JP2601058Y2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

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JP2601058Y2
JP2601058Y2 JP1992087576U JP8757692U JP2601058Y2 JP 2601058 Y2 JP2601058 Y2 JP 2601058Y2 JP 1992087576 U JP1992087576 U JP 1992087576U JP 8757692 U JP8757692 U JP 8757692U JP 2601058 Y2 JP2601058 Y2 JP 2601058Y2
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英司 井上
尚 今西
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Isuzu Motors Ltd
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NSK Ltd
Isuzu Motors Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は,自動車等に適用され
るトロイダル型無段変速機に関し,特に,2組のトロイ
ダル変速機構を同軸上に配置したダブルキャビティ式の
トロイダル型無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に,トロイダル型無段変速機は,入
力ディスク,出力ディスク及び両ディスクの間に配置さ
れたパワーローラ等から成るトロイダル変速機構を2組
同軸上に配置した構成を有している。このパワーローラ
と両ディスクとの間の動力伝達は高圧力下の油のせん断
力即ちトラクション力(粘着摩擦力)によるが,所定の
トラクション力を得るには,パワーローラと両ディスク
の接触点において非常に大きな押しつけ力即ち押圧力或
いは圧接力を必要とする。
【0003】この圧接力は,両ディスクをその軸方向に
ローディングカム等の押圧手段により押しつけることに
よって発生させるのが一般的である。そして,トロイダ
ル型無段変速機には,押圧手段を一方のトロイダル変速
機構にのみ設けたものと,押圧手段を両方のトロイダル
変速機構に設けたものとがある。
【0004】前者の例として,特開平1−216160
号公報に開示されたトロイダル型無段変速機がある。こ
のトロイダル型無段変速機は,傾転可能なパワーローラ
を介してトルク伝達される入力ディスク及び出力ディス
クを備えたトロイダル変速機構を,それぞれの入力ディ
スク同士及び出力ディスク同士を互いに回転方向に連結
して同軸上に2組配置し,入力トルクの大きさに応じて
パワーローラの圧接力を変化させる押圧手段を一方のト
ロイダル変速機構に設け,該一方のトロイダル変速機構
に入力された押圧手段の押圧力が,軸方向に移動可能な
伝達部材及び予圧手段を介して他方のトロイダル変速機
構に伝達されるトロイダル型無段変速機において,一方
のトロイダル変速機構側の押圧手段で発生する位相ずれ
に起因して,他方のトロイダル変速機構の予圧手段に摩
擦抵抗が発生するのを防止するという課題を解決するた
めに,上記伝達部材から上記予圧手段を介して他方のト
ロイダル変速機構に至る押圧力伝達経路中に,回転自在
なスラスト軸受を配置したものである。それによって,
このトロイダル型無段変速機は,一方のトロイダル変速
機構側の押圧手段で発生する位相ずれを前記スラスト軸
受で吸収することによって,他方のトロイダル変速機構
の予圧手段に摩擦抵抗が発生するのを防止したものであ
る。
【0005】これに対して,後者の例としては,図3に
示すようなトロイダル型無段変速機がある。このトロイ
ダル型無段変速機は,入力ディスク4,入力ディスク4
に対向して配置された出力ディスク6,入力ディスク4
から出力ディスク6へトルクを伝達する傾転可能なパワ
ーローラ7,8を有するトロイダル変速機構2と,入力
ディスク13,入力ディスク13に対向して配置された
出力ディスク15,入力ディスク13から出力ディスク
15へトルクを伝達する傾転可能なパワーローラ16,
17を有するトロイダル変速機構11とからなる2組の
トロイダル変速機構を入力軸1b上に対向させて配置
し,それぞれの出力ディスク6,15同士を連結部材2
0で一体回転可能に連結し,連結部材20をケーシング
の支持部24に対して回転可能且つ支持部24間に位置
して軸方向に移動不能に軸受22,23を介して支持
し,入力軸1aから入力ディスク4,13へ入力された
トルクの大きさに応じてパワーローラ7,8,16,1
7の圧接力を変化させる押圧手段29,30をそれぞれ
のトロイダル変速機構2,11に設けたものである。
【0006】このトロイダル型無段変速機について,第
1入力軸1aには,図示しないトルクコンバータを介し
てエンジントルクが入力される。第1入力軸1aにはボ
ールスプライン1cを介して第2入力軸1bが軸方向に
移動自在に連結されている。第1トロイダル変速機構2
は,第2入力軸1bにラジアル軸受3を介して回転自在
に取り付けられた第1入力ディスク4,及び第2入力軸
1bにラジアル軸受5を介して回転自在に取り付けられ
且つ第1入力ディスク4に対向して配置された第1出力
ディスク6と,両ディスク4,6間に配置された第1パ
ワーローラ7,8とから構成されている。第1パワーロ
ーラ7,8はそれぞれ,図示しないケーシングに固定さ
れたパワーローラ傾転軸9,10に対して傾転自在に設
けられている。また,第1パワーローラ7,8自体は円
盤状であって,第1入力ディスク4からトルクを受けて
回転し,第1出力ディスク6にトルクを伝達するように
構成されている。
【0007】第2トロイダル変速機構11は,第2入力
軸1bにラジアル軸受12を介して回転自在に取り付け
られた第2入力ディスク13と,第2入力軸1bにラジ
アル軸受14を介して回転自在に取り付けられ,第2入
力ディスク13に対向して配置された第2出力ディスク
15と,両ディスク13,15間に配置された第2パワ
ーローラ16,17とから構成されている。第2パワー
ローラ16,17はそれぞれ,図示しないケーシングに
固定されたパワーローラ傾転軸18,19に対して傾転
自在に設けられている。また,第2パワーローラ16,
17自体は円盤状であって,第2入力ディスク13から
トルクを受けて回転し,第2出力ディスク15にトルク
を伝達するように構成されている。
【0008】第1出力ディスク6と第2出力ディスク1
5は,連結部材20で相互に連結されており,一体にな
って回転することができる。連結部材20には出力歯車
21が一体に形成されており,出力歯車21は一対の軸
受22,23を介してケーシングに設けた支持部24に
回転自在且つ軸方向に移動不能に支持されている。即
ち,両出力ディスク6,15はケーシングに対して軸方
向に移動しないように構成されている。出力歯車21は
出力軸25の出力歯車26に噛み合っている。
【0009】第2入力軸1bの両端部にはそれぞれフラ
ンジ部27,28が設けられている。フランジ部27と
第1入力ディスク4との間には,押圧手段としてのロー
ディングカム29が設けられている。また,フランジ部
28と第2入力ディスク13との間にも,押圧手段とし
てのローディングカム30が設けられている。
【0010】このトロイダル型無段変速機は,以上のよ
うに構成されており,以下のように作動する。エンジン
の駆動に伴って,第1入力軸1aにトルクが入力される
と,このトルクは第1入力軸1aからボールスプライン
1cを介して第2入力軸1bに伝達され,更に,第2入
力軸1bの一端に形成されたフランジ部27とローディ
ングカム29を介して第1入力ディスク4に伝達される
と共に,他端のフランジ部28とローディングカム30
を介して第2入力ディスク13に伝達され,第1入力デ
ィスク4と第2入力ディスク13が一緒に回転する。
【0011】第1入力ディスク4に入力されたトルク
は,第1パワーローラ7,8を介して第1出力ディスク
6に伝達される。この時,第1パワーローラ7,8の傾
転角に応じた変速比が,第1入力ディスク4と第1出力
ディスク6との間に,無段階に得られる。一方,第2入
力ディスク13に入力されたトルクは,第2パワーロー
ラ16,17を介して第2出力ディスク15に伝達され
る。この時,第2パワーローラ16,17は第1パワー
ローラ7,8に連動するよう構成されているので,第2
パワーローラ7,8の傾転角は第1パワーローラの傾転
角と同じになり,同じ値の変速比が無段階に得られる。
そして,第1出力ディスク6,第2出力ディスク15に
伝達されたトルクは,連結部材20及び出力歯車21を
介して出力軸25へと伝達される。
【0012】
【考案が解決しようとする課題】ところで,トロイダル
型無段変速機においては,所定の変速比を得るために
は,パワーローラ傾転軸と入出力ディスクの軸方向の位
置が固定されている必要がある。即ち,入力ディスク及
び出力ディスクの軸を通りパワーローラ傾転軸と直交す
る平面において,入出力ディスクのトロイダル中心がパ
ワーローラ傾転軸上にある必要がある。このため,図3
に示す従来のトロイダル型無段変速機では,パワーロー
ラ7,8,16,17と入出力ディスク4,6,13,
15の軸方向の位置決めは次のようにして行われてい
る。即ち,出力ディスク6,15は,パワーローラ傾転
軸9,10,18,19を支持しているケーシングと一
体の支持部24に,軸受22,23を介して位置決めさ
れ,入力ディスク4,13は,ローディングカム29,
30でパワーローラ7,8,16,17へ押しつけられ
ることにより,パワーローラ7,8,16,17を介し
て出力ディスク6,15に対して軸方向に位置が固定さ
れ,間接的にパワーローラ傾転軸9,10,18,19
に対して軸方向に位置決めされている。
【0013】しかしながら,入力ディスク4,13はパ
ワーローラ傾転軸9,10に対して軸方向の位置が所定
の位置から変位することがある。即ち,変速時にパワー
ローラをその傾転軸方向に変位させるため,両ディスク
とパワーローラとの接触位置が変位し,その結果,入力
ディスク4,13が出力ディスク6,15に近づくよう
に変位する。この時,2組のトロイダル変速機構2,1
1を同軸上に対向して配置するダブルキャビティ式で
は,2組のトロイダル変速機構が完全に同期していない
と,変速中に入力軸が軸方向に変位することになる。こ
のため,従来は,入力軸の軸方向変位を吸収するため
に,入力軸を原動機側で二つに分割し,例えば,図3に
示すように,二つの入力軸1a,1bをボールスプライ
ン1cで連結するなどの構造を採用することによって,
回転方向のみ連結し,軸方向には拘束しない構造として
いた。このため,構造が複雑になる部品点数も多くなっ
てしまうという欠点があった。
【0014】そこで,この考案の目的は,両方のトロイ
ダル変速機構に押圧手段を設けたトロイダル型無段変速
機において,入力軸に対して作用するスラスト荷重をケ
ーシングで受け止めるようにすることにより,両方のト
ロイダル変速機構がうまく同期して作動しない場合で
も,入力軸の軸方向への変位を防止することができ,入
力軸の構造が簡単で部品点数の少なくて済むトロイダル
型無段変速機を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】この考案は,上記の目的
を達成するため,以下のように構成されている。即ち,
この考案は,入力軸に対して回転可能に支持された一対
の入力ディスク,該入力ディスクのそれぞれに対向して
配置され且つ前記入力軸に対して回転可能に支持された
一対の出力ディスク,対向する一組の前記入力ディスク
と前記出力ディスクの間に配置され且つ前記入力ディス
クから前記出力ディスクへトルクを伝達する傾転可能な
パワーローラ,対向する一対の前記出力ディスク同士を
一体的に連結する連結部材,前記連結部材を回転可能に
且つ軸方向に移動不能に支持するケーシング,及び前記
入力ディスクのそれぞれに作用して入力トルクの大きさ
に応じて前記パワーローラの圧接力を変化させる押圧手
段を有するトロイダル型無段変速機において,前記入力
軸と前記出力ディスクとの間に配置され,前記入力軸に
対して前記出力ディスクを回転自在に支持すると共に,
前記出力ディスクに対して前記入力軸のスラスト荷重を
受けて前記入力軸の軸方向移動を規制する軸受を設けた
ことを特徴とするトロイダル型無段変速機に関する。
【0016】また,このトロイダル型無段変速機におい
て,前記軸受はスラスト軸受とラジアル軸受とで構成し
たものである。
【0017】また,このトロイダル型無段変速機におい
て,前記軸受はアンギュラ軸受で構成したものである。
ここで,アンギュラ軸受は,アンギュラ玉軸受,アンギ
ュラ円筒ころ軸受等の呼び接触角が0°でないアンギュ
ラ支持可能である軸受を指すものとする。
【0018】
【作用】この考案によるトロイダル型無段変速機は,上
記のように構成されているので,以下のように作用す
る。即ち,このトロイダル型無段変速機は,変速時にお
いて,2組のトロイダル変速機構の同期が崩れた場合,
入力軸の軸方向にスラスト荷重が作用する。即ち,入力
ディスクはローディングカムでパワーローラへ押しつけ
られるので,スラスト荷重は,入力ディスクからパワー
ローラを介して出力ディスクへと伝達される。ところ
が,出力ディスクは,パワーローラ傾転軸を支持してい
るケーシングと一体の支持部材に,軸受を介して位置決
めされているので,出力ディスクはケーシングに対して
軸方向に変位しない。従って,入力ディスクは軸方向へ
の変化が規制される。このため,スラスト荷重の反力が
入力軸に作用する。しかし,ケーシングに対して軸方向
に位置決めされた出力ディスク又は連結部材に対して入
力軸を軸方向に移動不能に支持するスラスト荷重を受け
る軸受であるスラスト軸受を設けたので,入力軸は間接
的にケーシングに対して軸方向位置が規制されることに
なり,軸方向に変位することができない。
【0019】或いは,このトロイダル型無段変速機は,
変速時において,2組のトロイダル変速機構の同期が崩
れた場合,入力軸の軸方向にスラスト荷重が作用する。
即ち,入力ディスクはローディングカムでパワーローラ
へ押しつけられるので,スラスト荷重は,入力ディスク
からパワーローラを介して出力ディスクへと伝達され
る。ところが,出力ディスクは,パワーローラ傾転軸を
支持しているケーシングと一体の支持部材に,軸受を介
して位置決めされているので,出力ディスクはケーシン
グに対して軸方向に変位しない。従って,入力ディスク
は軸方向への変化が規制される。このため,スラスト荷
重の反力が入力軸に作用する。しかし,ケーシングに対
して軸方向に位置決めされた出力ディスク又は連結部材
に対して入力軸をラジアル荷重を受けて回転可能に且つ
スラスト荷重を受けて軸方向移動を規制する軸受である
アンギュラ軸受を設けたので,入力軸は間接的にケーシ
ングに対して軸方向位置が規制されることになり,軸方
向に変位することができないものとなる。
【0020】
【実施例】以下,図面を参照しながら,この考案の実施
例について説明する。図1はこの考案によるトロイダル
型無段変速機の一実施例を示す断面図である。このトロ
イダル型無段変速機の構成は,図3に示すトロイダル型
無段変速機と基本的には同一の構成を有するものであ
り,図3に付した符号と同一の作用を有する部品には同
一の符号を付している。
【0021】このトロイダル型無段変速機は,入力軸
1,入力軸1に対して回転可能に支持された一対の入力
ディスク4,13,入力ディスク4,13のそれぞれに
対向して配置され入力軸1に対して回転可能に支持され
た一対の出力ディスク6,15,対向する一組の入力デ
ィスク4と出力ディスク6の間に配置され且つ入力ディ
スク4から出力ディスク6へトルクを伝達する傾転可能
なパワーローラ7,8,同じく対向する一組の入力ディ
スク13と出力ディスク15の間に配置され入力ディス
ク13から出力ディスク15へトルクを伝達する傾転可
能なパワーローラ16,17,対向する一対の出力ディ
スク6,15同士を一体回転可能に連結する連結部材2
0,連結部材20をケーシングの支持部24(総称する
時には,ケーシングという)間に配置し且つ連結部材2
0をケーシング24に対して回転可能に支持する軸受2
2,23,及び一対の入力ディスク4,13のそれぞれ
に作用して入力トルクの大きさに応じてパワーローラ
7,8,16,17の圧接力を変化させる押圧手段2
9,30を有している。
【0022】このトロイダル型無段変速機について,も
う少し詳細に説明する。入力軸1には,図示しないトル
クコンバータを介してエンジントルクが入力される。第
1トロイダル変速機構2は,入力軸1にラジアル軸受3
を介して回転自在に取り付けられた第1入力ディスク
4,入力軸1にラジアル軸受5を介して回転自在に取り
付けられ,第1入力ディスク4に対向して配置された第
1出力ディスク6,両ディスク4,6間に配置された一
対の第1パワーローラ7,8から構成されている。第1
パワーローラ7,8は,それぞれ図示しないケーシング
に固定されたパワーローラ傾転軸9,10に対して傾転
自在に設けられている。また,第1パワーローラ7,8
自体は円盤状であって,第1入力ディスク4からトルク
を受けて回転し,第1出力ディスク6へトルクを伝達す
るように構成されている。
【0023】第2トロイダル変速機構11は,入力軸1
にラジアル軸受12を介して回転自在に取り付けられた
第2入力ディスク13,入力軸1にラジアル軸受14を
介して回転自在に取り付けられ,第2入力ディスク13
に対向して配置された第2出力ディスク15,両ディス
ク13,15間に配置された一対の第2パワーローラ1
6,17とから構成されている。第2パワーローラ1
6,17は,それぞれ図示しないケーシングに固定され
たパワーローラ傾転軸18,19に対して傾転自在に設
けられている。また,第2パワーローラ16,17自体
は円盤状であって,第2入力ディスク13からトルクを
受けて回転し,第2出力ディスク15へトルクを伝達す
るように構成されている。
【0024】第1トロイダル変速機構2と第2トロイダ
ル変速機構11は,入力軸1上に,お互いの出力ディス
ク6,15同士が対向するように配置されている。第1
出力ディスク6と第2出力ディスク15は,連結部材2
0で相互に連結されており,一体になって回転すること
ができる。連結部材20には出力歯車21が一体に形成
されており,出力歯車21は,ケーシングに設けた支持
部24に対して一対の軸受22,23を介して,回転自
在で且つ支持部24間に位置して軸方向に移動不能に支
持されている。即ち,両出力ディスク6,15は,軸方
向に移動しないように構成されている。出力歯車21に
は出力軸25の出力歯車26が噛み合っている。
【0025】入力軸1の両端部にはそれぞれフランジ部
27,28が形成されている。フランジ部27と第1入
力ディスク4との間には,押圧手段としてのローディン
グカム29が設けられている。また,フランジ部28と
第2入力ディスク13との間にも,押圧手段としてのロ
ーディングカム30が設けられている。
【0026】以上の構成は,入力軸が2つに分割されて
おらず,一本であるという点を除いて,図3のものとほ
ぼ同じ構成である。この考案のトロイダル型無段変速機
は,特に,ケーシングに対する入力軸1の軸方向位置を
規制するスラスト荷重を受けるスラスト軸受31,32
が設けられている。スラスト軸受31は,第1トロイダ
ル変速機構2における第1入力ディスク4と第1出力デ
ィスク6との間に配置されており,スラスト軸受31は
入力軸1と第1出力ディスク6を支持するものである。
入力軸1には環状溝33が形成されており,この環状溝
33にサークリップ34が嵌合されている。そして,ス
ラスト軸受31はサークリップ34と第1出力ディスク
6の端面に当接し,軸方向位置が規制されている。スラ
スト軸受32は,入力軸1と第2出力ディスク15を支
持するもので,スラスト軸受31と同様に,第2トロイ
ダル変速機構11における第2入力ディスク13と第2
出力ディスク15との間に配置されており,入力軸1に
形成された環状溝35に嵌合したサークリップ36と第
2出力ディスク15の端面に当接して,軸方向位置が規
制されている。
【0027】このトロイダル型無段変速機は,以上のよ
うに構成されており,以下のように作動する。エンジン
の稼働に伴って,入力軸1にトルクが入力されると,こ
のトルクは入力軸1の一端に形成されたフランジ部27
とローディングカム29を介して第1入力ディスク4に
伝達されると共に,入力軸1の他端に形成されたフラン
ジ部28とローディングカム30を介して第2入力ディ
スク13に伝達され,第1入力ディスク4及び第2入力
ディスク13が一緒に回転する。
【0028】第1入力ディスク4に入力されたトルク
は,一対の第1パワーローラ7,8を介して第1出力デ
ィスク6に伝達される。一方,第2入力ディスク13に
入力されたトルクは,第2パワーローラ16,17を介
して第2出力ディスク15に伝達される。この時,第1
パワーローラ7,8は,第2パワーローラ16,17と
連動して動き,パワーローラの傾転角に応じた変速比
が,第1入力ディスク4と第1出力ディスク6との間,
及び第2入力ディスク13と第2出力ディスク15との
間に,無段階に得られる。そして,第1出力ディスク6
及び第2出力ディスク15に伝達されたトルクは,連結
部材20に伝達され,更に出力歯車21,26を介して
出力軸25へと伝達される。
【0029】トロイダル型無段変速機は,変速時におい
て,2組のトロイダル変速機構2,11の同期が崩れた
場合,入力軸1の軸方向にスラストカが作用する。即
ち,入力ディスク4,13はローディングカム29,3
0でパワーローラ7,8,16,17へ押しつけられる
ので,スラスト力は,入力ディスク4,13からパワー
ローラ7,8,16,17を介して出力ディスク6,1
5へと伝達される。ところが,出力ディスク6,15
は,パワーローラ傾転軸9,10,18,19を支持し
ているケーシングと一体の支持部24間で軸受22,2
3を介して位置決めされているので,出力ディスク6,
15はケーシングに対して軸方向に変位しない,従っ
て,入力ディスク4,13は軸方向への変位が規制され
る。このため,スラスト荷重の反力が入力軸1に作用す
る。しかし,ケーシングに対して軸方向に位置決めされ
た出力ディスク6,15又は連結部材20に対して入力
軸1を軸方向に移動不能に支持するスラスト軸受31,
32を設けたので,入力軸1は,間接的にケーシングに
対して軸方向位置が規制されることになり,軸方向に変
位することができない。
【0030】例えば,入力軸1に対して,第1トロイダ
ル変速機構2から第2トロイダル変速機構11の方向に
スラスト荷重が発生した場合,入力軸1は,サークリッ
プ34を介してスラスト軸受31にスラスト荷重を伝達
するが,その力は軸受23を介してケーシングに固定さ
れた支持部24で受け止められる。従って,入力軸1
は,第1トロイダル変速機構2から第2トロイダル変速
機構11の方向に変位することはできない。また,逆に
第2トロイダル変速機構11から第1トロイダル変速機
構2の方向にスラスト荷重が発生した場合,入力軸1
は,サークリップ36を介してスラスト軸受32にスラ
スト力を伝達するが,その力は軸受22を介してケーシ
ングに設けた支持部24で受け止められる。従って,入
力軸1は,第2トロイダル変速機構11から第1トロイ
ダル変速機構2の方向に変位することもできない。この
ように,入力軸1は軸方向にどちらの方向にも変位する
ことができない。
【0031】なお,上記第一実施例では,スラスト軸受
31,32は,入力軸1と出力ディスク6,15とを支
持するように設けたが,入力軸1と連結部材20とを支
持するように設けても同じであるが,構造上の強度から
は前者の方が好ましい。
【0032】図2はこの考案によるトロイダル型無段変
速機の別の実施例を示す断面図である。このトロイダル
型無段変速機は,図1に示した実施例のトロイダル型無
段変速機と基本的には同じ構造である。両者の相違点を
あげると,一つは,ケーシングに対する入力軸1の軸方
向位置を規制するための手段として,スラスト軸受3
1,32の代わりにアンギュラ軸受37,38を採用し
た点である。ここで,アンギュラ軸受37,38は,ア
ンギュラ玉軸受,アンギュラ円筒ころ軸受等の呼び接触
角が0゜でないアンギュラ支持可能な軸受を指すものと
する。もう一つの相違点は,出力ディスク6,15を入
力軸1に支持する軸受として,ラジアル軸受5,14の
代わりに上記のアンギュラ軸受37,38を兼用した点
である。それ以外の点については,両者は同一の構造を
有しているので,構造が同一の部分については説明を省
略する。
【0033】第1出力ディスク6は,連結部材20と隣
接する面に凹部39が形成されており,アンギュラ軸受
37はこの凹部39に嵌合され,連結部材20の端面で
挟持されている。また,入力軸1に形成された環状溝4
0にはサークリップ41が嵌合されており,アンギュラ
軸受37はサークリップ41と連結部材20の一方の端
面によって挟まれている。同様に,アンギュラ軸受38
も,第2出力ディスク15の凹部42に嵌合され,連結
部材20の他方の端面で挟持されている。また,入力軸
1に形成された環状溝43にはサークリップ44が嵌合
されており,アンギュラ軸受38はサークリップ44と
連結部材20の他方の端面によって挟まれている。
【0034】このトロイダル型無段変速機は,変速時に
おいて,2組のトロイダル変速機構の同期が崩れた場
合,入力軸1の軸方向にスラスト力が作用する。即ち,
入力ディスク4,13はローディングカム29,30で
パワーローラ7,8,16,17へ押しつけられるの
で,スラスト力は,入力ディスク4,13からパワーロ
ーラ7,8,16,17を介して出力ディスク6,15
へと伝達される。ところが,出力ディスク6,15は,
パワーローラ傾転軸9,10,18,19を支持してい
るケーシングと一体の支持部24に軸受22,23を介
して位置決めされているので,出力ディスク6,15は
ケーシングに対して軸方向に変位しない。従って,入力
ディスク4,13は軸方向への変位が規制される。この
ため,スラスト反力が入力軸1に作用する。しかし,ケ
ーシングに対して軸方向に位置決めされた出力ディスク
6,15又は連結部材20に対して入力軸1を回転可能
且つ軸方向に移動不能に支持するアンギュラ軸受37,
38を設けたので,入力軸1は,間接的にケーシングに
対して軸方向位置が規制されることになり,軸方向に変
位することができない。
【0035】例えば,入力軸1に対して,第1トロイダ
ル変速機構2から第2トロイダル変速機構11の方向に
スラスト力が発生した場合,入力軸1はサークリップ4
1を介してアンギュラ軸受37にスラスト力を伝達する
が,その力は軸受23を介してケーシングに設けた支持
部24で受け止められる。従って,入力軸1は,第1ト
ロイダル変速機構2から第2トロイダル変速機構11の
方向に変位することはできない。また,逆に第2トロイ
ダル変速機構11から第1トロイダル変速機構2の方向
にスラスト荷重が発生した場合,入力軸1はサークリッ
プ44を介してアンギュラ軸受38にスラスト荷重を伝
達するが,その力は軸受22を介してケーシングの支持
部24で受け止められる。従って,入力軸1は,第2ト
ロイダル変速機構11から第1トロイダル変速機構2の
方向に変位することもできない。このように,入力軸1
は軸方向にどちらの方向にも変位することができない。
【0036】なお,上記第二実施例では,アンギュラ軸
受37,38は,入力軸1と出力ディスク6,15とを
支持するように設けたが,入力軸1と連結部材20とを
支持するように設けても同じであるが,構造上の強度を
考慮すると,前者の方が好ましい。
【0037】図1の第一実施例では,第1出力ディスク
6はラジアル軸受5を介して入力軸1上に回転自在に支
持されているが,図2の第二実施例ではラジアル軸受が
省略され,その代わりに,1個のアンギュラ軸受37で
ラジアル軸受5とスラスト軸受31の両方の機能を果た
している。第2出力ディスク15についても同様に,1
個のアンギュラ軸受38でラジアル軸受14とスラスト
軸受32の両方の機能を果たしている。従って,図2の
第二実施例は部品点数を少なくすることができるという
利点がある。
【0038】
【考案の効果】この考案によるトロイダル型無段変速機
は,上記のように構成されているので,次のような効果
を有する。即ち,このトロイダル型無段変速機によれ
ば,入力軸と出力ディスクとがお互いに軸方向に拘束さ
れるように構成すると共に,出力ディスクはケーシング
に対して軸方向位置を規制されて支持されているので,
入力軸がケーシングに対して軸方向に変位するのを防止
することができる。従って,従来のように入力軸をエン
ジン側で2つに分割しなくてもよくなり,入力軸の構造
を簡単にすることができると共に,部品点数を低減する
ことができる。
【0039】また,このトロイダル型無段変速機は,出
力ディスクを入力軸にアンギュラ軸受で支持しているた
め,従来,入力軸と出力ディスクの回転軸を一致させる
のに用いたラジアル軸受を廃止することが可能となり,
従来のトロイダル型無段変速機より部品点数を少なくす
ることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案によるトロイダル型無段変速機の一実
施例を示す断面図である。
【図2】この考案によるトロイダル型無段変速機の別の
実施例を示す断面図である。
【図3】従来のトロイダル型無段変速機を示す断面図で
ある。
【符号の説明】 1 入力軸 2 第1トロイダル変速機構 4 第1入力ディスク 6 第1出力ディスク 7,8 第1パワーローラ 9,10 パワーローラ傾転軸 11 第2トロイダル変速機構 13 第2入力ディスク 15 第2出力ディスク 16,17 第2パワーローラ 18,19 パワーローラ傾転軸 20 連結部材 21 出力歯車 24 ケーシングの支持部(ケーシング) 29,30 ローディングカム(押圧手段) 31,32 スラスト軸受 37,38 アンギュラ軸受
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−193454(JP,A) 特開 平1−216160(JP,A) 特開 平1−229158(JP,A) 実開 昭63−60751(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 15/38

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力軸に対して回転可能に支持された一
    対の入力ディスク,該入力ディスクのそれぞれに対向し
    て配置され且つ前記入力軸に対して回転可能に支持され
    た一対の出力ディスク,対向する一組の前記入力ディス
    クと前記出力ディスクの間に配置され且つ前記入力ディ
    スクから前記出力ディスクへトルクを伝達する傾転可能
    なパワーローラ,対向する一対の前記出力ディスク同士
    を一体的に連結する連結部材,前記連結部材を回転可能
    且つ軸方向に移動不能に支持するケーシング,及び前
    記入力ディスクのそれぞれに作用して入力トルクの大き
    さに応じて前記パワーローラの圧接力を変化させる押圧
    手段を有するトロイダル型無段変速機において前記入
    力軸と前記出力ディスクとの間に配置され,前記入力軸
    に対して前記出力ディスクを回転自在に支持すると共
    に,前記出力ディスクに対して前記入力軸のスラスト荷
    重を受けて前記入力軸の軸方向移動を規制する軸受を設
    けたことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 【請求項2】 前記軸受はスラスト軸受とラジアル軸受
    とで構成したことを特徴とする請求項1に記載のトロイ
    ダル型無段変速機。
  3. 【請求項3】 前記軸受はアンギュラ軸受で構成したこ
    とを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速
    機。
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