JP2602969Y2 - 車両用ディスクブレーキのキャリパボディ - Google Patents

車両用ディスクブレーキのキャリパボディ

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JP2602969Y2
JP2602969Y2 JP1993001159U JP115993U JP2602969Y2 JP 2602969 Y2 JP2602969 Y2 JP 2602969Y2 JP 1993001159 U JP1993001159 U JP 1993001159U JP 115993 U JP115993 U JP 115993U JP 2602969 Y2 JP2602969 Y2 JP 2602969Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、四輪自動車等の車両に
搭載されるディスクブレーキのキャリパボディに係り、
詳しくは操作初期のロスストロークを小さく抑えて、初
期制動の向上を図ったキャリパボディの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】四輪自動車等の車両の後輪ディスクブレ
ーキとして、例えば実開昭61ー58744号公報や実
開平1−149030号公報に示される如き、パーキン
グブレーキ付きが用いられる。
【0003】図8は、前者のディスクブレーキの要部断
面図で、キャリパボディ1の作用部1aには、シリンダ
孔2が、図示しないディスクロータ側(図8の左側)を
開口して設けられており、シリンダ孔2の後部には、軸
受孔3が交差方向に連設されている。シリンダ孔2に
は、先端開口部側にパッド押圧用のピストン4が収容さ
れ、また底部側に、制動間隙を自動調整するアジャスタ
5が配設されると共に、軸受孔3にはカムシャフト6が
回動可能に収容される。
【0004】上記アジャスタ5は、ピストン4内に配設
されるアジャストナット7と、該ナット7にねじ螺合す
るアジャストボルト8と、該ボルト8にクラッチ係合す
るスリーブピストン9とからなっている。スリーブピス
トン9の後部は小径軸部9aとなっており、該小径軸部
9aは、シリンダ孔2と軸受孔3とをつなぐ小径の連接
孔10に収容されている。カムシャフト6の周壁には、
扇形のカム溝6aが凹設され、またスリーブピストン9
の小径軸部9aには、後端面に錐形の係合凹部9bが形
成されており、これらカム溝6aと軸受孔9bの間に
は、両端を球面状に面取りしたプッシュロッド11が懸
装されている。
【0005】カムシャフト6に固着されるカムレバー1
2には、運転席に配設されたパーキングブレーキ用のハ
ンドレバーまたはフットペダルにつながれるブレーキワ
イヤが連結され、運転者のパーキングブレーキ操作によ
って、ブレーキワイヤが牽引されると、カムシャフト6
が矢印Aの作動方向へ回動し、プッシュロッド11がデ
ィスクロータ方向に移動して、カムシャフト6の回動力
をシリンダ軸方向の推力に変換し、更にアジャスタ5と
ピストン4とをディスクロータ方向へ押動して、制動作
用が行なわれる。
【0006】一方、後者のディスクブレーキは、シリン
ダ孔の底部側に配設されるアジャスタを、アジャストボ
ルトとアジャストナットで構成し、アジャストボルトの
後端を連接孔に嵌合して、アジャストボルト後端の係合
凹部にプッシュロッドの前端を直接収容した点で、前者
のディスクブレーキと異なっている。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のディスクブレーキでは、アジャスタのアジャストボル
トとアジャストナットのねじ山間に、ねじ螺合に不可欠
な空隙即ちバックラッシがあるため、バックラッシの長
さが操作初期のロスストロークとなり、このロスストロ
ークが、制動が実質的に開始されるまでのタイムラグと
なっていた。
【0008】図9は、カムシャフトとプッシュロッドの
作動説明図を示し、P1,P2はカムシャフトとプッシ
ュロッドの当接点で、P1は非制動位置における当接
点、またP2は、プッシュロッドがパーキングブレーキ
操作によって矢印Aの作動方向へ回動し、バックラッシ
を埋めた時点での当接点を示す。また、これら当接点P
1,P2は、いずれもプッシュロッドの回転中心Oから
半径R1上に位置しており、当接点P1,P2間の距離
Lがバックラッシとなる。
【0009】カムシャフトとプッシュロッドは、パーキ
ングブレーキ操作が開始される前に当接点P1の位置関
係にあり、パーキングブレーキを操作しても、カムシャ
フトが回動角θ1分を回動し、当接点P1から当接点P
2へ距離Lを移動して、バックラッシを埋めなければ、
実質的な制動が開始されないことが判る。
【0010】本考案は、このような実情に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、アジャスタのバッ
クラッシによるロスストロークを早期に埋めて、初期制
動の向上を図ったパーキングブレーキ付き車両用ディス
クブレーキのキャリパボディを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の目的に従い、本考
案は、ディスクロータ側に開口するシリンダ孔の先端開
口部側にピストンを収容し、該シリンダ孔の底部側に、
アジャストボルトとこれに螺合するアジャストナットと
を有するアジャスタを配設して、前記シリンダ孔の後部
に連設される交差方向の軸受孔にカムシャフトを回動可
能に収容し、該カムシャフトの周壁に凹設されたカム溝
にプッシュロッドの後端を支持すると共に、該プッシュ
ロッドの前端を前記アジャスタ後端部の係合凹部に支持
、該プッシュロッドにて前記カムシャフトの回動力を
推力に変換して、前記アジャスタと前記ピストンとをデ
ィスクロータ方向へ押動するようにした車両用ディスク
ブレーキのキャリパボディにおいて、前記カム溝の底部
位置を内側コーナ部とし、該内側コーナ部よりカムシャ
フトの半径方向外側に外側コーナ部を形成して、これら
内外のコーナ部をガイド面でつないで前記カム溝を半長
円形に形成すると共に、前記カムシャフトが非作動位置
へ回動した際に、前記外側コーナ部を内側コーナ部より
も反ディスクロータ側に後退させて、前記プッシュロッ
ドの後端を外側コーナ部に当接させ、また前記カムシャ
フトが作動方向へ回動して、前記アジャスタのアジャス
トボルトとアジャストナット間のバックラッシを埋めた
際には、前記外側コーナ部が内側コーナ部よりもディス
クロータ側に突出して、前記プッシュロッドの後端が内
側コーナ部に当接するよう前記カム溝を設定したことを
特徴としている。
【0012】
【作用】上述の構成では、カムシャフトの回動位置によ
って、カム溝の内側コーナ部と外側コーナ部とが、ディ
スクロータの軸方向へ相互に偏位し、プッシュロッドの
後端が、ガイド面の案内によって、内側コーナ部または
外側コーナ部へ自動的に移動する。
【0013】図1及び図2は、本構成を適用したディス
クブレーキの一実施例を示す要部拡大断面図で、このう
ち、図1はカムシャフト38とプッシュロッド40とが
非作動位置の関係にある状態を示し、図2はプッシュロ
ッド40がパーキングブレーキ操作によって矢印Aの作
動方向へ回動し、バックラッシを埋め終えた状態を示し
ている。
【0014】また図3は、上述の構成によるカムシャフ
ト38とプッシュロッド40の作動説明図で、カム溝4
6の内側コーナ部46aにおけるカムシャフト38とプ
ッシュロッド40の後端40bとの当接点P3は、カム
シャフト38の中心Oからの半径が前記従来例のカム溝
の底部と同径の半径R1上に位置し、またカム溝46の
外側コーナ部46bにおけるカムシャフト38とプッシ
ュロッド40の後端40bとの当接点P4は、半径R1
よりも大径の半径R2上に位置している。
【0015】非作動時のカムシャフト38とプッシュロ
ッド40は、外側コーナ部46bが内側コーナ部46a
よりも反ディスクロータ側へ後退していて、当接点P4
が大径の半径R2上に位置している。次に、ブレーキ操
作を開始して、カムシャフト38が矢印A方向へ回動す
ると、周速度の速い外側コーナ部46bが内側コーナ部
46aを追い越してディスクロータ側へ突出し、これに
伴って外側コーナ部46bの当接点P4にあったプッシ
ュロッド40の後端40bが、ガイド面46cを徐々に
内側の当接点P3方向へ移動して行き、プッシュロッド
40は、アジャスタ32のアジャストボルト36とアジ
ャストナット35間のバックラッシを埋めながら、ディ
スクロータ方向へ移動して行く。
【0016】図3では、当接点P3,P4間に、図9で
示した従来例と同一のバックラッシに相当する長さLを
設定しており、この場合には、プッシュロッド40の後
端40bが、内側コーナ部46aの当接点P3に到達す
ると同時に長さLが埋められる。バックラッシが埋めら
れた後の実質的な制動は、半径R1の回動トルクによっ
て行なわれる。
【0017】このように、制動開始時の初期位置となる
カムシャフト38とプッシュロッド40の当接点P4
を、従来の半径R1よりも大径の半径R2上に位置さ
せ、プッシュロッド40の後端40bを、この半径R2
から内側の半径R1上に位置する当接点P3へ移動する
ことにより、カムシャフト38の回動角θ2を、従来の
回動角θ1よりも小さく抑えながら、プッシュロッド4
0に大きなストロークを得て、バックラッシを早期に埋
める。
【0018】また、上述の制動操作を解除すると、カム
シャフト38が矢印B方向へ回動して、外側コーナ部4
6bが内側コーナ部46aよりも反ディスクロータ側へ
後退し、内側コーナ部46aの当接点P3にあったプッ
シュロッド40の後端が、ガイド面46cを外側へと移
動して行く。そして、カムシャフト38が後退限となる
初期位置まで回動すると、プッシュロッド40の後端4
0bが、外側コーナ部46bの当接点P4へ復帰する。
【0019】
【実施例】以下、本考案の一実施例を、図1乃至図7に
基づいて説明する。
【0020】図中、図1乃至図3は、前記作用で述べた
通り、また図4は、非作動時のディスクブレーキの断面
正面図、図5はアジャスタのバックラッシを埋める状態
まで作動させたディスクブレーキの断面正面図、図6は
ディスクブレーキの断面斜視図、図7はカムシャフトの
突出側を示すディスクブレーキの要部背面図である。ま
た、本実施例を説明するにあたり、従来例に用いた図9
を適宜参酌する。
【0021】ディスクブレーキ20は、キャリパボディ
21に、ブレーキペダルに操作される液圧式作動機構2
2と、ハンドレバーまたはフットペダルにて操作される
パーキングブレーキ用の機械式作動機構23とを並設し
たパーキングブレーキ付きの後輪用ブレーキで、キャリ
パボディ21は、ディスクロータ24の一側部で車体に
固設されるキャリパブラケット25に、2本の摺動ピン
26,26を介して、ディスク軸方向へ移動可能に支持
されている。
【0022】上記キャリパボディ21は、ディスクロー
タ24の両側に対向配置される作用部21a及び反作用
部21bと、ディスクロータ24の外周を跨いでこれら
を連結するブリッジ部21cとからなっており、作用部
21aと反作用部21bの間には、一対の摩擦パッド2
7,27が、ディスクロータ24を挟んで対向配置され
ている。作用部21aには、ディスクロータ24側に開
口する大径のシリンダ孔28と、該シリンダ孔28の中
心軸と直交方向に形成される底部の軸受孔29と、シリ
ンダ孔28と軸受孔29とをつなぐ小径の連接孔30と
が形成されている。
【0023】シリンダ孔28の先端開口部側には、有底
筒状のピストン31が、底壁31aをディスクロータ側
にして収容され、シリンダ孔28の底部側には、ディス
クロータ24と摩擦パッド27間の制動間隙を自動的に
設定するアジャスタ32が配設される。シリンダ孔28
とピストン31の底部間には、液圧室33が画成され、
またシリンダ孔28の底部周壁には、液圧室33に圧液
を導入するためのインレットポート34が穿設されてお
り、前述の液圧式作動機構22は、ピストン31と液圧
室33とインレットポート34とから構成される。
【0024】インレットポート34は、別途の液圧マス
タシリンダにブレーキホース(いずれも図示せず)を介
して接続され、ブレーキペダルの踏み操作にて液圧マス
タシリンダに発生した圧液が、このインレットポート3
4から液圧室33へ導入されると、ピストン31がシリ
ンダ孔28をディスクロータ方向に移動して、一方の摩
擦パッド27をディスクロータ24の一側面へ押圧す
る。次にこの反力によって、キャリパボディ21が作用
部21a方向に移動し、反作用部21bの反力爪21d
が、他方の摩擦パッド27をディスクロータ24の他側
面へ押圧して、制動作用が行なわれる。
【0025】前記アジャスタ32は、ピストン31内に
係止されるアジャストナット35と、該ナット35に多
条ねじ螺合するアジャストボルト36と、液圧室33内
でアジャストボルト36の後部軸36aとクラッチ係合
するスリーブピストン37とを含んでいる。また前記軸
受孔29には、カムシャフト38が軸受39を介して回
動可能に収容され、該カムシャフト38とスリーブピス
トン37との間にプッシュロッド40が懸装される。
【0026】アジャストナット35は、ピストン31の
内部で底壁31aと係合して回転を規制され、コイルス
プリング41の弾発力によってピストン31の底壁方向
へ付勢されている。アジャストボルト36は、先端のお
ねじ部をアジャストナット35と多条ねじ螺合してシリ
ンダ孔28の中心軸上に配設されており、液圧室33に
突出する後部軸36aには、外周にテーパ面36cを有
する大径フランジ36bが設けられている。また、大径
フランジ36bと後部軸36aとの段部には軸受42
環装されており、アジャストボルト36とスリーブピス
トン37は、この軸受42とシリンダ孔28側のスプリ
ングリテーナ43との間に縮設されるコイルスプリング
44の弾発力にて、常時反ディスクロータ方向へ付勢さ
れている。
【0027】スリーブピストン37は、シリンダ孔28
の底部に配設される大径部37aと、連接孔30に液密
且つ移動可能に収容される小径部37bとからなってお
り、大径部37aとシリンダ孔28の底壁とに嵌合され
るピン45にて、周方向の回転を規制されている。大径
部37aの内部には、大径のテーパ孔37cと小径の嵌
合孔37dとが連設されており、嵌合孔37dがアジャ
ストボルト36の後部軸36aを保持することによっ
て、大径フランジ36bのテーパ面36cとテーパ孔3
7cとがクラッチ係合するようになっている。また、小
径部37bの後端には、錐形の係合凹部37eが形成さ
れており、該凹部37eにプッシュロッド40の先端4
0aが収容される。
【0028】前記カムシャフト38は、軸受孔29内で
前述の軸受39に支承される挿通軸部38aと、軸受孔
29から作用部21aの一側方へ突出する突出軸部38
bとからなっている。挿通軸部38aの周壁にはカム溝
46が凹設され、該カム溝46にプッシュロッド40の
後端40bが収容される。また突出軸部38bには、カ
ムレバー47が固定ナット48にて固着され、該ナット
48の外周にコイル状のリターンスプリング49が巻装
されており、カムシャフト38とカムレバー47は、リ
ターンスプリング49のトーション力にて、常時矢印B
方向へ付勢されている。
【0029】カムレバー47の外端には、運転席のハン
ドレバーまたはフットペダルにつながれるブレーキワイ
ヤ50が連結され、このブレーキワイヤ50に牽引され
るカムレバー47から、キャリパボディ21内に配設さ
れるカムシャフト38,プッシュロッド40,スリーブ
ピストン37,アジャストボルト36及びアジャストナ
ット35までが、前述の機械式作動機構23を構成して
いる。
【0030】機械式作動機構23を用いたパーキングブ
レーキ操作では、ハンドレバーまたはフットペダルによ
ってブレーキワイヤ50が牽引され、カムレバー47と
カムシャフト38とが矢印A方向へ一体に回動し、プッ
シュロッド40がディスクロータ方向に移動する。プッ
シュロッド40に変換された推力は、アジャスタ32の
スリーブピストン37,アジャストボルト36,アジャ
ストナット35を経てピストン31に伝達され、該ピス
トン31をディスクロータ方向に押動して、前記液圧作
動と同様に、両摩擦パッド27,27をディスクロータ
24に圧接して、制動作用が行なわれる。
【0031】アジャストナット35とアジャストボルト
36のねじ山間には、アジャストボルト36の回転に必
要なバックラッシが設定されており、ディスクロータ2
4と摩擦パッド27間の制動間隙が所定範囲にある場合
には、ピストン31がバックラッシの長さ内を移動する
のみで、アジャスタ32はアジャスト作動しない。ま
た、制動の繰返しによって、上述の制動間隙がバックラ
ッシ量以上に広がった場合には、液圧式作動機構22に
よる制動時に、ピストン31とアジャストナット35が
バックラッシを埋めて前進し、更にアジャストボルト3
6をディスクロータ方向へ一体に移動させる。これによ
り、アジャストボルト36のテーパ面36cとスリーブ
ピストン37のテーパ孔37cとが離間して、クラッチ
係合が解除される。次に、アジャストボルト36が、コ
イルスプリング44の付勢力によって、テーパ面36c
がテーパ孔37cへ到達して再びクラッチ係合するまで
繰り出され、ピストン31とアジャストナット35の後
退位置をディスクロータ24側に変更して、ディスクロ
ータ24と摩擦パッド27間に所定の制動間隙を設定す
る。
【0032】プッシュロッド40の後端40bを支承す
るカム溝46の底部は、カムシャフト38の半径方向内
側の内側コーナ部46aと、同じくカムシャフト38の
半径方向外側の外側コーナ部46bとを、ガイド面46
cでつないだ半長円形で、カムシャフト38の回転中心
Oからは、やや外側へ偏位した位置に設けられると共
に、両コーナ部46a,46bは、プッシュロッド40
の後端40bと同一の球面状に形成されている。
【0033】カム溝46は、カムシャフト38が、図1
及び図4に示す非作動位置の後退限にあるとき、外側コ
ーナ部46bが、内側コーナ部46aよりも反ディスク
ロータ側へ後退し、またカムシャフト38が、図2及び
図5に示すバックラッシを埋める位置まで回動したとき
には、外側コーナ部46bが、内側コーナ部46aより
ディスクロータ側へ突出するように設定される。プッシ
ュロッド40の後端40bは、カム溝46の底部をカム
溝46の傾き状態に応じて移動し、図1及び図4に示す
カム溝46の後傾時には、当接点P4で外側コーナ部4
6bと当接し、また図2及び図5に示すカム溝46の前
傾時には、当接点P3で内側コーナ部46aと当接す
る。
【0034】プッシュロッド40の後端40bと内側コ
ーナ部46aとの当接点P3は、従来例の図9に示す当
接点P2と同径の半径R1上に位置し、またプッシュロ
ッド40の後端40bと外側コーナ部46bとの当接点
P4は、これよりも大径の半径R2上に位置しており、
当接点P3,P4の間に、アジャストボルト36及びナ
ット35間のバックラッシに相当する間隙が、従来と同
一の長さLで設定されている。
【0035】図1及び図4に示す非作動状態では、カム
溝46の外側コーナ部46bが、内側コーナ部46aよ
り反ディスクロータ側へ後退していて、プッシュロッド
40の後端40bは外側コーナ部46bに位置し、該外
側コーナ部46bと当接点P4で当接している。次に、
パーキングブレーキ操作によって、カムシャフト38が
矢印Aの作動方向へ回動すると、カムシャフト38の中
心Oからの距離が長く周速度の速い外側コーナ部46b
が、回動の途中でカムシャフト38の中心Oからの距離
が短く周速度の遅い内側コーナ部46aを短時間に追い
越してディスクロータ側へ突出し、これに伴って、外側
コーナ部46bと当接点P4で当接していたプッシュロ
ッド40の後端40bが、ガイド面46cを徐々に内側
コーナ部46aへ向けて移動して行く。そして、プッシ
ュロッド40の後端40bが、長さLを移動して、内側
コーナ部46aの当接点P3へ到達すると、アジャスト
ボルト36及びナット35間のバックラッシが埋められ
る。ディスクブレーキ20の実質的な制動は、このよう
にして、バックラッシが埋められた後に開始され、プッ
シュロッド40には、従来と同様に半径R1の回動トル
クが作用する。
【0036】プッシュロッド40の後端40bが、当接
点P4,P3間の長さLを移動するのに必要なカムシャ
フト38の回動角θ2は、図3に示すようになり、図9
の従来の回動角θ1に較べると、小さな回動角でロスス
トロークを埋めることが判る。このように本実施例は、
ディスクブレーキ20をパーキングブレーキ操作した場
合に、制動初期のロスストロークとなるアジャストボル
ト36及びナット35間のバックラッシが、半径方向内
外のコーナ部46a,46bをガイド面46cでつない
だ半長円形のカム溝46の底部形状とその配置から、従
来よりも小さく設定されたカムシャフト38の回動角θ
2によって短時間に埋められるので、初期制動の利きが
従来よりも早められ、制動効率の向上が図れる。また、
バックラッシが埋められた後の実質的な制動は、従来と
同様に半径R1の回動トルクによって行なわれるので、
違和感のない良好な操作フィーリングが確保される。
【0037】尚、上述の実施例では、スリーブピストン
を含むアジャスタで説明したが、本考案は、スリーブピ
ストンを省略し、アジャストボルトの後端に係合凹部を
凹設して、プッシュロッドの前端をこの係合凹部に直接
収容しても差支えない。
【0038】
【考案の効果】本考案は、以上のように構成されること
により、制動初期のロスストロークとなるカムシャフト
の回動角を、従来の回動角よりも小さく抑えながら、プ
ッシュロッドに大きなストロークを得て、アジャストボ
ルトとアジャストナット間のバックラッシを短時間に埋
めるので、初期制動の利きが従来よりも早められ、制動
効率の向上が図れる。また、バックラッシが埋められた
後の実質的な制動は、従来と同様の回動トルクによって
行なわれるので、違和感のない良好な操作フィーリング
が確保される。更に本構成は、カム溝の形状変更のみで
あるから、低コストで容易に製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のディスクブレーキの要部拡大断面図
【図2】本考案のディスクブレーキの要部拡大断面図
【図3】本考案のカムシャフトとプッシュロッドの作動
説明図
【図4】本考案のディスクブレーキの断面正面図
【図5】本考案のディスクブレーキの断面正面図
【図6】本考案のディスクブレーキの断面斜視図
【図7】本考案のディスクブレーキの要部背面図
【図8】従来のディスクブレーキの要部断面図
【図9】従来のカムシャフトとプッシュロッドの作動説
明図
【符号の説明】
20…ディスクブレーキ 21…キャリパボディ 22…液圧式作動機構 23…機械式作動機構 24…ディスクロータ 25…キャリパブラケット 27…摩擦パッド 28…シリンダ孔 29…軸受孔 30…連接孔 31…ピストン 32…アジャスタ 35…アジャストナット 36…アジャストボルト 36a…アジャストボルト36の後部軸 36b…大径フランジ 36c…テーパ面 37…スリーブピストン 37a…スリーブピストン37の大径部 37b…スリーブピストン37の小径部 37c…テーパ孔 37d…嵌合孔 37e…プッシュロッド40の先端40aが収容される
係合凹部 38…カムシャフト 38a…カムシャフト38の挿通軸部 40…プッシュロッド 46…カム溝 46a…カム溝46の内側コーナ部 46b…カム溝46の外側コーナ部 46c…カム溝46のガイド面 47…カムレバー 50…ブレーキワイヤ A…カムシャフト38の作動方向 B…カムシャフト38の反作動方向 L…アジャストナット35とアジャストボルト36のね
じ山間のバックラッシに相当する当接点P3,P4間の
長さ O…カムシャフト38の回転中心 P3…内側コーナ部46aにおけるカムシャフト38と
プッシュロッド40の当接点 P4…外側コーナ部46bにおけるカムシャフト38と
プッシュロッド40の当接点 R1…カムシャフト38の回転中心Oから当接点P1,
P2,P3までの回転半径 R2…カムシャフト38の回転中心Oから当接点P4ま
での回転半径 θ1…従来のカムシャフトがバックラッシを埋めるため
の回動角 θ2…本実施例のカムシャフト38がバックラッシを埋
めるための回動角

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスクロータ側に開口するシリンダ孔
    の先端開口部側にピストンを収容し、該シリンダ孔の底
    部側に、アジャストボルトとこれに螺合するアジャスト
    ナットとを有するアジャスタを配設して、前記シリンダ
    孔の後部に連設される交差方向の軸受孔にカムシャフト
    を回動可能に収容し、該カムシャフトの周壁に凹設され
    たカム溝にプッシュロッドの後端を支持すると共に、該
    プッシュロッドの前端を前記アジャスタ後端部の係合凹
    部に支持し、該プッシュロッドにて前記カムシャフトの
    回動力を推力に変換して、前記アジャスタと前記ピスト
    ンとをディスクロータ方向へ押動するようにした車両用
    ディスクブレーキのキャリパボディにおいて、前記カム
    溝の底部位置を内側コーナ部とし、該内側コーナ部より
    カムシャフトの半径方向外側に外側コーナ部を形成し
    て、これら内外のコーナ部をガイド面でつないで前記カ
    ム溝を半長円形に形成すると共に、前記カムシャフトが
    非作動位置へ回動した際に、前記外側コーナ部を内側コ
    ーナ部よりも反ディスクロータ側に後退させて、前記プ
    ッシュロッドの後端を外側コーナ部に当接させ、また前
    記カムシャフトが作動方向へ回動して、前記アジャスタ
    のアジャストボルトとアジャストナット間のバックラッ
    シを埋めた際には、前記外側コーナ部が内側コーナ部よ
    りもディスクロータ側に突出して、前記プッシュロッド
    の後端が内側コーナ部に当接するよう前記カム溝を設定
    したことを特徴とする車両用ディスクブレーキのキャリ
    パボディ。
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