JP2586069Y2 - 内燃機関のピストン - Google Patents

内燃機関のピストン

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JP2586069Y2
JP2586069Y2 JP1991087749U JP8774991U JP2586069Y2 JP 2586069 Y2 JP2586069 Y2 JP 2586069Y2 JP 1991087749 U JP1991087749 U JP 1991087749U JP 8774991 U JP8774991 U JP 8774991U JP 2586069 Y2 JP2586069 Y2 JP 2586069Y2
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piston
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skirt
strut plate
strut
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賢治 高橋
英雄 笠波
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Isuzu Motors Ltd
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Isuzu Motors Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案はピストンの熱膨張の方向
を規制するストラット板を有する内燃機関のピストン
(オートサーマティックピストン)の改良に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来の内燃機関のピストンには、その熱
膨張の方向を規制するためのストラット板を有する、オ
ートサーマティックピストンとも称されるピストンと、
このようなストラット板を有していないピストンとがあ
る。このようなストラット板を有するタイプのピストン
を開示した公知例としては、実公昭49− 19681号公報、
実願昭60− 61192号公報及び実開昭62−143052号公報な
どの考案が知られており、これらは図5の縦断面図及び
図6の平断面図に示すように、リング溝4を設けた頭部
2と、その下方に位置するスカート部5とからなるピス
トン本体1において、スカート部5のうちでも頭部2に
隣接するスカート肩部9の内側にストラット板3が設け
られている。
【0003】上記のようにストラット板3を設けたピス
トン本体1の斜視図を図7に示し、更にその外周の展開
状態を図8に示す。このタイプのピストン本体1はエン
ジンの冷間時に楕円形状になっており、運転時の温度上
昇によって真円になるように作られている。そして、ス
トラット板3を設け、その緊張力によって、予めたわみ
易く作られたピストン本体1のスカート部5の熱膨脹の
方向を規制することによって、楕円形状のピストン本体
1が熱膨脹によって、そのまま相似形に拡大された楕円
形状にならないようにしている。
【0004】このようなストラット板3を有し、エンジ
ン運転時に真円となるオートサーマティックピストンの
特徴としては、ストラット板3を設けていないために運
転時に拡大された楕円形状になるピストンに比して、冷
間時のピストンとシリンダライナーとのクリアランスを
小さくできることである。従って、楕円形状のピストン
において、その短径方向のピストンとシリンダライナー
との間に長径方向よりも大きな隙間があり、ピストンの
往復運動中に発生するスラスト方向及び反スラスト方向
の揺動によって、ピストンがシリンダライナーに衝突す
る時のピストン打音による騒音は、高負荷時の騒音は同
じであっても、低負荷時での騒音はクリアランスを小さ
く保つことができるオートサーマティックピストンの方
が小さくできるのである。
【0005】
【考案の解決しようとする課題】一方、エンジンにはピ
ストンを冷却したり、コンロッドメタルを潤滑するため
にオイルジェットをシリンダ下端部に設けている。この
オイルジェットは、潤滑や冷却を効率よく確実に行うの
に充分な噴射圧力や噴射方向とする必要がある関係か
ら、その取り付け位置や取り付け方向がある程度制限さ
れてしまうのが実情であり、ピストンの下死点におい
て、オイルジェットとピストンスカートの干渉を避ける
ためにピストンスカートの下端に、切り欠きを形成して
いるピストンがかなり多く使用されている。
【0006】しかしながら、上記したようにストラット
板3を設けることによって、ピストン本体1のスカート
部5の熱膨張の方向を規制して、エンジン運転時のピス
トン形状を真円とするねらいから、オートサーマティッ
クピストンのスカート部5はストラット板3を設けてい
ないピストンに比して薄肉にし、意図的に剛性を弱くし
てたわみ易くしておく必要がある。
【0007】従って、図8に示すように、ピストンのス
カート部5にオイルジェット等の干渉物を避けるため
に、切り欠き7が形成されている場合には、その切り欠
き7の部分からピストンのスカート部5に亀裂Cが発生
し易いという問題がある。以上の問題点に鑑みてなされ
た本考案は、スカート部にオイルジェット等による干渉
を回避するための切り欠きを形成したオートサーマティ
ックピストンにおいて、切り欠き部分からピストンスカ
ートに亀裂が発生することのない内燃機関のピストンを
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本考案に係る内燃機関のピストンは、エンジンの冷間
時にスカート部の平断面が楕円形状で、運転時に円形に
なるように、熱膨張による変形を規制するストラット板
前記スカート部に有すると共に、該スカート部の下端
にオイルジエットとの接触を避けるための切り欠きを有
するピストンにおいて、前記切り欠きは、ピストンピン
穴を避けた位置の前記スカート部の下端に設けられてい
ると共に、該切り欠きに近いストラットの端部は該切り
欠きを避けるように後退しており、更に該後退した部分
を含み、前記切り欠きの周囲のスカート部の肉厚を厚
く、そして該肉厚部の外周の形状をストラット板を有す
る部分の外周の形状に合わせて滑らかに形成している。
【0009】尚、前記切り欠きはシリンダブロック側に
設けられたオイルジェット等にピストンスカート部が干
渉しないように形成されたものであり、好ましくはこの
切り欠きの形状を半円形等の応力を分散させ易い形状と
すると良い。
【0010】
【作 用】本考案の内燃機関のピストンは上記した構成
を有しており、ピストンのスカート部の熱膨脹の方向を
規制するために設けたストラット板の端部を、スカート
部下端に設けた切り欠きの近傍を避けるように後退させ
ているので、内燃機関の作動時のピストンの加熱状態
で、ストラット板がスカート部の熱膨張を規制する際に
発生する緊張力が切り欠きに大きく影響しないことか
ら、この切り欠き部分に発生する応力を低減させて割れ
等が発生することを防止する。
【0011】また、ストラット板を後退させた部分のス
カート部の肉厚を厚く形成して、この厚肉部とストラッ
ト板とが滑らかにつながるように、この部分の外周プロ
フィールとストラット板を有する部分の外周プロフィー
ルとを徐変させてつないでいるので、この部位の剛性を
強くすることができ、ストラット板を有するオートサー
マティックピストンにおける、スカート部の切り欠きか
らの亀裂の発生を防止することができる。
【0012】尚、ストラット板を後退させた部分におい
ては、スカート部の肉厚を厚くしており、この厚肉のス
カート部は薄肉のスカート部よりも熱膨脹量が大きいの
で、ストラット板を後退させたことによる熱歪を補正す
るように、冷間時に楕円形状であるピストンの短径方向
に向かって、より大きく膨脹するので、エンジンの運転
時(ピストンの高温時)には、このピストンはほぼ円形
となり、熱変形についての問題は生じない。
【0013】
【実 施 例】次に図面を参照して本考案の実施例を説
明する。図1及び図2は本考案のそれぞれ異なる実施例
の内燃機関のピストンの外周面の展開図を示している。
先ず、図1に示すピストン外周面の展開状態は、ピスト
ン本体1においては、熱膨張規制用の一対のストラット
板3を有し、かつそのスカート部5に図示されていない
シリンダブロック側に配設されたオイルジェット等の干
渉物を回避するために切り欠き7を形成している。ま
た、この切り欠き7の形状は、応力を分散させ易くする
ために半円形としている。
【0014】この切り欠き7の周辺のストラット板3の
緊張力によって応力が集中し易い部分においては、スト
ラット板3を後退させて形成しており、ストラット板3
の緊張力によってこの部分にかかる応力を低減してい
る。また、前記切り欠き7周辺のストラット板3を後退
させた部分のスカート部5には、図3に示すような厚肉
部6を形成して、この部位の剛性を向上させて、ストラ
ット板3の緊張力による亀裂の発生を防止している。
【0015】次に、実施例2として図2に示すピストン
外周面の展開状態は、切り欠き7を形成した側にはスト
ラット板3を設けずに、図4に示すように、このストラ
ット板3を排除した部分のスカート部5に厚肉部6を形
成して、この部位を剛性の強い形状に形成している。こ
の実施例においても、その作用・効果は前記実施例1と
同様である。
【0016】このように、上記した本考案の各実施例に
よると、ピストンのスカート部5の熱膨脹を規制するた
めに設けたストラット板3を、スカート部5下端の切り
欠き7近傍を避けるように後退させているか、或いは切
り欠き7を形成した側にはストラット板3を設けていな
いので、ストラット板3の緊張力によって生じる切り欠
き7にかかる応力を低減させることができる。そして、
ストラット板3を後退させた部分、或いはストラット板
3を排除した部分のスカート部5には、その肉厚を厚く
した厚肉部6を形成し、この肉厚部6とストラット板3
或いはスカート部5とが滑らかにつながるようにこの部
分の外周プロフィールとストラット板を有する部分の外
周プロフィールとを徐変させてつないでいるので、この
切り欠き7近傍のスカート部5の剛性を強くすることが
できる。
【0017】
【考案の効果】本考案の内燃機関のピストンは、エンジ
ンの冷間時にスカート部の平断面が楕円形状で、運転時
に円形になるように、熱膨張による変形を規制するスト
ラット板を前記スカート部に有すると共に、該スカート
部の下端にオイルジエットとの接触を避けるための切り
欠きを有するピストンにおいて、前記切り欠きは、ピス
トンピン穴を避けた位置の前記スカート部の下端に設け
られていると共に、該切り欠きに近いストラットの端部
は該切り欠きを避けるように後退しており、更に該後退
した部分を含み、前記切り欠きの周囲のスカート部の肉
厚を厚く、そして該肉厚部の外周の形状をストラット板
を有する部分の外周の形状に合わせて滑らかに形成して
おり、以下の効果を奏することができる。
【0018】ピストンのスカート部の熱膨脹の方向を規
制するために、ピストンピン穴とピストンの天井部との
間に対向して設けたストラット板の端部を、スカート部
下端の切り欠きの近傍を避けるように後退させているの
で、このストラット板によって発生する緊張力を切り欠
きに大きく影響させることがなく、従ってこの切り欠き
に発生する応力を効果的に低減させることができる。
に、ストラット板の端部を後退させた部分のスカート部
の肉厚を厚く形成すると共に、この厚肉部とストラット
が存在する部分とが滑らかにつながるように、この部
分の外周形状とストラット板を有する部分の外周形状と
を滑らかに変化させているので、この部位の剛性を連続
して強くすることができ、ストラット板を有するオート
サーマティックピストンにおける、スカート部の切り欠
きからの亀裂の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例1におけるピストン外周の展開
状態を示す図である。
【図2】本考案の実施例2におけるピストン外周の展開
状態を示す図である。
【図3】(a)は図1のA−A線拡大縦断面図、(b)
は図1のB−B線拡大平断面図である。
【図4】(a)は図2のA−A線拡大縦断面図、(b)
は図2のB−B線拡大平断面図である。
【図5】従来のオートサーマティックピストンの縦断面
図である。
【図6】図5のD−D線平断面図である。
【図7】図5のピストンの斜視図である。
【図8】図5のピストン外周の展開状態を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 ピストン本体 3 ストラット板 5 スカー
ト部 6 厚肉部 7 切り欠き。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの冷間時にスカート部の平断面
    が楕円形状で、運転時に円形になるように、熱膨張によ
    る変形を規制するストラット板を前記スカート部に有す
    ると共に、該スカート部の下端にオイルジエットとの接
    触を避けるための切り欠きを有するピストンにおいて、
    前記切り欠きは、ピストンピン穴を避けた位置の前記ス
    カート部の下端に設けられていると共に、該切り欠きに
    近いストラットの端部は該切り欠きを避けるように後退
    しており、更に該後退した部分を含み、前記切り欠きの
    周囲のスカート部の肉厚を厚く、そして該肉厚部の外周
    の形状をストラット板を有する部分の外周の形状に合わ
    せて滑らかに形成したことを特徴とする内燃機関のピス
    トン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH087074Y2 (ja) * 1988-05-31 1996-02-28 株式会社ユニシアジェックス 内燃機関のピストン構造
JP3037252U (ja) * 1996-10-28 1997-05-16 有限会社ダイコー食品 珍味製品

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