JP2592885B2 - 水性樹脂分散液およびその用途 - Google Patents

水性樹脂分散液およびその用途

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JP2592885B2 JP63026675A JP2667588A JP2592885B2 JP 2592885 B2 JP2592885 B2 JP 2592885B2 JP 63026675 A JP63026675 A JP 63026675A JP 2667588 A JP2667588 A JP 2667588A JP 2592885 B2 JP2592885 B2 JP 2592885B2
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Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は、耐水性が良好であり、発泡が少なくかつ各
種基材に対するヌレの改善された水性樹脂分散液及び該
水性樹脂分散液を用いたコーティング剤、粘着剤、繊維
加工用樹脂、無機繊維用バインダーに関するものであ
る。 (従来技術及び本発明が解決しようとする問題点) 水性樹脂分散液は、従来より各種乳化剤を用いた乳化
重合法により製造されており、その無公害性、作業性の
良さ、省資源といった利点を生かして、塗料、接着剤、
紙加工剤、繊維加工剤、モルタル改質剤など広範な応用
用途を持っている。 しかしながら、乳化重合に用いた親水性の乳化剤は水
を飛散させて被膜とした後も被膜中に残存し、しかも旧
粒子界面に局在化し易いために、被膜の耐水性など諸物
性に悪影響を及ぼす原因となっている。このような水性
樹脂分散液の本質的な欠点を改良するために、過硫酸カ
リウムなどを多量に用いるソープフリー乳化重合法、高
分子乳化剤を用いた乳化重合法等が提案されているが、
耐水性に関してはいまだ不十分である。また、ソープフ
リー乳化重合法、高分子乳化剤を用いた乳化重合法で得
られる水性樹脂分散液は表面張力が大きく発泡が少ない
という特長を有しているが低分子界面活性剤を含まない
ことから各種基材に対するヌレが悪いという問題があ
る。 一方本発明者らは末端に長鎖のチオアルキル基を有
し、分子中にカルボキシル基及び/またはその塩、必要
により重合性不飽和基を含有する化合物を乳化重合時の
乳化剤として用いた場合に、被膜の耐水性が良好であ
り、発泡の少ない水性樹脂分散液が得られること、並び
に乳化重合に用いる重合性単量体の少なくとも1種がカ
ルボキシル基と反応しうる官能基を有する重合性単量体
である場合には、さらに耐水性が改善された架橋被膜を
与えることを特願昭62−93229号公報、特願昭62−10978
5号公報、特願昭62−192657号公報にて明らかにした。
しかしながら、発泡が少なく、耐水性の優れた被膜を与
える上記水性樹脂分散液は、良好な物性を有しながらも
表面張力が高く各種基材に対するヌレが悪いため応用さ
れる用途に制限があった。 本発明の目的は、従来の水性樹脂分散液が有していた
前記問題点を解消し、造膜性が良好で、水分散状態での
安定性が良く、発泡が少なくかつ各種基材に対するヌレ
が良く、水を飛散させた場合、透明で耐水性の優れた被
膜を与える水性樹脂分散液、並びに該水性樹脂分散液を
用いてなるコーティング剤、粘着剤、繊維加工用樹脂、
無機繊維用バインダーを提供することにある。 (問題点を解決するための手段及び作用) 本発明者らは、一般式(I)で示される化合物を乳化
剤として、重合性単量体の1種または2種以上を水性媒
体中で乳化重合して得られる分散樹脂とポリビニルアル
コールとからなる水性樹脂分散液が、発泡が少なく耐水
性の優れた被膜を形成するだけでなく、各種基材に対し
て優れたヌレ性を示すことを見出し、本発明に到達した
ものである。 即ち、本発明は一般式(I) (式中、R1は炭素数6〜18のアルキル基を示し、R2,R3,
R4,R5およびR6はそれぞれ独立して水素、メチル基、カ
ルボキシル基またはカルボキシメチル基あるいはそれら
の塩を示し、Xは水素、アンモニウム塩、アミン塩基、
アルカリ金属またはアルカリ土類金属を示し、Yは重合
性不飽和基を有する炭化水素基を示し、Zはニトリル基
または置換基を有してもよいフェニル基、アミド基また
はカルボン酸アルキルエステル基を示し、a,b,cは重合
体中にランダム状で含まれる各モノマー単位の総和を表
わし、aは1〜500、bは0または1〜100の整数であ
り、cは0または1〜250の整数である。)で表わされ
る分子量が400以上の重合体及び/又はその塩からなる
反応性界面活性剤を乳化剤として、重合性単量体の1種
または2種以上を水性媒体中で乳化重合して得られる分
散樹脂とポリビニルアルコールとからなる水性樹脂分散
液、並びに該水性樹脂分散液を用いてなるコーティング
剤、粘着剤、繊維加工用樹脂、無機繊維用バインダーに
関するものである。 本発明の水性樹脂分散液が上記特性を発現する作用機
構に関しては、次のように推察される。一般式(I)で
示される化合物は、特にその分子中に重合性不飽和基を
有する場合、乳化重合により生成したポリマーと反応し
てグラフト化するなどして生成ポリマーとの相溶性が増
すのに加え、さらにカルボキシル基と反応性を有する官
能基を有する重量性単量体を使用することにより、成膜
時に乳化剤のカルボキシル基と乳化重合により生成した
ポリマー中の官能基が効率良く反応して架橋構造を形成
する。そのため耐水性が飛躍的に向上する。また、高分
子乳化剤を使用しているため発泡が少なく、かつその作
用機構は定かでないが、水溶性高分子であるポリビニル
アルコールが存在することにより、該水性樹脂分散液は
各種基材に対して優れたヌレ性を示す。 本発明において乳化剤として用いる一般式(I)で示
される反応性界面活性剤はカルボキシル基を有する重合
性単量体(A)と必要によりその他の重合性単量体
(B)をアルキルメルカプタン存在下ラジカル重合して
得られる重合体及び/または必要に応じて該重合体とカ
ルボキシル基との反応性を有する基を有する重合性単量
体(C)を反応させて得られる重合性不飽和基含有化合
物、および/またはその塩からなるものである。 カルボキシル基を有する重合性単量体(A)としては
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイ
ン酸、フマル酸、イタコン酸もしくはマレイン酸もしく
はフマル酸のモノエステル化物が挙げられ、これらの1
種または2種以上の混合物を使用することができる。 また、その他の重合性単量体(B)としてはスチレ
ン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、メチルスチ
レン、クロルメチルスチレン、スチレンスルホン酸また
はその塩などのスチレン誘導体;(メタ)アクリルアミ
ド、メチロール化(メタ)アクリルアミド、炭素数1〜
4個のアルコキシメチロール化(メタ)アクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルア
ミドなどのアミド基含有重合性単量体類;炭素数1〜18
個のアルキル鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル、
メタアクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリ
ル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−2−N,
N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジ
メチルアミノプロピルなどの(メタ)アクリル酸エステ
ル誘導体類;(メタ)アクリロニトリルなどのニトリル
基含有重合性単量体類などが挙げられ、これらの1種ま
たは2種以上の混合物で使用することができる。 また、必要に応じて該反応性界面活性剤に重合性不飽
和基を導入するために用いられるカルボキシル基と反応
性を有する基を含有する重合性単量体(C)としては、
(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエー
テルのようなエポキシ基含有重合性単量体類;2−イソプ
ロペニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−オキサゾリ
ンのようなオキサゾリン基含有重合性単量体類;メタア
クリル酸−2−アジリジニルエチル、(メタ)アクリロ
イルアジリジンのようなアジリジン基含有重合性単量体
類;メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アリルア
ルコール、(メタ)アクリル酸とポリプロピレングリコ
ールもしくはポリエチレングリコールとのモノエステル
化物などのヒドロキシル基含有重合性単量体類などが挙
げられる。これらの1種または2種以上の混合物で使用
することができる。重合性単量体(C)の使用量は該反
応性界面活性剤1分子当り1〜100分子の範囲であり、
1〜10分子がより好ましい。ただし、重合性単量体
(B)としてヒドロキシル基含有重合性単量体を用いた
場合、重合性単量体(C)にはヒドロキシル基含有重合
性単量体を用いることはできない。 重合の際用いられる炭素数6〜18のアルキルメルカプ
タンとしてはn−ヘキシルメルカプタン、n−オクチル
メルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシ
ルメルカプタン、セチルメルカプタン、ステアリルメル
カプタンなどが挙げられ、これらのうちから1種または
2種以上の混合物で使用することができる。 該反応性界面活性剤を得るための反応条件は特に限定
されず、例えばアルキルメルカプタンと重合性単量体
(A)及び重合性単量体(B)を一般のラジカル重合開
始剤を用い、そのままあるいは必要に応じて溶剤により
稀釈して重合して得られる。また、重合性不飽和基を有
する該反応性界面活性剤は、得られた重合体とカルボキ
シル基との反応性を有する基を含有する重合性単量体
(C)をそのままあるいは必要に応じて溶剤により稀釈
して、好ましくは常温〜200℃、より好ましくは50〜150
℃の温度条件下で反応させ合成できる。この際、使用す
るラジカル重合開始剤はアルキルメルカプタンの10分の
1モル以下が好ましく、また、必要に応じて使用する溶
剤は重合性単量体(A)、(B)、(C)及びアルキル
メルカプタンを溶解しうるものであって、かつこれらに
対して不活性である必要がある。また、反応に際して反
応を促進するための触媒を使用することは自由である。
このような条件により合成される該反応性界面活性剤の
分子量は好ましくは400〜10,000、より好ましくは400〜
5,000である。このようにして得られた反応性界面活性
剤は塩基を配合して塩とすることができる。塩とするこ
とは水に対する溶解性が向上するので好ましい。配合で
きうる塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ムおよびアンモニアなどの無機塩基;トリメチルアミ
ン、トリエチルアミンなどの有機塩基が挙げられ、これ
らのうちから1種または2種以上の混合物で使用するこ
とができる。 本発明の水性樹脂分散液を得るために用いられる重合
性単量体は重合性のものであれば特に限定されないが、
目的、用途に応じてその中の1種あるいは2種以上を組
合せて使用することができる。これらの重合性単量体と
しては、例えばスチレン、ビニルトルエン、α−メチル
スチレン、クロルメチルスチレン、スチレンスルホン酸
及びその塩などのスチレン誘導体類;(メタ)アクリル
アミド、N−モノメチル(メタ)アクリルアミド、N−
モノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル
(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド
誘導体類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリ
ル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの(メタ)
アクリル酸とC1〜C18のアルコールのエステル化により
合成される(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)ア
クリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2
−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸とポリプロ
ピレングリコールもしくはポリエチレングリコールとの
モノエステルなどのヒドロキシ基含有(メタ)アクリル
酸エステル類;(メタ)アクリル酸2−スルホン酸エチ
ル及びその塩、ビニルスルホン酸及びその塩、酢酸ビニ
ル、(メタ)アクリロニトリルなど、また(メタ)アク
リル酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メ
タ)アクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾ
ール、ビニルピロリドンなどの塩基性重合性単量体類;
(メタ)アクリル酸とエチレングリコール、1,3−ブチ
レングリコール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサ
ングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリ
トールなどの多価アルコールとのエステルなどの分子内
に重合性不飽和基を2個以上有する多官能(メタ)アク
リル酸エステル類;N−メチロール(メタ)アクリルアミ
ド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどの
(メタ)アクリルアミド類;ビニルトリメトキシシラ
ン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、アリルトリエトキシシラン、トリメトキシシリル
プロピルアリルアミンなどの有機ケイ素基含有重合性単
量体類;及び弗化ビニル、弗化ビニリデン、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタ
レートなどを挙げることができる。 また、該水性樹脂分散液から水を飛散させて得られる
フイルムの耐水性をより向上させるために用いられるカ
ルボキシル基と反応しうる官能基を有する重合性単量体
としては、前記重合性不飽和基を有する反応性界面活性
剤を合成する際に用いた重合性単量体(C)のうちヒド
ロキシル基含有重合性単量体類をのぞくものがそのまま
例として挙げられる。 本発明において用いられる水溶性高分子であるポリビ
ニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルの加水分解(ケン
化)物であり、その重合度、ケン化度の広い範囲にわた
って有効に用いることができる。本発明で用いられるポ
リビニルアルコールの重合度については200〜3500、ケ
ン化度については70〜100モル%が好ましい。ポリビニ
ルアルコールの含有量としては、分散樹脂100部(固形
分換算)に対して0.001〜25部が好ましく、より好まし
くは0.005〜10部、特に好ましくは、0.01〜1部であ
る。 本発明は、前記の一般式(I)で示される反応性界面
活性剤を乳化剤として、同じく前記のような重合性単量
体の1種または2種以上を水性媒体中で乳化重合して得
られる水性樹脂分散液に関するものであり、その重合方
法については従来公知のあらゆる乳化重合法が適用でき
る。例えば、重合触媒、水、前記重合性不飽和基含有化
合物からなる反応性界面活性剤および/またはその塩、
重合性単量体を一活混合して重合する方法、もしくはい
わゆるモノマー滴下法、プレエマルション法などの方法
により本発明の水性樹脂分散液を合成することができ
る。 重合温度としては0〜100℃、好ましくは50〜80℃、
重合時間は1〜10時間である。乳化重合の際、親水性溶
媒を加えること及び他の公知の乳化剤、添加剤を加える
ことは、その被膜の物性に悪影響を及ぼさない範囲にお
いて可能である。 該反応性界面活性剤および/またはその塩の使用量は
特に限定されないが、好ましくは重合性単量体成分100
重量部に対して0.5〜200重量部であり、より好ましくは
1〜15重量部である。 重合触媒としては、従来公知のものならば何でも使用
することができる。ただし、特に耐水性に優れた被膜を
与える水性樹脂分散液を得るためには、過酸化水素、ジ
−t−ブチルパーオキサイド、過酢酸、2,2′−アゾビ
ス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4′−アゾビ
ス(4−シアノペンタン酸)などの硫酸根を残さない重
合触媒の1種または2種以上の混合物を使用するのが好
ましい。また、重合性単量体中の少なくとも1種がカル
ボキシル基と反応しうる官能基を有する場合には、それ
ら反応性基に対して高い反応性を有するアミジノ基、カ
ルボキシル基などを分子内に含有する2,2′−アゾビス
(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4′−アゾビス
(4−シアノペンタン酸)などを用いるのがより好まし
い。重合触媒の使用量は、通常重合性単量体成分100重
量部に対して0.01〜5重量部の範囲である。 また、重合性単量体中の少なくとも1種がカルボキシ
ル基と反応しうる官能基を有する場合、重合性単量体を
カルボキシル基と反応しうる官能基を有する重合性単量
体を含むものと含まぬものに分割し、これらを多段重合
することにより、得られる水性樹脂分散液の被膜の耐水
性が著しく向上する。その際それぞれの重合性単量体成
分は何段階に分けて乳化重合しても良く、また、重合す
る順序も問わない。多段重合は、得られる被膜の耐水性
を著しく向上させるものであるが、特に最後段に重合す
る成分としてカルボキシル基と反応しうる官能基を有す
る重合性単量体を含まないものを用いると、得られる被
膜の上記物性をより向上させるばかりでなく、貯蔵安定
性を飛躍的に向上させるので好ましい。 ポリビニルアルコールを含有する水性樹脂分散液を製
造する方法としては、ポリビニルアルコールを乳化重合
前あるいは重合中に添加する方法、乳化重合が終了して
から添加する方法、いずれであっても良い。 乳化重合前あるいは重合中にポリビニルアルコールを
添加する方法では、重合開始剤として過酸化水素、ジ−
t−ブチルパーオキサイド、過酢酸、過硫酸塩などの過
酸化物を用いてポリビニルアルコールの水素ラジカル引
き抜き反応をともなう機構により分散樹脂を処理するこ
ともできる。ただし、ポリビニルアルコールを加える際
に凝集物が生成しないよう、ポリビニルアルコール含有
量10%以下の水溶液として添加することが好ましい。 (発明の効果) 本発明の水性樹脂分散液は、前記の一般式(I)で示
される反応性界面活性剤を乳化剤として、1種または2
種以上の重合性単量体を水性媒体中で乳化重合して得ら
れるものであり、特に該反応性界面活性剤が重合性不飽
和基を含む場合は乳化重合により生成したポリマーと反
応してグラフト化するため、乳化剤とポリマー粒子との
相溶性が向上する。そのため従来公知のアニオン性乳化
剤が有していた成膜後のフイルムや塗膜の粒子融着面に
局在化しやすい性質が解消し、大きなフイルム強度、優
れた耐水性を与えるのである。更に該反応性界面活性剤
は分子内にカルボキシル基を有しているので、重合性単
量体成分中にカルボキシル基と反応しうる官能基を有す
る重合性単量体を少なくとも1種以上用いた場合には、
該水性樹脂分散液より水を飛散させる際、乳化剤として
用いた反応性界面活性剤が乳化重合樹脂中に拡散して、
該反応性界面活性剤に含まれるカルボキシル基と乳化重
合樹脂中の官能基が反応して架橋構造を形成するため、
フイルム強度及び耐水性がさらに向上し、優れた耐溶剤
性の被膜を得ることができる。また、反応性界面活性剤
を使用するため表面張力が高く発泡が少ないという特長
をもっている。一方、その作用機構は定かでないが、ポ
リビニルアルコールを含有することにより各種基材に対
するヌレが非常に良い。 それ故、当水性樹脂分散液は、無機建材、金属、木材
及びプラスチックなどのコーティング剤として、特にポ
リエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリプ
ロピレン、ポリエチレンなど難塗布性基材のコーティン
グ剤として用いた場合、はじき、発泡などを生ずること
なく基材に均一に塗布することができ、基材との密着
性、耐水性、耐候性などに優れている。 包装用テープ、両面テープ及び紙ラベルなどの粘着剤
として用いた場合には、基材に当水性樹脂分散液を塗
布、乾燥する工程において基材である離型紙、OPPフイ
ルム、ポリエチレンテレフタレートなどに対する塗布性
がはじきなどを生ずることなく良好であり、得られる粘
着剤はタック、粘着力、保持力に優れるだけでなくテー
プを基材に貼り、水に浸漬しても粘着剤の白化は見られ
ず、また高温高湿下においても粘着物性に全く低下が見
られないという優れた耐水,耐湿性を示す。 また、不織布芯地用バインダーなどの各種繊維処理用
水性樹脂分散液として用いた場合には、はじき、発泡を
原因とするトラブルがなく、耐水性、耐洗濯性、耐候性
及び各種繊維に対する接着性に非常に優れた特徴を示
す。 さらに、例えばガラス繊維、ロックウール、セラミッ
クファイバー、炭素繊維などの無機繊維用不織布や織布
あるいは無機繊維束製造時のバインダーとして有効に利
用できる。 (実施例) 以下に本発明の実施例を示すが、これらは例示の目的
で挙げたもので本発明の範囲を制御するものではない。
また以下において部、%はそれぞれ重量部、重量%を表
わす。 参考例1 滴下ロート、撹拌機、窒素導入管、温度計及び還流冷
却器を備えたフラスコにイソプロピルアルコール180部
を仕込み、ゆるやかに窒素ガスを吹き込みながら80℃に
加熱した、そこにアクリル酸174部、n−ドデシルメル
カプタン36部、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル
(以下、AIBNと略す)0.42部からなる重合性単量体混合
物を1.5時間かけて滴下した。滴下中は温度を80〜85℃
に保持し、さらに滴下終了後同温度で1時間撹拌して重
合を終了させた。さらに、このようにして得られた重合
体にアリルグリシジルエーテル57部、トリエチルベンジ
ルアンモニウムクロリド21部を添加し85℃まで加熱し、
同温度で6時間反応させ、反応性界面活性剤(1)を得
た。酸価測定により、反応が完了していることを確認し
た。該反応性界面活性剤(1)の数平均分子量は1300で
あった。 参考例2 参考例1と同様のフラスコに、イソプロピルアルコー
ル180部を仕込み、窒素を吹き込みながら80℃に加熱し
た。そこにアクリル酸148部、イタコン酸31部、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル18部、n−オクチルメルカプタ
ン24部及びAIBN0.41部からなる重合性単量体混合物を2.
0時間かけて滴下した。滴下終了後還流状態で1時間撹
拌して重合を終了させた。さらに、このようにして得ら
れた重合体にメタクリル酸2−アジリジニルエチル77部
を添加し還流状態で4時間反応させ、反応性界面活性剤
(2)を得た。該反応性界面活性剤(2)の数平均分子
量は1500であった。 参考例3 参考例1と同様のフラスコに、イソプロピルアルコー
ル180部を仕込み、窒素を吹き込みながら80℃に加熱し
た。続いて予め用意しておいたアクリル酸86部、アクリ
ル酸2−ヒドロキシエチル139部、n−ドデシルメルカ
プタン36部、イソプロピルアルコール30部及びAIBN0.30
部からなる重合性単量体混合物を1時間かけて滴下、重
合した。滴下終了後、還流状態で1時間熟成を行い重合
を終了させた。さらにこのようにして得られた重合体に
イソプロペニルオキサゾリン56部を加え還流状態で6時
間反応させ、反応性界面活性剤(3)を得た。該反応性
界面活性剤(3)の数平均分子量は1600であった。 参考例4 参考例1において、重合だけで反応を終了させ重合性
不飽和基を含有しない反応性界面活性剤(4)を得た。
該反応性界面活性剤の数平均分子量は1000であった。 比較参考例1 参考例1において重合の際重合性単量体としてアクリ
ル酸のかわりに同量のアクリル酸2−ヒドロキシエチル
を用い、重合性単量体とアルキルメルカプタン、AIBN混
合物とを別個に滴下する以外は同様の重合を行ない界面
活性剤(1′)を得た。該界面活性剤(1′)の数平均
分子量は1200であった。 実施例1 滴下ロート、撹拌機、窒素導入管、温度計及び還流冷
却器を備えたフラスコに純水193.5部、参考例1で得ら
れた反応性界面活性剤(1)の溶液4.9部を仕込み、28
%アンモニア水1.4部を加えて中和し乳化剤とした。ゆ
るやかに窒素ガスを吹き込みながら65℃に加熱した。滴
下ロートにアクリル酸ブチル57.0部、メタクリル酸メチ
ル43.0部からなる重合性単量体混合物を調整し、その内
の10%量をフラスコに滴下した。続いて2,2′−アゾビ
ス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩の5%水溶液4部
を注入した。20分後、残りの重合性単量体混合物の滴下
を始め、2時間で完全に滴下を終了した。続いてポリビ
ニルアルコールPVA−117(クラレ(株)製)の5%水溶
液10部を添加した。滴下中は温度を65〜70℃に保持し、
さらに滴下終了後同温度で1時間撹拌して重合を終了さ
せ、不揮発分33.0%pH=7.0の水性樹脂分散液〔1〕を
得た。 実施例2〜3 実施例1において、反応性界面活性剤の溶液の量及び
種類、中和剤の量及び種類、重合性単量体混合物の種
類、ポリビニルアルコールの量及び種類を第1表に示し
た通りとする他は実施例1と同様の操作を繰返して水性
樹脂分散液〔2〕〜〔3〕を得た。その結果をまとめて
第1表に示した。 実施例4〜7 実施例1〜3において重合性単量体混合物中に第1表
に示した種類と量のカルボキシル基と反応性を有する基
を含有する重合性単量体を用いる他は実施例1〜3と同
様の操作を繰り返して水性樹脂分散液〔4〕〜〔7〕を
得た。詳しい結果はまとめて第1表に示した。 実施例8 実施例1と同様のフラスコに純水70部、5%PVA−105
(クラレ(株)製)水溶液20部を仕込み、ゆるやかに窒
素ガスを吹き込みながら65℃に加熱した。アクリル酸2
−エチルヘキシル189部、酢酸ビニル10部、2−イソプ
ロペニル−2−オキサゾリン1部、参考例4で得られた
反応性界面活性剤(4)の溶液9.8部、10%水酸化カリ
ウム水溶液28.0部、純水73.1部をあらかじめよく撹拌
し、完全に乳化したプレエマルションを滴下ロートに仕
込み、その内の10%量をフラスコに滴下した。続いて2,
2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩の5
%水溶液8部を注入した。20分後、残りのプレエマルシ
ョンの滴下を始め、4時間で完全に滴下を終了した。滴
下終了後純水10部でプレエマルションが残らないよう滴
下ロートを洗浄し、その洗浄液をフラスコ内に添加し
た。滴下中は温度を65〜70℃に保持し、さらに滴下終了
後同温度で2時間撹拌して重合を終了させ不揮発分49.8
%、pH=7.2の水性樹脂分散液〔8〕を得た。 比較例1 実施例1において、ポリビニルアルコールで処理しな
い以外は同様の操作を繰り返して比較用の水性樹脂分散
液〔1′〕を得た。詳しい結果はまとめで第1表に示し
た。 比較例2 実施例1において、乳化剤として比較参考例1で得ら
れた界面活性剤(1′)を第1表に示した量使用する以
外は実施例1と同様の操作を繰り返し重合を行なった
が、乳化安定性が不十分で凝集してしまい最後まで重合
を行うことができなかった。 比較例3 比較例1において、乳化剤としてハイテノールN−08
(第1工業製薬(株)製)を2部用い、中和剤及びポリ
ビニルアルコールを用いないことの他は比較例1と同様
の操作を繰り返して水性樹脂分散液〔3′〕を得た。詳
しい結果はまとめて第1表に示した。 比較例4〜6 実施例1において、乳化剤としてハイテノールN−08
を使用し、第1表に示した種類と量の重合性単量体混合
物を用いる以外は実施例1と同様の操作を繰り返して水
性樹脂分散液〔4′〕〜〔6′〕を得た。詳しい結果は
まとめて第1表に示した。 比較例7〜9 実施例6,7,8において、ポリビニルアルコールを含有
しないこと以外は同様の操作を繰り返して比較用の水性
樹脂分散液〔7′〕〜〔9′〕を得た。詳しい結果はま
とめて第1表に示した。 実施例9 実施例1と同様のフラスコに純水196.7部、参考例1
で得られた反応性界面活性剤(1)の溶液4.9部を仕込
み、28%アンモニア水1.4部を加えて中和した。ゆるや
かに窒素ガスを吹き込みながら65℃に加熱した。滴下ロ
ートにアクリル酸ブチル22部、メタクリル酸グリシジル
7部、トリメチロールプロパントリメタクリレート1部
からなる重合性単量体混合物を調整し、そのうち10部を
フラスコに滴下した。続いて2,2′−アゾビス(2−ア
ミジノプロパン)二塩酸塩の5%水溶液4部を注入し
た。10分後、残りの重合性単量体混合物の滴下をはじ
め、20分間で完全に滴下を終了した。30分間撹拌を続け
た後、第2段の重合として滴下ロートにアクリル酸ブチ
ル40部、メタクリル酸メチル30部からなる重合性単量体
混合物を調整し、1時間かけて滴下した。重合中は温度
を65〜70℃に保持し、さらに第2段目の滴下終了後同温
度で1時間撹拌して重合を終了させた。続いてPVA−117
の5%水溶液10部を添加混合した。このようにして不揮
発分32.7%、pH=8.3の水性樹脂分散液
〔9〕を得た。 実施例10 実施例4において、2,2′−アゾビス(2−アミジノ
プロパン)二塩酸塩の5%水溶液の代わりに過硫酸カリ
ウムの5%水溶液を同量使用する他は実施例4と同様の
操作を繰り返して水性樹脂分散液〔10〕を得た。詳しい
結果は第1表にまとめて示した。 実施例11 実施例1〜10及び比較例1〜9で得られた水性樹脂分
散液〔1〕〜〔10〕及び〔1′〕〜〔9′〕をテフロン
板上で乾燥時の膜厚が0.2〜0.3mmになるようにキャステ
ィングし、20℃で1日乾燥して成膜させ、次いで130℃
で3分間加熱し試験フイルムを作成した。得られたフイ
ルムの耐水性および外観について下記の試験を行ない、
各水性樹脂分散液の性能を評価した。その結果、重合性
不飽和基を有する反応性界面活性剤を乳化剤として用い
た系では、その他の高分子及び低分子界面活性剤を乳化
剤として用いた系に比べ著しい耐水性の同上が見られ
た。また重合性単量体中の少なくとも1種がカルボキシ
ル基と反応しうる官能基を有する場合には耐水性はより
向上し、カルボキシル基と反応しうる官能基を含有する
重合性単量体を含む重合性単量体混合物を乳化重合した
後、第2段として該重合性単量体を含まない重合性単量
体混合物の乳化重合を行なった系では、さらに耐水性は
向上した。詳細な結果は第2表に示す。 試験方法 耐水性:試験フイルムを約20mm角に切り取り秤量した
(W0)。フイルムを3日間脱イオン水に浸漬し、引上げ
てフイルム表面の水分を軽くふき取った後秤量した
(W1)。さらにそのフイルムを100℃で1時間乾燥し、
放冷後秤量した(W2)。 下記計算式により吸水率及び溶出率を求め試験フイル
ムの耐水性を評価した。 フイルム外観:3日間脱イオン水に浸漬したフイルムの透
明性を評価した。 ○…透明のまま変化なし △…青白くなる ×…白化する 実施例12 実施例1〜10及び比較例1〜9で得られた水性樹脂分
散液〔1〕〜〔10〕及び〔1′〕〜〔9′〕の不揮発分
が10%となるように純水で希釈した。不揮発分10%の各
水性樹脂分散液をそれぞれ、ポリカーボネート(以下PC
と記す)板、ポリプロピレン(以下PPと記す)板、ポリ
エチレンテレフタレート(以下PETと略す)フイルム上
にNo.4のバーコーターを用いて塗布し、そのはじきの状
態を観察した。結果を第2表に示した。 ○…全くはじきなし △…一部はじきあり ×…はじいて塗布できない ポリビニルアルコールを含有する水性樹脂分散液は、
上記難塗布性の基材に対してもはじきを生ずることなく
均一に塗布することができた。 実施例13 厚さ100μで表面処理をしていないPETフイルムに、実
施例1,4,5,7,9で得られた水性樹脂分散液〔1〕,
〔4〕,〔5〕,〔7〕,
〔9〕及び比較例1,3〜5で
得られた水性樹脂分散液〔1′〕,〔3′〕〜〔5′〕
を不揮発分3%となるように純水で稀釈した。各水性樹
脂分散液を乾燥膜厚が0.2μmとなるようにバーコータ
ーで塗布し、110℃で1分間加熱し、乾燥した。得られ
たコーティング層の密着性、耐熱水性の試験を行なっ
た。その結果、水性樹脂分散液〔1′〕はアルコールな
どの添加により塗布・乾燥して、密着性・耐熱水性の良
好な被膜を与えるが、純水で希釈した場合は、はじきの
ため均一な塗布膜を得ることができなかった。ポリビニ
ルアルコールを含有する水性樹脂分散液の塗布性は良好
であった。詳細は第3表に示す。 密着性:コーティング面にセロハンテープを密着した後
90゜方向に一気に引き剥し、コーティング層の剥離程度
により10点(剥離なし)〜1点(全面剥離)の評価を行
なった。 耐熱水性:コーティングしたPETフイルムを85〜90℃の
熱水に30分間浸漬した後、表面の水分を拭きとって上記
と同様の方法で密着性の試験を行った。 実施例14 実施例8で得られた水性樹脂分散液〔8〕及び比較例
6,9で得られた水性樹脂分散液〔6′〕〜〔9′〕を離
型紙上に乾燥後の厚みが15〜20μになるように塗布し10
0℃で2分間乾燥した後、その上からコート紙をはりつ
け延着剤層を離型紙からコート紙へ転写することにより
試験するための紙ラベルを製作した。そしてそれらの試
験用紙ラベルの物性を以下に示す試験方法によって評価
した。その結果、水性樹脂分散液〔8〕はボールタッ
ク、粘着力、保持力などの初期物性が非常に優れ、また
高温高湿下での保存後もそれらの物性はまったく低下せ
ず、すぐれた耐湿性を示すことがわかった。しかし、水
性樹脂分散液〔6′〕では、高温高湿で保存した後のボ
ールタック、粘着力、保持力などの物性の低下が著しく
耐湿性は非常に悪いものであった。また、水性樹脂分散
液〔9′〕では、離型紙上への塗布・乾燥時に塗布端で
のはじきがみられた。詳細な結果は第4表に示した。 試験方法 塗布性:良…○ 一部不良…△ 不可…× タック:JIS Z−0237に定められた球転法によるタックを
測定した。 粘着力:JIS Z−0237に定められた180゜引きはがし粘着
力(被着体:ステンレス板g/25mm)を測定した。また同
様の方法でポリエチレン板を被着体とした場合の粘着力
も測定した。 保持力:JIS Z−0237に定められた方法に準じて、貼り付
け面積20mm×20mmで40℃で1kgの荷重をかけて保持時間
または一定時間後のズレ巾を測定した。 *保存は、離型紙に水性樹脂分散液を塗り、乾燥し、そ
の上にコート紙を貼り付けた状態のものを、常温の場合
は23℃、65%RHで1日、高温高湿の場合は50℃、95%RH
の湿度で10日間、その後23℃、65%RHで1日試験前に放
置して行なった。 実施例15 実施例3及び6で得られた水性樹脂分散液〔3〕,
〔6〕及び比較例4,7で得られた水性樹脂分散液
〔4′〕,〔7′〕を不織布芯地用バインダーとして以
下のようにして性能試験したところ、第4表に示すよう
に水性樹脂分散液〔3〕,〔6〕及び〔7′〕は優れた
耐洗濯性を示し、接着性も非常に優れたものであった
が、水性樹脂分散液〔4′〕は耐洗濯性が、水性樹脂分
散液〔7′〕は不織布芯地への浸透が遅く作業性がかな
り劣っていた(第5表)。 不織布芯地用性能試験 加工条件 水性樹脂分散液〔3〕,〔6〕及び〔4′〕,
〔7′〕を水で希釈し、不揮発分濃度20%に調整した。
この液にポリエステル不織布芯地(目付160g/m2)を浸
漬し、80%の絞り率で絞液し、100℃で5分間加熱乾燥
した。 耐洗濯性試験 風合いは、JIS L−1085「不織布芯地試験方法」45゜
カンチレバ法に従って測定した。耐洗濯性は洗濯5回後
の風合いが洗濯前の風合いに対して何パーセント保持さ
れているかで評価した。洗濯試験もJIS L−1085に従っ
て行った。 実施例16 実施例2,7,9で得られた水性樹脂分散液〔2〕,
〔7〕,
〔9〕及び比較例4,5,8で得られた水性樹脂分
散液〔4′〕,〔5′〕,〔8′〕をガラス繊維用含浸
用バインダーとして用いた場合の性能を評価した。ガラ
スペーパ作成の過程で、本発明の水性樹脂分散液を用い
たものは泡立ちが少なく取扱い易かったのに比べ、比較
用の水性樹脂分散液〔4′〕,〔5′〕を用いたものは
ロール部分で泡立ちが多く、〔8′〕については泡立ち
は少ないが含浸速度が遅く取扱いに多少問題があった。
試験方法を以下に記し、結果を第6表に示す。 含浸法:繊維径4μmのガラス繊維の水スラリーから抄
紙乾燥して得たマットを、不揮発分6%となるように水
で希釈した各水性樹脂分散液(バインダー浴)中に浸漬
した。次いで、バインダー浴から取り出したマットをロ
ールでバインダーの付着量を5%(固形分比)に調整
し、150℃で5分間乾燥して秤量約100g/m2のガラスペー
パーを得た。その際の作業性(泡立ち、含浸速度)を評
価した(第6表)。 引張り強度:ガラスペーパーを1cm幅に裁断し、乾燥状
態及び24時間室温で水浸漬した後の湿潤状態での引張り
強度をインストロン万能試験機を用いて引張り速度1cm/
minの条件で測定した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松永 俊明 大阪府吹田市西御旅町5番8号 日本触 媒化学工業株式会社中央研究所内 (72)発明者 堀 耕平 大阪府吹田市西御旅町5番8号 日本触 媒化学工業株式会社中央研究所内 (72)発明者 菊田 照夫 大阪府吹田市西御旅町5番8号 日本触 媒化学工業株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−70410(JP,A) 特開 昭60−248764(JP,A) 特開 昭57−167306(JP,A) 特開 昭59−219359(JP,A) 特開 昭54−80334(JP,A) 特公 昭45−11308(JP,B1) 特公 昭53−5282(JP,B1)

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) (式中、R1は炭素数6〜18のアルキル基を示し、R2,R3,
    R4,R5およびR6はそれぞれ独立して水素,メチル基,カ
    ルボキシル基またはカルボキシメチル基あるいはそれら
    の塩を示し、Xは水素,アンモニウム塩,アミン塩基,
    アルカリ金属またはアルカリ土類金属を示し、Yは重合
    性不飽和基を有する炭化水素基を示し、Zはニトリル基
    または置換基を有してもよいフェニル基、アミド基また
    はカルボン酸アルキルエステル基を示し、a,b,cは重合
    体中にランダム状で含まれる各モノマー単位の総和を表
    わし、aは1〜500、bは0または1〜100の整数であ
    り、cは0または1〜250の整数である。)で表わされ
    る分子量が400以上の重合体及び/又はその塩からなる
    反応性界面活性剤を乳化剤として、重合性単量体の1種
    または2種以上を水性媒体中で乳化重合して得られる分
    散樹脂とポリビニルアルコールとからなる水性樹脂分散
    液。
  2. 【請求項2】重合性単量体の少なくとも1種が、カルボ
    キシル基と反応しうる官能基を有する重合性単量体であ
    る請求項1記載の水性樹脂分散液。
  3. 【請求項3】一般式(I)において、bが1〜100の整
    数である請求項1または請求項2記載の水性樹脂分散
    液。
  4. 【請求項4】一般式(I) (式中、R1は炭素数6〜18のアルキル基を示し、R2,R3,
    R4,R5およびR6はそれぞれ独立して水素,メチル基,カ
    ルボキシル基またはカルボキシメチル基あるいはそれら
    の塩を示し、Xは水素,アンモニウム塩,アミン塩基,
    アルカリ金属またはアルカリ土類金属を示し、Yは重合
    性不飽和基を有する炭化水素基を示し、Zはニトリル基
    または置換基を有してもよいフェニル基、アミド基また
    はカルボン酸アルキルエステル基を示し、a,b,cは重合
    体中にランダム状で含まれる各モノマー単位の総和を表
    わし、aは1〜500、bは0または1〜100の整数であ
    り、cは0または1〜250の整数である。)で表わされ
    る分子量が400以上の重合体及び/又はその塩からなる
    反応性界面活性剤を乳化剤として、重合性単量体の1種
    または2種以上を水性媒体中で乳化重合して得られる分
    散樹脂とポリビニルアルコールとからなる水性樹脂分散
    液を用いたコーティング剤。
  5. 【請求項5】重合性単量体の少なくとも1種が、カルボ
    キシル基と反応しうる官能基を有する重合性単量体であ
    る請求項4記載のコーティング剤。
  6. 【請求項6】一般式(I)において、bが1〜100の整
    数である請求項4または請求項5記載のコーティング
    剤。
  7. 【請求項7】一般式(I) (式中、R1は炭素数6〜18のアルキル基を示し、R2,R3,
    R4,R5およびR6はそれぞれ独立して水素,メチル基,カ
    ルボキシル基またはカルボキシメチル基あるいはそれら
    の塩を示し、Xは水素,アンモニウム塩,アミン塩基,
    アルカリ金属またはアルカリ土類金属を示し、Yは重合
    性不飽和基を有する炭化水素基を示し、Zはニトリル基
    または置換基を有してもよいフェニル基、アミド基また
    はカルボン酸アルキルエステル基を示し、a,b,cは重合
    体中にランダム状で含まれる各モノマー単位の総和を表
    わし、aは1〜500、bは0または1〜100の整数であ
    り、cは0または1〜250の整数である。)で表わされ
    る分子量が400以上の重合体及び/又はその塩からなる
    反応性界面活性剤を乳化剤として、重合性単量体の1種
    または2種以上を水性媒体中で乳化重合して得られる分
    散樹脂とポリビニルアルコールとからなる水性樹脂分散
    液を用いた粘着剤。
  8. 【請求項8】重合性単量体の少なくとも1種が、カルボ
    キシル基と反応しうる官能基を有する重合性単量体であ
    る請求項7記載の粘着剤。
  9. 【請求項9】一般式(I)においてbが1〜100の整数
    である請求項7または請求項8記載の粘着剤。
  10. 【請求項10】一般式(I) (式中、R1は炭素数6〜18のアルキル基を示し、R2,R3,
    R4,R5およびR6はそれぞれ独立して水素,メチル基,カ
    ルボキシル基またはカルボキシメチル基あるいはそれら
    の塩を示し、Xは水素,アンモニウム塩,アミン塩基,
    アルカリ金属またはアルカリ土類金属を示し、Yは重合
    性不飽和基を有する炭化水素基を示し、Zはニトリル基
    または置換基を有してもよいフェニル基、アミド基また
    はカルボン酸アルキルエステル基を示し、a,b,cは重合
    体中にランダム状で含まれる各モノマー単位の総和を表
    わし、aは1〜500、bは0または1〜100の整数であ
    り、cは0または1〜250の整数である。)で表わされ
    る分子量が400以上の重合体及び/又はその塩からなる
    反応性界面活性剤を乳化剤として、重合性単量体の1種
    または2種以上を水性媒体中で乳化重合して得られる分
    散樹脂とポリビニルアルコールとからなる水性樹脂分散
    液を用いた繊維加工用樹脂。
  11. 【請求項11】重合性単量体の少なくとも1種がカルボ
    キシル基と反応しうる官能基を有する重合性単量体であ
    る請求項10記載の繊維加工用樹脂。
  12. 【請求項12】一般式(I)において、bが1〜100の
    整数である請求項10または請求項11記載の繊維加工用樹
    脂。
  13. 【請求項13】一般式(I) (式中、R1は炭素数6〜18のアルキル基を示し、R2,R3,
    R4,R5およびR6はそれぞれ独立して水素,メチル基,カ
    ルボキシル基またはカルボキシメチル基あるいはそれら
    の塩を示し、Xは水素,アンモニウム塩,アミン塩基,
    アルカリ金属またはアルカリ土類金属を示し、Yは重合
    性不飽和基を有する炭化水素基を示し、Zはニトリル基
    または置換基を有してもよいフェニル基、アミド基また
    はカルボン酸アルキルエステル基を示し、a,b,cは重合
    体中にランダム状で含まれる各モノマー単位の総和を表
    わし、aは1〜500、bは0または1〜100の整数であ
    り、cは0または1〜250の整数である。)で表わされ
    る分子量が400以上の重合体及び/又はその塩からなる
    反応性界面活性剤を乳化剤として、重合性単量体の1種
    または2種以上を水性媒体中で乳化重合して得られる分
    散樹脂とポリビニルアルコールとからなる水性樹脂分散
    液を用いた無機繊維用バインダー。
  14. 【請求項14】重合性単量体の少なくとも1種が、カル
    ボキシル基と反応しうる官能基を有する重合性単量体で
    ある請求項13記載の無機繊維用バインダー。
  15. 【請求項15】一般式(I)において、bが1〜100の
    整数である請求項13または請求項14記載の無機繊維用バ
    インダー。
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