JP2594393Y2 - 電気機器用波ケース - Google Patents

電気機器用波ケース

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JP2594393Y2
JP2594393Y2 JP1992010177U JP1017792U JP2594393Y2 JP 2594393 Y2 JP2594393 Y2 JP 2594393Y2 JP 1992010177 U JP1992010177 U JP 1992010177U JP 1017792 U JP1017792 U JP 1017792U JP 2594393 Y2 JP2594393 Y2 JP 2594393Y2
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耕次 土井
隆夫 野津
尚 東田
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、側壁部を波板により構
成した電気機器用波ケースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】油入変圧器やガス絶縁変圧器等の電気機
器を収納するケースとして、図8ないし図11に示した
ような波ケース1が用いられている。この波ケースは、
図8に見られるように、矩形状に形成された上部枠2及
び下部枠3の間をそれぞれの角部に配置した支柱4によ
り連結して構成した枠組と、下部枠3の下端に溶接され
た底板5と、上部枠2と下部枠3との間に跨って配置さ
れて上端及び下端がそれぞれ上部枠及び下部枠に溶接さ
れた波板6とからなり、底板5の下面にはベース金具7
が溶接されている。上部枠2の上端にはフランジ2aが
設けられていて、このフランジに蓋板8が取付けられ
る。波板6は、図9に示したように、山部6aと谷部6
bとが交互に並ぶように鋼板を折り曲げて、各山部の幅
方向(ケースの上下方向)の両端6cを溶接して閉じる
ことにより各山部内に油道6dを形成したものである。
この波ケース1内には図示しない電気機器本体が絶縁油
あるいは絶縁ガスとともに収容される。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】密封形の電気機器にお
いては、ケース内に電気機器本体を収納した後、ケース
を密封して気密漏れ試験を行う必要がある。この試験
は、ケースを密封した状態でケース内を所定の圧力と
し、一定時間ケース内の圧力の低下の有無を監視するこ
とにより行われるため、ケース1は一定時間内圧を高く
した状態に置かれる。また密封形の電気機器の運転時に
は、電気機器本体からの発熱によりケース内の圧力が上
昇する。
【0004】従来の波ケース入り電気機器において、ケ
ースの長辺部の寸法がある程度長くなって、支柱4,4
相互間のスパンが長くなると、気密漏れ試験時等にケー
ス1の内圧がある一定以上になったときに、図11及び
図12に鎖線で示したように、上部枠2及び下部枠3が
内圧Pにより外側に膨らむ。このように上部枠及び下部
枠が膨らむと、波板6が変形したり、上部枠及び下部枠
と波板との接合部が破損したりするおそれがあり、強度
上問題があった。
【0005】本考案の目的は、上部枠及び下部枠が内圧
により膨らんで波板が変形したり、上部枠及び下部枠と
波板との接合部が破損したりするのを防止した電気機器
用波ケースを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本考案は、相対する1対
の長辺部と該1対の長辺部の両端間をつなぐ1対の短辺
部と4つのコーナ部とを有する横長の形状に形成されて
いて各長辺部に直線部分を有する下部枠及び上部枠と、
下部枠の下端に溶接された底板と、下部枠のコーナ部よ
りも内側に位置する長辺部の直線部分の直線部分に相応
する位置に該直線部と直交させた状態で、かつ該直線
の長手方向に間隔をあけた状態で配置されて底板の
下面に溶接された1対のベース金具と、上部枠と下部枠
との間に跨って配置されて上端及び下端がそれぞれ上部
枠及び下部枠に溶接された波板とを備えた電気機器用波
ケースに係わるものである。
【0007】本考案においては、ベース金具に相応する
位置で上部枠の各長辺部の直線部分と下部枠の各長辺部
の直線部分との間に跨がって延びる連結金具を各長辺部
毎に1対ずつ設ける。各連結金具としては、上部枠及び
下部枠の直線部分に沿う第1の板状部と該第1の板状部
と直交する状態で該第1の板状部に固定された第2の板
状部とを有するものを用い、第1の板状部の上端及び下
端をそれぞれ上部枠及び下部枠に溶接する。各連結金具
の第2の板状部の上端は、上部枠の上端に設けられたフ
ランジに、また該第2の板状部の下端はベース金具にそ
れぞれ溶接する。
【0008】上記の構成では、連結金具の第2の板状部
の下端をベース金具に溶接したが、底板の外周部を下部
枠の下端よりも外側に突出させて、各連結金具の第2の
板状部の下端を底板の外周部に溶接するようにしてもよ
い。
【0009】
【作用】上記のように、第1の板状部と該第1の板状部
に対して直角をなす第2の板状部とを有する断面T字形
の連結金具を上部枠及び下部枠の間に配置して、各連結
金具の第1の板状部の上端及び下端をそれぞれ上部枠及
び下部枠に溶接するとともに、各連結金具の第2の板状
部の上端及び下端をそれぞれ上部枠のフランジ及びベー
ス金具に溶接するようにすると、上部枠及び下部枠を内
圧に対して強固に支えることができる。しかも、上記の
ように、上部枠及び下部枠のそれぞれのコーナ部よりも
内側に位置する長辺部の直線部分を該1対の連結金具に
より連結するようにすると、1対の連結金具の間のスパ
ンが短くなるため、上部枠及び下部枠が内圧により外側
に変形しようとしたときに各連結金具にかかる負担を少
なくすることができる。そのため、上部枠及び下部枠を
内圧に対して強固に支えることができ、内圧上昇時の上
部枠及び下部枠の膨らみを少なくすることができる。従
って波板が変形したり、波板と上部枠及び下部枠との接
合部が破損したりするおそれをなくすことができる。
【0010】底板の外周部を下部枠よりも外側に突出さ
せて、連結金具の第2の板状部の下端を底板の外周部に
溶接した場合にも、まったく同様の効果を得ることがで
きる。
【0011】
【実施例】図1ないし図4は3相変圧器を収納する波ケ
ースに本考案を適用した実施例を示したもので、図1及
び図2はそれぞれ内部に変圧器を収納した状態を示す縦
断面図及び横断面図である。また図3及び図4は波板を
取付ける前のケースの枠組を示す上面図及び正面図であ
る。図1ないし図4において10は波ケースで、この波
ケースは、直線部分(図3に符号L1 で示した部分)を
有する相対する1対の長辺部L,Lと、両長辺部の両端
間をつなぐ1対の短辺部S,Sと、湾曲した4つのコー
ナ部Cとを有するほぼ矩形状の輪郭形状を備えた上部枠
11と、上部枠11と同様な輪郭形状を有する下部枠1
2とを備えている。上部枠11の上端にはフランジ11
aが設けられ、下部枠12には、底板13が溶接されて
いる。また底板13の下面には、チャンネル材からなる
1対のベース金具14,14が溶接されている。これら
のベース金具は、下部枠12の長辺部の直線部分に相応
する位置に該直線部と直交させた状態で、かつ該直線部
の長手方向に間隔をあけた状態で配置されている。
【0012】上部枠11と下部枠12との間は、それぞ
れの長辺部毎に1対ずつ設けられた連結金具15により
連結されている。
【0013】各連結金具15は、図6(A),(B)に
示したように、上部枠11及び下部枠12のコーナ部よ
りも内側に位置する長辺部の直線部分に沿う第1の板状
部15aと該第1の板状部と直交する状態で該第1の板
状部に固定された第2の板状部15bとからなってい
て、第2の板状部15bの両端は第1の板状部15aの
両端よりも更に上下に突出した状態で設けられている。
第1の板状部15aの両端から突出した第2の板状部1
5bの両端には、切り欠き部15b1,15b2が形成され
ている。これらの切り欠き部は、それぞれの一端が第1
の板状部15aの両端の終端位置に達するように設けら
れている。この連結金具15はT形鋼を用いて構成して
もよく、また2つの平鋼を組み合わせて溶接することに
より構成してもよい。
【0014】各連結金具15の第1の板状部15aの上
端及び下端はそれぞれ上部枠11の下端及び下部枠12
の上端に突き合わされて溶接され、各連結金具の第2の
板状部15bの上端は上部枠11の上端に設けられたフ
ランジに、また該第2の板状部の下端はベース金具14
の上面にそれぞれ溶接されている。本実施例では、第2
の板状部15bの両端に、第1の板状部の終端位置に達
する切り欠き部15b1,15b2が設けられているため、
第1の平板部15aの上端及び下端と上部枠11及び下
部枠12との溶接をケースの内外から支障なく行うこと
ができる。
【0015】上記のように、上部枠11及び下部枠12
を連結金具15により連結して図4に示すような枠組を
構成した後、該枠組に波板6を沿わせて、該波板の上端
及び下端をそれぞれ上部枠11及び下部枠12に溶接
し、更に各波板6の横方向の端部を連結金具15の第1
の板状部15aに溶接して、波ケース10を完成する。
波ケース10内には、3相変圧器本体20が収納されて
いる。この変圧器本体は、3脚鉄心21の3つの脚部に
それぞれ3相の巻線22u〜22wを巻装した周知のも
ので、3相の巻線が波ケースの長辺側に並ぶようにして
波ケース10内に収納されている。
【0016】波ケース10内に変圧器本体20が収納さ
れた後、上部枠11のフランジ11aの上面に蓋板17
が取付けられて、波ケースが密封される。
【0017】上記のように連結金具15を、ケースの
ーナ部よりも内側に寄った直線部分に配置すると、1対
の連結金具15,15の間のスパンが短くなるため、内
圧の上昇により上部枠及び下部枠が外側に膨らもうとし
たときに各連結金具により、上部枠及び下部枠を強固に
支えることができ、波板6が変形したり、波板と上部枠
及び下部枠との溶接部が破損したりするおそれを無くす
ことができる。内圧の上昇に対する波ケースの強度を向
上させることができる。
【0018】上記の実施例では、連結金具の第2の板状
部の下端をベース金具14に溶接したが、図5(B)に
示したように、底板13の外周部を下部枠12寄りも外
側に突出させておいて、連結金具15の第2の板状部1
5bの下端を底板13の外周部に溶接することもでき
る。底板13には内圧上昇時に水平方向の力が加わらな
いため、連結金具15を支障なく支えることができる。
【0019】尚このように連結金具の第2の板状部の下
端を底板に溶接する場合には、連結金具を必ずしもベー
ス金具14に相応する位置に配置する必要はない。
【0020】上記の実施例では、上部枠及び下部枠をほ
ぼ矩形状に形成したが、図7に示したように、上部枠1
1及び下部枠12の短辺部全体が湾曲していて、上部枠
及び下部枠が小判形の輪郭形状を有する場合にも本考案
を適用することができる。
【0021】
【考案の効果】以上のように、本考案によれば、第1の
板状部と該第1の板状部に対して直角をなす第2の板状
部とを有する断面T字形の連結金具を上部枠及び下部枠
の間に配置して、各連結金具の第1の板状部の上端及び
下端をそれぞれ上部枠及び下部枠に溶接するとともに、
各連結金具の第2の板状部の上端及び下端をそれぞれ上
部枠のフランジ及びベース金具に溶接したので、上部枠
及び下部枠を内圧に対して強固に支えることができる。
しかも本考案では、上部枠及び下部枠のそれぞれのコー
ナ部よりも内側に寄った長辺部の直線部分で両枠を連結
金具により連結するようにしたので、1対の連結金具相
互間の間隔を狭くして各連結金具にかかる負担を少なく
することができ、上部枠及び下部枠を内圧に対してより
いっそう強固に支えることができる。従って内圧上昇時
の上部枠及び下部枠の膨らみを少なくすることができ、
波板が変形したり、波板と上部枠及び下部枠との接合部
が破損したりするおそれをなくすことができる利点があ
る。
【0022】また請求項2に記載した考案のように、底
板の外周部を下部枠よりも外側に突出させて、連結金具
の第2の板状部の下端を底板の外周部に溶接した場合に
も、上記と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1の実施例の横断面図である。
【図3】同実施例で用いる枠組の上面図である。
【図4】同実施例で用いる枠組の正面図である。
【図5】(A)同実施例における各連結金具と上部枠及
び下部枠との連結構造を示した要部の断面図である。
(B)は本考案の他の実施例における各連結金具と上部
枠及び下部枠との連結構造を示した要部の断面図であ
る。
【図6】(A)及び(B)はそれぞれ本考案で用いる連
結金具の状面図及び正面図である。
【図7】本考案の他の実施例で用いる枠組の上面図であ
る。
【図8】従来の波ケースで用いていた枠組を示した斜視
図である。
【図9】波板の構造を示す要部の上面図である。
【図10】従来の波ケースを示した正面図である。
【図11】従来の波ケースの要部の縦断面図である。
【図12】従来の波ケースの内圧による変形を示した説
明図である。
【符号の説明】
10…波ケース、11…上部枠、12…下部枠、6…波
板、15…連結金具、15a…第1の板状部、15b…
第2の板状部、17…蓋板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 東田 尚 大阪府大阪市淀川区田川2丁目1番11号 株式会社ダイヘン内 (56)参考文献 実開 昭59−78619(JP,U)

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】相対する1対の長辺部と該1対の長辺部の
    両端間をつなぐ1対の短辺部と4つのコーナ部とを有す
    る横長の形状に形成されていて各長辺部に直線部分を有
    する下部枠及び上部枠と、 前記下部枠の下端に溶接された底板と、前記下部枠のコーナ部よりも内側に位置する 長辺部の直
    線部分に相応する位置に該直線部と直交させた状態
    で、かつ該直線部の長手方向に間隔をあけた状態で配
    置されて前記底板の下面に溶接された1対のベース金具
    と、 前記上部枠と下部枠との間に跨って配置されて上端及び
    下端がそれぞれ上部枠及び下部枠に溶接された波板とを
    備えた電気機器用波ケースにおいて、 前記ベース金具に相応する位置で前記上部枠の各長辺部
    の直線部分と下部枠の各長辺部の直線部分との間を連結
    する連結金具が各長辺部毎に1対ずつ設けられ、 各連結金具は前記上部枠及び下部枠の直線部分に沿う第
    1の板状部と該第1の板状部と直交する状態で該第1の
    板状部に固定された第2の板状部とを有していて、第1
    の板状部の上端及び下端がそれぞれ前記上部枠及び下部
    枠に溶接され、 各連結金具の第2の板状部の上端は前記上部枠の上端に
    設けられたフランジに、また該第2の板状部の下端は前
    記ベース金具にそれぞれ溶接されていることを特徴とす
    る電気機器用波ケース。
  2. 【請求項2】相対する1対の長辺部と該1対の長辺部の
    両端間をつなぐ1対の短辺部と4つのコーナ部とを有す
    る横長の形状に形成されていて各長辺部に直線部分を有
    する下部枠及び上部枠と、 前記下部枠の下端に溶接された底板と、 前記上部枠と下部枠との間に跨って配置されて上端及び
    下端がそれぞれ上部枠及び下部枠に溶接された波板とを
    備えた電気機器用波ケースにおいて、前記上部枠及び下部枠のコーナ部よりも内側の位置で
    記上部枠の各長辺部の直線部分と下部枠の各長辺部の直
    線部分との間を連結する連結金具が各長辺部毎に、該長
    辺部の長手方向に間隔をあけて1対ずつ設けられ、 前記底板はその外周部が前記下部枠の下端よりも外側に
    突出するように設けられ、 各連結金具は前記上部枠及び下部枠の直線部分に沿う第
    1の板状部と該第1の板状部と直交する状態で該第1の
    板状部に固定された第2の板状部とを有していて、第1
    の板状部の上端及び下端がそれぞれ前記上部枠及び下部
    枠に溶接され、 各連結金具の第2の板状部の上端は前記上部枠の上端に
    設けられたフランジに、また該第2の板状部の下端は前
    記底板の外周部にそれぞれ溶接されていることを特徴と
    する電気機器用波ケース。
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