JPH0736109Y2 - 内燃機関のピストン - Google Patents
内燃機関のピストンInfo
- Publication number
- JPH0736109Y2 JPH0736109Y2 JP4055889U JP4055889U JPH0736109Y2 JP H0736109 Y2 JPH0736109 Y2 JP H0736109Y2 JP 4055889 U JP4055889 U JP 4055889U JP 4055889 U JP4055889 U JP 4055889U JP H0736109 Y2 JPH0736109 Y2 JP H0736109Y2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- piston
- skirt portion
- skirt
- rigidity
- internal combustion
- Prior art date
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- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、内燃機関のピストンに関し、とくにスカート
部とピンボス部とを連結するサイドウォール部の構造に
関する。
部とピンボス部とを連結するサイドウォール部の構造に
関する。
一般に、内燃機関のピストンのスカート部とピンボス部
とを連結するサイドウォール部は、その肉厚が実質的に
均一になるように形成されている（たとえば特開昭62-8
5152号公報、実開昭60-26254号公報、実開昭61-200440
号公報）。たとえば第５図に示すように、ピストン１の
スカート部２とピンボス部３とを連結するサイドウォー
ル部４は、連結方向にも図に示す上下方向にも実質的に
均一な肉厚とされている。
とを連結するサイドウォール部は、その肉厚が実質的に
均一になるように形成されている（たとえば特開昭62-8
5152号公報、実開昭60-26254号公報、実開昭61-200440
号公報）。たとえば第５図に示すように、ピストン１の
スカート部２とピンボス部３とを連結するサイドウォー
ル部４は、連結方向にも図に示す上下方向にも実質的に
均一な肉厚とされている。
また、サイドウォール部を含むスカート部内に、スカー
ト部の熱膨張を抑制するため、また剛性を高めるため、
スチールストラットを埋設することもある（たとえば実
開昭62-71353号公報）。
ト部の熱膨張を抑制するため、また剛性を高めるため、
スチールストラットを埋設することもある（たとえば実
開昭62-71353号公報）。
しかしながら、従来のピストン構造には次の問題があ
る。
る。
第６図および第７図を参照しながら説明するに、ピスト
ン１とシリンダボア５との間には、熱膨張を考慮してあ
る程度のクリアランスが設けられている。このクリアラ
ンスは、スカート部２の上部にいく程大きくなるように
スカート部２外周のプロフィルが設定されている。エン
ジン運転時、クランク運動によってピストンピン穴６を
軸として横力が生じるので、上記クリアランスがあるこ
とによりピストン１は第６図に示すように傾き、スカー
ト部２下端部がシリンダボア５の一方側に、上部肩部が
シリンダボア５の他方側に当たる。この時、ピストンス
カート部２の肩部と下端部に衝撃力が加わる。スカート
部２の下端部には、該下端部を内方へ変形させようとす
る力Ｆが作用し、第７図に示すように、スカート部２の
設計プロフィル（ａ）が、運転後には（ｂ）のように変
形しようとする。このような変形が生じると、シリンダ
ボア５とのクリアランスが拡がるため更に衝撃力が増
し、同時にスカート部の肩部側についての衝撃力も増大
する。
ン１とシリンダボア５との間には、熱膨張を考慮してあ
る程度のクリアランスが設けられている。このクリアラ
ンスは、スカート部２の上部にいく程大きくなるように
スカート部２外周のプロフィルが設定されている。エン
ジン運転時、クランク運動によってピストンピン穴６を
軸として横力が生じるので、上記クリアランスがあるこ
とによりピストン１は第６図に示すように傾き、スカー
ト部２下端部がシリンダボア５の一方側に、上部肩部が
シリンダボア５の他方側に当たる。この時、ピストンス
カート部２の肩部と下端部に衝撃力が加わる。スカート
部２の下端部には、該下端部を内方へ変形させようとす
る力Ｆが作用し、第７図に示すように、スカート部２の
設計プロフィル（ａ）が、運転後には（ｂ）のように変
形しようとする。このような変形が生じると、シリンダ
ボア５とのクリアランスが拡がるため更に衝撃力が増
し、同時にスカート部の肩部側についての衝撃力も増大
する。
この衝撃力の増大は、ピストンスラップ音増大の問題を
招く。また、スカート部肩部とシリンダボア５との当た
りが強くなりすぎると、油膜切れ、焼付き等のおそれが
ある。これらはスカート部２の剛性と大きく関連してい
る。すなわち、スカート部２下部の剛性が低いとピスト
ン内側へ変形しやすくなり、スカート部２上部（肩部）
側の剛性が高いとシリンダボア５に当たった際の緩衝が
弱く、摩耗、油膜切れ、焼付き等発生の原因となる。
招く。また、スカート部肩部とシリンダボア５との当た
りが強くなりすぎると、油膜切れ、焼付き等のおそれが
ある。これらはスカート部２の剛性と大きく関連してい
る。すなわち、スカート部２下部の剛性が低いとピスト
ン内側へ変形しやすくなり、スカート部２上部（肩部）
側の剛性が高いとシリンダボア５に当たった際の緩衝が
弱く、摩耗、油膜切れ、焼付き等発生の原因となる。
スカート部とピンボス部とを連結するサイドウォール部
は、スカート部の剛性を決めるのに寄与しているが、従
来の均一肉厚のサイドウォール部では、スカート部の剛
性との関連において前述のような問題を解消し切れな
い。
は、スカート部の剛性を決めるのに寄与しているが、従
来の均一肉厚のサイドウォール部では、スカート部の剛
性との関連において前述のような問題を解消し切れな
い。
そこで本考案は、スカート部とピンボス部とを連結する
サイドウォール部がスカート部の剛性に大きく寄与して
いることに着目し、サイドウォール部の構造を適切に設
定することによりスカート部の剛性を最適化し、スカー
ト部の変形を抑制するとともにシリンダボアに当たった
際の緩衝能力を高め、ピストンの焼付きの防止、スラッ
プ音、摩擦損失の低減をはかることを目的とする。
サイドウォール部がスカート部の剛性に大きく寄与して
いることに着目し、サイドウォール部の構造を適切に設
定することによりスカート部の剛性を最適化し、スカー
ト部の変形を抑制するとともにシリンダボアに当たった
際の緩衝能力を高め、ピストンの焼付きの防止、スラッ
プ音、摩擦損失の低減をはかることを目的とする。
この目的に沿う本考案の内燃機関のピストンは、スカー
ト部とピンボス部とを連結するサイドウォール部の肉厚
を、スカート部の下部側程厚く上部側程薄くしたものか
ら成る。
ト部とピンボス部とを連結するサイドウォール部の肉厚
を、スカート部の下部側程厚く上部側程薄くしたものか
ら成る。
このようなピストンにおいては、サイドウォール部の肉
厚を上下位置で変えることにより、スカート部の下部側
の剛性が高められ、上部側の剛性が弱められる。下部側
の剛性が高められる結果、スカート部下端側のピストン
内側への変形が抑制され、ピストン傾き量の増大、シリ
ンダボアとの間の衝撃力の増大が抑えられ、スラップ音
が低減される。スカート部上部側の剛性が弱められる結
果、シリンダボアとの間の衝撃力が緩和され、スラップ
音が低減されるとともに油膜切れが防止される。
厚を上下位置で変えることにより、スカート部の下部側
の剛性が高められ、上部側の剛性が弱められる。下部側
の剛性が高められる結果、スカート部下端側のピストン
内側への変形が抑制され、ピストン傾き量の増大、シリ
ンダボアとの間の衝撃力の増大が抑えられ、スラップ音
が低減される。スカート部上部側の剛性が弱められる結
果、シリンダボアとの間の衝撃力が緩和され、スラップ
音が低減されるとともに油膜切れが防止される。
以下に、本考案の望ましい実施例を、図面を参照して説
明する。
明する。
第１図および第２図は、本考案の一実施例に係る内燃機
関のピストンを示している。図において、11はピストン
全体を示し、12はそのスカート部、13はピンボス部、14
はピストンピン穴を示している。
関のピストンを示している。図において、11はピストン
全体を示し、12はそのスカート部、13はピンボス部、14
はピストンピン穴を示している。
スカート部12とピンボス部13とは、サイドウォール部15
によって連結されている。サイドウォール部15は、第２
図のピストン横断面で示すように、スカート部12とピン
ボス部13とを、４箇所で、スラスト方向Ａ、反スラスト
方向Ｂに沿う方向で連結している。このサイドウォール
部15の肉厚ｔが、下部側程厚く上部側程薄く設定されて
いる。
によって連結されている。サイドウォール部15は、第２
図のピストン横断面で示すように、スカート部12とピン
ボス部13とを、４箇所で、スラスト方向Ａ、反スラスト
方向Ｂに沿う方向で連結している。このサイドウォール
部15の肉厚ｔが、下部側程厚く上部側程薄く設定されて
いる。
なお、ピストン横断面内でのサイドウォール部延設方向
は、第３図に示すように、サイドウォール部21がスカー
ト部22とピンボス部23とを、略スラスト、反スラスト方
向（Ａ−Ｂ）に連結するようにしてもよい。
は、第３図に示すように、サイドウォール部21がスカー
ト部22とピンボス部23とを、略スラスト、反スラスト方
向（Ａ−Ｂ）に連結するようにしてもよい。
上記のような構造のピストン11においては、ピストンの
スラスト、反スラスト方向におけるスカート部12の剛性
がサイドウォール部15の肉厚ｔの変化に従って上下方向
に変化する。サイドウォール部の肉厚とスカート部の剛
性との関係は、第４図に示すように、当然ながら肉厚が
大きいとスカート部の剛性が高くなり、肉厚が小さいと
スカート部の剛性は低くなる。したがって、上記サイド
ウォール部15の肉厚の変化により、スカート部12の剛性
は下部側では高められ上部側では弱められる。その結
果、第６図に示したようなピストンの傾きに対し、スカ
ート部12の下部側剛性が高められることによりスカート
部12の下端部のピストン内側への変形が抑制される。ま
た、スカート部12上部の剛性を弱めることにより、シリ
ンダボアとの間の衝撃力が緩和される。したがって、ピ
ストン11の傾きの増大、油膜切れが防止され、スラップ
音が低減される。
スラスト、反スラスト方向におけるスカート部12の剛性
がサイドウォール部15の肉厚ｔの変化に従って上下方向
に変化する。サイドウォール部の肉厚とスカート部の剛
性との関係は、第４図に示すように、当然ながら肉厚が
大きいとスカート部の剛性が高くなり、肉厚が小さいと
スカート部の剛性は低くなる。したがって、上記サイド
ウォール部15の肉厚の変化により、スカート部12の剛性
は下部側では高められ上部側では弱められる。その結
果、第６図に示したようなピストンの傾きに対し、スカ
ート部12の下部側剛性が高められることによりスカート
部12の下端部のピストン内側への変形が抑制される。ま
た、スカート部12上部の剛性を弱めることにより、シリ
ンダボアとの間の衝撃力が緩和される。したがって、ピ
ストン11の傾きの増大、油膜切れが防止され、スラップ
音が低減される。
以上説明したように、本考案の内燃機関のピストンによ
るときは、次のような種々の効果が得られる。
るときは、次のような種々の効果が得られる。
（イ） スカート部の剛性を上下位置で最適に設定する
ことにより、スカート部の変形を防止しシリンダボアと
の間のクリアランスを設計時状態のまま維持することが
可能になり、スラップ音を低減できる。
ことにより、スカート部の変形を防止しシリンダボアと
の間のクリアランスを設計時状態のまま維持することが
可能になり、スラップ音を低減できる。
（ロ） スカート部の剛性を制御することにより、スカ
ート部とシリンダボアとの衝撃力を緩和でき、スラップ
音を低減できる。
ート部とシリンダボアとの衝撃力を緩和でき、スラップ
音を低減できる。
（ハ） スカート部の剛性を制御することにより、油膜
を均一化でき、一層の衝撃力の緩和、スラップ音の低
減、焼付の防止をはかることができる。
を均一化でき、一層の衝撃力の緩和、スラップ音の低
減、焼付の防止をはかることができる。
（ニ） スカート部の変形抑制、衝撃力緩和により、ピ
ストンの信頼性を向上でき、同時に周辺部品（ピストン
リング、シリンダボア、コネクティングロッド等）の信
頼性も向上できる。
ストンの信頼性を向上でき、同時に周辺部品（ピストン
リング、シリンダボア、コネクティングロッド等）の信
頼性も向上できる。
（ホ） 上記（ニ）により、ストラットの不要化が可能
になり、大幅にコストダウンできる。
になり、大幅にコストダウンできる。
（ヘ） スカート部の剛性を制御することにより、ピス
トン姿勢を改善でき、摩擦損失を低減できる。また同時
にエミッションを低減でき、機関の性能改善をはかるこ
とができる。
トン姿勢を改善でき、摩擦損失を低減できる。また同時
にエミッションを低減でき、機関の性能改善をはかるこ
とができる。
第１図は本考案の一実施例に係る内燃機関のピストンの
一部断面表示側面図、 第２図は第１図のピストンの横断面図、 第３図は他の実施例に係るピストンの半横断面図、 第４図はサイドウォール部肉厚とスカート部剛性との関
係図、 第５図は従来のピストンの一部断面表示側面図、 第６図はピストンのスラップ時の状態を示す縦断面図、 第７図は第６図のピストンのスカート部の変形状態を示
す説明図、 である。 11……ピストン 12、22……スカート部 13、23……ピンボス部 15、21……サイドウォール部
一部断面表示側面図、 第２図は第１図のピストンの横断面図、 第３図は他の実施例に係るピストンの半横断面図、 第４図はサイドウォール部肉厚とスカート部剛性との関
係図、 第５図は従来のピストンの一部断面表示側面図、 第６図はピストンのスラップ時の状態を示す縦断面図、 第７図は第６図のピストンのスカート部の変形状態を示
す説明図、 である。 11……ピストン 12、22……スカート部 13、23……ピンボス部 15、21……サイドウォール部
Claims (1)
- 【請求項１】スカート部とピンボス部とを連結するサイ
ドウォール部の肉厚を、スカート部の下部側程厚く上部
側程薄くしたことを特徴とする内燃機関のピストン。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4055889U JPH0736109Y2 (ja) | 1989-04-07 | 1989-04-07 | 内燃機関のピストン |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4055889U JPH0736109Y2 (ja) | 1989-04-07 | 1989-04-07 | 内燃機関のピストン |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH02132834U JPH02132834U (ja) | 1990-11-05 |
| JPH0736109Y2 true JPH0736109Y2 (ja) | 1995-08-16 |
Family
ID=31550451
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4055889U Expired - Fee Related JPH0736109Y2 (ja) | 1989-04-07 | 1989-04-07 | 内燃機関のピストン |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0736109Y2 (ja) |
Families Citing this family (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE102009032379A1 (de) * | 2008-08-13 | 2010-02-18 | Mahle International Gmbh | Kolben für einen Verbrennungsmotor |
| JP5063634B2 (ja) | 2009-03-12 | 2012-10-31 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 内燃機関のピストン |
| JP2012031814A (ja) | 2010-08-02 | 2012-02-16 | Toyota Motor Corp | 内燃機関のピストンおよびその製造方法 |
| JP2012233417A (ja) * | 2011-04-28 | 2012-11-29 | Toyota Motor Corp | 内燃機関用ピストン |
| JP5307209B2 (ja) * | 2011-09-09 | 2013-10-02 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 内燃機関のピストン |
| EP2898209A1 (en) * | 2012-09-18 | 2015-07-29 | Federal-Mogul Corporation | Steel piston with counter-bore design |
| JP5564133B2 (ja) * | 2013-05-27 | 2014-07-30 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 内燃機関のピストン |
| JP2016535191A (ja) * | 2013-10-14 | 2016-11-10 | カーエス コルベンシュミット ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングＫＳ Ｋｏｌｂｅｎｓｃｈｍｉｄｔ ＧｍｂＨ | 内燃機関用のピストン及びその製造方法 |
-
1989
- 1989-04-07 JP JP4055889U patent/JPH0736109Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH02132834U (ja) | 1990-11-05 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |