JP2602608Y2 - サーマルヘッド - Google Patents

サーマルヘッド

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JP2602608Y2
JP2602608Y2 JP1993075444U JP7544493U JP2602608Y2 JP 2602608 Y2 JP2602608 Y2 JP 2602608Y2 JP 1993075444 U JP1993075444 U JP 1993075444U JP 7544493 U JP7544493 U JP 7544493U JP 2602608 Y2 JP2602608 Y2 JP 2602608Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は感熱記録装置等に使用さ
れる複合基板型のサーマルヘッドに関し、更に詳しく
は、発熱抵抗体を選択的に駆動するための電極パターン
の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の感熱記録装置等に使用されるサ
ーマルヘッドは、発熱抵抗体と、これを選択的に駆動す
るための電極パターンおよび駆動回路素子等を、アルミ
ナ等のセラミック基板上に形成し、このセラミック基板
をアルミニウム合金より成るベース部材に載置するとと
もに、フレキシブル基板をセラミック基板に圧接するこ
とにより接続して構成されている。また、記録装置の制
御装置は、このフレキシブル基板を介して、駆動回路お
よび発熱抵抗体を駆動制御して記録を行う。このような
圧接型のサーマルヘッドにおいては、セラミック基板を
ベース部材に押圧する構造となり、セラミック基板とベ
ース部材が固定されることとなる。これにより、発熱抵
抗体を駆動した際の熱により、各々熱膨張率の異なるセ
ラミック基板とベース部材がバイメタル効果を起こし、
ヘッドに熱反りが生じてしまうという問題を生じてい
た。
【0003】これを解決するために、制御装置に接続す
るためのコネクタ等をガラスエポキシ等より成るプリン
ト基板に実装し、このプリント基板とセラミック基板を
対向配置するとともに、それぞれをワイヤボンディング
により接続し、更にセラミック基板とベース部材を柔軟
性を有する接着部材により接着してサーマルヘッドを構
成して、記録動作の際のヘッドの各部の熱膨張を、接着
部材で吸収することにより熱反りを起こさないようにし
た複合基板型サーマルヘッドがあった。
【0004】図3は従来の複合基板型サーマルヘッドを
示す図で、1は発熱抵抗体,2は共通電極,3は駆動電
極であり、これらは複数の駆動回路素子4とともに、セ
ラミック基板5上に形成,実装されている。プリント基
板8はセラミック基板5に対向して配置され、プリント
基板8とセラミック基板5とはワイヤボンディングによ
り電気的に接続されている。図のサーマルヘッドは、発
熱抵抗体1に対して共通電極2の個別電極21と駆動電
極3の個別電極31が交互に接続されている。駆動電極
3の端部には、ワイヤボンディング用の接続用パッド3
2が設けられ、各々対応する駆動回路素子4上の接続用
パッド41にボンディングワイヤ6により接続されてい
る。共通電極2の個別電極21は、所定間隔おきにリー
ド導体23を介してプリント基板8側に引き出され、こ
れらは共通導体22にそれぞれ接続されている。また、
駆動回路素子4は、共通電極2の共通導体22上に形成
されたガラス材の上に接着されており、共通電極2に対
して絶縁されて配置されている。プリント基板8には、
記録装置の制御装置と駆動回路素子4および共通電極2
を接続するためのコネクタ9および導体パターン7が形
成されており、この導体パターン7の端部には、接続用
パッド71が設けられ、各々対応する駆動回路素子4の
接続用パッド41或いは共通導体22に設けられた接続
用パッド24に対向して配置される。また、これらの接
続用パッドは、ボンディングワイヤ6により接続されて
いる。記録装置の制御装置は、コネクタ9を介して、駆
動回路素子4には制御信号を、共通電極2には所定の電
力をそれぞれ印加,供給する。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】従来の複合基板型のサ
ーマルヘッドにおいては、共通電極2の接続用パッド2
4が駆動回路素子4よりもプリント基板8側となるよう
に配置されていたので、これによりセラミック基板5の
面積が増大して、ヘッドのコストが上昇するとともに、
駆動回路素子4とプリント基板8の導体パターン7を接
続するボンディングワイヤ6を長くしなければならず、
これにより形成したワイヤ6が不安定になり、隣接する
パッド,ワイヤ或いは駆動回路素子の本体に接触してし
まい、ショートまたは誤動作の原因となるという不具合
を生じていた。これを解決するために、共通電極2の接
続用パッド24を、駆動回路素子4間に設けることによ
りセラミック基板5の面積を小さくしようとすると、ヘ
ッド作成時のワイヤボンディング工程の際に、ボンディ
ング工具(キャピラリー)が駆動回路素子4に衝突し、
これを破損してしまうこととなる。また、これを避ける
ために、ボンディング工具が駆動回路素子4に衝突しな
いように、駆動回路素子4の配置間隔を十分広くとって
構成すると、サーマルヘッドを高密度化することができ
ないという不具合を生じていた。
【0006】本考案は上述の不具合に鑑み、高価なセラ
ミック基板の面積を最小限とすることができ、尚且つヘ
ッド作成時のワイヤボンディング工程において、駆動回
路素子を破損することがない高密度のサーマルヘッドを
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案のサーマルヘッドは、第2の基板上の導体パ
ターンに接続するための第1の基板上の共通電極の接続
用パッドを、駆動回路素子と発熱抵抗体の間に形成され
るリード導体上に形成して構成した。
【0008】
【作用】共通電極の接続用パッドはリード導体上に設け
られるので、第1の基板の共通電極と第2の基板の導体
パターンを接続するボンディングワイヤは、駆動回路素
子を跨ぐようにして形成され、駆動回路素子は、ワイヤ
ボンディング工程においてボンディング工具の障害にな
ることがない。
【0009】
【実施例】以下、図面に基づいて本考案のサーマルヘッ
ドを説明する。図1は本考案のサーマルヘッドを示す図
であり、1は発熱抵抗体,2は共通電極,3は駆動電
極,4は駆動回路素子,5は第1の基板であるセラミッ
ク基板,6はボンディングワイヤ,7は導体パターン,
8は第2の基板であるプリント基板,9はコネクタであ
る。本考案のサーマルヘッドも、従来のものと同様に、
発熱抵抗体1に対して共通電極2の個別電極21と駆動
電極3の個別電極31が交互に接続されており、駆動電
極3と駆動回路素子4は、それぞれの接続用パッド3
2,41においてワイヤボンディングされることにより
接続されている。また、駆動回路素子4の信号入力用端
子は、ボンディングワイヤ6によりプリント基板8の導
体パターン7に接続されている。この導体パターン7
は、コネクタ9を介して記録装置の制御装置に接続され
ており、セラミック基板1に駆動制御信号および駆動電
力をそれぞれ印加,供給している。
【0010】共通電極2には、発熱抵抗体1側より駆動
回路素子4側に引き出されるリード導体23が所定間隔
おきに形成されており、これらのリード導体23はそれ
ぞれ駆動回路素子4の下部に形成される共通導体22に
接続されている。尚、この共通導体22と駆動回路素子
4は、共通導体22上に形成されるガラス部材により互
いに絶縁されて設けられている。
【0011】共通電極2とプリント基板8の導体パター
ン7は、駆動回路素子と同様に、各々に設けられた接続
用パッド間がワイヤボンディングされることにより接続
されており、記録装置の制御装置は、プリント基板8よ
り導体パターン7およびワイヤ6を介して、共通電極2
に所定の電力を供給している。更に、所定間隔おきに設
けられたリード導体23より電力を供給することによ
り、長尺に形成される発熱抵抗体1を均一的に発熱,駆
動するよう構成されている。
【0012】共通電極2の接続用パッド24は、駆動回
路素子4側に引き出されるよう形成されたリード導体2
3上に設けられており、このリード導体23よりも幅広
に形成されている。この共通電極2の接続用パッド24
に対応する導体パターン7の接続用パッド71は、それ
ぞれが対向するようにして設けられている。
【0013】共通電極2とプリント基板8を接続するボ
ンディングワイヤ6は、駆動回路素子4を跨ぐようにし
て形成される。即ち、ヘッド作成時のワイヤボンディン
グ工程の際には、ボンディング工具が駆動回路素子4を
越えてワイヤ6を形成するので、この時に駆動回路素子
4がボンディング工具に衝突することがない。
【0014】本考案のように、共通電極2の接続用パッ
ド24を駆動回路素子4よりも発熱抵抗体1側に設ける
ことにより、従来必要としていた接続用パッドを形成す
るための面積分だけ、セラミック基板を省略することが
できる。更に、駆動回路素子4をプリント基板8に近接
させることができるので、共通電極2の接続用ワイヤに
比べて多数となる、駆動回路素子4と導体パターン7の
接続用ワイヤを短くすることができ、駆動回路素子4の
ワイヤボンディング工程を確実に行うことができる。
【0015】図1の実施例においては、共通電極2には
発熱抵抗体1側と駆動回路素子4側の両方に共通導体が
設けられているが、図2に示されるように、共通電極2
の個別電極21が各々リード電極により駆動回路素子4
側に引き出されるように形成されたサーマルヘッドに
も、本考案を用いることができる。この実施例の場合
は、すべての共通電極2のリード導体に接続用パッドを
設ける必要はなく、図2に示すように、所定間隔おきに
リード導体上に接続用パッド24を設けて、このリード
導体より所定の電力を供給するよう構成することができ
る。また、本実施例においては、発熱抵抗体をセラミッ
ク基板の端部に設けたいわゆるエッジタイプのサーマル
ヘッドに本考案を使用しているが、例えば複数の発熱抵
抗体の間に共通電極を配置し、各々の発熱抵抗体に駆動
電極からの個別電極と共通電極からの個別電極を交互に
接続し、各々の発熱抵抗体を選択的に駆動するようなサ
ーマルヘッドにも、使用することができる。
【0016】
【考案の効果】以上詳述したように、本考案に係るサー
マルヘッドにおいては、共通電極の接続用パッドをリー
ド導体上に設けたので、第1の基板の共通電極と第2の
基板の導体パターンを接続するボンディングワイヤが、
駆動回路素子を跨ぐようにして形成され、駆動回路素子
が、ワイヤボンディング工程においてボンディング工具
により破損されることがなく、第1の基板であるセラミ
ック基板の面積を最小限とすることができるので、サー
マルヘッドを安価に製造することができるという効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案のサーマルヘッドを示す図である。
【図2】 本考案の他の実施例を示す図である。
【図3】 従来のサーマルヘッドを示す図である。
【符号の説明】
1 発熱抵抗体 2 共通電極 3 駆動電極 4 駆動回路素子 5 セラミック基板 6 ボンディングワイヤ 7 導体パターン 8 プリント基板 9 コネクタ

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直線上に形成される発熱抵抗体と、この
    発熱抵抗体に各々接続される駆動電極と、前記駆動電極
    を挟んで配置され、この駆動電極に電気的に接続されて
    これを選択的に駆動制御する駆動回路素子と、個別電極
    が前記駆動電極と交互に発熱抵抗体に接続されるととも
    に、所定間隔おきにリード導体が前記駆動回路素子側に
    引き出されるよう形成された共通電極と、を有する絶縁
    性の第1の基板と、 上記第1の基板上の共通電極および駆動回路素子の接続
    用パッドに対応して設けられ、各々ワイヤボンディング
    により接続される導体パターンを有し、上記第1の基板
    に対向して配置される第2の基板とからなるサーマルヘ
    ッドにおいて、 上記第2の基板上の導体パターンに接続するための第1
    の基板上の共通電極の接続用パッドは、上記駆動回路素
    子および発熱抵抗体の間に形成されるリード導体上に設
    けられることを特徴とするサーマルヘッド。
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