JP2590092B2 - 自動二輪車の物入れ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、スクータのような小型の自動二輪車の物入
れ装置に関する。

（従来の技術） 従来、この種の自動二輪車では、シートから後方の車
体後半部に物入れを設けることは、車体後半部に燃料タ
ンク等の容積の大きなものが設けられているのでスペー
スがなく難しい。このため、シートの下に開口する物入
れを設けることが行われている。（例えば、実開昭58−
104783号公報参照） このような構成にあって、シートの下面先端部を物入
れの先端部において枢支し、シートにより該物入れの開
口部を開閉するものとし、シートを物入れの開口縁で支
持していた。しかし、シートは着座した人の荷重や、長
期にわたる使用によって枢支された部分に歪みが発生し
やすく、シートによる物入れの閉蓋時にシートと物入れ
の開口縁とに位置ずれが発生する。このため、シート下
面と物入れの開口縁との間にシール部材が設けられてい
る場合には、シートと物入れとの位置ずれの影響でシー
ル部材に歪みが発生し、シート下面と物入れの開口縁と
の間におけるシール部材による密封性が損なわれる不都
合があった。

（発明が解決しようとする問題点） 本発明は、かかる従来の不都合を解消し、シートによ
る物入れの閉蓋が精度よく行え、物入れの密封性を向上
させることができる自動二輪車の物入れ装置を提供する
ことを目的とする。

（問題点を解決する手段） 本発明は、かかる目的を達成するため、シートの下に
該シートで開閉される開口部を有する物入れを備える自
動二輪車において、物入れの開口部に側壁から外方に突
出する平面部を設け、シートの下面に該平面部と対向す
るシール面を設け、前記平面部と該シール面との間にシ
ール部材を介在させて設け、シートの下面から物入れの
側壁内面に沿って当接して延出し、かつ、舌片状である
ガイド片を、シートの前後方向の略中央位置にのみ左右
一対を設けたことを特徴とする。

（作用） 本発明によれば、シートによる物入れの閉蓋時には、
前記シートのガイド片が前記物入れの側壁内面に沿って
当接状態で案内され、精度良く閉蓋されることによって
シール部材の歪み等を防止して物入れを確実に密封す
る。

更に、ガイド片は、シートに着座した人の荷重が集中
するシートの前後方向の略中央位置において該シートの
左右側に一対設けるだけで、物入れの開口部を精度良く
閉蓋し且つシートの左右方向への位置ずれによるシール
部材の歪み等が防止されてその閉蓋による密封状態を維
持すことが可能となる。

（実施例） 本発明の実施の一例を示す図面に従って更に詳説す
る。

第１図は、本発明を実施する自動二輪車を示し１はシ
ート、２はフロントカバー、３はハンドル、４は前輪、
５はヘッドライト、６はフロアパネル、７は後輪、８は
ボデーカバーである。

該前輪４にはフロントフェンダ９をフロントカバー２
に内装して備える。

第２図は、本発明の実施部分を示す第１図の要部破断
側面図であり、10は低位のメインフレームであり、該フ
レーム10の後端には側面視逆Ｌ型のリヤフレーム11の下
端前部が接合され、該リヤフレーム11は、その接合位置
から後上傾して延び屈曲して略水平となり後部に至る形
状を有する。その後部には、平面視Ｕ字状のリヤステイ
12が一体に接合されている。該リヤフレーム11の下端後
部にはブラケット13によりエンジン14、伝動ケース15か
らなるユニットスイング式のパワーユニット16をリンク
を介して連結した。該伝動ケース15とリヤステイ12の前
端部との間にリヤクッションユニット17を連結してパワ
ーユニット16を片持支持した。18は伝動ケース15に固定
したエアクリーナーである。

19は物入れであり、リヤフレーム11の屈曲部からリヤ
ステイ12にわたって配設したもので、上方を開口し、そ
の底部前部をリヤフレーム11に跨がらせ底部後部をリヤ
ステイ12上に配設した。20は物入れ19と一体に形成した
バッテリー収納部、21はリヤステイ12の後部に底部を落
とし込みブラケット22、23により固定した燃料タンク、
24はリヤステイ12の下部にブラケット25、26により取り
つけたリヤフェンダ、27はテールランプである。

更に、本発明の実施の部分を詳説すると、物入れ19
は、前壁部に形成したブラケット28にシート１の前端を
ピン29で枢支してシート１で物入れ19の開口を閉蓋する
ようにした。該シート１の下面に前記物入れ19の両側壁
30、31の外面と対応する位置にその長手方向に延びるシ
ール面を形成し、ゴム材からなるシール部材32、33と当
接自在とした。また、第２図及び第４図示のように、シ
ート１の前後方向の略中央位置であって両側壁30、31の
内面に対応して接する位置に一対のガイド片34、35を垂
設した。該物入れ19の両側壁30、31の開口縁外側上部に
は第４図示のように側壁30、31から外方に突出する平面
部が設けられ、該平面部に、第２図示のように一体に形
成した受け溝36、37を備える。該受け溝36、37は、前記
ブラケット28から前記バッテリー収納部20にわたり連続
して設けた。バッテリー収納部20と隔壁を構成する物入
れ19の後壁38の直上には、第２図示のようにシート１下
面に垂設した突縁39を後壁３に冠蓋するバッテリー収納
部20の蓋40に当接するようにした。従って、シート１に
よって物入れ19を閉蓋するときには、第４図示のように
両シール部材32、33は、物入れ19の開口縁を密封する。

また、シート１への着座時等のようにシート１にかか
る荷重が過大であるときには、前記シール部材32、33は
シート１の下面に設けられているシール面に押圧され
て、その全体が前記受け溝36、37に没入し、前記シール
面が物入れ19の側壁30、31の開口縁上部に設けられた平
坦部と当接することにより、物入れの剛性及び密封性を
確保しつつ、シール部材32、33に直接的に作用する荷重
を軽減する。また、シート１の両ガイド片34、35は、シ
ート１による物入れ19の閉蓋時にシート１を物入れ19の
両側壁30、31の内面に沿って案内し、該シート１のシー
ル面と物入れ19の開口縁とをシール部材32、33を介して
精度良く当接させる。そして更に、両ガイド片34、35
は、両シール部材32、33で開口縁を挟持して、シート１
の横方向の位置ずれを防止してシール部材32、33の歪み
等を防止し、シート１による物入れ19を密封状態を維持
する。このとき、本実施例では、前記受け溝36、37を物
入れ19にブラケット28からバッテリー収納部20に連設し
たので、物入れ19の開口縁全周がブラケット28、受け溝
36、37及びバッテリー収納部20で補強されているので堅
牢な構成となっている。

（発明の効果） 本発明によれば、前記のことから明らかなように、物
入れの平面部とシートのシール面とをシール部材を介し
て当接させるとき、シートは、ガイド片が物入れの側壁
内面に沿って案内されることにより物入れを精度よく閉
蓋することができる。更に、本発明によれば、シート
は、ガイド片が物入れの側壁内面に当接されることから
物入れの開口部から位置ずれを起こすことがないので、
シール部材の歪みが防止されて密封性の高い閉蓋状態を
維持することができ、構造簡単で耐久性の高い自動二輪
車の物入れ装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本発明の実施の１例を示すもので、
第１図は自動二輪車の全体側面図、第２図は第１図の後
部の説明的破断図、第３図は要部のみを示す斜視図、第
４図は第２図のＡ−Ａ線断面図である。 １……シート、19……物入れ、32、33……シール部材 36、37……受け溝

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−200072（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−161280（ＪＰ，Ａ) 実開 昭59−150755（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭57−137525（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−3347（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】シートの下に該シートで開閉される開口部
   を有する物入れを備える自動二輪車において、物入れの
   開口部に側壁から外方に突出する平面部を設け、シート
   の下面に該平面部と対向するシール面を設け、前記平面
   部と該シール面との間にシール部材を介在させて設け、
   シートの下面から物入れの側壁内面に沿って当接して延
   出し、かつ、舌片状であるガイド片を、シートの前後方
   向の略中央位置にのみ左右一対を設けたことを特徴とす
   る自動二輪車の物入れ装置。