JP2597496C - - Google Patents

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JP2597496C
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Tokai Kogyo Sewing Machine Co Ltd
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Tokai Kogyo Sewing Machine Co Ltd
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、刺繍枠の形状と刺繍柄の形状とを表示し、刺繍柄が刺繍枠の寸法 内に納まるかを判定することができるようにした自動刺繍機に関する。 〔従来の技術〕 従来より、刺繍機には、刺繍枠のX,Y移動範囲を所定範囲に制限するために
、刺繍枠の±X,±Y方向に関して合計4個のリミットスイッチが設けられてお
り、このリミットスイッチが刺繍枠支持体を検知したとき、刺繍機の破損を防止
するために、刺繍機の運転を停止するようになっている。 ここで、刺繍枠支持体に支持される刺繍枠の形状が、支持体の形状に合致した
四角であれば、特に問題はないが、刺繍枠の形状が楕円や丸の場合も有り、その
場合は、針の位置が刺繍枠から外れているにも拘らず、上記リミットスイッチが
刺繍枠支持体を検知しない区域ができてしまう。刺繍柄の一部がそのような区域
にかかると、刺繍機が停止されないことにより、針が枠に当たり、機械を破損さ
せることがあった。 そのような問題を解決するために、特開昭59−106557号公報には、刺
繍開始前において、刺繍枠の形状を適宜の原点からの極座標データによって求め
、刺繍動作時に、各ステッチ毎の刺繍データに基づき刺繍柄における各ステッチ
の針位置の絶対位置を極座標によって求め、この針位置の極座標データと刺繍枠
の極座標データとの比較に基づき、針位置が刺繍枠にかかる若しくは枠から外れ
る場合は刺繍機の運転を停止することが開示されている。 〔発明が解決しようとする課題〕 上述のような従来の刺繍機においては、刺繍縫い動作時における各ステッチ毎
の縫い動作時に上記のような判定処理をその都度行わねばならなかったため、刺
繍運転を実際に行ってみなければ、刺繍柄が枠からはみでるかどうかが判らなか
った。そのため、極めて不便であり、面倒でもあった。 この発明は上述の点に鑑みてなされたもので、所望の刺繍柄の刺繍縫い運転を
行う前に、事前に、該刺繍柄が刺繍枠の中に納まるかを判定することができるよ
うにした自動刺繍機を提供しようとするものである。 〔課題を解決するための手段〕 この発明に係る刺繍機は、縫いデータ記憶手段に記憶した縫いデータを読み出
し、該縫いデータに基づき該縫いデータによって実現される刺繍柄模様の図形パ ターンデータを作成する柄図形パターンデータ作成手段と、刺繍枠の形状を図示
するための図形パターンデータを発生する枠図形パターンデータ発生手段と、前
記柄図形パターンデータ作成手段によって作成された柄図形パターンデータ及び
前記枠図形パターンデータ発生手段によって発生された枠図形パターンデータに
基づき刺繍柄模様及び刺繍枠形状をそれぞれ表示する表示手段と、前記柄図形パ
ターンデータ作成手段によって作成された柄図形パターンデータ及び前記枠図形
パターンデータ発生手段によって発生された枠図形パターンデータとに基づき柄
図形と枠図形とのビットパターンを比較し、刺繍柄模様が刺繍枠の輪郭に交差す
る箇所があるか否かを判定することにより刺繍柄模様が刺繍枠の中に納まるかを
判定する判定手段とを具え、前記判定手段によって刺繍柄模様が刺繍枠の中に納
まるかを自動的に判定できると共に、前記表示手段で表示した刺繍柄模様と刺繍
枠形状との目視比較により刺繍柄の刺繍枠に対する納まり具合を目視判定できる
ようにしたことを特徴とするものである。これを図によって示すと第1図(
のようである。1が縫いデータ記憶手段であり、任意の刺繍柄に対応する刺繍縫
い動作を実現するための縫いデータを記憶するもの、2が刺繍縫い動作を実行す
る手段であり、縫いデータ記憶手段1から縫いデータを読み出し、読み出した縫
いデータに応じて刺繍縫い動作を実行するもの、である。3が上記柄図形パター
ンデータ作成手段、4が上記枠図形パターンデータ発生手段、5が上記表示手段
、6が判定手段である。 この発明に係る自動刺繍機の実施態様の一例を例示すると、次の〜の通り
である。 前記枠図形パターンデータ発生手段は、刺繍枠の形状を示す枠形状データを記
憶する枠形状データ記憶手段と、この枠形状データ記憶手段に記憶した枠形状デ
ータを読み出し、該枠形状データに基づき前記刺繍枠の形状を図示する枠図形パ
ターンデータを作成する枠図形パターンデータ作成手段とを含むものである。 前記枠図形パターンデータ作成手段は、前記枠形状データ記憶手段から読み出
した枠形状データに基づき刺繍枠の図形パターンデータを作成する演算を行なう
演算手段と、この演算手段によって作成した枠図形パターンデータを記憶する枠
図形パターンデータ記憶手段とを含むものである。 前記枠図形パターンデータ作成手段は、作成する図形パターンデータの縮尺率
を設定する手段を含み、設定された縮尺率で該図形パターンデータを作成し、表
示するようにしたものである。 前記柄図形パターンデータ及び枠図形パターンデータはビットパターンデータ
である。 前記判定手段は、柄図形パターンデータと枠図形パターンデータのビットパタ
ーンデータの論理積を各ビット毎にとり、論理積条件が成立したビットが1つで
もあれば、刺繍柄模様が刺繍枠の輪郭に交差することになるので、該刺繍柄模様
が刺繍枠の中に納まらないと判定するものである。 〔作用〕 柄図形パターンデータ作成手段3により、縫いデータ記憶手段1に記憶した縫
いデータを読み出し、該縫いデータに基づき該縫いデータによって実現される刺
繍柄模様の図形パターンデータを作成する。また、枠図形パターンデータ発生手
段4により、刺繍枠の形状を図示するための図形パターンデータを発生する。表
示手段5では、柄図形パターンデータ作成手段3によって作成された柄図形パタ
ーンデータ及び枠図形パターンデータ発生手段4によって発生された枠図形パタ
ーンデータに基づき刺繍柄模様及び刺繍枠形状の表示を行なう。こうして、表示
手段5で表示した刺繍柄模様と刺繍枠形状との比較により刺繍柄が刺繍枠内に納
まるかを判定することができる。 このように表示手段5で表示した刺繍柄模様と刺繍枠形状との比較により刺繍
柄が刺繍枠内に納まるかを判定することができるようにしたので、刺繍運転を実
際に行うまでもなく、事前の表示に基づき、刺繍柄が刺繍枠からはみでるか否か
を判定することができる。 また、判定手段6を設けることにより、刺繍柄が刺繍枠内に納まるかを自動的
に判定することができるので、この場合も、刺繍運転を実際に行うまでもなく、
刺繍柄が刺繍枠からはみでるか否かを判定することができる。 また、表示手段5と判定手段6を併設することにより、判定手段6によって刺
繍柄模様が刺繍枠の中に納まらないと判定されたときに、表示手段5で表示した
刺繍柄模様と刺繍枠形状との目視比較により刺繍柄の刺繍枠に対する納まり具合 を目視判定できるので、どのような大きさの枠に替えるべきか、あるいは刺繍柄
をどのように変更すべきかが即座に判り、非常に扱い易いものとなる。 しかも、判定手段6では、柄図形と枠図形とのビットパターンを比較し、刺繍
柄模様が刺繍枠の輪郭に交差する箇所があるか否かを判定寸ることにより刺繍柄
模様が刺繍枠の中に納まるかを判定するので、刺繍枠が楕円や円形の場合におい
ても、枠の輪郭形状に合うように、効率的に判定を行うことができる。 〔実施例〕 以下、本発明の一実施例につき、添付図面を参照して詳細に説明しよう。 第2図は本発明に係る自動刺繍機の制御システムの一実施例を示すハード構成
図である。CPU11,プログラムROM12,ワーキングRAM13を含むマ
イクロコンピュータによってこの自動刺繍機全体の動作が制御される。データR
AM14は、所望の刺繍柄模様を実現する縫いデータ及びその他刺繍縫いに関連
する各種のデータを記憶するものである。刺繍柄模様の図形パターンデータを記
憶する柄図形パターンメモリGPM1と刺繍枠形状の図形パターンデータを記憶
する枠図形パターンメモリGPM2が設けられている。これらの図形パターンメ
モリGPM1,GPM2は例えばRAMからなるものである。 操作パネル15は、各種設定スイッチや表示器等を含むものである。紙テープ
リーダ16は、紙テープに記録された縫いデータ(1ステッチ毎の刺繍枠の位置
を指示するX,Yデータ、並びに色換え、ミシン主軸停止、ジャンプ等の刺繍ミ
シンの各動作を指示するファンクションデータなど、刺繍縫い動作に直接関連す
るデータ)の読出しを行なうものであり、任意の刺繍柄を実現する縫いデータを
記録した紙テープ17がセットされる。この紙テープリーダ16を介して紙テー
プ17から読み取った縫いデータがデータRAM14に転送記憶される。 なお、この実施例においては、柄図形パターンメモリGPM1に記憶すべき刺
繍柄模様の図形パターンデータは、データRAM14に記憶している上記縫いデ
ータに基づき作成するようにしている。 また、この実施例においては、1又は複数種の刺繍枠につき、その形状をステ
ッチデータ形式(刺繍枠の形状を適宜の縫い幅からなる縫い模様に換算して、そ
の1縫い毎のX,Y方向の変位データにより該刺繍枠の形状を表現するデータ形 式)で表わしてなる「枠データ」をデータRAM14に記憶しておくようになっ
ている。この「枠データ」は、通常の刺繍縫いデータと同様に、所望のものを紙
テープ17から読み取ってデータRAM14に記憶するようにするとよい。そし
て、この実施例においては、枠図形パターンメモリGPM2に記憶すべき刺繍枠
形状の図形パターンデータは、データRAM14に記憶している上記「枠データ
」に基づき作成するようにしている。 X軸パルスモータ18は刺繍枠20をX軸方向に移動させるものであり、Y軸
パルスモータ19は刺繍枠20をY軸方向に移動させるものである。前記パルス
モータ18,19にはパルスモータドライバ21を介して駆動信号が与えられる。 主軸モータ22はこの自動刺繍機のミシン主軸23を回転駆動させるものであ
り、周知のように、このミシン主軸23の回転に応じて針棒や釜が駆動される。
ロータリエンコーダ24は前記主軸23(若しくはモータ22)の回転角度を検
出するものである。 1つの縫いヘッドHDが多針本縫いヘッドであるとすると、このヘッドHDは
、複数の針棒(各針棒には異なる色の糸が夫々取付けられている)を具えている
。色換モータ25は、その回転駆動によって、該ヘッドHDの複数の針棒のうち
1つを選択して該ヘッドHD内の針棒駆動機構によって駆動され得るようにする
。針棒駆動機構はミシン主軸23の回転に応じて針棒を上下動させるものであり
、周知のものであるため、特に図示しない。縫いヘッドHDは、1個に限らず、
複数個併設されていてよい。 起動/停止スイッチ26はバースイッチからなり、バーを例えば右方向に操作
すると起動スイッチオンとなり、左方向に操作すると停止スイッチオンとなる。
起動スイッチオンのときはミシン主軸23の回転が開始され、停止スイッチオン
のときはミシン主軸23の回転が停止される。 通信インタフェース27は、外部機器28との間で縫いデータ及び制御データ
の入出力を行うための外部入出力インタフェースであり、例えば電気規格がRS
−232Cシリアルインタフェース等である。 外部機器28は、例えば、通信機能を有するパーソナルコンピュータあるいは
適宜のインテリジェント型の端末装置等から成るものであり、刺繍柄に対応する 縫いデータ及び制御データの設定・編集・記憶等を適宜行うことができるもので
あり、刺繍機との間で通信ラインを介して縫いデータ及び制御データの入出力を
行う。 自動刺繍機においては更にその他の装置・機器が設けられるが、それらに関し
ては図示を省略する。自動刺繍機の制御システムを構成する各装置は、インタフ
ェースI/Fを介してマイクロコンピュータとの間で信号を授受する。 操作パネル15に設けられたスイッチ及び表示器の一例を示すと、第3図のよ
うである。 表示器DPYは、様々なデータの設定時に設定中のデータを表示したり、ある
いは設定済みの各種データの内容の確認のためにこれを表示したり、あるいはそ
の他必要な情報を表示したりするためのものであり、文字表示及び必要に応じて
図形表示も可能なものである。表示器DPYは、いくつかの表示モードで使用す
ることができ、その表示モードの1つとして様々なデータの設定あるいはその設
定内容の確認表示のための表示モードがある。その場合、第3図に例示したよう
に、表示器DPYは、その上段で比較的大きなエリアを占める設定内容表示部D
PY1と、その下段のファンクションスイッチ説明表示部DPY2とに分かれて
機能する。また、別の表示モードにおいては、刺繍柄模様の図形パターンを表示
するための表示手段としてこの表示器DPYが機能する。例えば、この表示器D
PYとして、液晶ディスプレイを用いることができる。 表示器DPYの下側に、6つのファンクションスイッチF1〜F6が設けられ
ている。前述のファンクションスイッチ説明表示部DPY2は、これらの各ファ
ンクションスイッチF1〜F6に現在割当てられている機能を説明する表示を行
うものである。各ファンクションスイッチF1〜F6に対する機能割当て状態に
よっては、左側の5つのファンクションスイッチF1〜F5が実質的な各種デー
タ設定機能等に対応するファンクションスイッチとなり、残りのスイッチF6が
次候補(NEXT)選択キーとして機能することがある。ファンクションスイッ
チ説明表示部DPY2は、各ファンクションスイッチF1〜F6に対応する6つ
の表示枠からなり、F1〜F6に対応する各表示枠には、各ファンクションスイ
ッチF1〜F6に現在割当てられている機能を説明する表示(例えばこの表示は 「データ入力」あるいは「プロコン」等の文字からなる)が現れる。その場合、
ファンクションスイッチF6が次候補選択キーとして機能しているならば、F6
に対応する表示枠には、その次候補選択キー機能を説明する表示「NEXT」が
現れる。 表示器DPYの右隣に配されたファンクションメニュー部MENUは、ファン
クションスイッチF1〜F6に割当て可能な全てのデータ設定機能を示す表示を
可視的かつ固定的に表示した一覧表である。このファンクションメニュー部ME
NUは、プログラムモードメニューPRO.MENUと運転モードメニューRU
N.MENUとからなる。プログラムモードメニューPRO.MENUは、プロ
グラムモード時において各ファンクションスイッチF1〜F6に割当て可能な全
ての機能を表示するものである。運転モードメニューRUN.MENUは、運転
モード時において各ファンクションスイッチF1〜F6に割当て可能な全ての機
能を表示するものである。 プログラムモードとは、所望の刺繍柄を実現するための刺繍縫いプログラムに
関連する各種のデータの設定(例えば、所望の刺繍柄に対応する縫いデータの入
力すなわち「データ入力」や糸色換え手順の設定すなわち「プロコン」など)を
行うモードである。運転モードとは、刺繍機の運転開始に先だって各種の運転条
件(例えばミシン主軸回転数等)の設定を行うモードである。 表示切換スイッチSW1は、表示器DPYの表示モードを切り換えるためのも
のである。例えば、図示のように設定内容表示部DPY1とファンクションスイ
ッチ説明表示部DPY2とに分けて表示器を使用する表示モードから別の表示モ
ードに切り換えるときにこの表示切換スイッチSW1を操作する。 プログラムモードスイッチSW2は、この刺繍機の動作モードを上記プログラ
ムモードに設定するときに操作するスイッチである。 運転モードスイッチSW3は、この刺繍機の動作モードを上記運転モードに設
定するときに操作するスイッチである。 枠移動キースイッチFKYは、刺繍枠20を手動操作で移動させるときに操作
するスイッチである。テンキースイッチTKYは各種の数値データを入力するた
めのスイッチである。設定確認スイッチSW4は、各種のデータ設定操作におい て、設定内容を確認するときに操作するスイッチである。セットスイッチSW5
は、テンキースイッチTKYによって入力した数値データを登録するときあるい
はファンクション設定完了時に操作されるものであり、リターンキーとして機能
する。 次に、刺繍柄模様あるいは刺繍枠形状の図形パターン表示の具体例について説
明する。 図形表示モードのとき、表示器DPYは、刺繍柄模様あるいは刺繍枠形状の図
形パターンをドットパターンで表示する。詳しくは、柄図形パターンメモリGP
M1及び枠図形パターンメモリGPM2に記憶する図形パターンデータは、1ビ
ットが1ドットに対応している。 一例を示すと、表示器DPYは、第4図(a)に示すように、128×128
ドットからなり、2048バイトのドットデータにより構成される。各図形パタ
ーンメモリGPM1,GPM2は、第4図(b)に示すように、表示器DPYの
ドット数に対応して2048バイトの記憶容量を夫々持つ。例えば、00(H)〜
0F(H)の16アドレス(16×8=128ビット)が表示器DPYの最上段の
128ドットに対応しており、10(H)〜7FF(H)の1920アドレスが表示器DP
Yの残りのドットに対応している。なお、(H)は16進表現であることを示す。 所望の刺繍柄を実現する縫いデータに基づき該縫いデータによって実現される
刺繍柄模様の図形パターンデータを作成するには、例えば、次のように行う。縫
いデータは、1ステッチ毎のX,Yデータとファンクションデータとからなる。
X,Yデータは、前ステッチに対する刺繍枠20の相対的移動量を示しており、
各ステッチ毎の絶対座標は示していない。刺繍柄模様を図形表示するには、各ス
テッチ毎の絶対座標を求める必要がある。そのため、刺繍スタート点から任意の
i番目のステッチまでのXデータ及びYデータを夫々下記のように累算すること
により、任意のi番目のステッチの絶対座標XAi,YAiを求める(第5図参
照)。なお、この場合、座標原点は刺繍スタート点である。 XAi=X1+X2+X3+…+Xi YAi=Y1+Y2+Y3+…+Yi …(1) 次に、上記のような刺繍枠上の絶対座標XAi,YAiを表示器上の絶対座標X ai,Yaiに変換する。ここで、表示器DPYの大きさは、刺繍枠20の大きさ
に対して十分に小さい。そのため、実際の刺繍柄の大きさに対して適宜の比率で
縮尺した図形を表示器DPYで表示するものとする。この場合、縮尺率すなわち
変換倍率Kは適宜に選択できるようにするとよい。変換倍率Kの一例を示すと、
1/2,1/3,1/5,1/10などである。変換式は例えば次のようである。 Xai=INT(K×XAi+0.5)+Xs Yai=INT(K×YAi+0.5)+Ys…(2) ここで、INT( )は( )の中の数値を整数化することを示す。0.5をプラ
スする理由は、積K×XAi及びK×YAiを夫々四捨五入するためである。Xs
,Ysは表示器上の図形表示のスタート点のX,Y座標を示す。このスタート点
座標Xs,Ysは任意に選定できる。例えば、表示器DPYの中央のドット座標は
、63,63であり、図形表示のスタート点を表示器DPYの中央に選定した場
合は、Xs=63,Ys=63である。 上記座標Xai,Yaiは針位置であり、前回の針位置Xai-1,Yai-1と今回
の針位置Xai,Yaiとの間を結ぶ縫目線の図形座標を更に求める必要がある。
そのために、前回の針位置Xai-1,Yai-1と今回の針位置Xai,Yaiの差分
△x=Xai−Xai-1,△y=Yai−Yai-1を夫々求め、△xと△yの絶対値
の大小を比較し、その比較結果に応じて下記の処理又は処理を実行する。 処理: |△x|>|△y|のとき Xai-1からXaiまでの△xの幅を1ドット単位で分割したX座標位置Xk(
k=1,2,3…m,ただしmは△xの幅に相当するドット数)を縫目線のX座
標位置とする。k=1すなわちXk=X1のX座標位置はXai-1である。k=m
すなわちXk=XmのX座標位置はXaiである。 縫目線のY座標位置Ykは、 Yk=INT〔(△y/△x)(Xk−Xai-1) +Yai-1+0.5〕 …(3) によって求める。前述と同様に、INT〔 〕は〔 〕の中の数値を整数化する
ことを示す。0.5をプラスする理由は、〔 〕の中の数値を四捨五入するため
である。 処理: |△x|<|△y|のとき Yai-1からYaiまでの△yの幅を1ドット単位で分割したY座標位置Yk(
k=1,2,3…m,ただしmは△yの幅に相当するドット数)を縫目線のY座
標位置とする。k=1すなわちYk=Y1のY座標位置はYai-1である。k=m
すなわちYk=YmのY座標位置はYaiである。 縫目線のX座標位置Xkは、 Xk=INT〔(△x/△y)(Yk−Yai-1) +Xai-1+0.5〕 …(4) によって求める。 第6図(a)は刺繍枠上の縫目の座標の一例を示すものである。針位置Cの絶
対座標(Xai-1,Yai-1)が例えば、(500,300)であるとする。次の
針位置Dの絶対座標(Xai,Yai)が例えば、(550,260)であるとす
る。夫々の針位置C,Dの絶対座標を上記(2)式に従って表示器座標に変換する
と、第6図(b)のように(113,93)及び(118,89)となる。なお
、変換倍率Kを1/10とし、スタート点座標Xs,Ysを(63,63)とした。
この場合、△x=5,△y=−4であり、|△x|>|△y|であるから、表示器上
の縫目線のX座標位置Xkは113,114,115,116,117,118
であり、縫目線のY座標位置Ykは(3)式より、93,92,91,91,90
,89となる。従って、C'からD'までの縫目線のX,Y座標は、第6図(c)
のように、(113,93),(114,92),(115,91),(116
,91),(117,90),(118,89)となる。 以上のようにして求めた刺繍柄の図形座標データをドットパターンの形で柄図
形パターンメモリGPM1に記憶する。一般的に、図形座標(x,y)で示され
た表示器上のドット位置に対応する柄図形パターンメモリGPM1の記憶位置は
、下記式 (128−y)÷16=A余りB x÷8=C余りD …(5) より、A(H)B(H)C(H)によって示される柄図形パターンメモリGPM1のアド
レスのDビット目である。例えば、図形座標が(113,93)ならば、 (128−93)÷16=2余り3 113÷8=14余り1 から、柄図形パターンメモリGPM1におけるアドレス23E(H)の0〜7ビッ
トのうち1ビット目の記憶位置が該図形座標に対応する。図形パターンメモリG
PMにおいては、このように図形座標位置に対応する記憶位置に“1”を記憶し
、それ以外の記憶位置に“0”を記憶する。 刺繍枠の形状をステッチデータ形式で表わした「枠データ」に基づき刺繍枠形
状の図形パターンデータを作成する場合も、上述と同様の手法により行うことが
できる。前述のように、「枠データ」は、刺繍枠形状を縫い模様に換算してなる
1ステッチ毎のX,Yデータと必要に応じてファンクションデータとからなる。 「枠データ」によって表現されるステッチデータ形式の刺繍枠形状の一例を示
すと第7図のようである。第7図(a)は実際の刺繍枠の一例を示し、(b)は
この刺繍枠を縫い模様に換算した状態の一例を示す。第7図(b)において、x
印が針位置に対応し、その間を結ぶ直線が縫い幅に相当する。任意の針位置を基
準点と定め、この基準点から始まり刺繍枠の外形を一巡して基準点で終わる複数
ステッチ分のステッチデータ(各ステッチ毎のX,Yデータ)を「枠データ」と
して予め準備しておき、これを紙テープ17等に記憶しておく。1又は複数種の
刺繍枠につき、そのようなステッチデータ形式の「枠データ」を記憶した紙テー
プ17を夫々準備しておき、そのうち所望の1または複数の刺繍枠の「枠データ
」をそれに対応する紙テープ17から夫々読み出してデータRAM14に夫々記
憶する。その際、各刺繍枠を区別するために各刺繍枠に対応する「枠データ」に
夫々枠番号を割当て、この枠番号を指定することにより所望の刺繍枠の「枠デー
タ」をデータRAM14から読み出すことができるようにする。読み出した「枠
データ」に基づき枠図形パターンデータを作成し、枠図形パターンメモリGPM
2に記憶する。 このような「枠データ」に基づく枠図形パターンデータの作成(変換)及び枠
図形パターンメモリGPM2への記憶は、上述の刺繍柄の柄図形パターンデータ
の作成(変換)及び柄図形パターンメモリGPM1への記憶の場合と全く同様に
行われる。すなわち、「枠データ」に基づく枠図形パターンデータが表示器DP Y上のドット位置に対応するビットパターンデータ(ドットパターンデータ)の
形式に変換され、枠図形パターンメモリGPM2に記憶されるのである。なお、
単に「枠データ」を上述と同様にビットパターンデータに変換しただけでは、ビ
ットパターンデータからなる枠図形パターンデータの表示器DPYS上のスター
ト位置(前出のXs,Ysに該当する位置)がそのまま基準点(第7図(b)参照
)に対応するものとなり、これは表示器DPY上における柄図形パターンデータ
のスタート位置つまり刺繍開始位置に重なってしまう。そうすると、柄図形と枠
図形の比較が面倒であるし、しかも枠図形表示が表示器DPYの限られた表示枠
からはみ出してしまうこともあるので、実際の刺繍枠20における基準点の位置
と刺繍開始位置とのずれに応じたオフセット値を枠図形パターンデータに加算若
しくは減算し、柄図形パターンデータと枠図形パターンデータとの相対位置関係
を実際の位置関係に合致させるようにする。こうしてオフセット修正した枠図形
パターンデータを枠図形パターンメモリGPM2に記憶する。 こうして、作成された柄図形パターンデータと枠図形パターンデータを各図形
パターンメモリGPM1,GPM2から夫々読み出し、表示器DPYで一緒に表
示すれば、両者の図形の比較により、選択された刺繍柄が使用しようとする刺繍
枠に納まるかを判定することができる。第8図(a),(b)は表示器DPYに
おける表示の一例を示したもので、(a)は刺繍枠の図形Fの中に刺繍柄の図形
Pが納まっている状態を示し、(b)は納まっていない状態を示す。 なお、オフセット修正していない枠図形パターンデータを枠図形パターンメモ
リGPM2に記憶し、これを読み出して表示するときにオフセット修正するよう
にしてもよいのは勿論である。 また、刺繍柄の図形と刺繍枠の図形とを表示器DPYで実際に表示するまでも
なく、表示のために作成された柄図形パターンデータと枠図形パターンデータと
のデータレベルでの比較にもとづき、両図形が交差しているか否かを判定するこ
とができ、これによっても、選択された刺繍柄が使用しようとする刺繍枠に納ま
るかを自動判定することができる。 この自動判定について説明すると、ビットパターンデータからなる柄図形パタ
ーンデータとオフセット修正した枠図形パターンデータとを、同一ビット毎に比 較し、各ビット毎の論理積を夫々求める。論理積が成立したビットが1つでもあ
れば、そのビットに対応する位置で刺繍柄が刺繍枠に交差するので、該刺繍柄は
刺繍枠に納まらないと判定する。論理積が成立したビットが1つもなければ、刺
繍柄が刺繍枠に納まると判定する。この判定結果は表示器DPYあるいはその他
適宜の表示手段により表示するようにする。勿論、刺繍柄が刺繍枠に納まるか否
かの判定は、上記のような論理積による比較に限らず、その他の比較判定法によ
っても行うことができる。 なお、自動判定の場合も、オフセット修正していない枠図形パターンデータを
枠図形パターンメモリGPM2に記憶した場合は、枠図形パターンメモリGPM
2の読み出しアドレスをオフセット修正して枠図形パターンデータを読み出すよ
うにすれば、柄図形パターンと枠図形パターンの論理比較をする場合の両者の相
対位置関係を合致させることができる。 以上のように、刺繍柄が刺繍枠に納まるかが実際の刺繍縫い動作を行うまでも
なく事前に判明する。 刺繍縫い動作を開始するときは、ミシンヘッドの針位置に対する刺繍枠20の
相対位置が所定の刺繍柄開始位置になるように刺繍枠20を位置決めする。これ
は従来同様手動操作によって行ってもよいが、前述の図形表示における刺繍柄ス
タート点と刺繍枠20の基準点とのオフセット値に応じて自動によって行うよう
にしてもよい。すなわち、このオフセット値は表示器DPY上の座標スケールで
あるため、これを実際の座標スケールに変換して、その分だけ刺繍枠20を駆動
すればよいのである。表示器DPY上でのオフセット値の座標量が(Xo,Yo
)であり、前述の変換倍率がKであるとすると、オフセット値の実際の座標量(
Ox,Oy)は、 Ox=Xo/K, Oy=Yo/K …(6) で与えられる。そこで、まず、刺繍枠20を手動操作により移動してその基準点
がミシンヘッドの針位置に対応するようにする。そして、上記オフセット座標量
(Ox,Oy)だけ刺繍枠20を自動的に駆動すれば、ミシンヘッドの針位置に
対する刺繍枠20の相対位置が所定の刺繍柄開始位置になるように該刺繍枠20
を位置決めすることができる。なお、刺繍枠20における基準点の位置を指示す るために、第7図(a)に示すように、実際の刺繍枠20において基準点の位置
に所定のマークをつけておくとよい。 次に、マイクロコンピュータの制御の下で、第2図の自動刺繍機によって実行
される動作のうち特に本発明に関連する部分の動作につき、第9図以下のフロー
チャートを参照して説明する。 自動刺繍機の電源が入れられると、第9図に示すように、まず所定のイニシャ
ルルーチンを経てミシン主軸停止ルーチンに進む。本発明に関連する部分の処理
動作やその他の各種のデータ設定処理動作はこのミシン主軸停止ルーチンにおい
て実行される。非運転時はこのミシン主軸停止ルーチンを常時実行しており、起
動/停止スイッチ26により起動スイッチオンにされると、運転ルーチンに移る
。運転ルーチンでは、ミシン主軸23を駆動し、該主軸の1回転に同期して1ス
テッチ毎の縫いデータをデータRAM14の縫いデータメモリエリアから順次読
み出し、これに基づき刺繍縫い動作を行う。 ミシン主軸停止ルーチンの一例につき第10図を参照して説明する。まず停止
イニシャルルーチンにおいては、ミシン停止時における所定のイニシャル処理を
行う。次のステップ30では、動作モードフラッグの内容に基づき、動作モード
が運転モードであるか、プログラムモードであるかを調べる。動作モードは、後
述するように、プログラムモードスイッチSW2をオンすることによりプログラ
ムモードとなり、運転モードスイッチSW3をオンすることにより運転モードと
なる。 プログラムモードであれば、ステップ31にいき、プログラムモードにおける
各種データの設定処理を行う。これから刺繍縫いをしようとする刺繍柄が刺繍枠
内に納まるか否かの確認を行うためには、このプログラムモードにおいて「ソフ
ト枠リミットモード」を選択する。そのための選択は、次のように、ファンクシ
ョンスイッチF1〜F6によって行う。 プログラムモードにおいては、表示器DPYの画面はまず最初に第3図中に示
したようになり、ファンクションスイッチ説明表示部DPY2ではプログラムモ
ードにおけるA〜Eのモードの説明を表示する。ファンクションスイッチF6を
押して次候補を選ぶと、ファンクションスイッチ説明表示部DPY2ではプログ ラムモードにおけるF〜Jのモードの説明を表示する。更にファンクションスイ
ッチF6を押して次候補を選ぶと、ファンクションスイッチ説明表示部DPY2
では、第12図(a)に示すように、プログラムモードにおけるK〜Nのモード
の説明を表示する。この状態でファンクションスイッチF4を押すと、「ソフト
枠リミットモード」が選択される。これにより、第10図のステップ32の判断
「ソフト枠リミットモードか?」はYESとなり、ソフト枠リミット処理ルーチ
ン33に行く。 ソフト枠リミット処理ルーチン33の一例を第11図に示す。まず、ステップ
34では、これから刺繍縫いを行いたい刺繍柄(換言すれば刺繍枠に柄が納まる
か否かの確認を行いたい刺繍柄)の柄番号をテンキースイッチTKYにより選択
入力する。データRAM14には、複数種の刺繍柄の縫いデータが記憶されてお
り、記憶している各刺繍柄には柄番号が割当てられている。ステップ34では、
この柄番号を選択する。このステップ34では、表示器DPYの表示が第12図
(b)のように切り換わる。所望の柄番号を置数すべき箇所でそこの表示数値が点
滅する。例えば、まだ柄番号が入力されていない場合は、「00」が点滅する。
テンキースイッチTKYにより所望の柄番号を入力すると、入力された数値が点
滅する。例えば、「2」を入力すると、「02」が点滅し、柄番号として「2」
が入力されたことを示す。現在点滅中の柄番号でよい場合は設定確認スイッチS
W4を操作し、次ステップに進む。このとき、設定された柄番号データがデータ
RAM14内のレジスタに登録される。 次のステップ35では、表示スタート点の座標Xs,Ysをテンキースイッチ
TKYにより設定入力する。このステップ35では、表示器DPYの表示がまず
第12図(c)のように切り換わる。所望の表示スタート点のX軸座標データを
置数すべき箇所でそこの表示数値が点滅する。例えば、まだX軸座標データが入
力されていない場合は、中心を示す「63」が点滅する。テンキースイッチTK
Yにより所望のX軸座標データを入力すると、入力された数値が点滅する。現在
点滅中のX軸座標データでよい場合は設定確認スイッチSW4を操作し、次にY
軸座標データの設定を行う。その場合、表示器DPYの表示が第12図(d)の
ように切り換わる。上述と同様に、例えば、まだY軸座標データが入力されてい ない場合は、中心を示す「63」が点滅する。テンキースイッチTKYにより所
望のY軸座標データを入力すると、入力された数値が点滅する。現在点滅中のY
軸座標データでよい場合は設定確認スイッチSW4を操作し、次ステップに進む
。また、設定された表示スタート点のX,Y座標データXs,YsはデータRA
M14内のレジスタに登録される。 次のステップ36では、変換倍率KをテンキースイッチTKYにより設定入力
する。このステップ36では、表示器DPYの表示が第12図(e)のように切
り換わる。所望の変換倍率を置数すべき箇所でそこの表示数値が点滅する。まだ
変換倍率が入力されていない場合は、所定の基準倍率(例えば「1/10」)が点
滅する。テンキースイッチTKYにより所望の変換倍率を入力すると、入力され
た数値が点滅する。現在点滅中の変換倍率でよい場合は設定確認スイッチSW4
を操作し、次ステップに進む。設定された変換倍率データKはデータRAM14
内のレジスタに登録される。 次のステップ37では、刺繍機にセットした刺繍枠20(換言すれば刺繍柄が
この刺繍枠に納まるか否かの確認を行いたい刺繍枠)の枠番号をテンキースイッ
チTKYにより選択入力する。データRAM14には、複数種の刺繍枠の「枠デ
ータ」が記憶されており、記憶している各刺繍枠の「枠データ」には枠番号が割
当てられている。ステップ37では、この枠番号を選択する。このステップ37
では、前記ステップ34における柄番号の選択操作と同様の操作により枠番号の
選択を行うことができる。選択された枠番号データはデータRAM14内のレジ
スタに登録される。 次のステップ38では、刺繍枠の図形表示における基準点(第7図(b)参照)
のオフセット座標値Xo,Yoを設定入力する。このオフセット座標値Xo,Y
oは、前述のとおり、刺繍柄の表示スタート点の座標Xs,Ysに対する刺繍枠
の図形表示の基準点のオフセット座標値である。このステップ38におけるオフ
セット座標値Xo,Yoを設定入力操作は、前記ステップ35におけるスタート
点の座標データXs,Ysの設定入力操作と同様の操作により行うことができる
。設定入力されたオフセット座標値データXo,YoはデータRAM14内のレ
ジスタに登録される。 次のステップ39では、柄図形パターンメモリGPM1及び枠図形パターンメ
モリGPM2をクリアすると共に、表示器DPYの表示をクリアし、該表示器D
PYを図形表示モードにする。 次のステップ40では、ステッチカウンタを初期値「1」にリセットし、前記
ステップ34で設定入力された柄番号に対応する刺繍柄の縫いデータをデータR
AM14内の縫いデータ記憶エリアから読み出し開始する状態とする。 次のステップ41では、上記のように読み出し開始状態とされた特定の刺繍柄
の縫いデータのうち、ステッチカウンタにより指示された1ステッチ分の縫いデ
ータ(X,Yデータとファンクションデータ)を、データRAM14から読み出
す。 次のステップ42では、前記(1)式の演算により、今回のステッチの絶対座標
(XAi,YAi)を求める。すなわち、前回のステッチの絶対座標のX座標値
に対して、ステップ41で読み出した今回のステッチのXデータを加算し、今回
のステッチの絶対座標のX座標値XAiを求める。また、前回のステッチの絶対
座標のY座標値に対して、ステップ41で読み出した今回のステッチのYデータ
を加算し、今回のステッチの絶対座標のY座標値YAiを求める。 次のステップ43では、前記(2)式の演算により、今回のステッチの表示器上
の絶対座標(Xai,Yai)を求める。すなわち、前ステップ42で求めた刺繍枠上
の絶対座標(XAi,YAi)と、ステップ35,36で設定した表示スタート
点の座標データXs,Ysと変換倍率Kとを用いて前記(2)式の演算を行う。こ
こで求めた座標データ(Xai,Yai)は、次ステップ44で利用されると共に
、次のステッチに関するステップ44の処理で利用するためにレジスタに記憶し
ておく。 ステップ44では、隣接する針位置を結ぶ縫目線の図形座標(ドット座標)デ
ータXk,Ykを、前記処理又はに従って求める。すなわち、レジスタに記
憶している前回のステッチに関する表示器座標データ(Xai-1,Yai-1)と今
回のステッチに関する表示器座標データ(Xai,Yai)とから、差分△x,△
yを夫々求め、その大小に応じて前記処理又はのどちらかを実行し、1縫目
線に対応する図形座標データXk,Yk(ただし、k=1,2,3,…mであり
、 mは△x,△yのうち絶対値の大きい方の幅に対応するドット数)を求める。そ
して、求めた図形座標データXk,Ykをドットパターンの形で柄図形パターン
メモリGPM1に記憶する。 次のステップ45では、柄図形パターンメモリGPM1に記憶しているドット
パターン形式の図形座標データを読み出し、これに対応するドットパターン形式
の図形つまり刺繍柄の図形を表示器DPYで表示する。 次のステップ46では、前記ステップ41で読み出した1ステッチ分の縫いデ
ータのうち、ファンクションデータの内容が刺繍柄の終了を示す終了コードであ
るかをチェックする。まだ、終了でなければ、ステップ47を経由してステップ
41に戻り、ステッチカウンタにより指示される次ステッチに関して前述と同様
のステップ41〜46の処理を繰り返す。ステップ47では、ステッチカウンタ
の内容を歩進し、次のステッチを指示する。全ステッチの縫いデータに関してス
テップ41〜46の処理を完了すると、ファンクションデータが終了コードとな
り、次のステップ48に行く。このとき、刺繍柄全体の図形パターンデータが柄
図形パターンメモリGPM1に記憶されており、表示器DPYでは刺繍柄全体の
図形を表示する。 ステップ48〜55の処理は、刺繍枠の図形を表示器DPYで表示するための
処理であり、刺繍柄の図形を表示器DPYで表示するための処理である前記ステ
ップ40〜47と同様の処理内容からなるものである。 すなわち、ステップ48では、ステッチカウンタを初期値「1」にリセットし
、前記ステップ37で設定入力された枠番号に対応する刺繍枠の「枠データ」を
データRAM14内の枠データ記憶エリアから読み出し開始する状態とする。 次のステップ49では、上記のように読み出し開始状態とされた特定の刺繍枠
の「枠データ」のうち、ステッチカウンタにより指示された1ステッチ分の枠デ
ータ(X,Yデータとファンクションデータ)を、データRAM14から読み出
す。 次のステップ50では、前記(1)式と同様の演算により、前記ステップ42と
同様に、今回のステッチの絶対座標(XAi',YAi')を求める。 次のステップ51では、前記(2)式と同様の演算により、前記ステップ43と 同様に、今回のステッチの表示器上の絶対座標(Xai',Yai')を求める。た
だし、ここにおいて、前記オフセット座標値Xo,Yoに応じたオフセット修正
演算も行ってしまうようにしてよい。すなわち、前ステップ50で求めた刺繍枠
上の絶対座標(XAi',YAi')と、ステップ35,36で設定した表示スター
ト点の座標データXs,Ysと変換倍率Kとを用いて前記(2)式と同様の演算を
行い、この演算結果に対して前記ステップ38で設定したオフセット座標値Xo
,Yoを更に加算若しくは減算し、今回のステッチに関する表示器上のオフセッ
ト修正済みの絶対座標(Xai',Yai')を求める。ここで求めた座標データ(
Xai',Yai')は、次ステップ52で利用されると共に、次のステッチに関す
るステップ52の処理で利用するためにレジスタに記憶しておく。 ステップ52では、隣接する針位置を結ぶ縫目線の図形座標(ドット座標)デ
ータXk',Yk'を、前記処理又はと同様の処理に従って求める。そして、求
めた図形座標データXk',Yk'をドットパターンの形で枠図形パターンメモリG
PM2に記憶する。 次のステップ53では、枠図形パターンメモリGPM2に記憶しているドット
パターン形式の図形座標データを読み出し、これに対応するドットパターン形式
の図形つまり刺繍枠の図形を表示器DPYで表示する。なお、このとき柄図形パ
ターンメモリGPM1から既に読み出されている柄図形パターンデータと枠図形
パターンメモリGPM2から読み出した枠図形パターンデータとを同一ビット(
ドット)毎にオア合成し、その各ビット(ドット)毎のオア合成出力を表示器D
PYに入力して柄図形と枠図形とが表示器DPYで一緒に表示されるようにする
。 次のステップ54では、前記ステップ49で読み出した1ステッチ分の「枠デ
ータ」のうち、ファンクションデータの内容が終了を示す終了コードであるかを
チェックする。まだ、終了でなければ、ステップ55を経由してステップ49に
戻り、ステッチカウンタにより指示される次ステッチに関して前述と同様のステ
ップ49〜54の処理を繰り返す。ステップ55では、ステッチカウンタの内容
を歩進し、次のステッチを指示する。全ステッチの「枠データ」に関してステッ
プ49〜54の処理を完了すると、ファンクションデータが終了コードとなり、 次のステップ56に行く。 このとき、刺繍枠全体の図形パターンデータが枠図形パターンメモリGPM2
に記憶されており、表示器DPYでは刺繍柄全体の図形と共に刺繍枠全体の図形
を表示する。こうして、表示器DPYで表示された刺繍柄の図形と刺繍枠の図形
とを目視確認することにより、刺繍柄が刺繍枠に納まるか否かの確認を行うこと
ができる。 次のステップ56〜59の処理は、刺繍柄が刺繍枠に納まるか否かの判定を自
動的に行うためのものである。 ステップ56では、柄図形パターンメモリGPM1と枠図形パターンメモリG
PM2から柄図形パターンデータと枠図形パターンデータとを夫々読み出し、読
み出した柄図形パターンデータと枠図形パターンデータとの論理積演算を同一ビ
ット(ドット)毎に行う。 ステップ57では、前ステップ56における論理積演算結果において出力“1
”のビット(ドット)、つまり論理積が成立したビット(ドット)が1ビット(
ドット)でもあるかを調べる。 前述の通り、1ビット(ドット)でも論理積条件が成立していれば、刺繍柄が
刺繍枠に交差することを意味し、該刺繍柄が刺繍枠に納まらないことを意味する
。従って、その場合はステップ58に行き、所定のソフト枠“エラー”表示を行う
。 一方、論理積条件が成立するビット(ドット)が全くなければ、刺繍柄が刺繍
枠に交差せず、該刺繍柄が刺繍枠内に納まることを意味する。従って、その場合
はステップ59に行き、所定のソフト枠“OK”表示を行う。 ステップ58または59の後、メインルーチンにリターンする。 勿論、上記自動判定を行わない場合は、ステップ56〜59を省略し、ステッ
プ54のYESの後、メインルーチンにリターンするようにしてもよい。また、
上記自動判定を行う代わりに、柄図形及び枠図形の目視確認を省略する場合は、
ステップ45及び53の処理を省略してもよい。 第10図に戻り、ステップ60では運転モードスイッチSW3がオンされたか
を調べる。NOならば、ステップ31に戻り、プログラムモードの処理を繰り返
す。 運転モードスイッチSW3がオンされると、動作モードはプログラムモードか
ら運転モードに切換わる。運転モードに切換わった直後は、刺繍縫い動作開始の
ための各種データの初期化処理を行なう(ステップ61)。 ステップ62では、運転モードにおける各種データの設定処理を行う。運転モ
ードにおいては、表示器DPYのファンクションスイッチ説明表示部DPY2で
はまず運転モードにおけるA〜Eのモードの説明を表示する(第3図の運転モー
ドメニューRUN.MENU参照)。ファンクションスイッチF6を押して次候
補を選ぶと、ファンクションスイッチ説明表示部DPY2では運転モードにおけ
るF,Gのモードの説明を表示する。ファンクションスイッチ説明表示部DPY
2で所望のモードを表示する状態とし、ファンクションスイッチF1〜F5の操
作によって所望のモードを選択する。そして、テンキースイッチTKY等の操作
によって所望のデータを設定する。例えば、ミシンの回転数を設定する場合は、
Bの「回転数モード」を選択し、テンキースイッチTKYにより所望の回転数を
設定入力する。こうして、ステップ62では必要なミシン運転条件を設定する。 ステップ63では、起動/停止スイッチ26により起動スイッチオンにされた
かを調べる。起動スイッチオンならば、メインルーチンにリターンして運転ルー
チン(第9図)に入る。起動スイッチオンでなければ、ステップ64に行き、プ
ログラムモードスイッチSW2がオンされたかを調べる。NOならば、ステップ
62に戻り、運転モードにおける各種データの設定処理のためのルーチンを繰り
返す。プログラムモードスイッチSW2がオンされると、動作モードは運転モー
ドからプログラムモードに切換わり、ステップ31に行き、前述したプログラム
モードにおける各種データの設定処理のためのルーチンを繰り返す。 なお、上記実施例では、第11図のソフト枠リミット処理ルーチンで、各ステ
ッチ毎の柄図形パターンデータの作成処理を行なうと同時に作成した該柄図形パ
ターンデータに対応する図形表示を行なうようにしている。しかし、これに限ら
ず、作成済の(既に記憶してある)柄図形パターンデータを柄図形パターンメモ
リGPM1から読み出し、これを表示することができるようにしてもよい。その
場合、柄図形パターンメモリGPM1には、複数種の刺繍柄の図形パターンデー
タを記憶しておき、そのうち1つを選択して読み出して表示するようにしてもよ い。枠図形パターンデータの場合も同様に、作成済の(既に記憶してある)枠図
形パターンデータを枠図形パターンメモリGPM2から読み出し、これを表示す
ることができるようにしてもよく、その場合、枠図形パターンメモリGPM2に
は、複数種の刺繍枠の図形パターンデータを記憶しておき、そのうち1つを選択
して読み出して表示するようにしてもよい。 また、「枠データ」に基づきビットパターンからなる枠図形パターンデータの
作成を行なう処理プログラムを省略し、刺繍枠に対応する図形パターンデータを
予め記憶した記憶手段を準備し、この記憶手段から所望の刺繍枠の図形パターン
データを読み出して表示するようにしてもよい。その場合の記憶手段は、RAM
に限らず、ROMあるいは紙テープや磁気ディスクその他外部メモリであっても
よい。刺繍柄の場合も同様である。 図形パターンを表示する表示手段としては、液晶ディスプレイに限らず、CR
TディスプレイやLEDディスプレイなどの電気・電子装置のほか、印字プリン
タ等のハードコピー装置等であつてもよい。 また、上記実施例では本発明に係る刺繍柄模様及び枠形状表示若しくは判定の
ための装置が自動刺繍機内に一体に組み込まれているが、別ユニットとして既存
の自動刺繍機に付設できるようにしてもよい。 また、自動刺繍機の制御システムを汎用通信網に接続し、遠隔地のコンピュー
タシステム等から刺繍柄及び刺繍枠の図形パターン情報を供給するようにしても
よい。 〔発明の効果〕 以上の通り、この発明によれば、刺繍縫いしょうとする刺繍柄模様を表示する
と共にその刺繍縫い作業に使用する刺繍枠の形状を表示するようにしたので、表
示した刺繍柄模様と刺繍枠形状との比較により刺繍柄が刺繍枠内に納まるかを即
座に判定することができ、刺繍運転を実際に行うまでもなく、事前の表示に基づ
き、刺繍柄が刺繍枠からはみでるか否かを判定することができる、という優れた
効果を奏する。また、刺繍柄が刺繍枠内に納まるかを自動的に判定することもで
きるので、この場合も、刺繍運転を実際に行うまでもなく、刺繍柄が刺繍枠から
はみでるか否かを判定することができる、という優れた効果を奏する。また、表 示手段と判定手段を併設することにより、判定手段によって刺繍柄模様が刺繍枠
の中に納まらないと判定されたときに、表示手段で表示した刺繍柄模様と刺繍枠
形状との目視比較により刺繍柄の刺繍枠に対する納まり具合を目視判定できるの
で、どのような大きさの枠に替えるべきか、あるいは刺繍柄をどのように変更す
べきかが即座に判り、非常に扱い易いものとなる、という優れた効果を奏する。 さらに、判定手段では、柄図形と枠図形とのビットパターンを比較し、刺繍柄
模様が刺繍枠の輪郭に交差する箇所があるか否かを判定することにより刺繍柄模
様が刺繍枠の中に納まるかを判定するので、刺繍枠が楕円や円形の場合において
も、枠の輪郭形状に合うように、効率的に判定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】 第1図(a),(b)はこの発明に係る自動刺繍機の概要を夫々示す機能ブロ
ック図、 第2図はこの発明に係る自動刺繍機の一実施例の制御システムを略示するハー
ド構成ブロック図、 第3図は第2図における操作パネルの一例を示す平面図、 第4図(a),(b)は表示器の表示ドット構成例と各ドット位置に対応する図形
パターンメモリの記憶位置構成例を示す図、 第5図は刺繍柄の絶対座標の一例を示す図、 第6図(a)は隣接する針位置間の1つの縫目線の一例を示し、(b)は(a)の2
つの針位置に対応する表示器上のドット座標位置を示し、(c)は(b)の座標位
置を結ぶ縫目線に対応するドットパターン座標位置を示す図、 第7図(a)は刺繍枠の実際の形状の一例を示す平面図、(b)はこの刺繍枠の
外形形状を縫い模様に換算して表わした説明図、 第8図(a),(b)は表示器で表示した刺繍枠形状と刺繍柄模様の一例を示す
図、 第9図は第2図におけるマイクロコンピュータが実行するプログラムのメイン
ルーチンを示すフローチャート、 第10図は第9図のメインルーチン内のミシン主軸停止ルーチンの一例を示す フローチャート、 第11図は第10図におけるソフト枠リミット処理ルーチンの一例を示すフロ
ーチャート、 第12図(a)〜(e)は第11図の処理を行なっているときの表示器における表
示例を示す図、である。 1…縫いデータ記憶手段、2…刺繍縫い動作を実行する手段、3…柄図形パタ
ーンデータ作成手段、4…枠図形パターンデータ発生手段、5…表示手段、6…
判定手段、14…データRAM、GPM1…柄図形パターンメモリ、GPM2…
枠図形パターンメモリ、15…操作パネル、DPY…表示器、16…紙テープリ
ーダ、17…紙テープ、20…刺繍枠、23…ミシン主軸。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 任意の刺繍柄に対応する刺繍縫い動作を実現するための縫いデータを記憶する
    縫いデータ記憶手段と、この縫いデータ記憶手段から縫いデータを読み出し、読
    み出した縫いデータに応じて刺繍縫い動作を実行する手段とを具えた自動刺繍機
    において、 前記縫いデータ記憶手段に記憶した縫いデータを読み出し、該縫いデータに基
    づき該縫いデータによって実現される刺繍柄模様の図形パターンデータを作成す
    る柄図形パターンデータ作成手段と、 刺繍枠の形状を図示するための図形パターンデータを発生する枠図形パターン
    データ発生手段と、 前記柄図形パターンデータ作成手段によって作成された柄図形パターンデータ
    及び前記枠図形パターンデータ発生手段によって発生された枠図形パターンデー
    タに基づき刺繍柄模様及び刺繍枠形状をそれぞれ表示する表示手段と、 前記柄図形パターンデータ作成手段によって作成された柄図形パターンデータ
    及び前記枠図形パターンデータ発生手段によって発生された枠図形パターンデー
    タとに基づき柄図形と枠図形とのビットパターンを比較し、刺繍柄模様が刺繍枠
    の輪郭に交差する箇所があるか否かを判定することにより刺繍柄模様が刺繍枠の
    中に納まるかを判定する判定手段と を具え、前記判定手段によって刺繍柄模様が刺繍枠の中に納まるかを自動的に判
    定できると共に、前記表示手段で表示した刺繍柄模様と刺繍枠形状との目視比較
    により刺繍柄の刺繍枠に対する納まり具合を目視判定できるようにしたことを特
    徴とする自動刺繍機。

Family

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