JPH0430361Y2 - - Google Patents

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JPH0430361Y2
JPH0430361Y2 JP1986079956U JP7995686U JPH0430361Y2 JP H0430361 Y2 JPH0430361 Y2 JP H0430361Y2 JP 1986079956 U JP1986079956 U JP 1986079956U JP 7995686 U JP7995686 U JP 7995686U JP H0430361 Y2 JPH0430361 Y2 JP H0430361Y2
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piston
thermal expansion
thrust
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skirt
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案はエンジンのピストン構造、特にそのピ
ストンスカート部の構造の改良に関する。
(従来の技術) エンジンのピストンは、シリンダ内を常に円滑
に摺動し得るように形状変化が起きないものが望
ましいが、実際には運転時にそれ自身が熱膨張す
ると共に、該ピストンがシリンダ内を摺動する際
にシリンダ壁面から受ける側圧(ピストンのピン
軸方向と直交するスラスト・反スラスト方向にお
いて該ピストンがシリンダ壁面に特に強く押し付
けられることによつて生じる所謂サイドスラス
ト)等によつて若干変形し、その結果としてシリ
ンダ壁面との間に焼付きが生じたり、或いは該ピ
ストンの特定部分だけが著しく摩耗するといつた
事態が生じることがある。その場合、例えば第7
図に示すように、上記のような変形による偏摩耗
等はピストンAの特に斜線で示すスカート部A1
において生じ易いことが知られている。
そこで、従来においては、シリンダ壁面との円
滑な摺動を保つべく、各種ピストン構造が提案さ
れ或いは実用化されている。その一例を第8図に
示す。これは、実開昭55−54545号公報に掲載さ
れているピストンであつて、同図に示すように、
該ピストンBのスカート下端部B1に、ピストン
材料より熱膨張率が小さく且つ強度の大きい材料
からなるリングCを設けたものである。これによ
れば、上記スカート下端部B1の熱膨張による変
形が上記リングCによつて該スカート下端部B1
の全周に亘り抑制される。
(考案が解決しようとする問題点) 然るに、運転中のエンジンにおいては上記のよ
うな熱膨張に加えてスラスト力(側圧)がピスト
ンに作用するため、該ピストンはその全周に亘つ
て一律に変形するのではなく、そのスカート部周
面の特定範囲だけが外側に膨出するように変形す
ることがその温度分布の測定によつて確認され
た。即ち、実際のエンジンにおいて無負荷の場合
は、第9図のグラフに符号イで示すようにピン軸
方向と直交するスラスト・反スラスト方向の部分
が最も大きく熱膨張するが、該スカート部におけ
るスラスト・反スラスト方向の所定位置(上記第
7図において符号Dで示す位置)に25Kgの負荷だ
けを加えてその変形度合を測定したところ、符号
ロで示すように、スラスト・反スラスト方向から
略30°の角度にある部分が最も大きく変形し、そ
の結果、上記の熱膨張とスラスト力との両方が作
用した場合は、符号ハで示すようにスラスト・反
スラスト方向から15°〜40°の角度範囲にある部分
が凸状に変形することが判明したのである。尚、
以上の事実は、第7図に符号Eで示した位置にお
けるピストンスカート部周面の温度分布を測定し
た結果、間接的に得られたものである。
(問題点を解決するための手段) 本考案は、エンジンのピストンにおける上記の
ような問題、つまり熱膨張とスラスト力の影響で
該ピストンのスカート部の特定部分が凸状に変形
するといつた問題に対処するもので、熱膨張によ
る変形とスラスト力による変形との両方を考慮し
た上で、該ピストンの構造に改良を施すことによ
り、上記ピストンスカート部において生じる特定
部分の変形を防止し、ひいてはその特定部分で生
じ易かつた焼付きや、該部分におけるシリンダ壁
面に対する当接強度ないし摺動抵抗の増大による
偏摩耗を効果的に防止することを目的とする。
この目的を達成するため本考案に係るエンジン
のピストン構造は、ピストンのピン軸方向と直交
するスラスト・反スラスト方向から20°〜40°の角
度範囲にあるピストンスカート部の内側に、該ス
カート部よりも熱膨張率の小さい低熱膨張材の一
端が鋳込むと共に、該低熱膨張材を上記一端から
ピストンの中心方向に向けて延ばし、且つ他端を
該ピストンのピンボス部に鋳込んだことを特徴と
する。ここで、上記ピストンスカート部の材質が
アルミ合金である場合、上記低熱膨張材としては
該アルミ合金よりも熱膨張率の小さい例えば鉄板
が用いられる。
(作用) このような構成によれば、エンジンのピストン
におけるスラスト・反スラスト方向から20°〜40°
の角度範囲にあるピストンスカート部の内側、つ
まり熱膨張による変形とスラスト力による変形と
が複合して外方へ最も膨出する特定部分が低熱膨
張材によつてピンボス部と連結されると共に、特
にこの低熱膨張材は上記特定部分へ鋳込まれた端
部から当該ピストンの中心方向に向つて延びてい
るから、該特定部分、即ちスラスト・反スラスト
方向から20°〜40°の角度範囲にあるピストンスカ
ート部における外方への膨出が確実に抑制される
ことになる。その結果、該ピストンスカート部の
全体が滑らかな曲面形状となる。
(実施例) 以下、本考案の実施例を説明する。
第1図に示すようにエンジンのピストン1は、
上端部が燃焼による圧力を直接受けるピストンヘ
ツド部2とされており、その下方位置にある上部
周面にピストンリング装着用の複数のリング溝3
…3が形成されていると共に、該リング溝3…3
の更に下方側にはピストンピン挿通孔4が設けら
れている。この孔4は、ピストン1と図示しない
コンロツドとを連結するピストンピン(図示せ
ず)が挿通される孔であつて、第2図に示すよう
に該ピストン1の中心Oを通るX軸方向に形成さ
れているが、その場合、ピストン1の下部内側に
は該X軸方向(ピン軸方向)に沿つてピンボス部
5,5が設けられ、このボス部5,5間に上記ピ
ストンピン(図示せず)が挿通されるようになつ
ている。尚、当該エンジンにピストン1を実際に
組付ける場合、該ピストン1は、第1図に鎖線で
示すシリンダ10内に摺動自在に嵌挿され、図示
しない上記コンロツドを介してクランクシヤフト
に連結された状態で、上記シリンダ10内を往復
運動するように組付けられる。
然して、このピストン1の下部つまりスカート
部6には、その内側所定位置に該スカート部6よ
り熱膨張率の小さい低熱膨張材7,7が鋳込まれ
ている。この低熱膨張材7,7は、この実施例の
場合、第3図に単体で示すように、両端に第1折
曲部7a,7aが形成されていると共に、その中
央寄りの2箇所の部分(第2折曲部)7b,7b
で更に折曲されており、該第2折曲部7b,7b
間に位置する中間部7cの中央部に上記ピストン
ピンが挿通される孔7dが形成されている。そし
て、各低熱膨張材7,7の両端の各第1折曲部7
a…7aが、夫々、上記ピストン1のピン軸方向
(X軸方向)と直交するスラスト・反スラスト方
向(Y軸方向)から20°〜40°の角度範囲(第2図
に符号Zで夫々示すように4箇所ある)にあるピ
ストンスカート部6の周壁部内に位置された上
で、第2折曲部7b側が略ピストン中心O方向に
延びていると共に、上記中間部7cが上記ピンボ
ス部5におけるピストン中心O側の端部を横切る
状態でピストン1に鋳込まれている。尚、上記ス
カート部6の材質がアルミ合金である場合には、
これよりも熱膨張率の小さい例えば鉄板等が上記
低熱膨張材7,7の素材として採用される。
次に、この実施例の作用を説明する。
今、ピストン1が当該エンジンに組込まれて作
動しているものとすると、該ピストン1の周壁に
おいては、ピストンピン軸方向(X軸方向)にあ
る部分の方が、これと直交するスラスト・反スラ
スト方向(Y軸方向)にあるスカート部6の方よ
りも一般的に温度が高くなるため、熱膨張だけを
考慮した場合、該ピストン周壁の外面つまりピス
トン周面は、第4図に示すように上記X軸方向
側のa部分(図面では1箇所しか示していない
が、実際には2箇所ある)が大きく凸状に熱変形
しようとする。しかし、上記構成によれば、該ピ
ストン周壁におけるY軸方向から20°〜40°の角度
範囲Zにあるスカート部6の内側とピンボス部5
とを連結するようにピストン中心Oに向つて延び
る低熱膨張材7が鋳込まれており、該低熱膨張材
7と当該スカート部との熱膨張差から、上記角度
範囲Zにあるスカート部6の熱膨張が抑制される
ことになり、その結果、該ピストン1の周面は第
4図に示すような形状に変形することになる。
つまり、上記低熱膨張材7によつて熱膨張が抑制
された部分bが若干窪んだような状態となる。
然して、このような状態でピストン1にY軸方
向からスラスト力が作用すると、その方向にある
ピストン周壁部分が若干内側に変形される一方、
これと直交する上記X軸方向のピストン周壁部分
がその分だけ外側に変形されることになるが、こ
れらの変形と同時に、上記低熱膨張材7が鋳込ま
れていることによつて形成された窪み部分bが、
上記スラスト荷重によつて外側に膨出するように
変形されるため、第4図に示すようにピストン
1の周面形状は全体として凹凸のない滑らかな曲
面となる。つまり、上記低熱膨張材7は、熱膨張
による変形とスラスト力による変形とが複合する
ことによるスラスト・反スラスト方向から20°〜
40°の角度範囲Zのスカート部6における外方へ
の膨出を抑制することになるのである。これによ
り、ピストン1はシリンダの壁面に対して強い当
りや油膜切れを生じることなく良好な潤滑状態で
摺動し得るようになり、その結果、ピストン1と
シリンダ10の壁面との間の焼付きが防止される
と共に、該ピストン1のスカート部6における特
定部分に生じ易かつた偏摩耗が効果的に防止れる
ことになる。
尚、上記の実施例においては、ピストン1の周
壁内における所定位置に両端の第1折曲部7a,
7aが位置するように2つの低熱膨張材7,7を
夫々鋳込む構成としたが、該低熱膨張材7,7に
代えて第5図及び第6図に示すような形状の4つ
の低熱膨張材7′…7′を使用してもよい。その場
合、各低熱膨張材7′…7′の一端に形成された第
1折曲部7a′…7a′がピストン1′のスカート部
における上記第1実施例と同様の範囲に鋳込まれ
ると共に、他端に形成された第2折曲部7e′…7
e′がピストン1′のピンボス部5′,5′に夫々鋳
込まれる。そして、上記各第1折曲部7a′…7
a′から延設された部分7b′…7b′が該ピストン1
の中心O′に向かうように構成される。
(考案の効果) 以上のように本考案に係るエンジンのピストン
構造は、そのピストンピン軸方向と直交するスラ
スト・反スラスト方向から20°〜40°の角度範囲に
あるピストンスカート部が熱膨張による変形とス
ラスト力による変形とが複合して最も外方へ膨張
しやすい点に着目して、その角度範囲のスカート
部とピンボス部とをピストンの中心方向に向つて
延びる低熱膨張材によつて連結する構成としたか
ら、上記角度範囲におけるスカート部の外方への
膨出が効果的に抑制され、その結果、該スカート
部の周面はスラスト力の作用下においては全体と
して凹凸のない滑らかな形状となる。これによ
り、この種のピストンの上記角度範囲のスカート
部で生じ易いシリンダ壁面に対する焼付きが防止
されると共に、その部分における当接強度ないし
摺動抵抗の増大が回避され、ひいては偏摩耗が防
止されることになる。
【図面の簡単な説明】
第1〜第6図は本考案の実施例を示すもので、
第1図は第1実施例に係るエンジンのピストン構
造を示す正面図、第2図は第1図−線で切断
した横断面図、第3図は第2図における低熱膨張
材の単体斜視図、第4図〜は該実施例の作用
の説明に用いたピストンの簡略図、第5図は本考
案の第2実施例に係るピストン構造を示す横断面
図、第6図は第5図における低熱膨張材の単体斜
視図である。また、第7図は従来ピストンにおい
て焼付き等が生じ易かつた部分を示すピストン単
体の正面図、第8図は従来におけるエンジンのピ
ストン構造を示す縦断面図、第9図はエンジンの
ピストンのスカート部周面における変形量の傾向
をその温度分布から推定した結果を示すグラフで
ある。 1,1′……ピストン、5,5′……ピンボス
部、6……ピストンスカート部、7,7′……低
熱膨張材、X……ピン軸方向、Y……スラスト・
反スラスト方向、O,O′……ピストン中心。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. ピストンのピン軸方向と直交するスラスト・反
    スラスト方向から20°〜40°の角度範囲にあるピス
    トンスカート部の内側に、該スカート部よりも熱
    膨張率の小さい低熱膨張材の一端が鋳込まれてい
    ると共に、該低熱膨張材が上記一端からピストン
    の中心方向に向かつて延びて、他端が該ピストン
    のピンボス部に鋳込まれていることを特徴とする
    エンジンのピストン構造。
JP1986079956U 1986-05-27 1986-05-27 Expired JPH0430361Y2 (ja)

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JP1986079956U JPH0430361Y2 (ja) 1986-05-27 1986-05-27

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JP1986079956U JPH0430361Y2 (ja) 1986-05-27 1986-05-27

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JPS62190844U JPS62190844U (ja) 1987-12-04
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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57186045A (en) * 1981-05-12 1982-11-16 Honda Motor Co Ltd Piston made of magnesium alloy

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59156139U (ja) * 1983-04-05 1984-10-19 トヨタ自動車株式会社 内燃機関用ピストン
JPS59156140U (ja) * 1983-04-05 1984-10-19 トヨタ自動車株式会社 内燃機関用ピストン

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS57186045A (en) * 1981-05-12 1982-11-16 Honda Motor Co Ltd Piston made of magnesium alloy

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JPS62190844U (ja) 1987-12-04

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