JP2593086B2 - 複合シート - Google Patents

複合シート

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JP2593086B2
JP2593086B2 JP6908988A JP6908988A JP2593086B2 JP 2593086 B2 JP2593086 B2 JP 2593086B2 JP 6908988 A JP6908988 A JP 6908988A JP 6908988 A JP6908988 A JP 6908988A JP 2593086 B2 JP2593086 B2 JP 2593086B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、カール防止性の優れた複合シートに係り、
特に印刷時に熱が加えられてもカールすることがなく、
トランプカード、アート紙、ポスター紙などの印刷用紙
やコンピュータフォーム用紙、静電プロッタ用紙、感熱
紙、熱転写記録用画像受容シートの基材シートなどの情
報記録用紙として用いることのできる複合シートに関す
る。
[従来の技術] 従来、熱転写記録用画像受容シートにおいては、昇華
性又は気化性染料を含有する転写層を有する転写シート
と、受容シートとを重ね合せ、印刷の際にはこの転写シ
ートを加熱して、転写層に含まれる染料を昇華又は気化
させて受容シートに染着させ、受容シート上に染料画像
を形成させることによって熱転写が行なわれている。
具体的には、サーマルヘッド等の電気信号により制御
される熱源を用いた転写型感熱記録方式では、第6図に
示すように色材層22と基体21を有する転写体2と、画像
受容層11と支持体12を有する受容シート1をドラム3と
熱源4の間に挟着させて、電気信号に応じて層22の色材
を加熱して画像受容層11上に転写することによりカラー
コピーを印刷している。
前記画像受容層11は、用いる色材の内容により使用さ
れる素材が異なり、顔料を含む熱溶融型色材の場合に
は、支持体12そのものを用いてもよいが、昇華性塩基性
染料型色材の場合には活性白土(活性クレー)層が用い
られ、また、昇華性分散染料型色材の場合にはポリエス
テル等の高分子材料コート層等が用いられている。
また、支持体12としては、紙や無機微細粉末を40〜50
重量%含有する熱可塑性樹脂の延伸フィルムよりなる合
成紙(特公昭46−40794号)、あるいは透明なポリエチ
レンテレフタレートフィルム又は透明フィルムの表面に
シリカや炭酸カルシウム等の無機化合物をバインダーと
共に塗布して白色度及び染着性を高めた塗工合成紙など
が用いられている。
しかし、熱転写された受容シートのアフターユース
(複写、鉛筆筆記性、保存性等)を考慮した場合、熱転
写記録用画像受容シートとしては、強度、寸法安定性、
印字ヘッドとの密着性の面から無機微細粉末を含有する
ポリオレフィン樹脂フィルムを延伸して得られる内部に
マイクロボイドを多数有する合成紙であることが好まし
い(特開昭60−245593号、同61−112693号、特願昭62−
25080号)。
[発明が解決しようとする課題] このようなポリオレフィン樹脂系合成紙は、不透明性
及びソフト感を出し、印字ヘッドとの密着性、給排紙性
を良好なものとするために、素材のポリオレフィン樹脂
の融点よりも低い温度でフィルムを延伸して内部にマイ
クロボイドを形成させている。
しかし、前記ポリプロピレン樹脂は融点がポリエチレ
ンテレフタレートやポリアミド(240〜255℃)と比較し
て167℃以下と低く、かつ、印字ヘッドによる印刷のと
きの受容シートの表面の温度が、極く短時間ではあるが
上記融点よりも高い190〜200℃となることから、印字の
際の熱により合成紙が収縮して、感熱転写された受容シ
ートが印字、印刷された内側面にカールする問題が指摘
されている(特開昭60−245593号、同61−283595号)。
また、印字された受容シートのカールを防止する方法
として合成紙と他の芯材とを貼着させる方法が提案され
ている(特開昭62−198497号)が特に高濃度画像の転写
に置けるカールは未だ満足できるレベルには達しておら
ず、しかも得られた画像の画質にも問題が残っていた。
[課題を解決するための手段] 本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであっ
て、フィラー含有二軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルム
を基材層とし、その片面又は両面にフィラー含有一軸延
伸ポリプロピレン樹脂フィルムを貼着した少なくとも二
層構造からなる多層樹脂シートを、芯材層の少なくとも
片面に貼着してなる複合シートにおいて、前記芯材層の
上面側に貼着された多層樹脂シートの表面側のフィラー
含有一軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルム層の肉厚及び
フィラー含量を最大にして、下層に行くに従って順次肉
厚及びフィラー含量を小さくして形成したことを特徴と
する複合シートである。
[発明の具体的説明] (1)複合シート 本発明の複合シートは、表面層及び基材層の少なくと
も二層構造から構成される多層ポリプロピレン樹脂シー
トと、芯材層とを積層することによって基本的に構成さ
れた第2図のような積層体であり、該積層体はその表面
に更に画像受像層11などが設けられて第5図のような積
層体として実用に供される。
本発明の複合シートでは、芯材層の上面側に貼着され
た多層樹脂シートの表面側のフィラー含有一軸延伸ポリ
プロピレン樹脂フィルム層(表面層)の肉厚を、サーマ
ルヘッドから伝導される熱によって収縮し易いフィラー
含有二軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルム層(基材層)
の肉厚よりも厚く形成することにより、上記熱伝導によ
る基材層への影響を小さく(基材層の収縮を小さく)す
ると共に、更にこのような多層樹脂シートに該多層樹脂
シートよりも耐熱性及び剛性に優れた芯材層を貼着する
ことによって熱転写された印字後のカールを防止するこ
とができる。
このような本発明の複合シートに類似する合成紙とし
ては、市販の合成紙ユポFPG(王子油化合成紙(株)商
品名)が知られているが、該合成紙ユポFPGの表面層の
肉厚は基材層の約1/2程度の厚さであることから、表面
層の肉厚が基材層の肉厚よりも薄く、本発明の複合シー
トとは明らかに異なる層構成の積層体である。
また、本発明の複合シートは不透明度や白色度及び表
面ソフト感を表面層に付与するために、多層樹脂シート
の表面層の無機微細粉末含量を基材層のそれよりも多く
含有させることによりマイクロボイドの発生数を多く
し、かつ、サーマルヘッドとの密着性を良好にして、転
写された画像が良好になるように形成されている。
このように改良された多層樹脂シートの表面層及び基
材層と、該基材層の表面層と反対側に貼着されている多
層樹脂シートよりも剛性及び耐熱性を有している芯材層
とから形成される複合シートの厚みは、一般に60〜250
μm、好ましくは80〜210μmであり、多層樹脂シート
の厚みを1とした場合、芯材層の厚みが一般に0.2〜3.
5、好ましくは0.5〜3.0の範囲となるように積層させ
る。
また、前記多層樹脂シートが表面層、基材層及び裏面
層の三層構造より形成される場合、複合シートは上記三
層以外に芯材層が加わるので第1図のように四層構造と
なっている。
基材層の裏面側の、基材層と芯材層との間に挟着され
たフィラー含有一軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルム
(裏面層)は、該裏面層の無機微細粉末含量を基材層よ
りも少なくすることにより、延伸によって発生するマイ
クロボイドの数を減少させて、サーマルヘッドが表面層
に触れることによって発生する表面層の熱収縮応力に打
ち勝つ剛性が付与される。また、裏面層の肉厚を表面層
よりも薄く形成させることにより裏面層側に若干凹状に
カールする癖を付与する。このような性質が付与された
裏面層が表面層に発生する熱収縮応力を打ち消し、多層
樹脂シート全体の表面層加熱時のカールを一層少なくす
ることができる。
さらに、前記多層樹脂シートが表面層、基材層及び裏
面層の三層構造より形成され、該多層樹脂シートを芯材
層の表裏両面に貼着することにより、複合シートを第3
図に示すように七層構造とすることもできる。
また、前記複合シートに他の目的のために他の層をこ
れら層間あるいはこれら層上に積層させて、第4図のよ
うに十層構造とすることもできる。
(2)多層樹脂シート 次に画像受容シートの支持体とすることができる本発
明の複合シートの各構成層に付き更に詳細に説明する。
多層樹脂シートは、以下に示す表面層及び基材層の少
なくとも二層構造より、好ましくは表面層、基材層及び
裏面層の三層構造より主として形成されている。
(A)表面層 表面層(A)は、比表面積が10,000cm2/g以上の無機
微細粉末を30〜80重量%未満、好ましくは40〜65重量%
含む肉厚が6〜90μm、好ましくは17〜80μmの一軸延
伸されたポリプロピレン樹脂フィルムである。
この表面層及び後述の裏面層の一軸延伸フイルムは、
それぞれ単層であっても多層構造の一軸延伸樹脂フイル
ムであってもよい。
本発明において、例えば表面が多層の場合、「表面側
のフィラー含有一軸延伸樹脂フイルムの肉厚及びフィラ
ー含量」とは、これら表面層を形成する多層のフィラー
含有一軸延伸樹脂フイルムの合計の肉厚、合計のフィラ
ー量を意味する。
表面層と裏面層の肉厚の和は、複合シートの全肉厚の
52〜80%である。
当該表面層(A)は、無機微細粉末を核とした微細な
長尺状の空隙(ボイド)を多数有するものである。
(B)基材層 基材層(B)としては、比表面積が10,000cm2/g以上
の無機微細粉末を10〜45重量%、好ましくは15〜35重量
%含有し、二軸延伸により生じるミクロボイドを多数含
有する二軸延伸されたポリプロピレン樹脂フィルムで、
その肉厚が複合シートの全厚の20〜48%を占める。肉厚
は一般に5〜80μm、好ましくは15〜70μmのものが用
いられるが、このような基材層にはその両面に、無機微
細粉末を0〜25重量%含有するポリオレフィン樹脂フィ
ルムを表面接着層(E)と、無機微細粉末を0〜25重量
%含有するポリオレフィン樹脂フィルムよりなる裏面接
着層(F)とを有していてもよい。これらの接着層(E,
F)の肉厚は、0.2〜2μmで十分である。
基材層の肉厚が全厚の20%以下になると、積層樹脂シ
ートの剛さ(腰)が低下し、芯材との貼着の際に支障を
きたす。また、逆に肉厚が48%を超えると、表面層の肉
厚が薄くなるためにサーマルヘッドなどの加熱による基
材層の温度上昇が高くなって収縮量が大きくなり、カー
ル防止効果が低下する。
(C)裏面層 裏面層(C)は、比表面積が10,000cm2/g以上の無機
微細粉末を5〜30重量%未満、好ましくは10〜25重量%
含む一軸延伸された肉厚が4〜70μm、好ましくは13〜
60μmのポリプロピレン樹脂フィルムである。
構成素材 前記表面層、基材層及び裏面層を構成する樹脂として
は、ポリプロピレンが耐熱性、耐溶剤性、コストの面で
使用される。
このポリプロピレン樹脂に、ポリスチレン、ポリアミ
ド、ポリエチレンテレフタレート、エチレン・酢酸ビニ
ル共重合体の部分加水分解物、エチレン・アクリル酸共
重合体およびその塩、塩化ビニリデン共重合体例えば塩
化ビニル・塩化ビニリデン共重合体などを配合してもよ
い。
無機質微細粉末としては炭酸カルシウム、焼成クレ
ー、ケイ藻土、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム、硫
酸アルミニウム、シリカなどが挙げられる。
多層樹脂シートの製造 本発明の多層樹脂シートの製造について具体的に記述
すると、まず、下記(A)、(B)及び(C)の組成物
を調製する。
(A)表面層形成用組成物 (a)ポリプロピレン 20〜70重量% (b)ポリスチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリ
エチレン、低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル
共重合体より選ばれた樹脂 0〜20重量% (c)無機微細粉末 30〜80重量% (B)基材層形成用組成物 (a)ポリプロピレン 35〜95重量% (b)高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密
度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体より選
ばれた樹脂 0〜20重量% (c)無機微細粉末 10〜45重量% (C)裏面層形成用組成物 (a)ポリプロピレン 70〜95重量% (b)ポリスチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリ
エチレン、低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル
共重合体 0〜20重量% (c)無機微細粉末 5〜30重量% 前記基材層形成用組成物(B)の一軸延伸フィルムシ
ートの片面に、表面層形成用の組成物(A)の樹脂シー
トを溶融積層し、反対面に裏面層形成用樹脂組成物
(C)の樹脂シートを溶融積層し、この多層シートを一
旦冷却した後、この積層物を再度加熱して(B)のシー
トの一軸延伸方向と直交する方向に延伸し、ついで熱処
理することによって得られる。
カール防止のため熱収縮率の小さいシートにする必要
があり、多層樹脂シート製造時の延伸温度及びアニーリ
ング処理温度を高めに設定することが好ましい。
この延伸によって組成物(B)のシートは二軸延伸さ
れ、その内部には多数の空隙(ミクロボイド)が形成さ
れる。一方、表面層(A)及び裏面層(C)は、前記延
伸によって一軸方向にのみ延伸されたフィルムとなり、
表面には微小な凹凸が生じ、表面平滑度(ベック指数)
が300〜3000秒程度のものとなる。
表面層、裏面層と基材層の各層の厚さは、基材層の肉
厚を1として、表面層の肉厚を1.1以上、好ましくは1.1
0〜1.30、裏面層の肉厚を0.9以下、好ましくは0.70〜0.
85とする。
前記表面層の肉厚を上記範囲より小さくするとカール
性が悪化し、また、前記裏面層の肉厚を上記範囲より大
きくするとカール性が悪化する。
具体的には、表面層と基材層及び裏面層の各層の厚さ
は、表面層と裏面層の合計の厚さが多層樹脂シートの全
肉厚の52〜80%の範囲内で、しかも基材層の厚さが20〜
40%であることが好ましい。
基材層の肉厚が全肉厚の40%を越えると、表面層から
の加熱により基材層の熱収縮が大きくなり、カールの改
良効果が少なくなる。逆に基材層の肉厚が全肉厚の20%
以下になると多層樹脂シートの剛さが低下し、熱転写受
容紙用基材や各種印刷用紙としての適性に欠ける。
なお、第4図に示すような多層複合シートの場合、最
外層(D.G)は表面層(A)の肉厚の50%以下であるこ
とが好ましい。最外層(D.G)はシートの表面性質(例
えば、表面平滑性、光沢度、鉛筆筆記性、芯材との接着
性及びスリップ性)を任意にコントロールするのに重要
であり、それぞれの目的に応じて最適の配合、肉厚の設
定が行なわれる。例えば、次の組成がある。
a)ポリプロピレン 20〜70重量% b)ポリスチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエ
チレン、低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共
重合体より選ばれた樹脂 0〜20重量% c)無機微細粉末 30〜80重量% 本発明の多層樹脂シートでは基材層(B)は一軸延伸
ポリプロピレンフィルム層又は無軸延伸ポリプロピレン
フィルム層に比較して引張力に対して強いが熱収縮し易
く、カール防止性に弱い。そこで、表面層(A)の肉厚
を厚くし、フィラー含有率を高くして延伸することによ
って表面層(A)内のボイドの数量を多くすることによ
り基材層への熱の伝達を少なくし、併せてシートの不透
明度を向上させている。
また、裏面層(C)では剛性を付与するために、フィ
ラー量を少なくし、延伸によるボイド量を小さくしてい
る。
したがって表面層としては無機微細粉末を多量に含む
ことが重要であり、基材層、裏面層に行くに従って順次
無機質微細粉末の含有量及び肉厚を小さく形成されてい
る。
表面層の無機微細粉末の含量は、JIS P−8120で測定
した表面平滑度(ベック指数)が300〜3,000秒程度のも
のとなるように選定するのが好ましい。
表面層に混合される無機微細粉末は、できるだけ表面
層に大きな凸部を作らないものが選ばれ、325メッシュ
残が10ppm以下のものが好ましい。粒径は3μm以下の
ものが好ましい。
表面転写画像受容層の反対面に貼着される多層樹脂シ
ートの裏面層(C)は、転写時のロールとのすべり性、
転写後の裏面層への筆記性を賦与するため、無機微細粉
末を5〜30重量%、好ましくは8〜20重量%含有させる
のがよく、JIS P−8120で測定した表面平滑度(ベック
指数)が50〜2,000秒となるように選定するのが好まし
い。
多層樹脂シートの作用 多層樹脂シートは、表面層(A)の肉厚を基材層
(B)よりも厚くし、かつ、無機微細粉末を多く含有さ
せることによって、融点近くの軟化点温度域での延伸及
びアニーリング温度条件下においても、内部に適度のマ
イクロボイドを有しており、熱転写受容紙用基材として
用いた場合のサーマルヘッドとの密着性が向上するの
で、得られる転写画像を鮮明にすることができる。
一軸延伸フィルム層である表面層(A)は、二軸延伸
フィルム層である基材層と同じ延伸条件で延伸された
時、縦、横方向とも熱収縮率は小さくなる。したがっ
て、表面層(A)からの一方的な加熱によって生ずるカ
ールを防止するためには、熱収縮率の小さな表面層
(A)を極力厚くすることにより、熱収縮率の大きな基
材層(B)への伝熱(温度)を低くして、収縮を少なく
することでカール防止をしている。
裏面層(C)は表面層(A)のような高熱を受けるこ
とが少ないので、基材層(B)より極力無機微細粉末の
含有量を少なくすることによりマイクロボイドの発生を
少なくすることができ、剛性を裏面に付与してカール防
止をしている。
また、裏面層(C)の肉厚を表面層(A)よりも薄く
することにより裏面方向への若干の(実用上問題のない
程度)カール癖を持たせることができ、更に第3図に示
すように芯材層の裏面側にも多層樹脂シートの表面層を
貼着することにより、一層のカール癖を持たせることが
できるので、表面方向へのカール防止効果が一層向上さ
せることができる。
なお、裏面に鉛筆などによる筆記性や熱転写時のロー
ルとの滑り性を付与することなどが必要な場合には、裏
面層(C)の最外層に表面層組成(G)を該裏面層
(C)の厚みの20%を越えない範囲の厚みの層を設けて
も良い。ただし、裏面層(C)の厚みの20%を越えると
前記裏面層(C)による剛性の向上及び裏面カール癖効
果が少なくなる。
前記多層樹脂シートと芯材の貼着においては少なくと
も貼着された後の貼着積層シートの厚みは60〜250μ
m、好ましくは80〜210μmであり、60μm以下では貼
着シート自体の剛性がなく、印刷用紙や熱転写記録用画
像受容シートの支持体には適さない。厚みが250μmを
越えるとカール防止には効果があるが、プリンターなど
の機械適性(例えば搬送性など)上好ましくない。
(その他の層) 前記多層樹脂シートは、他の目的のために前記表面
層、基材層、裏面層以外に他の層を積層させることがで
きる。例えば、前記表面層の外側及び/又は裏面層の外
側に比表面積が10,000cm2/g以上の無機微細粉末を8〜6
0重量%、好ましくは40〜55重量%含有する一軸延伸の
ポリオレフィン樹脂フィルムを積層し(D,G)し、筆記
性及び貼着時の接着性を付与することができる。
(3)芯材層 材料 本発明の複合シートにおいて前記多層樹脂シートに積
層される芯材層として用いることができる材料として
は、パルプ紙及びプラスチックフイルムなどであり、特
に積層される多層樹脂フイルムより耐熱性及び剛性の高
いものが望ましい。パルプ紙にプラスチックフイルムを
ラミネートしたものも使用可能である。
前記パルプ紙としては、上質紙、アート紙、コート
紙、壁紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成樹脂
内添紙、板紙などが挙げられる。
上記プラスチックフイルムとしては、ポリオレフィン
ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリス
チレン、ポリメタクリレート、ポリアミド(ナイロン
6、ナイロン66、ナイロン6,10、ナイロン6,12など)が
挙げられる。これらフィルムは延伸されていても良い。
また、アルミニウム箔などの金属箔も使用することが
できる。
これら芯材に使用するフィルム又はパルプ紙の厚みは
貼着する多層樹脂シートの厚みを1とした場合に0.2〜
3.5、好ましくは0.5〜3.0の範囲である。
芯材の厚みが0.2以下になると熱転写で得られる画像
の画質は良くなるものの、高濃度階調で三色をベタ印字
した場合のカール防止効果が低下する。また、芯材の厚
みが三倍以上になると芯材の表面性質の影響を受けて得
られる画像が悪化する。
貼着方法 芯材と多層樹脂シートの貼着方法としては、例えば溶
剤型あるいは水系の接着材を用いて貼着する方法、ホッ
トメルト型接着材を用いた熱による貼着などが挙げられ
る。貼着手段は芯材の種類によって適宜選択される。
次に芯材の表裏面に多層樹脂シートを貼着した複合シ
ートの構成を第3図に示す。このような複合シートは熱
転写後のカール防止に一層工夫がなされており、更に芯
材の選択、貼着構成によって熱転写により画像を形成す
る場合に、画像濃度も高く、画像のバラツキも生じな
く、かつ最大濃度で赤、青、黄色(Y.M.C)の三色を転
写(いわゆる黒ベタ印字)後においてもほとんどカール
することがない。
(4)熱転写画像受容シート 前記本発明の複合シートの表面に、画像受容層形成用
塗工液を塗布し、乾燥して溶媒を飛散させることによっ
て熱転写画像受容シートが得られる。
この画像受容シートの肉厚は一般に60〜250μm、好
ましくは80〜210μmで、JIS P−8125で測定したテーバ
ー剛度が3〜20g・cmのものがカール防止、給排紙性の
面で好ましい。
画像受容層 前記画像受容層を形成する樹脂としては、オリゴエス
テルアクリレート樹脂、飽和ポリエステル樹脂、塩化ビ
ニル・酢酸ビニル共重合体、アクリルエステル・スチレ
ン共重合体、エポキシアクリレート樹脂などが利用さ
れ、これらはトルエン、キシレン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノンなどに溶解し、塗工液として用い
られる。
この塗工液は、耐光性を高めるために紫外線吸収剤及
び/又は光安定剤を含有することができる。
紫外線吸収剤としては、例えば2−(2′−ヒドロキ
シ−3,3′−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベ
ンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−t−
アミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−3′,5′−t−ブチルフェニル)
−ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−
3′,5′−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル等が挙げられる。
光安定剤としては、例えばジステアリルペンタエリス
リトールジフォスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチ
ルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、
ジノニルフェニルペンタエリスリトールジフォスファイ
ト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタ
デシルフォスファイト)、トリス(ノニルフェニル)フ
ォスファイト、1−{2−[3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エ
チル}−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テ
トラメチルピペリジン等が挙げられる。
これら紫外線吸収剤及び光安定剤の添加量は、受像層
3を構成する樹脂100重量部に対し、紫外線吸収剤は0.0
5〜10重量部、好ましくは0.1〜2重量部、光安定剤は0.
5〜3重量部、好ましくは0.1〜1重量部である。
また、熱転写シートとの離型性を向上せしめるために
画像受容層中に離型剤を含有せしめることができる。離
型剤としてはポリエチレンワックス、アミドワックス、
テフロンパウダー等の固形ワックス類;フッ素系、燐酸
エステル系の界面活性剤;シリコンオイル等が挙げられ
るがシリコンオイルが好ましい。
シリコンオイルとしては油状のものも用いることがで
きるが、硬化型のものが好ましい。
さらに、画像受容層の白色度を向上して転写画像の鮮
明度を更に高めるとともに被熱転写シート表面に筆記性
を付与し、かつ、転写された画像の再転写を防止する目
的で画像受容層中に白色顔料を添加することができる。
白色顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリン
クレー等が用いられる、これらは2種以上混合して用い
ることができる。酸化チタンとしてはアナターゼ型酸化
チタン、ルチル型酸化チタンを用いることができ、アナ
ターゼ型酸化チタンとしては、例えばKA−10、KA−20、
KA−15、KA−30、KA−35、KA−60、KA−80、KA−90(い
ずれもチタン工業(株)製)等が挙げられ、ルチル型酸
化チタンとしてKR−310、KR−380、KR−460、KR−480
(いずれもチタン工業(株)製)等が挙げられる。白色
顔料の添加量は画像受容層を構成する樹脂100重量部に
対して5〜50重量部が好ましい。
画像受容層11の肉厚は、0.2〜20μmが一般である。
[実施例] 以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
なお、実施例におけるカール高さ、熱収縮率、画像評
価及び不透明度の品質評価の方法は以下に示す測定方法
による。
カール高さ 測定しようとする積層樹脂シート及び画像受容シート
を日立カラービデオプリンターVD−50(商品名)でY.M.
C各色をベタ印字で転写したものをMDJマシンダイレクシ
ョン)方向に120mm幅、TD(トラバースダイレクショ
ン)方向に100mm幅の長方形に裁断し、これを23℃の温
度、湿度50%の条件下で平坦面に24時間置いた際の浮き
上り高さ(mm)を測定する。
熱収縮率 多層樹脂シートを固定せずに平坦面に置き、120℃の
温度下で30分間放置した時の寸法(l)を測定し、元の
長さ(l0)とこのlとの差を求め、次式により熱収縮率
を求めた。
不透明度 JIS P−8138により求めた。
画像評価 画像受容シートと昇華性染料を塗布乾燥した三菱製紙
(株)製転写フイルム“TTFシアン”(商品名)を重ね
合せ、熱傾斜試験機(東洋精機製Type−HG−100)を使
用し、熱板を120℃より10℃間隔で5点熱傾斜させ、0.5
kg/cm2の圧力で2秒間加熱し、転写画像を得た。
得られた転写画像の濃度をマクベス濃度計で測定し、
下記の5段階で評価した。
5:大変良い。
4:良い。
3:実用上支障がない。
2:実用上少々問題がある。
1:実用にならない。
多層樹脂シートの製造例 例1(実施例1用多層樹脂シート) (1)メルトインデックス(MI)0.8のポリプロピレン7
5重量%に、平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム25重量%
を配合(B)し、270℃に設定した押出機にて混練後、
シート状に押し出し、冷却装置により冷却して、無延伸
シートを得た。このシートを150℃に加熱した後、縦方
向に5倍延伸した。
(2)MI4.0のポリプロピレン45重量%に平均粒径1.5μ
mの炭酸カルシウム55重量%を混合した表面層用の組成
物(A)を押出機で溶融混練して、押し出したシート
を、(1)の5倍延伸シートの片面に積層した。また、
その(1)の5倍延伸シートの反対側の面にMI4.0のポ
リプロピレン85重量%に平均粒径1.5μmの炭酸カルシ
ウム15重量%を混合した裏面層用の組成物(C)を別の
押出機で溶融混練して、押し出し積層して三層構造の積
層体を得た。
次いで、この積層体を60℃まで冷却した後、165℃ま
で加熱して、テンターで横方向に7.5倍に延伸し、167℃
でアニーリング処理した後、60℃まで冷却し、耳部をス
リットして三層(A/B/C:肉厚25/20/15μm)構造の多層
樹脂シートを得た。
この多層樹脂シートの不透明度は90%であり、このシ
ートの熱収縮率はMD方向で1.0%、TD方向で0.2%であっ
た。
例2(比較例1用多層樹脂シート) (1)メルトインデックス(MI)0.8のポリプロピレン7
5重量%に、平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム25重量%
を配合(B)して、270℃に設定した押出機にて混練し
た後、シート状に押し出し、冷却装置により冷却して、
無延伸シートを得た。
次いで、このシートを150℃に加熱した後、縦方向に
5倍延伸した。
(2)MI4.0のポリプロピレン45重量%に平均粒径1.5μ
mの炭酸カルシウム55重量%を混合した表面層用の組成
物(A)を押出機で溶融混練し、押し出したシートを、
(1)の5倍延伸シートの片面に積層した。また、その
(1)の5倍延伸シートの反対側の面にMI4.0のポリプ
ロピレン85重量%に平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム1
5重量%を混合した裏面層用の組成物(C)を別の押出
機で溶融混練して、押し出し積層して三層構造の積層体
を得た。
次いで、この積層体を60℃まで冷却した後、160℃ま
で加熱して、テンターで横方向に7.5倍に延伸し、163℃
でアニーリング処理した後、60℃まで冷却し、耳部をス
リットして三層(A/B/C:肉厚25/20/15μm)構造の多層
樹脂シートを得た。
この多層樹脂シートの不透明度は91%、熱収縮率はMD
方向で2.5%、TD方向で1.6%であった。
例3(比較例2用多層樹脂シート) ダイのスリットの幅を変更する以外は実施例1と同様
にして肉厚がA/B/C:15/30/15μmの三層構造の延伸積層
樹脂シートを製造した。
例4(比較例3用多層樹脂シート) (1)メルトインデックス(MI)0.8のポリプロピレン8
5重量%に、平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム15重量%
を配合(B)し、270℃に設定した押出機にて混練した
後、シート状に押し出し、冷却装置により冷却して、無
延伸シートを得た。このシートを150℃に加熱した後、
縦方向に5倍延伸した。
(2)MI4.0のポリプロピレン55重量%に平均粒径1.5μ
mの炭酸カルシウム45重量%を混合した表面層用の組成
物(A)を押出機で溶融混練し、押し出したシートを、
(1)の5倍延伸シートの片面に積層した。また、その
(1)の5倍延伸シートの反対側の面にMI4.0のポリプ
ロピレン85重量%に平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム1
5重量%を混合した裏面層用の組成物(C)を別の押出
機で溶融混練し、押し出し積層して三層構造の積層体を
得た。
次いで、60℃まで冷却した後、165℃まで加熱して、
テンターで横方向に7.5倍で延伸し、167℃でアニーリン
グ処理した後、60℃まで冷却し、耳部をスリットして三
層(A/B/C:肉厚40/80/40μm)構造の多層樹脂シートを
得た。
例5(比較例4用多層樹脂シート) (1)メルトインデックス(MI)0.8のポリプロピレン7
5重量%に、平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム25重量%
を配合(B)し、270℃に設定した押出機にて混練後、
シート状に押し出し、冷却装置により冷却して、無延伸
シートを得た。このシートを150℃に加熱した後、縦方
向に5倍延伸した。
(2)MI4.0のポリプロピレン85重量%に平均粒径1.5μ
mの炭酸カルシウム15重量%を混合した表面層用の組成
物(A)を押出機で溶融混練し、押し出したシートを、
(1)の5倍延伸シートの片面に積層した。また、その
(1)の5倍延伸シートの反対側の面にMI4.0のポリプ
ロピレン45重量%に平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム5
5重量%を混合した裏面層用の組成物(C)を別の押出
機で溶融混練し、押し出し積層して三層構造の積層体を
得た。
次いで、60℃まで冷却した後、165℃まで加熱して、
テンターで横方向に7.5倍で延伸し、167℃でアニーリン
グ処理した後、60℃まで冷却し、耳部をスリットして三
層(A/B/C:肉厚25/20/15μm)構造の多層樹脂シートを
得た。
例6(実施例2用多層樹脂シート) (1)メルトインデックス(MI)0.8のポリプロピレン7
5重量%に、平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム25重量%
を配合(B)し、270℃に設定した押出機にて混練後、
シート状に押し出し、冷却装置により冷却して、無延伸
シートを得た。このシートを150℃に加熱した後、縦方
向に5倍延伸した。
(2)MI4.0のポリプロピレン55重量%に平均粒径1.5μ
mの炭酸カルシウム45重量%を配合した配合物(D)
と、MI4.0のポリプロピレン45重量%に平均粒径1.5μm
の炭酸カルシウム55重量%を配合した配合物(A)を別
々の押出機で溶融混練し、ダイ内で積層し、シート状に
共押出し、(1)の5倍延伸シートの表面(D)が外側
になるように積層した。一方、反対側の面にMI4.0のポ
リプロピレン85重量%に平均粒径1.5μmの炭酸カルシ
ウム15重量%を混合した組成物(C)を別の押出機で溶
融混練し、押し出し積層して四層構造の積層体を得た。
次いで、60℃まで冷却した後、165℃まで加熱し、テ
ンターで横方向に7.5倍で延伸し、167℃でアニーリング
処理し、60℃まで冷却し、耳部をスリットして四層(D/
A/B/C:肉厚3/22/20/15μm)構造の多層樹脂シートを得
た。
例7(実施例3用多層樹脂シート) (1)メルトインデックス(MI)0.8、融点165〜167℃
のポリプロピレン72重量%に、高密度ポリエチレン3重
量%、平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム25重量%を配
合(B)し、270℃に設定した押出機にて混練した。
一方、メルトインデックス1.0のポリプロピレン99.7
重量%と炭酸カルシウム0.3重量%とを配合した組成物
(E,F)を別の押出機を用いて270℃で混練した。
そしてこれらをそれぞれ一台の共押出ダイに供給して
シート状に押し出し、冷却装置により冷却して、三層構
造の無延伸シートを得た。このシートを140℃に加熱し
た後、縦方向に5倍延伸した。
(2)MI4.0のポリプロピレン45重量%に平均粒径1.5μ
mの炭酸カルシウム55重量%を混合した表面層用の組成
物(A)を押出機で溶融混練し、押し出したシートを、
(1)の5倍延伸シートの片面に積層した。また、この
(1)の5倍延伸シートの反対側の面にMI4.0のポリプ
ロピレン85重量%に平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム1
5重量%を混合した裏面層用の組成物(C)を別の押出
機で溶融混練し、押し出し積層して五層構造の積層体を
得た。
次いで、60℃まで冷却した後、165℃まで加熱し、テ
ンターで横方向に7.5倍で延伸し、165℃でアニーリング
処理し、60℃まで冷却し、耳部をスリットして五層(A/
E/B/F/C:肉厚25/1/18/1/15μm)構造の多層樹脂シート
を得た。
例8(実施例4用多層樹脂シート) 例7の(2)の積層の際に、表面層(A)の上にMI4
のポリプロピレン55重量%に平均粒径1.5μmの炭酸カ
ルシウム45重量%を混合した最外表面層用の組成物
(D)を別の押出機で溶融混練して積層した。また、同
時に前記裏面層(C)の下側にMI4のポリプロピレン58
重量%に平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム42重量%を
混合した最外裏面層用の組成物(G)を別の押出機で溶
融混練して積層した。
延伸条件を例7と同様に行なって、7層(D/A/E/B/F/
C/G:肉厚3/22/1/18/1/12/3μm)構造の多層樹脂シート
を得た。
例9(実施例5用多層樹脂シート) (1)メルトインデックス(MI)0.8のポリプロピレン7
5重量%に、平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム25重量%
を配合(B)し、270℃に設定した押出機にて混練した
後、シート状に押し出し、冷却装置により冷却して、無
延伸シートを得た。このシートを150℃に加熱した後、
縦方向に5倍延伸した。
(2)MI4.0のポリプロピレン45重量%に平均粒径1.5μ
mの炭酸カルシウム55重量%を混合した表面層用の組成
物(A)を押出機で溶融混練し、押し出したシートを
(1)の5倍延伸シートの片面(表面)に積層し、次い
で、60℃まで冷却した後、165℃まで加熱して、テンタ
ーで横方向に7.5倍で延伸し、167℃でアニーリング処理
した後、60℃まで冷却し、耳部をスリットして二層(A/
B:肉厚30/25μm)構造の多層樹脂シートを得た。
複合シートの製造例 上記各例で製造した(第1表に示す)多層樹脂シート
(a)の裏面層側に接着剤として東洋モートン(株)製
溶剤型ウレタン接着剤BLS−2080A(樹脂)とBLS−2080
(硬化剤)の混合物を3g/m2となるように塗布した後、
第1表に示す芯材を貼着し、さらにこの芯剤の裏面に前
記接着剤を塗布し、第1表に示す多層樹脂シートの表面
層側を前記接着剤に貼着し、第1表に示す複合シートを
得た。
実施例1〜9,比較例1〜4 第1表に示す複合シートの表面層に下記の画像受容形
成組成物をワイヤーバーコーティングにより、乾燥時の
厚さが4μmとなるように塗布し、乾燥して熱転写記録
用画像受容シートを得た。
画像受容形成組成物 飽和ポリエステル (東洋紡(株)製バイロン200,Tg67℃) 5.3重量部 (東洋紡(株)製バイロン290,Tg77℃) 5.3重量部 ビニライトVYHH(ユニオンカーバイド製塩化ビニール・
酢酸ビニル共重合体) 4.5重量部 酸化チタン(チタン工業(株)製KA−10) 1.5重量部 アミノ変性シリコンオイル(信越シリコン(株)製KF−
393) 1.1重量部 エポキシ変性シリコンオイル(信越シリコン(株)製X
−22−343) 1.1重量部 トルエン 30 重量部 メチルエチルケトン 30 重量部 シクロヘキサン 22 重量部 多層樹脂シートの熱収縮率、透明度の測定、及び、熱
転写記録用画像受容シートの熱転写後のカールの高さ、
画像の測定し、その結果を第1表に示す。
[発明の効果] 本発明の複合シートは、多層樹脂シートの表面層
(A)の肉厚を基材層(B)よりも厚くし、かつ、無機
微細粉末を多く含有させることにより、融点近くの軟化
点温度域での延伸及びアニーリング温度条件下において
も、内部に適度のマイクロボイドを有しており、熱転写
受容紙用基材として用いた場合のサーマルヘッドとの密
着性が向上するので、得られる転写画像は鮮明である。
また、一軸延伸フイルム層である表面層(A)は、二軸
延伸フイルム層である基材層と同じ延伸条件で延伸され た時、縦、横方向とも熱収縮率は小さく、しかも、厚く
形成されているので、熱収縮率の大きな基材層(B)へ
の伝熱(温度)を低くして、収縮を少なくすることでカ
ール防止をしている。
さらに、裏面層(C)は表面層(A)のような高熱を
受けることが少ないので、基材層(B)より極力無機微
細粉末の含有量を少なくすることによりマイクロボイド
の発生を少なくすることができ、剛性を裏面に付与して
カール防止することができる。また、裏面層(C)の肉
厚を表面層(A)よりも薄くすることにより裏面方向へ
の若干の(実用上問題のない程度)カール癖を持たせる
ことができる。
そして、更に第3図に示すように芯材の裏面層にも多
層樹脂シートの表面層を貼着することにより一層のカー
ル癖を持たせることができるので、表面方向へのカール
防止効果が一層向上させることができる。
このような本発明の複合シートは、熱転写後のカール
の防止された熱転写記録用画像受容シートの支持体、特
にサーマルヘッドにより電気信号を文字や画像を受容体
上に形成するビデオプリンタなどに用いるカラーコピー
用の画像受容シートの支持体として有用である。
【図面の簡単な説明】
第1〜4図は、本発明実施例の複合シートの断面図を表
わし、第5図は本発明の複合シートの表面に画像受像層
を設けた熱転写記録用画像受容シートの断面図を表わ
し、第6図は転写感熱記録装置の要部の断面図を表わ
す。 1:熱転写記録用画像受容シート、 2:転写体、3:プラテンロール 4:サーマルヘッド、11:画像受容層 12:支持体(複合シート) 21:基体、22:色材層 A:表面層、B:基材層 C:裏面層、D,G:最外層 E:表面接着層、F:裏面接着層、 a:多層樹脂シート、b:芯材。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィラー含有二軸延伸ポリプロピレン樹脂
    フィルムを基材層とし、その片面又は両面にフィラー含
    有一軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルムを貼着した少な
    くとも二層構造からなる多層樹脂シートを、芯材層の少
    なくとも片面に貼着してなる複合シートにおいて、前記
    芯材層の上面側に貼着された多層樹脂シートの表面側の
    フィラー含有一軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルム層の
    肉厚及びフィラー含量を最大にして、下層に行くに従っ
    て順次肉厚及びフィラー含量を小さくして形成したこと
    を特徴とする複合シート。
  2. 【請求項2】多層樹脂シートが、フィラー含有二軸延伸
    ポリプロピレン樹脂フィルムの基材層の表面にフィラー
    含有一軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルムの裏面層が、
    又、基材層の裏面にフィラー含有一軸延伸ポリプロピレ
    ン樹脂フィルムの裏面層が貼着されて形成されている請
    求項1に記載の複合シート。
  3. 【請求項3】表面層のフィラー含量が30〜80重量%、基
    材層のフィラー含量が10〜45重量%及び裏面層のフィラ
    ー含量が5〜30重量%の範囲内である請求項2に記載の
    複合シート。
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