JPH0648547B2 - 情報記録ディスクの接着方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、光方式の情報記録再生装置に用いることがで
きる情報記録ディスクの接着方法に関するものである。

従来の技術 近年、オフィスや家庭で取り扱われる情報の量は飛躍的
に増大してきており、大量の情報を記録でき、長期にわ
たって安定して保存・再生のできる情報記録再生装置が
望まれている。このような情勢から、従来、主として用
いられてきた接触形磁気記録方式に替って、レーザ光を
使用して非接触で情報の記録再生を行なう光ディスク装
置や光磁気ディスク装置が実用化されつつあり、今後ま
すます多くの分野で使用される。

従って、これらの装置に使用される情報記録ディスクに
対しても、小型でありながら大容量であることが要求さ
れており、各々に情報記録層を有する円板を２枚貼り合
わせ、表裏両面共情報が記録できる両面記録ディスクが
開発され、使用されつつある。

以下、図面を参照しながら従来の両面記録ディスクの一
例について説明する。第２図は従来の情報記録ディスク
の断面図であり、１はアクリル樹脂，ポリカーボネート
樹脂，ガラス等のレーザ光に対して透過率の良い透明材
質よりなる円板、２は前記円板１に真空蒸着、スパッタ
等で形成された情報記録層、３は前記情報記録層を保護
するための保護層、４は２枚の前記円板１を接合してい
るホットメルト型もしくは加熱硬化型の接着剤である。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記のような構成では、接着剤４としてホ
ットメルト型接着剤もしくは、加熱硬化型接着剤が使用
されている。ホットメルト型接着剤の場合には、１００
℃以上の溶融状態になった接着剤で２枚の前記円板１を
接合するため、高温から前記情報記録層を保護するため
に、前記保護層３を必要としていた。また接合後にソリ
を生じるという問題点を有していた。加熱硬化型接着剤
の場合には、短時間で接合を行なうためには、やはり１
００℃以上の高温を必要とし、ホットメルト型と同じ問
題点を有し、逆に前記記録層の特性とソリの面から問題
とならない低温で硬化・接合を行なおうとすると数拾時
間を要することになり、その間２枚の位置関係にずれを
生じたり、接着層の厚さむらを生じたりしないように、
固定治具を用意して保持しておかなければならないとい
う問題点を有していた。

本発明は上記問題点に鑑み、保護層を必要とせず、ソリ
が少なく、接合に際しても、特別な固定治具を必要とし
ない両面記録ディスクを提供するものである。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために、本発明の情報記録ディス
クは、２枚の円板の内周部および外周部に情報記録層の
ない透明部分を設けるとともに、その２枚の円板紫外線
硬化機能と加熱硬化機能の両者を有する接着剤で接合
し、上記内周部および外周部の透明部分を紫外線照射に
より硬化させた後、その他の部分を加熱することにより
硬化させるものである。

作 用 本発明は上記した方法によって、２枚の円板を重ね合わ
せて、まず紫外線を照射して、内周部および外周部にお
いて接合させて、その後、残りの部分を加熱によって硬
化・接合させることが可能となる。従って、２枚の円板
がずれないように治具で固定する必要がなく、比較的低
温で加熱硬化させることができるので、接合後のソリが
発生しにくくなる。

実施例 以下本発明の一実施例の情報記録ディスクについて、図
面を参照しながら説明する。

第１図は本発明の一実施例における情報記録ディスクの
断面図を示すものである。

第１図において、アクリル樹脂を射出成形して作った円
板１は、その中心部に情報記録再生装置の回転テーブル
に係合すべき中心孔１１を有しており、一方の面の内周
部１２と外周部１３とを除く中央部１４にはテルル酸化
物が真空蒸着された情報記録層２を有している。そして
円板１を、２枚、前記情報記録層２同志を向かい合わせ
て、紫外線硬化機能と加熱硬化機能とを併せ持つ嫌気性
構造用接着剤等の接着剤５で貼り合わせて、情報記録デ
ィスクとしている。前記接着剤の具体例としてはウレタ
ンジアクリレートを主剤としたもの等（例えばロックタ
イト社製のロックタイト３５２等）がある。

以上のように構成された本実施例の情報記録ディスクに
よれば、２枚の円板の内周部および外周部のみ先に紫外
線硬化させてから中央部を加熱硬化できるので、特別な
固定治具を必要とせず、ソリの少ない両面記録ディスク
が得られる。

なお、上記の実施例では、円板をアクリル樹脂を射出成
形で作るとしたが、これに限定されるものではなく、例
えば、材質は、ポリカーボネート樹脂やガラスのように
情報記録再生用のレーザ光および接着剤硬化用の紫外線
をある割合以上透過させるものであればよく、また、製
造方法も、例えば、スタンパと基板との間に紫外線硬化
樹脂を流し込んで、紫外線で硬化させたのち、基板と硬
化した樹脂とを一体化してスタンパから剥離するという
方法（一般に２Ｐ法と呼ばれている方法）でもよい。

情報記録層の材質もテルル酸化物の限定されるものでは
なく、例えば、テルル炭化物，テルル・セレン合金，ガ
ドリニウム・コバルト，テルビウム・鉄，アルミニウム
等であってもよい。

発明の効果 以上のように本発明は、２枚の円板の内周部および外周
部に情報記録層のない透明部分を設けるとともに、その
２枚の円板を紫外線硬化機能と加熱硬化機能とを併せ持
つ接着剤で接合して情報記録ディスクとしているので、
内周部および外周部をあらかじめ紫外線を照射して２枚
の円板を接合しておき、その後、比較的低温で残りの中
央部を加熱硬化することができ、２枚の円板がずれない
ように固定しておく治具が不要となり、また、接合後の
ソリも少なくなり、高品質で両面記録の可能な情報記録
ディスクを大量かつ安価に生産する上で大きな効果が得
られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における情報記録ディスクの
断面図、第２図は従来例の情報記録ディスクの断面図で
ある。 １……円板、２……情報記録層、５……接着剤、１１…
…中心孔、１２……内周部、１３……外周部、１４……
中央部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】主面に外周部および内周部を残して情報記
   録層を設けた複数枚の透明円板に、紫外線硬化機能と熱
   硬化機能との両者を有する接着剤を塗布して重ね合わせ
   るとともに、外周部および内周部に紫外線を照射して硬
   化させ、しかる後、他の未硬化部分の接着剤を加熱硬化
   させることを特徴とした情報記録ディスクの接着方法。