JP2591036Y2 - ボルトのシール装置 - Google Patents

ボルトのシール装置

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JP2591036Y2
JP2591036Y2 JP1992001448U JP144892U JP2591036Y2 JP 2591036 Y2 JP2591036 Y2 JP 2591036Y2 JP 1992001448 U JP1992001448 U JP 1992001448U JP 144892 U JP144892 U JP 144892U JP 2591036 Y2 JP2591036 Y2 JP 2591036Y2
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幸和 岩崎
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、ボルトの首下部分に被
嵌して、ボルトにおける頭部と締結部材との間を密閉す
るようにしたシール装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のボルトにおけるシール装置は、
ボルトの首下に、金属板製の座金と、ゴム等の軟質材に
て形成したリング状のパッキンとを被嵌して、座金と締
結部材との間にパッキンを挟み付けるように構成してい
ることは周知の通りである。その一例として、特公昭4
7−46532号公報には、図7(A)に示すように、
ボルト11に遊嵌するようにした座金12のうち内周面
と外周面との間の中間部に、ボルト11の先端方向に向
けて開口した環状溝12bを形成する一方、パッキン1
4に、座金12の内周縁12aに半径内側から被嵌する
ようオーバーハング状に形成した環状係合部14aと、
座金12の環状溝12bに嵌まる環状突起14bとを形
成した構成が記載されている。
【0003】また、実開昭61−128415号公報に
記載されると共に図8に示すように、パッキン17に、
座金18の内周面とボルト11の外周面との間に嵌まる
環状突起17aを形成する、すなわち、パッキン17を
凸形に形成する一方、座金18の外周に、パッキン17
の外周に被嵌するスカート部18aを折り曲げ形成する
ことも行われている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかし、図7の構成で
は、座金12とパッキン14とをボルト11に取付ける
ためには、予めパッキン14の環状係合部14aを座金
12の内周縁12aに嵌め込むと共にパッキン14の環
状突起14bを座金12の環状溝12bに嵌め込んでか
ら、互いに嵌め合わせた状態の座金12とパッキン14
とをボルト11に被嵌するようにしなければならず、ボ
ルト11への座金12及びパッキン14の取付けの作業
性が悪いと言う問題があった。
【0005】また、ボルト11による締結前において、
パッキン14の一端面14cの全体が座金12の内面に
接触しているため、パッキン14は、図7(B)に示す
ように、座金12と締結部材Aとの間にパッキン14を
挟み付けた状態で、半径外向きへの移動によってしかそ
の変形を許容することができないことになり、このた
め、締結後において、パッキン14が座金12と締結部
材Aとの間から半径外側に過度にはみ出る現象が生じ
て、締結後における外観が悪化すると言う問題もあっ
た。
【0006】更に、座金12に対してパッキン14の一
端面14cの全体が接触していることにより、ボルト1
1をねじ込んでの締結に際して、パッキン14の全体を
強引に変形させつつねじ込みを行うことになるため、ボ
ルト11のねじ込みに大きな力を要するばかりか、締結
部材Aを薄板に締結する場合のように、ボルト11のね
じ山と被締結部材の雌ねじとの引っ掛かり面積が小さい
場合には、被締結部材の雌ねじが潰れて締結不能になる
場合があると言う点も問題であった。
【0007】他方、図8の構成では、パッキン17は単
純な凸形であるので、座金18とパッキン17とを別々
にボルト11に被嵌しても、パッキン17の環状突起1
7aに座金18を被嵌することができ、座金18とパッ
キン17とをボルト11に取付ける工程を簡単にするこ
とができる。しかし、非締結前の状態において、パッキ
ン17の一端面17cの全体が座金18に接触している
点は図8の場合と同じであるため、締結前において、パ
ッキン17が座金18と締結部材Aとの間から半径外側
に過度にはみ出る現象が生じる問題、及び、ボルト11
のねじ込みに大きな力を要すると共に、被締結部材の雌
ねじの潰れを招来する場合がある問題を解消することは
できない。
【0008】また、この図8の構成では、ボルト11の
頭部13にて座金18が押圧されると、図8(B)に示
すように、座金18が、締結部材Aに接近するように曲
がり変形して、座金18とボルト11の頭部13との間
の間隔が拡大するため、座金18とボルト11の頭部1
3との間に、パッキン17が充填されない隙間19が生
じることがあり、この隙間19に雨水が侵入してシール
機能が低下する場合があると言う点も問題であった。
【0009】他方、多の従来技術として、特開昭52−
43059号公報には、座金の内周縁をボルトの頭部と
反対側に向けて折り曲げると共に、座金の外周縁に形成
した筒部の内径をパッキンの外径よりも大径に形成する
ことにより、座金の内面とパッキンの外面との間に隙間
を設けることが記載されている。この特開昭52−43
059号公報の構成によると、パッキンの変形が隙間に
よって吸収されるため、パッキンが半径外向きに広がる
ことを抑制できるが、このものも、ボルトを締結した状
態では、図8(B)と同様にパッキンが座金と部材との
間から外側にはみ出るようにしたものであるため、外観
の悪化や過大な締結トルクを要すると言った問題を完全
に解決するには至っておらず、更に、パッキンのうち座
金と部材との間の隙間から露出した部分は薄い膜状にな
っているため、劣化しやすいと言う問題があった。
【0010】本考案は、これら従来例が有する問題を一
挙に解消したシール装置を提供することを目的とするも
のである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本考案のシール装置は、「一端に頭部を備えたボルトに
遊嵌するリング状の座金と、前記ボルトのうち座金を挟
んで頭部と反対側の部位に被嵌する軟質材製のリング状
パッキンとから成り、前記パッキンの内周部に、前記座
金の内周とボルトの外周との間に嵌まるようにパッキン
の一端面から突出した環状突起を形成し、パッキン6の
外周面をボルトの他端方向に向けて直径が拡大するよう
なテーパ状に形成する一方、前記座金の内周縁をボルト
の他端方向に向けて断面略く字状又は略L字状に折り曲
げることにて、座金の内面とパッキンの一端面との間に
第1隙間を形成し、更に、前記座金の外周縁に、前記パ
ッキンを外側から囲うようにしたスカート部を、当該ス
カート部からパッキンがボルトの他端方向に向けて部分
的に露出するような状態で形成し、このスカート部と前
記パッキンの外周面との間に、前記第1隙間と連通した
環状の第2隙間を形成し、更に、ボルトを部材に締結す
ることによるパッキンの変形が主として前記第1隙間と
第2隙間とで吸収されるように、パッキンの体積と座金
の容積とを略同じ程度に設定する」という構成にした。
【0012】
【考案の作用・効果】このように構成すると、シール装
置を被嵌したボルトを部材にねじ込んで当該部材を締結
するにおいて、パッキンは先ず座金の内周縁によって押
圧され、次いで、座金がパッキンの一端面に当たって、
座金の全体によってパッキンが押圧されるこの場合、パ
ッキンの外周面はボルトの一端方向に向けて直径が拡大
するようなテーパ状に形成されているため、換言する
と、座金に対向した一端面の面積が部材に密着した面積
よりも小さいため、特開昭52−43059号公報のよ
うにパッキンの外周面をストレート状に形成した場合に
比べて、パッキンの単位面積当たりに作用する押圧力は
大きくなっており、これにより、軽い力でパッキンを変
形させることができる。
【0013】換言すると、パッキンを座金によって強引
に潰し変形させるのではなく、パッキンに対して応力を
部分的に集中させながら潰し変形させることにより、パ
ッキンを軽い力で無理なく変形させることができるので
ある。そして、ボルトをねじ込み切った状態でパッキン
が座金と部材との間から露出しないように設定している
から、この点からも、パッキンを変形させるための力を
低減できる。
【0014】このように、本考案によると、パッキンの
外周面をテーパ状に形成したことと、ボルトをねじ込み
切った状態でパッキンが座金の外側にはみ出ないように
設定したことが相俟って、シール機能を損なうことなく
ボルトのねじ込みを軽い力で行うことができる効果を有
する。従って、部材を薄板に締結する場合のように、ボ
ルトのねじ山と被締結部材における雌ねじとの引っ掛か
り面積が小さい場合であっても、被締結部材における雌
ねじの潰れ変形を防止して確実に締結することができ
る。
【0015】更に、締結状態でパッキンは外側に露出し
ないから、外観の悪化を防止できると共にパッキンの劣
化も抑制できる。また、請求項2のように座金のスカー
ト部にフランジを形成すると、部材が座金で傷付けられ
ることを防止できる利点がある。
【0016】
【実施例】次に、本考案の実施例を図面(図1〜図6)
に基づいて説明する。図1〜図4に示すのは第1の実施
例であり、図1は分離斜視図、図2は使用前の正断面
図、図3は締結途中における正断面図、図4は締結しき
った状態での正断面図である。これらの図において符号
1は、一端に頭部2を他端(先端)にドリル部3を各々
一体的に形成して成るボルト(ドリルねじ)を示し、前
記頭部2には環状の鍔2aを一体的に造形すると共に、
頭部2の座面には環状凹所4を形成している。
【0017】符号5はボルト1に遊嵌する金属板製の座
金を、符号6はゴム等の軟質材にてリング状に形成した
パッキンを各々示す。パッキン6の内周部のうちボルト
1の頭部2寄りに位置した一端面6cの箇所には、座金
5の内周面とボルト1の外周面との間に嵌まる環状突起
6aを形成している。更に、該パッキン6の外周面6b
は、ボルトの先端方向に向けて直径が拡大するようにボ
ルト1の中心線に対して適宜角度αで傾斜したテーパ状
に(つまり台錐状に)形成している。
【0018】他方、前記座金5の内周縁5aを、ボルト
1の先端方向に向けて適宜の角度βで略く字状に折り曲
げており、これにより、座金5とパッキン6の一端面6
cとの間に第1隙間7を形成し、更に、座金5の外周縁
に、パッキン6を外側から囲うようにしたスカート部5
bを折り曲げ形成し、このスカート部5bの先端縁には
フランジ5cを折り曲げ形成している。
【0019】この場合、パッキン6の一端面6cに座金
5の内周縁5aを接当した状態で、座金5におけるフラ
ンジ5cからパッキン6がボルト1の先端側に部分的に
露出するように設定し、且つ、座金5におけるスカート
部5bの内径をパッキン6の最大外径よりも大径に形成
することにより、非締結状態において、パッキン6の外
周面6bと座金5におけるスカート部5bの内周面との
間に第2隙間8が生じるように設定している。
【0020】以上の構成において、座金5及びパッキン
6を組み込んだボルト1で締結部材Aを被締結部材Bに
締結するにおいて、先ず、図2に矢印Cで示すように、
パッキン6は先ず座金5の内周縁5aで押圧され、それ
から、図3及び図4に示すように、座金5がパッキン6
の一端面6cに密着することによってパッキン6は潰し
変形させられて、パッキン6は、座金5と締結部材Aと
の間及び頭部2の環状凹所4に充満して行くと共に、第
1隙間7と第2隙間8に充満して行く。
【0021】この場合、パッキン6の外周面6bをテー
パ状に形成しているため、座金5がパッキン6の一端面
6cに接触した当初においては図3に示すように、第2
隙間8が残存しており、この第2隙間8が、ボルト1の
ねじ込みにつれて徐々に縮小しやがて消滅することにな
る。つまり、パッキン6に対する座金5の接触面積が徐
々に増大するのであり、このため、パッキン6の弾性復
元力により座金5に対する反力も徐々に増大して行くこ
とになる。換言すると、パッキン6を、応力を部分的に
集中させた状態で変形させることができるのであり、こ
れにより、パッキン6を軽い力で変形させることがで
き、その結果、締結に要する力(トルク)を従来に比べ
て低減できるのである図4から明らかなように、本考案
では、ボルト1をねじ込み切った締結状態でパッキン6
が外側に露出しないように、換言すると、パッキン6の
変形が主として前記第1隙間7と第2隙間8とで吸収さ
れるように、パッキン6の体積と座金5の容積とを略同
じ程度に設定して、座金5のフランジ5cが定説部材A
の表面に密着するように設定しており、これにより、外
観の悪化やパッキン6の劣化を防止できる。また、パッ
キン6を強引に押し潰す必要はないため、締結作業を軽
い力で行える。
【0022】上記の実施例は、ボルト1における頭部2
の座面に環状凹所4を形成した場合であったが、本考案
は、図5に第2の実施例として示すように、ボルト1に
おける頭部2の座面をフラットに形成した場合にも適用
できることは言うまでもない。更に、座金5の内周縁5
aは断面く字状に屈曲することには限らず、図6に第3
の実施例として示すように、断面L字状に折り曲げ形成
しても良い。
【0023】上記の実施例はドリルねじのシール装置に
適用した場合であったが、本考案は、通常のボルトやタ
ッピンねじ、或いは木ねじ等の他の形態のボルトにも適
用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例を示す分解斜視図である。
【図2】第1の実施例の一部切り欠き正面図である。
【図3】締結途中の状態を示す一途切り欠き正面図であ
る。
【図4】締結終了後の状態を示す一部切り欠き正面図で
ある。
【図5】第2の実施例を示す一部切り欠き正面図であ
る。
【図6】第3の実施例を示す一部切り欠き正面図であ
る。
【図7】従来例を示す一部切り欠き正面図である。
【図8】他の従来例を示す一部切り欠き正面図である。
【符号の説明】
1 ボルト(ドリルねじ) 2 頭部 3 ドリル部 5 座金 5a 座金の内周縁 5b スカート部 6 パッキン 6a 環状突起 6c パッキンの一端面 7 第1隙間 8 第2隙間
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−43059(JP,A) 実開 昭61−128415(JP,U) 実開 昭60−152820(JP,U) 特公 昭47−46532(JP,B1) 実公 昭45−23052(JP,Y1) 実公 昭38−28916(JP,Y1) 実公 昭37−20507(JP,Y1)

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】一端に頭部2を備えたボルト1に遊嵌する
    リング状の座金5と、前記ボルト1のうち座金5を挟ん
    で頭部2と反対側の部位に被嵌する軟質材製のリング状
    パッキン6とから成り、 前記パッキン6の内周部に、前記座金5の内周とボルト
    1の外周との間に嵌まるようにパッキン6の一端面6c
    から突出した環状突起6aを形成し、パッキン6の外周
    面6bをボルト1の他端方向に向けて直径が拡大するよ
    うなテーパ状に形成する一方、 前記座金5の内周縁5aをボルト1の他端方向に向けて
    断面略く字状又は略L字状に折り曲げることにて、座金
    5の内面とパッキン6の一端面6cとの間に第1隙間7
    を形成し、更に、前記座金5の外周縁に、前記パッキン
    6を外側から囲うようにしたスカート部5bを、当該ス
    カート部5bからパッキン6がボルト1の他端方向に向
    けて部分的に露出するような状態で形成し、このスカー
    ト部5bと前記パッキン6の外周面6bとの間に、前記
    第1隙間7と連通した環状の第2隙間8を形成し、 更に、ボルト1を部材Aに締結することによるパッキン
    6の変形が主として前記第1隙間7と第2隙間8とで吸
    収されるように、パッキン6の体積と座金5の容積とを
    略同じ程度に設定していること、 を特徴とするボルトのシール装置。
  2. 【請求項2】 「請求項1」において、前記座金5におけ
    るスカート部5bの先端縁に、締結する部材Aの表面に
    密着するフランジ部5cを形成したことを特徴とするボ
    ルトのシール装置。
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DE3319652A1 (de) * 1983-05-31 1984-12-06 Robert Bosch Gmbh, 7000 Stuttgart Regelung einer brennkraftmaschine mit gluehkerzen

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