JPH0645147U - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

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JPH0645147U
JPH0645147U JP8757692U JP8757692U JPH0645147U JP H0645147 U JPH0645147 U JP H0645147U JP 8757692 U JP8757692 U JP 8757692U JP 8757692 U JP8757692 U JP 8757692U JP H0645147 U JPH0645147 U JP H0645147U
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尚 今西
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 このトロイダル型無段変速機は、一対のトロ
イダル変速機構が同期して作動しない場合に入力軸に対
して作用するスラスト荷重をケーシングで受け止め、入
力軸の軸方向への変位を防止する。 【構成】 このトロイダル型無段変速機は、入力軸1と
出力ディスク6,15との間にスラスト軸受31,32
を設け、スラスト軸受31,32により入力軸1と出力
ディスク6,15とを互いに軸方向に規制し、ケーシン
グに固定された支持部24間で軸受22,23により一
対の出力ディスク6,15を軸方向に規制される。従っ
て、入力軸1はケーシングの支持部24に対して軸方向
位置を規制され、入力軸1にスラスト荷重が作用しても
入力軸1が軸方向に変位しない。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、自動車等に適用されるトロイダル型無段変速機に関し、特に、2 組のトロイダル変速機構を同軸上に配置したダブルキャビティ式のトロイダル型 無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、トロイダル型無段変速機は、入力ディスク、出力ディスク及び両ディ スクの間に配置されたパワーローラ等から成るトロイダル変速機構を2組同軸上 に配置した構成を有している。このパワーローラと両ディスクとの間の動力伝達 は高圧力下の油のせん断力即ちトラクション力(粘着摩擦力)によるが、所定の トラクション力を得るには、パワーローラと両ディスクの接触点において非常に 大きな押しつけ力即ち押圧力或いは圧接力を必要とする。
【0003】 この圧接力は、両ディスクをその軸方向にローディングカム等の押圧手段によ り押しつけることによって発生させるのが一般的である。そして、トロイダル型 無段変速機には、押圧手段を一方のトロイダル変速機構にのみ設けたものと、押 圧手段を両方のトロイダル変速機構に設けたものとがある。
【0004】 前者の例として、特開平1−216160号公報に開示されたトロイダル型無 段変速機がある。このトロイダル型無段変速機は、傾転可能なパワーローラを介 してトルク伝達される入力ディスク及び出力ディスクを備えたトロイダル変速機 構を、それぞれの入力ディスク同士及び出力ディスク同士を互いに回転方向に連 結して同軸上に2組配置し、入力トルクの大きさに応じてパワーローラの圧接力 を変化させる押圧手段を一方のトロイダル変速機構に設け、該一方のトロイダル 変速機構に入力された押圧手段の押圧力が、軸方向に移動可能な伝達部材及び予 圧手段を介して他方のトロイダル変速機構に伝達されるトロイダル型無段変速機 において、一方のトロイダル変速機構側の押圧手段で発生する位相ずれに起因し て、他方のトロイダル変速機構の予圧手段に摩擦抵抗が発生するのを防止すると いう課題を解決するために、上記伝達部材から上記予圧手段を介して他方のトロ イダル変速機構に至る押圧力伝達経路中に、回転自在なスラスト軸受を配置した ものである。それによって、このトロイダル型無段変速機は、一方のトロイダル 変速機構側の押圧手段で発生する位相ずれを前記スラスト軸受で吸収することに よって、他方のトロイダル変速機構の予圧手段に摩擦抵抗が発生するのを防止し たものである。
【0005】 これに対して、後者の例としては、図3に示すようなトロイダル型無段変速機 がある。このトロイダル型無段変速機は、入力ディスク4、入力ディスク4に対 向して配置された出力ディスク6、入力ディスク4から出力ディスク6へトルク を伝達する傾転可能なパワーローラ7,8を有するトロイダル変速機構2と、入 力ディスク13、入力ディスク13に対向して配置された出力ディスク15、入 力ディスク13から出力ディスク15へトルクを伝達する傾転可能なパワーロー ラ16,17を有するトロイダル変速機構11とからなる2組のトロイダル変速 機構を入力軸1b上に対向させて配置し、それぞれの出力ディスク6,15同士 を連結部材20で一体回転可能に連結し、連結部材20をケーシングの支持部2 4に対して回転可能且つ支持部24間に位置して軸方向に移動不能に軸受22, 23を介して支持し、入力軸1aから入力ディスク4,13へ入力されたトルク の大きさに応じてパワーローラ7,8,16,17の圧接力を変化させる押圧手 段29,30をそれぞれのトロイダル変速機構2,11に設けたものである。
【0006】 このトロイダル型無段変速機について、第1入力軸1aには、図示しないトル クコンバータを介してエンジントルクが入力される。第1入力軸1aにはボール スプライン1cを介して第2入力軸1bが軸方向に移動自在に連結されている。 第1トロイダル変速機構2は、第2入力軸1bにラジアル軸受3を介して回転自 在に取り付けられた第1入力ディスク4、及び第2入力軸1bにラジアル軸受5 を介して回転自在に取り付けられ且つ第1入力ディスク4に対向して配置された 第1出力ディスク6と、両ディスク4,6間に配置された第1パワーローラ7, 8とから構成されている。第1パワーローラ7,8はそれぞれ、図示しないケー シングに固定されたパワーローラ傾転軸9,10に対して傾転自在に設けられて いる。また、第1パワーローラ7,8自体は円盤状であって、第1入力ディスク 4からトルクを受けて回転し、第1出力ディスク6にトルクを伝達するように構 成されている。
【0007】 第2トロイダル変速機構11は、第2入力軸1bにラジアル軸受12を介して 回転自在に取り付けられた第2入力ディスク13と、第2入力軸1bにラジアル 軸受14を介して回転自在に取り付けられ、第2入力ディスク13に対向して配 置された第2出力ディスク15と、両ディスク13,15間に配置された第2パ ワーローラ16,17とから構成されている。第2パワーローラ16,17はそ れぞれ、図示しないケーシングに固定されたパワーローラ傾転軸18,19に対 して傾転自在に設けられている。また、第2パワーローラ16,17自体は円盤 状であって、第2入力ディスク13からトルクを受けて回転し、第2出力ディス ク15にトルクを伝達するように構成されている。
【0008】 第1出力ディスク6と第2出力ディスク15は、連結部材20で相互に連結さ れており、一体になって回転することができる。連結部材20には出力歯車21 が一体に形成されており、出力歯車21は一対の軸受22,23を介してケーシ ングに設けた支持部24に回転自在且つ軸方向に移動不能に支持されている。即 ち、両出力ディスク6,15はケーシングに対して軸方向に移動しないように構 成されている。出力歯車21は出力軸25の出力歯車26に噛み合っている。
【0009】 第2入力軸1bの両端部にはそれぞれフランジ部27,28が設けられている 。フランジ部27と第1入力ディスク4との間には、押圧手段としてのローディ ングカム29が設けられている。また、フランジ部28と第2入力ディスク13 との間にも、押圧手段としてのローディングカム30が設けられている。
【0010】 このトロイダル型無段変速機は、以上のように構成されており、以下のように 作動する。エンジンの駆動に伴って、第1入力軸1aにトルクが入力されると、 このトルクは第1入力軸1aからボールスプライン1cを介して第2入力軸1b に伝達され、更に、第2入力軸1bの一端に形成されたフランジ部27とローデ ィングカム29を介して第1入力ディスク4に伝達されると共に、他端のフラン ジ部28とローディングカム30を介して第2入力ディスク13に伝達され、第 1入力ディスク4と第2入力ディスク13が一緒に回転する。
【0011】 第1入力ディスク4に入力されたトルクは、第1パワーローラ7,8を介して 第1出力ディスク6に伝達される。この時、第1パワーローラ7,8の傾転角に 応じた変速比が、第1入力ディスク4と第1出力ディスク6との間に、無段階に 得られる。一方、第2入力ディスク13に入力されたトルクは、第2パワーロー ラ16,17を介して第2出力ディスク15に伝達される。この時、第2パワー ローラ16,17は第1パワーローラ7,8に連動するよう構成されているので 、第2パワーローラ7,8の傾転角は第1パワーローラの傾転角と同じになり、 同じ値の変速比が無段階に得られる。そして、第1出力ディスク6、第2出力デ ィスク15に伝達されたトルクは、連結部材20及び出力歯車21を介して出力 軸25へと伝達される。
【0012】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、トロイダル型無段変速機においては、所定の変速比を得るためには 、パワーローラ傾転軸と入出力ディスクの軸方向の位置が固定されている必要が ある。即ち、入力ディスク及び出力ディスクの軸を通りパワーローラ傾転軸と直 交する平面において、入出力ディスクのトロイダル中心がパワーローラ傾転軸上 にある必要がある。このため、図3に示す従来のトロイダル型無段変速機では、 パワーローラ7,8,16,17と入出力ディスク4,6,13,15の軸方向 の位置決めは次のようにして行われている。即ち、出力ディスク6,15は、パ ワーローラ傾転軸9,10,18,19を支持しているケーシングと一体の支持 部24に、軸受22,23を介して位置決めされ、入力ディスク4,13は、ロ ーディングカム29,30でパワーローラ7,8,16,17へ押しつけられる ことにより、パワーローラ7,8,16,17を介して出力ディスク6,15に 対して軸方向に位置が固定され、間接的にパワーローラ傾転軸9,10,18, 19に対して軸方向に位置決めされている。
【0013】 しかしながら、入力ディスク4,13はパワーローラ傾転軸9,10に対して 軸方向の位置が所定の位置から変位することがある。即ち、変速時にパワーロー ラをその傾転軸方向に変位させるため、両ディスクとパワーローラとの接触位置 が変位し、その結果、入力ディスク4,13が出力ディスク6,15に近づくよ うに変位する。この時、2組のトロイダル変速機構2,11を同軸上に対向して 配置するダブルキャビティ式では、2組のトロイダル変速機構が完全に同期して いないと、変速中に入力軸が軸方向に変位することになる。このため、従来は、 入力軸の軸方向変位を吸収するために、入力軸を原動機側で二つに分割し、例え ば、図3に示すように、二つの入力軸1a,1bをボールスプライン1cで連結 するなどの構造を採用することによって、回転方向のみ連結し、軸方向には拘束 しない構造としていた。このため、構造が複雑になる部品点数も多くなってしま うという欠点があった。
【0014】 そこで、この考案の目的は、両方のトロイダル変速機構に押圧手段を設けたト ロイダル型無段変速機において、入力軸に対して作用するスラスト荷重をケーシ ングで受け止めるようにすることにより、両方のトロイダル変速機構がうまく同 期して作動しない場合でも、入力軸の軸方向への変位を防止することができ、入 力軸の構造が簡単で部品点数の少なくて済むトロイダル型無段変速機を提供する ことである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この考案は、上記の目的を達成するため、以下のように構成されている。即ち 、この考案は、入力軸に対して回転可能に支持された一対の入力ディスク、該入 力ディスクのそれぞれに対向して配置され且つ前記入力軸に対して回転可能に支 持された一対の出力ディスク、対向する一組の前記入力ディスクと前記出力ディ スクの間に配置され且つ前記入力ディスクから前記出力ディスクへトルクを伝達 する傾転可能なパワーローラ、対向する一対の前記出力ディスク同士を一体的に 連結する連結部材、前記連結部材を回転可能に支持するケーシング、及び前記入 力ディスクのそれぞれに作用して入力トルクの大きさに応じて前記パワーローラ の圧接力を変化させる押圧手段を有するトロイダル型無段変速機において、前記 入力軸と前記出力ディスクとの間に配置され、前記入力軸に対して前記出力ディ スクを回転自在に支持すると共に、前記出力ディスクに対して前記入力軸のスラ スト荷重を受けて前記入力軸の軸方向移動を規制する軸受を設けたことを特徴と するトロイダル型無段変速機に関する。
【0016】 また、このトロイダル型無段変速機において、前記軸受はスラスト軸受とラジ アル軸受とで構成したものである。
【0017】 また、このトロイダル型無段変速機において、前記軸受はアンギュラ軸受で構 成したものである。ここで、アンギュラ軸受は、アンギュラ玉軸受、アンギュラ 円筒ころ軸受等の呼び接触角が0°でないアンギュラ支持可能である軸受を指す ものとする。
【0018】
【作用】
この考案によるトロイダル型無段変速機は、上記のように構成されているので 、以下のように作用する。即ち、このトロイダル型無段変速機は、変速時におい て、2組のトロイダル変速機構の同期が崩れた場合、入力軸の軸方向にスラスト 荷重が作用する。即ち、入力ディスクはローディングカムでパワーローラへ押し つけられるので、スラスト荷重は、入力ディスクからパワーローラを介して出力 ディスクへと伝達される。ところが、出力ディスクは、パワーローラ傾転軸を支 持しているケーシングと一体の支持部材に、軸受を介して位置決めされているの で、出力ディスクはケーシングに対して軸方向に変位しない。従って、入力ディ スクは軸方向への変化が規制される。このため、スラスト荷重の反力が入力軸に 作用する。しかし、ケーシングに対して軸方向に位置決めされた出力ディスク又 は連結部材に対して入力軸を軸方向に移動不能に支持するスラスト荷重を受ける 軸受であるスラスト軸受を設けたので、入力軸は間接的にケーシングに対して軸 方向位置が規制されることになり、軸方向に変位することができない。
【0019】 或いは、このトロイダル型無段変速機は、変速時において、2組のトロイダル 変速機構の同期が崩れた場合、入力軸の軸方向にスラスト荷重が作用する。即ち 、入力ディスクはローディングカムでパワーローラへ押しつけられるので、スラ スト荷重は、入力ディスクからパワーローラを介して出力ディスクへと伝達され る。ところが、出力ディスクは、パワーローラ傾転軸を支持しているケーシング と一体の支持部材に、軸受を介して位置決めされているので、出力ディスクはケ ーシングに対して軸方向に変位しない。従って、入力ディスクは軸方向への変化 が規制される。このため、スラスト荷重の反力が入力軸に作用する。しかし、ケ ーシングに対して軸方向に位置決めされた出力ディスク又は連結部材に対して入 力軸をラジアル荷重を受けて回転可能に且つスラスト荷重を受けて軸方向移動を 規制する軸受であるアンギュラ軸受を設けたので、入力軸は間接的にケーシング に対して軸方向位置が規制されることになり、軸方向に変位することができない ものとなる。
【0020】
【実施例】
以下、図面を参照しながら、この考案の実施例について説明する。図1はこの 考案によるトロイダル型無段変速機の一実施例を示す断面図である。このトロイ ダル型無段変速機の構成は、図3に示すトロイダル型無段変速機と基本的には同 一の構成を有するものであり、図3に付した符号と同一の作用を有する部品には 同一の符号を付している。
【0021】 このトロイダル型無段変速機は、入力軸1、入力軸1に対して回転可能に支持 された一対の入力ディスク4,13、入力ディスク4,13のそれぞれに対向し て配置され入力軸1に対して回転可能に支持された一対の出力ディスク6,15 、対向する一組の入力ディスク4と出力ディスク6の間に配置され且つ入力ディ スク4から出力ディスク6へトルクを伝達する傾転可能なパワーローラ7,8、 同じく対向する一組の入力ディスク13と出力ディスク15の間に配置され入力 ディスク13から出力ディスク15へトルクを伝達する傾転可能なパワーローラ 16,17、対向する一対の出力ディスク6,15同士を一体回転可能に連結す る連結部材20、連結部材20をケーシングの支持部24(総称する時には、ケ ーシングという)間に配置し且つ連結部材20をケーシング24に対して回転可 能に支持する軸受22,23、及び一対の入力ディスク4,13のそれぞれに作 用して入力トルクの大きさに応じてパワーローラ7,8,16,17の圧接力を 変化させる押圧手段29,30を有している。
【0022】 このトロイダル型無段変速機について、もう少し詳細に説明する。入力軸1に は、図示しないトルクコンバータを介してエンジントルクが入力される。第1ト ロイダル変速機構2は、入力軸1にラジアル軸受3を介して回転自在に取り付け られた第1入力ディスク4、入力軸1にラジアル軸受5を介して回転自在に取り 付けられ、第1入力ディスク4に対向して配置された第1出力ディスク6、両デ ィスク4,6間に配置された一対の第1パワーローラ7,8から構成されている 。第1パワーローラ7,8は、それぞれ図示しないケーシングに固定されたパワ ーローラ傾転軸9,10に対して傾転自在に設けられている。また、第1パワー ローラ7,8自体は円盤状であって、第1入力ディスク4からトルクを受けて回 転し、第1出力ディスク6へトルクを伝達するように構成されている。
【0023】 第2トロイダル変速機構11は、入力軸1にラジアル軸受12を介して回転自 在に取り付けられた第2入力ディスク13、入力軸1にラジアル軸受14を介し て回転自在に取り付けられ、第2入力ディスク13に対向して配置された第2出 力ディスク15、両ディスク13,15間に配置された一対の第2パワーローラ 16,17とから構成されている。第2パワーローラ16,17は、それぞれ図 示しないケーシングに固定されたパワーローラ傾転軸18,19に対して傾転自 在に設けられている。また、第2パワーローラ16,17自体は円盤状であって 、第2入力ディスク13からトルクを受けて回転し、第2出力ディスク15へト ルクを伝達するように構成されている。
【0024】 第1トロイダル変速機構2と第2トロイダル変速機構は、入力軸1上に、お互 いの出力ディスク6,15同士が対向するように配置されている。第1出力ディ スク6と第2出力ディスク15は、連結部材20で相互に連結されており、一体 になって回転することができる。連結部材20には出力歯車21が一体に形成さ れており、出力歯車21は、ケーシングに設けた支持部24に対して一対の軸受 22,23を介して、回転自在で且つ支持部24間に位置して軸方向に移動不能 に支持されている。即ち、両出力ディスク6,15は、軸方向に移動しないよう に構成されている。出力歯車21には出力軸25の出力歯車26が噛み合ってい る。
【0025】 入力軸1の両端部にはそれぞれフランジ部27,28が形成されている。フラ ンジ部27と第1入力ディスク4との間には、押圧手段としてのローディングカ ム29が設けられている。また、フランジ部28と第2入力ディスク13との間 にも、押圧手段としてのローディングカム30が設けられている。
【0026】 以上の構成は、入力軸が2つに分割されておらず、一本であるという点を除い て、図3のものとほぼ同じ構成である。この考案のトロイダル型無段変速機は、 特に、ケーシングに対する入力軸1の軸方向位置を規制するスラスト荷重を受け るスラスト軸受31,32が設けられている。スラスト軸受31は、第1トロイ ダル変速機構2における第1入力ディスク4と第1出力ディスク6との間に配置 されており、スラスト軸受31は入力軸1と第1出力ディスク6を支持するもの である。入力軸1には環状溝33が形成されており、この環状溝33にサークリ ップ34が嵌合されている。そして、スラスト軸受31はサークリップ34と第 1出力ディスク6の端面に当接し、軸方向位置が規制されている。スラスト軸受 32は入力軸1と第2出力ディスク15を支持するもので、スラスト軸受31と 同様に、第2トロイダル変速機構11における第2入力ディスク13と第2出力 ディスク15との間に配置されており、入力軸1に形成された環状溝35に嵌合 したサークリップ36と第2出力ディスク15の端面に当接して、軸方向位置が 規制されている。
【0027】 このトロイダル型無段変速機は、以上のように構成されており、以下のように 作動する。エンジンの稼働に伴って、入力軸1にトルクが入力されると、このト ルクは入力軸1の一端に形成されたフランジ部27とローディングカム29を介 して第1入力ディスク4に伝達されると共に、入力軸1の他端に形成されたフラ ンジ部28とローディングカム30を介して第2入力ディスク13に伝達され、 第1入力ディスク4及び第2入力ディスク13が一緒に回転する。
【0028】 第1入力ディスク4に入力されたトルクは、一対の第1パワーローラ7,8を 介して第1出力ディスク6に伝達される。一方、第2入力ディスク13に入力さ れたトルクは、第2パワーローラ16,17を介して第2出力ディスク15に伝 達される。この時、第1パワーローラ7,8は、第2パワーローラ16,17と 連動して動き、パワーローラの傾転角に応じた変速比が、第1入力ディスク4と 第1出力ディスク6との間、及び第2入力ディスク13と第2出力ディスク15 との間に、無段階に得られる。そして、第1出力ディスク6及び第2出力ディス ク15に伝達されたトルクは、連結部材20に伝達され、更に出力歯車21,2 6を介して出力軸25へと伝達される。
【0029】 トロイダル型無段変速機は、変速時において、2組のトロイダル変速機構2, 11の同期が崩れた場合、入力軸1の軸方向にスラスト力が作用する。即ち、入 力ディスク4,13はローディングカム29,30でパワーローラ7,8,16 ,17へ押しつけられるので、スラスト力は、入力ディスク4,13からパワー ローラ7,8,16,17を介して出力ディスク6,15へと伝達される。とこ ろが、出力ディスク6,15は、パワーローラ傾転軸9,10,18,19を支 持しているケーシングと一体の支持部24間で軸受22,23を介して位置決め されているので、出力ディスク6,15はケーシングに対して軸方向に変位しな い、従って、入力ディスク4,13は軸方向への変位が規制される。このため、 スラスト荷重の反力が入力軸1に作用する。しかし、ケーシングに対して軸方向 に位置決めされた出力ディスク6,15又は連結部材20に対して入力軸1を軸 方向に移動不能に支持するスラスト軸受31,32を設けたので、入力軸1は、 間接的にケーシングに対して軸方向位置が規制されることになり、軸方向に変位 することができない。
【0030】 例えば、入力軸1に対して、第1トロイダル変速機構2から第2トロイダル変 速機構11の方向にスラスト荷重が発生した場合、入力軸1は、サークリップ3 4を介してスラスト軸受31にスラスト荷重を伝達するが、その力は軸受23を 介してケーシングに固定された支持部24で受け止められる。従って、入力軸1 は、第1トロイダル変速機構2から第2トロイダル変速機構11の方向に変位す ることはできない。また、逆に第2トロイダル変速機構11から第1トロイダル 変速機構2の方向にスラスト荷重が発生した場合、入力軸1は、サークリップ3 6を介してスラスト軸受32にスラスト力を伝達するが、その力は軸受22を介 してケーシングに設けた支持部24で受け止められる。従って、入力軸1は、第 2トロイダル変速機構11から第1トロイダル変速機構2の方向に変位すること もできない。このように、入力軸1は軸方向にどちらの方向にも変位することが できない。
【0031】 なお、上記第一実施例では、スラスト軸受31,32は、入力軸1と出力ディ スク6,15とを支持するように設けたが、入力軸1と連結部材20とを支持す るように設けても同じであるが、構造上の強度からは前者の方が好ましい。
【0032】 図2はこの考案によるトロイダル型無段変速機の別の実施例を示す断面図であ る。このトロイダル型無段変速機は、図1に示した実施例のトロイダル型無段変 速機と基本的には同じ構造である。両者の相違点をあげると、一つは、ケーシン グに対する入力軸1の軸方向位置を規制するための手段として、スラスト軸受3 1,32の代わりにアンギュラ軸受37,38を採用した点である。ここで、ア ンギュラ軸受37,38は、アンギュラ玉軸受、アンギュラ円筒ころ軸受等の呼 び接触角が0°でないアンギュラ支持可能な軸受を指すものとする。もう一つの 相違点は、出力ディスク6,15を入力軸1に支持する軸受として、ラジアル軸 受5,14の代わりに上記のアンギュラ軸受37,38を兼用した点である。そ れ以外の点については、両者は同一の構造を有しているので、構造が同一の部分 については説明を省略する。
【0033】 第1出力ディスク6は、連結部材20と隣接する面に凹部39が形成されてお り、アンギュラ軸受37はこの凹部39に嵌合され、連結部材20の端面で挟持 されている。また、入力軸1に形成された環状溝40にはサークリップ41が嵌 合されており、アンギュラ軸受37はサークリップ41と連結部材20の一方の 端面によって挟まれている。同様に、アンギュラ軸受38も、第2出力ディスク 15の凹部42に嵌合され、連結部材20の他方の端面で挟持されている。また 、入力軸1に形成された環状溝43にはサークリップ44が嵌合されており、ア ンギュラ軸受38はサークリップ44と連結部材20の他方の端面によって挟ま れている。
【0034】 このトロイダル型無段変速機は、変速時において、2組のトロイダル変速機構 の同期が崩れた場合、入力軸1の軸方向にスラスト力が作用する。即ち、入力デ ィスク4,13はローディングカム29,30でパワーローラ7,8,16,1 7へ押しつけられるので、スラスト力は、入力ディスク4,13からパワーロー ラ7,8,16,17を介して出力ディスク6,15へと伝達される。ところが 、出力ディスク6,15は、パワーローラ傾転軸9,10,18,19を支持し ているケーシングと一体の支持部24に、軸受22,23を介して位置決めされ ているので、出力ディスク6,15はケーシングに対して軸方向に変位しない。 従って、入力ディスク4,13は軸方向への変位が規制される。このため、スラ スト反力が入力軸1に作用する。しかし、ケーシングに対して軸方向に位置決め された出力ディスク6,15又は連結部材20に対して入力軸1を回転可能且つ 軸方向に移動不能に支持するアンギュラ軸受37,38を設けたので、入力軸1 は、間接的にケーシングに対して軸方向位置が規制されることになり、軸方向に 変位することができない。
【0035】 例えば、入力軸1に対して、第1トロイダル変速機構2から第2トロイダル変 速機構11の方向にスラスト力が発生した場合、入力軸1は、サークリップ41 を介してアンギュラ軸受37にスラスト力を伝達するが、その力は軸受23を介 してケーシングに設けた支持部24で受け止められる。従って、入力軸1は、第 1トロイダル変速機構2から第2トロイダル変速機構11の方向に変位すること はできない。また、逆に第2トロイダル変速機構11から第1トロイダル変速機 構2の方向にスラスト荷重が発生した場合、入力軸1は、サークリップ44を介 してアンギュラ軸受38にスラスト荷重を伝達するが、その力は軸受22を介し てケーシングの支持部24で受け止められる。従って、入力軸1は、第2トロイ ダル変速機構11から第1トロイダル変速機構2の方向に変位することもできな い。このように、入力軸1は軸方向にどちらの方向にも変位することができない 。
【0036】 なお、上記第二実施例では、アンギュラ軸受37,38は、入力軸1と出力デ ィスク6,15とを支持するように設けたが、入力軸1と連結部材20とを支持 するように設けても同じであるが、構造上の強度を考慮すると、前者の方が好ま しい。
【0037】 図1の第一実施例では、第1出力ディスク6はラジアル軸受5を介して入力軸 1上に回転自在に支持されているが、図2の第二実施例ではラジアル軸受が省略 され、その代わりに、1個のアンギュラ軸受37でラジアル軸受5とスラスト軸 受31の両方の機能を果たしている。第2出力ディスク15についても同様に、 1個のアンギュラ軸受38でラジアル軸受14とスラスト軸受32の両方の機能 を果たしている。従って、図2の第二実施例は部品点数を少なくすることができ るという利点がある。
【0038】
【考案の効果】 この考案によるトロイダル型無段変速機は、上記のように構成されているので 、次のような効果を有する。即ち、このトロイダル型無段変速機によれば、入力 軸と出力ディスクとがお互いに軸方向に拘束されるように構成すると共に、出力 ディスクはケーシングに対して軸方向位置を規制されて支持されているので、入 力軸がケーシングに対して軸方向に変位するのを防止することができる。従って 、従来のように入力軸をエンジン側で2つに分割しなくてもよくなり、入力軸の 構造を簡単にすることができると共に、部品点数を低減することができる。
【0039】 また、このトロイダル型無段変速機は、出力ディスクを入力軸にアンギュラ軸 受で支持しているため、従来、入力軸と出力ディスクの回転軸を一致させるのに 用いたラジアル軸受を廃止することが可能となり、従来のトロイダル型無段変速 機より部品点数を少なくすることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案によるトロイダル型無段変速機の一実
施例を示す断面図である。
【図2】この考案によるトロイダル型無段変速機の別の
実施例を示す断面図である。
【図3】従来のトロイダル型無段変速機を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 入力軸 2 第1トロイダル変速機構 4 第1入力ディスク 6 第1出力ディスク 7,8 第1パワーローラ 9,10 パワーローラ傾転軸 11 第2トロイダル変速機構 13,15 第2出力ディスク 16,17 第2パワーローラ 18,19 パワーローラ傾転軸 20 連結部材 21 出力歯車 24 ケーシングの支持部(ケーシング) 29,30 ローディングカム(押圧手段) 31,32 スラスト軸受 37,38 アンギュラ軸受

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力軸に対して回転可能に支持された一
    対の入力ディスク、該入力ディスクのそれぞれに対向し
    て配置され且つ前記入力軸に対して回転可能に支持され
    た一対の出力ディスク、対向する一組の前記入力ディス
    クと前記出力ディスクの間に配置され且つ前記入力ディ
    スクから前記出力ディスクへトルクを伝達する傾転可能
    なパワーローラ、対向する一対の前記出力ディスク同士
    を一体的に連結する連結部材、前記連結部材を回転可能
    に支持するケーシング、及び前記入力ディスクのそれぞ
    れに作用して入力トルクの大きさに応じて前記パワーロ
    ーラの圧接力を変化させる押圧手段を有するトロイダル
    型無段変速機において;前記入力軸と前記出力ディスク
    との間に配置され、前記入力軸に対して前記出力ディス
    クを回転自在に支持すると共に、前記出力ディスクに対
    して前記入力軸のスラスト荷重を受けて前記入力軸の軸
    方向移動を規制する軸受を設けたことを特徴とするトロ
    イダル型無段変速機。
  2. 【請求項2】 前記軸受はスラスト軸受とラジアル軸受
    とで構成したことを特徴とする請求項1に記載のトロイ
    ダル型無段変速機。
  3. 【請求項3】 前記軸受はアンギュラ軸受で構成したこ
    とを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速
    機。
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