JP2591227B2 - 時分割多方向多重通信システムの親局用受信装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はローカル交換機の加入者線を、複数の無線チ
ャンネルに時分割多重された無線信号を使用して多方向
の加入者端末に拡張して通信を行う時分割多方向多重通
信システムに関し、特に親局用受信装置に関する。

〔従来の技術〕

従来の時分割多方向多重通信システムの親局用受信装
置について、図面を参照して説明する。

第２図は従来の親局用受信装置の一実施例のブロック
図である。

時分割多方向多重通信システムの親局用受信装置３は
アンテナ21を介して複数の子局2a〜2cと無線回線で接続
されている。子局は更に複数の加入者端末，例えば子局
2aは加入者端末1a〜1c,と接続されている。又、親局用
受信装置３の出力端子Ａはローカル交換機の加入者線
（図示せず）と接続される。

この時分割多方向多重通信システムは、一周波数を用
い、一周波数を時分割多重により複数のタイムフレーム
を構成し、それを無線チャンネルとして通信を行う、デ
ジタル無線通信システムである。親局用受信装置３と子
局間には，例えば子局2a間の無線回線には複数の一定の
無線チャンネルを割当てることが多い。また特定の子局
の加入者端末の数はその子局に割当てられた無線チャン
ネルの数より多くなるように構成される。一無線チャン
ネルの信号は、通信信号，制御信号等のデジタル信号に
よって構成されている。

いま、子局2aからアンテナ21を介して受信された無線
受信信号は復調器22によりベースバンドの受信信号ａに
復調され、受信信号固定回路24に入力される。複数の子
局2a〜2cから無線電波によって送信される無線信号は無
線回線監視部23により監視される。もしある子局，例え
ば子局2aとの間の無線回線が障害となった場合は、無線
回線監視部23は子局2aとの間の無線回線が障害であると
の無線回線障害情報ｂを送出する。そして無線回線障害
情報ｂにより子局2aの加入者端末1a〜1cの通信回線の閉
結・開放の状態，即ちループ状態が全て終話と判定され
るように、受信信号固定回路24を制御していた。受信信
号固定回路24はこの制御により通信信号，制御信号等か
ら構成されている受信信号ａの中の制御信号の一つであ
るループ監視信号を、加入者端末1a〜1cが終話であると
定められている信号に置き換えた送出信号ｃを受信信号
処理回路25に送出していた。受信信号処理回路25は無線
チャンネルの呼処理，通信信号処理等を行い、処理結果
の受信信号をローカル交換機に送出する回路である。

〔発明が解決しようとする課題〕

上述した従来の時分割多方向多重通信システムの親局
用受信装置は、無線回線に障害が生じると、受信信号処
理回路が障害の生じた子局に接続されている全ての加入
者端末のループ状態を終話と判定するため、親局と障害
の生じた子局に接続されている各加入者端末との間の通
話路を全て切断してしまう。従って無線回線が瞬断の
後、復旧するような障害の場合でも、親局と子局との間
の通話路は復旧せず、各加入者端末は一旦話した後、再
度発呼しなければならないという欠点があった。

〔課題を解決するための手段〕 本発明の時分割多方向多重通信システムの親局用受信
装置は、１親局と複数の子局とから構成され、前記親局
はローカル交換機に接続され、前記子局は各々複数の加
入者端末を収容し、前記親局と前記各々の子局との間で
１周波数を時分割多重した複数の無線チャンネルを使用
して通信を行う時分割多方向多重通信システムの親局用
受信装置において、前記各々の子局から送信された無線
信号を復調した受信信号より前記複数の加入者端末のル
ープの状態を表わすループ監視信号を分離する監視信号
分離回路と、前記監視信号分離回路で分離された前記複
数の加入者端末のループ監視信号を前記複数の無線チャ
ンネル毎に記憶する監視信号記憶回路と、前記無線信号
を監視し前記子局と前記親局とを無線電波で接続する無
線回線の障害時には前記無線回線毎に無線回線障害情報
を送出する無線回線監視部と、前記無線回線障害情報に
よって起動され前記無線回線の瞬断時間を計数し前記瞬
断時間が予め定められた時間以内であるときは前記監視
信号記憶回路に記憶されている前記ループ監視信号を保
持するように前記監視信号記憶回路を制御する前記複数
の無線チャンネルに対応する複数のタイマ回路と、前記
受信信号のループ監視信号を前記監視信号記憶回路に記
憶されたループ監視信号と置き換える監視信号多重化回
路とを備えるている。

〔実施例〕

次に本発明について図面を参照して説明する。

第１図は本発明による親局用受信装置の一実施例のブ
ロック図である。

第１図において、複数の子局（図示せず）から無線電
波により送出され、アンテナ11を介して受信された、１
周波数を時分割多重して複数の無線チャンネルを構成す
る無線信号は、復調器12によりベースバンドの信号に復
調され受信信号ａとなる。監視信号分離回路16は、通信
信号および制御信号等を含む受信信号ａより、前記の各
子局に収容されている複数の加入者端末（図示せず）の
ループ状態を表すループ監視信号ｄを分離する。監視信
号記憶回路17は、監視信号分離回路16で分離されたルー
プ監視信号ｄを複数の無線チャンネルに対応したアドレ
スに、加入者端末毎に持っている識別番号で記憶する。

タイマ回路18は、複数の子局と親局受信装置間の無線
電波によって接続された複数の無線回線を監視する無線
回線監視部13によって送出された無線回線障害情報ｂに
て、無線回線の障害発生時に起動される。タイマ回路18
は複数の無線回線の障害に対応できるように構成され、
障害のある無線回線の回線瞬断時間を計数する。タイマ
回路18で計数されている無線回線の「回線瞬断時間」が
予め設定された時間，例えば数百ms程度の設定時間を超
えた場合は、タイマ回路18は監視信号記憶回路17に記憶
されているループ監視信号を終話状態を表す信号に置き
換える。

監視信号多重化回路19は、復調器12にて復調された受
信信号ａのうち、ループ監視信号を監視信号記憶回路17
に記憶されているループ監視信号ｅに置き換えた送出信
号ｃを受信信号処理回路15に送出する。受信信号処理回
路15は無線チャンネルの呼処理，通信信号処理等を行
い、処理結果の受信信号の出力端子Ａを介してローカル
交換器（図示せず）に送出する。

次に本実施例の動作について、第３図に示す監視信号
多重化回路19の送信信号ｃのタイムチャートを用いて説
明する。

無線回線が正常時には、監視信号分離回路16は子局か
ら受信された受信信号ａよりループ監視信号ｄを分離
し、ループ監視信号ｄを監視信号記憶回路17にて無線回
線毎に記憶する。また監視信号多重化回路19は子局から
受信した受信信号ａのループ監視信号を監視信号記憶回
路17に一旦記憶したループ監視信号ｅに置き換え、受信
信号処理回路15へ送出信号ｃを送出する。

このときの送信信号ｃが第３図の「正常時」に示され
る。この図は特定の子局の加入者端末が無線チャンネル
i,jを使用しており、無線チャンネルｋが未使用の状態
を示している。またr,s,tは監視信号記憶回路17から出
力され、受信信号ａのループ監視信号と置き換えられた
ループ監視信号ｅのタイムスロットである。

次に無線回線が瞬断となった場合には、タイマ回路18
が起動され、予め設定された「回線瞬断時間」の間、監
視信号記憶回路17から出力されるループ監視信号ｅを瞬
断前の状態に保持する。従って受信信号処理回路15への
回線障害中の無線チャンネルi,jの送信信号ｃは、「瞬
断時」に示すようにループ監視信号ｅを瞬断前の状態に
保持する。尚このとき、ループ監視信号の前に置かれる
通信信号は無線回線が障害中であるので送信されていな
い。

その後、無線回線の障害時間を計数するタイマ回路18
の計数時間が「回線瞬断時間」を超える前に無線回線が
復旧すると、無線チャンネルi,jを使用して通話してい
た加入者端末からループ監視信号が受信されるようにな
り、正常な通話が再開される。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明により、多方向多重通信シ
ステムの各加入者端末は、無線回線の瞬断時にも一旦終
話したのち改めて再度の発呼を行う必要がなく、通話を
継続できる効果があり、その利便性は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示すブロック図、第２図は
従来の実施例を示すブロック図、第３図は親局用受信装
置の送出信号のタイムチャートを示す図である。 1a〜1c……加入者端末、2a〜2c……子局、３……親局用
受信装置、11,21……アンテナ、12,22……復調器、13,2
3……無線回線監視部、15,25……受信信号処理回路、16
……監視信号分離回路、17……監視信号記憶回路、18…
…タイマ回路、19……監視信号多重化回路、24……受信
信号固定回路。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】１親局と複数の子局とから構成され、前記
   親局はローカル交換機に接続され、前記子局は各々複数
   の加入者端末を収容し、前記親局と前記各々の子局との
   間で１周波数を時分割多重した複数の無線チャンネルを
   使用して通信を行う時分割多方向多重通信システムの親
   局用受信装置において、前記各々の子局から送信された
   無線信号を復調した受信信号より前記複数の加入者端末
   のループの状態を表わすループ監視信号を分離する監視
   信号分離回路と、前記監視信号分離回路で分離された前
   記複数の加入者端末のループ監視信号を前記複数の無線
   チャンネル毎に記憶する監視信号記憶回路と、前記無線
   信号を監視し前記子局と前記親局とを無線電波で接続す
   る無線回線の障害時には前記無線回線毎に無線回線障害
   情報を送出する無線回線監視部と、前記無線回線障害情
   報によって起動され前記無線回線の瞬断時間を計数し前
   記瞬断時間が予め定められた時間以内であるときは前記
   監視信号記憶回路に記憶されている前記ループ監視信号
   を保持するように前記監視信号記憶回路を制御する前記
   複数の無線チャンネルに対応する複数のタイマ回路と、
   前記受信信号のループ監視信号を前記監視信号記憶回路
   に記憶されたループ監視信号と置き換える監視信号多重
   化回路とを備えることを特徴とする時分割多方向多重通
   信システムの親局用受信装置。