の実施例7による光磁気記録媒体の
製造方法を説明するための断面図である。
【図11】この発明の実施例8による光磁気記録媒体の
製造方法を説明するための断面図である。
【図12】従来の光磁気記録媒体の部分断面図である。
【図13】光変調ダイレクト・オーバライトのメカニズ
ムを説明するためのある温度での遷移金属副格子磁化方
向の説明図である。
【図14】同上光変調ダイレクト・オーバーライトのメ
カニズムを説明するための記録時と再生時の3値変調さ
れた光ビームの光強度の説明図である。
【図15】従来の記録媒体のC/N比の記録パワーP
HIGHに対する依存性を示す説明図である。
【図16】従来の記録媒体のビットエラーレートの繰り
返し記録再生回数に対する依存性を示す説明図である。
【符号の説明】
13 透明基板 14 第1磁性層 15 第2磁性層 16 第3磁性層 17 初期化層(第4磁性層) 18 樹脂層 18a 樹脂層 19 マスク 20 金属薄膜層 21 誘電体層 22 接着層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中木 義幸 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機株式会社 産業システム研究所 内 (72)発明者 堤 和彦 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機株式会社 材料デバイス研究所 内 (72)発明者 羽島 一夫 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機株式会社 材料デバイス研究所 内 (72)発明者 深見 達也 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機株式会社 材料デバイス研究所 内 (72)発明者 川野 裕司 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機株式会社 材料デバイス研究所 内 (56)参考文献 特開 平4−216339(JP,A) 特開 昭61−133067(JP,A) 特開 平4−123339(JP,A) 特開 平3−37844(JP,A) 特開 平2−218034(JP,A) 特開 平3−12042(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に第1磁性層から第3磁性層
    までの3層が積層されてなる記録膜と、この記録膜に対
    し前記透明板と逆側に密着して形成された第4磁性層
    である初期化層と、この初期化層の表面に形成された
    0.3μm以上の厚さの樹脂層を備えており、それぞれ
    隣接する磁性層は互いに交換結合されてなる光変調ダイ
    レクト・オーバーライト機能を有する光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 透明基板上に第1磁性層から第3磁性層
    までの3層が積層されてなる記録膜と、この記録膜に対
    し前記透明板と逆側に密着して形成された第4磁性層
    である初期化層と、この初期化層の表面に形成された誘
    電体層と、この誘電体層上に形成された金属薄膜層と、
    この金属薄膜層上に形成された0.3μm以上の厚さの
    樹脂層とを備えており、それぞれ隣接する磁性層は互い
    に交換結合されてなる光変調ダイレクト・オーバーライ
    ト機能を有する光磁気記録媒体。
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