JP2590982B2 - フォトマスクの製造方法 - Google Patents

フォトマスクの製造方法

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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔概 要〕 フォトマスクの製造方法の改良に関し、 容易に実施可能なたわみ量の少ないフォトマスクの製
造方法の提供を目的とし、 透明基板の一方の面に遮光膜を被着する工程と、この
遮光膜の表面にレジスト膜を被着する工程と、この透明
基板自体のたわみと、この遮光膜及びこのレジスト膜の
応力に起因するこの透明基板のたわみとを相殺する応力
を有する薄膜を、この透明基板の他の面に被着する工程
とを含むように構成する。
〔産業上の利用分野〕
本発明は、フォトマスクに係り、特にフォトマスクの
製造方法の改良に関するものである。
半導体装置の製造に用いるフォトマスクやレチクル等
の透明基板に遮光膜を被着した乾板は、半導体装置の製
造に用いる基板寸法の拡大に伴い、その寸法が大きくな
っている。
このために透明基板のたわみ量が増大し、遮光パター
ンの精度の劣化が生じている。
以上のような状況からたわみ量の少ない、遮光パター
ンの精度の高いフォトマスクの製造方法が要望されてい
る。
〔従来の技術〕
従来の乾板は第4図に示すような構造のものが用いら
れている。
図に示す乾板11の本体となる透明基板11aとしては石
英ガラスが用いられており、この透明基板11aの表面に
クロム等の遮光パターン11bとなる金属の薄膜が形成さ
れ、更にこの遮光パターン11bの表面に使用者の指定す
るレジスト膜11cを塗布して乾燥した状態で業者から納
入されている。
このような形状で納入された乾板11を、マスクプロセ
スにおいて露光装置を用いて露光すると、透明基板11a
のたわみにより透明基板11aが変形しているので、中心
部と周辺部とでは露光されたパターンの精度が大きく異
なり、周辺部ではズレが大きくなっている。
電子ビーム露光装置においては、レジスト膜11cにパ
ターンを露光してゆく場合に、フィールドと称する領域
にパターンを分割して露光を行っているが、上記のよう
なズレのためレジスト膜11c上のパターンのフィールド
の継目にズレが生じている。
この継目のズレをディジタルに把握するための方法と
して、特開昭49−119584号にて公開されているバーニア
の原理を応用した方法がある。
この方法はバーニアの主尺と副尺とをフィールドの送
りピッチに相当する距離を隔てて形成し、レジスト膜11
cにこの主尺と副尺とを焼付け、相対する主尺と副尺に
よりズレの量を測定するものである。
〔発明が解決しようとする問題点〕
以上説明の従来の乾板で問題となるのは、透明基板11
aに形成した遮光パターン11bやレジスト膜11cの収縮力
により透明基板11aが大きくたわむことである。
このたわみ量は理論式によると、5インチの石英ガラ
ス板からなる透明基板11aの場合は、最大0.46μmであ
るが、6インチの場合は最大0.55μmとなり、これに遮
光パターン11bやレジスト膜11cを形成すると、実測結果
によればたわみ量は10〜20μm程度となっている。
このような状態の乾板11を用いた場合には、フィール
ド間にズレの無い品質の良いフォトマスクやレチクル等
を製造することは不可能である。
本発明は以上のような状況から容易に実施可能なたわ
み量の少ないフォトマスクの製造方法の提供を目的とし
たものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明のフォトマスクの製造方法は、 透明基板の一方の面に遮光膜を被着する工程と、この
遮光膜の表面にレジスト膜を被着する工程と、この透明
基板自体のたわみと、この遮光膜及びこのレジスト膜の
応力に起因するこの透明基板のたわみとを相殺する応力
を有する薄膜を、この透明基板の他の面に被着する工程
とを含むように構成する。
〔作用〕
即ち本発明においては、一方の面に遮光膜を被着し、
この遮光膜の表面にレジスト膜を被着した透明基板の他
の面に、この透明基板自体のたわみと、この遮光膜及び
このレジスト膜の応力に起因するこの透明基板のたわみ
とを相殺する応力を有する薄膜を被着するから、透明基
板自体のたわみと、この遮光膜及びレジスト膜の応力に
起因する透明基板のたわみと、この薄膜の応力による透
明基板の逆方向のたわみとを均衡させることができるの
で、透明基板のたわみを補正し、平坦なフォトマスクを
製造することが可能となる。
〔実施例〕
以下第1図について本発明の一実施例を説明する。
本実施例の乾板1は第1図に示すように、7インチ角
で厚さ3mmの石英ガラス板よりなる透明基板1aの上に、
厚さ1,000Åのクロムからなる遮光膜1bを被着し、更に
その上に厚さ5,000Åのレジスト膜1cを形成し、これら
による透明基板1aのたわみを補正する薄膜、例えば、図
示のような膜厚5,000Åのクロムからなる薄膜2を上記
遮光膜1b及びレジスト膜1cを被着していない面に形成し
ている。
乾板1のレジスト膜1cを露光した後、レジスト膜1cの
現像を行う前に薄膜2用のエッチング液を用いて薄膜2
をエッチングして除去し、その後レジスト膜1cの現像、
遮光膜1bのエッチングを行ってフォトマスクの製造が完
了する。
本実施例のように遮光膜1bと薄膜2とが同一エッチン
グ液によりエッチング可能な場合は、レジスト膜1cの現
像実施後に、遮光膜1bのエッチングと薄膜2のエッチン
グとを同時に行うことが可能である。
このような構造の乾板1と、薄膜2を形成していない
従来技術による乾板11とを比較すると、下記の条件の場
合には第2図に示すようなバーニアにより測定した第3
図に示す乾板1の位置における誤差の値は、下表の通り
となった。
露光装置 ……電子ビーム露光装置 フィールド寸法 ……5mm角 〔発明の効果〕 以上の説明から明らかなように、本発明によれば透明
基板の遮光パターン及びレジスト膜を被着していない面
に、極めて簡単に被着する薄膜を形成することにより、
たわみ量の少ない、精度の高い乾板を得ることが可能と
なる利点があり、著しい品質向上の効果が期待でき工業
的には極めて有用なものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による一実施例を示す側断面図、 第2図はバーニアの主尺と副尺の 相対位置の例を示す
図 第3図は乾板上の誤差測定位置を示す図、 第4図は従来の乾板を示す側断面図、 である。 図において、 1は乾板、 1aは透明基板、 1bは遮光膜、 1cはレジスト膜、 2は薄膜、 を示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基板の一方の面に遮光膜を被着する工
    程と、 該遮光膜の表面にレジスト膜を被着する工程と、 前記透明基板自体のたわみと、該遮光膜及び該レジスト
    膜の応力に起因する該透明基板のたわみとを相殺する応
    力を有する薄膜を、該透明基板の他の面に被着する工程
    と、 を含むことを特徴とするフォトマスクの製造方法。
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