JP2599173B2 - 帯電防止樹脂組成物 - Google Patents

帯電防止樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の背景〕 (産業上の利用分野) 本発明は半導体関係の梱包・包装、電子回路基板の包
装、電子部品の包装、エレクトロニクス機器、医療機
器、精密機器などの包装及びカバー、更には医薬品、化
粧品、食用品の防塵包装、危険物の包装等を目的とした
静電気障害対策用樹脂組成物に関する。
(従来の技術および発明が解決しようとする課題) プラスチックは透明性、耐久性、軽量性等の優れた性
質を有することから幅広い分野にわたって使用されてい
るが、これは電気絶縁性の素材である為、使用法ないし
用途によっては静電気による各種障害が発生して問題と
なる。とりわけ、エレクトロニクス分野においては、静
電気によるIC、LSIの破壊、損傷が問題化しており、静
電気対策は重要かつ緊急なテーマである。
それには、周囲にある帯電荷を発生させ易い絶縁体材
料自体の電気特性を改善する必要があり、今までに、金
属繊維、金属メッキ繊維等を練り込んだプラスチック
や、カーボンブラック、グラファイト、酸化スズ、酸化
亜鉛、酸化インジウムなどを配合したフィルム、シート
等がつくられてきた。しかしながら、それらの無機の導
電化剤は、マトリックス樹脂中に互いに接する程多量に
混入させなければ全体を帯電させない材料へと転換させ
ることができず、コストアップになると共に基体材料の
もつ物性を著しく変化させてしまうという欠点があっ
た。また、これらの無機物質では透明な帯電防止成型物
をつくることができないということも難点であった。
そのような意味では、界面活性剤を応用した内部練り
込み型帯電防止剤が、少量の添加量でよいこと、それ程
極端に基体材料の物性を変化させないこと及び透明成型
品をつくり得ること等から、簡便かつ低コストで加工で
きるので従来より主として塵埃の付着防止を意図した静
電気対策用に広く使われてきた。
しかし、帯電防止剤は分子が基体材料の表面に移行す
ることによりはじめて効果が発現するものであり、しか
も表面に出たものは不安定で温度、湿度あるいは接触、
摩擦等の外部条件、因子によって乱されたり、取り除か
れてしまい、また、内部にある分子もある時間を経ると
ほとんどのものが表面に移行して抜け出してしまうため
に、効果の安定性も持続性も与えることができなかっ
た。さらに、その帯電防止機構自身が表面に存在する帯
電防止剤分子の親水基の部分がもたらすキャリア効果
(イオン伝導機構)によっているために、表面での帯電
防止剤分子の配向吸着状態に少しでも乱れが生じると、
帯電荷を100%減衰させることが不可能となってしまう
ものであった。
したがって、帯電防止剤はIC、LSI関連機能製品の輸
送時、使用時等において、周囲の静電気による影響を排
除できる手段であるとは厳密な意味で言えなかった。
〔発明の概要〕
(課題を解決するための手段) 本発明は、この問題点の解決を与えるものであって、
エチレンとアクリル酸エステルおよび/またはメタクリ
ル酸エステルよりなるエチレン系共重合体と、半極性結
合構造を保持しつつ、ホウ素原子が分子内に規則正しく
組み込まれている有機ホウ素高分子化合物とヒドロキシ
アルキルアミンとを反応させることによってつくられる
高分子電荷移動型結合体を組合せることにより、該エチ
レン系共重合体の帯電性が取り除かれ、接触、摩擦、外
部電圧の印加等によって瞬間的に生じる帯電荷が素早
く、かつ、完全に漏洩され、上述の帯電防止剤と異な
り、永久的でしかも安定した無帯電製品をつくり得るこ
とを見いだし、本発明を完成した。
要 旨 すなわち、本発明による帯電防止樹脂組成物は、下記
の成分(1)および成分(2)を含んでなるものであ
る。
成分(1):エチレンと2〜30重量%のアクリル酸エス
テルおよび/またはメタクリル酸エステルよりなるメル
トフローレート0.1〜50g/10分のエチレン系共重合体。
成分(2):下記の一般式Iにて表わされる半極性有機
ホウ素高分子化合物の1種若しくは2種以上と、ヒドロ
キシル基を少なくとも1個有する合計炭素数5〜82の三
級アミンの1種若しくは2種以上との、ホウ素原子1個
対塩基性窒素原子1個の割合の反応生成物である高分子
電荷移動型結合体(以下、所定の高分子電荷移動型結合
体と称する)。
〔式中、qは0または1で、q=1の時、Aは−(X)
a−(Y)b−(Z)c−基{但し、XおよびZは1個
の末端エーテル残基をもつ炭素数合計100以下の含酸素
炭化水素基、Yは (但し、Rは炭素数1〜82の炭化水素基)もしくは (但し、R′は炭素数2〜13の炭化水素基)であり、
a、b、cは0または1である。}であり、pは10〜10
00である。〕 効 果 本発明による帯電防止樹脂組成物は、永久帯電防止樹
脂組成物と呼びうるほどに永続的な帯電防止効果を有す
る。
すなわち、エチレンとアクリル酸エステルおよび/ま
たはメタクリル酸エステルよりなるエチレン系共重合体
に使用される本発明の所定の高分子電荷移動型結合体
は、配位結合型のイオン構造物質であり、極性の非常に
大きい高分子物質であるのにもかかわらず、該エチレン
系共重合体と良く融解混和するため、基体樹脂からはじ
き出されることなく、しかも、フェルミ準位をなすかた
ちで異種物質として作用するので、表面の帯電荷だけを
中和する帯電防止剤の場合と違い、通常の条件において
基体樹脂を内部から永久的に非帯電性の材料とするだけ
でなく、高電圧下で強制帯電させることを繰返しても常
に100%電荷を漏洩させことができる。また、本発明の
所定の高分子電荷移動型結合体は、電子の運動性を呈す
る導電性高分子である。したがって、電子伝導性を示す
のでイオン伝導機構に基く帯電防止剤と異なり、基体材
料の表面に存在しなくても、十分に帯電防止効果を発揮
する。
なお、本発明の所定の高分子電荷移動型結合体は熱安
定性が極めて良好であるため、これを含有する樹脂組成
物は高い成形加工温度での取扱いにおいても熱劣化によ
る物性の低下が殆んどみられない。
〔本発明の具体的説明〕
定 義 本発明による帯電防止樹脂組成物は、成分(1)およ
び成分(2)を含んでなるものである。
ここで、「含んでなる」ということは、これらの必須
二成分の外に、本発明の要旨を損なわない限り、補助的
資材(詳細後記)を含んでよいことを意味する。
成分(1) 本発明で用いるエチレン系共重合体とは、高圧ラジカ
ル重合によって製造されるエチレンと2〜30重量%のア
クリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステル
(以下、(メタ)アクリル酸エステルという)よりなる
エチレン系共重合体である。ここで、(メタ)アクリル
酸エステルの含量は、エチレンとの合計量基準である。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、アクリル酸ま
たはメタクリル酸のアルキルエステル、特に、C1〜C20
アルキル、が適当である。ここで「アルキル」は、「ア
ラルキル」を包含するものとする(その場合の前記の炭
素数はアリール部分を含むものとする)。具体的には、
例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチ
ルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタ
クリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、
メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メ
タクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジルな
ど、を用いることができる。
またこれらは混合して用いることもできる。
中でも、炭素数4以下のもの、例えばアクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル
酸n−ブチル、メタクリル酸メチル等、が好適であり、
特にアクリル酸メチル、アクリル酸エチルが好適であ
る。
エチレン系共重合体の(メタ)アクリル酸エステルの
含量は2〜30重量%であり、好ましくは2〜18重量%で
ある。(メタ)アクリル酸エステルの含量が上記範囲よ
り少ないと、目的とする電気特性が得られず、また上記
含量より多いとフィルム加工性が劣るので好ましくな
い。なお、本発明での成分(1)はエチレンと2〜30重
量%の(メタ)アクリル酸エステルよりなるものである
が、必要に応じて少量(一般的にはエチレン系共重合体
との合計量基準で30重量%以下)の第三単量体をさらに
共重合体させたものであってもよい。
エチレン系共重合体のMFRは、0.1〜50g/10分、フィル
ム等の成形加工性の点から好ましくは0.5〜30g/10分、
特に好ましくは0.8〜15g/10分である。MFRが低すぎると
加工性が悪く、高すぎるとヒートシール性や材料強度が
低下して好ましくない。
エチレンと(メタ)アクリル酸エステルよりなるエチ
レン系共重合体は、合目的的な任意の製造法によって製
造することができる。
例えば、エチレンと(メタ)アクリル酸エステルのモ
ノマー混合物を50〜3000気圧の高圧、150〜300℃の高温
に保たれた重合条件下に入れ、同時に例えば過酸化物の
ような遊離基型重合開始剤を加えるなどの方法によって
製造される。重合系に不活性溶媒を用いてもよく、また
実質的にバルク重合を行わせることもできる。
成分(2) 本発明で帯電防止材として用いる所定の高分子電荷移
動型結合体は、前記の式(I)の半極性有機ホウ素高分
子化合物の1種若しくは2種以上とヒドロキシル基含有
三級アミンの1種または2種以上との反応生成物(ただ
し、ホウ素原子1個対塩基性窒素原子1個の割合の反応
生成物である)である。
前者の式(I)のホウ素化合物は、たとえば下記の
(a)または(b)の方法によって製造することができ
る。
(a)法:一般式II 〔式中、qは0または1で、q=1の時、Aは−(X)
a−(Y)b−(Z)c−基{但し、XおよびZは1個
の末端エーテル残基をもつ炭素数合計100以下の含酸素
炭化水素基、Yは (但し、Rは炭素数1〜82、好ましくは6〜82、の炭化
水素基)もしくは (但し、R′は炭素数2〜13、好ましくは6〜13、の炭
化水素基)であり、a、bおよびcはそれぞれ0または
1である。}である〕にて表わされる化合物の1種若し
くは2種以上を合計1モルに対して、ホウ酸若しくは炭
素数4以下の低級アルコールのホウ酸トリエステルを1
モルか、または無水ホウ酸を0.5モル反応させてトリエ
ステル化反応を行う。
(b)法:ジ(グリセリン)=ボラート若しくは中間に
ジ(グリセリン)=ボラート残基を含む炭素数合計206
以下、好ましくは10〜100、のジオールの1種若しくは
2種以上についてポリエーテル化反応を行うか、また
は、それらの1種若しくは2種以上を合計1モルに対し
て、炭素数3〜84、好ましくは8〜84、のジカルボン酸
(以下、所定のジカルボン酸と称する。)若しくは炭素
数4以下の低級アルコールと所定のジカルボン酸とのエ
ステル若しくは所定のジカルボン酸のハライド若しくは
炭素数4〜15、好ましくは8〜15、のジイソシアナート
(以下、所定のジイソシアナートと称する。)の1種若
しくは2種以上を合計1モル反応させる。
このようにしてつくられる半極性有機ホウ素高分子化
合物(以下、所定の半極性有機ホウ素高分子化合物と称
する。)の1種若しくは2種以上と、ヒドロキシル基を
少なくとも1個有する合計炭素数5〜82、好ましくは5
〜30、の三級アミン(以下、所定の三級アミンと称す
る。)の1種若しくは2種以上とを、ホウ素原子1個対
塩基性窒素原子1個になるように仕組まれた割合で、密
閉若しくは開口型の反応器に仕込み、常圧下、20〜200
℃、好ましくは、50〜150℃、において反応させれば、
本発明の帯電防止剤(以下、所定の高分子電荷移動型結
合体という)が製造される。その際、アルコール、エー
テル、ケトン等の極性溶媒を共存させると、より容易に
反応を行なうことができる。
本発明の所定の高分子電荷移動型結合体とその中間体
である所定の半極性有機ホウ素高分子化合物を導くため
の原料は、下記の通りである。
まず、所定の半極性有機ホウ素高分子化合物を導く
(a)法の原料である一般式IIで表される化合物として
は、例えば、ジグリセリン、ジ(グリセリン)=マロナ
ート、ジ(グリセリン)=マレアート、ジ(グリセリ
ン)=アジパート、ジ(グリセリン)=テレフタラー
ト、ジ(グリセリン)=ドデカナート、ポリ(9モル)
オキシエチレン=ジ(グリセリンエーテル)、ジ(グリ
セリン)=トリレンジカルバマート、ジ(グリセリン)
=メチレンビス(4−フェニルカルバマート)などを挙
げることができ、一方、(b)法における所定のジカル
ボン酸としては、例えば、マロン酸、マレイン酸、コハ
ク酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、テレフタル
酸、ドデカン・二酸、リノール酸から誘導されたダイマ
ー酸、ドデシルマレイン酸、ドデセニルマレイン酸、オ
クタデシルマレイン酸、オクタデセニルマレイン酸、平
均重合度20のポリブテニル基を連結させているマレイン
酸等が挙げられ、また、所定のジイソシアナートとして
は、例えば、エチレンジイソシアナート、ヘキサメチレ
ンジイソシアナート、トリレンジイソシアナートおよび
メチレンビス(4−フェニルイソシアナート)等が挙げ
られる。
次ぎに、所定の半極性有機ホウ素高分子化合物と反応
させる所定の三級アミンとしては、例えば、ジエチル=
ヒドロキシメチルアミン、ジメチル=2−ヒドロキシプ
ロピルアミン、メチル=ジ(2−ヒドロキシエチル=ア
ミン、トリ(2−ヒドロキシエチル)アミン、ヒドロキ
シメチル=ジ(2−ヒドロキシエチル)アミン、ジベン
ジル=2−ヒドロキシプロピルアミン、シクロヘキシル
=ジ(2−ヒドロキシエチル)アミン、ジ(ヘキサデシ
ル)アミンのエチレンオキシド(1〜25モル)付加体、
およびモノブチルアミンのプロピレンオキシド(1〜26
モル)付加体等が挙げられる。
なお、本発明に関連して、所定の半極性有機ホウ素高
分子化合物と反応させるアミン原料を所定の三級アミン
以外の種類、すなわち、一級若しくは二級アミンとした
ものは、電荷移動型結合体が首尾良くつくられず、ま
た、できたものも不安定な化合物となるので、導電性の
発現並びに保持に難があり、したがって、前記のエチレ
ンと(メタ)アクリル酸エステルからなるエチレン系共
重合体に対して、永久帯電防止性を付与し得ない。
また、ヒドロキシシル基をもたない三級アミンを使用
した場合には、生成した高分子電荷移動型結合体間を多
重的水素結合によってつなぐことを行い得ず、したがっ
て個々の鎖の運動性を大きくさせてしまうために、基体
材料中の集合状態に変化を起こさせてしまい、電荷漏洩
性が不十分となるので好ましくない。
本発明組成物 本発明の所定の高分子電荷移動型結合体のエチレンと
(メタ)アクリル酸エステルからなるエチレン系共重合
体への配合量は、目的に応じて種々異なるが、一般には
共重合体100重量部に対して0.01〜10重量部、好ましく
は0.05〜5重量部、特に好ましくは0.1〜3重量部であ
る。少なすぎると、本発明の目的である高性能の帯電防
止が得られない。他方、多すぎると着色やブリード等の
問題を生じて好ましくない。
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて無機フィラ
ー、有機フィラー、本発明のエチレン系共重合体とは異
なる他のポリオレフィン樹脂、エラストマー等のポリマ
ー材料を本発明の効果を損なわない範囲において配合し
て加工性、剛性、柔軟性などを改善することもできる。
上記のポリマー材料は、本発明組成物の50重量%までの
配合量で配合することが好ましい。
また、上記成分以外に当然のことながらその他の配合
剤、例えば安定剤、酸化防止剤、滑剤、アンチブロッキ
ング剤等の加工助剤、難燃剤、各種の顔料、染料、紫外
線吸収剤等を適宜使用可能である。
本発明の樹脂組成物は、従来公知のあらゆる配合方法
によって製造することができる。
例えば、混練法としてはオープンロール、インテンシ
ブミキサー、コニーダー、単軸あるいは2軸スクリュー
押出機などが用いられる。
具体例としては、粉状またはペレット状の本発明のエ
チレン系共重合体に所定の高分子電荷移動型結合体およ
び所望の付加的成分を配合し、ヘンシェルミキサー等で
混合したのち、一軸ないし二軸の押出機で溶融混合して
ペレット状組成物となす。配合成分は樹脂に混練途中で
添加されてもよく、また、マスターバッチ方式で添加さ
れてもよい。
得られたペレットを射出成形、押出し成形、中空成
形、圧空成形、フィルム成形、熱圧成形、紡糸等の各種
成形に供し、更には必要に応じて二次加工を加えて成形
体製品を得る。
フィルム、シートの押出成形、中空成形等の場合に
は、他樹脂との多層化も可能であり、目的に応じて片面
表層に、あるいは両面表層に本発明の樹脂組成物を用い
ることができる。また、金属、金属酸化物あるいは炭素
系導電性フィラー含有樹脂からなる成形体表面に本発明
の樹脂組成物層を形成させて用いることもできる。
これらの成形体は、帯電防止、静電気除去を目的とし
た多くの分野で利用される。例えば帯電防止の場合、IC
の運搬保管用包装資材(キャリア、トレイ、袋、ラッ
ク、コンテナ等)、電子部品用パーツボックス、磁気テ
ープ、オーディオテープのケース、スリップシート、火
薬類等危険物の包装資材などに適用される。また、静電
気除去としては除電ロール、シート等に、あるいは半導
体材料として情報記録紙、各種抵抗体等に適用される。
なお、本発明の樹脂組成物に対して、銀、銅、黄銅、
鉄等の粉体若しくは繊維状にしたもの、または、カーボ
ンブラック若しくは錫コート酸化チタン、錫コートシリ
カ等の導電性フィラーを共存させた成形体は、より精度
の高い電磁波シールド材料となる。
また、本発明の樹脂組成物は、フィルムにした場合、
水澪れ性が良いので、農業用ハウス材料や冷凍食品の包
装材料としても適する。
〔実施例等〕
以下に実施例を挙げて、さらに詳述する。これらの例
において記載された「部」は重量部を意味し、「%」は
重量%を意味する。
また、各実施例において使用した所定の高分子電荷移
動型結合体は、下記の表1に記載の構造式を有する所定
の高分子電荷移動型結合体からなる。
また、本発明の樹脂組成物は、フィルムにした場合、
水澪れ性が良いので、農業用ハウス材料や冷凍食品の包
装材料としても適する。
実施例1 エチレン−アクリル酸メチル共重合体(アクリル酸メ
チル含量=18重量%,MFR=6.5g/10分)100部に対して、
本発明の所定の高分子電荷移動型結合体をそれぞれ適量
添加し、単軸押出機にて180℃で溶融混練してペレット
を得た。該ペレットを用いて160℃でシート成形を行
い、厚さ150μmのシートを得た。しかる後、該シート
を23℃、50%RHの恒温恒湿条件にて3日間、30日間静置
させ、表面固有抵抗と帯電減衰率(ただし、試料表面に
10KVの電圧を印加して強制帯電させた後、印加を除き、
2分後の残留電荷の有無を調べて換算したもの)を測定
した。また、比較として、公知の帯電防止剤のN,N−
(2−ヒドロキシエチル)ステアリルアミンを選び、同
様の試験に供した。
ここで、本実施例において使用された所定の高分子電
荷移動型結合体の具体的製造方法を、例えば、所定の高
分子電荷移動型結合体(1)及び(2)について示す
と、次の通りである。
すなわち、所定の高分子電荷移動型結合体(1)は、
攪拌棒、温度計、N2ガス流入管及び検水管を備えた四ッ
口フラスコに、ジ(グリセリン)ボラート1モルとアジ
ピン酸1モルを仕込み、N2ガスの流入下、220〜230℃で
4時間を要して、2モル分の脱水を得るまで反応させ
る。その後溶融粘度の上昇を確認した後、70℃まで冷却
させ、生成物とほゞ同量のメチルエチルケトンを注入し
て、均一溶液としたところで、ポリ(25モル)オキシエ
チレン−ジヘキサデシルアミン1モルを投入して、1時
間70〜75℃で反応させ、つづいて、150mmHgの減圧下、1
20〜130℃で2時間を要して、希釈溶媒のメチルエチル
ケトンを系外に留出させることにより、得られるもので
ある。
また、所定の高分子電荷移動型結合体(5)は、ポリ
(9モル)オキシエチレン−ジ(グリセリンエーテル)
1モルとホウ酸1モルを仕込み、N2気流下、150〜230℃
にて5時間を要して、3モル分の脱水を得るまで反応さ
せ、溶融粘度の上昇を確認した後、70℃まで冷却させ
る。その後生成物とほゞ同量のイソプロピルアルコール
を注入して、均一溶液としたところで、ベヘニル−ジ
(2−ヒドロキシフェネチル)アミン1モルを投入し
て、1時間75〜80℃で反応させ、つづいて、常圧下、15
0〜160℃で3時間を要して、希釈溶媒のイソプロピルア
ルコールを系外に留出させることにより、得られるもの
である。なお、他の所定の高分子電荷移動型結合体の製
造方法もほゞ上述の方法と同様である。
試験結果は表2に示す通りであるが、本発明の所定の
高分子電荷移動型結合体が均質分散されたエチレン系共
重合体シートは全く帯電荷を残さず、しかも経時的に性
能が低下するという現象も殆ど見られないということが
わかった。
実施例2 エチレン−アクリル酸エチル共重合体(アクリル酸エ
チル含量=8重量%,MFR=13g/10分)100部に対して、
本発明の所定の高分子電荷移動型結合体とアンチブロッ
キング剤およびスリップ剤をそれぞれ適量添加し、単軸
押出機にて180℃で溶解混練してペレットを得た。該ペ
レットを用いてTダイ成形機にて190℃でフィルム成形
を行い、厚さ80μmのフィルムを得た。これらのフィル
ムの電気特性について、実施例1と同様の方法で測定を
行なった。
また、比較として、高圧重合法による低密度ホモポリ
エチレン(密度=0.925g/cm3,MFR=2.8g/10分)、エチ
レン−アクリル酸共重合体(アクリル酸含量=7重量
%,MFR=5g/10分)、エチレン−メタクリル酸共重合体
(メタクリル酸含量=12重量%,MFR=8g/10分)および
無水マレイン酸変性低密度ポリエチレン(無水マレイン
酸含量=0.7%,MFR=2g/10分)を用いて同様の試験を実
施した。
試験結果は表3に示す通りであるが、本発明の組成物
によるフィルムは全く帯電荷を残さず優れた電気特性を
有することが確認された。一方、比較例の系では、帯電
減衰が十分でなく、本発明の目的性能が得られなかっ
た。
実施例3 実施例2の組成物とポリエチレン(密度=0.920g/c
m3,MFR=2g/10分)を用いて、多層フィルム成形機にて2
00℃でダイラミネーション成形を実施し、本発明の組成
物/ポリエチレン/本発明の組成物(厚みは各々25/50/
25μm)の三層構成のフィルムを作成した。該多層フィ
ルムの電気特性を実施例1と同様の方法で測定した。な
お、比較として公知の帯電防止剤のN,N−ジ(2−ヒド
ロキシエチル)ステアリルアミンを選び、同様の試験に
供した。
試験結果は表4に示す通りであるが、本発明の所定の
高分子電荷移動型結合体が均質分散されたエチレン系共
重合体を表層に形成させた多層フィルムの電気特性は、
経時的にも安定していることが確認された。
実施例4 実施例1の組成物を用いて、クラフト紙(厚み100μ
m)の片面に250℃で厚み20μmの押出コーティングを
実施した。得られたコーティング紙の電気特性を実施例
1と同様の方法で評価した。試験結果は表5に示す通り
である。
実施例5 エチレン−メタクリル酸エチル共重合体(メタクリル
酸エチル含量=11重量%、MFR8g/10分)100部に対し
て、本発明の所定の高分子電荷移動型結合体をそれぞれ
適量添加し、実施例1と同様にしてシートを得た。更
に、実施例1と同様の電気特性についての試験を行っ
た。
試験結果は表6に示す通りであるが、本発明の所定の
高分子電荷移動型結合体が均質分散されたエチレン系共
重合体シートは全く帯電荷を残さず、しかも経時的に性
能が低下するという現象も殆ど見られないということが
確認された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−127980(JP,A) 特開 昭48−15829(JP,A) 特開 昭61−238839(JP,A) 特開 平1−230653(JP,A) 特開 平1−259052(JP,A) 特公 昭48−43371(JP,B1) 特公 昭43−14322(JP,B1)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の成分(1)および成分(2)を含ん
    でなる帯電防止樹脂組成物。 成分(1):エチレンと2〜30重量%のアクリル酸エス
    テルおよび/またはメタクリル酸エステルよりなるメル
    トフローレート0.1〜50g/10分のエチレン系共重合体。 成分(2):下記の一般式Iにて表わされる半極性有機
    ホウ素高分子化合物の1種若しくは2種以上と、ヒドロ
    キシル基を少なくとも1個有する合計炭素数5〜82の三
    級アミンの1種若しくは2種以上との、ホウ素原子1個
    対塩基性窒素原子1個の割合の反応生成物である高分子
    電荷移動型結合体。 〔式中、qは0または1で、q=1の時、Aは−(X)
    a−(Y)b−(Z)c−基{但し、XおよびZは1個
    の末端エーテル残基をもつ炭素数合計100以下の含酸素
    炭化水素基、Yは (但し、Rは炭素数1〜82の炭化水素基)もしくは (但し、R′は炭素数2〜13の炭化水素基)であり、
    a、b、およびcはそれぞれ0または1である。}であ
    り、pは10〜1000である。〕
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