JP2589317B2 - 光ディスク記録再生装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、レーザ光等の光を記録媒体である光ディス
ク等に照射し、記録媒体への情報の記録とその再生、お
よび消去を行う光ディスク記録再生装置に係り、特に光
ディスクの回転速度の制御を考慮した光ディスク記録再
生装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来の光ディスク記録再生装置には、光磁気ディスク
記録再生装置、追記形の光ディスク記録再生装置、およ
び相転移を利用した光ディスク記録再生装置等が知られ
ており、いずれの装置も同様の回転制御を行っている。

例えば、光磁気ディスク再生装置では、膜面に垂直な
方向に磁化容易軸を有する磁性膜が記録部となる光磁気
ディスクを記録媒体としている。そして、信号の記録時
には、例えばレーザ光を記録部に１μｍφ程度に集光
し、記録部の局所的温度上昇と外部補助磁場とを利用し
て磁化反転させている。一方、再生時には、レーザ光の
直線偏光と記録部である磁性膜との間に起こる磁気光学
効果を利用して、反射または透過された光の偏光方向を
検光子にて検波し、光検出器にて電気信号に変換してい
る。

また、光磁気ディスク記録再生装置は、レーザ光の照
射部位の線速度を一定に保つように、光磁気ディスクの
回転速度を制御するCLV制御を行っており、このCLV制御
には従来２つの制御方法が採用されている。

先ず、第１の制御方法では、光磁気ディスクの回転数
の検出は、光磁気ディスクを回転させるスピンドルモー
タに取り付けられたタコメータ、或いはロータリエンコ
ーダ等の回転周波数発生器にて行う。また、目標回転数
は、光学エンコーダ、或いはポテンショメータ等、光学
ヘッドに取り付けられた半径方向の位置センサから、記
録再生または消去動作における光磁気ディスクのトラッ
キング半径位置を検出し、検出した半径位置に対応して
決定する。そして、このようにして得られた実際の回転
数と目標回転数との差をフィードバックして、回転制御
を行っている。

この方法では、目標回転数を半径位置に対応させて線
速度を一定にするCLV制御を行うことが特徴をなしてい
る。

また、第２の制御方法は、線速度一定の条件のもとに
通常の記録信号と共にクロック等のマーク信号が記録さ
れている場合に、記録信号とマーク信号を再生し、その
再生信号から周波数または位相情報等を検出して線速度
情報を得ている。そして、一定の目標線速度との差をフ
ィードバックしてCLV制御を行うものである。例えば、
コンパクトディスクのCLV制御は、再生信号のフレーム
同期信号等から線速度を検出しており、その代表的な例
である。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところが、上記従来の制御方法では、記録、再生およ
び消去が可能な光ディスク記録再生装置においては、情
報の記録部分と未記録部分が存在することにより、再生
信号の信頼性が低下するという問題点を有している。

即ち、情報の記録部分では、第１の制御方法によれ
ば、回転周波数発生器の出力信号と、光ディスク上のマ
ーク信号との周波数差または位相差により、再生信号の
周波数または位相がばらつくことになる。従って良好な
速度制御を行うことができない。一方、第２の方法によ
れば、マーク信号の再生信号を基準として制御するの
で、信頼性のある制御を行うことがでる。

また、情報の未記録部分では、光ディスク上にマーク
信号が存在しないが、第１の制御方法によれば、これに
関わらず良好な制御を行うことができる。一方、第２の
制御方法では、線速度情報が得られず、スピンドルモー
タが暴走することになる。

従って、上記の２つの方法のいずれか一方では、再生
信号の信頼性が低下することになる。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明の光ディスク記録再生装置は、上記の問題点を
解決するために、回転駆動手段にて回転される光ディス
クに、光を照射して情報の記録、再生および消去を行う
光ディスク記録再生装置において、上記回転駆動手段の
回転数を検出する回転数検出手段と、光ディスク上のト
ラッキング半径位置を、光ディスク上に予め消去されな
い凹凸の情報として刻設されているトラッキング半径位
置検出情報から検出するトラッキング半径位置検出手段
と、線速度が一定となるように、トラッキング半径位置
検出手段にて検出された記録、再生および消去動作にお
ける光ディスク上のトラッキング半径位置に対応して、
光ディスクの目標回転数を決定し、この目標回転数に上
記回転数検出手段にて検出された光ディスクの回転数が
一致するように回転駆動手段を制御する第１ディスク回
転制御手段と、この第１ディスク回転制御手段の制御下
で記録された記録情報の再生信号に含まれるマーク信号
から、光ディスクの線速度を検出し、この線速度が第１
ディスク回転制御手段にて設定された一定の線速度と一
致するように回転駆動手段を制御する第２ディスク回転
制御手段と、再生中の再生信号が光ディスクにおける情
報の記録された信号記録部の再生信号であるか否かを検
出する記録部検出手段と、この記録部検出手段にて信号
記録部の再生状態が検出されたときに、第２ディスク回
転制御手段の制御信号が回転駆動手段へ供給されるよう
に切り換わる一方、記録部検出手段にて信号未記録部の
再生状態が検出されたときに、第１ディスク回転制御手
段の制御信号が回転駆動手段へ供給されるように切り換
わる切換え手段とを備えた構成となっている。

〔作用〕

上記の構成により、再生動作において、光ディスクの
信号記録部では、第２ディスク回転制御手段により、再
生信号に含まれるマーク信号に基づいて検出した光ディ
スクの線速度を、第１ディスク回転制御手段にて設定さ
れた一定の線速度と一致させる制御が行われる。一方、
信号の未記録部では、第１ディスク回転制御手段によ
り、回転数検出手段にて検出された光ディスクの回転数
を、一定の線速度を得るために光ディスク上のトラッキ
ング半径位置に対応して決定された目標回転数に一致さ
せる制御が行われる。

従って、光ディスクにおける信号の記録部および未記
録部の両方において、確実な速度制御が行われ、良質の
再生信号を得ることができる。

しかも、上記構成においては、特に、光ディスク上に
予め消去されない凹凸の情報として刻設されているトラ
ッキング半径位置検出情報を基にトラッキング半径位置
を検出するので、正確な半径位置を検出できる。したが
って、これに基づく第１ディスク回転制御手段による回
転制御も正確なものとなる。

〔実施例〕

本発明の一実施例を第１図に基づいて以下に説明す
る。

光磁気ディスク記録再生装置は、光磁気ディスク１の
回転駆動手段であるスピンドルモータ２と、光磁気ディ
スク１にレーザ光３を投射すると共に、その反射光を光
信号として検出する光学ヘッド４とを有している。上記
の光磁気ディスク１には、予めその作製時に、トラッキ
ング半径位置検出情報が消去されない凹凸の情報として
ディスク面に刻設されている。上記のトラッキング半径
位置検出情報は、記録、再生および消去動作における光
ディスク上のトラッキング半径位置を検出するためのト
ラッキング半径位置検出手段を構成している。

また、スピンドルモータ２にはタコメータ或いはロー
タリエンコーダ等からなり、回転数検出手段を構成する
回転周波数発生器５が設けられている。

また、光ディスク記録再生装置は、光学ヘッド４から
出力される検出信号の増幅と信号処理とを行い、再生信
号として出力する再生回路６と、再生回路６出力の再生
信号を入力し、この再生信号が光磁気ディスク１におけ
る情報の記録された信号記録部の再生信号であるときに
は出力がハイレベルとなり、上記再生信号が信号未記録
部の再生信号であるときには出力がローレベルとなる記
録部検出手段である記録部検出回路７と、第1CLV制御回
路10の制御下で記録され、再生回路６出力として取り出
された記録情報の再生信号に含まれるクロック等のマー
ク信号の周波数あるいは位相から、光磁気ディスク１の
線速度を検出すると共に、この線速度を第1CLV制御回路
10にて設定された一定の線速度と一致させる制御信号を
スピンドルモータ２の駆動電圧として送出する第２ディ
スク回転制御手段である第2CLV制御回路８と、再生回路
６出力の再生信号に含まれたトラッキング半径位置情報
を検出するトラッキング半径位置検出手段をなすトラッ
キング半径位置検出回路９と、線速度が一定となるよう
に、トラッキング半径位置検出回路９にて検出された記
録、再生および消去動作における光ディスク上のトラッ
キング半径位置に対応して、光磁気ディスク１の目標回
転数を決定し、この目標回転数に、回転周波数発生器５
にて検出された光磁気ディスク１の回転周波数から求め
た回転数を一致させる制御信号をスピンドルモータ２の
駆動電圧として送出する第１ディスク回転制御手段であ
る第1CLV制御回路10とを有している。

さらに、記録部検出回路７、第1CLV制御回路10、第2C
LV制御回路８およびスピンドルモータ２が接続され、記
録部検出回路７の出力がローレベルのときに、第1CLV制
御回路10の制御信号がスピンドルモータ２へ供給される
ように切り換わる一方、記録部検出回路７出力がハイレ
ベルのときに、第2CLV制御回路８の制御信号がスピンド
ルモータ２へ供給されるように切り換わる切換え手段を
なすスイッチ回路11を有している。

上記の記録部検出回路７は、振幅検出回路とコンパレ
ータとからなり、再生回路６出力の再生信号が記録部の
再生信号であるときには、再生信号パルスの振幅が基準
レベル以上となるので出力がハイレベルとなり、再生信
号が未記録部の信号であるときには、再生信号パルスの
振幅が基準レベル以下となるので出力がローレベルとな
る。

尚、記録部検出回路７は、再生信号パルスの振幅検出
を行わず、再生情報を読み取ることによって、出力をハ
イレベルとローレベルとに切り換えるものであってもよ
い。

上記の構成において、光学ヘッド４から投射されたレ
ーザ光３は、スピンドルモータ２によって回転される光
磁気ディスク１に照射され、光磁気ディスク１への信号
の記録、信号の再生、或いは信号の消去が行われる。

光磁気ディスク記録再生装置の再生動作では、光学ヘ
ッド４から光磁気ディスク１に照射されたレーザ光３は
光信号となって光学ヘッド４へ反射され、光磁気ディス
ク１に記録された信号が検出される。この信号は再生回
路６に入力されて増幅されると共に、所定の信号処理が
施された後、再生信号となって記録部検出回路７、第2C
LV制御回路８およびトラッキング半径位置検出回路９へ
送出される。尚、再生信号にはトラッキング半径位置検
出情報、およびクロック等のマーク信号も含まれてい
る。

一方、第1CLV制御回路10には、スピンドルモータ２に
取り付けられた回転周波数発生器５の出力信号とトラッ
キング半径位置検出回路９の出力信号とが入力されてい
る。

ここで、再生回路６出力の再生信号が、光磁気ディス
ク１の未記録部における再生信号であるときには、記録
部検出回路７の出力はローレベルとなり、スイッチ回路
11は第1CLV制御回路10とスピンドルモータ２とを導通さ
せるように切り換わる。これにより、スピンドルモータ
２には第1CLV制御回路10の制御信号が駆動電圧として供
給される。

そして、光磁気ディスク１の線速度が一定となるよう
に、トラッキング半径位置検出回路９によって検出され
たトラッキング半径位置に対応して、光磁気ディスク１
の目標回転数が決定され、この目標回転数に、回転周波
数発生器５出力の回転周波数から求められた光磁気ディ
スク１の回転数が一致するように、スピンドルモータ２
の回転が制御される。

一方、再生回路６出力の再生信号が、光磁気ディスク
１の記録部における再生信号であるときには、記録部検
出回路７の出力はハイレベルとなり、スイッチ回路11は
第2CLV制御回路８とスピンドルモータ２とを導通させる
ように切り換わる。これにより、スピンドルモータ２に
は第2CLV制御回路８の制御信号が駆動電圧として供給さ
れる。そして、再生回路６出力の再生信号に含まれるマ
ーク信号の周波数あるいは位相に基づいて、光磁気ディ
スク１の線速度が検出され、この線速度を第1CLV制御回
路10にて設定された一定の線速度と一致させるように、
スピンドルモータ２の回転が制御される。

尚、本実施例では、光磁気ディスク記録再生装置の例
を示したが、これに限定されることなく、その他、追記
形、相移転形等の光ディスク記録再生装置等であっても
同様の構成とすることができる。

〔発明の効果〕

本発明の光ディスク記録再生装置は、以上のように、
回転駆動手段にて回転される光ディスクに、光を照射し
て情報の記録、再生および消去を行う光ディスク記録再
生装置において、上記回転駆動手段の回転数を検出する
回転数検出手段と、光ディスク上のトラッキング半径位
置を、光ディスク上に予め消去されない凹凸の情報とし
て刻設されているトラッキング半径位置検出情報から検
出するトラッキング半径位置検出手段と、線速度が一定
となるように、トラッキング半径位置検出手段にて検出
された記録、再生および消去動作における光ディスク上
のトラッキング半径位置に対応して、光ディスクの目標
回転数を決定し、この目標回転数に上記回転数検出手段
にて検出された光ディスクの回転数が一致するように回
転駆動手段を制御する第１ディスク回転制御手段と、こ
の第１ディスク回転制御手段の制御下で記録された記録
情報の再生信号に含まれるマーク信号から、光ディスク
の線速度を検出し、この線速度が第１ディスク回転制御
手段にて設定された一定の線速度と一致するように回転
駆動手段を制御する第２ディスク回転制御手段と、再生
中の再生信号が光ディスクにおける情報の記録された信
号記録部の再生信号であるか否かを検出する記録部検出
手段と、この記録部検出手段にて信号記録部の再生状態
が検出されたときに、第２ディスク回転制御手段の制御
信号が回転駆動手段へ供給されるように切り換わる一
方、記録部検出手段にて信号未記録部の再生状態が検出
されたときに、第１ディスク回転制御手段の制御信号が
回転駆動手段へ供給されるように切り換わる切換え手段
とを備えた構成である。

それゆえ、再生動作において、光ディスクの信号記録
部では、第２ディスク回転制御手段により、再生信号に
含まれるマーク信号に基づいて検出した光ディスクの線
速度を、第１ディスク回転制御手段にて設定された一定
の線速度と一致させる制御が行われる。一方、信号の未
記録部では、第１ディスク回転制御手段により、回転数
検出手段にて検出された光ディスクの回転数を、一定の
線速度を得るために光ディスク上のトラッキング半径位
置に対応して決定された目標回転数に一致させる制御が
行われる。

従って、再生動作の際には、光ディスクにおける信号
の記録部および未記録部の両方において、確実な光ディ
スクの回転制御を行うことができる。

しかも、上記構成においては、特に、光ディスク上に
予め消去されない凹凸の情報として刻設されているトラ
ッキング半径位置検出情報を基にトラッキング半径位置
を検出するので、未記録部においても記録部と同程度の
精度で正確な半径位置を検出でき、これに基づく第１デ
ィスク回転制御手段による回転制御も正確なものとな
る。

これらの結果、装置の信頼性を向上することができる
という効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す光磁気ディスク記録再
生装置のブロック図である。 １は光磁気ディスク（光ディスク）、２はスピンドルモ
ータ（回転駆動手段）、３はレーザ光、４は光学ヘッ
ド、５は回転周波数発生器（回転数検出手段）、６は再
生回路、７は記録部検出回路（記録部検出手段）、８は
第2CLV制御回路（第２ディスク回転制御手段）、９はト
ラッキング半径位置検出回路（トラッキング半径位置検
出手段）、10は第1CLV制御回路（第１ディスク回転制御
手段）、11はスイッチ回路（切換え手段）である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沼田 富行 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 辻 健太郎 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】回転駆動手段にて回転される光ディスク
   に、光を照射して情報の記録、再生および消去を行う光
   ディスク記録再生装置において、上記回転駆動手段の回
   転数を検出する回転数検出手段と、光ディスク上のトラ
   ッキング半径位置を、光ディスク上に予め消去されない
   凹凸の情報として刻設されているトラッキング半径位置
   検出情報から検出するトラッキング半径位置検出手段
   と、線速度が一定となるように、トラッキング半径位置
   検出手段にて検出された記録、再生および消去動作にお
   ける光ディスク上のトラッキング半径位置に対応して、
   光ディスクの目標回転数を決定し、この目標回転数に上
   記回転数検出手段にて検出された光ディスクの回転数が
   一致するように回転駆動手段を制御する第１ディスク回
   転制御手段と、この第１ディスク回転制御手段の制御下
   で記録された記録情報の再生信号に含まれるマーク信号
   から、光ディスクの線速度を検出し、この線速度が第１
   ディスク回転制御手段にて設定された一定の線速度と一
   致するように回転駆動手段を制御する第２ディスク回転
   制御手段と、再生中の再生信号が光ディスクにおける情
   報の記録された信号記録部の再生信号であるか否かを検
   出する記録部検出手段と、この記録部検出手段にて信号
   記録部の再生状態が検出されたときに、第２ディスク回
   転制御手段の制御信号が回転駆動手段へ供給されるよう
   に切り換わる一方、記録部検出手段にて信号未記録部の
   再生状態が検出されたときに、第１ディスク回転制御手
   段の制御信号が回転駆動手段へ供給されるように切り換
   わる切換え手段とを備えたことを特徴とする光ディスク
   記録再生装置。