JPH087074Y2 - 内燃機関のピストン構造 - Google Patents

内燃機関のピストン構造

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JPH087074Y2
JPH087074Y2 JP1989020580U JP2058089U JPH087074Y2 JP H087074 Y2 JPH087074 Y2 JP H087074Y2 JP 1989020580 U JP1989020580 U JP 1989020580U JP 2058089 U JP2058089 U JP 2058089U JP H087074 Y2 JPH087074 Y2 JP H087074Y2
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piston
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reinforcing portion
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JP1989020580U
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英司 岡村
裕之 渡辺
博文 加藤
壽一 牟田
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株式会社ユニシアジェックス
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Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、例えば自動車用内燃機関のピストン構造に
関する。
従来の技術 この種の従来の内燃機関のピストン構造としては、例
えば実開昭57-89809号公報に記載されているものが知ら
れている。
これは、第8図に示すように、シリンダブロック1の
ロアデッキ2に、該ロアデッキ2内部に形成されたオイ
ルギャラリ3と連通する噴射ノズル4を設け、シリンダ
ボア5の下端部から上方へ屈曲した上記噴射ノズル4の
噴孔4aから潤滑油を噴射してピストン6を積極的に冷却
するようになっている。一方、ピストン6のスカート部
6aの下端に略アーチ状の切欠部7を形成し、ピストン6
の下死点位置付近で上記切欠部7内に上記噴射ノズル4
を収容して該噴射ノズル4とピストンスカート部6aとの
干渉を回避するようになっている。これによって、ピス
トン6の十分なストローク範囲を確保しつつ機関の高さ
を低く設定することが可能となる。したがって、エンジ
ンフードの低位化により車両の空力抵抗の減少や外観品
質の向上等の要請を満足させることができる。
考案が解決しようとする課題 然し乍ら、上記従来のピストン構造にあっては、切欠
部7によって上述のような機関高さを低くすることがで
きるものの、該切欠部7の周囲が薄肉になっているため
剛性が著しく低下し、ピストン6作動中にスカート部6a
に横方向からのスラスト荷重が作用して切欠部7周囲に
集中応力が加わり、該周囲に亀裂が発生してピストン6
の破損を招く虞がある。
そこで、例えば、実開昭64-27454号公報に記載されて
いる考案のように、スカート部下端に形成された切欠部
に補強リブを設けて、剛性を高めることにより切欠部周
囲の集中応力による亀裂を防止するものも提供されてい
る。
しかし、この公報記載の従来例にあっては、補強リブ
を、スカート部と同一の材料、例えばアルミ合金材によ
って形成しているため、十分な強度が得られず、特にク
ラウン部側では薄肉になっているところから強度を十分
に確保できない虞がある。
課題を解決するための手段 本考案は、上記従来のピストン構造の問題点に鑑み案
出されたもので、請求項1の考案は、シリンダボアの下
端部付近に設けられた噴射ノズルから冷却用油が供給さ
れるピストンにおいて、上記ピストンのスカート部に、
該ピストンの下死点位置付近で上記噴射ノズルを収納す
る切欠部を形成すると共に、該切欠部の周囲に繊維強化
複合材からなる補強部を設けたことを特徴としている。
請求項2の考案は、シリンダボアの下端部付近に設け
られた噴射ノズルから冷却用油が供給されるピストンに
おいて、上記ピストンのスカート部に、該ピストンの下
死点位置付近で上記噴射ノズルを収納する切欠部を形成
すると共に、該切欠部の周囲にニレジストを主成分とす
る鉄系材料あるいはチタン合金材からなる補強部を設け
たことを特徴としている。
請求項3の考案は、シリンダボアの下端部付近に設け
られた噴射ノズルから冷却用油が供給されるアルミ合金
製のピストンにおいて、上記のピストンのスカート部
に、該ピストンの下死点位置付近で上記噴射ノズルを収
納する切欠部を形成すると共に、該切欠部の周囲にAl-C
u系のアルミ合金材からなる補強部を設けたことを特徴
としている。
作用 したがって、請求項1の考案によれば、ピストンの作
動中に切欠部内に噴射ノズルが収納されてピストンとの
干渉が回避されることは勿論のこと、繊維強化複合材か
らなる補強部によって切欠部周囲の剛性が向上して十分
な強度を確保できるため、ピストン作動中にスカート部
に作用する横方向からのスラスト荷重にも十分に対応で
きる。特に、補強部の特異な材質によって補強部を肉厚
とせずに十分な強度を確保できる。
請求項2の考案によれば、補強部をニレジストを主成
分とする鉄系等で形成したため、強度が一段と向上する
ことは勿論のこと、ピストン本体を鋳造する際に、予め
成形された前記補強部を鋳ぐるみ成形できるので、ピス
トン全体の成形作業が容易になる。
請求項3の考案によれば、補強部をAl-Cu系の合金材
で形成したため、強度が一段と向上することは勿論のこ
と、Al-Si系合金のピストン本体との接合性が良好にな
る。
実施例 以下、本考案の各実施例を図面に基づいて詳述する。
第1図〜第3図は本考案に係るピストン構造を過給機
付ガソリン機関に適用したもので、10はピストン、11は
アルミ合金製のピストン本体、12はシリンダブロックで
あって、このシリンダブロック12のロアデッキ12aには
噴孔13aがシリンダボア14の下端部14a付近からピストン
本体11の内部へ指向した噴射ノズル13が設けられてい
る。
そして、上記ピストン本体11は、スカート部15下端部
の一方側ピンボス16付近に該ピストン本体11の下死点位
置付近で上記噴射ノズル13を収納する略円弧状の切欠部
17が形成されている。また、スカート部15は、第2図〜
第3図に示すように切欠部17の周辺に、繊維強化複合材
からなる補強部19が形成されている。すなわち、この補
強部19は、例えばAl2O395重量%,SiO25重量%のアル
ミナーシリカ繊維複合材で、カサ密度0.7g/ccにより所
定の円弧状に予め成形し、これをピストン鋳造金型内に
設置し、マトリックス材としてアルミニウム合金(AC8
A)溶湯を高圧凝固鋳造法によってピストン本体11を鋳
造すると同時に上記繊維成形体をピストン本体11と一体
に成形している。
したがって、この実施例によればピストン10が下死点
位置に達すると噴射ノズル13の制御部13bが切欠部17内
に収納されるため、該先端部13bとスカート部15との干
渉が確実に回避されることは勿論のこと、上記切欠部17
の周囲に繊維強化複合材の補強部19を設けたため、斯か
る部位の剛性が向上して、スカート部15に作用する横方
向のスラスト荷重などに対する強度が高くなる。この結
果、切欠部17の周面に対する集中応力の発生が抑制さ
れ、切欠部17付近からの亀裂やスカート部15の破損等が
防止される。
また、補強部19は、厚肉にすることがなく強度を高め
ることができるので、ピストン10の軽量化が図れるばか
りか、スカート部15全体ではなく切欠部17周囲に部分的
に設けるだけであるから高価な繊維の使用量が少量で足
り、材料コストの低廉化が図れる。
さらに、補強部19が部分的であることにより成形時に
おけるスカート部15の不均一な肉厚変化が防止され、均
一なカサ密度の繊維強化複合成形体を成形でき、鋳造性
も良好となる。また、加工面が少なく加工用バイトの耐
久性や加工精度の向上が図れる。
第4図は本考案の第2実施例を示し、ピストン10のス
カート部15下端に略矩形状の溝15aを形成し、この溝15a
内に予め切欠部17が形成された補強部20を装着したもの
である。
具体的には、上記補強部20は、ニレジストを主成分と
した鉄系又は鉄系合金材料あるいはチタン合金等の軽量
高強度合金材で成形されていると共に、下端部に略円弧
状の切欠部17が形成されている。
そして、上記ピストン本体11の鋳造金型内に上記補強
部20をスカート部15の成形個所に予め装着し、その後金
型内にアルミ合金溶湯を注湯して鋳ぐるめば、ピストン
本体11と切欠部17を有する補強部20が一体に形成され
る。
したがって、この実施例では、切欠部17の周面がニレ
ジスト鉄系又は、鉄系合金材料あるいはチタン合金等の
補強部20になっているため、強度が一段と向上すること
は勿論のこと、またピストン本体11と補強部20との成形
性が良好になる。
なお、上記補強部20は、ピストン10の溝15a周面に溶
接により固定することも可能である。
第5図〜第7図は本考案の第3実施例を示し、この実
施例ではピストン本体11を断熱型としたもので、該ピス
トン本体11をAl-Si系の合金で成形し、スカート部15の
下端部に略矩形状の溝15aを形成する一方、該溝15aの内
周に補強部21を鋳ぐるみ固定する構成である。この補強
部21は、Al-Cu系のアルミ合金材からなり、下端部に噴
射ノズル13収容用の切欠部17が形成されている。
したがって、この実施例では高出力型の内燃機関を実
現できると共に、切欠部17の周面が補強部21によって強
度性が向上するため、上記実施例と同様な効果が得られ
ることは勿論のこと、特に補強部21がAl-Cu系の合金で
あるためAl-Si系合金のピストン本体11との接合性が良
好になる。
また、補強部21は、第7図に示すように溝15aの内周
面に溶接固定することも可能である。さらに、補強部21
は、Al-Cu系の粉末成形合金等であってもよい。
なお、上記噴射ノズル13は、第1図に示すようにロア
デッキ12a内部に有するオイルギャラリー22と連通して
いることはいうまでもない。また、切欠部17の高さを補
強部18,19,20,21の強度との相対関係でさらに大きくす
ることも可能である。
本考案は、上記実施例のようなガソリン機関に限定さ
れずディーゼル機関等にも適用できるばかりか過給機の
有無を問わず適用できる。
考案の効果 以上の説明で明らかなように、請求項1〜3の考案に
係る内燃機関のピストン構造によれば、スカート部に形
成された切欠部によってピストンと噴射ノズルの干渉が
回避されるため、その分機関の高さ寸法を低くできる。
しかも、請求項1の考案によれば、補強部を繊維強化
複合材で形成したため、該補強部を薄肉としつつ剛性を
高めることが可能になる。したがって、ピストンの重量
の増加を防止できると共に、スカート部に作用するスラ
スト荷重に対する強度が向上し、補強部の亀裂等の発生
を防止できる。
また、請求項2の考案によれば、補強部をニレジスト
を主成分とする鉄系材で形成したため、補強部の十分な
強度を確保できることは勿論のこと、ピストン本体を鋳
造する際に予め成形された補強部を鋳ぐるみ成形できる
ので、ピストン全体の成形作業が容易になる。
さらに、請求項3の考案によれば、補強部をAl-Cu系
の合金材で形成したため、十分な強度が確保されると共
に、アルミ合金製のピストン本体との接合性が良好にな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案のピストン構造をガソリン機関に適用し
た第1実施例を示す要部断面図、第2図はこの実施例の
ピストンの部分断面図、第3図はこのピストンの底面
図、第4図はこの考案の第2実施例を示す正面図、第5
図はこの考案の第3実施例を示す正面図、第6図は第5
図のVIII-VIII線断面図、第7図はこの実施例における
補強部を溶接固定した状態を示す第5図のVIII-VIII線
断面図、第8図は従来のピストン構造を示す断面図であ
る。 10……ピストン、13……噴射ノズル、14……シリンダボ
ア、14a……下端部、15……スカート部、17……切欠
部、19,20,21……補強部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 牟田 壽一 神奈川県厚木市恩名1370番地 厚木自動車 部品株式会社内 (56)参考文献 実開 昭64−27454(JP,U)

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダボアの下端部付近に設けられた噴
    射ノズルから冷却用油が供給されるピストンにおいて、 上記ピストンのスカート部に、該ピストンの下死点位置
    付近で上記噴射ノズルを収納する切欠部を形成すると共
    に、該切欠部の周囲に繊維強化複合材からなる補強部を
    設けたことを特徴とする内燃機関のピストン構造。
  2. 【請求項2】シリンダボアの下端部付近に設けられた噴
    射ノズルから冷却用油が供給されるピストンにおいて、 上記ピストンのスカート部に、該ピストンの下死点位置
    付近で上記噴射ノズルを収納する切欠部を形成すると共
    に、該切欠部の周囲にニレジストを主成分とする鉄系材
    料あるいはチタン合金材からなる補強部を設けたことを
    特徴とする内燃機関のピストン構造。
  3. 【請求項3】シリンダボアの下端部付近に設けられた噴
    射ノズルから冷却用油が供給されるアルミ合金製のピス
    トンにおいて、 上記ピストンのスカート部に、該ピストンの下死点位置
    付近で上記噴射ノズルを収納する切欠部を形成すると共
    に、該切欠部の周囲にAl-Cu系のアルミ合金材からなる
    補強部を設けたことを特徴とする内燃機関のピストン構
    造。
JP1989020580U 1988-05-31 1989-02-23 内燃機関のピストン構造 Expired - Lifetime JPH087074Y2 (ja)

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