JP2600550B2 - アニオン電着塗料の製造方法 - Google Patents

アニオン電着塗料の製造方法

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JP2600550B2
JP2600550B2 JP3346384A JP34638491A JP2600550B2 JP 2600550 B2 JP2600550 B2 JP 2600550B2 JP 3346384 A JP3346384 A JP 3346384A JP 34638491 A JP34638491 A JP 34638491A JP 2600550 B2 JP2600550 B2 JP 2600550B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高耐候性を有するアニ
オン電着塗料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、アルミニウム材の塗装には、
アクリル系水性樹脂に硬化剤としてメラミン樹脂のよう
なアミノ樹脂を配合した塗料が用いられ、この塗料は一
般家屋や高層ビルディングのアルミニウムサッシまたは
カーテンウォール等の建材にアニオン電着塗装をほどこ
して実用化されてきたが、近年では時代の要請により、
さらに耐候性良好な塗装が重要視されている。当然のこ
とながら、これに対応すべく、アクリル/シリコーンブ
レンド系またはアクリル−シリコーングラフト共重合系
樹脂、さらにはフッ素系樹脂が開発されている。
【0003】ところが、アクリル/シリコーン系は、両
樹脂のブレンドなるがため、長期的にはシリコーン樹脂
の欠如が起り、アクリル系樹脂に比べて優れるものの、
長期の耐候性を示さない。また、アクリル−シリコーン
グラフト共重合系樹脂は、その反応の過程で、アクリル
単量体と不飽和シリコーン(マクロモノマー)との共重
合反応が有効に行なわれていない場合が多く、一般的に
はブレンド系より優れるものの耐候性にはなお問題を残
す。そして、フッ素系樹脂は性能的には十分とされなが
らも、経済的に不利となり汎用性に乏しい。また、最近
のユーザーニーズとして、塗面の金属光沢感より落ち着
いた雰囲気をかもし出せる艶消し塗面が富に要望される
ようになってきた。この艶消し塗面を与える1回塗り仕
上げ用電着塗料も盛んに開発されているが、現状では高
耐候性及び艶消し性を有し、かつフッ素系樹脂のように
高価でないものの開発は行なわれていない。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来
の電着塗料が有する欠点を克服し、重合性不飽和酸単量
体を1成分とする共重合性混合単量体と、アゾ基含有ポ
リシロキサン化合物より導かれるシリコーン単位とを効
率よく結合させた耐候性及び艶消し性に優れるアニオン
電着塗料の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】本発明によって、上
記の目的を達成し得るアニオン電着塗料の製造方法が提
供される。
【0006】即ち、本発明は、一般式[I]
【化2】 [式中、Rは同一または異なって、低級アルキル基ま
たはニトリル基を示し、Rは同一または異なって低級
アルキル基を示し、Rは同一または異なって、ハロゲ
ン原子置換もしくは非置換のアルキル基またはフェニル
基を示す。lは同一または異なって0または1〜6の整
数を示し、mは0または1〜200の整数を示し、Aは
−O−または−NH−を示し、Dは(CH(但
し、nは同一または異なって0または1〜6の整数)ま
たは−(CH−O−(CH−を示す]で表
わされる繰り返し単位を有し、1分子中に少なくとも1
個のアゾ結合を有する数平均分子量が1、500〜10
0、000のアゾ基含有ポリシロキサン化合物の2〜6
0重量%の存在下、重合性不飽和酸単量体(a)及びこ
れと共重合可能な重合性不飽和単量体(b)の混合単量
体40〜98重量%を親水性溶媒中でラジカル重合し、
アンモニア及び/またはアミン類で中和した後、水性化
することを特徴とするアニオン電着塗料の製造方法に関
する。
【0007】以下に本発明をさらに詳細に説明する。本
発明は、重合性不飽和酸単量体(a)とこれと共重合可
能な重合性不飽和単量体(b)の混合単量体から導かれ
る共重合単位(A)と、アゾ基含有ポリシロキサン化合
物から導かれるポリシロキサン単位(B)との各単位が
主にA−B、A−B−A及び/または−(A−B)
に結合してなるブロック共重合体を主成分とするアニオ
電着塗料の製造方法に関するものである。
【0008】先ず、アニオン電着塗料の製造に用いる重
合性不飽和酸単量体(a)は、生成したブロック共重合
体の水性化またはアニオン電着塗装工程上、必要である
ことは言うまでもない。使用できる重合性不飽和酸単量
体の具体例としては、(メタ)アクリル酸、マレイン
酸、フマール酸、イタコン酸などがあげられ、これらは
単独もしくは併用して用いることができる。
【0009】また、使用可能な他の重合性不飽和酸単量
体(a)には、アシッドホスホオキシエチル(メタ)アク
リレート、アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アク
リレート、アシッドホスホオキシポリオキシエチレング
リコールモノ(メタ)アクリレート、アシッドホスホオ
キシポリオキシプロピレングリコールモノ(メタ)アク
リレートのような不飽和有機りん酸;ビニルスルホン
酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、P−スチレンスルホン酸のような不飽和有機スルホ
ン酸などがあげられる。これらの重合性不飽和酸単量体
(a)の中で特に(メタ)アクリル酸が好適である。
【0010】重合性不飽和酸単量体(a)の使用量は、
重合性不飽和酸単量体(a)及びこれと共重合可能な重
合性不飽和単量体(b)の混合単量体の酸価が15〜1
50、好ましくは20〜100の範囲になるように調整
する。
【0011】アニオン電着塗料の製造に用いる重合性不
飽和単量体(b)の具体例としては、1〜22個の炭素
原子を有する(メタ)アクリル酸エステル、例えば(メ
タ)アクリル酸メチル、エチル、イソプロピル、n−ブ
チル、イソブチル、2−エチルヘキシル、ラウリル、ス
テアリル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロ
ピル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチ
ル;1〜12個の炭素原子を有するアルカンモノカルボ
ン酸のビニルエステル、例えば酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、ビニル−n−ブチレート、ビニルバーサテ=
ト;不飽和アミドまたはイミド、例えば(メタ)アクリ
ルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N、N
−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール
(メタ)アクリルアミドアルコキシメチル(メタ)ア
クリルアミド例えばN−ブトキシメチル(メタ)アク
リルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、マレ
イン酸イミド、マレイン酸ジアミド;ビニル芳香族単量
体、例えばスチレン、P−メチルスチレンなどがあげら
れる。
【0012】なお、一般にラジカル重合性を有する単量
体であれば何れのものも本発明の単量体として使用可能
であり、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデ
ンなどのハロゲン含有ビニル化合物;エチレン、1,3
−ブタジエンなどのモノまたはジオレフィン類;α,β
−オレフィン性不飽和酸例えばマレイン酸、フマル酸等
のエステル;その他(メタ)アクリロニトリルなどがあ
げられる。これらの単量体は単独または併用できる。
【0013】重合性不飽和酸単量体(a)と重合性不飽
和単量体(b)を含む混合単量体の使用量は40〜98
重量%、好ましくは70〜95重量%である。混合単量
体の使用量が40重量%未満では、ブロック共重合体の
分子量が低下するので好ましくなく、また混合単量体の
使用量が98重量%より多い場合はブロック共重合体の
合成が極めて困難である。
【0014】アニオン電着塗料の製造に用いるアゾ基含
有ポリシロキサン化合物は、一般式[I]
【化3】 [式中、Rは同一または異なって、低級アルキル基ま
たはニトリル基を示し、Rは同一または異なって低級
アルキル基を示し、Rは同一または異なって、ハロゲ
ン原子置換もしくは非置換のアルキル基またはフェニル
基を示す。lは同一または異なって0または1〜6の整
数を示し、mは0または1〜200の整数を示し、Aは
−O−または−NH−を示し、Dは(CH(但
し、nは同一または異なって0または1〜6の整数を示
す。)または−(CHO(CH−を示
す。]で表わされる繰り返し単位を有し、1分子中に少
なくとも1個のアゾ結合を有する数平均分子量が1、5
00〜100、000のものであって、その使用量は2
〜60重量%であり、好ましくは5〜30重量%であ
る。
【0015】なお、上記一般式〔I〕において、低級ア
ルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシ
ル基などの炭素数1〜6の直鎖または分枝状のアルキル
基をあげることができる。また、アルキル基としては、
上記低級アルキル基に加えてヘプチル、オクチル、ノニ
ル、デシル、ウンデシル及びドデシル基などの炭素数7
〜12の直鎖または分枝状のアルキル基をあげることが
できる。さらに、ハロゲン原子置換のアルキル基として
は、上記アルキル基がハロゲン化されたもの、例えばク
ロロメチル、ブロモメチル、トリフルオロメチル、2−
クロロエチル、3−クロロプロピル、3−ブロモプロピ
ル、3,3,3−トリフルオロプロピル、1,1,2,
2−テトラヒドロパーフルオロオクチル基があげられ
る。またハロゲン原子としては例えばフッ素原子、塩素
原子、臭素原子、ヨウ素原子をあげることができる。
【0016】一般式〔I〕で表わされる繰り返し単位を
有するアゾ基含有ポリシロキサン化合物としては、一般
式〔II〕
【0017】
【化4】 〔式中、R1およびlは前記に同じ。〕
【0018】で表わされる構成成分と一般式〔III 〕
【0019】
【化5】 〔式中、R2,R3,A,Dおよびmは前記に同じ。〕
【0020】で表わされる構成成分とが交互に結合して
いることはもちろんのこと一般式〔II〕で表わされる構
成成分の一部が一般式〔IV〕
【0021】
【化6】 −CO−Y−CO− 〔IV〕 〔式中、Yは二塩基酸残基を示す。〕
【0022】で表わされる構成成分で置き変えられたも
のをも包含する。一般式〔IV〕で表わされる構成成分で
置き換え得る量は、アゾ基含有ポリシロキサン化合物の
ラジカル重合活性が消失しない量を限度とする。
【0023】二塩基酸の例としては、マロン酸、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、コルク酸、
アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、イタコン酸、テ
レフタル酸、イソフタル酸、フタル酸などをあげること
ができる。
【0024】前記一般式〔I〕で表わされるアゾ基含有
ポリシロキサン化合物は、例えば一般式〔V〕
【0025】
【化7】 〔式中、Dは(CH2lまたは−(CH2)3OCH2CH2
−、EはNH2またはOHを示し、R2,R3,lおよび
mは前記に同じ。〕
【0026】で表わされるポリシロキサン(ジシロキサ
ンも含む)セグメントを含有するジアミンまたはジヒド
ロキシ化合物と、一般式〔VI〕
【0027】
【化8】 〔式中、R1,lは前記に同じ。Xはハロゲン原子を示
す。〕
【0028】で表わされるアゾ基を含有する二塩基酸ジ
ハライドとを反応させることにより高収率で製造するこ
とができる。また、アゾ基含有ポリシロキサン化合物の
うち、前記一般式〔IV〕で表わされる構成成分を有する
ものを製造する場合は、上記一般式〔VI〕のアゾ基を含
有する二塩基酸ジハライドの一部を対応する二塩基酸ジ
ハライドに代えた混合物を用いればよい。
【0029】アゾ基含有ポリシロキサン化合物の製造
は、塩基触媒の存在下で行なうのが好ましい。塩基触媒
としては、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミ
ン、N,N−ジメチルアニリン、ピペリジン、ピリジ
ン、1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕ノネン−
5、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデセン
−7、トリ−n−ブチルアミン、ナトリウムハイドライ
ド、n−ブチルリチウムなどをあげることができ、これ
らから適宜選択できる。
【0030】また、アゾ基含有ポリシロキサン化合物の
製造は、通常溶媒中で行なわれる。溶媒としては、例え
ばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシ
エタン、ジオキサンなどのエーテル類、四塩化炭素、ク
ロロホルム、塩化メチレン、トリクレンなどのハロゲン
化炭化水素類、n−ヘキサン、ベンゼン、キシレンなど
の炭化水素類、アセトニトリル、N,N−ジメチルホル
ムアミド等をあげることができ、これらの一種または二
種以上を用いる。
【0031】一般式〔V〕で表わされるジアミンまたは
ジヒドロキシ化合物と一般式〔VI〕で表わされるアゾ基
を含有する二塩基酸ジハライドとの使用割合は、特に限
定されず適宜決定されるが、高分子量のものにするに
は、両者をほぼ等モル程度の割合にするのが好ましい。
塩基触媒を用いる場合、その使用量は、原料化合物〔V
I〕に対して、0.5〜1.5倍モル程度用いるのが好
ましい。
【0032】反応温度は、特に限定されないが、アゾ基
の分解を防止し、かつ生成物の高分子量にするには、−
10〜80℃が好ましい。反応時間は、特に限定されな
いが、0.5〜24時間が好ましい。反応温度は、段階
的に低温から室温まで上昇させる方法をとっても良い。
【0033】目的物の分取は、用いた原料、塩基触媒、
溶媒等の種類に応じて適宜行なわれる。例えば、粘稠な
反応溶液を溶媒で希釈した後、副生した四級アンモニウ
ム塩を水洗し取り除いた後、乾燥、溶媒除去することに
より行なわれる。
【0034】かくして得られるアゾ基含有ポリシロキサ
ン化合物は、前記のとおり、構成成分〔II〕及び〔II
I〕、または構成成分〔II〕,〔III〕及び〔IV〕からな
るオリゴマーまたはポリマーである。その性状は、特に
分子量やポリシロキサンセグメントの含有量により種々
変動するが、通常、無色または単黄色で粉末状、粘稠油
状またはゴム様の物質である。また、溶媒に対する溶解
性も上記と同様に分子量やポリシロキサンセグメントの
含有量により変動するが、テトラヒドロフラン、ジエチ
ルエーテル、ジメトキシエタン、ジオキサンなどの如き
エーテル類;四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレ
ン、トリクレンなどの如きハロゲン化炭化水素類;トル
エン、ベンゼン、キシレンなどの如き芳香族炭化水素
類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノンなどの如きケトン類;酢酸メ
チル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸−n−ブチル、
酢酸アミルなどの如き酢酸エステル類などに溶解する。
【0035】一般式〔I〕で表わされるアゾ基含有ポリ
シロキサン化合物の使用量が2重量%未満では、ブロッ
ク共重合が極めて困難であり、60重量%を超えるとブ
ロック共重合体の分子量が低下するばかりでなく、経済
的にも好ましくない。
【0036】一般式〔I〕で表わされるアゾ基含有ポリ
シロキサン化合物の数平均分子量は、1,500〜10
0,000、好ましくは2,000〜60,000であ
る。数平均分子量が1,500未満であると、実質的に
アゾ結合を保有しない分子がかなり存在することになる
ため、重合性単量体とのブロック共重合の効率が低下
し、本来の機能を示さなくなる。逆に100,000を
超えるとブロック共重合に使用する親水性溶媒に対する
溶解性が低下し、また溶液粘度が高くなるため、低濃度
でブロック共重合が行なわなければならず、この場合に
はブロック共重合に使用した重合性単量体の重合率が低
下するため、長時間の反応を余儀なくされる。
【0037】アニオン電着塗料の製造に用いる親水性溶
媒の具体例としては、1〜4個の炭素原子を有するモノ
アルコール、例えばメチルアルコール、エチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、
イソブチルアルコール及びt−ブチルアルコール、;エ
チレングリコール及びその誘導体例えばエチレングコー
ルのモノメチルエーテル、モノメチルエーテルアセテー
ト、モノエチルエーテル、ジエチルエーテル、モノエチ
ルエーテルアセテート、モノイソプロピルエーテル、モ
ノブチルエーテル、モノブチルエーテルアセテート;ジ
エチレングリコール及びその誘導体、例えばジエチレン
グリコールのモノメチルエーテル、モノエチルエーテ
ル、モノエチルエーテルアセテート、モノ−n−ブチル
エーテル、モノ−t−ブチルエーテル、ジメチルエーテ
ル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテルモノアセ
テート;トリエチレングリコール及びその誘導体、例え
ばトリエチレングリコールのモノメチルエーテル、モノ
エチルエーテル;プロピレングリコール及びその誘導
体、例えばプロピレングリコールのモノメチルエール、
モノエチルエーテル、モノ−n−ブチルエーテル、モノ
−t−ブチルエーテル、メチルエーテルアセテート;ジ
プロピレングリコール及びその誘導体、例えばジプロピ
レングリコールのモノメチルエーテル、モノエチルエー
テル;トリプロピレングリコール及びその誘導体、例え
ばトリプロピレングリコールのモノメチルエーテル;グ
リセリン及びその誘導体、例えばグリセリンのモノアセ
テート;トリメチレングリコール及びその誘導体、例え
ば1−ブトキシ−エトキシプロパノール、3、3−ジメ
チル−3−メトキシプロパノール、3−メトキシブチル
アセテート;ブタンジオール及びその誘導体、例えば3
−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタ
ノール、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、
3−メチル−1、3−ブタンジオール;アセチレングリ
コール及びその誘導体、例えば2、4、7、9−テトラ
メチル−5−デシン−4、7−ジオール及びそのエチレ
ンオキサイド付加物、2、6−ジメチル−4−オクチン
−3、6−ジオール;その他ジオキサン、1、5−ペン
タンジオール、ヘキシレングリコール、トリメチロール
プロパン、1、2、6−ヘキサントリオール及び低分子
量ポリエチレングリコールなどがあげられるが、一般に
エチレングリコールまたはプロピレングリコールのモノ
アルキルエーテル及び炭素数5以下のモノアルコールと
の併用が好適である。なお、これらの溶剤は単独または
併用できる。
【0038】アニオン電着塗料の製造に用いる中和剤
は、アンモニア及び/またはアミン類であり、使用しう
るアミン類の具体例としてはジエチルアミン、トリエチ
ルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルア
ミン、トリイソピロピルアミン、モノブチルアミン、ジ
ブチルアミン、トリブチルアミンなどのアルキルアミ
ン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの
アルカノールアミン;ジメチルアミノエタノールの如き
アルキルアルカノールアミンなどがあげられる。使用量
は、使用する重合性不飽和酸単量体の濃度(酸価)によ
って異なるが、通常、酸基に対して50〜95モル%で
ある。
【0039】本アニオン電着塗料の製造方法は、通常の
アニオン電着塗料に採用されている方法とは異なって、
前述したアゾ基含有ポリシロキサン化合物を使用するた
め、一般に用いられる低分子の重合開始剤を必要としな
い。即ち、親水性溶媒、重合性不飽和酸単量体(a)及
びこれと共重合可能な重合性不飽和単量体(b)にアゾ
基含有ポリシロキサン化合物を溶解させてから昇温する
ことにより、アゾ基含有ポリシロキサン化合物中に含ま
れているアゾ基が分解され、生じる炭素ラジカルが重合
開始の場となる。したがって、ポリシロキサン単位の両
延長分子末端より不飽和単量体の重合反応が起ることに
なる。
【0040】原料の仕込方法は一括または分割仕込みの
どちらでもよく、通常反応温度は60〜140℃で、反
応時間は4〜20時間程度行なわれる。
【0041】なお、アゾ基含有ポリシロキサン化合物の
濃度が低い場合、またはアゾ基含有ポリシロキサン化合
物中のポリシロキサン単位の分子量が高いため、同分子
中に含まれるアゾ基濃度が減少した場合、もしくは触媒
効率の低下などにより重合率低下が懸念される場合に
は、パーオキサイド系及び/またはアゾ系の重合開始剤
を特に反応の後半に添加して重合率の向上を計ることも
できる。
【0042】使用する重合開始剤は一般のパーオキサイ
ド系またはアゾ系の開始剤でよい。パーオキサイド系の
重合開始剤の具体例としては、メチルエチルケトンパー
オキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパ
ーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブ
チルハイドロパーオキサイドなどがあげられる。また、
アゾ系の重合開始剤の具体例としては、2,2′−アゾ
ビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロ
ヘキサン−1−カーボニトリル)などがあげられる。
【0043】また、必要に応じてオクチルメルカプタ
ン、ラウリルメルカプタン、β−メルカプトプロピオン
酸、チオグリコール酸オクチルのような各種の連鎖移動
剤を分子量調節のために用いることもできる。
【0044】かくして重合されたブロック共重合体を主
成分とする樹脂溶液は、アンモニア及び/またはアミン
類で中和後、脱イオン水を添加することにより、安定な
水性微粒子分散体(アニオン電着塗料用樹脂)となる。
なお、水性化された安定な微粒子分散体には、主成分の
ブロック共重合体の外、例えば反応中の溶剤による連鎖
移動、または連鎖移動剤を使用した場合にはそれによる
連鎖移動を受け、ブロック共重合体にならない(a),
(b)単量体の混合単量体のみより導かれる共重合体が生
成する。また、通常のパーオキサイド系またはアゾ系開
始剤をアゾ基含有ポリシロキサン化合物と併用した場合
にも、ブロック共重合体にならない(a),(b)単量体の
混合単量体のみより導かれる共重合体が生成する。また
厳密にはブロック共重合反応中にアゾ基が失活したアゾ
基含有ポリシロキサン化合物及び未反応の水酸基または
アミノを有する一般式〔V〕で示されるポリジメチルシ
ロキサンも含まれている。
【0045】そして、水性化された安定な微粒子分散体
の固形分は通常20〜40%の範囲で製造できるが、ア
ニオン電着塗料はこれに硬化剤成分を含め約10%の濃
度に通常調製される。ブロック共重合体の製造後に添加
混合される硬化剤は脱イオン水を添加して水性化する前
後のどちらの添加でもよい。
【0046】
【実施例】以下、実施例及び比較例をあげて本発明をさ
らに詳細に説明する。なお、製造例、実施例、比較例及
び応用参考例中の「部」は、特に断りのない限り「重量
部」である。
【0047】製造例1 温度計、撹拌機、還流冷却器および塩化カルシウム管の
付いた四つ口フラスコに、分子量が4,600の分子両
末端にアミノ基を有するポリジメチルシロキサン(一般
式〔V〕において、R2及びR3がメチル基、Eは−NH
2、Dは−(CH23−、mが平均60である信越化学
工業(株)製品X−22−161C)100部、トリエチ
ルアミン4.38部及びクロロホルム86.8部を仕込
み、充分撹拌した。次いで氷冷下に4,4′−アゾビス
(−4−シアノペンタン酸クロライド)6.89部とク
ロロホルム86.8部からなる溶液を40分かけて滴下
した。滴下終了後、室温で2時間反応してから、クロロ
ホルム50部を追加して希釈し、水洗によりトリエチル
アミン塩酸塩などの水溶性成分を除去してから減圧乾燥
した。
【0048】得られたアゾ基含有ポリジメチルシロキサ
ンアミドの数平均分子量は、GPC分析より29,00
0であった。また、DSC(示差走査熱量計)より求めた
アゾ基の分解温度は93.6℃で、その分解エンタルピ
ーは−39.3mJ/mgであったが、140℃、5時間熱
処理後の熱収支は現れなかった。
【0049】製造例2 製造例1で用いた両末端にアミノ基を有するポリジメチ
ルシロキサンの代りに分子量が3,200の分子両末端
に水酸基を有するポリジメチルシロキサン(一般式
〔V〕において、R2及びR3がメチル基、Eは−OH、
Dは−(CH2)3−O−(CH2)2−、mが平均40である
信越化学工業(株)製品KF−6002)69.55部を使
用した以外は製造例1と同様に行なった。
【0050】得られたアゾ基含有ポリジメチルシロキサ
ンエステルの数平均分子量は、GPC分析により16,
000であった。またDSCより求めたアゾ基の分解温
度は92.3℃で、その分解エンタルピーは−44.1mJ
/mgであったが、140℃、5時間熱処理後の熱収支は
現れなかった。
【0051】実施例1〜4 撹拌機、熱交換機及び温度計を備えた1000mlの4
つ口フラスコに、表1記載の処方にしたがって、製造例
1〜2で得られたアゾ基含有ポリジメチルシロキサン化
合物、重合性不飽和酸単量体及び重合性不飽和単量体を
一括して仕み、撹拌下約100℃の温度で7時間溶液重
合を行ってから、希釈剤を添加した。次いで、反応物溶
液の温度を約60℃とし、中和剤溶液を用いて中和後、
脱イオン水を徐々に添加して水性化し、安定な微粒子分
散体(アニオン電着塗料用樹脂)とした。得られた微粒
子分散体の性状を表1に示す。
【0052】比較例1〜2 製造例1〜2で得られたアゾ基含有ポリジメチルシロキ
サン化合物の代りに2,2′−アゾビスイソブチロニト
リルを用いた以外は実施例1〜4と同様に行なって重合
体を得た。
【0053】
【表1】
【0054】応用参考例1〜4及び応用(比較)参考例
1〜2 実施例1〜4で得られたポリジメチルシロキサン単位を
主鎖に持つブロック共重合体を主成分とするアニオン電
着塗料用樹脂、及び比較例1〜2の樹脂に硬化剤成分と
してサイメル303(三井東圧化学(株)社製の水溶性メ
ラミン樹脂)を表2記載の処方にしたがって配合し、ア
ニオン電着塗装を行ない、表2の結果を得た。
【0055】なお、用いた被塗装体、電着塗装条件及び
塗膜性能の評価方法は、次の要領で行った。
【0056】イ)アルミニウム板: JIS H400(A1050P)1.5×35×70
mm ロ)陽極酸化: ・10%NaOH水溶液に2分/60℃浸漬後、脱イオ
ン水洗浄 ・15%HNO3 水溶液に30秒/25℃浸漬後、脱イ
オン水洗浄 ・15%H2SO4水溶液に電流量1A/dm2 で30分/
30℃通電後、脱イオン水洗浄 ハ)電着塗装:電圧150V,2分/25℃,電極間距
離150mm ニ)膜厚:膜厚計(イソスコープMP2,ヘルムトフィ
ッシャー社製品)を用いて測定 ホ)塗膜の平滑性:塗装後の塗膜の外観を肉眼観察し、
外観、凹凸、ピンホールを調べた。 ヘ)付着性:塗面に1mm間隔のゴバン目(10×10)
を入れ、セロハンテープを貼り付けた後に剥離し、残っ
た塗膜の数で評価 ト)光沢:光沢計〔デジタル変角光沢計UGV−5D,
スガ試験機(株)製品〕を用いて60度鏡面光沢度を測
定 チ)耐候性:サンシャインウエザオメーター1000時
間後の光沢保持率(%) リ)鉛筆硬度:「三菱ユニ」(三菱鉛筆(株)製品)を用い
て塗膜に傷が付くまでの硬度で評価 ヌ)耐アルカリ性:5%Na2CO3水溶液に塗膜を24
時間/20℃浸漬後の状態を観察 ル)耐酸性:5%H2SO4水溶液に塗膜を24時間/2
0℃浸漬後の状態を観察
【0057】
【表2】
【0058】
【発明の効果】本発明のポリシロキサン単位とビニル成
分とのブロック共重合体の水性化物は、高耐熱性、艶消
し性に優れたアニオン電着塗料として有用である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式[I] 【化1】 [式中、Rは同一または異なって、低級アルキル基ま
    たはニトリル基を示し、Rは同一または異なって低級
    アルキル基を示し、Rは同一または異なって、ハロゲ
    ン原子置換もしくは非置換のアルキル基またはフェニル
    基を示す。lは同一または異なって0または1〜6の整
    数を示し、mは0または1〜200の整数を示し、Aは
    −O−または−NH−を示し、Dは(CH(但
    し、nは同一または異なって0または1〜6の整数)ま
    たは−(CH−O−(CH−を示す]で表
    わされる繰り返し単位を有し、1分子中に少なくとも1
    個のアゾ結合を有する数平均分子量が1、500〜10
    0、000のアゾ基含有ポリシロキサン化合物の2〜6
    0重量%の存在下、重合性不飽和酸単量体(a)及びこ
    れと共重合可能な重合性不飽和単量体(b)の混合単量
    体40〜98重量%を親水性溶媒中でラジカル重合し、
    アンモニア及び/またはアミン類で中和した後、水性化
    することを特徴とするアニオン電着塗料の製造方法
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