JP2601273Y2 - チップ体搬送用カバーテープおよび電子部品連 - Google Patents

チップ体搬送用カバーテープおよび電子部品連

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JP2601273Y2
JP2601273Y2 JP1993025070U JP2507093U JP2601273Y2 JP 2601273 Y2 JP2601273 Y2 JP 2601273Y2 JP 1993025070 U JP1993025070 U JP 1993025070U JP 2507093 U JP2507093 U JP 2507093U JP 2601273 Y2 JP2601273 Y2 JP 2601273Y2
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元 茂 芳 岩
野 又 彦 岡
田 啓 平
幹 夫 小宮山
口 克 久 田
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の技術分野】本考案は、小型電子部品等のチップ
体を相互に接触させずしかも一体に包装し、当該チップ
体の保管、搬送ないし自動取出に用いられるキャリアテ
ープを封止するためのカバーテープに関する。また本考
案は、上記カバーテープを用いた電子部品連に関する。
【0002】
【考案の技術的背景】近年、抵抗、コンデンサ、IC集
積回路等の電子部品は小型化してチップ化の動きが急速
に進みつつある。そのため、チップ体の保管と搬送と自
動取出とを同時に行ないうる方式が各種提案されてい
る。その中で、テープキャリア方式が最も有望な方式と
みなされている。
【0003】従来のテープキャリア方式には、キャリア
テープとして通孔が形成された基材を用いる方式と、キ
ャリアテープとして凹部が形成された基材を用いる方式
とがある。
【0004】通孔が形成されたキャリアテープを用いる
方式は、厚手の帯状の紙等からなるキャリアテープに打
ち抜き等の方法で一定の間隔を保って多数の通孔を設け
て収容部とし、別に多数の送り用穴を設け、このキャリ
アテープの一方の面にボトムテープを貼り付け、該収容
部に小型電子部品等のチップ体を収納した後、該キャリ
アテープの他方の面をカバーテープでラミネートするこ
とによりチップ体を封入する。
【0005】キャリアテープとして凹部が形成された基
材を用いる方式では、帯状のプラスチック製テープに一
定の間隔で多数の凹部を設けて収容部を形成し、且つ送
り穴を形成したキャリアテープを用い、各収容部に小型
電子部品等のチップ体を収納した後、カバーテープでラ
ミネート封止すればよい。
【0006】上記の何れの方式の場合もカバーテープを
用いているが、このようなカバーテープとしては、テー
プ状基材の片面に熱融着性の接着剤を全面塗布してなる
カバーテープが用いられていた。しかしながら、このよ
うなカバーテープを用いると、接着力の制御が困難であ
り、また搬送中の環境によっては、収納されているチッ
プ体とカバーテープの接着剤とが付着してしまい、チッ
プ体を汚染する虞があった。
【0007】このような問題点を解決するために、たと
えば、実開昭60−47276号公報には、テープ状基
材表面の内、チップ体収容部に対向する部分以外の箇所
に接着剤を塗布してなるカバーテープが開示されてい
る。また実開昭61−175174号公報および実公昭
62−36766号公報には、テープ状基材の表面に接
着剤層を形成してなり、且つチップ体収容部に対向する
部分に薄膜を貼り付け、この部分を非接着性にしたカバ
ーテープが開示されている。
【0008】また、特開昭64−37364号公報およ
び特開昭64−37365号公報には、テープ状基材の
表面に接着剤層を形成してなり、且つチップ体収容部に
対向する部分に光硬化性インクでパターン印刷し、この
部分を非接着性にしたカバーテープが開示されている。
【0009】上記公報類に記載のカバーテープを用いる
と、搬送中の振動等によってカバーテープの接着剤がチ
ップ体に付着し、汚染することを防止できるが、次のよ
うな不都合があることが見出された。
【0010】接着剤上に薄膜を貼付ける場合において
は、キャリアテープに薄膜を貼付するための接着剤幅を
一定に維持することが非常に困難である。一方、接着剤
上に光硬化性インクをパターン印刷してなるカバーテー
プにおいては、チップ体の取出時に次のような問題点が
あることが判明した。
【0011】チップ体の取出時には、カバーテープを剥
がした後、吸着ノズルによりチップ体を取り出してい
る。この際、キャリアテープを搬送しながら同時にカバ
ーテープの剥離を行なうため、剥離時の振動により、チ
ップ体のピックアップを円滑に行なえない場合がある。
このため、ある種の実装マシンでは、図4に示すよう
に、剥離したカバーテープを折り返し、この折り返され
たカバーテープごと、吸着ノズルでキャリアテープを押
さえつけ、キャリアテープを振動させないようにして、
チップ体のピックアップを行なっている。この際、剥離
されたカバーテープの表面に、吸着ノズルが強く圧接す
る。前記公報類に記載のカバーテープの表面の材質およ
びその特性は特に限定はされていないものの、例示され
ているものはいずれも比較的軟質の材料である。したが
って、吸着ノズルが圧接すると、カバーテープの表面が
削り取られてしまう。この削り屑が、吸着ノズルに堆積
してしまい、実装エラーの原因となることがあった。
【0012】
【考案の目的】本考案は上記のような従来技術に鑑みて
なされたものであって、本考案の第1の目的は、電子部
品等実装時の実装エラーを防止することにある。さらに
本考案の第2の目的は、多数の電子部品を安定して輸送
することができる電子部品連を提供することにある。
【0013】
【考案の概要】本考案に係るチップ体搬送用カバーテー
プは、チップ体が収容される収容部が長手方向に断続的
に形成されたテープ状のキャリアテープの表面に貼着さ
れて、前記収容部を封止するチップ体搬送用カバーテー
プであって、テープ状の基材と、該基材の片面に形成さ
れた感圧性接着剤層と、該感圧性接着剤層表面のうち少
なくとも前記収容部に対向する表面部分に形成されたチ
ップ体保護コート層とからなり、該チップ体保護コート
層を形成する樹脂の、JIS K5400に準拠して測
定した鉛筆ひっかき値がH〜5Hであることを特徴とし
ている。
【0014】このような要件を充足するチップ体保護コ
ート層の具体例としては、30〜90重量部の分子量1
000以上の放射線架橋性オリゴマーと、10〜70重
量部の分子量1000未満の放射線架橋性多官能モノマ
ーと、必要に応じ、0.1〜10重量部の光重合開始剤
とからなる放射線硬化性コート層があげられる。
【0015】本考案に係る電子部品連は、チップ体が収
容される多数の収容部が長手方向に断続的に形成された
テープ状のキャリアテープと、該収容部に収容されてな
る多数の電子部品と、該収容部を封止するチップ体搬送
用カバーテープとからなり、該チップ体搬送用カバーテ
ープが、上記本考案に係るカバーテープであることを特
徴としている。
【0016】
【考案の具体的説明】本考案に係るチップ体搬送用カバ
ーテープについて、図面に示す実施例に基づき、さらに
具体的に説明する。
【0017】本考案に係るチップ体搬送用カバーテープ
は、チップ体が収容される収容部が長手方向に断続的に
形成されたテープ状のキャリアテープの表面に貼着され
て、前記収容部を封止するために用いられる。
【0018】図1に、本考案に係るチップ体搬送用カバ
ーテープの断面図と、その使用状態を示す。図1に示す
ように、本考案に係るチップ体搬送用カバーテープ10
は、テープ状の基材1と、この基材1の片面に形成され
た感圧性接着剤層2とと、チップ体保護コート層3とか
らなる。チップ体保護コート層3は、チップ体14が収
納されるべき収容部に対向する感圧性接着剤層2の表面
を覆うように形成されている。
【0019】テープ状の基材1は透明であることが好ま
しく、透明基材を用いることにより、収容されているチ
ップ体の識別が容易に行なえるので、実装エラーを低減
することができる。
【0020】基材1の材質としては、種々の合成樹脂が
用いられうるが、好ましくは延伸ポリエチレンテレフタ
レート(PET)、延伸ポリプロピレン(PP)、延伸
ポリアミド、延伸ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチ
レン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリアクリロ
ニトリル等が用いられる。この基材1の肉厚は6〜20
0μm、好ましくは10〜100μmが良い。
【0021】感圧性接着剤層2は、上記基材1の片面に
形成されている。感圧性接着剤層2の厚みは、特に限定
はされないが、好ましくは5〜50μm、特に好ましく
は10〜30μm程度である。
【0022】感圧性接着剤層2の材質としては、アクリ
ル系、ゴム系、シリコーン系などの種々の接着剤が用い
られうる。チップ体保護コート層3は、表面硬度に優
れ、かつ柔軟性に富んだ材料により形成されている。こ
のようなチップ体保護コート層3を用いると、吸着ノズ
ルが圧接されても、削り屑が発生しないので、安定して
チップ体の実装を行なうことができる。このようなチッ
プ体保護コート層3の膜厚は、通常、1〜30μm程度
であり、好ましくは3〜10μm程度である。
【0023】チップ体保護コート層3は、JIS K5
400における鉛筆ひっかき値がH〜5Hである必要が
ある。鉛筆ひっかき値がHよりも小さければ、表面硬度
が軟か過ぎ、吸着ノズルの摺動により削り屑が発生す
る。また5Hよりも大きければ柔軟性に劣り、図4に示
すような急角度の折曲げにより保護コート層が割れた
り、剥がれたりして、接着面が露出し、チップ体が付着
する畏れがある。
【0024】このような表面硬度に優れ、かつ柔軟性に
富む材料としては、具体的には、放射線架橋性オリゴマ
ーと、放射線架橋性多官能モノマーとからなる組成物に
放射線を照射して重合硬化させた放射線硬化性コート層
をあげることができる。上記組成物には、所望により、
重合を促進するために光重合開始剤を加えておいてもよ
い。放射線としては、具体的には、紫外線あるいは電子
線等が用いられる。
【0025】放射線架橋性オリゴマーは、組成物100
重量部に対して、30〜90重量部、好ましくは40〜
70重量部の量で用いられる。放射線架橋性多官能モノ
マーは、組成物100重量部に対して、10〜70重量
部、好ましくは30〜60重量部の量で用いられる。
【0026】また、所望により用いられる光重合開始剤
は、組成物100重量部に対して、0.1〜10重量
部、好ましくは2〜6重量部の量で用いられる。放射線
架橋性オリゴマーとしては、分子量1000以上、好ま
しくは1000〜8000、特に好ましくは2000〜
6000のオリゴマーが用いられる。
【0027】このような放射線架橋性オリゴマーの具体
的な例としては、ウレタンアクリレートオリゴマー、エ
ステルアクリレートオリゴマーおよびエポキシアクリレ
ートオリゴマーなどがあげられる。
【0028】上記のうち、ウレタンアクリレートオリゴ
マーについて、具体的に説明すると、ウレタンアクリレ
ートオリゴマーは、ポリエステル型またはポリエーテル
型などのポリオール化合物と、多価イソシアネート化合
物たとえば2,4−トルイレンジイソシアネート、2,
6−トルイレンジイソシアネート、1,3−キシレンジ
イソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、
ジフェニルメタン4,4−ジイソシアネートなどを反応
させて得られる末端イソシアネートウレタンプレポリマ
ーに、ヒドロキシル基を有するアクリレートあるいはメ
タクリレートたとえば2−ヒドロキシエチルアクリレー
トまたは2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ルメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレー
ト、ポリエチレングリコールメタクリレートなどを反応
させて得られ、このウレタンアクリレート系オリゴマー
は、炭素−炭素二重結合を少なくとも1個以上有する放
射線重合性化合物である。
【0029】またエステルアクリレートオリゴマーとし
ては、具体的には、2価のカルボン酸またはその誘導体
と、2価又はそれ以上のアルコールとから得られるエス
テルプレポリマーを、アクリル酸とエステル化反応させ
て得られるオリゴマーをあげることができる。
【0030】エポキシアクリレートオリゴマーとして
は、具体的には、ビスフェノールAジグリシジルエーテ
ルの2量体または数量体よりなるプレポリマーから誘導
されるアクリレート、ノボラックのポリグリシジルエー
テル等から誘導されるアクリレートなどがあげられる。
【0031】上記の放射線架橋性オリゴマーは1種単独
で、または2種以上を組み合わせて用いることができ
る。放射線架橋性多官能モノマーとしては、分子量10
00未満、好ましくは200〜700の単量体が用いら
れる。
【0032】放射線架橋性多官能モノマーとしては、光
照射によって三次元網状化しうる分子内に光重合性炭素
−炭素二重結合を少なくとも2個以上有する単量体が広
く用いられ、具体的には、ペンタエリスリトールジアク
リレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペ
ンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリス
リトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリ
メタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリ
レート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリス
リトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトール
ペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサア
クリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレー
ト、ジペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペ
ンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエ
リスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリ
トールヘキサメタクリレート、トリメチロールプロパン
ジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリ
メチロールプロパントリメタクリレート等が用いられ
る。また上記放射線架橋性多官能性モノマーは1種単独
で、または2種以上を組み合わせて用いることができ
る。
【0033】また本考案において所望により用いられる
光重合開始剤としては、具体的には、ベンゾイン、ベン
ゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベ
ンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジフェニルサ
ルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、
アゾビスイソブチロニトリル、ジベンジル、ジアセチ
ル、β−クロールアンスラキノンなどが挙げられる。上
記光重合開始剤は1種単独で、または2種以上を組み合
わせて用いることができる。
【0034】本考案に係るチップ体搬送用カバーテープ
のチップ体保護コート層3は、上記のような、放射線架
橋性オリゴマー、放射線架橋性多官能モノマー、および
所望により光重合開始剤からなる組成物を重合硬化させ
ることにより形成される。
【0035】本考案のチップ体搬送用カバーテープは、
具体的には、次のようにして製造することができる。ま
ず、所定の基材1の表面を、後述する剥離剤により、ロ
ールコーター、グラビアコーターなどを用いて離型処理
した後、該処理面の反対面に感圧性接着剤層2をロール
コーター、ナイフコーターなどにより塗布形成する。
【0036】次いで、感圧性接着剤層2の表面にチップ
体保護コート層3を形成する。なお、本考案のチップ体
搬送用カバーテープは、図1に示すように、キャリアテ
ープ12と貼り合わせて使用するが、キャリアテープ1
2と貼り合わせた場合に、感圧性接着剤層2の表面の
内、キャリアテープ13のチップ体14収容部に対向す
る部分にチップ体保護コート層3を形成する。チップ体
保護コート層3は、前述した組成物を、フレキソ、凸
版、ロータリースクリーン、グラビア等の印刷、あるい
はディスペンサーによる塗布などの手段により塗布して
塗膜を形成し、これに放射線(紫外線、電子線等)を照
射して重合硬化させることにより形成される。照射する
放射線量は、通常は、15〜100mJ/cm2 、好ましく
は20〜50mJ/cm2 程度である。
【0037】このような本考案に係るチップ体搬送用カ
バーテープ10は、表面硬度に優れ、かつ柔軟性に富ん
だチップ体保護コート層3を備えているので、搬送中の
接着剤によるチップ体汚染を防止できるため、チップ体
の信頼性が向上する。また取出時に吸着ノズルが圧接す
る部分が、充分に堅牢であるので、チップ体の取出工程
において、削り屑を低減できるため実装エラーを防止す
ることが可能になる。
【0038】本考案のチップ体搬送用カバーテープに
は、基材1の片面(感圧性接着剤層2が形成されていな
い面)に剥離層を設けてもよい。剥離層の材質として
は、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系の樹脂が
用いられる。さらに、この保護コート層3および剥離層
に帯電防止処理を施しておいてもよい。帯電防止処理
は、具体的には以下の手法により行なう。カーボン、金
属、カチオン系、アニオン系、ノニオン系から選ばれる
帯電防止処理剤を基材1上に塗布して後、コート用樹脂
を塗布するか、コート層3等の特性を阻害しない程度に
帯電防止処理剤をコート用樹脂に添加して基材1に塗布
する。
【0039】また基材1に帯電防止処理剤をねりこんで
もよい。接着剤は、剥離帯電量が大きいため電子部品の
信頼性を損なう場合があったが、このような帯電防止処
理を施しておくと、静電気による電子部品の損傷を防止
することができる。
【0040】本考案に係るチップ体搬送用カバーテープ
は、従来のテープキャリア方式に特に変更を加えること
なく、たとえば電子部品連保持体等として使用すること
ができる。
【0041】キャリアテープとして凹部が形成された基
材を用いる方式(図2参照;図中チップ体保護コート層
は省略した)では、帯状のプラスチック製テープに一定
の間隔で多数の凹部を設けて収容部を形成し、且つ送り
用穴13を形成したキャリアテープ12を用い、各収容
部に小型電子部品等のチップ体14を収納した後、カバ
ーテープ10でラミネート封止すれば多数の電子部品が
収容されてなる電子部品連が得られる。
【0042】通孔が形成されたキャリアテープを用いる
方式(図3参照;図中チップ体保護コート層は省略し
た)では、厚手の帯状の紙等からなるキャリアテープ1
5に打ち抜き等の方法で一定の間隔を保って多数の通孔
を設けて収容部とし、別に多数の送り用穴13を設け、
このキャリアテープ15の一方の面にボトムテープを貼
り付け、該収容部に小型電子部品等のチップ体14を収
納した後、該キャリアテープ15の他方の面をカバーテ
ープ10でラミネートし、チップ体を封入することによ
り電子部品連が得られる。
【0043】また、チップ体の取出しは、図4に示す手
法によってなされる。以上、本考案に係るチップ体搬送
用カバーテープならびに電子部品連を説明してきたが、
本考案はこれらには限定されず、部分的な変更、追加等
をも包含する。たとえば、基材あるいは接着剤の材質
は、本考案の目的を損なわない範囲で、例示した材質に
限られず、種々変更可能である。また基材は、単層には
限定されず、2層以上の積層体であってもよい。さらに
キャリアテープの収容部に収納されるチップ体として
は、小型電子部品に限らず、小型機械部品、あるいは錠
剤等であってもよい。
【0044】
【考案の効果】以上、説明してきたように、本考案によ
れば、電子部品等実装時の実装エラーを防止することが
可能になる。さらに本考案によれば、多数の電子部品を
安定して輸送できる電子部品連が提供される。
【0045】
【実施例】以下、本考案を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本考案はこれら実施例に限定されるもので
はない。
【0046】なお、以下の実施例および比較例におい
て、鉛筆ひっかき値の評価、保護コート層の削れの評
価、屈曲時における保護コート層の割れの評価および実
装機でのテストを下記の手法に従って行った。
【0047】
【保護コート層の鉛筆ひっかき値の評価】JIS K5
400記載の鋼板からなる試験板上に、保護コート層と
なる組成物(組成を表1に示す)を5μm厚になるよう
塗布し、次いで40mJ/cm2の放射線を照射し、保護
コート層の重合硬化を行い、評価用サンプルとする。
【0048】サンプルをJIS K5400に記載の鉛
筆ひっかき試験機に装着し、所定の鉛筆で保護コート層
をひっかき、鉛筆ひっかき値を求める。
【0049】
【保護コート層の削れの評価】チップ体保護コート層表
面硬度を下記の堅牢度試験によって評価した。幅9.3
cm、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート基材上
に、全面に、20μm厚のアクリル系感圧性接着剤層を
ナイフコーターにより形成し、次いで、接着剤層上に、
5μm厚で保護コート層となる組成物(組成を表1に示
す)を凸版印刷により塗布する。次いで、40mJ/cm2
の放射線を照射し、保護コート層の重合硬化を行ない、
得られた3層積層体を評価用サンプルとする。
【0050】サンプルをJIS L 0823に記載の
摩擦試験機II型に装着する。なお、JIS L 082
3では、サンプル表面の摩擦を行なうのに白綿布が用い
られるが、本評価方法では、白綿布に代えてスチールウ
ールNo. 0000が用いられる。
【0051】サンプル装着後、荷重200gにて、保護
コート層表面を200回摩擦した後、保護コート層表面
を50倍拡大鏡で観察する。観察の結果、アクリル系感
圧性接着剤層あるいはポリエステル基材の露出がないも
のを合格とする。
【0052】
【耐屈曲性の評価】チップ体保護コート層の耐屈曲性を
下記の試験によって評価した。幅50mm、厚さ200
μmのポリエチレンテレフタレート基材上に、全面に、
2.5μm厚で保護コート層となる組成物(組成を表1
に示す)を凸版印刷により塗布する。なお、保護コート
層は、接着剤層の長手方向両端の略1mmを除いた部分に
形成される。次いで、40mJ/cm2 の放射線を照射し、
保護コート層の重合硬化を行ない、得られた2層積層体
を評価用サンプルとする。
【0053】サンプルを直径2mmの心棒の回りにポリエ
ステル基材が内側になるように180度折り曲げて固定
する。1分間保持後にサンプルを取り出し、折曲部に位
置する保護コート層表面の状態を目視により観察する。
この結果、保護コート層表面にクラックあるいは剥離が
確認されないものを合格とする。
【0054】
【実装機でのテスト】チップ体搬送用カバーテープの実
装機でのテストを下記の手法により行なった。
【0055】評価用サンプルとしては、上記の堅牢度試
験に用いたサンプルと同一のものを用いた。 具体的手法:図4に示す工程を有する実装機において、
チップ体を取り出す作業を10000回行い、テスト後
の吸着ノズルおよびカバーテープのコート層の状態を5
0倍の顕微鏡で確認を行う。また、実装エラー回数をカ
ウントする。その結果、テスト後の吸着ノズルの汚染の
ないもの、且つテスト後のカバーテープのコート層に割
れのないもの、且つ実装エラーのないものを合格とす
る。
【0056】
【実施例1】コート層製造用組成物を表1に示す配合に
調製した。得られた組成物を用いてコート層を形成し、
上記の評価を行なった。
【0057】結果を表1に示す。
【0058】
【比較例1および2】コート層製造用組成物の組成を表
1に記載のように変更した。結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】 1)放射線架橋性オリゴマー(ウレタンアクリレートオ
リゴマー:重量平均分子量約5000) 2)放射線架橋性多官能性モノマー(トリメチロールプ
ロパントリアクリレート) 3)光重合開始剤(ベンゾインメチルエーテル)
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案に係るチップ体搬送用カバーテープと
キャリアテープの使用状態を示す。
【図2】 本考案に係る電子部品連の概略説明図であ
る。
【図3】 本考案に係る電子部品連の概略説明図であ
る。
【図4】 ノズルによりカバーテープを圧接してチップ
を取出す工程を示す図である。
【符号の説明】
1…基材 2…感圧性接着
剤部 3…チップ体保護コート層 10…チップ体搬
送用カバーテープ 12…キャリアテープ 13…送り用穴 14…チップ体 15…キャリア
テープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 岡 野 又 彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)考案者 平 田 啓 埼玉県浦和市辻7−7−3 (72)考案者 小宮山 幹 夫 埼玉県浦和市辻7−7−3 (72)考案者 田 口 克 久 埼玉県浦和市文蔵2−19−11 (56)参考文献 特開 昭64−37365(JP,A) 特開 平2−139365(JP,A) 実公 昭62−36766(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B65D 85/86 B65D 73/02 B65D 85/00 H05K 13/02

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チップ体が収容される収容部が長手方向
    に断続的に形成されたテープ状のキャリアテープの表面
    に貼着されて、前記収容部を封止するチップ体搬送用カ
    バーテープであって、 テープ状の基材と、該基材の片面に形成された感圧性接
    着剤層と、該感圧性接着剤層表面のうち少なくとも前記
    収容部に対向する表面部分に形成されたチップ体保護コ
    ート層とからなり、 該チップ体保護コート層が、 分子量1000以上の放射線架橋性オリゴマー:30〜
    90重量部と、 分子量1000未満の放射線架橋性多官能モノマー:1
    0〜70重量部とからなる放射線硬化性コート層であ
    り、かつ該チップ体保護コート層 を形成する樹脂の、J
    IS K5400に準拠して測定した鉛筆ひっかき値が
    H〜5Hであることを特徴とするチップ体搬送用カバー
    テープ。
  2. 【請求項2】 前記チップ体保護コート層が、さらに、 光重合開始剤:0.1〜10重量部を含むことを特徴と
    する請求項1に記載のチップ体搬送用カバーテープ。
  3. 【請求項3】 チップ体が収容される多数の収容部が長
    手方向に断続的に形成されたテープ状のキャリアテープ
    と、該収容部に収容されてなる多数の電子部品と、該収
    容部を封止するチップ体搬送用カバーテープとからなる
    電子部品連において、 該チップ体搬送用カバーテープが、請求項1または2
    いずれかに記載のテープであることを特徴とする電子部
    品連。
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