JP3978862B2 - シート及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、脂環式構造含有重合体から形成された、配線基板と半導体チップなどの電子部品とを接着・接合するための接着性シートに関し、さらに詳しくは、特定の極性基を有する脂環式構造含有重合体から形成された誘電特性(低誘電率、低誘電正接)、低吸水性、耐熱性、接着強度に優れ、しかも長期信頼性に優れ、さらに、タック性(べたつき)のない配線基板と半導体チップなどの電子部品とを接着・接合するための接着性シート及びその製造方法に関する。また、本発明は、これらの諸特性に優れた、配線基板と半導体チップなどの電子部品とを接着・接合するための接着性シートを用いた積層体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、エレクトロニクス実装技術の分野において、接着剤、絶縁材、封止材などとして、各種の接着性樹脂材料が用いられている。電子部品の接着・接合技術の分野では、可能な限り短い距離にて配線基板側の電極と半導体集積回路素子側の電極とを接続する技術が開発されている。その具体例として、例えば、半導体集積回路素子(半導体チップ)にバンプ(金属凸起;Auバンプやはんだバンプ)を形成し、一方、配線基板上に絶縁樹脂層を形成し、両者を圧接することにより、バンプを介してダイレクトに半導体素子の電極と配線基板の電極を最短距離で接合し、かつ接着する方法が実用化されている。また、半導体集積回路素子の電極と配線基板上の導体パターンとの間に、弾力性のある導電メッキ樹脂ボールを介在させ、絶縁樹脂の圧縮応力を利用して圧接接合する方法がある。いずれの方法においても、絶縁樹脂として、通常、紫外線硬化型樹脂または熱硬化型樹脂が使用されている。
【0003】
基板間の接合においても、絶縁樹脂を接続媒体とする技術が開発されている。具体的には、光硬化絶縁樹脂を用いて、テープキャリアパッケージ(TCP)のフィルムリードと、回路基板の電極同士を接続する技術が開発されている。リードの表面には、加工時に形成された多数の凹凸が存在するが、このリード表面の凹凸が電極表面に接触することにより、多数の電気的接点を形成している。リードの周囲には、絶縁樹脂が充填され、この樹脂の接着力と収縮力により、リードは回路基板に固定された状態となる。
プリント配線板上への電子部品の搭載には、接着剤として、通常、紫外線硬化型樹脂が使用されている。半導体チップと配線基板との間の樹脂封止や樹脂封止型半導体パッケージなどには、封止材として、多くの場合、紫外線硬化型樹脂または熱硬化型樹脂が使用されている。
【0004】
しかしながら、紫外線硬化型樹脂や熱硬化型樹脂を用いて、ベアチップの実装や基板間の接続、樹脂封止、配線基板上への半導体部品の搭載などを行うと、組立工程で発生した接合不良や接着不良などにおけるリペア性に問題があった。半導体デバイスにおいて、一部の欠陥のために、全体をスクラップすることは、コスト的に多大の損失となる。したがって、配線修理やチップの交換、チップの再使用などの技術の確立が求められている。また、封止用樹脂などとして使用されているエポキシ樹脂は、耐熱性が低い。シリコーン樹脂は、接着性が乏しく、コスト高である。フェノール樹脂は、吸湿時電気絶縁性に乏しく実用性に問題がある。ポリイミド樹脂は、接着性に乏しいため、吸湿リフロー後の吸湿性が極めて悪い。ポリエチレン系、ポリプロピレン系、アクリル系、ポリフェニレンスルフィド系などの熱可塑性樹脂は、リペア性に優れているものの、接着性や高温・高湿などでの長期信頼性に劣る。
【0005】
一方、ノルボルネン系重合体などの脂環式構造含有重合体は、誘電特性、低吸水性、耐熱性などに優れた熱可塑性樹脂材料であることが知られているが、一般に、接着性に乏しいという問題があった。そこで、これらの特性を損なうことなく、脂環式構造含有重合体に接着性を付与するための検討が行われている。例えば、特開平5−148347号公報には、エチレンとノルボルネン系モノマーとの付加重合体に、アミノ基含有エチレン不飽和化合物をグラフト反応させた変性重合体が接着性に優れていることが報告されている。しかしながら、この変性重合体は、接着性が充分でなく、例えば、配線基板と半導体チップとを、この変性重合体層を介して加熱圧着して接合しても、熱サイクル試験やプレッシャークッカー試験等の長期信頼性試験を行った場合、剥離や接合不良が生じるため、これらの試験に合格するものが得られないという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、脂環式構造含有重合体の持つ耐熱性、耐湿性、低吸水性、誘電特性などの諸特性を維持しつつ、接着性に優れ、しかも長期信頼性に優れた、配線基板と電子部品とを接着・接合するための接着性シートを提供することにある。
本発明の他の目的は、このような諸特性に優れた、配線基板と電子部品とを接着・接合するための接着性シートを用いて、配線基板と半導体チップなどの電子部品との積層体を提供することにある。
より具体的に、本発明の目的は、配線基板と半導体チップとを、前記配線基板と電子部品とを接着・接合するための接着性シートを介して加熱圧着することにより、接着・接合した積層体を提供することにある。
【0007】
本発明者らは、上記従来技術の問題点を解決すべく鋭意研究の結果、ヒドロキシル基及びカルボキシル基からなる群より選択される極性基を有する脂環式構造含有重合体から形成されたシートが、誘電特性、低吸水性、耐熱性、接着性などが十分に優れ、しかもプリント配線板などの配線基板と半導体チップなどの電子部品との間に介在させてから加熱圧着させた場合に、接着・接合させることができ、得られた積層体(実装基板)は、熱サイクル試験や高温高湿試験等の長期信頼性にも優れることを見出した。したがって、本発明のシートは、取り扱い易いシート形状で、エレクトロニクス実装技術分野に好適に適用することが可能である。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かくして、本発明によれば、ヒドロキシル基及びカルボキシル基からなる群より選択される極性基を、重合体中の総モノマー単位数を基準として0.3〜50モル%の範囲で有する、ノルボルネン系モノマーの開環重合体の水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加型重合体、及びノルボルネン系モノマーと該ノルボルネン系モノマーと共重合可能な、炭素数2〜20のエチレンまたはα−オレフィン、シクロオレフィン、及び非共役ジエンから選ばれる少なくとも1種のビニル化合物との付加型共重合体からなる群より選ばれる脂環式構造含有重合体から形成された、配線基板と電子部品とを接着・接合するための熱可塑性接着性シートが提供される。
また、本発明によれば、以下の各発明や好ましい実施の態様が提供される。
1.ヒドロキシル基及びカルボキシル基からなる群より選択される極性基の含有量が、脂環式構造含有重合体の総モノマー単位数を基準として、1〜30モル%の範囲である前記の配線基板と電子部品とを接着・接合するための熱可塑性接着性シート。
2.前記極性基が、脂環式構造含有重合体に、オキシ基、エポキシ基、オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基、カルボニルオキシカルボニル基の群から選ばれるいずれか一種の官能基を有する炭素−炭素不飽和化合物をグラフト変性反応させた後に活性水素含有化合物を反応させる方法か、或いは、脂環式構造含有重合体に、オキシ基、エポキシ基、オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基、カルボニルオキシカルボニル基の群から選ばれるいずれか一種の官能基を有する炭素−炭素不飽和化合物をグラフト変性反応させた後に活性水素含有化合物のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を反応させ、次いで、加水分解させる方法によって変性された極性基である、前記の配線基板と電子部品とを接着・接合するための熱可塑性接着性シート。
3.前記の極性基を有する脂環式構造含有重合体から溶液流延法または溶融成形法により形成されたものである前記の配線基板と電子部品とを接着・接合するための熱可塑性接着性シート。
4.前記の極性基を有する脂環式構造含有重合体を、シート状に溶液流延または溶融成形する前記の配線基板と電子部品とを接着・接合するための熱可塑性接着性シートの製造方法。
5.前記極性基が、脂環式構造含有重合体に、オキシ基、エポキシ基、オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基、カルボニルオキシカルボニル基の群から選ばれるいずれか一種の官能基を有する炭素−炭素不飽和化合物をグラフト変性反応させた後に活性水素含有化合物を反応させる方法か、或いは、脂環式構造含有重合体に、オキシ基、エポキシ基、オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基、カルボニルオキシカルボニル基の群から選ばれるいずれか一種の官能基を有する炭素−炭素不飽和化合物をグラフト変性反応させた後に活性水素含有化合物のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を反応させ、次いで、加水分解させる方法によって変性された極性基である、前記の配線基板と電子部品とを接着・接合するための熱可塑性接着性シートの製造方法。
6.配線基板と電子部品とを、前記の配線基板と電子部品とを接着・接合するための熱可塑性接着性シートを介して積層してなる積層体。
7.電子部品が、半導体チップである前記の積層体。
8.配線基板と電子部品とを、前記の配線基板と電子部品とを接着・接合するための熱可塑性接着性シートを介して加熱圧着する積層体の製造方法。
9.電子部品が、半導体チップである前記の積層体の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
極性基を有する脂環式構造含有重合体
本発明に使用されるヒドロキシル基及びカルボキシル基からなる群より選択される極性基を有する脂環式構造含有重合体は、分子内に少なくとも一つのヒドロキシル基またはカルボキシル基を有する脂環式構造含有重合体である。具体的には、例えば、(1)脂環式構造含有重合体に変性反応によりヒドロキシル基またはカルボキシル基を導入した変性重合体、(2)ヒドロキシル基またはカルボキシル基含有の繰り返し単位を有する脂環式構造含有重合体などが挙げられる。これらの中でも、脂環式構造含有重合体に変性反応によりヒドロキシル基またはカルボキシル基を導入した変性重合体が、誘電特性、低吸水性、耐熱性、及び接着性の諸特性を高度にバランスさせる上で好適である。
【0010】
(1)脂環式構造含有重合体に変性反応によりヒドロキシル基またはカルボキシル基を導入した変性重合体
変性反応によりヒドロキシル基またはカルボキシキシル基を導入する脂環式構造含有重合体としては、主鎖及び/または側鎖に脂環式構造を有する単独重合体または共重合体が用いられる。機械的強度や耐熱性などの観点から、主鎖に環構造を含有する重合体が好適である。脂環式構造としては、飽和環状炭化水素(シクロアルカン構造)や不飽和環状炭化水素(シクロアルケン)構造などが挙げられるが、機械的強度、耐熱性などの観点から、シクロアルカン構造が好ましい。また、脂環式構造としては、単環、多環、縮合多環、橋架け環、これらの組み合わせ多環などが挙げられる。脂環式構造を構成する炭素原子数は、格別な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、機械的強度、耐熱性、及び成形性の諸特性が高度にバランスされ好適である。
【0011】
本発明に使用される脂環式構造含有重合体中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択されるが、通常30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%であり、その上限は100重量%である。脂環式構造含有重合体中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合が過度に少ないと、耐熱性に劣り好ましくない。脂環式構造含有重合体中の脂環式構造を有する繰り返し単位以外の残部は、格別な限定はなく、使用目的に応じて適宜選択される。すなわち、脂環式構造を有するモノマーの単独重合体または共重合体のみならず、それと共重合可能な非脂環式モノマーとの共重合体を使用することができる。また、脂環式構造含有重合体は、重合後に、水素添加などの処理を行ったものであってもよい。
【0012】
かかる脂環式構造を有する重合体の具体例としては、例えば、(i)ノルボルネン系重合体、(ii)単環の環状オレフィン系重合体、(iii)環状共役系ジエン系重合体、(iv)ビニル系環状炭化水素重合体、及び(v)これらの水素添加物などが挙げられる。これらの中で、本発明では、ノルボルネン系重合体及びその水素添加物を用いる。
【0013】
ノルボルネン系重合体としては、格別な制限はなく、例えば、特開平3−14882号公報や特開平3−122137号公報などに開示される方法によって、ノルボルネン系モノマーを重合したものが用いられる。具体的には、ノルボルネン系モノマーの開環重合体の水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加型重合体、及びノルボルネン系モノマーとビニル化合物との付加型共重合体が挙げられる。耐熱性や誘電率を高度にバランスさせる上で、ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加型重合体、及びノルボルネン系モノマーと共重合可能なビニル化合物の付加型共重合体が好ましく、ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素添加物が特に好ましい。これらのノルボルネン系重合体は、熱可塑性樹脂である。
【0014】
ノルボルネン系モノマーは、上記各公報や特開平2−227424号公報、特開平2−276842号公報などに開示されている公知のモノマーであって、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタ−2−エン、5−ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクタデシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−プロペニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3,8−ジエン、トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン、5−シクロペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキセニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−メチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−ビニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−フェニル−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン;テトラシクロ[7.4.0.110,13.02,7]トリデカ−2,4,6,11−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)、テトラシクロ[8.4.0.111,14.03,8]テトラデカ−3,5,7,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセンともいう)、ペンタシクロ[6.5.13,6.02,7.09,13]ペンタデカ−3,10−ジエン、ペンタシクロ[7.4.0.13,6.110,13.02,7]ペンタデカ−4,11−ジエン、シクロペンタジエンの4量体以上の付加物、5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、テトラシクロ[6.5.0.12,5.08,13]トリデカ−3,8,10,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)、テトラシクロ[6.6.0.12,5.08,13]テトラデカ−3,8,10,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセンともいう)などの極性基を有さないノルボルネン系モノマー;8−ヒドロキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−i−プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンなどのヒドロキシル基を有するノルボルネン系モノマー;6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−カルボキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エンなどのカルボキシル基を有するノルボルネン系モノマー;5−メトキシ−カルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル−2−メチルプロピオネイト、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル−2−メチルオクタネイト、8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物などのオキシ基、エポキシ基、オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基、またはカルボニルオキシカルボニル基を有するノルボルネン系モノマー;ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸イミド、5−シアノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンなどのその他の極性基を有するノルボルネン系モノマーなどが挙げられる。
【0015】
これらのノルボルネン系モノマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。ノルボルネン系重合体は、ノルボルネン系モノマーと、それと共重合可能な他のモノマーとの共重合体であってもよい。ノルボルネン系重合体中のノルボルネン系モノマー結合量の割合は、使用目的に応じて適宜選択されるが、通常30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上であるものが、誘電率、耐熱性、及び伸びの特性が高度にバランスされ好適である。
【0016】
ノルボルネン系モノマーと共重合可能なビニル化合物としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20のエチレンまたはα−オレフィン;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフィン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン;等が挙げられる。これらのビニル化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ノルボルネン系モノマーまたはノルボルネン系モノマーと共重合可能なビニル化合物との重合方法及び水素添加方法は、格別な制限はなく、公知の方法に従って行うことができる。
【0017】
ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体は、ノルボルネン系モノマーを、開環重合触媒として、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金などの金属のハロゲン化物、硝酸塩またはアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる触媒系;あるいは、チタン、バナジウム、ジルコニウム、タングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン化物またはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒系を用いて、溶媒中または無溶媒で、通常、−50℃〜100℃の重合温度、0〜50kg/cm2の重合圧力で開環(共)重合させることにより得ることができる。触媒系に、分子状酸素、アルコール、エーテル、過酸化物、カルボン酸、酸無水物、酸クロリド、エステル、ケトン、含窒素化合物、含硫黄化合物、含ハロゲン化合物、分子状ヨウ素、その他のルイス酸などの第三成分を加えて、重合活性や開環重合の選択性を高めることができる。
【0018】
ノルボルネン系モノマーとビニル系化合物との付加型共重合体は、例えば、モノマー成分を、溶媒中または無溶媒で、バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒系の存在下で、通常、−50℃〜100℃の重合温度、0〜50kg/cm2の重合圧力で共重合させる方法により得ることができる。
【0019】
水素添加ノルボルネン系重合体は、常法に従って、開環(共)重合体を水素添加触媒の存在下に水素により水素化する方法により得ることができる。水素化により、主鎖または側鎖に存在する炭素−炭素不飽和結合を部分的または全面的に水素化して飽和させる。芳香環を含有するノルボルネン系重合体の場合、水素化により、芳香環を水素化してもよいし、主鎖及び側鎖の非芳香族炭素−炭素不飽和結合のみを選択的に水素添加してもよい。
【0022】
これらの脂環式構造含有重合体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0023】
脂環式構造含有重合体をヒドロキシル基変性またはカルボキシル基変性させる方法としては、常法に従えばよく、例えば、(a)ヒドロキシル基またはカルボキシル基を有する炭素−炭素不飽和化合物をグラフト変性させる方法、(b)オキシ基、エポキシ基、オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基、カルボニルオキシカルボニル基を有する炭素−炭素不飽和化合物をグラフト変性させた反応させた後に活性水素含有化合物を反応させる方法、(c)オキシ基、エポキシ基、オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基、カルボニルオキシカルボニル基を有する炭素−炭素不飽和化合物をグラフト変性反応させた後に活性水素含有化合物のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を反応させ、次いで、加水分解させる方法などが挙げられる。これらの中でも、ヒドロキシル基またはカルボキシル基の変性量を高め、誘電特性、低吸水性、耐熱性、及び接着性の特性を高度にバランスさせる上で、上記(b)及び(c)の方法が好適である。
【0024】
前記(a)の方法で使用するヒドロキシル基またはカルボキシル基を有する炭素−炭素不飽和化合物としては、例えば、アリルアルコール、2−アリル−6−メトキシフェノール、4−アリロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、3−アリロキシ−1,2−プロパンジオール、2−アリルフェノール、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オールなどのヒドロキシル基含有オレフィン化合物;アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、エンド−シス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸、メチル−エンド−シス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸などのカルボキシルキ含有オレフィン化合物などが挙げられる。これらのヒドロキシル基またはカルボキシル基を有する炭素−炭素不飽和化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0025】
前記(b)及び(c)の方法で使用される炭素−炭素不飽和化合物としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリジルメタクリレート、p−スチリルカルボン酸グリシジル、エンド−シス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸、エンド−シス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2,3−ジカルボン酸、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、o−アリルフェノールのグリシジルエーテル、m−アリルフェノールのグリシジルエーテル、p−アリルフェノールのグリシジルエーテルなどのエポキシ基を有する炭素−炭素不飽和化合物;無水マレイン酸、クロロ無水マレイン酸、ブテニル無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水シトラコン酸などのカルボニルオキシカルボニル基を有する炭素−炭素不飽和化合物;マレイン酸ジメチル、グリシジルマレエートなどのカルボニルオキシ基を有する炭素−炭素不飽和化合物;などが挙げられる。これらの中でも、エポキシ基を有する炭素−炭素不飽和化合物やカルボニルオキシカルボニル基を有する炭素−炭素不飽和化合物が、変性率の高いグラフト変性物を得る上で好ましい。これらのオキシ基、エポキシ基、オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基、カルボニルまたはオキシカルボニル基を有する炭素−炭素不飽和化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記(a)〜(c)の方法において、炭素−炭素不飽和化合物の脂環式構造含有重合体へのグラフト反応は、従来公知の方法を用いて行うことができ、通常、ラジカル開始剤の存在下で行うことができる。
【0026】
ラジカル開始剤としては、例えば、有機ペルオキシド、有機ペルエステルなどが好ましく使用される。このようなラジカル開始剤の具体的な例としては、ベンゾイルペルオキシド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ペルオキシドベンゾエート)ヘキシン−3、1,4−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルペルアセテート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、tert−ブチルペルベンゾエート、tert−ブチルベルフェニルアセテート、tert−ブチルペルイソブチレ−ト、tert−ブチルペル−sec−オクトエート、tert−ブチルペルピパレート、クミルペルピパレート及びtert−ブチルペルジエチルアセテートを挙げることができる。さらに、本発明においては、ラジカル開始剤として、アゾ化合物を使用することもできる。アゾ化合物の具体例としては、アゾビスイソブチロニトリル及びジメチルアゾイソブチレートを挙げることができる。
【0027】
これらのラジカル開始剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。ラジカル開始剤の使用割合は、未変性の脂環式構造含有重合体100重量部に対して、通常0.001〜30重量部、好ましくは0.01〜20重量部、より好ましくは0.1〜10重量部の範囲である。
グラフト変性反応は、特に限定はなく、常法に従って行うことができる。反応温度は、通常0〜400℃、好ましくは60〜350℃で、反応時間は、通常1分間〜24時間、好ましくは30分間〜10時間の範囲である。
【0028】
前記(b)の方法において、グラフト反応終了後に反応させる活性水素含有化合物としては、電気陽性の炭素に求核攻撃可能な物質であれば特に限定されないが、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、及びカルボキシル基からなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する化合物が好ましく用いられる。具体的には、水;アンモニア;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アリルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、メタリルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、3−メチル−2−ブテン−1−オール、3−メチル−3−ブテン−1−オール、シクロペンタノール、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、ゲラニオール、シトロネロール、ベンジルアルコール、フルフリルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどのアルコール類;モノメチルアミン、モノエチルアミン、n−プロピルアミン、i−プロピルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、ゲラニルアミン、ベンジルアミン、アニリン、エタノールアミン、ジエチルアミン、ジフェニルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ピペリジン、ピロリジンなどのアミン類;メタンチオール、エタンチオール、ベンゼンチオール、チオフェノール、メルカプトアセティックアシド、2−メルカプトニコチニックアシド、2−メルカプトベンゾイックアシド、3−メルカプトプロピオニックアシド、2−メルカプトプロピオニックアシド、メルカプトサクシニックアシド、N−(2−メルカプトプロピオニル)グリシンなどのチオール類;2−アミノ−2−ノルボルナンカルボキシリックアシド、2−アミノ−1−ナフタレンスルフォニックアシド、4−アミノ−1−ナフタレンスルフォニックアシド、5−アミノ−2−ナフタレンスルフォニックアシド、8−アミノ−2−ナフタレンスルフォニックアシド、3−アミノ−2−ナフトイックアシド、3−アミノ−2,7−ナフタレンジスルフォニックアシド、7−アミノ−1,3−ナフタレンジスルフォニックアシド、2−アミノ−a −(メトキシイミノ)−4−チアゾレアセティックアシド、1−アミノ−1−シクロヘキサンカルボキシリックアシド、1−アミノ−1−シクロペンタンカルボキシリックアシド、1−アミノ−1−シクロプロパンカルボキシリックアシド、イソニペコティックアシド、ニペコティック アシド、ピペコリニックアシド、p−アミノ安息香酸などのアミノ酸類;などが挙げられる。
【0029】
これらの活性水素含有化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。活性水素含有化合物の使用量は、反応条件等により適宜選択されるが、グラフト反応で導入されたオキシ基、エポキシ基、オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基、カルボニルまたはオキシカルボニル基に対して、通常、0.1〜100当量、好ましくは0.3〜50当量、より好ましくは0.5〜20当量の範囲である。
【0030】
活性水素含有化合物の反応は、常法に従えばよく、グラフト反応終了後、グラフト変性ポリマーを単離し、反応してもよいし、グラフト反応終了後の反応溶液に直接活性水素含有化合物を添加させて反応させることもできる。反応条件は、反応温度が、通常0〜300℃、好ましくは50〜200℃、反応時間が、通常0.1〜50時間、好ましくは1〜10時間である。
【0031】
前記(c)の方法において使用する活性水素含有化合物のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩としては、例えば、上記活性水素化合物のリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム塩等の化合物挙げられる。活性水素含有化合物のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩反応は、常法に従えばよく、グラフト反応終了後、グラフト変性ポリマーを単離し、反応してもよいし、グラフト反応終了後の反応溶液に直接活性水素含有化合物を添加させて反応させることもできる。反応条件は、反応温度が、通常0〜300℃、好ましくは50〜200℃、反応時間が、通常0.1〜50時間、好ましくは1〜10時間である。
【0032】
前記(c)の方法において、加水分解は、通常、活性水素含有化合物のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩反応後の反応液に、加水分解試薬を添加して行うことができる。加水分解試薬としては、特に限定されず、例えば、水、希塩酸、塩化アンモニウム飽和水溶液、有機酸類等を用いることができる。加水分解の反応は、反応温度が、通常0〜300℃、好ましくは50〜200℃、反応時間が、通常0.1〜50時間、好ましくは0.5〜24時間である。
【0033】
脂環式構造含有重合体のヒドロキシル基またはカルボキシル基変性物は、上記(a)〜(c)の方法において、反応終了後の反応液を必要に応じてろ過し、ろ液をアセトン等の貧溶媒に滴下し、樹脂を凝固せしめ、得られる樹脂を乾燥することにより得ることができる。ただし、必要に応じてこれらの工程の一部または全部を省略してもよい。
【0034】
脂環式構造含有重合体のヒドロキシル基またはカルボキシル基で変性させた変性重合体の変性率は、使用目的に応じて適宜選択されるが、重合体中の総モノマー単位数を基準として、0.3〜50モル%、好ましくは1〜30モル%の範囲である。変性脂環式構造含有重合体の変性率がこの範囲にあるときに、誘電特性、低吸水性、耐熱性、及び接着性の特性が高度にバランスされ好適である。変性率は、下式(1)で表される。
変性率(モル%)=(X/Y)×100 (1)
X:前記(a)〜(c)の反応で導入されたヒドロキシル基またはカルボキシル基の重合体中の変性基の全モル数
Y:重合体の総モノマー単位数
Xは、1H−NMRにより測定することができる。Yは、重合体の重量平均分子量(Mw)/モノマーの分子量に等しい。共重合の場合には、モノマーの分子量は、モノマーの平均分子量とする。
【0035】
(2)ヒドロキシル基またはカルボキシル基含有の繰り返し単位を有する脂環式構造含有重合体
ヒドロキシル基またはカルボキシル基含有の繰り返し単位を有する脂環式構造含有重合体としては、例えば、イ)ヒドロキシル基またはカルボキシル基含有モノマーを(共)重合させた脂環式構造含有重合体、ロ)カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、カルボニルオキシカルボニル基、またはオキシ基含有モノマーを(共)重合させた脂環式構造含有重合体の加水分解体などを用いることができる。
【0036】
イ).ヒドロキシル基またはカルボキシル基含有モノマーを(共)重合させた脂環式構造含有重合体としては、例えば、Macromolecules 1996,29,2755−2763に開示されているようなヒドロキシル基またはカルボキシル基を有するノルボルネン系モノマーを(共)重合したノルボルネン系重合体を用いることができる。
【0037】
ロ)カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、カルボニルオキシカルボニル基、またはオキシ基含有モノマーを(共)重合させた脂環式構造含有重合体としては、例えば、Macromolecules 1991,24,4495−4502に開示されているようなカルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、カルボニルオキシカルボニル基、またはオキシ基含有ノルボルネン系モノマーを(共)重合させたノルボルネン系重合体を用いることができる。加水分解については、前記変生重合体の製造方法(a)〜(c)と同様である。
【0038】
本発明に使用されるヒドロキシル基またはカルボキシル基を有する脂環式構造含有重合体の分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、クロロホルム(あるいはシクロヘキサンまたはトルエン)を溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常1,000〜1,000,000、好ましくは5,000〜500,000、より好ましくは10,000〜250,000の範囲である。ヒドロキシル基またはカルボキシル基を有する脂環式構造含有重合体の重量平均分子量(Mw)がこの範囲にあるときに、耐熱性、接着強度、及びフィルムの平滑性が高度にバランスされ好適である。
【0039】
本発明に使用されるヒドロキシル基またはカルボキシル基を有する脂環式構造含有重合体の分子量分布は、使用目的に応じて適宜選択されるが、トルエンを溶媒とするGPCで測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で、通常5.0以下、好ましくは4.0以下、より好ましくは3.0以下である。
【0040】
上記の重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)の範囲及び測定法は、ノルボルネン系重合体に好適に適合するが、それに限定されるものではない。また、上記方法で重量平均分子量や分子量分布が測定できない環構造含有重合体の場合には、通常の溶融加工法により樹脂層を形成し得る程度の溶融粘度や重合度を有するものを使用することができる。
【0041】
本発明で使用されるヒドロキシル基またはカルボキシル基を有する脂環式構造含有重合体のガラス転移温度(Tg)は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、接着された電子部品類の使用環境からみて、できるだけ高い方が好ましく、通常50℃以上、好ましくは70℃以上、より好ましくは100℃以上、最も好ましくは125℃以上である。
【0042】
その他の重合体成分
本発明に使用されるヒドロキシル基またはカルボキシル基を有する脂環式構造含有重合体は、所望に応じて、その他の重合体を配合することができる。その他の重合体としては、例えば、ゴム質重合体、その他の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を挙げることができる。
【0043】
ゴム質重合体としては、例えば、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体ゴム、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム、スチレン・イソプレン共重合体ゴム、スチレン・ブタジエン・イソプレン三元共重合体ゴムのどのジエン系ゴム;これらのジエン系ゴムの水素添加物;エチレン・プロピレン共重合体等のエチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・その他のα−オレフィン共重合体などの飽和ポリオレフィンゴム;エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、α−オレフィン・ジエン共重合体、イソブチレン・イソプレン共重合体、イソブチレン・ジエン共重合体などのα−オレフィン・ジエン系重合体ゴム;ウレタンゴム、シリコーンゴム、ポリエーテル系ゴム、アクリルゴム、プロピレンオキサイドゴム、エチレンアクリルゴムなどの特殊ゴム;スチレン・ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体ゴム、スチレン・イソプレン・スチレン・ブロック共重合体などの芳香族ビニル系重合体、及びこれらの水素添加物などの熱可塑性エラストマー;熱可塑性エラストマー;ウレタン系熱可塑性エラストマー;ポリアミド系熱可塑性エラストマー;1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー;などが挙げられる。
【0044】
その他の熱可塑性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル;ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド;エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネートなどが挙げられる。
【0045】
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが挙げられる。これらの中でも、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂が好ましい。ポリイミド樹脂としては、例えば、ナジック酸末端ポリイミド、アセチレン末端ポリイミドなどの付加型芳香族ポリイミド;ポリアミノビスマレイミド(PI)樹脂、PIにエポキシ化合物、アリル化合物、アクリル化合物、ビニル化合物などを加えた変性イミド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン(BT)樹脂などのビスマレイミド型ポリイミド;などが挙げられる。エポキシ樹脂としては、格別な制限はなく、例えば、ビスフェノール型、ノボラック型、脂環式型、複素環型、グリセリン型、ジシクロペンタジエン型などが挙げられる。
【0046】
その他の重合体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。その他の重合体の配合割合は、脂環式構造含有重合体100重量部に対して、通常100重量部以下、好ましくは70重量部以下、より好ましくは50重量部以下であり、その下限は0重量部である。
【0047】
配合剤
本発明においては、所望に応じて、ヒドロキシル基またはカルボキシル基を有する脂環式構造含有重合体に配合剤を添加することができる。配合剤としては、樹脂工業界一般に用いられているものであれば格別な制限はなく、例えば、硬化剤、硬化促進剤、硬化助剤、フィラー、耐熱安定剤、耐候安定剤、難燃剤、レベリング剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックスなどが挙げられ、その配合割合は、本発明の目的を損ねない範囲で適宜選択される。本発明の極性基を有する脂環式構造含有重合体シートは、熱可塑性樹脂シートとして使用することができる。
【0051】
その他の配合剤の具体例としては、例えば、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アルキルエステル、2,2′−オキザミドビス[エチル−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などのフェノール系酸化防止剤;トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブリルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等のリン系安定剤;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩;グリセリンモノステアレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンジステアレート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート等の多価アルコール脂肪酸エステル;合成ハイドロタルサイト;アミン系の帯電防止剤;フッ素系ノニオン界面活性剤、特殊アクリル樹脂系レベリング剤、シリコーン系レベリング剤など塗料用レベリング剤;シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネートカップリング剤等のカップリング剤;可塑剤;顔料や染料などの着色剤;などを挙げることができる。
【0052】
シート
本発明の配線基板と電子部品とを接着・接合するための熱可塑性接着性シート(フィルムを含む)は、ヒドロキシル基またはカルボキシル基を有する脂環式構造含有重合体、及び必要に応じて、その他の重合体や配合剤を含有させたものをシート状に成形して得られる。シートの成形方法としては、格別な限定はなく、例えば、溶融成形法や溶液流延法などの方法が用いられ、これらの中でも、良好な物性のシートが得やすい点で、溶液流延法が好適である。溶液流延法は、常法にしたがって行うことができ、例えば、各成分を溶媒に溶解または微分散させた液状組成物を、適当なキャリヤー(支持体)上に流延し、次いで、溶媒を乾燥除去することで行うことができる。
【0053】
キャリヤーとしては、格別な制限はなく、一般的な溶液流延法で用いられるものが使用され、例えば、ガラス板、金属ドラム、スチールベルト、ポリエステルフィルム、塩化ビニル樹脂フィルム、フッ素樹脂ベルト、金属箔などの平板、ベルトまたはロールなどを挙げることができる。
溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素類;酢酸ブチルなどのエステル類;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類;メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類;メチルエチルケトンなどのケトン類;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、二塩化エチレンなどのハロゲン化溶媒;など用いることができる。これらの溶媒は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0054】
溶媒中のヒドロキシル基またはカルボキシル基を有する脂環式構造含有重合体の濃度は、製造するシート厚に応じて適宜選択されるが、通常0.1〜60重量%、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは5〜45重量%の範囲である。ヒドロキシル基またはカルボキシル基を有する脂環式構造含有重合体の濃度がこの範囲にある時に、シートの厚さの調整が容易で、かつ製膜性にも優れ好適である。溶液をキャリヤー上に流延する方法としては、特に限定されず、例えば、バーコーター、Tダイ、バー付きTダイ、ドクターナイフ、メイア・バー、ロール・コート、ダイ・コートなどを用いて行うことができる。溶液の流延は、スプレー、ハケ、ロール、スピンコート、デッピングなどで塗布することにより行ってもよい。1回の塗布で所望の膜厚が得られない場合は、繰り返し塗布することができる。
【0055】
溶媒の乾燥除去法には、格別な制限はなく、常法に従ってできるが、残留溶媒濃度が5重量%以下、好ましくは2重量%以下、より好ましくは1重量%以下、最も好ましくは0.5重量%以下にするには、通常、2段階以上に分けて乾燥させる。まず、第1段階の乾燥としては、平板またはロール上のシートを、室温〜100℃、好ましくは室温〜80℃の温度範囲で、残留溶媒温度が10重量%以下、好ましくは5重量%以下になるまで乾燥する。この場合、乾燥温度が高すぎると、溶媒の揮発に際してシートが発泡する。次いで、平板またはロールからシートを剥離し、第2段階の乾燥として、室温から60℃以上、好ましくは70℃から樹脂のガラス転移温度(Tg)までの温度範囲に昇温させ、残留溶媒濃度が2重量%以下、好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下になるまで乾燥する。
【0056】
乾燥温度が低すぎると乾燥が進まず、温度が高すぎると発泡しやすくなる。第1段階の乾燥を行い、乾燥終了後にシートを平板またはロールから剥離し、第2段階の乾燥を行っても、あるいは第1段階の乾燥後、一旦冷却してシートを平板またはロールから剥離し、第2段階の乾燥を行ってもよい。溶媒の乾燥は、必要に応じて、減圧で行うことができる。
【0057】
溶融成形法でシートを作製する場合は、Tダイを用いた方法やインフレーション法などの溶融押出法、カレンダー法、熱プレス法、射出成形法などがある。中でも、厚さムラが小さく、10〜500μm程度の厚さに加工し易い点で、Tダイを用いた溶融押出法が好ましい。溶融成形法の条件は、同程度のTgを有する樹脂材料に用いられる一般的な条件と同様であり、例えば、Tダイを用いる溶融押出法では、樹脂温度240〜300℃程度で、引き取りロールの温度を100〜150℃程度の比較的高温として、樹脂シートを徐冷できる条件を選択することが好ましい。ダイライン等の表面の欠陥を小さくするためには、ダイには滞留部が極力少なくなるような構造が必要であり、ダイの内部やリップにキズ等が極力無いものを用いることが好ましい。
【0058】
本発明の配線基板と電子部品とを接着・接合するための熱可塑性接着性シートの厚さは、通常0.5μm〜5mm、好ましくは1μm〜2mm、さらに好ましくは5μm〜0.5mmの範囲である。シートの厚さがこの範囲である時に、配線基板上への半導体チップの搭載などの用途に使用し易いので好適である。
本発明の配線基板と電子部品とを接着・接合するための熱可塑性接着性シートのガラス転移温度(Tg)は、使用目的に応じて適宜選択されるが、通常50〜500℃、好ましくは100〜450℃、より好ましくは120〜400℃の範囲である。本発明の配線基板と電子部品とを接着・接合するための熱可塑性接着性シートのTgがこの範囲にあるときに、耐熱性に優れるため好適である。本発明の配線基板と電子部品とを接着・接合するための熱可塑性接着性シートの誘電率は、使用目的に応じて適宜選択されるが、1MHzの測定値で、通常5.0以下、好ましくは4.0以下、より好ましくは3.5以下である。本発明の配線基板と電子部品とを接着・接合するための熱可塑性接着性シートの誘電正接は、使用目的に応じて適宜選択されるが、1MHzの測定値で、通常0.10以下、好ましくは0.05以下、好ましくは0.01以下である。本発明の配線基板と電子部品とを接着・接合するための熱可塑性接着性シートの吸水率は、使用目的に応じて適宜選択されるが、通常1.0%以下、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.3%以下である。
【0059】
積層体
本発明の配線基板と電子部品とを接着・接合するための熱可塑性接着性シートは、誘電特性、低吸水性、耐熱性、及び長期信頼性にも優れるので、基板と半導体チップとの接合、特に、近年開発された基板電極とボールグリットアレイ(BGA)などの半導体チップ上のチップ電極とを直接接合するフリップチップ実装に有用である。もちろん、本発明のシートは、バンプ接合にも好適である。
【0060】
基板としては、格別な限定はなく、通常の半導体分野で使用される実装用の配線基板を用いることができる。具体的には、ガラスエポキシプリント配線基板、ガラスポリイミドプリント配線基板、ビスマレイミドトリアジン樹脂プリント基板、ポリフェニレンエーテルプリント配線基板、フッ素樹脂プリント配線基板、オレフィン系樹脂プリント配線基板などのプリント配線基板;ポリエチレンテレフタレートフレキシブルプリント配線基板、ポリイミドフレキシブルプリント配線基板などのフレキシブルプリント配線基板(FPC);シリコンウェハ基板;セラミック基板;感光性樹脂等を使用した高密度実装基板;樹脂付き金属箔やドライフィルムなどのフィルム積層型の基板;ポリフェニレンスルフィドや液晶ポリマーなどの熱可塑性エンジニアリングプラスチックフィルムなどのフィルム配線基板などが挙げられる。
【0061】
半導体チップとしては、通常の半導体分野で用いられるものが格別な制限もなく使用でき、例えば、CPU(中央演算装置)やメモリ(DRAM)などを挙げることができる。また、所望により、電子部品として、半導体チップ以外の一般電子部品類を使用することができる。
【0062】
本発明の配線基板と電子部品とを接着・接合するための熱可塑性接着性シートを用いた配線基板と半導体チップとの接合方法は、常法に従えばよく、通常、配線基板と半導体チップとの間に本発明の配線基板と電子部品とを接着・接合するための熱可塑性接着性シートを介在させ、加熱圧着することにより行うことができる。加熱圧着の条件は、配線基板及び半導体チップに応じて適宜選択できるが、加熱温度が通常50〜500℃、好ましくは100〜400℃、より好ましくは150℃〜300℃の範囲であり、圧力が通常2〜200kg/cm2、好ましくは5〜100kg/cm2、より好ましくは10〜50kg/cm2の範囲であり、加熱圧着時間が1秒間〜5時間、好ましくは5秒間〜30分間、より好ましくは10秒間〜1分間の範囲である。加熱圧接することにより、端子間接続が行われ、同時に配線基板と半導体チップが接着され、端子間以外のシート部分は絶縁樹脂層を形成する。同様の条件で、他の電子部品と配線基板との接着・接合を行うことができる。
【0063】
【実施例】
以下に、参考例、実施例、及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、これらの例中、部及び%にて記載されているものは、特に断りのない限り、それぞれ重量部及び重量%を意味する。
(1)ガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)法により測定し、以下の基準で評価した。
◎:130℃以上、
○:120℃以上130℃未満、
△:110℃以上120℃未満、
×:110℃未満。
(2)分子量は、特に記載しない限り、クロロホルムを溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算値として測定した。
(3)水素添加率及びポリマーの変性率は1H−NMRにより測定した。
(4)1MHzにおける誘電率及び誘電正接、並びに吸水率は、JIS C6481に準じて測定した。
(5)接着強度は、接着剤を短冊状の厚さ0.8mmのガラスエポキシ基板(FR−4)とシリコンウェハに挟み込み、250℃の熱プレスで接着して(接着面積=10×10mm)、得られたサンプルの剪断強度を引張試験機によって測定し、接着強度として表わした。接着強度は、以下の基準で評価した。
◎:100kg/cm2以上、
○:50kg/cm2以上100kg/cm2未満、
△:20kg/cm2以上50kg/cm2未満、
×:20kg/cm2未満。
【0064】
(6)熱分解温度は、熱重量分析法(TG/DTA)によりポリマー成分の重量減少を測定し、重量が5%減少したときの温度で示した。
(7)ポリマーフィルム中の残留溶剤は、ガスクロマトグラフィーにより測定した。
(8)温度サイクル試験(TCT)は、前述のガラスエポキシ基板に半導体チップを加熱圧着した後、−55℃(15min)〜室温(5min)〜125℃(15min)〜室温(5min)の温度サイクルを繰り返すことで温度衝撃を加え、不良発生(剥離)の有無を調べ、以下の基準で評価した。
◎:500回以上不良の発生が観察されない、
○:300回以上500回未満で不良が観察された、
△:100回以上300回未満で不良が観察された、
×:100回未満で不良が観察された。
(9)プレッシャークッカー試験(PCT)に準ずる高温高湿試験は、前述のガラスエポキシ基板に半導体チップを加熱圧着した後、湿度100%、温度105℃の環境下に放置し、不良発生の有無を調べ、以下の基準で評価した。
◎:500HR以上不良の発生が観察されない、
○:300HR以上500HR未満で不良の発生が観察された、
△:100HR以上300HR未満で不良の発生が観察された、
×:100HR未満で不良の発生が観察された。
【0065】
[合成例1]
六塩化タングステン、トリイソブチルアルミニウム、イソブチルアルコールを重合触媒として用い、公知の方法により8エチルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−3−ドデセン(以下、ETDと略す)を重合し、さらにニッケルアセチルアセトナートとトリイソブチルアルミニウムを用いて公知の方法により水素化反応を行い、開環重合体水素添加重合体を得た。得られた重合体100部に対して、無水マレイン酸3部、ジクミルペルキシド1.5部、tert−ブチルベンゼン300部を混合し、オートクレーブ中にて135℃、4時間反応を行った後、反応液を上記と同様にして凝固、乾燥し、無水マレイン酸変性ポリマーを得た。得られた重合体100部に対して、p−アミノ安息香酸(以下、A−PhCOOHと略すことがある)8部を添加して135℃で1時間分解反応を行い、変性ポリマー(A)を得た。それぞれの物性を表1に示した。
【0066】
[合成例2]
p−アミノ安息香酸をp−アミノフェノール(以下、A−PhOHと略すことがある)に変える以外は、合成例1と同様にして変性ポリマー(B)を得た。それぞれの物性を表1に示した。
【0067】
[合成例3]
p−アミノ安息香酸8部をジエチルアミン(以下、Et2NHと略すことがある)6部に変える以外は、合成例1と同様にして変性ポリマー(C)を得た。それぞれの物性を表1に示した。
【0068】
[合成例4]
p−アミノ安息香酸8部をイソプロピルアルコール(以下、IPAと略すことがある)20部に変える以外は、合成例1と同様にして変性ポリマー(D)を得た。それぞれの物性を表1に示した。
【0069】
[合成例5]
無水マレイン酸3部をアリルグリシジルエーテル5部、ジクミルペルオキシド1.5部を3部に変える以外は、合成例1と同様にしてエポキシ変性ポリマーを合成した。得られた重合体100部に対して、p−アミノ安息香酸13部を添加して135℃で1時間分解反応(以下、AGE開環と略すことがある)を行い、変性ポリマー(E)を得た。それぞれの物性を表1に示した。
【0070】
[合成例6]
p−アミノ安息香酸をp−アミノフェノールに変える以外は、合成例5と同様にして変性ポリマー(F)を得た。それぞれの物性を表1に示した。
【0071】
[合成例7]
p−アミノ安息香酸8部をジエチルアミン10部に変える以外は、合成例5と同様にして変性ポリマー(G)を得た。それぞれの物性を表1に示した。
【0072】
[合成例8]
p−アミノ安息香酸8部をアンモニア3部に変える以外は、合成例1と同様にして変性ポリマー(H)を得た。それぞれの物性を表1に示した。
【0073】
[合成例9]
テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−3−ドデセン(以下、TCDと略す)とエチレンを公知の方法により共重合して得た付加型共重合体を用いること以外は,合成例1と同様にして変性ポリマー(I)を得た。それぞれの物性を表1に示した。
【0074】
[合成例10]
特開平7−258318号公報に記載されているLi系リビングアニオン重合触媒〔n−BuLi/テトラメチレンジアミン(TMEDA:リビングアニオン安定化剤)=1/1(モル比)〕を用いて、1,3−シクロヘキサジエン(C−HD)を重合して得た1,4−付加型重合体の水素化重合体を用いる以外は、合成例1と同様にしてマレイン酸ハーフエステル変性ポリマー(J)を得た。それぞれの物性を表1に示した。
【0075】
[合成例11]
無水マレイン酸8部をアクリルアミド30部に、ジクミルペルオキシド1.5部をジ−tert―ブチルペルオキシド6.4部に変える以外は、合成例1と同様にしてアクリルアミド変性ポリマー(K)を得た。それぞれの物性を表1に示した。
【0076】
[合成例12]
無水マレイン酸8部をp−アミノスチレン30部に、ジクミルペルオキシド1.5部をジ−tert―ブチルペルオキシド6.4部に変える以外は、合成例1と同様にしてアミノスチレン変性ポリマー(L)を得た。それぞれの物性を表1に示した。
【0077】
【表1】
【0078】
[実施例1〜10]
合成例1〜10で得られたポリマー(A)〜(J)を、樹脂成分量が30%となるようにキシレンに溶解した。この溶液を用いて、ポリテトラフルオロエチレン板上に厚さ100〜300μmに塗工し、200℃、1時間窒素中で乾燥させて、厚さ50〜70μmのシートを得た。得られたすべてのシート中には、残留溶剤が0%で有り、タック性はなかった。このシートの接着強度、耐熱性(Tg及び熱分解温度)、吸水率、誘電特性(誘電率と誘電正接)を表2に示した。
また、得られたシートを銅配線を施したガラスエポキシ基板上に置き、その上からシリコンを基体とする半導体部品(125μmピッチ、360ピン)を加熱圧着して接着・接合した。そして、この試料の温度サイクル試験(TCT)、高温高湿試験における不良発生の有無を調査した。評価結果を表2に示したが、いずれの試料も優れた結果を示した。
【0079】
[比較例1]
合成例11で得られたポリマー(K)を用いる以外は、実施例1〜10と同様にして、接着強度、耐熱性(Tg及び熱分解温度)、吸水率、誘電特性(誘電率と誘電正接)を測定し、表2に示した。いずれの結果も、実施例1〜10に比較して劣っていた。また、同様に温度サイクル試験(TCT)、高温高湿試験の結果を表2に示したが、信頼性の低いことが確認された。
【0080】
[比較例2]
合成例12で得られたポリマー(K)を用いる以外は、実施例1〜10と同様にし、接着強度、耐熱性(Tg及び熱分解温度)、吸水率、誘電特性(誘電率と誘電正接)を測定し、表2に示した。いずれの結果も、実施例1〜10に比較して劣っていた。また、同様に温度サイクル試験(TCT)、高温高湿試験の結果を表2に示したが、信頼性の低いことが確認された。
【0081】
【表2】
【0082】
【発明の効果】
本発明によれば、脂環式構造含有重合体の持つ耐熱性、耐湿性、低吸水性、誘電特性などの諸特性を維持しつつ、接着性に優れ、しかも長期信頼性に優れた配線基板と電子部品とを接着・接合するための熱可塑性接着性シートが提供される。特に、本発明によれば、配線基板と半導体チップとを、前記配線基板と電子部品とを接着・接合するための熱可塑性接着性シートを介して加熱圧着することにより、接着・接合した積層体を提供することができる。
Claims (7)
- ヒドロキシル基及びカルボキシル基からなる群より選択される極性基を、重合体中の総モノマー単位数を基準として0.3〜50モル%の範囲で有する、ノルボルネン系モノマーの開環重合体の水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加型重合体、及びノルボルネン系モノマーと該ノルボルネン系モノマーと共重合可能な、炭素数2〜20のエチレンまたはα−オレフィン、シクロオレフィン、及び非共役ジエンから選ばれる少なくとも1種のビニル化合物との付加型共重合体からなる群より選ばれる脂環式構造含有重合体から形成された、配線基板と電子部品とを接着・接合するための熱可塑性接着性シート。
- 前記極性基が、脂環式構造含有重合体に、オキシ基、エポキシ基、オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基、カルボニルオキシカルボニル基の群から選ばれるいずれか一種の官能基を有する炭素−炭素不飽和化合物をグラフト変性反応させた後に活性水素含有化合物を反応させる方法か、或いは、脂環式構造含有重合体に、オキシ基、エポキシ基、オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基、カルボニルオキシカルボニル基の群から選ばれるいずれか一種の官能基を有する炭素−炭素不飽和化合物をグラフト変性反応させた後に活性水素含有化合物のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を反応させ、次いで、加水分解させる方法によって変性された極性基である、請求項1記載の配線基板と電子部品とを接着・接合するための熱可塑性接着性シート。
- 前記の極性基を有する脂環式構造含有重合体から溶液流延法または溶融成形法により形成されたものである請求項1または2に記載の配線基板と電子部品とを接着・接合するための熱可塑性接着性シート。
- ヒドロキシル基及びカルボキシル基からなる群より選択される極性基を、重合体中の総モノマー単位数を基準として0.3〜50モル%の範囲で有する、ノルボルネン系モノマーの開環重合体の水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加型重合体、及びノルボルネン系モノマーと該ノルボルネン系モノマーと共重合可能な、炭素数2〜20のエチレンまたはα−オレフィン、シクロオレフィン、及び非共役ジエンから選ばれる少なくとも1種のビニル化合物との付加型共重合体からなる群より選ばれる脂環式構造含有重合体を、シート状に溶液流延または溶融成形する、配線基板と電子部品とを接着・接合するための熱可塑性接着性シートの製造方法。
- 前記極性基が、脂環式構造含有重合体に、オキシ基、エポキシ基、オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基、カルボニルオキシカルボニル基の群から選ばれるいずれか一種の官能基を有する炭素−炭素不飽和化合物をグラフト変性反応させた後に活性水素含有化合物を反応させる方法か、或いは、脂環式構造含有重合体に、オキシ基、エポキシ基、オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基、カルボニルオキシカルボニル基の群から選ばれるいずれか一種の官能基を有する炭素−炭素不飽和化合物をグラフト変性反応させた後に活性水素含有化合物のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を反応させ、次いで、加水分解させる方法によって変性された極性基である、請求項4記載の配線基板と電子部品とを接着・接合するための熱可塑性接着性シートの製造方法。
- 配線基板と電子部品とを、請求項1記載の配線基板と電子部品とを接着・接合するための熱可塑性接着性シートを介して積層してなる積層体。
- 配線基板と電子部品とを、請求項1記載の配線基板と電子部品とを接着・接合するための熱可塑性接着性シートを介して加熱圧着する積層体の製造方法。
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