JPH1112978A - 鉱物質繊維板の製造方法 - Google Patents

鉱物質繊維板の製造方法

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JPH1112978A
JPH1112978A JP18758697A JP18758697A JPH1112978A JP H1112978 A JPH1112978 A JP H1112978A JP 18758697 A JP18758697 A JP 18758697A JP 18758697 A JP18758697 A JP 18758697A JP H1112978 A JPH1112978 A JP H1112978A
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JP
Japan
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mineral
fiberboard
functional groups
flocculant
polyacrylamide
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Application number
JP18758697A
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English (en)
Inventor
Kozo Tamamura
耕造 玉村
Hitoshi Akagi
仁志 赤木
Kyoji Toba
亨二 鳥羽
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Daiken Trade and Industry Co Ltd
Original Assignee
Daiken Trade and Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建築用内装材として実用的強度を有しながら
低比重の鉱物質繊維を製造する。 【解決手段】 湿式抄造法によって常法通り、鉱物質繊
維板を製造するに際して、鉱物質繊維に結合剤、充填材
と共に凝集剤としてイオン性が両性で且つカチオンとア
ニオンの官能基の数の比率が0.5 〜1.0 で分子量が20
0〜300万のポリアクリルアミド系のものを添加し、
水中に分散させた際にこのポリアクリルアミド系凝集剤
のプラスイオンを持った官能基によって鉱物質繊維を吸
着させる一方、マイナスイオンを持った官能基をプラス
イオンを持った添加物を介して鉱物質繊維に吸着させて
得られる鉱物質繊維板の強度を維持し、さらに、水中で
のフロックの形成を適度に大きくして嵩高く且つ低比重
の鉱物質繊維板を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は建築用内装材として
使用に適した鉱物質繊維板、特に、実用的強度を保持し
ながら低比重化を図った鉱物質繊維板の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】建築物を築造する際に、建築材料の取扱
性を良好にして作業員の負担を少なくすると共に施工性
を高めるためには建築材料を軽量化することが望まれて
いる。このため、天井材や壁材等の内装材として用いら
れる鉱物質繊維板においては、低比重化を図るために鉱
物質繊維にパーライトやシラスバルーン等の軽量骨材を
添加したり、或いは充填材に対する鉱物質繊維の割合を
増加させることにより、鉱物質繊維同士の反発力で繊維
同士に隙間を生じさせ、抄造したウェットマットを嵩高
くして低比重化を図ることが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
ように軽量骨材を添加することにより低比重化を図る方
法によれば、軽量骨材は係合力がないので多量に添加す
ると強度が減少することになる。そのため、デンプン等
の有機系の結合剤を多量に添加する必要があり、不燃性
を損なう原因となる。一方、後者のように鉱物質繊維を
増加させると、充填材の添加割合が減少して得られる鉱
物質繊維板の表面性や硬度が低下するという問題点があ
る。
【0004】鉱物質繊維板の硬度低下に対してはホルマ
リン系の樹脂を添加することによって改善することがで
きるが、有機分の増加による不燃性の問題とホルマリン
刺激臭による作業環境の悪化を招くという新たな問題が
生じる。本発明はこのような問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、実用的強度を保持しな
がら嵩高くして低比重化を図り得る新規な鉱物質繊維板
の製造方法を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に係る鉱物質繊維板の製造方法
は、鉱物質繊維に結合剤、凝集剤及び充填材を添加して
なる混合物を抄造法によってウェットマットを形成した
のち、乾燥することにより上記結合剤を硬化させると共
に製板する鉱物繊維板の製造方法において、上記凝集剤
としてイオン性は両性で分子量が200〜300万のポ
リアクリルアミド系の凝集剤を使用することを特徴とす
るものである。
【0006】また、請求項2に係る発明は、上記請求項
1に記載の鉱物質繊維板の製造方法において、上記凝集
剤としてイオン性は両性でカチオンとアニオンの官能基
の数の比率が0.5 〜1.0 であり分子量が200〜300
万のポリアクリルアミド系の凝集剤を使用することを特
徴とするものである。
【0007】
【作用及び効果】イオン性が両性のポリアクリルアミド
系の凝集剤を添加すると、該凝集剤のプラスイオン(カ
チオン)を持った官能基が、水中に分散した際に表面電
位がマイナスイオン(アニオン)である鉱物質繊維を吸
着する一方、この凝集剤のマイナスイオンがプラスイオ
ンを持った添加物を介して鉱物質繊維を吸着し、凝集力
が高まって抄造時の結合剤等の歩留まりが向上する。従
って、得られる鉱物質繊維板の強度低下を防止できると
ともに、微細な鉱物質繊維や粉末状添加物も吸着、保持
されて抜けることもなく鉱物質繊維間の無数の隙間に該
微細鉱物質繊維や粉末状添加物が充填された構造となっ
て歩留まりが良好となり、角欠け等が減少すると共に建
築用内装材としての実用的強度を保持した鉱物質繊維板
を得ることができる。なお、カチオンとアニオンの官能
基の数の比率は0.5 〜1.0 において特に凝集効果が優れ
る。
【0008】また、上記ポリアクリルアミド系の凝集剤
の分子量が200〜200万と極めて高分子であるた
め、凝集剤の一分子当たりの官能基の数が増えて吸着率
が増大し、そのため該凝集剤によって多くの添加物が吸
着されて水中で形成されるフロックが適度に大きくな
り、良好な表面性と上記の強度を維持し且つ嵩高くて低
比重の取扱性が良い鉱物質繊維板を得ることができる。
又、多量の有機系の結合剤を添加しなくても上記凝集剤
の吸着力によって強度が保持されるので、防火性を損な
われない。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を詳しく説明
すると、ロックウールやスラグウール等の鉱物質繊維と
結合剤、凝集剤及び充填材を必須の成分とし、鉱物質繊
維にこれらの結合剤、凝集剤、充填材及び定着剤等の添
加物を添加して水中に混合、分散させ、湿式抄造法によ
って常法通り、ウェットマットを形成したのち、該ウェ
ットマットを乾燥させて鉱物質繊維板を製造する方法に
おいて、上記凝集剤としてイオン性は両性で且つ分子量
が200〜300万の分枝型のポリアクリルアミド系の
凝集剤を使用するものである。なお、上記凝集剤におい
て、カチオンとアニオンの官能基の数の比率が0.5 〜1.
0 のものがより好ましい。
【0010】上記結合剤や充填材としては鉱物質繊維板
の組成分として一般に知られているものが使用され、例
えば、係合剤としては澱粉やフェノール、ポバール等
が、充填材としてはクレーや炭酸カルシウム、パーライ
ト、シリカ等が使用される。また、定着剤として使用し
たポリ塩化アルミニウムの添加量を調整することによっ
てスラリーのpHを5〜6に維持する。
【0011】鉱物質繊維に上記添加物を添加して水中に
分散させると、鉱物質繊維の表面電位がマイナスを帯
び、上記ポリアクリルアミド系は凝集剤としてイオン性
が両性であるため、そのプラスイオンを持った官能基が
鉱物質繊維のマイナスイオンを吸着して鉱物質繊維同士
を一層強固に結合させる。
【0012】さらに、この凝集剤は従来のアニオン性の
凝集剤のように、そのマイナスイオンを持った官能基
が、例えば、上記定着剤として添加したポリ塩化アルミ
ニウムのプラスイオンを持ったアルミニウムイオンを介
して、表面電位がマイナスイオンである鉱物質繊維や結
合剤、充填材等の添加物を吸着するだけでなく、凝集剤
のプラスイオンを持った官能基とが自己吸着することに
よって鉱物質繊維の凝集力が高まり、抄造時の結合剤の
歩留まりが向上して強度低下を防止すると共に微細な鉱
物質繊維や粉末状添加物も絡まった鉱物質繊維間の隙間
に吸着、保持される。
【0013】なお、カチオンの数がアニオンの数よりも
同等以下であり、カチオンとアニオンの官能基の数の比
率が0.5 〜1.0 の範囲が凝集力に優れている。また、凝
集剤の添加量としては、少ないと凝集効果が得られな
く、多く添加しても効果の向上が望めなくて不経済とな
るなるので、0.05〜1.5 重量部の添加量とすることが好
ましい。
【0014】また、ポリアクリルアミド系の凝集剤の分
子量が200〜300万と極めて高分子であるため、こ
の凝集剤の一分子当たりの官能基の数が増えて鉱物質繊
維や他の添加物に対する吸着率が増加し、水中で形成さ
れるフロックが大きくなって得られるウェットマットの
嵩が増して繊維密度が低下し、その結果、低比重であり
ながら建築用内装材としての実用的強度を維持した鉱物
質繊維板を得ることができる。
【0015】しかしながら、フロックの成長が余り大き
くなりすぎると、繊維の絡み合いが弱くなって強度が低
下すると共に表面が凹凸化して鉱物質繊維板の表面性を
悪くするので、適当な大きさのフロックを形成するため
のポリアクリルアミド系の分子量の適性範囲は200〜
300万である。なお、これらの凝集剤は高分子化する
と粘度が上昇して取扱い難くなるので、鉱物質繊維板の
製造上、分枝型の凝集剤にするのが好ましい。
【0016】また、ポリアクリルアミド系の凝集剤は、
吸着および接着に必要な官能基(−C00 ̄)をもった
水溶性の高分子電解質であって結合剤としての機能も持
ち合わせているので、鉱物質繊維板の強度を向上させる
点で好適である。次に、本発明の具体的な実施例と比較
例とを示す。
【0017】
【実施例】下記に示す組成の原料を濃度が3%程度とな
るように水に分散してフロック状にしたスラリーとし、
丸網抄造機でウェットマットを形成した後、熱風循環式
乾燥機によって180〜200℃の温度下で2時間乾燥
し、結合剤を硬化させることによって鉱物質繊維板を得
た。 鉱物質繊維(鉄鋼スラグウール) 80重量部 結合剤(澱粉) 5重量部 凝集剤(ポリアクリルアミド系) 1重量部 充填材(クレー 2重量部、 タンカル 3重量部、 パーライト10重量部) 15重量部 定着剤(ポリ塩化アルミニウム) 0.1重量部
【0018】上記組成物において、イオン性が両性で分
子量が200万、250万、300万の分枝型のポリア
クリルアミド系を用いて製造した鉱物質繊維板を夫々実
施例6〜8とし、その他のイオン性、分子量及び形状の
異なるポリアクリルアミド系の凝集剤を用いて製造した
鉱物質繊維を比較例1〜5および比較例9、10とし、
さらに、分岐型で適性分子量250万のものでカチオン
とアニオンの官能基の数の比率を変えたもの実施例1
3、14および比較例11、12、15としてその強度
と比重を表1〜表3に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】上記表1、表2、表3において、強度はJ
ISA1408に基づいて5号試片を用いて試験した曲
げ強度を示す。上記表1、表2から明らかなように、分
子量が200〜300万でイオン性が両性の分枝型のポ
リアクリルアミド系を凝集剤として用いて製造した鉱物
質繊維板は、比重が従来品よりも10〜15%低くなっ
ているにも拘わらず建築用内装材として適した強度を保
持している。さらに、表3において、カチオンとアニオ
ンの官能基の数の比率が0.5 〜1.0 で比重が若干下がっ
たにもかかわらず強度が増している。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉱物質繊維に結合剤、凝集剤及び充填材
    を添加してなる混合物を抄造法によってウェットマット
    を形成したのち、乾燥することにより上記結合剤を硬化
    させると共に製板する鉱物繊維板の製造方法において、
    上記凝集剤としてイオン性は両性で分子量が200〜3
    00万のポリアクリルアミド系の凝集剤を使用すること
    を特徴とする鉱物質繊維板の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記凝集剤として、イオン性は両性でカ
    チオンとアニオンの官能基の数の比率が0.5 〜1.0 であ
    り、分子量が200〜300万のポリアクリルアミド系
    の凝集剤を使用することを特徴とする請求項1に記載の
    鉱物質繊維板の製造方法。
JP18758697A 1997-06-26 1997-06-26 鉱物質繊維板の製造方法 Pending JPH1112978A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008002031A (ja) * 2006-06-23 2008-01-10 Daiken Trade & Ind Co Ltd 鉱物質繊維板およびその製造方法
JP2008038283A (ja) * 2006-08-04 2008-02-21 Daiken Trade & Ind Co Ltd 鉱物質繊維板およびその製造方法
JP2010158850A (ja) * 2009-01-09 2010-07-22 Daiken Corp 木質繊維板の製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008038283A (ja) * 2006-08-04 2008-02-21 Daiken Trade & Ind Co Ltd 鉱物質繊維板およびその製造方法
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