JP2722725B2 - 光磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

光磁気記録媒体の製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁気光学効果を利用して情報信号を記録再
生する光磁気記録媒体の製造方法に関し、特に光学ピッ
クアップと磁界印加手段を媒体の同一面側に配置して磁
界変調記録を行うことを可能とする光磁気記録媒体を簡
便に製造する方法に関する。
〔発明の概要〕
本発明は、いわゆる2P法によりガイド溝や信号ピット
を形成した基板上に光磁気記録層と透明保護層を順次形
成して通常の光磁気記録媒体を製造した後、高透磁率層
を形成した別の基板を該高透磁率層と上記透明保護層と
が対接するように貼り合わせることにより、光学ピック
アップと磁界印加手段を共に媒体の同一面側に配置した
磁界変調記録に対応できる光磁気記録媒体を高い信頼
性,生産性および経済性をもって製造しようとするもの
である。
〔従来の技術〕
近年、書換え可能な高密度記録方式として、半導体レ
ーザー光等の熱エネルギーを用いて磁性薄膜に磁区を書
き込んで情報を記録し、磁気光学効果を用いてこの情報
を読み出す光磁気記録方式が注目されている。
この光磁気記録方式に使用される光磁気記録媒体は、
通常、実用上十分な剛性を達成できる厚さを有する透明
基板上に、誘電体膜,記録磁性層,金属反射膜等からな
る光磁気記録層が形成され、さらに最上面を紫外線硬化
性樹脂等からなる保護膜で被覆した構成を有している。
上記透明基板にはガイド溝やID用の信号ピットを形成す
ることが必要であるが、その形成方法には大別して、
予めこれらの反転パターンを形成したスタンパを使用し
て射出成形により透明基板の成形と同時に形成する方
法、および透明基板上に紫外線硬化樹脂を塗布し、こ
の樹脂層にスタンパを密着させて基板側から紫外線照射
を行い、パターンを転写する方法(いわゆる2P法)があ
る。付近では量産性,経済性が重視される結果、の射
出成形法が主流となっているが、の2P法にも転写の忠
実度が高いこと、寸法安定性,耐熱性,低複屈折性等の
点で優れたディスク基板が得られること、紫外線硬化樹
脂層の熱伝導性が小さいため記録特性に優れた光磁気記
録媒体が提供できること、製造装置が簡単であること等
の多くの長所がある。
上述のような光磁気記録媒体の記録方式には、常に弱
い直流外部磁界を印加し,信号の有無に応じてレーザー
光を照射する光変調方式と、常に一定強度のレーザー光
を照射し、信号に応じて外部磁界を反転させる磁界変調
方式がある。光変調方式については、装置構成が比較的
簡単で済むため早くから研究が行われてきた。しかし、
既に記録された部分に再記録を行う場合にオーバライト
が不可能であり、磁化の向きを一定方向に揃えるための
消去動作が必要となる分だけ書き込み速度が遅くなると
いう欠点を有している。一方の磁界変調方式は、装置構
成はやや複雑となるものの、オーバライトが可能でコン
ピュータ用ハードディスクに匹敵する高速記録が可能と
なり、実用上の期待も大きい。
ところで、磁界変調方式においては高速で磁界を反転
させるので、所要の磁界強度を得るためには磁界印加手
段をなるべく記録磁性層の近傍に配置する必要があるこ
のような理由から、従来の光意気記録装置では、磁界印
加手段は一般に厚い透明基板側ではなく、薄い保護膜側
に配置されているのである。一方、レーザー光は光磁気
記録媒体を構成する幾つかの材料層を透過して記録磁性
層に到達するので、なるべく光学特性に優れた材料層を
透過することが必要である、この意味から、光学ピック
アップは一般に基板側に配置されている。
ところが、このような装置構成では磁界印加手段と光
学ピックアップが光磁気記録媒体を挟んで対向配置され
ることとなり、必然的に光磁気記録システムの大型化や
装置構成の複雑化を招く。そこで、媒体の一方の面から
レーザー光照射ららびに磁界印加を行うことを可能とす
る技術が要望されている。この場合、いかに垂直磁界効
率の高い条件下で記録再生を行うかが実用化を左右する
鍵となる。
磁界効率を向上させる技術としては、たとえば特開昭
58−200407号公報に開示されるように、周囲に磁界印加
用のコイルを巻装した光学ピックアップを使用し、光磁
気記録媒体の背面に磁気コイルから発生するバイアス磁
界を収束させるための高透磁率を有する軟磁性体を上記
ピックアップ移動範囲全域にわたって敷設した磁気光学
記録再生装置が知られている。この装置は、バイアス磁
界の収束を謳っていることからも明らかなように、光変
調記録におけるバイアス磁界の有効利用を意図したもの
であるが、上記の装置構成は磁界変調記録に適用した場
合にも垂直磁界効率の向上をもたらすことは十分に考え
られる。
しかし、垂直磁界効率の向上を目的とする場合には、
高透磁率材料を上述のように装置構成の一部として利用
するよりも、媒体構成の一部として利用する方が遥かに
簡便である。具体的には、媒体を構成する機能性薄膜の
ひとつとして、高透磁率を設けるのである。高透磁率材
料を積層する技術としては、たとえば特開昭57−105838
号公報に記載される技術が知られている。本公報には、
透明基板上に非晶質磁性よりなる光磁気記録層が形成さ
れ、さらに表に応じて設けられる非磁性中間層を介して
高透磁率磁性層が順次積層されてなる光磁気記録媒体が
開示されている、ただしこの光磁気記録媒体は、外部磁
界の強さが比較的弱くて、済む光変調方式への適用を意
図したものと考えられ、上記高透磁率磁性層は光磁気記
録層の磁壁移動を抑止して微小磁区を安定化させる目的
で設けられているものであるから、その膜厚も100〜200
0Åと薄い。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、上記特開昭57−105838号公報に開示された
光磁気記録媒体では、機能性薄膜の成膜が同一基板上で
順次行われている。一例として非晶質磁性薄膜はスパッ
タリング、非磁性中間層および高透磁率磁性層は真空蒸
着により形成されている。しかし、このような方法では
成膜条件の設定が煩雑であり、生産性や経済性の大幅な
向上が期待できない。また、ある層に膜厚ムラ等が発生
するとその影響が順次上層に波及し、媒体の表面性を損
なう虞れもある。
さらにこの光磁気記録媒体は、このままでは磁界変調
方式へ適用するには無理があり、高透磁率磁性層の膜厚
を増大させて十分な垂直磁界効率を確保することが必要
となる。しかし、厚い膜を形成するためにはそれだけ長
い成膜時間を要するので、各機能性薄膜の成膜を同一基
板上で順次行う場合には、既に形成されている光磁気記
録層も厳しい条件下に長時間置かれることとなり、特性
劣化を招きかねない。さらに、一般に真空薄膜形成技術
においては膜厚が大きくなるほど膜厚ムラが発生しやす
いので、このような膜厚の大きい層を既に形成された他
の層の上に積層することは、媒体の表面性を良好に維持
する観点からも極めて不利となる。
そこで本発明は、光学ピックアップと磁界印加手段を
共に積層体の同一面側に配置した磁界変調記録に対応で
きる光磁気記録媒体を、高い生産性および経済性をもっ
て製造することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上述の目的を達成するために鋭意検討
を行った結果、いわゆる2P法によりガイド溝や信号ピッ
トを形成した基板上に光磁気記録層と透明保護層を順次
形成して通常の光磁気記録媒体を製造するという既存の
製造工程はそのまま残し、さらに高透磁率層を形成した
別の基板を該高透磁率層と上記透明保護層とが対接する
ように張り合わせる工程を追加するだけで、信頼性に優
れる光磁気記録媒体を高い経済性および生産性をもって
製造できることを見出した。
本発明にかかる光磁気記録媒体の製造方法は、かかる
知見にもとづいて完成されたのであり、透明な第1の基
板上にガイド溝および/または信号ピットのパターンを
有する光硬化性樹脂層、光磁気記録層、透明保護層をこ
の順序に積層して第1の積層体を製造する工程と、第2
の基板上に高透磁率層を形成して第2の積層体を製造す
る工程と、前記第1の積層体と第2の積層体とを前記透
明保護層と高透磁率層とが対接するごとく貼り合わせる
工程を有することを特徴とするものである。
〔作用〕
本発明の光磁気記録媒体の製造方法は、いわゆる2P法
により既存の製造工程(ここでは、第1の積層体の製造
工程)に、高透磁率層を形成した別の基板(すなわち第
2の積層体)を製造し、貼り合わせる工程を追加するだ
けで実現されるものである。したがって、経済性,生産
性は極めて高い。しかも、2枚の積層体を貼り合わせる
に際に使用される接着剤の層が、表面性の劣化を吸収す
る効果も期待することができる。
上述の製造方法を適用して製造される光磁気記録媒体
は、レーザー光照射と磁界印加が共に透明な第1の基板
側から行われることを前提としたものであり、さらには
磁界変調方式による両面光磁気記録媒体を実現する道を
開くものである。
すなわち、本発明を適用して製造される光磁気記録媒
体は、透明な第1の基板上に光硬化性樹脂層,光磁気記
録層,透明保護層,接着剤層,高透磁率層,第2の基板
が順次積層された構成となる。かかる構成の媒体に対し
て透明な第1の基板側から磁界印加を行うと、磁束は光
硬化性樹脂層,光磁気記録層,透明保護層,接着剤層を
透過して高透磁率層に達し、該高透磁率層中を面内方向
に磁界強度に応じた距離だけ信号した後、再び上層を透
過して磁界印加手段に戻るという閉磁ループを描くよう
になる。
これは、垂直磁界効率の大幅な向上を意味する。した
がって、第1の基板がある程度厚く形成されていたとし
ても、該第1の基板側からの磁界印加が可能となる。第
1の基板側からは、上述の磁界印加に加えてレーザー光
照射が行われることとなる。このレーザー光照射の方向
は従来の一般的な光磁気記録媒体と同様であり、光学特
性上からも好ましいことである。
さらに、第2の基板が内側に、第1の基板が外側に向
くように第1の積層体および第2の積層体を貼り合わせ
ると、両面光磁気記録媒体が実現される。従来の両面光
磁気記録媒体では磁界印加手段と光磁気記録層の距離が
必然的に増大するので、磁界変調方式を適用することが
困難であったが、本発明では高透磁率層の存在により垂
直磁界効率が向上しているため、外側を向く大の基板の
厚さにかかわらず、磁界の印加が可能となる。したがっ
て、磁界変調方式に対応し得る両面光磁気記録媒体を提
供することが可能となる。
〔実施例〕
以下、本発明を光磁気ディスクの製造に適用した具体
的な実施例について、図面を参照しながら説明する。な
お、各図面において共通の部分には同一の番号を付して
説明を行うこととする。
第1図(A)および第1図(B)に片面光ディスクの
製造方法の一例を示す。
まず、第1の積層体Iの積層体Iを製造する。すなわ
ち、第1図(A)に示すように、透明な第1の基板
(1)上に通常の2P法にしたがってガイド溝(2a)やID
信号用ピット(図示せず。)を有する光硬化性樹脂層
(2)を形成する。
上記第1の基板(1)は厚さ数mm程度、ここでは1.2m
mのディスクであり、その材料としてはアクリル樹脂,
ポリカーボネート樹脂,ポリオレフィン樹脂,ポリメチ
ルメタクリレート樹脂,エポキシ樹脂等のプラスチック
材料やガラス等の剛性材料が使用される。本発明で製造
される光ディスクは基板側からレーザー光の照射を行う
ことを前提としているので、光学的に透明であることが
必要である。特にガラスを使用した場合には、外力の作
用による傷や湾曲を受けにくく、また帯電しにくいため
に塵埃の付着の少ない光磁気ディスクを得ることができ
る。
上記光硬化性樹脂層(2)は、光照射により重合硬化
する樹脂を使用する、いわゆる2P法により5〜数10μm
程度の厚さに形成されるものである。2P法で使用される
光硬化性樹脂としては、上記第1の基板(1)との接着
性に優れ、スタンパに対する転写性および離型性に優
れ、重合収縮が少なく、重合後に未反応モノマーや揮発
性低分子化合物が残存しない材料が選ばれる。たとえ
ば、各種アクリル系樹脂に増感剤等を混合した従来公知
の紫外線硬化樹脂組成物を適用することができる。実際
の形成に際しては、予めガイド溝(2a)やID用信号ピッ
トの反転パターンを形成した金属製のスタンパと第1の
基板(1)とを所定の間隔をもって対向配置させ、これ
らの間に光硬化性樹脂を注入した後、第1の基板(1)
側から紫外線等の光を照射することにより硬化反応を行
わせ、硬化後にスタンパを剥離する。
なお、上記光硬化性樹脂層(2)はガイド溝(2a)や
ピットを形成するという本来の目的の他に、第1の基板
(1)と次に述べる光磁気記録層(3)の間に介在する
ことにより、光磁気記録層(3)を成膜する際の基板へ
の熱伝導を緩和させる硬化も発揮する。
上記光磁気記録層(3)は、情報を保持する垂直磁性
膜を誘電体膜、金属反射膜等の機能性薄膜と適宜組み合
わせた層である。
まず、情報信号を保持し、記録・再生に直接関与する
垂直磁性薄膜の材料としては、垂直異方性エネルギー
が大きく、高密度記録に必要な垂直磁化膜となり易いこ
と、カー回転角が比較的大きいこと、キュリー点が
低く(150〜200℃),記録・消去パワーを市販の半導体
レーザー(20〜40mW)で実現できること等の特徴を有す
るものが選ばれる。Gd,Tb,Dy等の希土類元祖(RE)とF
e,Co等の繊維元素(TM)とを組み合わせたRE−TM非晶質
合金膜はその代表例であり、特に希土類元素としてTbを
含むTbFeCo膜,GdTbFe膜等は垂直磁気異方性が大きく実
用性の高い垂直磁性薄膜である。
上記誘電体膜は、耐蝕性の向上や多重反射によるカー
回転角の増大(カー効果エンハンスメント)を目的とし
て設けられるものであり、酸化物,窒化物,オキシナイ
トライド等の材料を真空薄膜形成技術により成膜するこ
とにより得られる。この誘電体膜は、一般には垂直磁性
薄膜をサンドイッチするように形成される。
上記金属反射膜は、RE−TM膜を透過したレーザー光を
も反射させることによりカー効果にファラデー効果を相
乗させ、回転角を拡大するために設けられたものであ
る、通常、Al,Au,Pt,Cu等の金属材料を真空薄膜形成技
術にて成膜することにより得られる。この光磁気ディス
クでは、記録再生は第1の基板(1)側から行われるの
で、当然この金属反射万は光磁気記録層(3)の中で第
1の基板(1)側からみて少なくとも垂直磁性薄膜より
も背面側に配されることが必要である。
これらの機能性薄膜からなる上記光磁気記録層(3)
の全厚は数100〜数1000Å程度である。この厚さでは、
通常の近赤外半導体レーザー光の波長の1/4(2000Å前
後)の深さに形成されるガイド溝(2a)やピットの段差
を吸収するには至らないので、光磁気記録層(3)の表
面にもそれらの段差を反映したパターンが形成される。
次に形成される透明保護層(4)は、表面保護を目的
としてAl等の非磁性金属およびその酸化物、SiO等の非
金属酸化物、紫外線硬化樹脂等の各種高分子材料等によ
り形成されるものである。
以上のようにして第1の積層体Iが構成される。ここ
までの工程は、2P法による一般的な光磁気ディスクを製
造するための既存の工程と同様である。
一方の第2の積層体IIは、同じく第1図(A)に示す
ように、第2の基板(5)上に高透磁率層(6)を形成
することにより製造される。
上記第2の基板(5)は、厚さ0.1〜数mmのディスク
であり、上述の第1の基板(1)と同様の材料により構
成することができる。たとえば、カバーガラスは好適な
材料である。ただし、この光ディスクは第2の基板
(5)側からはレーザー光照射を受けないので、該第2
の基板(5)は必ずしも透明である必要はない。
上記高透磁率層(6)は、Fe,Co,Ni等の遷移金属、お
よびこれらの合金であるパーマロイ,センダスト等の高
透磁率を有する軟磁性材料をスパッタリング、真空蒸
着、メッキ等の手段により1〜10μm程度の厚さに被着
することにより形成されるものである。この層の初透磁
率はおおよそ500以上に選ばれる。上記範囲より低い場
合には所定の外部磁界の集束効果を得るために膜厚を大
きくしなければならず、このことが媒体の厚みを増大さ
せる虞れがある。なお、この高透磁率層(6)は、上記
の初透磁率と併せておおよそ5000ガウス以上のの高磁束
密度を有していることが望ましい。
以上のようにして製造された第1の積層体Iおよび第
1の積層体IIは、第1図(B)に示すように、上記透明
保護層(4)および高透磁率層(6)が対向するように
接着剤層(7)を介して貼り合わせる。
ここで使用される接着剤としては、熱硬化型,嫌気性
型,感圧型等のあらゆる種類の材料を適用することがで
きる。この接着剤層(7)には、塗布時の接着剤自身の
流動性により、第1の積層体Iおよび/または第2の積
層体IIの膜厚ムラをカバーする効果もある。
上述のようにして製造された光磁気ディスクを使用す
る記録再生は、レーザー光を照射する光学ピックアップ
と磁気コイル等の磁界印加手段を、共に第1の基板
(1)側に配設して行われる。ここで、従来の光磁気デ
ィスクでは厚さの大きい基板側から磁界を印加すること
は非実用的とされていたが、本発明の光磁気ディスクで
は高透磁率層(2)の存在により所倍の垂直磁界効率が
高められているので、第1の基板(1)の厚さに対する
許容度は比較的大きい。むしろ、ある程度の厚さがある
場合には、それだけ媒体の機械強度が高くなるとも言え
る。
あるいは、上述の例とは逆に、第1の基板を薄く、第
2の基板を厚く構成することもできる。たとえば第2図
(A)に示すように、第1の基板(11)を薄いカバーガ
ラス等により構成し、その上に前述と同様にしてガイド
溝(2a)を有する光硬化性樹脂層(2)、光磁気記録層
(3)、透明保護層(4)を順次積層して第1の積層体
iを製造する。一方、第2の基板(15)としては、媒体
全体としての機械強度を確保するために通常のデジタル
・オーディオ・ディスク基板のような比較的厚いものを
使用し、同じく第2図(A)に示すように、この上に高
透磁率層(6)を形成して第2の積層体iiを製造する。
これら両方の積層体iおよびiiを、第2図(B)に示す
ように、前記透明保護層(4)と高透磁率層(6)とが
対向するように接着剤層(7)を介して貼り合わせても
良い。
この第2図(B)に示される光磁気ディスクでは、第
1の基板(11)側に配置される磁界印加手段と光磁気記
録層(3)との距離が第1図(B)に示される光磁気デ
ィスクよりも小さくなるので、たとえば磁界印加手段と
して使用される磁気コイルを小型化し、発熱を抑制する
こと等も可能となる。また、光学ピックアップの対物レ
ンズの口径と作動距離(レンズの鏡枠とディスク面との
間の距離)を一定と考えた場合、薄い第1の基板(11)
を通してレーザー光照射を行い光磁気記録層(3)に焦
点を合わせることは焦点距離が短くなることを意味し、
結果として対物レンズの開口数が増大したことになる。
したがって、高記録密度化も可能となる。さらに、第1
の基板(11)としてカバーガラスを使用すれば、複屈折
の問題もなく、あらゆる意味で有利な光磁気ディスクと
なる。
もちろん、上述の例以外には第1の基板と第2の基板
の両方が共に厚い例、あるいは共に薄い例が考えられる
が、媒体の厚さを必要以上に厚くすることなく十分な機
械強度を確保するためには、やはり上述の例のように薄
い基板と厚い基板を組み合わせることが望ましい。
本発明の光磁気ディスクの構成は、これを利用する光
磁気記録システムの装置構成にも幾つかのメリットを与
える。
まず、たとえばフォーカスサーボ機構,トランキング
サーボ機構等を備えた光学ピックアップの周囲に磁界印
加王のコイルを巻装することにより、光学ピックアップ
と磁界印加手段を小型一体化することができる。しか
も、本発明では光磁気ディスクに設けられた高透磁率層
(6)が上記の磁界印加手段から生じた磁束を効果的に
収束するため、コイルの巻数を増やしたりコイル径を大
きくする等の強磁界化の工夫もそれほど必要ではなく、
ピックアップの小型化や発熱量の低減が可能となるので
ある。
また、ディスクの駆動系を設計するに当たっても、デ
ィスクのローディングやチャッキングに対する制約が少
なくなり、その自由度を増すことができる。
ところで、上述の説明は片面ディスクを前提として行
ってきたが、本発明は両面ディスクに適用することもで
きる。
第3図は、本発明を両面ディスクに適用した例を示す
もので、第1図(B)に示す光磁気ディスク2枚を、第
2の基板(5)通が対向するように接着剤層(8)を介
して貼り合わせたものである。
また、第4図(A)および第4図(B)には、第2図
(B)に示す片面ディスクの構成から発展した両面ディ
スクの製造工程を示す。まず、第4図(A)に示される
第1の積層体iは、第2図(A)に示されたものと同一
である。一方の第2の積層体iiiは、第2図(A)に示
されたものとは異なり、第2の基板(15)の両面に高透
磁率層(6)を形成したものである。上記第2の積層体
iiiを接着剤層(7)を介して2枚の第1の積層体iで
サンドイッチするように貼り合わせると、第4図(B)
に示すような両面ディスクが製造される。
もちろん、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、
上述の例以外の両面ディスクの構成も可能である。
これらの両面ディスクにおいては、片面ディスクの場
合と同様、光学ピックアップと磁界印加手段とを同一面
側に配して磁界変調方式により記録再生を行うことが可
能である。両面ディスクにおいて磁界変調方式が適用で
きるようになることは、本発明の最大のメリットのひと
つである。かかる構成によれば、両面を同時にアクセス
することも可能である。
なお、本発明が適用される光磁気記録媒体の形態は上
述のようなディスクに限られるものではなく、たとえば
カード,テープ,ドラム等も可能である。
〔発明の効果〕
以上の説明からも明らかなように、本発明の光磁気記
録媒体の製造方法は、2P法による一般的な光磁気記録媒
体の製造工程に、高透磁率層を形成した他の基板を貼り
合わせる工程を追加したものであるため、既存の製造ラ
インへの導入は極めて容易である。本発明の方法によ
り、光学ピックアップと磁界印加手段を共に媒体の同一
面側に配置した磁界変調記録に対応できる光磁気記録媒
体が高い信頼性,生産性および経済性をもって製造でき
るようになる、しかも、両面において記録再生が可能な
両面光磁気記録媒体も容易に製造可能である。また、媒
体の構成面からは、高透磁率層の存在により垂直磁界効
率が向上しているため、従来では実現困難とされていた
磁界変調方式による両面光磁気記録システムを実現する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)および第1図(B)は本発明の方法を片面
光磁気ディスクの製造に適用した一例を示す要部概略断
面図であり、第1図(A)は第1の積層体および第2の
積層体の製造工程、第1図(B)はこれら両積層体の貼
り合わせ工程をそれぞれ示すものである。第2図(A)
および第2図(B)は本発明の方法を片面光磁気ディス
クの製造に適用した他の例を示す要部概略断面図であ
り、第2図(A)は第1の積層体および第2の積層体の
製造工程、第2図(B)はこれら両積層体の貼り合わせ
工程をそれぞれ示すものである。第3図は本発明により
製造される両面光磁気ディスクの一構成例を示す要部概
略断面図である。第4図(A)および第4図(B)は本
発明の方法を両面光磁気ディスクの製造に適用した一例
を示す要部概略断面図であり、第4図(A)は第1の積
層体および第2の積層体の製造工程、第4図(B)はこ
れら両積層体の貼り合わせ工程をそれぞれ示すものであ
る。 1,11……第1の基板 2……光硬化性樹脂層 3……光磁気記録層 4……透明保護層 5,15……第2の基板 6……高透磁率層 7,8……接着剤層 I,i……第1の積層体 II,ii,iii……第2の積層体

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明な第1の基板上にガイド溝および/ま
    たは信号ピットのパターンを有する光硬化性樹脂層、光
    磁気記録層、透明保護層をこの順序に積層して第1の積
    層体を製造する工程と、 第2の基板上に高透磁率層を形成して第2の積層体を製
    造する工程と、 前記第1の積層体と第2の積層体とを前記透明保護層と
    高透磁率層とが対接するごとく貼り合わせる工程を有す
    ることを特徴とする光磁気記録媒体の製造方法。
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