JP2586899B2 - 転写材分離装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （１）発明の目的 （産業上の利用分野） この発明は、静電複写機など静電転写プロセスを利用
する画像形成装置、とくにその転写材分離装置に関する
ものである。

（従来技術と解決すべき課題） 像担持体表面に形成したトナー像に、紙を主とするシ
ート状の転写材を当接ないし近接させて該トナー像を転
写材に転写する工程を有する周知の画像形成装置におい
ては、転写時に、トナーを効率的に転写材に転移させる
ために、転写材に電荷を付与するので、転写材が像担持
体に吸着傾向となってジャムなど故障の原因になりやす
いので、転写後の位置のおいて転写材を積極的に像担持
体から分離させるための分離手段が従来から種々提案さ
れている。

したがってまたこれに使用されている円筒状の像担持
体の小径化の傾向にもよく適合し、像担持体表面感光層
を損傷するおそれが少なく、さらには転写材上の画像の
欠損を生ずることがないなど種々な利点を具有している
が、反面、腰の弱い薄紙の場合、またとくに低湿環境下
において、転写材の像担持体への吸着傾向が強い場合な
どには分離不良を生じやすかった。

このような欠点を解消するために、転写後の位置に針
状あるいは鋸歯状の除電電極を配し、これに転写時とは
逆極性のバイアスを印加することによって、転写時に転
写材に付与された電荷を中和して転写材の分離を促進さ
せるようなものがすでに提案され、一定の効果をあげて
いる。

ところが、このような手段においても、除電電極を連
続的に放電を行ない、あるいは放電回数が多くなると放
電電流が減衰して分離不良を招来することがあった。

これは、放電によって発生したコロナイオンが、除電
電極を囲繞する絶縁部材表面に付着してその部分のチャ
ージアップをもたらすことに起因すると考えられる。

本発明はこのような事態に対処すべくなされたもので
あって、連続使用ないしは多数回の使用にも分離不良が
生ずようなことがなく、常時安定して機能する分離装置
を提供することを目的とするものである。

（２）発明の構成 （課題を解決する技術手段、その作用） 上記の目的を達成するため、本発明は、像担持体から
転写材へトナー像が静電的に転写された後、転写材を除
電する放電尖端をそなえ、電圧が印加された除電電極を
有する転写材分離装置において、転写材移動方向におい
て前記除電電極の上流側及び下流側に設けられ、前記放
電尖端の近傍を囲む絶縁部材と、前記放電尖端が対向す
る前記絶縁部材表面に設けられ、前記除電電極に印加さ
れる電圧と同極性の電圧が印加される補助電極と、を有
することを特徴とする転写材分離装置である。

このように構成することによって、補助電極がない場
合に当該部分近傍に発生するべきチャージフップを阻止
し、除電電極による放電電流の減衰を回避して安定した
分離作用が得られる。

（実施例の説明） 第１図は本発明を回転円筒状の感光体を具備する被写
機に適用した実施例の要部側面図、第２図は同上分離装
置部分の拡大図である。

紙面に垂直方向にのびており、矢印Ａに方向に回転す
る感光体１に近接して、転写帯電器３がこれに平行に配
設してある。

搬送路２によって供給される転写材（不図示）は、感
光体表面に、これも不図示の、一次帯電器、画像情報付
与手段、現像器などの画像形成部材によって形成された
トナー像とタイミングを合せて、転写帯電器３を有する
転写部位に至り、この位置で感光体のトナー像が転写材
に転移する。

転写材の走行方向にみて転写帯電器の下流側には、こ
れに隣接して分離装置４が配設してある。

該分離装置４は、絶縁部材4a、4bと、これに挟持され
て、露出した放電尖端が転写材裏面近傍に位置するよう
に配された除電電極５からなっており、該電極５には、
電極７によって転写時とは反対極性のバイアスが印加さ
れていて、転写のさいに転写材に付与された電荷を中和
除電するものとする。

除電電極としては、針状の電極、鋸歯状の端縁をそえ
た金属板体、細線を展張したものなどを利用することが
できる。

さらに、前記除電電極５の先端近傍において、前記絶
縁部材4a、4bの少なくとも一方の表面には補助電極６が
配設してあり、該電極６は、バイアス電源８によって一
定の電位に維持されているものとする。

第３図は、転写帯電器がコロナ放電を行なっている状
況下で、除電電極の放電を連続的に行なった場合におけ
る、バイアスを印加された補助電極をそなえた本発明に
よる分離装置と、補助電極を有しない公知の分離装置と
の、放電電流の時間的変化を示すもので、公知の装置に
おいては、当初の電流は大であるが、時間の経過ととも
に急速に減衰するが、本発明による分離装置にあって
は、電流の時間的変化が小さく、ほぼ一定の電流を維持
できることが判る。

本発明の実験例について云うと、第１図に示すような
複写機で、感光体の直径30mmのものを使用し、除電電極
としては、厚さ0.1mmの金属板で、感光体に対向する端
縁を鋸歯状に形成したものを用い、プロセススピードを
50mm/秒とし、転写電圧を−5.3KV、除電バイアスを＋3.
5KVで作動させた場合、補助電極の電位は＋2.0〜3.0KV
の範囲に設定するのが好適で、これ以下のときには、除
電電極と補助電極の間で絶縁破壊が生じ、これをこえる
と、除電電極の放電効率が低下し、分離作用が不安定と
なった。

第４図は、本発明の他の実施例を示すもので、このも
のにおいては、補助電極６はバリスタ９を介してアース
されて定電位に維持されている。

また以上本発明を複写機に適用したものについて説明
したが、本発明がこれ以外の画像形成装置にも適用でき
るものであることは容易に理解できるところであろう。

（３）発明の効果 本発明は、以上説明したように、除電電極をそなえた
転写材分離装置において、該除電電極の放電側端部近傍
に補助電極を配設して、これを適当な電位に維持するよ
うに構成したから、連続使用乃至は多数回の使用後にも
除電電極の放電電流の減衰を回避でき、長期にわたって
安定した転写材分離機能の維持が可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を複写機に適用した実施例を示す要部側
面図、 第２図は同上分離装置部分の拡大側面図、 第３図は本発明と公知の分離装置の除電電流の時間的変
化を示すグラフ、 第４図は本発明の他の実施例を示す分離装置の側面図で
ある。 １……感光体、３……転写帯電器、４……分離装置、５
……除電電極、６……補助電極、７、８……バイアス電
源。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】像担持体から転写材へトナー像が静電的に
   転写された後、転写材を除電する放電尖端をそなえ、電
   圧が印加された除電電極を有する転写材分離装置におい
   て、 転写材移動方向において前記除電電極の上流側及び下流
   側に設けられ、前記放電尖端の近傍を囲む絶縁部材と、 前記放電尖端が対向する前記絶縁部材表面に設けられ、
   前記除電電極に印加される電圧と同極性の電圧が印加さ
   れる補助電極と、を有することを特徴とする転写材分離
   装置。