JP2594795B2 - 珪酸カルシウム水和物の水性スラリーおよび該スラリーからの珪酸カルシウム成形体 - Google Patents
珪酸カルシウム水和物の水性スラリーおよび該スラリーからの珪酸カルシウム成形体Info
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- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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- C04B35/01—Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on oxide ceramics
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- C04B28/18—Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing mixtures of the silica-lime type
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、優れた機械的強度を有し、たとえば建材と
して有用な珪酸カルシウム成形体および該成形体を製造
するための水性スラリーに関する。
して有用な珪酸カルシウム成形体および該成形体を製造
するための水性スラリーに関する。
従来の技術 従来、珪酸カルシウム成形体は、軽量で、かつ不燃性
であるため、たとえば耐火建築材,耐火断熱材などとし
て、広く使用されている。
であるため、たとえば耐火建築材,耐火断熱材などとし
て、広く使用されている。
ところが、このような珪酸カルシウム成形体は、天然
木材に比べて、一般に切削性,保釘性などの加工性が悪
い上に、機械的強度も充分とはいえない。これらの欠点
を改良するため、これまで数多くの改良された成形体あ
るいは成形体を製造するための組成物が提案され今日に
至っている。たとえば、原料となる珪酸カルシウム水和
物(ゾーノトライト)の結晶形を変えて成形体の強度を
増大させる方法(特公昭53−12526号公報)、この特殊
な結晶形を有するゾーノトライトに無機質繊維を配合す
る方法(特公昭53−18533号公報)、珪酸カルシウム水
和物に樹脂エマルジョン,ゴムラテックスを配合して成
形体の機械的強度,塗装性,防水性,保釘性などを改良
する方法(特公昭54−21853号公報,特開昭52−15516号
公報)、さらには珪酸カルシウム水和物に酸変性ゴムラ
テックスおよびカチオン型高分子凝集剤を配合して成形
体の機械的強度,不燃性,耐熱性,耐水性を向上させる
方法(特公昭62−32148)などが報告されている。これ
らの方法を採用することにより、成形体の各種物性、特
にその機械的強度が向上したものが得られる。しかしな
がら、このような成形体であっても天然木材に比べると
強度面などの物性は著しく低いため、その適用範囲が制
限される結果となっている。
木材に比べて、一般に切削性,保釘性などの加工性が悪
い上に、機械的強度も充分とはいえない。これらの欠点
を改良するため、これまで数多くの改良された成形体あ
るいは成形体を製造するための組成物が提案され今日に
至っている。たとえば、原料となる珪酸カルシウム水和
物(ゾーノトライト)の結晶形を変えて成形体の強度を
増大させる方法(特公昭53−12526号公報)、この特殊
な結晶形を有するゾーノトライトに無機質繊維を配合す
る方法(特公昭53−18533号公報)、珪酸カルシウム水
和物に樹脂エマルジョン,ゴムラテックスを配合して成
形体の機械的強度,塗装性,防水性,保釘性などを改良
する方法(特公昭54−21853号公報,特開昭52−15516号
公報)、さらには珪酸カルシウム水和物に酸変性ゴムラ
テックスおよびカチオン型高分子凝集剤を配合して成形
体の機械的強度,不燃性,耐熱性,耐水性を向上させる
方法(特公昭62−32148)などが報告されている。これ
らの方法を採用することにより、成形体の各種物性、特
にその機械的強度が向上したものが得られる。しかしな
がら、このような成形体であっても天然木材に比べると
強度面などの物性は著しく低いため、その適用範囲が制
限される結果となっている。
このため業界の当面の課題として珪酸カルシウム成形
体の機械的強度を改善する検討が今なお広く続けられて
おり、このことが、ひいては成形体の需要拡大につなが
るものである。
体の機械的強度を改善する検討が今なお広く続けられて
おり、このことが、ひいては成形体の需要拡大につなが
るものである。
本願発明者らは、珪酸カルシウム成形体の有する軽量
で、かつ不燃性という優れた物性を何ら損なうことな
く、圧縮強度,曲げ強度などの機械的強度を改善する目
的で各種検討を重ねた結果、珪酸カルシウム水和物の水
性スラリーに熱硬化性であって、かつ水溶性のカチオン
樹脂を他の配合剤と共に配合することにより、成形体の
機械的強度が飛躍的に向上することを見い出し、本発明
を完成した。
で、かつ不燃性という優れた物性を何ら損なうことな
く、圧縮強度,曲げ強度などの機械的強度を改善する目
的で各種検討を重ねた結果、珪酸カルシウム水和物の水
性スラリーに熱硬化性であって、かつ水溶性のカチオン
樹脂を他の配合剤と共に配合することにより、成形体の
機械的強度が飛躍的に向上することを見い出し、本発明
を完成した。
発明の構成 すなわち、本発明は(i)珪酸カルシウム水和物に繊
維質補強材、熱硬化性水溶性カチオン樹脂および高分子
ラテックスを配合してなる珪酸カルシウム成形体製造用
水性スラリーおよび(ii)該水性スラリー(i)から得
られた珪酸カルシウム成形体である。
維質補強材、熱硬化性水溶性カチオン樹脂および高分子
ラテックスを配合してなる珪酸カルシウム成形体製造用
水性スラリーおよび(ii)該水性スラリー(i)から得
られた珪酸カルシウム成形体である。
本発明で主原料として用いる珪酸カルシウム水和物
は、石灰質原料と珪酸質原料とをそれぞれ水中に分散さ
せた後、飽和水蒸気圧下に加熱反応させることにより製
造することができ、このようにして製造した珪酸カルシ
ウム水和物の水性スラリーをそのまま本発明の原料とし
て用いることができる。
は、石灰質原料と珪酸質原料とをそれぞれ水中に分散さ
せた後、飽和水蒸気圧下に加熱反応させることにより製
造することができ、このようにして製造した珪酸カルシ
ウム水和物の水性スラリーをそのまま本発明の原料とし
て用いることができる。
石灰質原料としては、たとえば生石灰,消石灰,カー
バイト残渣などを挙げることができ、また珪酸原料とし
ては、たとえば珪石,珪砂,シリカフラワー(フェロシ
リコンダストなど),ホワイトカーボン,珪藻土,珪フ
ッ化水素酸(湿式リン酸製造プロセスで副生する)と水
酸化アルミニウムとを反応させて得られるシリカ,シリ
カゲルなどを挙げることができる。これら石灰質原料と
珪酸質原料とを水の中で分散状態のまま反応させる。水
の使用量は、通常石灰質原料と珪酸質原料との合計量に
対して、ほぼ3.5〜25倍、好ましくは8〜15倍量であ
る。また原料の使用割合は、通常CaO:SiO2のモル比が0.
8:1〜1.3:1、好ましくは0.9:1.0〜1.15:1.0の範囲であ
る。反応は、通常8〜50kg/cm2ゲージの飽和水蒸気下に
行なわれ反応温度はほぼ170ないし265℃である。このよ
うにして製造した水性スラリーは、通常、主としてゾー
ノトライト水性スラリーであり、このゾーノトライトの
結晶が凝集してできた二次粒子を含む水性スラリーを用
いるのが好ましい。
バイト残渣などを挙げることができ、また珪酸原料とし
ては、たとえば珪石,珪砂,シリカフラワー(フェロシ
リコンダストなど),ホワイトカーボン,珪藻土,珪フ
ッ化水素酸(湿式リン酸製造プロセスで副生する)と水
酸化アルミニウムとを反応させて得られるシリカ,シリ
カゲルなどを挙げることができる。これら石灰質原料と
珪酸質原料とを水の中で分散状態のまま反応させる。水
の使用量は、通常石灰質原料と珪酸質原料との合計量に
対して、ほぼ3.5〜25倍、好ましくは8〜15倍量であ
る。また原料の使用割合は、通常CaO:SiO2のモル比が0.
8:1〜1.3:1、好ましくは0.9:1.0〜1.15:1.0の範囲であ
る。反応は、通常8〜50kg/cm2ゲージの飽和水蒸気下に
行なわれ反応温度はほぼ170ないし265℃である。このよ
うにして製造した水性スラリーは、通常、主としてゾー
ノトライト水性スラリーであり、このゾーノトライトの
結晶が凝集してできた二次粒子を含む水性スラリーを用
いるのが好ましい。
なお、この水性スラリーには、本発明の目的を損なわ
ない範囲で、たとえばクレー,ベントナイト,タルクな
どの不燃性充填剤、たとえばアルミナ水和物(Al2O3・X
H2O),燐酸マグネシウム,燐酸亜鉛,ポリ燐酸アンモ
ニウムなどの耐火剤の粉体を添加することができる。
ない範囲で、たとえばクレー,ベントナイト,タルクな
どの不燃性充填剤、たとえばアルミナ水和物(Al2O3・X
H2O),燐酸マグネシウム,燐酸亜鉛,ポリ燐酸アンモ
ニウムなどの耐火剤の粉体を添加することができる。
このような珪酸カルシウム水和物の水性スラリーに繊
維質補強材,熱硬化性水溶性カチオン樹脂および高分子
ラテックスを配合する。
維質補強材,熱硬化性水溶性カチオン樹脂および高分子
ラテックスを配合する。
繊維質補強材としては、たとえばアスベスト繊維,岩
綿,ガラス繊維,パルプ,ポリアミド,カーボン繊維な
どの合成あるいは天然の繊維を用いることができる。こ
れら補強材のうちでも、特にガラス繊維が好ましい。ガ
ラス繊維は、成形体の大きさにもよるが、通常長さ1〜
5cmに切断したチョップドガラス繊維を用いる。このよ
うな補強材の配合量は、珪酸カルシウム水和物(固形
分)100重量部に対して2〜10重量部である。2重量部
以下では、成形体の補強効果が充分ではなく、また10重
量部以上ではスラリー粘度が上昇して作業性が悪くなる
上に経済的にも不利である。
綿,ガラス繊維,パルプ,ポリアミド,カーボン繊維な
どの合成あるいは天然の繊維を用いることができる。こ
れら補強材のうちでも、特にガラス繊維が好ましい。ガ
ラス繊維は、成形体の大きさにもよるが、通常長さ1〜
5cmに切断したチョップドガラス繊維を用いる。このよ
うな補強材の配合量は、珪酸カルシウム水和物(固形
分)100重量部に対して2〜10重量部である。2重量部
以下では、成形体の補強効果が充分ではなく、また10重
量部以上ではスラリー粘度が上昇して作業性が悪くなる
上に経済的にも不利である。
第2の配合成分である熱硬化性水溶性カチオン樹脂
は、本発明における特徴的な成分であって、このものは
ほぼ80〜180℃の温度で、それ自体硬化する性質を有
し、分子量がほぼ1,000〜10,000程度である水溶性で、
かつカチオン性の樹脂を意味し、このような樹脂として
は、たとえばポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン
樹脂(以下、PPE樹脂という)、カチオン性メラミン樹
脂などを挙げることができる。PPE樹脂は、たとえばジ
エチレントリアミンとアジピン酸とを加熱縮合させてポ
リアミドポリアミンとし、このポリアミドポリアミン
を、水溶液中で、さらにエピクロルヒドリンと反応させ
ることによって製造することができる。(特公昭35−35
47号公報,特開昭54−159,496号公報,特開昭56−11072
7号公報)。
は、本発明における特徴的な成分であって、このものは
ほぼ80〜180℃の温度で、それ自体硬化する性質を有
し、分子量がほぼ1,000〜10,000程度である水溶性で、
かつカチオン性の樹脂を意味し、このような樹脂として
は、たとえばポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン
樹脂(以下、PPE樹脂という)、カチオン性メラミン樹
脂などを挙げることができる。PPE樹脂は、たとえばジ
エチレントリアミンとアジピン酸とを加熱縮合させてポ
リアミドポリアミンとし、このポリアミドポリアミン
を、水溶液中で、さらにエピクロルヒドリンと反応させ
ることによって製造することができる。(特公昭35−35
47号公報,特開昭54−159,496号公報,特開昭56−11072
7号公報)。
このようなPPE樹脂は、通常水溶液の形で得られるた
め、これをそのまま本発明で用いることができる。本発
明で用いる熱硬化性水溶性カチオン樹脂は、繊維質補強
材を添加したあとで、しかも高分子ラテックスを添加す
る前に配合することにより成形体の強度を大巾に改善す
ることができる。これはアニオンに帯電している珪酸カ
ルシウム水和物の粒子および繊維質補強材にカチオン樹
脂が吸着され、この吸着部にアニオン性の高分子ラテッ
クスが均一に定着すると共に、スラリー成形物を乾燥す
る際にカチオン樹脂が熱硬化することにより成形体組織
が補強されるものと考えられる。
め、これをそのまま本発明で用いることができる。本発
明で用いる熱硬化性水溶性カチオン樹脂は、繊維質補強
材を添加したあとで、しかも高分子ラテックスを添加す
る前に配合することにより成形体の強度を大巾に改善す
ることができる。これはアニオンに帯電している珪酸カ
ルシウム水和物の粒子および繊維質補強材にカチオン樹
脂が吸着され、この吸着部にアニオン性の高分子ラテッ
クスが均一に定着すると共に、スラリー成形物を乾燥す
る際にカチオン樹脂が熱硬化することにより成形体組織
が補強されるものと考えられる。
このようなカチオン樹脂(固形分)の添加量は、珪酸
カルシウム水和物(固形物)100重量部に対して0.3〜10
重量部、好ましくは1〜5重量部である。0.3重量部よ
り少ないと成形体の補強効果が現われず、また10重量部
を越えると成形体の他の物性(たとえば不燃性)に悪影
響を及ぼす。
カルシウム水和物(固形物)100重量部に対して0.3〜10
重量部、好ましくは1〜5重量部である。0.3重量部よ
り少ないと成形体の補強効果が現われず、また10重量部
を越えると成形体の他の物性(たとえば不燃性)に悪影
響を及ぼす。
次に、本発明で用いることのできる高分子ラテックス
としては、乳化重合で得られるゴムラテックスを挙げる
ことができ、通常皮膜形成温度が40℃以下のものが用い
られる。このような高分子ラテックスとしては、スチレ
ン−ブタジエン系ゴムラテックス、たとえばブタジエン
とスチレンおよび/またはメタクリル酸メチルの共重合
体ラテックスおよびポリ(メタ)アクリル酸エステルの
ラテックスがある。これらラテックスは、変性用モノマ
ー、たとえばアクリル酸,メタクリル酸,イタコン酸な
どのカルボキシル基を有するモノマー、(メタ)アクリ
ルアミド,N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどの
アミド基を有するモノマー、(メタ)アクリル酸,ヒド
ロキシエチル,ヒドロキシプロピルなどのヒドロキシル
基を有するモノマーで変性したものであってもよい。高
分子ラテックスの皮膜成形温度が40℃を越えるとラテッ
クスと珪酸カルシウム水和物粒子との共凝固体のサイズ
が小さくなり、成形体製造時のスラリーの脱水速度を著
しく遅延させる。ここにいう皮膜形成温度とは、高分子
ラテックスを0.1〜0.3mmの厚さに流延したとき、透明均
一な乾燥皮膜を生ずるための最低温度を意味する。高分
子ラテックスの配合量は、珪酸カルシウム水和物(固形
分)100重量部に対して3〜15重量部、好ましくは5〜1
0重量部であり、3部以下では成形体の補強効果が充分
ではなく、また15部以上では成形体の耐火性を低下させ
るので好ましくない。
としては、乳化重合で得られるゴムラテックスを挙げる
ことができ、通常皮膜形成温度が40℃以下のものが用い
られる。このような高分子ラテックスとしては、スチレ
ン−ブタジエン系ゴムラテックス、たとえばブタジエン
とスチレンおよび/またはメタクリル酸メチルの共重合
体ラテックスおよびポリ(メタ)アクリル酸エステルの
ラテックスがある。これらラテックスは、変性用モノマ
ー、たとえばアクリル酸,メタクリル酸,イタコン酸な
どのカルボキシル基を有するモノマー、(メタ)アクリ
ルアミド,N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどの
アミド基を有するモノマー、(メタ)アクリル酸,ヒド
ロキシエチル,ヒドロキシプロピルなどのヒドロキシル
基を有するモノマーで変性したものであってもよい。高
分子ラテックスの皮膜成形温度が40℃を越えるとラテッ
クスと珪酸カルシウム水和物粒子との共凝固体のサイズ
が小さくなり、成形体製造時のスラリーの脱水速度を著
しく遅延させる。ここにいう皮膜形成温度とは、高分子
ラテックスを0.1〜0.3mmの厚さに流延したとき、透明均
一な乾燥皮膜を生ずるための最低温度を意味する。高分
子ラテックスの配合量は、珪酸カルシウム水和物(固形
分)100重量部に対して3〜15重量部、好ましくは5〜1
0重量部であり、3部以下では成形体の補強効果が充分
ではなく、また15部以上では成形体の耐火性を低下させ
るので好ましくない。
このような配合成分を珪酸カルシウム水和物の水性ス
ラリーに配合するには、攪拌下各成分を添加する。最終
的な水性スラリー中の固形分濃度は10%以下が好まし
い。
ラリーに配合するには、攪拌下各成分を添加する。最終
的な水性スラリー中の固形分濃度は10%以下が好まし
い。
上記三成分が配合された本発明の水性スラリーには、
さらに水溶性アルミニウム塩を配合することができる。
適当量の水溶性アルミニウム塩を配合することにより、
スラリーのろ水性を向上させることができるばかりでな
く、さらに成形体製造時の乾燥による成形体の収縮を防
止することができ、軽量で、かつ強度の優れた成形体と
することができる。水溶性アルミニウム塩としては、た
とえば硫酸アルミニウム,硫酸カリウムアルミニウムな
どを挙げることができる。このような塩の配合量は珪酸
カルシウム水和物(固形物)100重量部に対して0.5〜5
重量部であり、0.5重量部以下では成形時の収縮防止効
果が充分ではなく、また5重量上を越えると、その分だ
けの収縮防止効果が期待できなくなる。
さらに水溶性アルミニウム塩を配合することができる。
適当量の水溶性アルミニウム塩を配合することにより、
スラリーのろ水性を向上させることができるばかりでな
く、さらに成形体製造時の乾燥による成形体の収縮を防
止することができ、軽量で、かつ強度の優れた成形体と
することができる。水溶性アルミニウム塩としては、た
とえば硫酸アルミニウム,硫酸カリウムアルミニウムな
どを挙げることができる。このような塩の配合量は珪酸
カルシウム水和物(固形物)100重量部に対して0.5〜5
重量部であり、0.5重量部以下では成形時の収縮防止効
果が充分ではなく、また5重量上を越えると、その分だ
けの収縮防止効果が期待できなくなる。
本発明の珪酸カルシウム成形体製造用水性スラリー
は、加圧ろ過などの方法によって脱水したのち、加圧成
形し、次いで加熱乾燥して目的とする珪酸カルシウム成
形体を得ることができる。なお、スラリー液のろ水性を
よくするために、各種凝集剤、たとえばアニオン系凝集
剤を添加してスラリー中の共凝固体の粘度を調節してお
くこともできる。成形には、たとえば押出成型,プレス
成型などの方法が用いられる。たとえば板状体,柱状体
などに成形されたスラリー成形物は次いで乾燥処理に付
される。乾燥は通常100〜150℃の雰囲気下で行なう。乾
燥時間は、成形物の大きさ、形状にも左右されるが、通
常5〜20時間程度である。
は、加圧ろ過などの方法によって脱水したのち、加圧成
形し、次いで加熱乾燥して目的とする珪酸カルシウム成
形体を得ることができる。なお、スラリー液のろ水性を
よくするために、各種凝集剤、たとえばアニオン系凝集
剤を添加してスラリー中の共凝固体の粘度を調節してお
くこともできる。成形には、たとえば押出成型,プレス
成型などの方法が用いられる。たとえば板状体,柱状体
などに成形されたスラリー成形物は次いで乾燥処理に付
される。乾燥は通常100〜150℃の雰囲気下で行なう。乾
燥時間は、成形物の大きさ、形状にも左右されるが、通
常5〜20時間程度である。
本発明の作用効果 本発明の珪酸カルシウム水和物の水性スラリーから得
られた珪酸カルシウム成形体は、従来の珪酸カルシウム
成形体が有する優れた性質を何ら損なうことなく、機械
的強度が大巾に改善されている。また水性スラリーに、
さらに水溶性アルミニウム塩を配合することにより、よ
り軽量で機械的強度の高い成形体を得ることができる。
られた珪酸カルシウム成形体は、従来の珪酸カルシウム
成形体が有する優れた性質を何ら損なうことなく、機械
的強度が大巾に改善されている。また水性スラリーに、
さらに水溶性アルミニウム塩を配合することにより、よ
り軽量で機械的強度の高い成形体を得ることができる。
以下、実施例,参考例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、各例中、単に部とあるのは固形分の
重量部を意味する。また、各物性の試験法は次の通りで
ある。
に説明する。なお、各例中、単に部とあるのは固形分の
重量部を意味する。また、各物性の試験法は次の通りで
ある。
試験法 曲げ強度:JIS A 1408に準じて行なった。
加工性:かんながけ,釘打ち,のこ引き性につき、ラワ
ン材との比較で判定した。
ン材との比較で判定した。
耐水性:成型体を24時間,水温20℃の水中に浸した後、
強度及び寸法安定性を測定して判定した。
強度及び寸法安定性を測定して判定した。
耐熱性:電気炉内で成型体を1000℃,3時間加熱し、煙の
発生の有無、熱処理後の強度及び寸法安定性を測定して
判定した。
発生の有無、熱処理後の強度及び寸法安定性を測定して
判定した。
乾燥収縮率:成型体の乾燥前後の厚さ方向の長さ変化率
で示した。
で示した。
参考例1 85℃の温水で消化した生石灰49部と珪石の粉末51部
〔CaO/SiO2=1.0(モル比)〕とを混合して、固形分濃
度がほぼ6.2%の原料水性スラリーを調製した。このス
ラリーを15kg/cm2ゲージの飽和水蒸気圧下で攪拌しなが
ら4時間反応させて、ゾーノトライトの結晶が凝集して
二次粒子を形成している珪酸カルシウム水和物の水性ス
ラリーを得た。
〔CaO/SiO2=1.0(モル比)〕とを混合して、固形分濃
度がほぼ6.2%の原料水性スラリーを調製した。このス
ラリーを15kg/cm2ゲージの飽和水蒸気圧下で攪拌しなが
ら4時間反応させて、ゾーノトライトの結晶が凝集して
二次粒子を形成している珪酸カルシウム水和物の水性ス
ラリーを得た。
実施例1 参考例1で得た水性スラリー(固形分として100部を
含む)に、まずガラス繊維(Eガラスチョップドストラ
ンド12mm;旭ファイバーグラス(株)製)6部を添加し
て攪拌し均一に分散させた。次いで熱硬化性水溶性カチ
オン樹脂(ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹
脂水溶液;インスタフイット 101G;武田薬品工業
(株)製)1部を加えてスラリー液を充分攪拌したあ
と、さらに高分子ラテックス(スチレン−ブタジエン−
メタクリル酸メチルゴムラテックス;クロスレン OTX
−6;武田薬品工業(株)製)6部を加えて攪拌した。こ
のスラリー液に硫酸アルミニウム(結晶水を含む)2部
を加えて混合したあと、充分攪拌し珪酸カルシウム水和
物の水性スラリーを得た。
含む)に、まずガラス繊維(Eガラスチョップドストラ
ンド12mm;旭ファイバーグラス(株)製)6部を添加し
て攪拌し均一に分散させた。次いで熱硬化性水溶性カチ
オン樹脂(ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹
脂水溶液;インスタフイット 101G;武田薬品工業
(株)製)1部を加えてスラリー液を充分攪拌したあ
と、さらに高分子ラテックス(スチレン−ブタジエン−
メタクリル酸メチルゴムラテックス;クロスレン OTX
−6;武田薬品工業(株)製)6部を加えて攪拌した。こ
のスラリー液に硫酸アルミニウム(結晶水を含む)2部
を加えて混合したあと、充分攪拌し珪酸カルシウム水和
物の水性スラリーを得た。
この水性スラリーを四角形の型枠(30cm×30cm×30c
m)に流し込んだあと、50kg/cm2ゲージの圧力下に脱水
した。この脱水成形体を120℃で18時間乾燥させ、板状
の珪酸カルシウム成形体を得た。
m)に流し込んだあと、50kg/cm2ゲージの圧力下に脱水
した。この脱水成形体を120℃で18時間乾燥させ、板状
の珪酸カルシウム成形体を得た。
実施例2〜6 実施例1における熱硬化性水溶性カチオン樹脂と高分
子ラテックスの配合量を第1表に示す量とした以外は、
実施例1と同様にして珪酸カルシウム成形体を得た。な
お、これらの実施例においては、さらに凝集剤(アニオ
ン系凝集剤;サンフロック AH−400P;三洋化成工業
(株)製)0.4部を加えた水性スラリーとした。
子ラテックスの配合量を第1表に示す量とした以外は、
実施例1と同様にして珪酸カルシウム成形体を得た。な
お、これらの実施例においては、さらに凝集剤(アニオ
ン系凝集剤;サンフロック AH−400P;三洋化成工業
(株)製)0.4部を加えた水性スラリーとした。
比較例1〜3 実施例1において熱硬化性水溶性樹脂、高分子ラテッ
クスのいずれか一方の成分、および両成分を配合しない
ものについて成形体を製造し比較実験を行なった。
クスのいずれか一方の成分、および両成分を配合しない
ものについて成形体を製造し比較実験を行なった。
実施例1〜6および比較例1〜3で得られた成形体の
物性は次表に示す通りである。
物性は次表に示す通りである。
実施例7〜9 硫酸アルミニウムの配合割合を変えた以外は実施例1
と同様にして成型体を得た。試験結果を次表に示す。
と同様にして成型体を得た。試験結果を次表に示す。
上表から明らかなように、硫酸アルミニウムを配合す
ることにより、乾燥時の収縮の少ない成形体が得られ
る。
ることにより、乾燥時の収縮の少ない成形体が得られ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 22:14) (72)発明者 濱田 偉 岐阜県岐阜市長良3484番地の7 (72)発明者 永井 章文 大阪府四條畷市岡山1丁目24番3号 (56)参考文献 特開 昭52−15516(JP,A) 特開 昭62−123053(JP,A) 特開 昭63−147851(JP,A) 特開 昭64−72950(JP,A) 特公 昭53−18533(JP,B1) 特公 昭53−12565(JP,B1) 特公 昭54−21853(JP,B2) 特公 昭62−32148(JP,B2)
Claims (4)
- 【請求項1】珪酸カルシウム水和物に繊維質補強材、熱
硬化性水溶性カチオン樹脂および高分子ラテックスを配
合してなる珪酸カルシウム成形体製造用水性スラリー。 - 【請求項2】さらに水溶性アルミニウム塩を配合してな
る特許請求の範囲第(1)項に記載の水性スラリー。 - 【請求項3】珪酸カルシウム水和物に繊維質補強剤、熱
硬化性水溶性カチオン樹脂および高分子ラテックスを配
合してなる珪酸カルシウム成形体製造用水性スラリーか
ら得られた珪酸カルシウム成形体。 - 【請求項4】さらに水溶性アルミニウム塩を配合してな
る珪酸カルシウム成形体製造用水性スラリーから得られ
た特許請求の範囲第(3)項に記載の珪酸カルシウム成
形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27799487A JP2594795B2 (ja) | 1987-11-02 | 1987-11-02 | 珪酸カルシウム水和物の水性スラリーおよび該スラリーからの珪酸カルシウム成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27799487A JP2594795B2 (ja) | 1987-11-02 | 1987-11-02 | 珪酸カルシウム水和物の水性スラリーおよび該スラリーからの珪酸カルシウム成形体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01119554A JPH01119554A (ja) | 1989-05-11 |
JP2594795B2 true JP2594795B2 (ja) | 1997-03-26 |
Family
ID=17591145
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27799487A Expired - Lifetime JP2594795B2 (ja) | 1987-11-02 | 1987-11-02 | 珪酸カルシウム水和物の水性スラリーおよび該スラリーからの珪酸カルシウム成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2594795B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3719546B2 (ja) * | 1996-04-22 | 2005-11-24 | 株式会社エーアンドエーマテリアル | 珪酸カルシウム板及びその製造方法 |
JP4646310B2 (ja) * | 2005-11-14 | 2011-03-09 | ニチアス株式会社 | 珪酸カルシウム成形体及びその製造方法 |
JP6581005B2 (ja) * | 2016-01-29 | 2019-09-25 | 株式会社エーアンドエーマテリアル | Cfrp成形用の成形型基材及びその製造方法 |
CN116670093A (zh) * | 2021-01-13 | 2023-08-29 | 株式会社Aa综合材料 | 树脂混合不燃性硅酸钙成型体 |
-
1987
- 1987-11-02 JP JP27799487A patent/JP2594795B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01119554A (ja) | 1989-05-11 |
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