JP2594554B2

JP2594554B2 - 糸条巻取方法

Info

Publication number: JP2594554B2
Application number: JP62057531A
Authority: JP
Inventors: 一博曽我
Original assignee: 帝人製機株式会社
Priority date: 1987-03-11
Filing date: 1987-03-11
Publication date: 1997-03-26
Anticipated expiration: 2012-03-26
Also published as: JPS63225072A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、切替巻取機による糸条巻取方法に関し、更
に詳しくは、一方のボビンホルダに装着された満巻ボビ
ンと他方のボビンホルダに装着された空ボビンとの間で
糸条の巻取りを切替えるに際し、両ボビンホルダ間にセ
パレータを挿入して、満巻ボビンの糸端が空ボビンに巻
込まれるのを防止する方法に関するものである。

（従来の技術）回動可能なターレットと、糸条巻取ボビンを装着し、
該ターレットに回転可能に突設された２本のボビンホル
ダとからなる切替巻取機において、ターレットを回動し
て糸条を満巻ボビンか空ボビンへ切替えると、満巻ボビ
ンに連なる糸端が、空ボビンへ巻取られはじめたピッグ
テールや内層の糸をたたいて、それらの乱れ、毛羽、汚
れなどを生ぜしめる原因となったり、あるいは該糸端が
空ボビンに巻付くなどの異常を生じることがある。巻取
速度の高速化に伴い、該糸端にかかる遠心力が大きくな
るため、該糸端によって空ボビン側が受ける力も大きく
なり、更には回転ボビンに随伴する気流が多量に発生し
て、上述の現象が一層顕著になってくる。

この対策として、従来、例えば特開昭54−64148号公
報、実開昭59−57452号公報に開示されているように、
ターレットの回動後、満巻ボビンと空ボビンとの間にセ
パレータを挿入する方法が提案されている。

（発明が解決しようとする問題点）しかしながら、かかる従来のセパレータを満巻ボビン
と空ボビンとの間に挿入する方法では、ターレットの回
動完了後に、片側から１個のセパレータを満間ボビンと
空ボビンとの間に挿入しているため、大きいセパレータ
を使用するのが難しく、満巻ボビンと空ボビンとの間を
完全に遮断することができず、更には、ターレットを回
動させて満巻ボビンから空ボビンへ糸条を切替えた時点
から、ターレットの回動が完了してセパレータを満巻ボ
ビンと空ボビンとの間に挿入するまでの間は、満巻ボビ
ンと空ボビンとの間はまったく遮蔽されていない。従っ
て、満巻ボビンに連なる糸端が、空ボビンへ巻取られは
じめたピッグテールや内層の糸をたたいて、それらに乱
れ、毛羽、汚れなどを生ぜしめたり、あるいは該糸端が
空ボビンに巻付いて、糸条巻取りの切替えが不成功に終
るといったようなトラブルを完全に防止することができ
なかった。

本発明の目的は、上述した従来技術の問題点を解消
し、糸条巻取りの切替え時に、満巻ボビンに連なる糸条
の糸端が、空ボビン側へ悪影響を及ぼすのを完全に防止
することのできる糸条巻取方法を提供することにある。

（問題点を解決するための手段）本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ね
た結果、２つのセパレータを、特定のタイミングで２本
のボビンホルダの中心を結ぶ線の両側から、それぞれ挿
入するようにすればよいことを見出し、本発明に到達し
た。

即ち、本発明は、回動可能なターレットに、２本のボ
ビンホルダを回転可能に突設し、それぞれのボビンホル
ダに糸条巻取ボビンを装着した糸条巻取装置により、一
方の糸条巻取ボビンが満巻となった時、ターレットを回
動させ該満巻ボビン側から他方の空ボビン側へ糸条を切
替えるようにした糸条巻取方法において、該糸条の切替
えに際し、前記２本のボビンホルダの中心を結ぶ線の両
側から、２つのセパレータを両ボビンホルダの間にそれ
ぞれ挿入するとともに、前記満巻ボビンから空ボビンに
切替えるとき満巻ボビンに接近する一方側のセパレータ
を前記ターレットの回動中心に向って前記満巻ボビンの
回転方向に延びるように挿入するとともに、該挿入を糸
条が満巻ボビン側から空ボビン側へ切替った時点からピ
ッグテールの形成が開始されるまでの間に完了し、他方
側のセパレータの挿入は、該一方側のセパレータの挿入
が完了した時点又はそれ以降に完了することを特徴とす
るもの、あるいは、回動可能なターレットに、２本のボ
ビンホルダを回転可能に突設し、それぞれのボビンホル
ダに糸条巻取ボビンを装着するとともに、一方の糸条巻
取ボビンが満巻となった時、ターレットを回動させ該満
巻ボビン側から他方の空ボビン側へ糸条を切替えるよう
にした糸条巻取装置において、該糸条の切替えに際し前
記２本のボビンホルダの中心を結ぶ線の両側から両ボビ
ンホルダの間にそれぞれ挿入される２つのセパレータを
設け、前記満間ボビンから空ボビンに切替えるとき満巻
ボビンに接近する一方側のセパレータを前記ターレット
の回動中心に向って前記満巻ボビンの回動方向に延びる
よう挿入し、該一方側のセパレータの挿入が完了したと
き他方側のセパレータを該一方側のセパレータの挿入方
向に対向する方向に挿入するようにしたことを特徴とす
るものである。

以下、図面により本発明を詳細に説明する。

第１図〜第３図は、本発明において使用する切替巻取
機の一実施例を示す正面図であり、第１図は、セパレー
タが２個のボビンホルダの側方の待機位置にある状態、
第２図はセパレータが２個のボビンホルダ間に挿入され
て、満巻ボビンと空ボビンとの間が完全に遮蔽されてい
る状態、第３図は、セパレータが２個のボビンホルダ間
に挿入される途中の状態をそれぞれ示す。

巻取機１に取着した２本のスライト軸20に沿ってスラ
イドブロック昇降可能であり、該スライドブロックには
トラバースボックス２およびケース３を取着している。
該トラバースボックス２は糸条Ｙを綾振るトラバースガ
イドを具備し、ケース３はフリクションローラ４を回転
可能に支持している。巻取機１にターレット６を回動可
能に支承しており、該ターレット６に２本のボビンホル
ダ5,5′を回転可能に突設している。ボビンホルダ5,5′
にそれぞれ１個または複数のボビンを装着して、該ボビ
ン上に糸条を巻取る。

ユニットケースの左側上方には、スライド機構（図示
せず）によって摺動可能にセパレータ７が設けられてい
る。一方、ユニットケース右側下方には、揺動機構によ
って揺動するセパレータ８が設けられている。該揺動機
構は、揺動シリンダ（又は揺動モータ）９、揺動レバー
10、揺動軸11及び軸受12からなり、揺動シリンダ（又は
揺動モータ）９を作動させることにより、揺動レバー10
及び揺動軸11を介してセパレータ８を揺動させる。セパ
レータ８は、その断面形状を直線状等任意の形状にする
ことができるが、特に、図に示すように円弧状にするの
が好ましい。ボビンホルダ５に装着したボビン上に糸状
を巻取っている間は、第１図に示すように、セパレータ
７、８を後退させておく。ボビンホルダ５に装着したボ
ビン上に形成していたパッケージが満巻になると、ター
レット６を時計方向に回動し、第３図に示すように、糸
条Ｙの巻取りを、ボビンホルダ５に装着した満巻ボビン
からボビンホルダ５′に装着した空ボビンの糸把持手段
（図示せず）に把持させて切替え、満巻ボビンから空ボ
ビンに渡っていた糸を糸張力の増大又は適当な糸条切断
部材により切断する。その結果、満巻ボビンに連なる糸
端Ｅが形成される。ボビンホルダ５、５′は高速で回転
しているため、セパレータを使用しない場合は、ボビン
ホルダ′の回りに随伴気流が発生して、満巻ボビン近傍
の空気を空ボビン側に吸引するよう作用し、糸端Ｅをボ
ビンホルダ５′側に巻込む結果となると共に、ボビンホ
ルダ５に装着された満巻ボビンの糸端Ｅが遠心力によっ
て張り出し、ボビンホルダ５′に装着した空ボビンに巻
取られはじめたピッグテールや内層の糸をたたいて、糸
質に悪影響を及ぼしたり、糸端Ｅが空ボビンに巻込まれ
たりすることになる。

そこで、本発明では、ターレット６が回動したら、第
３図に示すように２本のボビンホルダ５、５′の中心を
結ぶ線の両側から２つのセパレータ７、８を両ボビンホ
ルダ５、５′の間にそれぞれ挿入するようにする。

特に、ターレット６の回動中心に向ってボビンホルダ
５に装着された満巻ボビンの回転方向に延びるように挿
入されるセパレータ、即ち図面右側からのセパレータ８
の挿入は、糸条が満巻ボビン側から空ボビン側へ切替る
前から始まり、切替った時点から、ピッグテールの形成
が開始されるまでの間に完了し、一方、セパレータ８の
挿入方向に対向する方向に挿入されるセパレータ、即ち
図面左側からのセパレータ７の挿入は、前記セパレータ
８の挿入が完了した時点又はそれ以降に完了するように
シーケンスを組んでおくのが好ましい。このようにすれ
ば、ボビホルダ５に装着した満巻ボビンからボビンホル
ダ５′に装着した空ボビンへ糸条が切替えられる前、即
ち満巻ボビンに連なる糸端Ｅが形成される前に、揺動シ
リンダ（揺動モータ）９によって作動され、揺動レバー
10及び揺動軸11を介して揺動させられたセパレータ８
が、ターレット６の回動中心に向ってボビンホルダ５に
装着された満巻ボビンの回動方向に延びるように（図面
右側から）挿入されて、満巻ボビンの外層近傍に達して
いるため、満巻ボビンから空ボビンへ糸条切替えが完了
し、満巻ボビンに糸端Ｅが形成されても、その糸端Ｅが
空ボビン側に悪影響を及ぼすのをセパレータ８によって
完全に阻止することができる。ターレット６の回動途中
において、糸端Ｅによる悪影響をセパレータ８で阻止し
ながら、セパレータ７をセパレータ８の挿入方向に対向
する方向に（図面左側から）挿入する。セパレータ７の
挿入は、セパレータ８の挿入か完了した時点又はそれ以
降に完了するようにする。セパレータ７とセパレータ８
の挿入が完了した時点では、第２図に示すように、満巻
ボビンと空ボビンとは、完全にセパレータ７、８によっ
て遮蔽されている。尚、図において、13、13′はセパレ
ータ７、８が満巻パッケージに接触するのを防ぎ、セパ
レータ７、８を満巻ボビンの外周と一定の間隙を保持し
ながら、ターレット回動に沿って揺動させるために設け
たストッパーである。

以上の例では、セパレータ８の挿入方向に対向する方
向に（図面左側から）挿入するセパレータ７は、スライ
ド機構により、またターレット６の回動中心に向ってボ
ビンホルダ５に装着された満巻ボビンの回転方向に延び
るように（図面右側から）挿入するセパレータ８は揺動
機構により作動されているが、特にこれに限定されるも
のではなく、任意の作動機構を用い得ること言うまでも
ない。

（発明の効果）本発明によれば、２本のボビンホルダの横断面の中心
を結ぶ線の両側から、２つのセパレータを両ボビンホル
ダの間にそれぞれ挿入するようにしたから、満巻ボビン
と空ボビンとの間を完全に遮蔽することができ、しか
も、２つのセパレータの挿入時期を制御することができ
るために、ターレットの回動途中において満巻ボビンに
連なる糸端が空ボビン側に悪影響を及ぼすのを完全に阻
止することができる。

従って、切替巻取機で糸条の巻取りを切替える際に、
満巻ボビンに連なる糸端が、空ボビンへ巻取られはじめ
たピッグテールや内層の糸をたたいて、それらの乱れ、
毛羽、汚れなどを生ぜしめたり、あるいは該糸端が空ボ
ビンに巻付いて、糸条巻取りの切替えが不成功に終わる
といったようなトラブルを完全に防止することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は、本発明を実施する装置の一例を示す
正面図であり、第１図は、セパレータが待機位置にある
状態、第２図は、セパレータが２個のボビンホルダ間に
挿入されて、満巻ボビンと空ボビンとの間が完全に遮蔽
されている状態、第３図は、セパレータが２個のボビン
ホルダ間に挿入される途中の状態をそれぞれ示す。５、５′……ボビンホルダ、６……ターレット、７、８……セパレータ。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】回動可能なターレットに、２本のボビンホ
ルダを回転可能に突設し、それぞれのボビンホルダに糸
条巻取ボビンを装着した糸条巻取装置により、一方の糸
条巻取ボビンが満巻となった時、ターレットを回動させ
該満巻ボビン側から他方の空ボビン側へ糸条を切替える
ようにした糸条巻取方法において、該糸条の切替えに際
し、前記２本のボビンホルダの中心を結ぶ線の両側か
ら、２つのセパレータを両ボビンホルダの間にそれぞれ
挿入するとともに、前記満巻ボビンから空ボビンに切替
えるとき満巻ボビンに近接する一方側のセパレータを前
記ターレットの回動中心に向って前記満巻ボビンの回転
方向に延びるように挿入するとともに、該挿入を糸条が
満巻ボビン側から空ボビン側へ切替った時点からピッグ
テールを形成が開始されるまでの間に完了し、他方側の
セパレータの挿入は、該一方側のセパレータの挿入が完
了した時点又はそれ以降に完了することを特徴とする糸
条巻取方法。
【請求項２】回動可能なターレットに、２本のボビンホ
ルダを回転可能に突設し、それぞれのボビンホルダに糸
条巻取ボビンを装着するとともに、一方の糸条巻取ボビ
ンが満巻となった時、ターレットを回動させ該満巻ボビ
ン側から他方の空ボビン側へ糸条を切換えるようにした
糸条巻取方法において、該糸条の切替えに際し前記２本
のボビンホルダの中心を結ぶ線の両側から両ボビンホル
ダの間にそれぞれ挿入される２つのセパレータを設け、
前記満巻ボビンから空ボビンに切替えるとき満巻ボビン
に接近する一方側のセパレータを前記ターレットの回動
中心に向って前記満巻ボビンの回動方向に延びるよう挿
入し、該一方側のセパレータの挿入が完了したとき他方
側のセパレータを該一方側のセパレータの挿入方向に対
向する方向に挿入するようにしたことを特徴とする糸条
巻取装置。