JP2001082246A - 内燃機関用ピストン - Google Patents
内燃機関用ピストンInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 シリンダ内面への摩擦を可及的に低減するこ
とが可能な内燃機関用ピストンを提供する。 【解決手段】 冠面部２と、この冠面部２に続くリング
ランド部３と、このリングランド部３に続くスカート部
４と、リングランド部３の下側に形成されたピンボス部
８と、このピンボス部８とスカート部４とを接続するエ
プロン部９とを備えたピストン１を設ける。前記スカー
ト部４の下端側に、下端に開放して、この開放端の開口
寸法（Ｗａ）が冠面部２に近い側の幅寸法（Ｗｂ）より
も大きい寸法の切欠き１５を設ける。前記切欠き１５と
エプロン部９との間に形成されるスカート部４の円周方
向寸法を、スカート部４の下端側の寸法が冠面部２に近
い側の寸法よりも小さくなるようにした。
とが可能な内燃機関用ピストンを提供する。 【解決手段】 冠面部２と、この冠面部２に続くリング
ランド部３と、このリングランド部３に続くスカート部
４と、リングランド部３の下側に形成されたピンボス部
８と、このピンボス部８とスカート部４とを接続するエ
プロン部９とを備えたピストン１を設ける。前記スカー
ト部４の下端側に、下端に開放して、この開放端の開口
寸法（Ｗａ）が冠面部２に近い側の幅寸法（Ｗｂ）より
も大きい寸法の切欠き１５を設ける。前記切欠き１５と
エプロン部９との間に形成されるスカート部４の円周方
向寸法を、スカート部４の下端側の寸法が冠面部２に近
い側の寸法よりも小さくなるようにした。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関用ピスト
ンに関する。
ンに関する。
【０００２】
【従来の技術】内燃機関用ピストンは、冠面部と、この
冠面部に続くリングランド部と、このリングランド部に
続くスカート部と、前記リングランド部の下側に形成さ
れたピンボス部と、このピンボス部とスカート部とを接
続するエプロン部とを備えている。
冠面部に続くリングランド部と、このリングランド部に
続くスカート部と、前記リングランド部の下側に形成さ
れたピンボス部と、このピンボス部とスカート部とを接
続するエプロン部とを備えている。
【０００３】前記ピストンは、シリンダ内に所定の隙間
をもって配置され、このシリンダ内を往復摺動する。こ
のとき、コネクティングロッドが右側に傾斜した状態か
ら、左側に傾斜した状態に変化しつつピストンを支持す
るから、このピストンは右方向または左方向のサイドフ
ォースによってシリンダ内面に押しつけられながら往復
摺動することになる。
をもって配置され、このシリンダ内を往復摺動する。こ
のとき、コネクティングロッドが右側に傾斜した状態か
ら、左側に傾斜した状態に変化しつつピストンを支持す
るから、このピストンは右方向または左方向のサイドフ
ォースによってシリンダ内面に押しつけられながら往復
摺動することになる。
【０００４】そこで、前記ピストンのシリンダ内面への
摩擦をできるだけ軽減するために、例えば、特開昭６０
−１１１０４７号公報には、スカート部の外周面に、下
端側に開放する凹部及び上端側に開放する凹部を設け、
この凹部で潤滑油の楔効果を得るようにした技術が提案
されている。
摩擦をできるだけ軽減するために、例えば、特開昭６０
−１１１０４７号公報には、スカート部の外周面に、下
端側に開放する凹部及び上端側に開放する凹部を設け、
この凹部で潤滑油の楔効果を得るようにした技術が提案
されている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来例にあっては、潤滑油の楔効果は期待できるけれど
も、凹部からのみ潤滑油が供給されるだけでは十分な潤
滑効果が得られず、摩擦が期待通りに低減しない虞があ
る。即ち、前記スカート部の表面には一般に周方向に条
こん加工が施されており、凹部からのみの潤滑油の供給
では、この加工条こんを通じて潤滑油が周方向に逃げ、
スカート部の摺動面への潤滑油皮膜の形成が困難となる
虞があり、このため、更なる改善が望まれていた。
来例にあっては、潤滑油の楔効果は期待できるけれど
も、凹部からのみ潤滑油が供給されるだけでは十分な潤
滑効果が得られず、摩擦が期待通りに低減しない虞があ
る。即ち、前記スカート部の表面には一般に周方向に条
こん加工が施されており、凹部からのみの潤滑油の供給
では、この加工条こんを通じて潤滑油が周方向に逃げ、
スカート部の摺動面への潤滑油皮膜の形成が困難となる
虞があり、このため、更なる改善が望まれていた。
【０００６】本発明は、前記従来の実情に鑑みて案出さ
れたもので、シリンダ内面への摩擦を可及的に低減する
ことが可能な内燃機関用ピストンを提供することを目的
とする。
れたもので、シリンダ内面への摩擦を可及的に低減する
ことが可能な内燃機関用ピストンを提供することを目的
とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】そこで、請求項１記載の
発明は、冠面部と、この冠面部に続くリングランド部
と、このリングランド部に続くスカート部と、前記リン
グランド部の下側に形成されたピンボス部と、このピン
ボス部とスカート部とを接続するエプロン部とを備えて
なる内燃機関用ピストンにおいて、前記スカート部の下
端側に、下端に開放して、この開放端の開口寸法が冠面
部に近い側の幅寸法よりも大きい寸法の切欠きを形成す
ると共に、前記切欠きとエプロン部との間に形成される
スカート部の円周方向寸法を、スカート部の下端側の寸
法が冠面部に近い側の寸法よりも小さくなるようにした
構成にしてある。
発明は、冠面部と、この冠面部に続くリングランド部
と、このリングランド部に続くスカート部と、前記リン
グランド部の下側に形成されたピンボス部と、このピン
ボス部とスカート部とを接続するエプロン部とを備えて
なる内燃機関用ピストンにおいて、前記スカート部の下
端側に、下端に開放して、この開放端の開口寸法が冠面
部に近い側の幅寸法よりも大きい寸法の切欠きを形成す
ると共に、前記切欠きとエプロン部との間に形成される
スカート部の円周方向寸法を、スカート部の下端側の寸
法が冠面部に近い側の寸法よりも小さくなるようにした
構成にしてある。
【０００８】また、請求項２記載の発明は、請求項１記
載の発明の構成において、前記エプロン部が、ピストン
の軸心線に対して、ピストンの下端側でピストンの軸心
線に近づくように傾斜して形成されている構成にしてあ
る。
載の発明の構成において、前記エプロン部が、ピストン
の軸心線に対して、ピストンの下端側でピストンの軸心
線に近づくように傾斜して形成されている構成にしてあ
る。
【０００９】また、請求項３記載の発明は、請求項１記
載の発明の構成において、前記スカート部の外周プロフ
ァイル形状は、切欠き及びこの切欠きよりもピストンの
軸心線方向に沿って冠面部に近い部分が、残余の部分よ
りも凹んだ形状に形成されている構成にしてある。
載の発明の構成において、前記スカート部の外周プロフ
ァイル形状は、切欠き及びこの切欠きよりもピストンの
軸心線方向に沿って冠面部に近い部分が、残余の部分よ
りも凹んだ形状に形成されている構成にしてある。
【００１０】斯かる構成によれば、前記ピストンはエン
ジンのシリンダ内に所定の隙間を持って組込まれて、こ
のシリンダ内を往復摺動する。前記ピストンが作動する
とき、コネクティングロッドが右側に傾斜した状態から
左側に傾斜した状態に変化しつつピストンを支持するか
ら、このピストンは右方向または左方向のサイドフォー
スによってシリンダ内面に押しつけられながらシリンダ
内を往復摺動することになる。
ジンのシリンダ内に所定の隙間を持って組込まれて、こ
のシリンダ内を往復摺動する。前記ピストンが作動する
とき、コネクティングロッドが右側に傾斜した状態から
左側に傾斜した状態に変化しつつピストンを支持するか
ら、このピストンは右方向または左方向のサイドフォー
スによってシリンダ内面に押しつけられながらシリンダ
内を往復摺動することになる。
【００１１】前記ピストンが燃焼圧力を受けてシリンダ
内を摺動するとき（膨張行程）、シリンダ内の潤滑油
が、スカート部の下端側からスカート部の摺動面に導か
れる。詳しくは、前記潤滑油が、切欠きの幅広に形成さ
れた下端側開放端からこの切欠き内に導かれ、スカート
部の摺動面に導かれる。また、前記エプロン部側からス
カート部の摺動面に導かれる。
内を摺動するとき（膨張行程）、シリンダ内の潤滑油
が、スカート部の下端側からスカート部の摺動面に導か
れる。詳しくは、前記潤滑油が、切欠きの幅広に形成さ
れた下端側開放端からこの切欠き内に導かれ、スカート
部の摺動面に導かれる。また、前記エプロン部側からス
カート部の摺動面に導かれる。
【００１２】このとき、本発明にあっては、前記スカー
ト部の下端側に形成した切欠きが、下端側の開放端に向
かって大きく開口するように形成されると共に、切欠き
とエプロン部との間に形成されるスカート部の円周方向
寸法が下端側に向かって先細状に形成されているから、
潤滑油は、切欠き内とエプロン部との両側からスカート
部の摺動面に導かれることになる。このため、前記スカ
ート部に施された周方向の加工条こんを通じて潤滑油が
逃げることもなく、スカート部の摺動面に潤滑油皮膜が
容易に形成される。
ト部の下端側に形成した切欠きが、下端側の開放端に向
かって大きく開口するように形成されると共に、切欠き
とエプロン部との間に形成されるスカート部の円周方向
寸法が下端側に向かって先細状に形成されているから、
潤滑油は、切欠き内とエプロン部との両側からスカート
部の摺動面に導かれることになる。このため、前記スカ
ート部に施された周方向の加工条こんを通じて潤滑油が
逃げることもなく、スカート部の摺動面に潤滑油皮膜が
容易に形成される。
【００１３】したがって、シリンダ内面への摩擦を可及
的に低減することが可能な内燃機関用ピストンが得られ
る。
的に低減することが可能な内燃機関用ピストンが得られ
る。
【００１４】また、請求項２記載の発明にあっては、前
記エプロン部は、ピストンの軸心線に対して、ピストン
の下端側でピストンの軸心線に近づくように傾斜して形
成されているから、スカート部の下端側の過大な変形が
抑制され、スラップ音等の騒音の発生を可及的に低減す
ることができる。即ち、前記ピストンに作用するサイド
フォースがその向きを変化するとき、ピストンにはピス
トンピン回りのモーメントが生じ、ピストンのスカート
部下端側の変形が大きい場合にはピストンの傾きが大き
くなって、リングランド部がシリンダ内面に衝突してス
ラップ音等が生じる虞があるが、本発明にあってはスカ
ート部下端側の変形が抑制されるから、スラップ音等の
発生が有利に低減されるのである。
記エプロン部は、ピストンの軸心線に対して、ピストン
の下端側でピストンの軸心線に近づくように傾斜して形
成されているから、スカート部の下端側の過大な変形が
抑制され、スラップ音等の騒音の発生を可及的に低減す
ることができる。即ち、前記ピストンに作用するサイド
フォースがその向きを変化するとき、ピストンにはピス
トンピン回りのモーメントが生じ、ピストンのスカート
部下端側の変形が大きい場合にはピストンの傾きが大き
くなって、リングランド部がシリンダ内面に衝突してス
ラップ音等が生じる虞があるが、本発明にあってはスカ
ート部下端側の変形が抑制されるから、スラップ音等の
発生が有利に低減されるのである。
【００１５】また、請求項３記載の発明によれば、前記
スカート部の外周プロファイル形状は、切欠き及びこの
切欠きよりもピストンの軸心線方向に沿って冠面部に近
い部分が、残余の部分よりも凹んだ形状に形成されてい
るため、この凹んだ部分から潤滑油がスカート部の摺動
面に導かれ、良好な潤滑が成就される。このとき、前記
切欠き部分は凹んでいるから、切欠きの端部がシリンダ
内面に接することがなく、無用な摩擦力を生じることが
ない。
スカート部の外周プロファイル形状は、切欠き及びこの
切欠きよりもピストンの軸心線方向に沿って冠面部に近
い部分が、残余の部分よりも凹んだ形状に形成されてい
るため、この凹んだ部分から潤滑油がスカート部の摺動
面に導かれ、良好な潤滑が成就される。このとき、前記
切欠き部分は凹んでいるから、切欠きの端部がシリンダ
内面に接することがなく、無用な摩擦力を生じることが
ない。
【００１６】また、前記スカート部の外周面の一部が軸
心線方向に凹んでいるから、この凹んだ部分（ピストン
の軸心線に対して互いに略対称な位置の２箇所に形成さ
れる）の両側のスカート部（４箇所）が受圧面となって
スラスト荷重を支持し、面圧を低下させる。
心線方向に凹んでいるから、この凹んだ部分（ピストン
の軸心線に対して互いに略対称な位置の２箇所に形成さ
れる）の両側のスカート部（４箇所）が受圧面となって
スラスト荷重を支持し、面圧を低下させる。
【００１７】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて詳述する。
面に基づいて詳述する。
【００１８】図１は本発明の実施の形態を示す内燃機関
用ピストンの正面図である。
用ピストンの正面図である。
【００１９】図において符番１で示す内燃機関用ピスト
ンは、アルミニウム合金材料から形成されており、図１
において最上端の冠面部２と、この冠面部２に続くリン
グランド部３と、このリングランド部３に続くスカート
部４とを備えている。
ンは、アルミニウム合金材料から形成されており、図１
において最上端の冠面部２と、この冠面部２に続くリン
グランド部３と、このリングランド部３に続くスカート
部４とを備えている。
【００２０】前記リングランド部３には、この実施の形
態において３本のピストンリング溝５，６，７が形成し
てあり、これらピストンリング溝５，６，７のうち、冠
面部２側近くに位置する２本のピストンリング溝５，６
がコンプレッションリング溝で、スカート部４側に隣接
して形成されたピストンリング溝７がオイルリング溝と
なっている。
態において３本のピストンリング溝５，６，７が形成し
てあり、これらピストンリング溝５，６，７のうち、冠
面部２側近くに位置する２本のピストンリング溝５，６
がコンプレッションリング溝で、スカート部４側に隣接
して形成されたピストンリング溝７がオイルリング溝と
なっている。
【００２１】８は前記リングランド部３の下側に形成さ
れたピンボス部、９はこのピンボス部８とスカート部４
とを接続するエプロン部で、このエプロン部９はスカー
ト部４の内周側に突出するように形成されている。ま
た、前記ピンボス部８及びエプロン部９はピストン１の
軸心線Ｙの両側に対峙して形成してある。
れたピンボス部、９はこのピンボス部８とスカート部４
とを接続するエプロン部で、このエプロン部９はスカー
ト部４の内周側に突出するように形成されている。ま
た、前記ピンボス部８及びエプロン部９はピストン１の
軸心線Ｙの両側に対峙して形成してある。
【００２２】前記ピンボス部８にはピストンピン孔１０
が貫通して形成してあり、このピストンピン孔１０はそ
の軸心線Ｘがピストン１の軸心線Ｙに対して直交しない
けれども、略直角となるように形成してある。尚、前記
ピストンピン孔１０内には図外のピストンピンが挿入さ
れ、このピストンピンにコネクティングロッドが連結さ
れる。
が貫通して形成してあり、このピストンピン孔１０はそ
の軸心線Ｘがピストン１の軸心線Ｙに対して直交しない
けれども、略直角となるように形成してある。尚、前記
ピストンピン孔１０内には図外のピストンピンが挿入さ
れ、このピストンピンにコネクティングロッドが連結さ
れる。
【００２３】また、前記エプロン部９は、ピストン１の
軸心線Ｙに対して、ピストン１の下端側でピストン１の
軸心線Ｙに近づくように傾斜して形成されている。即
ち、前記エプロン部９は、ピストンピン孔１０の軸心線
Ｘよりも冠面部２にやや近い位置から、ピストン１の下
端側に向かって傾斜して形成してある。
軸心線Ｙに対して、ピストン１の下端側でピストン１の
軸心線Ｙに近づくように傾斜して形成されている。即
ち、前記エプロン部９は、ピストンピン孔１０の軸心線
Ｘよりも冠面部２にやや近い位置から、ピストン１の下
端側に向かって傾斜して形成してある。
【００２４】１５は前記スカート部４の下端側に、下端
に開放して形成した切欠きである。前記切欠き１５は開
放端の寸法（Ｗａ）が冠面部２に近い側の寸法（Ｗｂ）
よりも大きく形成してある。前記切欠き１５は、ピスト
ン１の軸心線Ｙ方向に、ピストンピン孔１０の軸心線Ｘ
に近い位置までの深さをもって形成してある。尚、前記
切欠き１５は、ピストン１の軸心線Ｙに対して互いに略
対称な位置の２箇所に形成される。
に開放して形成した切欠きである。前記切欠き１５は開
放端の寸法（Ｗａ）が冠面部２に近い側の寸法（Ｗｂ）
よりも大きく形成してある。前記切欠き１５は、ピスト
ン１の軸心線Ｙ方向に、ピストンピン孔１０の軸心線Ｘ
に近い位置までの深さをもって形成してある。尚、前記
切欠き１５は、ピストン１の軸心線Ｙに対して互いに略
対称な位置の２箇所に形成される。
【００２５】また、前記スカート部４の外周プロファイ
ル形状は、切欠き１５及びこの切欠き１５よりもピスト
ン１の軸心線Ｙ方向に沿って冠面部２に近い部分１６
が、残余の部分よりも凹んだ形状に形成されている。前
記凹んだ部分１６は、ピストン１の軸心線Ｙに対して互
いに略対称な位置の２箇所に形成される。これによっ
て、前記スカート部４の外周プロファイル形状は、一般
にスラスト方向を長円とする楕円形状に形成されるけれ
ども、本発明にあっては凹んだ部分１６の両側に位置す
るスカート部４の４箇所、即ちＹ１，Ｙ２線上に最大外
径寸法を有する形状になっている。このため、実質的
に、図１に二点鎖線で示す領域がスカート部４の受圧面
１７となっている。
ル形状は、切欠き１５及びこの切欠き１５よりもピスト
ン１の軸心線Ｙ方向に沿って冠面部２に近い部分１６
が、残余の部分よりも凹んだ形状に形成されている。前
記凹んだ部分１６は、ピストン１の軸心線Ｙに対して互
いに略対称な位置の２箇所に形成される。これによっ
て、前記スカート部４の外周プロファイル形状は、一般
にスラスト方向を長円とする楕円形状に形成されるけれ
ども、本発明にあっては凹んだ部分１６の両側に位置す
るスカート部４の４箇所、即ちＹ１，Ｙ２線上に最大外
径寸法を有する形状になっている。このため、実質的
に、図１に二点鎖線で示す領域がスカート部４の受圧面
１７となっている。
【００２６】斯かる構成によれば、前記ピストン１は図
外のエンジンのシリンダ内に所定の隙間を持って組込ま
れて、このシリンダ内を往復摺動する。前記ピストン１
が作動するとき、図外のコネクティングロッドが右側に
傾斜した状態から左側に傾斜した状態に変化しつつピス
トン１を支持するから、このピストン１は右方向または
左方向のサイドフォースによってシリンダ内面に押しつ
けられながらシリンダ内を往復摺動する。
外のエンジンのシリンダ内に所定の隙間を持って組込ま
れて、このシリンダ内を往復摺動する。前記ピストン１
が作動するとき、図外のコネクティングロッドが右側に
傾斜した状態から左側に傾斜した状態に変化しつつピス
トン１を支持するから、このピストン１は右方向または
左方向のサイドフォースによってシリンダ内面に押しつ
けられながらシリンダ内を往復摺動する。
【００２７】前記ピストン１が燃焼圧力を受けて図外の
シリンダ内を摺動するとき（膨張行程）、シリンダ内の
潤滑油が、スカート部４の下端側からスカート部４の摺
動面に導かれる。詳しくは、前記潤滑油が、切欠き１５
の幅広に形成された下端側開放端からこの切欠き１５内
に導かれ、スカート部４の摺動面に導かれる。また、前
記エプロン部９側からスカート部４の摺動面に導かれ
る。
シリンダ内を摺動するとき（膨張行程）、シリンダ内の
潤滑油が、スカート部４の下端側からスカート部４の摺
動面に導かれる。詳しくは、前記潤滑油が、切欠き１５
の幅広に形成された下端側開放端からこの切欠き１５内
に導かれ、スカート部４の摺動面に導かれる。また、前
記エプロン部９側からスカート部４の摺動面に導かれ
る。
【００２８】このとき、本発明にあっては、前記スカー
ト部４の下端側に形成した切欠き１５が、下端側の開放
端に向かって大きく開口するように形成されると共に、
切欠き１５とエプロン部９との間に形成されるスカート
部４の円周方向寸法が下端側に向かって先細状に形成さ
れているから、潤滑油は、切欠き１５内とエプロン部９
との両側からスカート部４の摺動面に導かれることにな
る。このため、前記スカート部４に施された周方向の加
工条こんを通じて潤滑油が逃げることもなく、スカート
部４の摺動面に潤滑油皮膜が容易に形成される。
ト部４の下端側に形成した切欠き１５が、下端側の開放
端に向かって大きく開口するように形成されると共に、
切欠き１５とエプロン部９との間に形成されるスカート
部４の円周方向寸法が下端側に向かって先細状に形成さ
れているから、潤滑油は、切欠き１５内とエプロン部９
との両側からスカート部４の摺動面に導かれることにな
る。このため、前記スカート部４に施された周方向の加
工条こんを通じて潤滑油が逃げることもなく、スカート
部４の摺動面に潤滑油皮膜が容易に形成される。
【００２９】したがって、シリンダ内面への摩擦を可及
的に低減することが可能な内燃機関用ピストンが得られ
る。
的に低減することが可能な内燃機関用ピストンが得られ
る。
【００３０】また、前記エプロン部９は、ピストン１の
軸心線に対して、ピストン１の下端側でピストン１の軸
心線Ｙに近づくように傾斜して形成されているから、ス
カート部４の下端側の過大な変形が抑制され、スラップ
音等の騒音の発生を可及的に低減することができる。即
ち、前記ピストン１に作用するサイドフォースがその向
きを変化するとき、ピストン１には図外のピストンピン
回りのモーメントが生じ、ピストン１のスカート部４下
端側の変形が大きい場合にはピストン１の傾きが大きく
なって、リングランド部３がシリンダ内面に衝突してス
ラップ音等が生じる虞があるが、本発明にあってはスカ
ート部４下端側の変形が抑制されるから、スラップ音等
の発生が有利に低減されるのである。
軸心線に対して、ピストン１の下端側でピストン１の軸
心線Ｙに近づくように傾斜して形成されているから、ス
カート部４の下端側の過大な変形が抑制され、スラップ
音等の騒音の発生を可及的に低減することができる。即
ち、前記ピストン１に作用するサイドフォースがその向
きを変化するとき、ピストン１には図外のピストンピン
回りのモーメントが生じ、ピストン１のスカート部４下
端側の変形が大きい場合にはピストン１の傾きが大きく
なって、リングランド部３がシリンダ内面に衝突してス
ラップ音等が生じる虞があるが、本発明にあってはスカ
ート部４下端側の変形が抑制されるから、スラップ音等
の発生が有利に低減されるのである。
【００３１】また、前記スカート部４の外周プロファイ
ル形状は、切欠き１５及びこの切欠き１５よりもピスト
ン１の軸心線Ｙ方向に沿って冠面部２に近い部分１６
が、残余の部分よりも凹んだ形状に形成されているた
め、この凹んだ部分１６から潤滑油がスカート部４の摺
動面に導かれ、良好な潤滑が成就される。このとき、前
記切欠き１５の部分は凹んでいるから、切欠き１５の端
部がシリンダ内面に接することがなく、無用な摩擦力を
生じることがない。
ル形状は、切欠き１５及びこの切欠き１５よりもピスト
ン１の軸心線Ｙ方向に沿って冠面部２に近い部分１６
が、残余の部分よりも凹んだ形状に形成されているた
め、この凹んだ部分１６から潤滑油がスカート部４の摺
動面に導かれ、良好な潤滑が成就される。このとき、前
記切欠き１５の部分は凹んでいるから、切欠き１５の端
部がシリンダ内面に接することがなく、無用な摩擦力を
生じることがない。
【００３２】また、前記スカート部４の外周面の一部が
軸心線Ｙ方向に凹んでいるから、この凹んだ部分（ピス
トン１の軸心線Ｙに対して互いに略対称な位置の２箇所
に形成される）１６の両側のスカート部（４箇所）が受
圧面１７となってスラスト荷重を支持し、面圧を低下さ
せる。
軸心線Ｙ方向に凹んでいるから、この凹んだ部分（ピス
トン１の軸心線Ｙに対して互いに略対称な位置の２箇所
に形成される）１６の両側のスカート部（４箇所）が受
圧面１７となってスラスト荷重を支持し、面圧を低下さ
せる。
【００３３】図２は本発明の別の実施の形態を示す図面
で、この実施の形態が前記実施の形態と変わるところ
は、前記エプロン部９及び切欠き１５の形状を変化させ
た点である。以下、この実施の形態について説明する。
なお、説明に際して、前記実施の形態と同一構成部分に
は同一符号を付し、その重複する説明を省略する。
で、この実施の形態が前記実施の形態と変わるところ
は、前記エプロン部９及び切欠き１５の形状を変化させ
た点である。以下、この実施の形態について説明する。
なお、説明に際して、前記実施の形態と同一構成部分に
は同一符号を付し、その重複する説明を省略する。
【００３４】即ち、図２に示す実施の形態のエプロン部
９は、ピストンピン孔１０の軸心線Ｘよりもピストン１
の下端に近い位置から、ピストン１の下端側に向かっ
て、ピストン１の軸心線Ｙに近づくように傾斜して形成
してある。このため、前記エプロン部９の傾斜角度は、
前記実施の形態に比較して大きくなっている。
９は、ピストンピン孔１０の軸心線Ｘよりもピストン１
の下端に近い位置から、ピストン１の下端側に向かっ
て、ピストン１の軸心線Ｙに近づくように傾斜して形成
してある。このため、前記エプロン部９の傾斜角度は、
前記実施の形態に比較して大きくなっている。
【００３５】また、切欠き１５は、開放端の寸法（Ｗ
ａ）が冠面部２に近い側の寸法（Ｗｂ）よりも大きく形
成してあり、ピストン１の軸心線Ｙ方向に、ピストンピ
ン孔１０の軸心線Ｘからやや離れた位置までの深さをも
って形成してある。
ａ）が冠面部２に近い側の寸法（Ｗｂ）よりも大きく形
成してあり、ピストン１の軸心線Ｙ方向に、ピストンピ
ン孔１０の軸心線Ｘからやや離れた位置までの深さをも
って形成してある。
【００３６】斯かる構成においても、前記実施の形態と
同様の作用及び効果が得られる。
同様の作用及び効果が得られる。
【００３７】以上、実施の形態を図面に基づいて説明し
たが、具体的構成はこの実施の形態に限られるものでは
なく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
たが、具体的構成はこの実施の形態に限られるものでは
なく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【００３８】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、シリンダ内面への摩擦を可及的に低減すること
が可能な内燃機関用ピストンが得られる。
よれば、シリンダ内面への摩擦を可及的に低減すること
が可能な内燃機関用ピストンが得られる。
【図１】本発明の実施の形態を示す内燃機関用ピストン
の正面図である。
の正面図である。
【図２】本発明の別の実施の形態を示す内燃機関用ピス
トンの正面図である。
トンの正面図である。
１ ピストン ２ 冠面部 ３ リングランド部 ４ スカート部 ８ ピンボス部 ９ エプロン部 １５ 切欠き
Claims (3)
- 【請求項１】 冠面部と、この冠面部に続くリングラン
ド部と、このリングランド部に続くスカート部と、前記
リングランド部の下側に形成されたピンボス部と、この
ピンボス部とスカート部とを接続するエプロン部とを備
えてなる内燃機関用ピストンにおいて、 前記スカート部の下端側に、下端に開放して、この開放
端の開口寸法が冠面部に近い側の幅寸法よりも大きい寸
法の切欠きを形成すると共に、前記切欠きとエプロン部
との間に形成されるスカート部の円周方向寸法を、下端
側の寸法が冠面部に近い側の寸法よりも小さくなるよう
にしたことを特徴とする、内燃機関用ピストン。 - 【請求項２】 前記エプロン部は、ピストンの軸心線に
対して、ピストンの下端側でピストンの軸心線に近づく
ように傾斜して形成されていることを特徴とする、請求
項1記載の内燃機関用ピストン。 - 【請求項３】 前記スカート部の外周プロファイル形状
は、切欠き及びこの切欠きよりもピストンの軸心線方向
に沿って冠面部に近い部分が、残余の部分よりも凹んだ
形状に形成されていることを特徴とする、請求項１記載
の内燃機関用ピストン。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26194999A JP2001082246A (ja) | 1999-09-16 | 1999-09-16 | 内燃機関用ピストン |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26194999A JP2001082246A (ja) | 1999-09-16 | 1999-09-16 | 内燃機関用ピストン |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001082246A true JP2001082246A (ja) | 2001-03-27 |
Family
ID=17368913
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP26194999A Pending JP2001082246A (ja) | 1999-09-16 | 1999-09-16 | 内燃機関用ピストン |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2001082246A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2011031535A2 (en) | 2009-08-27 | 2011-03-17 | Federal-Mogul Corporation | Monobloc piston with a low friction skirt |
| FR3094044A1 (fr) * | 2019-03-21 | 2020-09-25 | Psa Automobiles Sa | Piston de moteur a combustion interne |
-
1999
- 1999-09-16 JP JP26194999A patent/JP2001082246A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2011031535A2 (en) | 2009-08-27 | 2011-03-17 | Federal-Mogul Corporation | Monobloc piston with a low friction skirt |
| EP2470812A2 (en) * | 2009-08-27 | 2012-07-04 | Federal-Mogul Products, Inc. | Monobloc piston with a low friction skirt |
| JP2013503300A (ja) * | 2009-08-27 | 2013-01-31 | フェデラル−モーグル コーポレイション | 低摩擦スカートを有するモノブロックピストン |
| EP2470812A4 (en) * | 2009-08-27 | 2015-04-08 | Federal Mogul Products Inc | MONOLITHIC PISTON WITH LOWING SIZE |
| US9909526B2 (en) | 2009-08-27 | 2018-03-06 | Federal-Mogul Llc | Monobloc piston with a low friction skirt |
| FR3094044A1 (fr) * | 2019-03-21 | 2020-09-25 | Psa Automobiles Sa | Piston de moteur a combustion interne |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20041217 |