JP2596783Y2 - スイッチ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、スイッチ本体をスイッ
チ取付部に取付けるための取付構造を改良したスイッチ
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】スイッチ装置の一例を示す図６におい
て、スイッチ本体１が取付けられるスイッチ取付部２
は、基部３と、この基部３上に設けられた位置決め部材
４とから構成されている。この場合、基部３の右端面部
が取付面部３ａとなっていると共に、位置決め部材４の
右端面部が位置決め面部４ａとなっており、位置決め面
部４ａと取付面部３ａとは段状をなしている。そして、
スイッチ本体１には、その下端右端部に取付凸部１ａが
下方へ向けて突設されていると共に、下面部に位置決め
部１ｂが設けられている。この構成の場合、スイッチ本
体１の位置決め部１ｂをスイッチ取付部２の位置決め面
部４ａに当接させると共に、取付凸部１ａをスイッチ取
付部２の取付面部３ａに当接させ、更に、ねじ５により
締め付け固定することによって、スイッチ本体１をスイ
ッチ取付部２に取付固定している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来構成では、スイッチ取付部２（基部３及び位置決め部
材４）の製造ばらつきにより、位置決め面部４ａの位置
が製品毎に少しずつ異なっている。このため、スイッチ
本体１をスイッチ取付部２に取付固定したとき、製品に
よっては、図７に示すように、位置決め面部４ａと位置
決め部１ｂとの間に隙間が生じて、スイッチ本体１の位
置決め精度が低下するという不具合があった。

【０００４】そこで、本考案の目的は、スイッチ本体を
スイッチ取付部に取付ける際に、スイッチ本体の位置決
め部がスイッチ取付部の位置決め面部にしっかりと当接
するようにして、スイッチ本体の位置決め精度を向上で
きるスイッチ装置を提供するにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案のスイッチ装置
は、スイッチ本体に変形可能に突設されスイッチ取付部
側の取付面部に当接され且つねじ止めされる取付片部を
備えると共に、前記スイッチ本体に設けられ前記取付面
部と段状をなす位置決め面部に当接される位置決め部を
備え、そして、前記取付片部の外側面と前記スイッチ本
体の外側面とに渡るように配設され前記取付片部と一体
に共締めされることにより前記スイッチ本体の位置決め
部が前記位置決め面部に当接する方向に前記スイッチ本
体を付勢する板ばねを備えて成るものである。

【０００６】

【作用】上記手段によれば、スイッチ本体をスイッチ取
付部に取付ける場合、スイッチ本体の取付片部をスイッ
チ取付部の取付面部に当接させてねじで締め付け固定す
る。このとき、板ばねがねじにより共締めされることか
ら、該板ばねによりスイッチ本体の位置決め部がスイッ
チ取付部の位置決め面部に当接する方向に付勢される。
この結果、スイッチ本体を取付けた状態において、スイ
ッチ本体の位置決め部がスイッチ取付部の位置決め面部
にしっかりと当接するようになり、スイッチ本体の位置
決め精度が向上する。

【０００７】

【実施例】以下、本考案を自動変速機用シフトレバー装
置（コラムタイプ）のシフトレバーの操作位置を検知す
るためのスイッチ装置に適用した一実施例について、図
１ないし図５を参照しながら説明する。まず、スイッチ
装置の取付状態を示す図１において、スイッチ取付部１
１は、シフトレバー装置のベース１２と、このベース１
２上に例えばねじ止めにより取付けられたゲート板１３
とから構成されている。このゲート板１３には、シフト
レバーを複数のシフトポジションに保持するための複数
個の係合凹部が形成されている。また、ベース１２に
は、シフトレバーがシフト操作可能に配設されている。

【０００８】ここで、ベース１２の右端面部が、スイッ
チ本体１４を取付けるための取付面部１２ａとなってお
り、この取付面部１２ａには、ねじ１５を螺挿するため
のねじ孔が形成されている。そして、ゲート板１３の右
端面部が、位置決め面部１３ａとなっており、この位置
決め面部１３ａは上記取付面部１２ａよりも少し左方へ
引っ込むように段状をなしている。更に、ゲート板１３
の右端部１３ｂとベース１２の右端部１２ｂとの間に
は、間隙１６が形成されている。

【０００９】一方、スイッチ本体１４は全体としてほぼ
矩形箱状をなしており、その下面右端部側には、図１及
び図４に示すように、ゲート板１３の右端部１３ｂに嵌
合する嵌合部１７が下方へ向けて突設されている。この
嵌合部１７は、対向する二つの突片部１８、１９からな
り、これら突片部１８、１９の下端には、爪部１８ａ、
１９ａが形成されている。この場合、二つの突片部１
８、１９間、並びに、爪部１８ａ、１９ａとスイッチ本
体１４の下面との間に、ゲート板１３の右端部１３ｂが
嵌合するように構成されている。

【００１０】また、スイッチ本体１４の下面右端部に
は、突片部２０が下方へ向けて突設されている。この突
片部２０のうちの基端部分は、上記二つの突片部１８、
１９と一体になってほぼコ字状をなすように形成されて
おり、その厚み寸法が先端部分に比べて厚く構成されて
いる。この基端部分の内面（図１中左面）側が、位置決
め部２１を構成している。また、突片部２０の先端部分
は、厚み寸法が薄く形成されて弾性変形可能に構成され
ており、この先端部分が取付片部２２となっている。こ
の取付片部２２は、ベース１２の取付面部１２ａに当接
され、且つ、ねじ止めされるものであり、ねじ１５を螺
挿するためのねじ孔２２ａ（図４参照）が形成されてい
る。

【００１１】更に、上記突片部２０の図１及び図３中右
側面には、板ばね保持部２３が設けられている。この板
ばね保持部２３は、対向する二つの把持爪２４、２５か
らなり、これら把持爪２４、２５の先端には、爪部２４
ａ、２５ａが形成されている。この場合、二つの把持爪
２４、２５間、並びに、爪部２４ａ、２５ａと突片部２
０の外側面との間に、板ばね２６が嵌合保持されるよう
に構成されている。また、上記取付片部２２の先端（下
端）には、係合爪２７が図１中右方へ向けて突設されて
いる。この係合爪２７は、上記板ばね２６の下端に形成
された係合孔２６ａ（図５参照）に嵌合して係合するよ
うに構成されている。

【００１２】そして、上記板ばね２６は、図１に示すよ
うに、断面ほぼ「へ」字状をなしており、上述したよう
に嵌合保持されることにより、取付片部２２の外側面と
前記スイッチ本体１４の外側面とに渡るように配設され
ている。ここで、板ばね２６の下端部には、図５に示す
ように、ねじ１５により取付片部２２と一体に共締めす
るためのねじ孔２６ｂが形成されている。

【００１３】また、スイッチ本体１４内には、図１ない
し図４に示すように、２個の操作子２８、２９が左右方
向へ移動可能に設けられている。これら２個の操作子２
８、２９の各先端部２８ａ、２９ａは、それぞれスイッ
チ本体１４の左端面部から左方へ向けて突出されてい
る。そして、上記各操作子２８、２９にはそれぞれ可動
接点が設けられており、更に、これら可動接点とそれぞ
れ接離する固定接点がスイッチ本体１４内に設けられて
おり、もって、２個のスイッチが構成されている。上記
各操作子２８、２９は、スイッチ本体１４内に設けられ
た戻しばねにより図１、図２及び図３中左方へ移動付勢
されており、突出した状態で上記各スイッチがオフされ
ており、押し込まれると、押し込まれた操作子に対応す
るスイッチがオンされるように構成されている。

【００１４】尚、スイッチ本体１４の側面上部から、上
記各スイッチに接続された３本のリード線３０が導出さ
れている。そして、これら３本のリード線３０を案内す
るガイド突片部３１が、スイッチ本体１４に突片部１９
の外側に位置して設けられている。

【００１５】次に、上記構成の作用を説明する。まず、
スイッチ本体１４をスイッチ取付部１１に取付けるに先
立って、板ばね２６を予めスイッチ本体１４に仮保持さ
せておく。具体的には、板ばね２６を、スイッチ本体１
４の二つの把持爪２４、２５間、並びに、爪部２４ａ、
２５ａと突片部２０の外側面との間に、上方から挿入し
て嵌合する。そして、板ばね２６の係合孔２６ａと、ス
イッチ本体１４の取付片部２２の係合爪２７とを嵌合さ
せるに際しては、取付片部２２を図１中左方へたわみ変
形させておいた状態で、板ばね２６を下方へ移動させて
その係合孔２６ａと係合爪２７とを対応させ、しかる
後、取付片部２２を復帰変形させることにより、係合孔
２６ａに係合爪２７を嵌合させるものである。これによ
り、板ばね２６がスイッチ本体１４に仮保持される。
尚、この仮保持状態では、取付片部２２のねじ孔２２ａ
の位置と、板ばね２６のねじ孔２６ｂの位置とが合うよ
うに設定されている。

【００１６】そして、上述したように板ばね２６を仮保
持させたスイッチ本体１４をスイッチ取付部１１に取付
ける場合、スイッチ本体１４の取付片部２２をスイッチ
取付部１１のベース１２の取付面部１２ａに当接させる
と共に、ねじ１５を、板ばね２６のねじ孔２６ｂ及び取
付片部２２のねじ孔２２ａに挿通し、取付面部１２ａに
形成されたねじ孔に螺挿して締め付け固定する。

【００１７】この場合、ねじ１５の締め付け前におい
て、図１に示すように、スイッチ本体１４の位置決め部
２１とゲート板１３の位置決め面部１３ａとの間に、す
きまＡが存在していたとしても、ねじ１５を締め付ける
ことにより、板ばね２６が該ねじ１５により取付片部２
２と一緒に共締めされることから、板ばね２６のばね力
により取付片部２２の根元部分がたわみ変形して、スイ
ッチ本体１４が図１中左方へ移動付勢される。これによ
り、スイッチ本体１４の位置決め部２１がゲート板１３
の位置決め面部１３ａに当接する方向に移動付勢され
る。この結果、スイッチ本体１４をスイッチ取付部１１
に取付けた状態では、位置決め部２１が位置決め面部１
３ａにしっかりと当接するようになる。従って、従来構
成（図６及び図７参照）に比べて、スイッチ本体１４の
位置決め精度を大幅に向上させることができる。

【００１８】また、上記実施例では、板ばね２６をスイ
ッチ本体１４に仮保持するように構成したので、スイッ
チ本体１４をスイッチ取付部１１に取付ける際に、板ば
ね２６を手などで保持する必要がなくなり、取付作業性
が向上する。また、板ばね２６がスイッチ本体１４に仮
保持されて一体化されているので、スイッチ本体１４及
び板ばね２６を輸送するとき等の部品取扱い時における
取扱い性も大幅に良くなる。

【００１９】尚、上記実施例では、板ばね保持部２３及
び係合爪２７などにより板ばね２６をスイッチ本体１４
に仮保持する構成としたが、これに限られるものではな
く、例えば取付片部２２のねじ孔に雌ねじ部を形成して
おけば、ねじ１５を使って板ばね２６をスイッチ本体１
４に仮保持する構成とすることも可能であり、この構成
の場合も上記実施例とほぼ同様な作用効果を得ることが
できる。

【００２０】

【考案の効果】本考案は以上の説明から明らかなよう
に、取付片部と一体に共締めされることによりスイッチ
本体の位置決め部がスイッチ取付部の位置決め面部に当
接する方向にスイッチ本体を付勢する板ばねを、取付片
部の外側面とスイッチ本体の外側面とに渡るように配設
する構成としたので、スイッチ本体をスイッチ取付部に
取付ける際に、スイッチ本体の位置決め部がスイッチ取
付部の位置決め面部にしっかりと当接するようになり、
スイッチ本体の位置決め精度を向上させることができる
という優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すもので、スイッチ装置
の取付状態を示す部分正面図

【図２】スイッチ本体及び板ばねの正面図

【図３】スイッチ本体及び板ばねの上面図

【図４】スイッチ本体の左側面図

【図５】スイッチ本体及び板ばねの右側面図

【図６】従来構成を示すもので、スイッチ装置の取付状
態を示す正面図

【図７】異なる取付状態を示す正面図

【符号の説明】

１１はスイッチ取付部、１２はベース、１２ａは取付面
部、１３はゲート板、１３ａは位置決め面部、１４はス
イッチ本体、１５はねじ、２１は位置決め部、２２は取
付片部、２３は板ばね保持部、２４、２５は把持爪、２
４ａ、２５ａは爪部、２６は板ばね、２７は係合爪、２
８、２９は操作子を示す。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 スイッチ本体に変形可能に突設され、ス
   イッチ取付部側の取付面部に当接され且つねじ止めされ
   る取付片部と、 前記スイッチ本体に設けられ、前記取付面部と段状をな
   す位置決め面部に当接される位置決め部と、 前記取付片部の外側面と前記スイッチ本体の外側面とに
   渡るように配設され、前記取付片部と一体に共締めされ
   ることにより、前記スイッチ本体の位置決め部が前記位
   置決め面部に当接する方向に前記スイッチ本体を付勢す
   る板ばねとを備えて成るスイッチ装置。