JP2590856B2 - 回路基板およびその修復方法 - Google Patents

回路基板およびその修復方法

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JP2590856B2 JP62016835A JP1683587A JP2590856B2 JP 2590856 B2 JP2590856 B2 JP 2590856B2 JP 62016835 A JP62016835 A JP 62016835A JP 1683587 A JP1683587 A JP 1683587A JP 2590856 B2 JP2590856 B2 JP 2590856B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、ガラス基板等の絶縁性基板上に形成され
た薄膜配線パターンの修復に関するものである。
〔従来の技術〕
薄膜トランジスタを多数個内蔵したアクテイブ・マト
リクス型液晶平面デイスプレイでは、パターン幅が5〜
20μmの微細な配線パターンがガラス基板上に数多く形
成される。デイスプレイの表示画面サイズの大型化に伴
ない、ゴミ、成膜・パターニングにおける膜欠陥あるい
は膜の応力歪などが原因で配線パターンの断線が発生し
やすい。第3図は従来の回路基板の断面図で断線した配
線パターンを示し、図において、(1)はガラス基板、
(2)は0.2〜0.5μmの膜厚で成膜・パターニングされ
た例えばAl,Crなどの材料よりなる導体パターン、(2
b)は断線部、(3)は膜厚が0.3〜1.0μmのパツシベ
ーシヨン膜でSiN,SiO2などの絶縁材料で形成される。従
来この種配線パターンの断線をリペアする手法として第
4図に示すようなものがあつた(資料:昭和61年秋季第
47回応用物理学会学術講演会 講演予稿集28a−ZG−1
0)。断線した配線パターンのリペアは、第4図(a)
に示すように、まず集束イオン・ビームを用いてパツシ
ベーシヨン膜(3)に開口部(3b)を設ける。次いで、
第4図(b)に示すように、集束イオン・ビームCVD法
により接続導体(4)を成膜・形成して導体パターン
(2)を電気的に接続する。
〔発明が解決しようとする問題点〕
従来の薄膜配線パターンのリペア方法は以上のよう
に、集束イオン・ビームCVD技術を用いてなされるた
め、接続導体(4)の成膜速度が20〜50Å/secと遅く、
またイオン・ビーム径を大きくできないため断線部(2
b)の寸法が大きい場合には極めて生産性が悪い。しか
も、減圧下で断線部(2b)の接続を行う必要があるた
め、大型の回路基板をリペアしようとすると、成膜チヤ
ンバーの大型化、回路基板位置決めテーブルの高精度
化、など極めて高度な技術開発を要し装置の複雑化・高
価格化はさけられない。
この発明は上記のような問題点を解決するためになさ
れたもので、断線した導体パターンを大気中で電気的に
接続できると共に、断線部のサイズに殆んど影響される
ことなく、生産性良くリペアできる回路基板およびその
修復方法を提供するものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明に係る回路基板の修復方法は、絶縁性基板と、
この絶縁性基板上に形成された導体パターンと、この導
体パターン上に被着された絶縁膜と、この絶縁膜上に被
着されたダミー導体とを備えた回路基板の修復方法であ
って、レーザ・ビームを用いて上記回路基板の絶縁膜に
穴明け加工する第1の工程と、上記第1の工程で用いた
レーザ・ビームより大きなスポット径を有するレーザ・
ビームを上記ダミー導体に照射し、上記ダミー導体を溶
融させ、該溶融部を上記第1の工程で穴明け加工された
絶縁膜の開口部を介して上記導体パターンの断線部に埋
め込み、該断線部を電気的に接続する第2の工程とを備
えたものである。
〔作用〕
本発明における回路基板は導体パターンの断線部を溶
接し埋め込むためのダミー導体を備え、該ダミー導体が
溶融され断線部を埋め込むので、断線部のサイズに依ら
ず電気的に接続できる。
さらに、本発明においては、レーザ・ビームを用いて
上記回路基板の絶縁膜に穴明け加工する第1の工程と、
上記第1の工程で用いたレーザ・ビームより大きなスポ
ット径を有するレーザ・ビームを上記ダミー導体に照射
し、上記ダミー導体を溶融させ、該溶融部を上記第1の
工程で穴明け加工された絶縁膜の開口部を介して上記導
体パターンの断線部に埋め込み、該断線部を電気的に接
続する第2の工程とを備えたので、断線部のサイズに依
らず且つ小さい接続抵抗で接続される。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を図について説明する。第1
図は本発明の一実施例による回路基板を示し、図におい
て、(1)はガラス基板、(2)はCr,Alなどの材料に
よりなる導体パターン、(3)はSiN,SiO2などの絶縁
膜、この例ではパツシベーシヨン膜で基板上に形成され
た薄膜トランジスタ(図示せず)の環境に対する保護機
能を有し、(40)は導体パターン(2)と同様の材料で
形成されるダミー導体である。尚、(2b)は導体パター
ン(2)の断線部である。
次に、回路基板の修復方法を説明する。第2図は本発
明の一実施例による回路基板の修復方法を説明する工程
図である。導体パターン(2)の断線部(2b)を電気的
に接続するために、第2図(a)のようにまずガラス基
板(1)を通して例えば波長が1.06μmのYAGレーザ・
ビーム(5)をパツシベーシヨン膜(3)に照射する。
このパツシベーシヨン膜(3)は0.2〜1.0μmの膜圧を
有するSiNやSiO2などの薄膜であるため、レーザ・ビー
ム(5)を殆んど吸収せずにダミー導体(40)に直接レ
ーザ・ビーム(5)が照射され、ダミー導体(40)に開
口部(40b)が生じ、ダミー導体(40)の溶融に伴なつ
てパツシベーシヨン膜(3)に熱歪が生じる結果、パツ
シベーシヨン膜(3)に開口部(3b)が設けられる。
続いて第2図(b)に示すように、ダミー導体(40)
の開口部(40b)にレーザ・ビーム(5)を照射すると
ダミー導体(40)上のレーザ・ビーム(5)の直径は第
2図(a)の場合より大きくなる。これは、第2図
(a)の場合レーザ・ビーム(5)の焦点が、厚みが0.
8〜1.6のガラス基板を通してダミー導体(40)上に合せ
られているのに対し、第2図(b)の場合はダミー導体
(40)の上に直接合せられるためレーザ・ビーム(5)
がデフオーカスの状態になることによる。その結果、第
2図(c)に示すようにダミー導体(40)がレーザ・ビ
ーム(5)で溶融してパツシベーシヨン膜(3)の開口
部(3b)および導体パターン(2)の断線部(2b)を埋
めることにより、導体パターン(2)の断線部(2b)が
電気的に接続される。この場合、ダミー導体(40)と導
体パターン(2)とは電気的に接続されるが、ダミー導
体(40)が他の回路パターン(図示せず)と接続されて
いないため、付随的な問題は発生しない。また、ダミー
導体は溶融された状態で接続に寄与するため、接続抵抗
は問題とならない。さらに、断線部に相当する体積の導
体をダミー導体から十分補給することができるので、断
線部の大きさに依らず接合可能である。
なお、上記実施例では第2図(a)のようにガラス基
板(1)およびパツシベーシヨン膜(3)を通してダミ
ー導体(40)にレーザ・ビーム(5)を照射したが、レ
ーザ・ビーム(5)の加工条件を微調整することによ
り、レーザ・ビーム(5)をダミー導体(40)に直接照
射してダミー導体(40)およびパツシベーシヨン膜
(3)にそれぞれ開口部(40b)および(3b)を設けて
も上記実施例と同様の効果を得ることができる。ただ
し、この場合は、第2図(b)の工程でレーザ・ビーム
(5)のスポツト径を大きくする必要がある。
また、上記実施例では導体パターン(2)とパツシベ
ーシヨン膜(3)とで構成される回路基板を示したが、
多層配線パターンであつても内蔵される導体パターンの
一部をダミー導体に利用して上記実施例と同様の効果を
得ることができる。
また、上記実施例ではダミー導体(40)を溶融させる
ことによつてパツシベーシヨン膜(3)に穴明けする場
合を示したが、レーザ・ビーム(5)の種類および波長
を選ぶことにより、パツシベーシヨン膜(3)に直接穴
明けすることも可能であり、上記実施例と同様の効果が
得られる。
なお参考として、上記実施例では導体パターン(2)
が断線した場合のリペア方法を示したが、ダミー導体
(40)が何らかの原因で断線した場合は第2図(a)の
工程と第2図(b)の工程順序を逆にすれば、上記実施
例と同様にしてダミー導体(40)の断線部を接続でき
る。
すなわち、まず第2図(b)に示すようにレーザ・ビ
ーム(5)をダミー導体(40)側からパツシベーシヨン
膜(3)に照射し、導体パターン(2)およびパツシベ
ーシヨン膜(3)に開口部を形成する。次に第2図
(a)に示すようにガラス基板(1)側から導体パター
ン(2)にデフオーカスされたレーザ・ビーム(5)を
照射し、導体パターン(2)を溶融させてダミー導体
(40)の断線部を埋める。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明においては、レーザ・ビームを
用いて上記回路基板の絶縁膜に穴明け加工する第1の工
程と、上記第1の工程で用いたレーザ・ビームより大き
なスポット径を有するレーザ・ビームを上記ダミー導体
に照射し、上記ダミー導体を溶融させ、該溶融部を上記
第1の工程で穴明け加工された絶縁膜の開口部を介して
上記導体パターンの断線部に埋め込み、該断線部を電気
的に接続する第2の工程とを備えたので、溶融されたダ
ミー導体により導体パターンの断線部を埋め込むので、
大気中で接続抵抗の小さい導体パターンの修復ができ、
断線部の大きさに殆んど影響されることなく生産性良く
修復することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例による回路基板を示す断面
図、第2図(a)〜(c)はそれぞれ本発明の別の発明
の一実施例による回路基板の修復方法を説明する工程
図、第3図は従来の回路基板を示す断面図、第4図
(a),(b)はそれぞれ従来の回路基板の修復方法を
説明する工程図である。 図において、(1)はガラス基板、(2)は導体パター
ン、(2b)は断線部、(3)はパツシベーシヨン膜、
(3b)は開口部、(4)は接続導体、(40)はダミー導
体、(40b)は開口部、(5)はレーザ・ビームであ
る。 なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示すもの
とする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−23087(JP,A) 特開 昭62−155536(JP,A) 特開 昭62−206855(JP,A) 特開 昭57−210385(JP,A) 特開 昭61−56382(JP,A) 特開 昭58−198080(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁性基板と、この絶縁性基板上に形成さ
    れた導体パターンと、この導体パターン上に被着された
    絶縁膜と、この絶縁膜上に被着されたダミー導体とを備
    えた回路基板の修復方法であって、レーザ・ビームを用
    いて上記回路基板の絶縁膜に穴明け加工する第1の工程
    と、上記第1の工程で用いたレーザ・ビームより大きな
    スポット径を有するレーザ・ビームを上記ダミー導体に
    照射し、上記ダミー導体を溶融させ、該溶融部を上記第
    1の工程で穴明け加工された絶縁膜の開口部を介して上
    記導体パターンの断線部に埋め込み、該断線部を電気的
    に接続する第2の工程とを備えたことを特徴とする回路
    基板の修復方法。
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